JP3987318B2 - 溶解金属供給装置およびダイカストマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、ダイカストマシン等の鋳造装置に適用される溶解金属供給装置、および、この溶解金属供給装置を備えるダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシンは、たとえば、一対の固定金型と移動金型、これら固定金型および移動金型をそれぞれ保持する固定ダイプレートおよび移動ダイプレート、タイバーを伸長させて固定金型と移動金型とを型締する型締装置、固定金型と移動金型との間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出する射出装置、溶解金属を射出装置に供給する給湯装置等を備えている。このようなダイカストマシンでは、固定金型と移動金型とを型締装置によって型締した状態で、給湯装置によって溶解金属を射出装置のスリーブに供給し、スリーブに嵌合するプランジャを駆動することにより、金型キャビティ内に溶解金属を射出、充填することによってダイカスト製品を鋳造する。
射出装置のスリーブへの溶解金属の供給は、たとえば、溶解炉において予め溶解された十分量の金属材料をラドルを用いて鋳造に必要な量を汲み上げ、これを上記のスリーブの給湯口まで搬送することにより行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような方法で溶解金属の供給を行うと、溶解炉は大量の金属の溶解用に表面積が広くなっているため、大気への熱の放出による熱効率の低下等の理由により、金属材料を溶解するのに必要なコストが嵩むという不利益が存在した。
また、ラドルによる溶解金属の搬送中に溶解金属が飛散する可能性があり、ダイカスト製品を製造する現場の環境が低下しやすいという不利益も存在する。
さらに、溶解炉で溶解した金属を鋳造にすべて使用しない場合には、溶解に要する電力コスト等が無駄になるという不利益も存在する。
さらに、大気中において金属材料を溶解し、搬送すると、熱の放散により凝固しやすく、また、酸化しやすいため、ダイカスト製品の品質が低下しやすいという不利益も存在する。
【0004】
一方、上記のような溶解炉において十分量の金属材料を溶解するのではなく、一回の鋳造に必要な量の金属材料を溶解してスリーブに供給する技術が特公昭59−38867号公報に開示されている。この特公昭59−38867号公報に開示された技術は、複数のるつぼ内に粉末あるいは粒状の金属材料を供給し、これを誘導加熱により溶解し、ダイカストマシンの給湯口まで搬送して注入するものである。
しかしながら、上記の技術では、金属材料の溶解および搬送を大気中で行うため、大気に触れる時間が長く、溶解金属が凝固しやすく、酸化しやすい。このため、溶解金属の表面に膜が形成され、この膜がるつぼに残留し、ダイカストマシンへの溶解金属の供給量にばらつきが発生しやすい。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、連続的に鋳造を行う鋳造装置において、鋳造毎に必要量の金属材料を溶解して供給できる溶解金属供給装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、鋳造毎に必要量の金属材料を溶解して供給できる溶解金属供給装置が適用されたダイカストマシンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る溶解金属供給装置は、鋳造装置に金属材料を鋳造毎に溶解して供給する溶解金属供給装置において、前記鋳造装置に対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、当該鋳造装置に供給する溶解供給手段と、粒状または粉状の金属材料が供給される搬送路と、前記搬送路内に挿入され回転により金属材料を当該搬送路の先端開口部に向けて送出するスクリューとを備え、当該スクリューの回転量に応じた量の金属材料を前記搬送路の先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、前記スクリューの先端部は、前記搬送路の先端開口部と略同位置に配置されると共に当該スクリューの溝が閉じられており、当該スクリューの前記溝を閉じる部分の外周と前記搬送路の内周との間に形成される開口の形状が当該スクリューの回転位置にかかわらず略一定となっており、前記溝を閉じる部分は、前記先端開口部と同位置にて前記溝を閉じ、又は、前記先端開口部よりも前記搬送路側の位置にて前記溝を閉じるとともに前記溝を閉じる位置から前記先端開口部と同位置まで同一径になっている。
【0007】
本発明の第2の観点に係るダイカストマシンは、一対の金型を保持し、当該金型の開閉および型締を行う型締装置と、型締された前記金型の間に形成されたキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置と、前記射出装置のスリーブに金属溶湯を供給する溶解金属供給装置とを有するダイカストマシンであって、前記溶解金属供給装置は、前記射出装置のスリーブに対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、当該スリーブに供給する溶解供給手段と、粒状または粉状の金属材料が供給される搬送路と、前記搬送路内に挿入され回転により金属材料を当該搬送路の先端開口部に向けて送出するスクリューとを備え、当該スクリューの回転量に応じた量の金属材料を前記搬送路の先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、前記スクリューの先端部は、前記搬送路の先端開口部と略同位置に配置されると共に当該スクリューの溝が閉じられており、当該スクリューの前記溝を閉じる部分の外周と前記搬送路の内周との間に形成される開口の形状が当該スクリューの回転位置にかかわらず略一定となっており、前記溝を閉じる部分は、前記先端開口部と同位置にて前記溝を閉じ、又は、前記先端開口部よりも前記搬送路側の位置にて前記溝を閉じるとともに前記溝を閉じる位置から前記先端開口部と同位置まで同一径になっている。
【0008】
本発明においては、鋳造毎に必要量の金属材料を溶解供給手段に供給する際に、当該溶解供給手段に連結されている計量供給手段の搬送路とそこに挿入されるスクリューとの間の隙間に金属材料が持ち込まれ、スクリューが回転させられることによって、スクリューに設けられている溝を伝わって、溶解供給手段に押し出されて供給される。溶解供給手段と連通している搬送路の先端部においては、搬送路とスクリューの間に形成される開口の形状がほぼ一定であるので、スクリューがどの回転位置で停止したとしても、ほぼ一定量の金属材料が溶解供給手段側に落下する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す上面図である。
図1において、ダイカストマシン1は、型締装置100と、射出装置200と、溶解金属供給装置2とを備えている。
型締装置100は、ベースフレームBF上にそれぞれ設置された、固定ダイプレート110、移動ダイプレート120およびリンクハウジング130を備えている。
固定ダイプレート110は、ベースフレームBF上に固定されており、この固定ダイプレート110には固定金型101が取り付けられている。この固定ダイプレート110の背面側には、後述する当接プレート111,112および113が設けられている。
【0011】
移動ダイプレート120は、ベースフレームBF上に固定ダイプレート110に対向して設けられており、矢印A1およびA2で示す型開閉方向に移動可能となっている。この移動ダイプレート120には、固定金型101との間でキャビティCを形成する移動金型102が取り付けられている。
【0012】
リンクハウジング130は、ベースフレームBF上に設置されており、このリンクハウジング130は4本のタイバー150によって固定ダイプレート110と連結されている。タイバー150は、固定ダイプレート110側の端部が固定ダイプレート110に固定され、移動ダイプレート120を貫通している。また、タイバー150のリンクハウジング130側の端部には、図示しないネジ部が形成され、このネジ部にリンクハウジング130に回転自在に保持された図示しないナット部材が螺合している。4つのナット部材を同期して回転させることにより、リンクハウジング130はタイバー150に沿って移動可能となっている。リンクハウジング130の背面側には、上記の4つのナット部材を同期して回転させることにより、リンクハウジング130の位置調整を行う駆動機構131が設けられている。この駆動機構131は、リンクハウジング130の位置調整の他に、後述するトグル機構140を駆動する。
【0013】
リンクハウジング130には、第1リンク141および第2リンク142を備えたトグル機構140が設けられている。
第1リンク141および第2リンク142は、図示しないが、上下に2組設けられているとともに、第1リンク141は直線状のリンクからなり、第2リンク142はアングル状のリンクからなる。
第1リンク141は、一端部が移動ダイプレート120に回転可能に連結され、他端部が第2リンク142に回転可能に連結されている。
第2リンク142は、第1リンク141に回転可能に連結されているとともに、リンクハウジング130および型開閉方向A1およびA2に移動可能に設けられた図示しない移動部材に回転可能に連結されている。
この図示しない移動部材には、上記した駆動機構131の具備するサーボモータによって回転される図示しないネジ軸がねじ込まれている。
このトグル機構140は、駆動機構131によって図示しない移動部材を直動させることにより作動し、移動ダイプレート120を型開閉方向A1またはA2に移動させる。また、第1リンク141と第2リンク142とが直線状に伸びきって自己ロックされた状態で、固定金型101と移動金型102との型締を行う。
【0014】
射出装置200は、型締された固定金型101および移動金型102の間に形成されるキャビティCに溶解金属を射出、充填する。キャビティCに射出、充填された溶解金属が凝固することにより、ダイカスト製品が得られる。
この射出装置200は、固定ダイプレート110の背面側に設けられた円筒状のスリーブ206と、このスリーブ206の内周に嵌合するプランジャチップ205と、プランジャチップ205と一端が連結されたプランジャロッド204と、プランジャロッド204の他端部と連結されたピストンロッド202を伸縮させるシリンダ装置201とを備えている。
【0015】
スリーブ206は、上記のキャビティCに連通している。このスリーブ206は給湯口206aを備えており、この給湯口206aを通じて後述する溶解金属供給装置2から溶解金属が供給される。
シリンダ装置201は、ピストンを内蔵しており、このピストンに連結されたピストンロッド202とプランジャロッド204とがカップリング203によって連結されている。このシリンダ装置201は、油圧によって駆動される。
【0016】
プランジャチップ205は、プランジャロッド204に連結されており、シリンダ装置201の駆動により、スリーブ206内を移動する。溶解金属が供給されたスリーブ206内をプランジャチップ205が固定金型101側に向けて移動することによりキャビティCに溶解金属が射出、充填される。
【0017】
溶解金属供給装置2は、鋳造毎に必要量の金属材料を供給する計量供給機構部51と、計量供給機構部51から鋳造毎に供給される金属材料を溶解し、溶解された金属材料をスリーブ206の給湯口206aに注入する溶解機構部11とを備えている。
溶解機構部11は本発明の溶解供給手段の一実施態様であり、計量供給機構部51は本発明の計量供給手段の一実施態様である。
溶解機構部11と計量供給機構部51とは連結されており、これらは可動プレート5上に設けられている。
この可動プレート5の上面には、2条の案内レール6が設置されている。案内レール6は、上記したスリーブ206の管軸に沿った向きに配置されている。
溶解金属供給装置2は、この案内レール6に沿って矢印C1およびC2の向きに移動可能となっている。
【0018】
可動プレート5は、支持台3上に設置されている。支持台3のフレーム上には、上記したスリーブ206の管軸に直交する向きに沿って2条の案内レール4が設置されている。可動プレート5は、この案内レール4に沿って支持台3上を矢印B1およびB2に向きに移動可能となっている。したがって、溶解金属供給装置2は、矢印C1およびC2の向きおよび矢印B1およびB2の向きに2次元平面的に移動可能となっている。
【0019】
図2は、図1に示した溶解金属供給装置2を固定ダイプレート110の背面側に移動させた状態を示す図である。
ダイカストマシン1において鋳造を行う場合には、図1に示した溶解金属供給装置2の溶解機構部11が固定ダイプレート110から離隔した状態から、溶解金属供給装置2を固定ダイプレート110に対して所定の位置に固定する。
具体的には、溶解金属供給装置2を矢印B1の向きに移動させ、溶解機構部11が固定ダイプレート110の背面に設けられた当接プレート111,112、113に対向する位置に達したのち、溶解金属供給装置2を矢印C2の向きに移動させて当接プレート111,112、113に溶解機構部11の各側面を押し当てる。
当接プレート112は、スリーブ206の管軸に対して直交する向きに配置されており、この当接プレート112に隣接する当接プレート111および113は、それぞれ当接プレート112に対して所定の角度で傾斜している。
当接プレート111,112、113に溶解機構部11が押し付けされることにより、溶解金属供給装置2の固定ダイプレート110に対する位置決めが行われる。
【0020】
溶解金属供給装置2の固定ダイプレート110への固定は、図2に示す押当棒30によって行われる。
押当棒30は、長さの調整が可能となっており、一端が溶解金属供給装置2のフレームに旋回可能に連結されている。
この押当棒30をスリーブ206の管軸方向に沿った向きにし、押当棒30の他端を射出装置200側のフレームFLに対向させ、長さの調整を行って押当棒30の他端部をフレームFLに押し当てる。これにより、溶解金属供給装置2の移動が規制され、溶解金属供給装置2は固定ダイプレート110の背面に固定される。
【0021】
図3は、上記の溶解金属供給装置2の具体的な構成を示す図であって、固定ダイプレート110の背面側から溶解金属供給装置2を見た一部に断面図を含む図である。
図3に示すように、型締装置100のベースフレームBFは、ベースBSに設置された支持台500上に設置されており、固定ダイプレート110はベースBSから所定の高さに配置されている。
一方、溶解金属供給装置2が設置された支持台3の上面は、ベースフレームBFの支持台500の上面よりも高い位置にあり、上記したように、この支持台3に案内レール4が設置されている。
支持台3には、支持台3の上で溶解金属供給装置2に関する各種の作業を行うために、支持台3を昇り降りするための階段600が設置されている。この階段600には手摺り601が設けられている。
【0022】
図3において、溶解金属供給装置2は、固定ダイプレート110の背面側であってスリーブ206の直上に配置された上記の溶解機構部11と、この溶解機構部11と連結された材料供給機構部51に加えて、材料供給機構部51の下方に設置されたコンデンサ収容部300と、支持台3の下方に設置され溶解金属供給装置2の各種制御を行う制御装置400とを有している。
【0023】
計量供給機構部
図4は、計量供給機構部51の一構成例を示す断面図である。
計量供給機構部51は、蓄積部60と、計量部70と、バッファ部80と、導入部90とを有する。前述したように、計量供給機構部51は本発明の計量供給手段の一実施態様である。
【0024】
蓄積部60は、スリーブ206に溶解して供給する前の金属材料を蓄積する。この蓄積部60は、ホッパ61と、蓋62とを備えている。
ホッパ61は、円錐状の外形を有し、内部に金属材料Mを収容する空間を有している。このホッパ61の上端側は円形の開口をもち、下端部に金属材料Mを送り出す供給口61aを有する。
また、ホッパ61は、コンデンサ収容部300のケース300cの上面に固定された支持部材69cに、ホッパ61の下端部外周を固定する固定部材69a,69cによって固定されている。
【0025】
ホッパ61に蓄積される金属材料Mは、例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の鋳造に用いる金属を細長い粒状としたものである。粒長は、たとえば、2〜7mm程度とするのが好ましい。粒状の金属材料Mを用いることにより、たとえば、インゴット状の金属材料を切断する場合等と比べて、比較的少量の金属材料を正確に計量することが容易となる。
また、鋳造に用いる金属材料が粒状である場合には、材料の表面は必ず酸化しているため、粒状の金属材料を用いる場合であっても、粒長を短くしすぎると酸化表面積が広くなり、粒長を大きくしすぎると正確な計量が難しくなる。このため、上記のような範囲の粒長とすることが好ましい。
【0026】
蓋62は、円形状の金属板の外周縁に周壁部63を有し、この周壁部63がホッパ61の上端の外周に嵌合することによりホッパ61の上端の開口を覆う。
この蓋62の周壁部63の内周には、ホッパ61の上端の外周面と周壁部63の内周面との間をシールするリング状のシール部材62aが設けられている。このシール部材62aにより、ホッパ61の上端の開口は密封される。
【0027】
蓋62の略中心部には、残量検出器64と、ガス導入管65とが設けられている。
残量検出器64は、センサアンプ67に接続されており、たとえば、ホッパ61内に収容された金属材料Mの上面と残量検出器64との距離Lを非接触で検出し、検出信号をセンサアンプ67に出力する。残量検出器64として、たとえば、光、超音波等を用いた測長センサを用いることができる。
センサアンプ67は、上記した制御装置400に接続されており、残量検出器64の検出信号を増幅し、増幅された信号に基づいて距離Lを算出し、これを制御装置400に出力する。
制御装置400では、距離Lに基づいて、ホッパ61内に収容された金属材料Mの残量を判断する。
制御装置400は、ホッパ61内が空と判断した場合には、たとえば、アラームを出力する。
【0028】
ガス導入管65は、ホッパ61の外部に設けられたガス供給源66から供給される窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスGをホッパ61内に導く。
不活性ガスGは、ホッパ61内に収容された金属材料Mの酸化を防止するためにホッパ61内に供給される。
ホッパ61内に供給された不活性ガスGは、ホッパ61の下部の供給口61aを通じて、計量部70、バッファ部80および導入部90に導入される。
【0029】
計量部70は、ホッパ61の供給口61aから自重により送り出される金属材料Mのうち必要量を計量してバッファ部80へ送り出す。
この計量部70は、支持部材69cによって略水平に支持されたシリンダ71と、このシリンダ71に挿入されたスクリュー72とを有する。
【0030】
シリンダ71は、ホッパ61の供給口61aとシリンダ71の内部とを連通させる開口部71aを有している。この開口部71aを通じてホッパ61から金属材料Mがシリンダ71内に供給される。
【0031】
スクリュー72は、断面が円形の回転軸73と、この回転軸73の外周に嵌合し固定されたコイルスプリング74とから構成されている。
なお、本明細書中では、回転軸とコイルスプリングにより溝が形成されている部分をスクリューと呼ぶことにする。
回転軸73は、先端部がシリンダ71から突き出しており、この先端部がバッファ部80に設けられた軸受BRによって回転自在に支持されている。また、回転軸73の後端部は、支持部材69cにフランジ部材77を介して保持された軸受BRによって回転自在に保持されているとともに、カップリングを介してサーボモータ76の回転軸76aに連結されている。なお、フランジ部材77およびこれに保持された軸受BRによってシリンダ71の端部は密閉されている。
【0032】
コイルスプリング74は、たとえば、鉄等の金属で形成された線材が略一定ピッチで螺旋状に成形されたものであり、回転軸73の外径に嵌合する内径を有している。
このコイルスプリング74は、両端部が、たとえば、溶接によって回転軸73に固定されている。
【0033】
スクリュー72を上記のような構成とした理由は、棒材を切削加工してらせん溝を形成してスクリューを製造する場合と比較して、製造コストを大幅に削減することができるからである。
【0034】
サーボモータ76は、支持部材69cに固定されており、サーボドライバ79に接続されている。
サーボドライバ79は、上記の制御装置400から制御指令79sを受けて、サーボモータ76の回転制御を行う。
【0035】
スクリュー72を所定方向に回転させると、シリンダ71内に供給された金属材料Mは図4に矢印Jで示す向きに搬送され、シリンダ71の先端開口を通じてバッファ部80に送出される。このスクリュー72の搬送量は、スクリュー72の回転量に応じて決定される。
【0036】
したがって、計量部70では、制御装置400が鋳造に必要な量の金属材料Mを搬送するスクリュー72の回転を指令する制御指令をサーボドライバ79に対して出力することにより計量が行われる。
【0037】
バッファ部80は、計量部70から送り出された金属材料を一時的に保持する。
このバッファ部80は、連結部材78によって支持部材69cと連結された円筒部材81と、円筒部材81内に挿入されたピストンロッド83を伸縮させるエアシリンダ82と、ピストンロッド83の先端部83に連結された弁体84とを有する。
【0038】
円筒部材81は、内部に計量部70から送り出された金属材料Mを収容する収容空間81sを備えており、上端側の開口は閉塞部材85によって閉塞され、下端側の開口81aの内周に弁体84の弁座面81bを備えている。
【0039】
エアシリンダ82は閉塞部材85に固定されており、エアシリンダ82のピストンロッド83が閉塞部材85に形成された貫通孔85aを通じて、円筒部材81内に挿入されている。
エアシリンダ82は、制御バルブ86を介してエア源87に接続されている。
【0040】
制御バルブ86は、上記の制御装置400からの制御指令を受けて、エア源87からエアシリンダ82へ供給される圧縮空気の供給を制御し、ピストンロッド83を矢印K1およびK2の向きに駆動させる。
【0041】
弁体84は、円錐状の部材からなり、弁座面81bに合致するテーパ面84aを備えている。
弁体84のテーパ面84aは、エアシリンダ82の駆動によって、ピストンロッド83が矢印K1の向きに上昇すると、弁座面81bに着座する。これにより、円筒部材81の下端側の開口81aが閉鎖される。円筒部材81の下端側の開口81aが閉鎖された状態で、計量部70から金属材料Mが供給されると、シリンダ71の先端から金属材料Mが収容空間81s内に落下し、金属材料Mが収容空間81sに保持される。
弁体84のテーパ面84aは、ピストンロッド83が矢印K2の向きに下降すると、弁座面81bから離隔し、テーパ面84aと弁座面81bとの間に隙間が形成される。金属材料Mが収容空間81sに保持された状態では、この隙間を通じて金属材料Mは、円筒部材81の下方に向けて自重により落下する。
【0042】
導入部90は、バッファ部80から解放されて自重により落下する金属材料を溶解機構部11内に導く導入管91を有する。
この導入管91は、円筒部材81の下端部に、たとえば、溶接によって接続されており、円筒部材81の下端部と導入管91との接続部は密閉されている。
また、導入管91は、鉛直斜め下方に向かって配置されており、バッファ部80から落下する金属材料Mを後述する溶解機構部11内の容器に直接導く。
【0043】
なお、上記したように、材料供給機構部51の蓄積部60、計量部70、バッファ部80および導入部90の金属材料Mの搬送経路は外部から密閉されているとともに、蓄積部60から不活性ガスGを供給することにより、金属材料Mの計量および搬送は不活性ガス雰囲気下で行われる。
【0044】
溶解機構部
図5は溶解機構部11を上方から見た図であり、図6は図5に示す溶解機構部11のE−E線方向の断面図であり、図7は図5に示す溶解機構部11の水平方向の断面図である。
図5に示すように、溶解機構部11は、ベース板325上に設けられた密閉室320を備えている。
ベース板325は、フランジ部325aが上記したコンデンサ収容部300の所定の箇所にボルト等の締結手段によって連結されている。
【0045】
密閉室320は、図6に示すように、ベース板325と、このベース板325に溶接によって固定された側板320aと、この側板320aの上端に溶接によって固定された上部板320bとによって基本的に構成され、ベース板325、側板320aおよび上部板320bによって囲まれた実質的に密閉された閉空間322を有する。
この密閉室320は、図6に示すように、ダイカストマシン1の固定ダイプレート110の背面の所定の位置に配置された状態において、スリーブ206の給湯口206aの直上に配置される。
【0046】
ベース板325、側板320aおよび上部板320bは、金属材料Mの融点よりも高い融点をもつ、高耐熱性の材料から形成されている。これらの材料として、たとえば、ステンレス鋼が挙げられる。また、ベース板325、側板320aおよび上部板320bの表面は、溶融アルミニウムメッキによる表面処理が施されている。
【0047】
側板320aには、上記した導入管91が溶接によって接続されており、導入管91の内部と密閉室320の閉空間322とは連通している。導入管91と側板320aとの接続部は、密閉されている。
【0048】
図6に示すように、密閉室320内には、容器330と、遮蔽蓋360と、シャッタ部材370とが設けられている。また、密閉室320の下部には溶解用コイル350が設けられている。さらに、密閉室320の上部板321上には、加熱装置380が設置されている。
【0049】
容器330は、導入管91に導かれて密閉室320内に落下する金属材料Mを収容可能な位置に配置されている。
容器330は、上端側が開口しており、金属材料Mを収容可能なカップ状の収容部330aと、この収容部330aに連続して側方に伸びる注湯部330bを有している。
【0050】
容器330は、絶縁性でかつ高耐熱性の材料から形成されている。容器330の形成材料としては、たとえば、セラミックスが挙げられる。
容器330の内周面には、溶解した金属の付着を防ぐための塗料が塗布されている。付着防止剤は、たとえば、ボロンナイトライド、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の材料を含有する塗料が挙げられる。この塗料は、容器330内での金属の溶解を繰り返すに従って剥がれ落ちるため、塗料の塗布は、定期的に行う必要がある。
【0051】
容器330の収容部330aの下側部分は、ベース板325に形成された開口324を通じて、ベース板325の下方に突き出している。
【0052】
溶解用コイル350は、容器330のベース板325の下方に突き出した部分を包囲するように、ベース板325に取り付けられている。
溶解用コイル350は、銅合金製の管材351を螺旋状に成形したものである。管材351の内部には、冷却水CWが供給される。この溶解用コイル350の周囲は、セラミックス等の電気絶縁部材353で被覆されている。電気絶縁部材353は密閉室320のベース板325に形成された開口部324を密閉可能な裁頭円錐形状に形成されている。この電気絶縁部材353の周囲を保持するカバー352がベース板325の下面にボルトで固定されている。このカバー352がベース板325の下面に固定されることにより、電気絶縁部材353によってベース板325の開口部324は密閉される。
溶解用コイル350には、容器330に収容された金属材料Mの溶解時に、たとえば、数十kHz程度の高周波電流が供給され、金属材料Mに誘導電流が誘起される。この誘導電流のジュール熱により金属材料Mが加熱され溶解する。
なお、溶解用コイル350への高周波電流の供給により、ベース板325の開口324の周囲に沿って誘導電流が誘起される可能性がある。このため、ベース板325の開口324の周囲の一部は、誘導電流を遮断するように、セラミックス等の絶縁材料で形成されている。
【0053】
容器330は、回転軸392によって支持されており、図6に示す配置から回転軸392の回転により矢印Kの向きに傾斜可能となっている。この回転軸392は、ステンレス鋼等の高耐熱性の金属で形成されている。
一方、ベース板325の容器330の注湯部330bの先端部の下側には、スリーブ206の給湯口206aの直上に位置するよう開口部323が形成されている。
容器330内で溶解された金属材料Mは、回転軸392の回転によって容器330が傾斜することにより、開口部323および給湯口206aを通じてスリーブ206内に注がれる。
【0054】
容器330と回転軸392とは、図7に示すように、支持具390を介して連結されている。
支持具390は、容器330の注湯部330b側を保持しており、この支持具390の端部に嵌合部材391が連結されている。嵌合部材391は、ステンレス鋼等の高耐熱性の金属で形成されている。
嵌合部材391は、たとえば、六角形等の多角形の嵌合孔を備えており、この嵌合孔に回転軸392の先端部392aが嵌合している。先端部392aの断面は、嵌合部材391の嵌合孔に合致した多角形である。嵌合部材391は、回転軸392に締結されておらず、回転軸392の先端から軸方向に移動することにより抜ける。
すなわち、容器330は回転軸392の軸方向に移動させることにより、回転軸392から取り外し可能となっている。
このような構成としたのは、容器330に上記した塗料を塗布する際や容器330の破損等による交換の際に、容器330の回転軸392からの取り外しを容易にするためである。
また、容器330と回転軸392とをボルト等の締結部材を用いて連結すると、熱の影響でボルトを解放できなくなるおそれがある。
【0055】
容器330を回転軸392から取り外し、密閉室320の外部に取り出すために、密閉室320の側板320aには、図7に示すように、開口部326が形成されている。
この開口部326の外側には、開口部326を開閉するための蓋板320cが取付られている。この蓋板320cは、側板320aと同様の材料で形成されている。
この蓋板320cは、図8に示すように、上端部に2つの長孔320dが形成されている。これら長孔320dは密閉室320の側板320aの表面から突出して設けられたピン320pに係止する。すなわち、蓋板320cは、側板320aに締結されていない。このため、メインテナンス時に、密閉室320が高温となっていても蓋板320cの取り外しを安全にかつ容易に行うことができる。
一方、蓋板320cは、密閉室320が固定ダイプレート110の背面に設置された状態で、外側面が固定ダイプレート110の当接プレート113に押し付けられる。これにより、蓋板320cは開口部326に固定される。
【0056】
また、蓋板320cと開口部326との間を密閉するために、蓋板320cの表面あるいは開口部326の周囲にシール部材が設けられる。
蓋板320cと開口部326の周囲との間にシール部材を設けることにより、蓋板320cが当接プレート113に押し付けられると、蓋板320cと開口部326との間が密閉される。
このシール部材としては、たとえば、ガラス繊維布等の耐熱性を有する部材が使用される。
【0057】
容器330は、回転軸392の軸方向に固定されていないので、容器330の回転軸392の軸方向の移動を規制する必要がある。
このため、図7に示すように、容器330の近傍の側板320aには、当接ピン399が回転軸392に平行な方向に設けられている。
当接ピン399は、側板320aに形成された貫通孔に挿抜可能に挿入されており、蓋板320cを開口部326に取り付けることによって移動できない構造となっている。蓋板320cを開口部326に取り付けた状態で当接ピン399の先端部が容器330に当接することにより、容器330の回転軸392の軸方向の移動が規制される。
蓋板320cを取り外すことにより、当接ピン399を抜き取ることができる。当接ピン399を抜き取った後、容器330を回転軸392の軸方向に引き抜くと、開口部326を通じて容器330を密閉室320外に取り出すことができる。
【0058】
回転軸392は、図7に示すように、後端部側が密閉室320の外部に突出しており、側板320aの外側に固定された軸受393によって回転自在に支持されている。軸受393は、たとえば、アルミナあるいはセラミックス製の滑り軸受である。
回転軸392は、歯車列を介して密閉室320の外部に固定されたサーボモータ395と接続されている。
【0059】
図9は、回転軸392とサーボモータ395との接続関係を示す図である。
図9に示すように、回転軸392とサーボモータ395とは、回転軸392の軸端に連結された歯車394aとサーボモータ395の出力軸395aに連結された歯車394bからなる歯車列394によって接続されている。歯車列394によって、回転軸392とサーボモータ395の出力軸395aとを連結することにより、回転軸392からサーボモータ395への熱伝導を抑制することができる。すなわち、歯車394aと歯車394bの歯面間の接触面積は充分小さく、回転軸392と出力軸395aとの接触面積がカップリングで連結した場合よりも充分に小さい。このため、回転軸392から出力軸395aへの熱伝導を抑制でき、サーボモータ395の熱による損傷を防ぐことができる。
また、チェーンおよびスプロケット等を用いた伝達機構では、温度上昇により機械的な伝達誤差が大きくなるが、歯車列394は温度が上昇しても伝達誤差がほとんど発生しない。このため、容器330を正確な位置に位置決めすることができる。
なお、歯車394bの歯数Z2と歯車394aの歯数Z1との比Z2/Z1は、1以下に設定される。
【0060】
サーボモータ395は、図5に示すように、サーボドライバ396と接続されている。サーボドライバ396は、上記の制御装置400と接続されており、制御装置400から制御指令を受けてサーボモータ395の回転速度および回転位置を制御する。すなわち、制御装置400は、容器330の傾斜速度および傾斜姿勢を制御する。
【0061】
加熱装置380は、密閉室320内の雰囲気、容器330および密閉室320自体を加熱し、容器330内での金属材料Mの誘導加熱による溶解を促進させ、容器330内で溶解した金属材料Mからの熱放出を抑制し、凝固することを防ぐために設けられている。加熱装置380による加熱温度は、金属材料Mの融点程度あるいはそれ以上である。
加熱装置380は、図6に示すように、密閉室320の上部板320bに形成された開口部321を覆うように上部板320bに固定されている。
この加熱装置380は、ケース381に保持された平板状の抵抗加熱体382と、この抵抗加熱体382の内部に埋設された電熱線383とを有する。
【0062】
電熱線383は、接続端子385を介して、図5に示すように、交流電源386と接続されている。
この交流電源386は、制御装置400と接続されており、制御装置からの指令に応じて交流電流を電熱線383に供給する。
なお、交流電源386に代えて直流電源を用いることも可能である。
【0063】
抵抗加熱体382は、容器330の上方に配置され、抵抗加熱体382の下面は容器330の開口に略平行となっている。
この抵抗加熱体382は、電熱線383に電流が供給されることにより、発熱する。抵抗加熱体382が発熱すると、密閉室320内の雰囲気、容器330および密閉室320自体が加熱される。
【0064】
図5および図6に示すように、加熱装置380には、温度計375およびガス供給管376が設けられている。
温度計375は、容器330の収容部330aの上方に配置され、抵抗加熱体382を貫通する貫通孔382hを通じて、容器330の収容部330aで溶解した金属材料Mの温度を非接触で検出する。
この温度計375には、放射温度計が用いられる。放射温度計は、溶解した金属材料Mから放射される赤外線を貫通孔382hを通じて受け、この赤外線の量を検出する。なお、本実施形態では、温度計375に放射温度計を用いる場合について説明するが、他にも熱電対等の温度計を用いることができる。
温度計375は、図5に示すように、センサアンプ391と接続されており、センサアンプ391は温度計375の検出信号を増幅し、この信号に基づいて金属材料Mの温度を検出する。さらに、センサアンプ391は制御装置400と接続されており、検出した温度を制御装置400に出力する。
制御装置400は、入力された温度に基づいて、たとえば、溶解用コイル350への電流供給を制御する。たとえば、入力温度が設定温度に達した場合には、溶解用コイル350への電流を遮断し、入力温度が設定温度に達していない場合には溶解用コイル350への電流供給量を増加させる等の制御を行う。
【0065】
ガス供給管376は、図6に示すように、抵抗加熱体382の内部を通じて、上記の温度計375のための貫通孔382hに連通している。
このガス供給管376には、図5に示すように、ガス供給源377が接続されている。ガス供給源377は、たとえば、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスGを供給する。
ガス供給源377から供給される不活性ガスGは、ガス供給管376を通じて、密閉室320内に導入される。この不活性ガスGは、容器330で溶解された金属材料Mの酸化を防ぐ。
また、不活性ガスGは、密閉室320内に大気が流入するのを防ぐために、大気圧よりも高い圧力で供給される。
【0066】
不活性ガスGを温度計375のための貫通孔382hを通じて密閉室320内に供給する構成としたのは、容器320で溶解された金属が蒸発して温度計375の検出面に付着するのを防ぐためである。
すなわち、貫通孔382hから不活性ガスGが容器330側に向けて吹き出されているため、蒸発した金属は貫通孔382h内に侵入できない。
【0067】
遮蔽蓋360は、図7に示すように、容器330の近傍に配置され、回転軸361に固定されており、回転軸361の回転によって、容器330の開口を開閉する。
容器330に粒状の金属材料Mを供給した状態で、溶解用コイル350に高周波電流を流すと、金属材料Mには誘導電流が流れる。一方、溶解用コイル350によって発生する磁界と金属材料Mに流れる誘導電流との間に発生する電磁力によって、粒状の金属材料Mが激しく動き、容器330から噴出しようとする。
このため、容器330内で金属材料Mを誘導加熱する際に、遮蔽蓋360によって容器330を遮蔽し、金属材料Mが容器330から噴出するのを防ぐ。
なお、遮蔽蓋360の水平板360aと容器330の収容部330aとの間に空間が形成されるため、この空間内で粒状の金属材料Mが動くことが可能である。このため、遮蔽蓋360を収容部330a内に突出するような形状にして、水平板360aと収容部330aとの間の空間を可能な限り狭くし、容器330内で金属材料Mが動くのをできるだけ規制する構造とすることも可能である。
【0068】
遮蔽蓋360は、図6に示すように、容器330の収容部330aの上部を覆うため平板状の部材からなる水平板360aと、この水平板360aの一側端部に水平板360aに垂直な向きに配置され、注湯部330と収容部330aとの間を遮断するための平板状の部材からなる垂直板360bとからなる。
遮蔽蓋360の水平板360aおよび垂直板360bは、たとえば、セラミックス等の高耐熱性の材料で形成されている。
【0069】
遮蔽蓋360を支持する回転軸361は、図7に示すように、側板320aに固定された滑り軸受362によって回転可能に支持されている。滑り軸受362はセラミックス等の高耐熱性の材料で形成されている。また、回転軸361の密閉室320から突き出した側の端部には、歯車342が連結されている。歯車342は、ベース板325に固定されたロータリアクチュエータ340の出力軸340aに連結された歯車341と噛合している。
ロータリアクチュエータ340は、図5に示すように、制御バルブ336を介して空圧源337に接続されている。制御バルブ336は、上記の制御装置400からの制御指令を受けて、空圧源337からロータリアクチュエータ340への空圧の供給を制御する。これによって、ロータリアクチュエータ340は回転制御される。
【0070】
シャッタ部材370は、スリーブ206の給湯口206aの直上に位置する開口部323を開閉する。すなわち、シャッタ部材370は容器330で金属材料330を溶解する際に、開口部323を閉鎖して密閉室320への空気の流入を防ぐ。シャッタ部材370は、容器330で溶解した金属材料Mをスリーブ206の給湯口206aに供給する際に、開口部323を開いて金属材料Mの流路を確保する。
【0071】
このシャッタ部材370は、図7に示すように、連結ロッド371の先端部に支持されている。連結ロッド371は、滑り軸受387によってベース板325に平行な向きに移動可能に支持されている。連結ロッド371の後端部には、エアシリンダ372のピストンロッド372aが連結されている。
エアシリンダ372は、図5に示すように、制御バルブ373を介してエア源374に接続されている。制御バルブ373は、上記の制御装置400からの制御指令を受けて、エア源374からエアシリンダ372への圧縮空気の供給を制御する。これによって、エアシリンダ372のピストンロッド372aが伸縮する。
【0072】
ピストンロッド372aが縮むことにより、シャッタ部材370は開口部323を開き、ピストンロッド372aが伸びることによりシャッタ部材370は開口部323を閉じる。
シャッタ部材370が開口部323を閉じるときには、シャッタ部材370はシャッタ部材370に対向する位置に設けられた押付部材389に当接する。
この押付部材389のシャッタ部材370と当接する面は傾斜面となっており、この傾斜面は当接によりシャッタ部材370を開口部323側に向けて押し付ける。押付部材389によってシャッタ部材370を開口部323側に向けて押し付けることによって、開口部323が充分に密閉される。
【0073】
図10は、コンデンサ収容部300に収容されたコンデンサと溶解用コイル350との連結関係を示す図である。
図10に示すように、コンデンサ収容部300のケース301内にコンデンサ302が設置されている。
【0074】
コンデンサ302は、上記の溶解用コイル350と並列に接続され、共振回路を構成するためのコンデンサである。
このコンデンサ302は、たとえば、13μF程度の比較的大容量のコンデンサであり、溶解用コイル350と比べて大きな寸法を有する。
【0075】
ケース301は、計量供給機構部51の下部に設置されている。計量供給機構部51では、溶解機構部11の容器330への金属材料Mの供給を、金属材料Mの自重による落下によって行う。このため、計量供給機構部51を溶解機構部11よりも高い位置に設置する必要がある。この結果、計量供給機構部51の下方にはスペースが形成される。このスペースにコンデンサ302が設置され、コンデンサ302は溶解用コイル350に隣接している。
【0076】
コンデンサ302の接続端子303には、剛体からなる2枚の銅板304および305がそれぞれ連結され、銅板304および305とコンデンサ302とは電気的に接続されている。
銅板304および305は、平行となるように配置されているとともに、ケース301から溶解用コイル350に近接する位置まで伸びている。
銅板304および305の表面には、溶解用コイル350を構成する銅合金製の管材351がろう付けされている。これにより、溶解用コイル350と銅板304および305とは一体的に連結されている。また、銅板304および305によってコンデンサ302と溶解用コイル350とは電気的に結合されている。
【0077】
銅板304および305にろう付けされた管材351の一端部からは、冷却水供給源310から冷却水CWが供給され、この冷却水CWは管材351を循環して他端部から流出する。冷却水CWを管材351に供給するのは、溶解機構部11の温度上昇によって管材351が溶解するのを防ぐためである。
【0078】
図11は、溶解用コイル350への高周波電流の供給系の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、溶解用コイル350はコンデンサ302と並列に接続されることにより、共振回路312を構成している。
この共振回路312には、インバータ314、平滑リアクトル315、整流回路316および交流電源317が接続される。
【0079】
交流電源317は、整流回路316に交流電流を供給する。
整流回路316は、交流電源317から供給された交流電流を整流し、平滑リアクトル315に供給する。
平滑リアクトル315は、整流回路316から供給された直流電流に含まれるリプルを平滑化し、インバータ314に供給する。
【0080】
インバータ314は、平滑リアクトル315から供給された電流を共振回路312に必要な周波数の交流に変換して供給する。
また、インバータ314は、制御装置400と接続されており、制御装置400からの制御指令にしたがって作動が制御される。
制御装置400は、たとえば、上記の温度計375の検出した容器330内の溶解金属の温度に基づいて、共振回路312への交流電流の供給を制御する。
【0081】
共振回路312においては、容器330に供給された粒状の金属材料Mを安定的にかつ効率良く溶解させるために、発振される周波数は可能な限り一定値で安定していることが要求される。
共振回路312で発振される周波数は、溶解用コイル350とコンデンサ302との間のインダクタンスが変動すると敏感に変動する。
共振回路312で発振される周波数がばらつくと、金属材料Mに誘起される誘導電流の金属材料Mへの浸透深さが変動し、金属材料Mの温度が安定して上昇しなくなり、金属材料Mを溶解するのに必要な時間が鋳造毎にばらつく。
たとえば、溶解用コイル350とコンデンサ302との間をツイストペアケーブルで接続した場合には、ツイストペアケーブルの変形により溶解用コイル350とコンデンサ302との間のインダクタンスが変動しやすい。
【0082】
本実施形態では、溶解用コイル350とコンデンサ302とを接近させ、溶解用コイル350とコンデンサ302を銅板304,305によって連結することにより、溶解用コイル350とコンデンサ302との間のインダクタンスの変動を防止でき、共振回路312で発振される周波数を安定化できる。
また、溶解用コイル350とコンデンサ302とが離隔している場合には、溶解用コイル350とコンデンサ302を銅板304,305によって連結することは現実には困難であるが、本実施形態は、溶解用コイル350とコンデンサ302との距離を最小化することができる構造を有しているため、銅板304,305によって連結することが可能となる。
【0083】
次に、上記構成の溶解金属供給装置2の動作の一例について説明する。なお、溶解金属供給装置2の動作は制御装置400によって制御される。
まず、粒状の金属材料Mが供給されたホッパ60にガス導入管65から不活性ガスGを供給し、金属材料Mを不活性ガスGの雰囲気下に置く。
また、溶解機構部11のガス供給管376から不活性ガスGを供給し、密閉室320内を不活性ガスGの雰囲気にする。
さらに、加熱装置380に電流を供給し、密閉室320および密閉室320内の雰囲気を金属材料Mの融点程度あるいはそれ以上に加熱する。
【0084】
この状態から、計量供給機構部51の計量部70を動作させ、鋳造に必要な量の金属材料Mを計量し、バッファ部80に送り出す。
【0085】
次いで、バッファ部80に計量された金属材料Mが保持された状態で、容器330に金属材料Mが供給可能な状態となった後に、弁体84を下降させ、金属材料Mを落下させる。金属材料Mの落下が完了した後に、弁体84を上昇させ、バッファ部80の開口部81aを閉じることにより、密閉室320の導入管91側が密閉される。
【0086】
バッファ部80から落下した金属材料Mは、図12に示すように、導入管91に導かれ、容器330の収容部330aに落下する。
【0087】
次いで、容器330への金属材料Mの供給が完了したのち、図13に示すように、遮蔽蓋360を駆動し、容器330の開口を遮蔽する。
なお、容器330への金属材料Mの供給が完了したのち、次回の鋳造のための計量が開始され、バッファ部80に再び新たな金属材料Mが送り出される。
【0088】
容器330の開口を遮蔽蓋360によって遮蔽したのち、溶解用コイル350に高周波電流を供給する。溶解用コイル350に供給する高周波電流は、たとえば、50kHz程度である。
【0089】
溶解用コイル350に高周波電流が供給されると、金属材料Mに誘導電流が誘起され、金属材料Mが加熱される。このとき、上記したように、電磁力によって金属材料Mが激しく移動し、容器330から噴出しようとするが、遮蔽蓋360によって金属材料Mが容器330から飛散することはない。
この状態で誘導加熱が継続されると、図14に示すように、金属材料Mが溶解し、金属溶湯MLとなる。
【0090】
次いで、溶解用コイル350に高周波電流を供給した後、所定の時間経過した時点、すなわち、金属材料Mが溶解し容器330から飛散しなくなった時点で、図14に示すように、遮蔽蓋360を開く。遮蔽蓋360を開くのは、金属溶湯MLの温度を検出するためである。
【0091】
遮蔽蓋360を開いた後に、容器330内の金属溶湯MLの温度が、当該金属溶湯MLの放射する赤外線を開口部321を介して温度計375で検出することにより測定されると、この検出温度に基づいて、溶解用コイル350への電流供給の制御が行われる。たとえば、金属溶湯MLの温度が所定の温度に達している場合には、溶解用コイル350への電流供給が遮断される。金属溶湯MLの温度が所定の温度に達しない場合には、溶解用コイル350への電流供給を継続し、あるいは、電流供給量を増加させる。
【0092】
次いで、溶解用コイル350への電流供給が遮断されたのち、シャッタ部材370を移動して、開口部323を開く。
開口部323を開いた後、図15に示すように、容器330を傾斜させる。
【0093】
容器330を傾斜させる際には、容器330の傾斜速度および傾斜姿勢の制御が行われる。
容器330内の金属溶湯MLがスリーブ206へ全て確実に注入されるように傾斜速度および傾斜姿勢が制御される。
たとえば、容器330の傾斜開始時には、容器330内の金属溶湯MLが飛散しないように、比較的低い速度で容器330を回転させ、ある程度容器330が傾斜した後は比較的高い速度で容器330を回転させ、図15に示すような所定の傾斜姿勢に達する前に再び比較的低い速度で容器330を回転させる。
所定の傾斜姿勢に達する前に比較的低い速度でゆっくりと容器330を回転させることにより容器330内に残った金属溶湯MLがスリーブ206へ注入される。
【0094】
金属溶湯MLがスリーブ206へ注入されると、射出装置200のプランジャチップ205が駆動され、キャビティCに金属溶湯MLが射出、充填される。
容器330が所定の傾斜姿勢に達し、スリーブ206への金属溶湯MLの注入が完了したのちに、容器330を通常の姿勢に復帰させる。
容器330を通常の姿勢に復帰させたのち、容器330への金属材料Mの供給が可能な状態となったところで、バッファ部80から金属材料Mを容器330に再び供給し、上記と同様の作業を行う。
【0095】
以上のように、本実施形態によれば、ダイカストマシン1において、上記のような動作によって金属溶湯MLをスリーブ206に供給することにより、一定のサイクルでダイカスト製品を連続的に鋳造することができる。
また、本実施形態によれば、粒状の金属材料Mを予め正確に計量し、これを溶解するので、ダイカスト製品の鋳造に必要な金属溶湯MLを過不足なく供給可能となり、結果として、製品の品質を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、不活性ガス雰囲気中で金属材料の供給および溶解を行うため、金属材料が酸化しにくく、ダイカスト製品の品質を向上させることができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、容器330を密閉室320で囲み、密閉室320内の雰囲気を加熱することにより、金属材料の溶解速度を向上でき、速い鋳造サイクルに対応可能である。
さらに、本実施形態によれば、容器330を密閉室320で囲み、密閉室320内の雰囲気を加熱することにより、溶解された金属材料の凝固を防ぐことができ、結果として、製品の品質を向上させることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、安定した周波数の電流を溶解用コイル350に安定供給できるため、誘導加熱による金属材料の溶解を効率的に行うことができ、溶解に要する時間を短縮でき、また、溶解に要する時間が鋳造毎にばらつくことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、容器330で溶解された金属溶湯MLをスリーブ206に注入する際に、容器330の回転速度制御および回転位置制御を可能とする構成としているので、金属溶湯MLをスリーブ206へ確実に注入できる。また、容器330の回転位置を正確に制御できるので、密閉室320の容積を可能な限り小さくしても容器330と密閉室320との衝突を確実に防ぐことができる。
【0098】
さらに、容器330の回転位置および回転速度を正確に制御できるので、容器330からスリーブ206に注入する金属溶湯MLの量を調整することも可能となる。
たとえば、容器330の回転位置を制御して、常に金属溶湯MLの一部を容器330内に残存させておくことにより、誘導加熱の開始時の粒状の金属材料の激しい運動の発生を抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、溶解金属供給装置2の溶解機構部11が固定ダイプレート110の背面に配置された状態から、溶解機構部11を固定ダイプレート110から離隔した位置に移動可能となっている。このため、溶解機構部11の密閉室320内の容器330等のメインテナンスが容易に可能である。
【0100】
第2実施形態
上述した本発明の第1実施形態において、ダイカストマシン1のスリーブ206へ正確な量の金属溶湯MLを供給するには、計量供給機構部51において金属材料Mを正確に計量する必要がある。
しかしながら、スクリュー72により押し出される金属材料Mが落下する位置である、溶解機構部11と連通するバッファ部80と、シリンダ71との連通面におけるスクリュー72の形状によっては、鋳造毎の金属材料Mの計量が終了しスクリュー72が停止する際の回転位置によって、落下する金属材料Mの量がばらつく可能性がある。
本実施形態では、上記のようなスクリュー72の回転位置による金属材料Mの落下量のばらつきを抑制可能な構成について述べる。
【0101】
図16は、図4のうちの、本第2実施形態を説明するための要部の拡大図である。本実施形態の基本的な構成は第1実施形態の場合と同じである。よって前述した第1実施形態と同一構成部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0102】
本実施形態においては、スクリュー72を構成するコイルスプリング74の端部が、シリンダ71の先端開口部、すなわちシリンダ71とバッファ部80との連通面PL−PL上に位置している。スクリュー72の回転により送出される金属材料Mは、このPL−PL面において落下してバッファ部80に供給される。
【0103】
図17(a)はPL−PL面のバッファ部80側から見た断面図であり、図17(b)はその側面の部分拡大断面図である。
図17(a),(b)において、コイルスプリング74の末端線材EP0は点CN2においてコイルスプリング74自体に接触しており、たとえば溶接などにより固定されている。これにより、回転軸73とコイルスプリング74とにより形成される金属材料Mの送出用の溝の末端部が、点CN2において閉じることになる。したがって、このようなスクリュー72の端部の形状を閉形状と称することにする。
【0104】
本実施形態においては、コイルスプリング74のPL−PL面における端部は、端部位置を厳密に規定するために、図17に示すように切削等により平坦に形成されている。
また、コイルスプリング74とシリンダ71との間のクリアランスCLは略一定に保たれている。
以上の構成により、シリンダ71とコイルスプリング74との間に形成される開口の形状が、スクリュー72の回転位置にかかわらずほぼ一定となる。
【0105】
スクリュー72が所定の方向へ回転すると、金属材料Mは回転軸73とコイルスプリング74とにより形成された溝の働きで、PL−PL面方向へ送出される。PL−PL面においては、コイルスプリング74の端部が閉形状であることから、シリンダ71とコイルスプリング74との間に形成される開口の形状が略一定となる。また、コイルスプリング74の端面が平坦に形成されていることから、コイルスプリング74の線材のなす微妙な凹凸やそれにより形成される空間も無い。したがって、コイルスプリング74のPL−PL面における周方向の形状がほぼ円形となり、コイルスプリング74とシリンダ71との間の開口形状はより均一になる。その結果、金属材料Mの落下条件がほぼ一定となり、スクリュー72の回転位置の違いによる金属材料Mの落下量のばらつきがほとんど生じない。
【0106】
コイルスプリングの端部形状が、図19に示すコイルスプリング74aのように、螺旋状にピッチを描く途中の形状そのままの開放形状であったとする。図19(a)は、コイルスプリング74aの末端線材EPが図中下側にあるときにスクリューが停止した場合を、図19(b)は、末端線材EPが上側にあるときに停止している場合を、それぞれ示している。図19に示す構成では、シリンダ71とコイルスプリング74aとの間の開口形状がスクリューの回転位置によって変化する。スクリューの回転の停止位置は鋳造毎に常に同じであるとは限らないので、鋳造毎に金属材料Mの落下条件が変化し、金属材料Mの正確な計量が困難になる。
【0107】
本実施形態においては、コイルスプリング74の端部が閉じており、PL−PL面でのシリンダ71とコイルスプリング74との間の開口形状が略一定であることから、スクリュー72の回転位置にかかわらず、常に一定の条件で金属材料Mをバッファ部80に供給することができる。したがって、より正確な金属材料Mの計量供給が可能になる。
【0108】
変形形態
第2実施形態のコイルスプリング74において、末端線材EPOがコイルスプリング74自体に接触する際に生じる点CN1から点CN2までのなす角度θを小さくするほど、コイルスプリング74が閉じてから形成される空間が狭くなるので、金属材料Mの落下条件はより均一になる。
また、図18に示す変形形態のようにコイルスプリングを構成してもよい。
図18(a)におけるコイルスプリング74bは、回転軸73に嵌合する螺旋状の線材740と、断面が円形のリング状部材EP1とにより形成されている。リング状部材EP1は、PL−PL面側の端部において線材740と回転軸73の両方に、たとえば溶接等により固定されている。
【0109】
上記コイルスプリング74bを用いると、コイルスプリング74bとシリンダ71との間の開口形状を確実に一定にすることができるために、より正確な金属材料Mの計量供給が可能になる。
また、リング状部材EP1を別部品として加工することができるために、所望の加工精度や形状を確保し易く、製造も容易となる。
【0110】
さらには、図18(b)のように、リング状部材EP1よりも軸方向に厚みのあるリング状部材EP2を用いてコイルスプリング74cを構成することもできる。この構成では、開口形状一定の部分が軸方向に長くなるために、螺旋状の溝の位置の違いによる金属材料Mの送出条件の違いを低減することができる。
【0111】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態においては、金属材料を送出するための溝を回転軸と断面が円形のコイルスプリングによって形成した例を図示したが、コイルスプリングの断面形状は正方形や長方形でもよく、さらに、回転軸とコイルスプリングの組み合わせによらない、その他の構成によって溝を形成することも可能である。例えば、断面円形の棒材を切削加工してらせん溝を形成してもよい。また、その溝のピッチやシリンダとのクリアランス等も、PL−PL面側の端部において溝が閉じており、スクリューの停止位置にかかわらず金属材料の落下量が同程度になるようにさえなっていれば、適宜定めることができる。
【0112】
上述した実施形態では、鋳造装置としていわゆるコールドチャンバダイカストマシンの場合について説明したが、本発明は他のタイプのダイカストマシンや、砂型鋳造装置、重力金型鋳造装置、低圧鋳造装置等にも適用可能である。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、連続的に鋳造を行う鋳造装置に鋳造毎に必要量の金属材料を溶解して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す上面図である。
【図2】図1に示した溶解金属供給装置2を固定ダイプレート110の背面側に移動させた状態を示す図である。
【図3】溶解金属供給装置2の具体的な構成を示す図であって、固定ダイプレート110の背面側から溶解金属供給装置2を見た一部に断面図を含む図である。
【図4】計量供給機構部51の具体的構成を示す断面図である。
【図5】溶解機構部11を上方から見た図である。
【図6】図5に示す溶解機構部11のE−E線方向の断面図である。
【図7】図5に示す溶解機構部11の水平方向の断面図である。
【図8】開口部326を開閉するための蓋板320cの構造を示す図である。
【図9】回転軸392とサーボモータ395との接続関係を示す図である。
【図10】コンデンサ収容部300に収容されたコンデンサと溶解用コイル350との連結関係を示す図である。
【図11】溶解用コイル350への高周波電流の供給系の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】溶解金属供給装置2の動作手順を説明するための図である。
【図13】図12に続く溶解金属供給装置2の動作手順を説明するための図である。
【図14】図13に続く溶解金属供給装置2の動作手順を説明するための図である。
【図15】図14に続く溶解金属供給装置2の動作手順を説明するための図である。
【図16】図4に示す本発明の一実施形態に係るダイカストマシンのうちの、第2実施形態を説明するための要部の拡大図である。
【図17】図17(a)は、図16のPL−PL面のバッファ部80側から見た断面図であり、図17(b)は、その側面の部分拡大断面図である。
【図18】図18(a),(b)は、第2実施形態の変形形態を示した図である。
【図19】関連技術としてのコイルスプリング74aおよびシリンダ71の構成を示す図であり、図19(a)においては端部EPが下側で停止しており、図19(b)は端部EPが上側で停止している状態を示している。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン
2…溶解金属供給装置
51…計量供給機構部
60…蓄積部
70…計量部
71…シリンダ
72…スクリュー
73…回転軸
74…コイルスプリング
80…バッファ部
90…導入部
91…導入管
100…型締装置
110…固定ダイプレート
120…移動ダイプレート
130…リンクハウジング
300…コンデンサ収容部
320…密閉室
330…容器
350…溶解用コイル
360…遮蔽蓋
370…シャッタ部材
375…温度計
376…ガス供給管
380…加熱装置
400…制御装置
500…支持台
Claims (3)
- 鋳造装置に金属材料を鋳造毎に溶解して供給する溶解金属供給装置であって、
前記鋳造装置に対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、当該鋳造装置に供給する溶解供給手段と、
粒状または粉状の金属材料が供給される搬送路と、前記搬送路内に挿入され回転により金属材料を当該搬送路の先端開口部に向けて送出するスクリューとを備え、当該スクリューの回転量に応じた量の金属材料を前記搬送路の先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、
前記スクリューの先端部は、前記搬送路の先端開口部と略同位置に配置されると共に当該スクリューの溝が閉じられており、当該スクリューの前記溝を閉じる部分の外周と前記搬送路の内周との間に形成される開口の形状が当該スクリューの回転位置にかかわらず略一定となっており、
前記溝を閉じる部分は、前記先端開口部と同位置にて前記溝を閉じ、又は、前記先端開口部よりも前記搬送路側の位置にて前記溝を閉じるとともに前記溝を閉じる位置から前記先端開口部と同位置まで同一径になっている
溶解金属供給装置。 - 前記溶解供給手段は、前記鋳造装置に対して所定の位置に配置される容器と、
前記容器の周囲を囲む密閉室と、
前記容器内に収容された金属材料を加熱溶解して金属溶湯とする加熱手段と、
前記容器内の金属溶湯を前記鋳造装置へ向けて流出させる金属溶湯供給手段と、
前記容器から流出する金属溶湯を前記鋳造装置へ注入するために前記密閉室に形成された注入口を開閉する開閉手段と
を有する請求項1に記載の溶解金属供給装置。 - 一対の金型を保持し、当該金型の開閉および型締を行う型締装置と、型締された前記金型の間に形成されたキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置と、前記射出装置のスリーブに金属溶湯を供給する溶解金属供給装置とを有するダイカストマシンであって、
前記溶解金属供給装置は、前記射出装置のスリーブに対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、当該スリーブに供給する溶解供給手段と、
粒状または粉状の金属材料が供給される搬送路と、前記搬送路内に挿入され回転により金属材料を当該搬送路の先端開口部に向けて送出するスクリューとを備え、当該スクリューの回転量に応じた量の金属材料を前記搬送路の先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、
前記スクリューの先端部は、前記搬送路の先端開口部と略同位置に配置されると共に当該スクリューの溝が閉じられており、当該スクリューの前記溝を閉じる部分の外周と前記搬送路の内周との間に形成される開口の形状が当該スクリューの回転位置にかかわらず略一定となっており、
前記溝を閉じる部分は、前記先端開口部と同位置にて前記溝を閉じ、又は、前記先端開口部よりも前記搬送路側の位置にて前記溝を閉じるとともに前記溝を閉じる位置から前記先端開口部と同位置まで同一径になっている
ダイカストマシン。
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