JP3988658B2 - マイクロポンプの制御方法およびマイクロ流体システム - Google Patents

マイクロポンプの制御方法およびマイクロ流体システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小量の流体を高精度に送ることが必要な化学分析などに用いられるマイクロポンプの制御方法およびマイクロ流体システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年において、マイクロマシン技術を応用し、化学分析や化学合成などのための機器や手法を微細化して行うμ−TAS(Micro Total Analysis System)が注目されている。μ−TASによる化学分析、環境計測などでは、デバイス(チップ)上で送液、混合、検出を行うために、送液手段としてマイクロポンプが用いられる。そのような送液手段に適したマイクロポンプの例として、本出願人が開示した特開2001−322099に記載のものがある。
【0003】
さて、マイクロポンプによって流体を流路に送出するに際して、流路内に流体の存在しない初期状態から流体の送出を開始する場合では、送出された流体によって流路が時間の経過とともに徐々に満たされていくことになる。それによって、マイクロポンプの負荷である流路抵抗値が時間とともに徐々に増加することになり、その結果、マイクロポンプが送出する流体の流速つまり流量が徐々に低下していくという問題がある。つまり、流量の目標値を定めてそれに応じた駆動電圧をマイクロポンプに供給している場合でも、流路抵抗値の変化によって流量が目標値からずれてくるという問題がある。
【0004】
この問題の解決の従来における一般的な手法は、流量センサを用いて流量を計測し、計測値に基づいてフィードバック制御を行うことである。例えば、特開平5−1669号には、マイクロバルブを構成するシリコン基板の変形をセンサによって検出し、センサによる検出値を流量の変化量としてフィードバックする方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−322099
【0006】
【特許文献1】
特開平5−1669
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上に述べたようにセンサを用いてフィードバックを行う方法では、流量センサおよびフィードバックの回路が複雑になってコスト的に不利となる。
【0008】
また、上に述べた特開平5−1669号の方法による場合は、直接的にはバルブの開閉量を検出しているので実際の流量との間で誤差が生じ、精度の点で問題が残る。
【0009】
また、複数のマイクロポンプによって複数の流体を送出して合流させる場合には、合流後の流路に満たされる流体の量に応じて複数のマイクロポンプの相互間の影響の度合いが変化する。そのため、複数の流体の流量比つまり混合比が変化してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、マイクロポンプを制御して流路における流体の流量を目標値に近づけることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る方法は、マイクロポンプによって流体を流路に送出するように構成されたマイクロ流体システムにおけるマイクロポンプの制御方法であって、前記マイクロポンプの作動による前記流路中の前記流体の量の変化に基づく流路抵抗の変化の予測値に関する情報を取得し、取得した前記情報に基づいて前記マイクロポンプを駆動するための電気信号を制御し、これにより前記流路における流量が目標値となるように制御する。
【0012】
また、時刻tにおけるマイクロポンプの発生圧力の初期からの増減量をΔP(t)とし、時刻tにおける流路の流路抵抗値の初期からの増減量をΔR(t)とし、時刻tにおける目標流量をQ(t)としたときに、各時刻において
ΔP(t)=Q(t)×ΔR(t)
の関係が成り立つように、前記マイクロポンプの発生圧力を調節し、これにより前記流路における流量が目標流量となるように制御する。
【0013】
また、複数のマイクロポンプによって複数の流体を送出して合流させるように構成されたマイクロ流体システムにおけるマイクロポンプの制御方法であって、前記複数のマイクロポンプについて、その発生圧力から合流点より下流における圧力降下値を差し引いた値の互いの比が、各マイクロポンプから送出される流体の混合比に略等しくなるように、前記各マイクロポンプを駆動するための電気信号を調整してその発生圧力を制御する。
【0014】
本発明に係るマイクロ流体システムは、前記マイクロポンプの作動時間と前記マイクロポンプの作動による前記流路中の前記流体の量の変化に基づく流路抵抗の変化分をキャンセルするに必要な電圧を加味した電圧値との関係を記憶したテーブルと、前記マイクロポンプの作動の開始後に前記テーブルを参照して前記マイクロポンプを駆動するための電気信号を制御する電圧制御部とを有して構成する。
【0015】
また、前記複数の流体の合流点における圧力を検出するためのセンサと、前記複数のマイクロポンプについて、その発生圧力から前記センサの検出圧力を差し引いた値の互いの比が、各マイクロポンプから送出される流体の混合比に略等しくなるように、前記各マイクロポンプを駆動するための電気信号を制御する電圧制御部とを有して構成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
図1は本発明に係る第1の実施形態のマイクロ流体システムMS1の構成を模式的に示す平面図、図2は第1の実施形態のマイクロポンプ1の正面断面図、図3は開口部の流路抵抗特性の例を示す図、図4および図5は圧電素子の駆動電圧の波形の例を示す図、図6は流路23における液体の充填長さLを示す図である。なお、図2は、図1の開口部12,13の中心を通る面によって断面した状態を示す図である。
【0017】
図1および図2に示すように、マイクロ流体システムMS1は、ポンプ室であるチャンバー11とリザーバ22とが開口部12を介して連通し、同じくチャンバー11と細長い流路23とが開口部13を介して連通している。チャンバー11、開口部12,13、リザーバ22と流路23の一部、および後述する圧電素子34などによってマイクロポンプ1が構成される。
【0018】
図2によく示されるように、マイクロポンプ1は、シリコン基板31を用い、この基板31の底面にフォトリソグラフィー工程によって、チャンバー11、開口部12,13、リザーバ22、および流路23などを構成するための溝または窪みを形成し、その下に底板となるガラス基板32を接合することによって製作される。その際に、シリコン基板31におけるチャンバー11となる窪みは、シリコン基板31が貫通しないようにハーフエッチングで堀り込み、シリコン基板31の残った部分をダイヤフラム31fとして用いる。ダイヤフラム31fの上に圧電素子34がはり付けられている。
【0019】
マイクロポンプ1はこのようにして製作することが可能であるが、従来から公知の方法、その他の方法またはその他の材料を用いて製作することも可能である。
【0020】
圧電素子34には、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックスの薄板を用いる。圧電素子34の駆動のための2つの電極は、圧電素子34の両側の表面に引き出され、フレキシブルケーブル35などによって配線され、駆動回路36に接続される。
【0021】
駆動回路36によって、圧電素子34に図4(A)または図5(A)に示す波形の電圧を印加することにより、シリコン薄膜であるダイヤフラム31fと圧電素子34とがユニモルフモードの屈曲変形を行うことを利用して、チャンバー11の容積を増減させる。駆動回路36はCPU40によって制御される。CPU40およびその周辺の回路については後で説明する。
【0022】
さて、開口部12の断面積(有効断面積)は、リザーバ22の開口部12近辺の断面積よりも小さい。また、開口部13の断面積は、流路23の断面積より小さい。
【0023】
開口部13は、チャンバー11の圧力を上昇または下降させたときの流路抵抗の変化割合が、開口部12のそれよりも小さく設定されている。
したがって、開口部12は、図3(A)に示すように、その両端の差圧が零に近いときは流路抵抗が低いが、差圧が大きくなると流路抵抗が大きくなる。つまり圧力依存性が大きい。開口部13は、図3(B)に示すように、差圧が零に近いときの流路抵抗は開口部12の場合よりも大きいが、圧力依存性がほとんどなく、差圧が大きくなっても流路抵抗は余り変化せず、差圧が大きい場合に流路抵抗が開口部12よりも小さくなる。
【0024】
このような流路抵抗特性は、流路を流れる流体、例えば液体が、差圧の大きさに応じて層流または乱流のいずれかとなるようにするか、または差圧にかかわりなく常に層流となるようにするか、によって得ることが可能である。具体的には、例えば、前者は開口部12を流路長の短いオリフィス状とし、後者は開口部13を流路長の長いノズル状とすることによって実現することが可能である。
【0025】
開口部12と開口部13のこのような流路抵抗特性を利用して、チャンバー11に圧力を発生させるとともに、その圧力の変化の割合を制御することによって、吐出工程および吸入工程のそれぞれにおいて開口部12,13のうち流路抵抗の低い方により多くの流体を吐出または吸入するようなポンプ作用を実現することができる。
【0026】
つまり、チャンバー11の圧力を上昇させるとともに、その変化の割合を大きくすれば、各開口部12,13の両端における差圧が大きくなって開口部12の流路抵抗が開口部13の流路抵抗よりも大きくなり、チャンバー11内の流体のほとんどは開口部13から吐出する(吐出工程)。そして、チャンバー11の圧力を下降させるとともに、その変化の割合を小さくすれば、差圧が小さく維持されて開口部12の流路抵抗の方が開口部13の流路抵抗よりも小さくなり、開口部12からチャンバー11内により多くの流体が流入する(吸入工程)。
【0027】
これとは逆に、チャンバー11の圧力を上昇させるとともに、その変化の割合を小さくしておけば、差圧が小さく維持されて開口部12の流路抵抗の方が開口部13の流路抵抗よりも小さくなり、チャンバー11内の流体は開口部12からより多く吐出する(吐出工程)。そして、チャンバー11の圧力を下降させるとともに、その変化の割合を大きくすれば、差圧が大きくなって開口部12の流路抵抗の方が開口部13の流路抵抗よりも大きくなり、開口部群13からチャンバー11内により多くの流体が流入する(吸入工程)。
【0028】
このようなチャンバー11の圧力制御は、圧電素子34に供給する駆動電圧を制御し、ダイヤフラムの変形の速度、量、およびタイミングを制御することによって実現される。例えば、圧電素子34に図4(A)に示す波形の駆動電圧を印加することによって流路23の側に吐出し、図5(A)に示す波形の駆動電圧を印加することによってリザーバ22の側に吐出する。
【0029】
本実施形態においては、通常は、リザーバ22に貯留した流体をチャンバー11が吸入して流路23に吐出するように作動させるので、開口部12をインレット、開口部13をアウトレットと呼称することがある。なお、供給口PT1から流体を注入することによってリザーバ22に流体が貯留する。
【0030】
図4および図5において、圧電素子34に印加する最大電圧e1 は、数ボルトから数十ボルト程度、最大で100ボルト程度である。また、時間T1,T7は20μs程度、時間T2,T6は0〜数μs程度、時間T3,T5は60μs程度である。時間T4,T8は0であってもよい。駆動電圧の周波数は11KHz程度である。図4(A)および図5(A)に示す駆動電圧によって、流路23には、例えば図4(B)および図5(B)に示すような流量が得られる。なお、図4(B)および図5(B)における流量曲線は、ポンプ動作によって得られる流量を模式的に示したもので、実際には流体の慣性振動が重畳する。したがって、これら図に示された流量曲線に振動成分が重畳された曲線が実際に得られる流量を示すこととなる。
【0031】
さて、流路23内に流体の存在しない初期状態において、マイクロポンプ1の作動を開始する場合を考える。マイクロポンプ1の作動の開始とともに流路23に流体が送出され、流路23内の流体の量は時間の経過とともに徐々に増加する。流路23内の流体の量が増大するにしたがって、流路23における流路抵抗値が増大する。そのため、圧電素子34に供給する駆動電圧を一定とした場合には、従来の技術の項で説明したように流路抵抗値の増大によって流量が低下するので、流路23に送出する流量を一定とすることはできない。
【0032】
本実施形態のマイクロ流体システムMS1では、流路23に流体が送出されることによって流路抵抗値が変化しても、流路23に常に一定流量の流体を送出するようにマイクロポンプ1を制御する。次に、その制御方法について説明する。なお、以下において、流体として液体を用いる場合を説明する。
【0033】
まず、初期状態において所望の一定の流量Qで送液するために必要なマイクロポンプ1の発生圧力を求めておく。これは、マイクロポンプ1の無負荷の状態における駆動電圧と流量との関係に基づいて容易に求められる。
【0034】
そして、マイクロポンプ1を流量Qで作動させたときに流路23に送出される総量(充填量)を、各時刻tごとに求める。液体の総量に基づいて、各時刻tにおける初期状態からの流路抵抗値Rの増減量〔△R(t)〕を推測する。
【0035】
例えば、本実施形態の場合のように流路23の断面積が一定であれば、液体の総量は、流路23への充填長さLによって表すことができる。流路23への充填長さLは、図6に示すように、流路23において液体が充填されている部分の総長さである。流量Qが一定の場合には、充填長さは経過時間つまり時刻tに比例する。流路抵抗値Rが流路23における液体の充填長さに比例すると見てよい場合には、結局、時刻tに比例して流路抵抗値Rが増加する。つまり、流路抵抗値Rの増減量〔△R(t)〕は、時刻tに比例する。流路抵抗値Rの増減量〔△R(t)〕による圧力の変化量は、
Q×〔△R(t)〕
となる。
【0036】
さて、流路抵抗値Rの増減量〔△R(t)〕によってマイクロポンプ1の負荷が増減するが、マイクロポンプ1が一定の流量Qを送出するためには、その負荷の増減に対応してマイクロポンプ1の発生圧力を増減する必要がある。したがって、一定の流量Qを送出するためには、マイクロポンプ1の発生圧力の初期状態からの増減量〔ΔP(t)〕が、常に、次の(1)式、
〔ΔP(t)〕=Q×〔△R(t)〕 …(1)
となるように、マイクロポンプ1の発生圧力を調整すればよい。
【0037】
マイクロポンプ1の発生圧力が上の(1)式の関係を満たすように調整するには、最も簡単には圧電素子34に供給する駆動電圧を増減することにより達成できる。つまり、マイクロポンプ1の発生圧力が上の(1)式を満たすように、圧電素子34の駆動電圧を制御することにより、流路23に常に一定の流量Qの流体を送出することができる。
【0038】
ところで、マイクロポンプ1の駆動電圧と発生圧力との関係は、予め実験などによって求めておく。その方法として、例えば、マイクロポンプ1を駆動すると同時に、流路23の出口側から圧縮空気などを供給して圧力を加え、マイクロポンプ1の駆動にも係わらず液体の送出が停止したときの圧縮空気の圧力を測定する。この測定を種々の駆動電圧について行うことにより、駆動電圧ー発生圧力特性を求めることができる。
【0039】
なお、流路抵抗値Rとは、流体が流路を通って流れるときの圧力損失の係数に相当する。流路を単位時間に流れる流体の体積つまり流量をQとし、流体が流路を流れることによる圧力損失を△Pとすると、流路抵抗値R[N・s/m5 ]は、次の(2)式、
R=ΔP/Q …(2)
で求められる。但し、Nは力(Newton)、sは時間(second)である。
【0040】
そして、例えば時刻tと駆動電圧との関係を求めて予め制御テーブルに記憶させておき、時刻tに対応する駆動電圧を制御テーブルから読み出して圧電素子34を制御することによって、マイクロポンプ1から所定の一定の流量Qを送出することができる。次のそのような制御テーブルTB1の例を説明する。
【0041】
図7は時刻tと駆動電圧Vとの関係の例を示す制御テーブルTB1である。
図7に示す制御テーブルTB1では、流路23の液体による充填長さL、流路抵抗値R、駆動電圧V、マイクロポンプ1の発生圧力P、およびその増減量ΔPが、時刻tの関数として表されている。なお、これは、流路23の断面が一辺100μmの正方形であるとし、所定の流量Qが40nL/sであるとした場合を示す。この場合の流速は、4mm/sである。
【0042】
本実施形態の場合には、流路23の形状が一様な断面の細長い流路であることから、上にも述べたように、その流路抵抗値Rは流路23中に液体が満たされている部分の長さに比例することになる。そのため、マイクロポンプ1の発生圧力の増分は、流路23中に液体が満たされている部分の長さの増分に略比例させている。また、この例の場合には、流路抵抗値Rの初期からの増分は時刻t(経過時間)に比例するので、マイクロポンプ1の発生圧力の初期からの増分は時刻tに対して比例させている。
【0043】
なお、図7に示す制御テーブルTB1は、ある特定の温度におけるものである。温度が変わると液体の粘性が変わるため、制御テーブルTB1の内容も変わる。そのため、制御テーブルTB1には、図7に示す以外に、種々の温度に対応した値のテーブルが含まれている。なお、種々の温度に対して個別に制御テーブルTBを用意してもよい。
【0044】
図2において、CPU40は、メモリ41に格納された制御テーブルTB1を参照し、マイクロポンプ1の作動を開始してからの時刻tに応じた駆動電圧Vを出力するよう、駆動回路36を制御する。なお、入力部42は、作業条件などを入力するためのものであり、キーボード、ポインティングデバイス、またはタッチパネルなどが用いられる。温度センサSE1は環境温度を検出する。温度センサSE1によって検出された環境温度に基づいて、その条件に適合する制御テーブルTB1の内容を読み出す。メモリ41として、ROMおよびRAMなどが用いられ、制御テーブルTB1を格納するためには、それら以外に他の種々の記録媒体を用いることも可能である。
【0045】
なお、制御テーブルTB1として、いろんなシーケンスに対してそれぞれ液体の種類や粘度ごとに異なるテーブルを用意しておいてもよい。これによって、さらに一層汎用的でフレキシブルな流量制御を容易に行うことが可能である。しかし、制御テーブルTB1として、種々の温度などに対応したテーブルを設けることなく、条件の変化に対しては数式またはプログラムに基づく補正または補間を行うようにしてもよい。
【0046】
上の説明では、常に一定の流量Qで送液する場合の例を挙げたが、時間に対して可変な任意の所望の流量で送液する場合においても適用できる。例えば、ある決まった時間間隔で決まった時間だけ決まった流量の液体を繰り返し送液する場合、および流量を時間に対して強弱をつけて送液するような場合にも適用可能である。
【0047】
このような場合には、各時刻tにおける目標流量Q(t)から各時刻tにおける液体の流路への充填度合いを導き、その値から各時刻tにおける初期からの流路抵抗値Rの増減量△R(t)を求め、次の(3)式によって各時刻tにおける初期からの発生圧力の増減量ΔP(t)を求めたものを用いればよい。
【0048】
〔ΔP(t)〕=Q(t)×〔△R(t)〕 …(3)
その場合に、流路抵抗値Rは、流路の入口に圧力をかけて流体を流した時の流量を測定し、その圧力をその流量の値で割ることにより求めることができる。
【0049】
特に、上の実施形態のように細くて長い流路23であって流路23内で層流が支配的である場合には、流路抵抗値Rは次の(4)式で求めることもできる。
R=∫{32×η/(S×φ2 )}dL …(4)
ここで、ηは粘度、Sは断面積、φは等価直径、Lは流路長さである。
【0050】
なお、等価直径φは、幅がa、高さがbの長方形断面の場合に、
φ=(a×b){(a+b)/2}
である。
【0051】
なお、上の実施形態では、(3)式の関係があれば一定流量制御ができると説明したが、流路抵抗値Rが増加したときに発生圧力を増加させるような駆動方法を用いていれば、(3)式に厳密に合わなくても、ある程度の効果を期待することができる。例えば、液体を送液して流路23を充填していく途中で駆動電圧Vを上げるという過程が含まれる駆動方法であれば、上に述べた効果をある程度は得ることができる。
【0052】
また、上の実施形態によるマイクロ流体システムMS1は、バルブレス方式のマイクロポンプ1を用いたマイクロメートル領域での流体システムにおいて、特に高い効果を期待することができる。バルブレス方式の場合には、バルブのあるマイクロポンプと比べて、ポンプ単体の特性でみても発生圧力と流量の関係が線形に近い特性である。そのため、マイクロポンプと流路とを組み合わせた系においても、上の(1)式および(3)式の線形特性に比較的よく合致するので、この方法の有効性が高い。
【0053】
また、マイクロメートル領域での流体システムの場合には、流体挙動は慣性力よりも粘性力が支配的な領域となる。そのため、発生圧力と流量との関係は線形関係に近づき、上の(1)式および(3)式の関係によりよく合致する。また、慣性力の影響が小さいので、発生圧力の変化に対して流量変化の時間的な追随性がよくなる。そのため、時間に対して可変な任意の所望の流量で送液する場合にも、速やかな応答速度で対応できる。特に、粘性力と慣性力との力の比を表す無次元パラメータであるレイノルズ数(=密度×速度×代表寸法÷粘度)が小さいほど効果的であることから、流路の幅が狭いほどこの効果は大きい。例えば幅が1mm以下の領域では特に効果が大きい。
【0054】
次に、マイクロ流体システムMS1の具体的な構成例を説明する。
図8はマイクロ流体システムMS1の斜視図、図9はマイクロ流体システムMS1の正面断面図、図10はマイクロポンプチップ5の平面図、図11は流路チップ7の平面図である。
【0055】
なお、これらの図において、流路チップ7に設けられた流路141および穴142が図の上面に露出しているかのように描かれているが、流路チップ7が透明であるためにそのように見えるだけであり、実際には以下に説明するようにそれらは流路チップ7の下面に設けられている。
【0056】
図8および図9において、マイクロ流体システムMS1は、マイクロポンプチップ5、ガラス基板6、および流路チップ7からなる。
マイクロポンプチップ5は、シリコン基板31、圧電素子34、および図示しないフレキシブル配線からなる。図の例では、マイクロポンプチップ5には、ディフューザー型のマイクロポンプMP1が形成されている。マイクロポンプMP1は上に述べたマイクロポンプ1に相当する。
【0057】
シリコン基板31は、例えば17×35×0.2mmの大きさの長方形のシート状である。シリコン基板31は、シリコンウエハを公知のフォトリソグラフィー工程で所定の形状に加工して形成したものである。つまり、例えば、パターニングされたシリコン基板をICPドライエッチング装置を用いて所定の深さまでエッチングする。シリコン基板31に形成されたマイクロポンプMP1は、チャンバー11、ダイヤフラム31f、開口部12,13、第1流路124、および第2流路126を有する。第1流路124の先端にはポート124Pが、第2流路126の先端にはポート126Pが、それぞれ設けられる。
【0058】
開口部12のサイズは、例えば、幅25μm、高さ25μm、長さ25μmである。開口部13のサイズは、例えば、幅25μm、高さ25μm、長さ150μmである。
【0059】
マイクロポンプMP1における液体との接触面には、熱酸化を施して親水化処理が行われている。マイクロポンプMP1は、フォトリソグラフィー工程において一括して加工されるので、寸法などのバラツキが少なく、送液特性の誤差が生じ難い。
【0060】
ガラス基板6は、例えば、50×76×1mmの大きさの長方形の板状であり、表面6a,6bは滑らかであり、全体が透明である。ガラス基板6は図1におけるガラス基板32に相当する。ガラス基板6として、例えば、パイレックスガラス(Pyrex はCorning Glass Warks 社の登録商標)、テンパックスガラス(Tempax は Schott Glaswerk社の登録商標)などが用いられる。これらは熱膨張率がマイクロポンプチップ5の材料とほぼ同じである。ガラス基板6には、ポート124P,126Pと対応する位置に、直径が1.2mm程度の貫通孔131,132が設けられている。
【0061】
上に述べたマイクロポンプチップ5は、ガラス基板6の裏面(表面6b)において2つの辺が一致する位置で陽極接合により接合されている。
これら、マイクロポンプチップ5とガラス基板6との接合体は、マイクロポンプユニットMUを構成する。マイクロポンプユニットMUは、上に述べたマイクロポンプMP1の作動によって、一方の貫通孔132から液体を吸い込み、他方の貫通孔131から液体を吐出する。また、圧電素子34に印加する駆動電圧を制御することによって、液体の吸入と吐出の方向を逆にすることができる。なお、マイクロポンプチップ5それ自体の構造については、従来の技術の項で述べた特開2001−322099を参照することができる。
【0062】
流路チップ7は、例えば、50×76×3mmの大きさの長方形の板状であり、自己シール性を有する弾性材料からなり、透明または半透明であって透光性を有する。流路チップ7は、自己シール性を有するので、ガラス基板6の表面6aに載せるだけで自己吸着により密着する。流路チップ7の材料として、例えば、シリコンゴムの一種であるPDMS(Polydimethylsiloxane)が用いられる。PDMSの市販品の例として、例えばDowCorning社製の「Sylgard 184」がある。
【0063】
流路チップ7には、表面7bの側に、化学分析用または化学合成用の流路141がパターニングされている。流路141は図1における流路23に相当する。流路141の寸法形状の例を挙げると、幅が100μm程度、深さが100μm程度の断面矩形の溝である。
【0064】
流路チップ7には、流路141の始端位置に、ガラス基板6の貫通孔131に対応して、表面7aに貫通しない穴142が設けられる。また、流路141の終端位置に、表面7aに貫通する穴144が設けられる。穴144は、流路141を通過して不要になった液体を排出するためのものであり、他の穴よりも大きな径に形成されている。また、流路チップ7には、ガラス基板6の貫通孔132に対応する位置に、内径が4mm程度の大きな穴145が設けられる。穴145は、マイクロ流体システムMS1の使用に際して、分析用の液体の液溜めとなる。
【0065】
このような流路チップ7は次のようにして製作することができる。つまり、シリコン基板上に厚膜レジストをスピンコートし、フォトリソグラフィー工程によって流路141の部分が凸になった母型を作成する。その母型に、PDMSを流し込み、加熱硬化させる。硬化したチップを母型から剥離することにより完成する。母型は繰り返して使用できるので、流路チップ7を容易に安価に大量生産することができる。なお、厚膜レジストの材料として、例えばMicroChem 社製のSU−8を用いることができる。
【0066】
なお、上に述べた以外の種々の構成および材料を採用することができる。例えば、マイクロポンプチップ5の材料として、シリコン基板ではなく、樹脂、ガラス、金属、セラミックなどの材料を微細加工したものでもよい。ダイヤフラム31fも、エッチングで形成するのではなく、別途用意した薄板を張り合わせて形成しても良い。その場合に、材料は特に限定されないが、圧電素子34よりも極端に柔らかいと十分な変位特性が得られない可能性があるので、適度な硬度または弾性を持つものが好ましい。
【0067】
上に述べた実施形態において、チャンバー11の深さを開口部の深さと同じとしたが、同じである必要はなく、それより深くても浅くてもよい。チャンバー11の容積を増減させるアクチュエータである圧電素子34の変形は、ユニモルフ屈曲変形である必然性はなく、例えば、縦振動、横振動、ずり変形振動などであってもよい。また、アクチュエータとして、圧電素子34に限らず、例えば、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または形状記憶合金など、チャンバー11の容積を増減させ得るものであれば何でもよい。また、アクチュエータは、マイクロポンプMP1に一体化されたものではなく、別体として切り離し可能なものであってもよい。
【0068】
開口部の形状に関して、流路断面が一様であると言っても必ずしも完全に一様である必要はない。また、必ずしも一様な断面形状である必要はない。例えば、内面に多少の凸凹があったり、テーパがあってもよい。そのような場合の実効断面積または有効断面積は、実験値または計算値などに基づいて求めることができる。開口部の出入り口の近傍において、特に吐出口(アウトレット)となる側の開口部においては、多少の拡がり部または滑らかに拡がるアール部をもっていてもよい。また、特に吸入口(インレット)となる側の開口部においては、一様な断面形状でなくても機能は大きく変わらない。要は、各流路に介在する開口部の圧力変化に対する流路抵抗特性が互いに異なり、且つポンプ作用を得たい流路については、それらの開口部の流路抵抗特性ができるだけ大きく相違すればよい。適用する流体として、液体、流動体、気体などであってもよい。
【0069】
上の実施形態においては、制御テーブルTB1として、図7に示す内容のもの、または時刻tと駆動電圧Vとの関係を示すものを用いることとした。しかし、例えば、時刻tと充填長さLとの関係を示す制御テーブルTB1aと、充填長さLと駆動電圧Vとの関係を示す制御テーブルTB1bとを設け、これら2つの制御テーブルTB1a,bを参照するようにしてもよい。この場合に、前者の制御テーブルTB1aは、流量Qの目標値などによって内容が異なるので、ユーザの使用目的などに応じて適当な内容となるように決めて作成しておく。これに対して、後者の制御テーブルTB1bは、マイクロ流体システムMS1の仕様が決まればその内容が決まる。この場合においても、それらの制御テーブルTB1a,bを、液体の種類ごと、温度などの環境条件ごとに設けておけばよい。
【0070】
上の実施形態においては、マイクロポンプ1の発生圧力の制御のために、圧電素子34に供給する駆動電圧V、つまり図4に示す電圧波形の最大電圧e1 の値を制御した。発生圧力は、駆動電圧Vにほぼ比例する。しかし、これ以外の要素、例えば、波形の立ち上がりまたは立ち下がりの速さつまり時間T1,T3の長さを制御してもよい。例えば、時間T1を短くすると発生圧力は大きくなる。また、マイクロポンプを駆動するパルス信号の周波数やデューティー比を制御してもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態のマイクロ流体システムMS2について説明する。
【0071】
図12は本発明に係る第2の実施形態のマイクロ流体システムMS2の構成を模式的に示す平面図、図13は第2の実施形態における流量制御の原理を説明するための図である。
【0072】
第2の実施形態においては、第1の実施形態で用いられたマイクロポンプ1と同じものを2つ用いる。図12においては、一方のマイクロポンプ1aの構成要素には符号の末尾にaを付し、他方のマイクロポンプ1bの構成要素には符号の末尾にbを付して示す。そして、それらの流路23a,23bが合流する点を符号GTで示し、合流点GTから下流の流路を符号23cで示す。流路23cは下流部KBと同じである。流路23cにおける液体の充填部を符号JBで示し、流路23cにおける気体の充填部を符号ABで示し、液体と気体との界面(メニスカス)をMNで示す。マイクロポンプ1a,1b自体の構成およびその制御方法については、第1の実施形態の場合と同様である。
【0073】
図12に示すように、2つのマイクロポンプ1a,1bから流路23a,23bに送出された2種類の液体は、所定の混合比で合流点GTで合流した後、流路23cを充填して下流へ送られる。
【0074】
このように、マイクロメートルオーダーの幅の流路23cに一定の幅比で複数の流体を層流状に流す方法は、例えば化学分析システムなどにおいて一定の混合比で薬液を拡散混合させるような場合にしばしば用いられる手法である。この手法によると、比界面積(液体の体積に対する、液体同士の界面の面積の比)が大きいこと、および拡散距離が短いことから、少量の薬液を短時間で定量混合する手法としてよく知られている。
【0075】
因みに、このような手法による従来のシステムには、定量性を確保するために外付けのシリンジポンプをチューブで接続するなどの手法が多く用いられていた。しかし、シリンジポンプを外付けした場合には、流体のデッドボリュームが多い、チューブの弾性などによって流量を任意に変化させたときの応答性が悪い、という問題があった。
【0076】
そこで、第2の実施形態のマイクロ流体システムMS2においては、従来のようなシリンジボンプを用いることなく、2つのマイクロポンプ1a,1bによって流体を駆動する。しかし、マイクロ流体システムMS2においては、各マイクロポンプ1a,1bから送液される液体の流量比は、合流点GTよりも下流部KBの流体の流路抵抗に依存して変化する。
【0077】
第2の実施形態では、複数のマイクロポンプ1a,1bを含む構成において、複数の流体をそれぞれ所定の流量比で送液するための工夫がなされている。
この手法のポイントは、各マイクロポンプ1a,1bから合流点GTに流れ込む流量比が、各マイクロポンプ1a,1bの発生圧力値から合流点GTより下流部KBでの圧力降下値を差し引いた値同士の比と略同一関係になることを利用する。そのような関係となるように、各マイクロポンプ1a,1bの駆動電圧の波形を逐次制御する。これによって、各マイクロポンプ1a,1bから所定の流量比の送液を達成し、所定の混合比を得る。
【0078】
すなわち、各マイクロポンプ1a,1bについて、それぞれの流量をQ1、Q2とし、それぞれの発生圧力をP1、P2とし、合流点GTよりも下流部KBの流路抵抗による圧力損失(圧力降下)をP3とする。そうすると、次の(5)式、
Q2/Q1=(P2−P3)/(P1−P3) …(5)
が成り立つ。
【0079】
この(5)式は、変形することによって、次の(6)式のように表すことができる。
Q2/(Q1+Q2)=(P2−P3)/(P1+P2−2×P3)…(6)
具体例を挙げてさらに説明する。
【0080】
図12における流路23cの断面が一辺150μmの正方形であるとし、流路23cの長さつまり下流部KBの長さが60mmであるとする。下流部KBに完全に液体を満たした状態で、第1のマイクロポンプ1aの発生圧力を1.4kPaで固定し、第2のマイクロポンプ1bの発生圧力を変化させ、これにより流量比を変化させる。そのときの発生圧力と流量比との関係が図13に示されている。なお、流量比は、第2のマイクロポンプ1bによる流量つまり第2の流体の流量を、総流量で除した値である。図13における実線は、上の条件による実測値である。破線は、下流部KBに液体がないと仮定した場合つまり下流部KBの圧力降下の影響がないと仮定した場合の推定値である。つまり、破線は、流量比が2つのマイクロポンプ1a,1bの発生圧力の比と同一になるとした場合である。
【0081】
図13において、実線と破線との乖離が下流部KBの流路抵抗による影響分である。
ここで、第1のマイクロポンプ1aからの流量と第2のマイクロポンプ1bからの流量との比を1対2にするにするための、 第2のマイクロポンプ1bの発生圧力の適値を求める。なお、この場合には、総流量に対する第2のマイクロポンプ1bの流量の割合つまり流量比の目標値は「0.67」となる。
【0082】
まず最初に、比較のため、図13の破線のように下流部KBの流路抵抗の影響を考慮しないで計算した場合について示す。その場合において、各マイクロポンプ1a,1bの発生圧力は流量比に比例すると見込まれるので、第2のマイクロポンプ1bの適正な発生圧力は2.80kPaとかなり大きめに見積もられてしまう。
【0083】
ところが、この系では、実際は下流部KBの流路抵抗の影響があるので、図13の実線のような流量特性を示す。そのため、上で求めた条件で駆動すると、実際の流量比は「0.81」となって目標値である「0.67」から大きくずれてしまう。
【0084】
それに対して、第2の実施形態のように、下流部KBの流路抵抗による圧力降下値を概算してその影響度合いを見積った場合の効果を、上の結果と比較しながら示す。第2の実施形態では、液体はいずれも粘度1.7cpsのものを用いているため、下流部KBでの流路抵抗値Rは、(4)式から、およそ6.4×1012(N・s/m5 )である。このときの2つのマイクロポンプ1a,1bの流量の和はおよそ100(nL/s)であることから、下流部KBの流路抵抗による圧力降下値は、(2)式の変形式から約0.64(kPa)となる。
【0085】
したがって、(5)式から、この場合の第2のマイクロポンプ1bの適正な発生圧力は2.16(kPa)と算出される。
この発生圧力値を、図13における実際の流量特性グラフにあてはめると、この発生圧力値で駆動した時の実際の流量比は「0.71」となり、上の場合と比べて目標値「0.67」に大幅に近づけることができる。これによって第2の実施形態の有効性が示される。
【0086】
なお、第2の実施形態では、最初から流路23cに完全に液体が充填された状態における例を示した。この場合、P3は設計時に算出可能な既知の定数であり、また、第1のマイクロポンプ1aの発生圧力P1が1.4kPaで固定であるため、目標流量比さえ決まれば(6)式から第2のマイクロポンプ1bが発生すべき発生圧力P2を計算できる。したがって、実際の送液に際しては、発生圧力と駆動電圧との関係をテーブルとして用意しておき、このテーブルを参照してマイクロポンプ1a,1bの各々に適した駆動電圧を供給すればよい。
【0087】
一方で、合流点GTより下流部KBの流路抵抗値Rが時間経過とともに逐次変化するような場合においては、P3は時間とともに変化する。したがって、この場合には、時系列で上の方法を適用することもできる。
【0088】
例えば、初期は流路23cには液体が充填されておらず、送液が進むにつれて徐々に流路23cが液体で満たされ、これにより徐々に流路抵抗が増えていくような場合、P3は定数ではなく変数となるが、マイクロポンプ1a,1bからの総送液量によってP3は予測可能である。したがって、総送液量とP3との関係をテーブルとして用意しておき、このテーブルを参照することでリアルタイムのP3の予測値を得ることができ、上記の場合と同様にしてマイクロポンプ1a,1bの各々に適した駆動電圧を供給すればよい。
【0089】
更には、時間とともに2液の化学反応が進んで粘度が変化いく場合にも第2の実施形態は有効である。この場合、P3はマイクロポンプ1a,1bからの総送液量および時間をパラメータとする関数として表される。この関数を用いてP3の予測値を演算することができ、上記の場合と同様にしてマイクロポンプ1a,1bの各々に適した駆動電圧を供給することができる。
【0090】
なお、これらの駆動条件は、上のように(6)式から求めたものを使ってもよく、また、その計算結果に対してある補正係数を掛け合わせたものを使ってもよい。
【0091】
または、実験によって圧力と流量比のデータをとった結果であっても、その結果が破線の場合のように単に流量比を圧力比で代替したときよりも(6)式に近づく方向のものであれば、その値を用いても効果は得られる。
【0092】
また、ある特定の条件のときだけの駆動条件をテーブルとして用意しておき、その他の様々な条件変化に対しては(6)式の関係と合致したパラメータ関係でデータを補正する方法も効果的である。
【0093】
例えば、粘度1cpsのときだけの駆動データをテーブルで持っておき、粘度が変わった場合は(6)式において下流部KBでの圧力降下P3を粘度に略比例して変化させて計算し、マイクロポンプ1a,1bの発生圧力の補正量を算出して駆動条件を補正する方法などがある。
【0094】
第2の実施形態において、合流させる流体の種類や混合比(合流比)が予め分かっている場合には、第1の実施形態の場合と同様に、上のようにして得られた条件を例えば時刻tと駆動電圧Vとの制御テーブルとして持っておき、使用時にそのテーブルを読み出して用いればよい。また、 いろんな流量比に対してそれぞれ液体の種類や粘度、温度ごとに異なる制御テーブルを持っておき、ユーザが条件を入力したり、センサによって検知された環境条件に基づいてその条件に適したテーブル値を自動的に参照させてもよい。また、制御テーブルにちょうど合致する条件が無い場合は、比較的条件が近いテーブルを(6)式と略合致する関係で補正したり、複数のテーブル間を(6)式と略合致する関係で補間するなどの方法が実用上は有効であると考えられる。
【0095】
なお、第2の実施形態では、(6)式の関係を用いて所望の流量比を得ることを説明したが、実際には厳密にこの式に合わなくても、以下のような方向で補正を行うものであればある程度の効果を期待することができる。
【0096】
例えば、合流点GTよりも下流部KBに流路抵抗があるときに、それぞれのマイクロポンプ1a,1bの発生圧力の比を所望の流量比よりも1対1から遠ざかる方向の比率になるような駆動条件で駆動してもよい。また、送液の途中で下流部KBの流路抵抗値Rが増加するときに、それぞれのマイクロポンプ1a,1bの発生圧力の比を初期の比率よりも1対1から遠ざかる方向にシフトさせながら駆動するような駆動方法でもよい。これらの場合に、(6)式の関係を必ずしも厳密に満たさなくとも、本発明の目的をある程度達成することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態のマイクロ流体システムMS3について説明する。
【0097】
図14は本発明に係る第3の実施形態のマイクロ流体システムMS3の構成を模式的に示す図である。
第3の実施形態においては、第2の実施形態のマイクロ流体システムMS2に対して、合流点GTよりも下流部KBにおけるメニスカス(気液界面)MNの位置を検出するためのセンサSE2が設けられている。このセンサSE2は、直接的には位置を検出するものであるが、その検出信号に基づいて間接的に合流点GTの圧力を求めることが可能である。このセンサSE2は本発明におけるセンサに相当する。
【0098】
すなわち、センサSE2は、下流部KBにおけるメニスカスMNの位置を複数時間ステップにわたって検出する。センサSE2からは、メニスカスMNの位置に応じた電気信号が出力される。その電気信号は、センサインタフェース422を介してCPU40Cに入力される。これによって、CPU40Cは、流路23cへの液体の充填度とその速度を逐一把握し、その値に基づいて合流点GTよりも下流での圧力降下値を算出する。そして、第2の実施形態において説明した方法で合流点GTでの流量比を予測し、常にデータをフィードバックしながら所望の混合比となるように制御を行う。
【0099】
このように、下流部KBにおけるメニスカスMNの位置を検出することにより、下流部KBにおける流路抵抗値Rおよび圧力降下値を正確に求めることができ、混合比を高精度に制御することが可能である。例えば、センサSE2により、下流部KBにおいてメニスカスMNが所定の2点間を通過する速さを測定することにより、比較的容易に流量を推測することができる。しかも、メニスカスMNによる位置の検出は比較的容易であるから、センサSE2の構成およびその電気回路が簡易であり、コスト的に不利にならない。
【0100】
図14に示した例では、メニスカスMNの位置を検出するセンサSE2を用いたが、これに代えて、またはこれとともに、合流点GTの圧力を直接的に検出するセンサ、その他のセンサを用いてもよい。
【0101】
次に、本実施形態におけるマイクロポンプ1の制御方法の特徴点をフローチャートによって説明する。
図15は第1の実施形態におけるマイクロポンプ1の制御方法を示すフローチャート、図16は第2の実施形態におけるマイクロポンプ1の制御方法を示すフローチャートである。
【0102】
図15において、マイクロポンプ1の作動による流路中の流体の量の変化に基づく流路抵抗の変化の予測値として、作動開始からの時間を取得する(#11)。そして、制御テーブルTBを参照して、取得した時間に対応する駆動電圧を読み出し、この駆動電圧をマイクロポンプ1に供給し(#12)、これにより流路における流量が目標値となるように制御する。
【0103】
図16において、マイクロポンプ1a,1bの発生圧力P1,P2、および、合流点GTよりも下流部KBの流路抵抗による圧力降下値(圧力損失)P3を演算により求めまたは取得する(#21)。そして、(ア)発生圧力P1,P2から下流部KBにおける圧力降下値P3をそれぞれ差し引いた値の互いの比が、各マイクロポンプ1a,1bから送出される流体の目標混合比に略等しくなるように、つまり上の(5)式を満足するように、また、(イ)目標送液量を略実現できるように、各マイクロポンプ1a,1bに供給する駆動電圧を制御する(#22)。
【0104】
上に述べたように、第1の実施形態のマイクロ流体システムMS1によると、初期状態で空気が存在していた流路23に流体を送るとき、従来では流速が徐々に遅くなっていたものが一定の流速で送出できるようになった。また、一定の流速ではなく、変化する目標流速をユーザが設定し、その目標流速となるように制御することができる。
【0105】
また、第2の実施形態のマイクロ流体システムMS2によると、複数のマイクロポンプ1から所定の流量比(混合比)で送液したいときに、その流量比に及ぼす下流部KBの流路抵抗の影響の程度が、時間依存を含めて把握できるようになり、正確な流量比で送液することが可能となる。そして、従来において必要だった流量センサやフィードバック系の回路などが不要になり、または簡素化され、より簡易な構成で低コストのマイクロ流体システムを構成することができる。
【0106】
上に述べた種々の実施形態においては、圧電素子34に略三角波形の駆動電圧を印加したが、これ以外の種々の波形の駆動電圧を用いることも可能である。
上の図8および図9で説明したマイクロ流体システムMS1において、第2流路126は図1に示すリザーバ22に相当する。また、第1流路124は図12に示す流路23aまたは23bに相当する。
【0107】
上に述べた種々の実施形態および変形例において、マイクロ流体システムMS1,2,3の平面形状として、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形、その他の種々の形状とすることが可能である。マイクロポンプ1を制御するための駆動回路36、CPU40,40C、その他の制御回路は、ハードウエア回路により、または適当なソフトウエアを用いることにより、またはそれらの組み合わせによって実現することが可能である。その他、マイクロ流体システムの全体または各部の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0108】
本発明に係るマイクロ流体システムは、環境、食品、生化学、免疫学、血液学、這伝子分析、合成、創薬など、さまざまな分野で用いることができる。
本発明には以下の付記に記載するような発明が含まれる。
【0109】
[付記1]
マイクロボンプによる送液にともなって流路の流路抵抗値が逐次変化するようなマイクロ流体システムにおいて、予め流路抵抗の変化率を予測しておき、その予測値をもとに一定流量で送液するためのマイクロポンプ駆動条件補正データテーブルを用意しておき、そのデータによってマイクロポンプ駆動条件を補正して一定流量制御を実現する流量補正方法。
【0110】
[付記2]
マイクロポンプによる送液にともなって流路中に液体が満たされた領域と液体が満たされていない領域の境界面が時間とともに移動するようなマイクロ流体システムに関して、液体の充填度が高くなったときに、液体の充填度が低いときよりもマイクロポンプの発生圧力を高めるような駆動条件に変更することにより、一定の駆動電圧波形で駆動するときよりも流量を一定に近づけるような流量補正方法。
【0111】
[付記3]
マイクロポンプによる送液にともなって流路の流路抵抗値が逐次変化するようなマイクロ流体システムにおいて、ある時刻tにおいて、ポンプの発生圧力の初期からの増減量を△P(t)、流路の流路抵抗値の初期からの増減量を△R(t)、その時刻tにおける目標流量をQ(t)としたとき、各時刻tにおいて常に〔ΔP(t)〕=Q(t)×〔△R(t)〕の関係になるようにマイクロポンプの発生圧力を調節することによって、任意の時間に対して任意の流量で送液を行う方法。
【0112】
[付記4]
マイクロポンプを複数個有し、これらのマイクロポンプから連通する流路同士が合流するタイプのマイクロ流体システムにおいて、
それぞれのマイクロポンプの発生圧力値から合流点より下流部(マイクロポンプから遠い部分)での圧力降下値を差し引いた値を互いに比較した時の比率が、各マイクロポンプから合流部に流れ込む流量の比率と略同一になるように各マイクロポンプの発生圧力を制御することによって、各マイクロポンプから合流部に流れ込む流量の比率を所望の値に制御する流量制御方法。
【0113】
[付記5]
付記4において、合流点より下流部の流路抵抗値が時間経過にしたがって逐次変化するような場合において、その流路抵抗値の変化による前記圧力降下値の変化を予測するか、または合流点の圧力または合流点より下流の流量などを検知することにより前記圧力降下値の変化を算出し、その値をもとに所望の流量比で送液できるように制御する流量制御方法。
【0114】
[付記6]
マイクロポンプを複数個有し、これらのマイクロポンプから連通する流路同土が合流するタイプのマイクロ流体システムにおいて、
合流点より下流部の液体の充填度が高いときのそれぞれのマイクロポンプの発生圧力の比を、液体の充填度が低いときの比率よりも1対1から遠ざかる方向にシフトさせることにより、充填度によらず同じ駆動条件で駆動する場合と比べて充填度が変わったときの流量比の変化を減少させるような効果が得られるような流量比の制御方法。
【0115】
[付記7]
付記1〜6において、流量または流量比を時間依存による変化を含めて予め決まったシーケンスで送液するためのマイクロポンプ駆動条件補正データテーブルを持ち、
そのデータテーブルには、液体の種類、液体の粘度、環境温度などの条件ごとに異なるテーブル値を持ち、
それらの条件を作業者が入力するか、またはセンサによって検知されたそれらの情報に基づいてその条件に適したテーブル値を自動的に参照するか、またはそれに近い条件でのテーブル値からその条件に適したテーブル値に自動的にデータ変換したものを用いることにより、使用環境が異なっても常に同様の送液を行うことを可能とした流量制御方法。
【0116】
【発明の効果】
本発明によると、マイクロポンプを制御して流路における流体の流量を目標値に近づけることができる。
【0117】
特に、請求項1、2、4の発明によると、例えば従来では流速が目標値よりも徐々に遅くなっていたものが略目標値通りの流速で送出できるようになる。
また請求項3、5の発明によると、複数のマイクロポンプから所定の流量比(混合比)で送液したいときに、その流量比に及ぼす下流部の流路抵抗の影響の程度が、時間依存を含めて把握できるようになり、正確な流量比で送液することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のマイクロ流体システムの構成を模式的に示す平面図である。
【図2】第1の実施形態のマイクロポンプの正面断面図である。
【図3】開口部の流路抵抗特性の例を示す図である。
【図4】圧電素子の駆動電圧の波形の例を示す図である。
【図5】圧電素子の駆動電圧の波形の例を示す図である。
【図6】 流路における液体の充填長さを示す図である。
【図7】時刻tと駆動電圧Vとの関係の例を示す制御テーブルである。
【図8】マイクロ流体システムの斜視図である。
【図9】マイクロ流体システムの正面断面図である。
【図10】マイクロポンプチップの平面図である。
【図11】流路チップの平面図である。
【図12】本発明に係る第2の実施形態のマイクロ流体システムの構成を模式的に示す平面図である。
【図13】第2の実施形態における流量制御の原理を説明するための図である。
【図14】本発明に係る第3の実施形態のマイクロ流体システムの構成を模式的に示す図である。
【図15】第1の実施形態におけるマイクロポンプの制御方法を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態におけるマイクロポンプの制御方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
MS1〜3 マイクロ流体システム
1,1a,1b マイクロポンプ
23 流路
23c 流路
34 圧電素子
36 駆動回路(電圧制御部)
40,40C CPU(電圧制御部)
TB1,TB1a,TB1b 制御テーブル(テーブル)
GT 合流点
KB 下流部
SE2 センサ

Claims (5)

  1. マイクロポンプによって流体を流路に送出するように構成されたマイクロ流体システムにおけるマイクロポンプの制御方法であって、
    前記マイクロポンプの作動による前記流路中の前記流体の量の変化に基づく流路抵抗の変化の予測値に関する情報を取得し、取得した前記情報に基づいて前記マイクロポンプを駆動するための電気信号を制御し、これにより前記流路における流量が目標値となるように制御する、
    ことを特徴とするマイクロポンプの制御方法。
  2. マイクロポンプによって流体を流路に送出するように構成されたマイクロ流体システムにおけるマイクロポンプの制御方法であって、
    時刻tにおけるマイクロポンプの発生圧力の初期からの増減量をΔP(t)とし、時刻tにおける流路の流路抵抗値の初期からの増減量をΔR(t)とし、時刻tにおける目標流量をQ(t)としたときに、各時刻において
    ΔP(t)=Q(t)×ΔR(t)
    の関係が成り立つように、前記マイクロポンプの発生圧力を調節し、これにより前記流路における流量が目標流量となるように制御する、
    ことを特徴とするマイクロポンプの制御方法。
  3. 複数のマイクロポンプによって複数の流体を送出して合流させるように構成されたマイクロ流体システムにおけるマイクロポンプの制御方法であって、
    前記複数のマイクロポンプについて、その発生圧力から合流点より下流における圧力降下値を差し引いた値の互いの比が、各マイクロポンプから送出される流体の混合比に略等しくなるように、前記各マイクロポンプを駆動するための電気信号を調整してその発生圧力を制御する、
    ことを特徴とするマイクロポンプの制御方法。
  4. マイクロポンプによって流体を流路に送出するように構成されたマイクロ流体システムであって、
    前記マイクロポンプの作動時間と前記マイクロポンプの作動による前記流路中の前記流体の量の変化に基づく流路抵抗の変化分をキャンセルするに必要な電圧を加味した電圧値との関係を記憶したテーブルと、
    前記マイクロポンプの作動の開始後に前記テーブルを参照して前記マイクロポンプを駆動するための電気信号を制御する電圧制御部と、
    を有することを特徴とするマイクロ流体システム。
  5. 複数のマイクロポンプによって複数の流体を送出して合流させるように構成されたマイクロ流体システムであって、
    前記複数の流体の合流点における圧力を検出するためのセンサと、
    前記複数のマイクロポンプについて、その発生圧力から前記センサの検出圧力を差し引いた値の互いの比が、各マイクロポンプから送出される流体の混合比に略等しくなるように、前記各マイクロポンプを駆動するための電気信号を制御する電圧制御部と、
    を有することを特徴とするマイクロ流体システム。
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