JP2003062661A - 溶解金属供給装置、溶解金属供給方法およびダイカストマシン - Google Patents

溶解金属供給装置、溶解金属供給方法およびダイカストマシン

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JP2003062661A
JP2003062661A JP2001253358A JP2001253358A JP2003062661A JP 2003062661 A JP2003062661 A JP 2003062661A JP 2001253358 A JP2001253358 A JP 2001253358A JP 2001253358 A JP2001253358 A JP 2001253358A JP 2003062661 A JP2003062661 A JP 2003062661A
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JP
Japan
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container
metal material
closed chamber
molten metal
supply
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JP2001253358A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nanto
寛 南都
Akira Hirahara
昭 平原
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】連続的に鋳造を行う鋳造装置において、鋳造毎
に必要量の金属材料を溶解して供給できる溶解金属供給
装置を備えたダイカストマシンを提供する。 【解決手段】鋳造装置に対して所定の位置に配置された
容器330と、容器330の周囲を囲む密閉室320
と、密閉室320外から容器330に鋳造毎に金属材料
を供給する材料供給手段と、容器330内に収容された
金属材料を誘導加熱により溶解する誘導加熱手段と、容
器330の姿勢を傾斜させて当該容器の開口から溶解さ
れた金属材料を鋳造装置に注入する傾動手段と、密閉室
320の底面部に形成された、容器330の姿勢の変更
により流出する溶解した金属材料を鋳造装置へ注入する
ための注入口323を開閉する開閉手段と、容器330
および密閉室内の雰囲気を加熱する加熱装置380とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、ダイカ
ストマシン等の鋳造装置に適用される溶解金属供給装置
およびその方法、ならびに、この溶解金属供給装置を備
えるダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカストマシンは、たとえば、一対の
固定金型と移動金型、これら固定金型および移動金型を
それぞれ保持する固定ダイプレートおよび移動ダイプレ
ート、タイバーを伸長させて固定金型と移動金型とを型
締する型締装置、固定金型と移動金型との間に形成され
るキャビティに金属溶湯を射出する射出装置、溶解金属
を射出装置に供給する給湯装置等を備えている。このよ
うなダイカストマシンでは、固定金型と移動金型とを型
締装置によって型締した状態で、給湯装置によって溶解
金属を射出装置のスリーブに供給し、スリーブに嵌合す
るプランジャを駆動することにより、金型キャビティ内
に溶解金属を射出、充填することによってダイカスト製
品を鋳造する。射出装置のスリーブへの溶解金属の供給
は、たとえば、溶解炉において予め溶解された十分量の
金属材料をラドルを用いて鋳造に必要な量を汲み上げ、
これを上記のスリーブの給湯口まで搬送することにより
行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な方法で溶解金属の供給を行うと、溶解炉は大量の金属
を溶解するため表面積が広いため、大気への熱の放出に
よる熱効率の低下等の理由により、金属材料を溶解する
のに必要なコストが嵩むという不利益が存在した。ま
た、ラドルによる溶解金属の搬送中に溶解金属が飛散す
る可能性があり、ダイカスト製品を製造する現場の環境
が低下しやすいという不利益も存在する。さらに、溶解
炉で溶解した金属を鋳造にすべて使用しない場合には、
溶解に要する電力コスト等が無駄になるという不利益も
存在する。さらに、大気中において金属材料を溶解し、
搬送すると、熱の放散により凝固しやすく、また、酸化
しやすいため、ダイカスト製品の品質が低下しやすいと
いう不利益も存在する。
【0004】一方、上記のような溶解炉において十分量
の金属材料を溶解するのではなく、一回の鋳造に必要な
量の金属材料を溶解してスリーブに供給する技術が特公
昭59−38867号公報に開示されている。この特公
昭59−38867号公報に開示された技術は、複数の
るつぼ内に粉末あるい粒状の金属材料を供給し、これを
誘導加熱により溶解し、ダイカストマシンの給湯口まで
搬送して注入するものである。しかしながら、上記の技
術では、金属材料の溶解および搬送を大気中で行うた
め、大気に触れる時間が長く、溶解金属が凝固しやす
く、酸化しやすい。このため、溶解金属の表面に膜が形
成され、この膜がるつぼに残留し、ダイカストマシンへ
の溶解金属の供給量にばらつきが発生しやすい。
【0005】本発明は、上述の問題に鑑みて成されたも
のであって、その目的は、連続的に鋳造を行う鋳造装置
において、鋳造毎に必要量の金属材料を溶解して供給で
きる溶解金属供給装置およびその方法を提供することに
ある。本発明の他の目的は、金属材料の溶解時間を短縮
でき、一定サイクルの連続的な鋳造に対応することが可
能な溶解金属供給装置およびその方法を提供することに
ある。本発明のさらに他の目的は、溶解された金属材料
の鋳造装置への供給前の凝固、酸化に起因した鋳造品の
品質低下を抑制可能な溶解金属供給装置およびその方法
を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、上
記の溶解金属供給装置が適用されたダイカストマシンを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の溶解金属供給装
置は、鋳造装置に金属材料を鋳造毎に溶解して供給する
溶解金属供給装置であって、前記鋳造装置に対して所定
の位置に配置された容器と、前記容器の周囲を囲む密閉
室と、前記密閉室外から前記容器に鋳造毎に金属材料を
供給する材料供給手段と、前記容器内に収容された金属
材料を誘導加熱により溶解する誘導加熱手段と、前記容
器の姿勢を傾斜させて当該容器の開口から溶解された金
属材料を前記鋳造装置に注入する傾動手段と、前記密閉
室の底面部に形成された、前記容器の姿勢の変更により
流出する溶解した金属材料を前記鋳造装置へ注入するた
めの注入口を開閉する開閉手段と、前記容器および前記
密閉室内の雰囲気を加熱する加熱手段とを有する。
【0007】好適には、前記加熱手段は、前記密閉室内
において傾斜していない状態にある前記容器の開口側に
対向する位置に配置された発熱体を有する。
【0008】さらに好適には、前記加熱手段は、前記発
熱体の温度を溶解すべき金属材料の溶解温度以上にす
る。
【0009】本発明の溶解金属供給装置は、前記密閉室
内に不活性ガスを供給し、前記密閉室内を不活性ガス雰
囲気とするガス供給手段をさらに有する。
【0010】好適には、前記ガス供給手段は、前記密閉
室内に供給する不活性ガスを加熱するガス加熱手段を有
する。
【0011】本発明の溶解金属供給方法は、鋳造装置に
対して所定の位置に配置された密閉室内に設置された容
器に必要量の金属材料を鋳造毎に供給し、前記容器内の
金属材料を誘導加熱により溶解し、前記密閉室の底面部
に形成された注入口を開き、前記容器を傾斜させて溶解
された金属材料を前記注入口を通じて前記鋳造装置に注
入する溶解金属供給方法であって、前記密閉室内の雰囲
気および前記容器を加熱しながら金属材料の溶解を行
う。
【0012】好適には、前記密閉室内に不活性ガスを供
給し、前記密閉室内を不活性ガス雰囲気として金属材料
の溶解を行う。
【0013】さらに好適には、前記密閉室内に供給する
不活性ガスを、加熱して供給する。
【0014】本発明のダイカストマシンは、一対の金型
を保持し、当該金型の開閉および型締を行う型締装置
と、型締された前記金型に形成されたキャビティに溶解
した金属材料を射出、充填する射出装置と、前記射出装
置のスリーブの給湯口に溶解した金属を注入する溶解金
属供給装置とを有するダイカストマシンであって、前記
溶解金属供給装置は、前記スリーブの給湯口の直上に配
置された容器と、前記容器の周囲を囲む密閉室と、前記
密閉室外から前記容器に鋳造毎に金属材料を供給する材
料供給手段と、前記容器内に収容された金属材料を誘導
加熱により溶解する誘導加熱手段と、前記容器の姿勢を
傾斜させて当該容器の開口から溶解された金属材料を前
記スリーブの給湯口に注入する傾動手段と、前記密閉室
の底面部に形成された、前記容器の姿勢の変更により流
出する溶解した金属材料を前記スリーブ内へ注入するた
めの注入口を開閉する開閉手段と、前記容器および前記
密閉室内の雰囲気を加熱する加熱手段とを有する。
【0015】好適には、前記密閉室内に不活性ガスを供
給し、前記密閉室内を不活性ガス雰囲気とするガス供給
手段をさらに有し、前記ガス供給手段は、前記密閉室内
に供給する不活性ガスを加熱するガス加熱手段を有す
る。
【0016】本発明では、容器に供給された密閉室およ
び容器を加熱することにより、容器の温度および容器の
周囲の温度を上昇させる。容器は、誘導加熱によって金
属材料を溶解することによって高温となるが、容器の溶
解した金属材料に触れていない部分は、温度が低下しや
すい。このため、容器を傾斜させて溶解した金属材料を
鋳造装置に注入する際に、容器および容器の周囲の温度
を高めておくことにより、たとえば、容器の注湯口等の
熱が放散しやすく低温となりやすい部分の温度を上昇さ
せ、かつ、温度の低下を防ぐことができ、低温となりや
すい部分に溶解した金属材料が触れても凝固しない。ま
た、本発明では、加熱した不活性ガスを密閉室内に供給
する。これにより、容器の注湯口等の熱が放散しやすく
低温となりやすい部分の温度の低下が抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。第1実施形態 図1は、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの
構成を示す上面図である。図1において、ダイカストマ
シン1は、型締装置100と、射出装置200と、溶解
金属供給装置2とを備えている。型締装置100は、ベ
ースフレームBF上にそれぞれ設置された、固定ダイプ
レート110、移動ダイプレート120およびリンクハ
ウジング130を備えている。固定ダイプレート110
は、ベースフレームBF上に固定されており、この固定
ダイプレート110には固定金型101が取り付けられ
ている。この固定ダイプレート110の背面側には、後
述する当接プレート111,112および113が設け
られている。
【0018】移動ダイプレート120は、ベースフレー
ムBF上に固定ダイプレート110に対向して設けられ
ており、矢印A1およびA2で示す型開閉方向に移動可
能となっている。この移動ダイプレート120には、固
定金型101との間でキャビティCを形成する移動金型
102が取り付けられている。
【0019】リンクハウジング130は、ベースフレー
ムBF上に設置されており、このリンクハウジング13
0は4本のタイバー150によって固定ダイプレート1
10と連結されている。タイバー150は、固定ダイプ
レート110側の端部が固定ダイプレート110に固定
され、移動ダイプレート120を貫通している。また、
タイバー150のリンクハウジング130側の端部に
は、図示しないネジ部が形成され、このネジ部にリンク
ハウジング130に回転自在に保持された図示しないナ
ット部材が螺合している。4つのナット部材を同期して
回転させることにより、リンクハウジング130はタイ
バー150に沿って移動可能となっている。リンクハウ
ジング130の背面側には、上記の4つのナット部材を
同期して回転させることにより、リンクハウジング13
0の位置調整を行う駆動機構131が設けられている。
この駆動機構131は、リンクハウジング130の位置
調整の他に、後述するトグル機構140を駆動する。
【0020】リンクハウジング130には、第1リンク
141および第2リンク142を備えたトグル機構14
0が設けられている。第1リンク141および第2リン
ク142は、図示しないが、上下に2組設けられている
とともに、第1リンク141は直線状のリンクからな
り、第2リンク142はアングル状のリンクからなる。
第1リンク141は、一端部が移動ダイプレート120
に回転可能に連結され、他端部が第2リンク142に回
転可能に連結されている。第2リンク142は、第1リ
ンク141に回転可能に連結されているとともに、リン
クハウジング130および型開閉方向A1およびA2に
移動可能に設けられた図示しない移動部材に回転可能に
連結されている。この図示しない移動部材には、上記し
た駆動機構131の具備するサーボモータによって回転
される図示しないネジ軸がねじ込まれている。このトグ
ル機構140は、駆動機構131によって図示しない移
動部材を直動させることにより作動し、移動ダイプレー
ト120を型開閉方向A1またはA2に移動させる。ま
た、第1リンク141と第2リンク142とが直線状に
伸びきって自己ロックされた状態で、固定金型101と
移動金型102との型締を行う。
【0021】射出装置200は、型締された固定金型1
01および移動金型102の間に形成されるキャビティ
Cに溶融金属を射出、充填する。キャビティCに射出、
充填された溶解金属が凝固することにより、ダイカスト
製品が得られる。この射出装置200は、固定ダイプレ
ート110の背面側に設けられた円筒状のスリーブ20
6と、このスリーブ206の内周に嵌合するプランジャ
チップ205と、プランジャチップ205と一端が連結
されたプランジャロッド204と、プランジャロッド2
04の他端部と連結されたピストンロッド202を伸縮
させるシリンダ装置201とを備えている。
【0022】スリーブ206は、上記のキャビティCに
連通している。このスリーブ206は給湯口206aを
備えており、この給湯口206aを通じて後述する溶解
金属供給装置2から溶解金属が供給される。シリンダ装
置201は、ピストンを内蔵しており、このピストンに
連結されたピストンロッド202とプランジャロッド2
04とがカップリング203によって連結されている。
このシリンダ装置201は、油圧によって駆動される。
【0023】プランジャチップ205は、プランジャロ
ッド204に連結されており、シリンダ装置201の駆
動により、スリーブ206内を移動する。溶解金属が供
給されたスリーブ206内をプランジャチップ205が
固定金型101側に向けて移動することによりキャビテ
ィCに溶解金属が射出、充填される。
【0024】溶解金属供給装置2は、鋳造毎に必要量の
金属材料を供給する材料供給機構部51と、材料供給機
構部51から鋳造毎に供給される金属材料を溶解し、溶
解された金属材料をスリーブ206の給湯口206aに
注入する溶解機構部11とを備えている。溶解機構部1
1と材料供給機構部51とは連結されており、これらは
可動プレート5上に設けられている。この可動プレート
5の上面には、2条の案内レール6が設置されている。
案内レール6は、上記したスリーブ206の管軸に沿っ
た向きに配置されている。溶解金属供給装置2は、この
案内レール6に沿って矢印C1およびC2の向きに移動
可能となっている。
【0025】可動プレート5は、支持台3上に設置され
ている。支持台3のフレーム上には、上記したスリーブ
206の管軸に直交する向きに沿って2条の案内レール
4が設置されている。可動プレート5は、この案内レー
ル4に沿って支持台3上を矢印B1およびB2に向きに
移動可能となっている。したがって、溶解金属供給装置
2は、矢印C1およびC2の向きおよび矢印B1および
B2の向きに移動可能となっている。
【0026】図2は、図1に示した溶解金属供給装置2
を固定ダイプレート100の背面側に移動させた状態を
示す図である。ダイカストマシン1において鋳造を行う
場合には、図1に示した溶解金属供給装置2の溶解機構
部11が固定ダイプレート100から離隔した状態か
ら、溶解金属供給装置2を固定ダイプレート100に対
して所定の位置に固定する。具体的には、溶解金属供給
装置2を矢印B1の向きに移動させ、溶解機構部11が
固定ダイプレート100の背面に設けられた当接プレー
ト111,112、113に対向する位置に達したの
ち、溶解金属供給装置2を矢印C2の向きに移動させて
当接プレート111,112、113に溶解機構部11
の各側面を押し当てる。当接プレート112は、スリー
ブ206の管軸に対して直交する向きに配置されてお
り、この当接プレート112に隣接する当接プレート1
11および113は、それぞれ当接プレート112に対
して所定の角度で傾斜している。当接プレート111,
112、113に溶解機構部11が押し付けされること
により、溶解金属供給装置2の固定ダイプレート110
に対する位置決めが行われる。
【0027】溶解金属供給装置2の固定ダイプレート1
10への固定は、図2に示す押当棒30によって行われ
る。押当棒30は、長さの調整が可能となっており、一
端が溶解金属供給装置2のフレームに旋回可能に連結さ
れている。この押当棒30をスリーブ206の管軸方向
に沿った向きにし、押当棒30の他端を射出装置200
側のフレームFLに対向させ、長さの調整を行って押当
棒30の他端部をフレームFLに押し当てる。これによ
り、溶解金属供給装置2の移動が規制され、溶解金属供
給装置2は固定ダイプレート110の背面に固定され
る。
【0028】図3は、上記の溶解金属供給装置2の具体
的な構成を示す図であって、固定ダイプレート110の
背面側から溶解金属供給装置2を見た一部に断面図を含
む図である。図3に示すように、型締装置100のベー
スフレームBFは、ベースBSに設置された支持台50
0上に設置されており、固定台プレート110はベース
BSから所定の高さに配置されている。一方、溶解金属
供給装置2が設置された支持台3の上面は、支持台50
0の上面よりも高い位置にあり、上記したように、この
支持台3に案内レール4が設置されている。支持台3に
は、支持台3の上で溶解金属供給装置2に関する各種の
作業を行うために、支持台3を昇り降りするための階段
600が設置されている。この階段600には手摺り6
01が設けられている。
【0029】図3において、溶解金属供給装置2は、固
定ダイプレート110の背面側であってスリーブ206
の直上に配置された上記の溶解機構部11と、この溶解
機構部11と連結された材料供給機構部51に加えて、
材料供給機構部51の下方に設置されたコンデンサ収容
部300と、支持台3の下方に設置され溶解金属供給装
置2の各種制御を行う制御装置400とを有している。
【0030】材料供給機構部 図4は、材料供給機構部51の具体的構成を示す断面図
である。材料供給機構部51は、蓄積部60と、計量部
70と、バッファ部80と、導入部90とを有する。
【0031】蓄積部60は、スリーブ206に溶解して
供給する前の金属材料を蓄積する。この蓄積部60は、
ホッパ61と、蓋62とを備えている。ホッパ61は、
円錐状の外形を有し、内部に金属材料Mを収容する空間
を有している。このホッパ61の上端側は円形の開口を
もち、下端部に金属材料Mを送り出す供給口61aを有
する。また、ホッパ61は、コンデンサ収容部30のケ
ース30cの上面に固定された支持部材69cに、ホッ
パ61の下端部外周を固定する固定部材69a,69b
によって固定されている。
【0032】ホッパ61に蓄積される金属材料Mは、例
えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の鋳造に
用いる金属を粒状としたものである。粒径は、たとえ
ば、1〜10mm程度とするのが好ましい。粒状の金属
材料Mを用いることにより、たとえば、インゴット状の
金属材料を切断する場合等と比べて、比較的少量の金属
材料を正確に計量することが容易となる。また、鋳造に
用いる金属材料が粒状である場合には、材料の表面は必
ず酸化しており、たとえば、インゴットを用いる場合に
比べて溶解したときの品質が劣る。このため、粒状の金
属材料を用いる場合であっても、粒径を小さくしすぎる
と溶解時の品質が低下し、粒径を大きくしすぎると正確
な計量が難しくなる。このため、上記のような範囲の粒
径とすることが好ましい。
【0033】蓋62は、円形状の金属板の外周縁に周壁
部63を有し、この周壁部63がホッパ61の上端の外
周に嵌合することによりホッパ61の上端の開口を覆
う。この蓋62の周壁部63の内周には、ホッパ61の
上端の外周面と周壁部63の内周面との間をシールする
リング状のシール部材62aが設けられている。このシ
ール部材62aにより、ホッパ61の上端の開口は密封
される。
【0034】蓋62の略中心部には、残量検出器64
と、ガス導入管65とが設けられている。残量検出器6
4は、センサアンプ67に接続されており、たとえば、
ホッパ61内に収容された金属材料Mの上面と残量検出
器64との距離Lを非接触で検出し、検出信号をセンサ
アンプ67に出力する。残量検出器64として、たとえ
ば、光、超音波等を用いた測長センサを用いることがで
きる。センサアンプ67は、上記した制御装置400に
接続されており、残量検出器64の検出信号を増幅し、
増幅された信号に基づいて距離Lを算出し、これを制御
装置400に出力する。制御装置400では、距離Lに
基づいて、ホッパ61内に収容された金属材料Mの残量
を判断する。制御装置400は、ホッパ61内が空と判
断した場合には、たとえば、アラームを出力する。
【0035】ガス導入管65は、ホッパ61の外部に設
けられたガス供給源66から供給される窒素ガスやアル
ゴンガス等の不活性ガスGをホッパ61内に導く。不活
性ガスGは、ホッパ61内に収容された金属材料Mの酸
化を防止するためにホッパ61内に供給される。ホッパ
61内に供給された不活性ガスGは、ホッパ61の下部
の供給口61aを通じて、計量部70、バッファ部80
および導入部90に導入される。
【0036】計量部70は、ホッパ61の供給口61a
から自重により送り出される金属材料MLのうち必要量
を計量してバッファ部80へ送り出す。この計量部70
は、支持部材69cによって略水平に支持されたシリン
ダ71と、このシリンダ71に挿入されたスクリュー7
2とを有する。
【0037】シリンダ71は、ホッパ61の供給口61
aとシリンダ71の内部とを連通させる開口部71aを
有している。この開口部71aを通じてホッパ61から
金属材料Mがシリンダ71内に供給される。
【0038】スクリュー72は、断面が円形の回転軸7
3と、この回転軸73の外周に嵌合し固定されたコイル
スプリング74とから構成されている。回転軸73は、
先端部がシリンダ71から突き出しており、この先端部
がバッファ部80に設けられた軸受BRによって回転自
在に支持されている。また、回転軸73の後端部は、支
持部材69cにフランジ部材77を介して保持された軸
受BRによって回転自在に保持されているとともに、カ
ップリング75を介してサーボモータ76の回転軸76
aに連結されている。なお、フランジ部材77およびこ
れに保持された軸受BRによってシリンダ71の端部は
密閉されている。
【0039】コイルスプリング74は、たとえば、鉄等
の金属で形成された線材が略一定ピッチで螺旋状に成形
されたものであり、回転軸73の外径に嵌合する内径を
有している。このコイルスプリング74は、両端部が、
たとえば、溶接によって回転軸73に接続されている。
【0040】スクリュー72を上記のような構成とした
理由は、棒材を切削加工してらせん溝を形成してスクリ
ューを製造する場合と比較して、製造コストを大幅に削
減することができるからである。
【0041】サーボモータ76は、支持部材69cに固
定されており、サーボドライバ79に接続されている。
サーボドライバ79は、上記の制御装置400から制御
指令79sを受けて、サーボモータ76の回転制御を行
う。
【0042】スクリュー72を所定方向に回転させる
と、シリンダ71内に供給された金属材料Mは図4に矢
印Jで示す向きに搬送され、シリンダ71の先端開口を
通じてバッファ部80に送出される。このスクリュー7
2の搬送量は、スクリュー72の回転量に応じて決定さ
れる。
【0043】したがって、計量部70では、制御装置4
00が鋳造に必要な量の金属材料Mを搬送するスクリュ
ー72の回転を指令する制御指令をサーボドライバ79
に対して出力することにより計量が行われる。
【0044】バッファ部80は、計量部70から送り出
された金属材料を一時的に保持する。このバッファ部8
0は、連結部材78によって支持部材69cと連結され
た円筒部材81と、円筒部材81内に挿入されたピスト
ンロッド83を伸縮させるエアシリンダ82と、ピスト
ンロッド83の先端部83に連結された弁体84とを有
する。
【0045】円筒部材81は、内部に計量部70から送
り出された金属材料Mを収容する収容空間81sを備え
ており、上端側の開口は閉塞部材85によって閉塞さ
れ、下端側の開口81aの内周に弁体84の弁座面81
bを備えている。
【0046】エアシリンダ82は閉塞部材85に固定さ
れており、エアシリンダ82のピストンロッド83が閉
塞部材85に形成された貫通孔85aを通じて、円筒部
材81内に挿入されている。エアシリンダ82は、制御
バルブ86を介してエア源87に接続されている。
【0047】制御バルブ86は、上記の制御装置400
からの制御指令を受けて、エア源87から供給される圧
縮空気のエアシリンダ82への供給を制御し、ピストン
ロッド83を矢印K1およびK2の向きに駆動させる。
【0048】弁体84は、円錐状の部材からなり、弁座
面81bに合致するテーパ面84aを備えている。弁体
84のテーパ面84aは、エアシリンダ82の駆動によ
って、ピストンロッド83が矢印K1の向きに上昇する
と、弁座面81bに着座する。これにより、円筒部材8
1の下端側の開口81aが閉鎖される。円筒部材81の
下端側の開口81aが閉鎖された状態で、計量部70か
ら金属材料Mが供給されると、シリンダ71の先端から
金属材料Mが収容空間81s内に落下し、金属材料Mが
収容空間81sに保持される。弁体84のテーパ面84
aは、ピストンロッド83が矢印K2の向きに下降する
と、弁座面81bから離隔し、テーパ面84aと弁座面
81bとの間に隙間が形成される。金属材料Mが収容空
間81sに保持された状態では、この隙間を通じて金属
材料Mは、円筒部材81の下方に向けて自重により落下
する。
【0049】導入部90は、バッファ部80から解放さ
れて自重により落下する金属材料を溶解機構部11内に
導く導入管91を有する。この導入管91は、円筒部材
81の下端部に、たとえば、溶接によって接続されてお
り、円筒部材81の下端部と導入管91との接続部は密
閉されている。また、導入管91は、鉛直斜め下方に向
かって配置されており、バッファ部80から落下する金
属材料Mを後述する溶解機構部11内の容器に直接導
く。
【0050】なお、上記したように、材料供給機構部5
1の蓄積部60、計量部70、バッファ部80および導
入管部90の金属材料Mの搬送経路は密閉されていると
ともに、蓄積部60から不活性ガスGを供給することに
より、金属材料Mの計量および搬送は不活性ガス雰囲気
下で行われる。
【0051】溶解機構部 図5は溶解機構部11を上方から見た図であり、図6は
図5に示す溶解機構部11のE−E線方向の断面図であ
り、図7は図5に示す溶解機構部11の水平方向の断面
図である。図5に示すように、溶解機構部11は、ベー
ス板325上に設けられた密閉室320を備えている。
ベース板325は、フランジ部325aが上記したコン
デンサ収容部300の所定の箇所にボルト等の締結手段
によって連結されている。
【0052】密閉室320は、図6に示すように、ベー
ス板325と、このベース板325に溶接によって固定
された側板320aと、この側板320aの上端に溶接
によって固定された上部板320bとによって基本的に
構成され、ベース板325、側板320aおよび上部板
320bによって囲まれた実質的に密閉された閉空間3
22を有する。この密閉室320は、図6に示すよう
に、ダイカストマシン1の固定ダイプレート110の背
面の所定の位置に配置された状態において、スリーブ2
06の給湯口206aの直上に配置される。
【0053】ベース板325、側板320aおよび上部
板320bは、金属材料Mの融点よりも高い融点をも
つ、高耐熱性の材料から形成されている。これらの材料
として、たとえば、ステンレスが挙げられる。また、ベ
ース板325、側板320aおよび上部板320bの表
面は、溶融アルミニウムメッキによる表面処理が施され
ている。
【0054】側板320aには、上記した導入管91が
溶接によって接続されており、導入管91の内部と密閉
室320の閉空間322とは連通している。導入管91
と側板320aとの接続部は、密閉されている。
【0055】図6に示すように、密閉室320内には、
容器330と、遮蔽蓋360と、シャッタ部材370と
が設けられている。また、密閉室320の下部には溶解
用コイル350が設けられている。さらに、密閉室32
0の上部板321上には、加熱装置380が設置されて
いる。
【0056】容器330は、導入管91に導かれて密閉
室320内に落下する金属材料Mを収容可能な位置に配
置されている。容器330は、上端側が開口しており、
金属材料Mを収容可能なカップ状の収容部330aと、
この収容部330aに連続して側方に伸びる注湯部33
0bを有している。
【0057】容器330は、絶縁性でかつ高耐熱性の材
料から形成されている。容器330の形成材料として
は、たとえば、セラミクスが挙げられる。容器330の
内周面には、溶解した金属の付着を防ぐための塗料が塗
布されている。付着防止剤は、たとえば、ボロンナイト
ライド、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の材料を含有す
る塗料が挙げられる。この塗料は、容器330内での金
属の溶解を繰り返すに従って剥がれ落ちるため、塗料の
塗布は、定期的に行う必要がある。
【0058】容器330の収容部330aの下側部分
は、ベース板325に形成された開口324を通じて、
ベース板325の下方に突き出している。
【0059】溶解用コイル350は、容器330のベー
ス板325の下方に突き出した部分を包囲するように、
ベース板325に取り付けられている。溶解用コイル3
50は、銅合金製の管材351を螺旋状に成形したもの
である。管材351の内部には、冷却水CWが供給され
る。この溶解用コイル350の周囲は、セラミクス等の
絶縁部材352で被覆されている。絶縁部材352は、
密閉室320のベース板325に形成された開口部32
4を密閉可能な裁頭円錐筒形状に成形されている。この
絶縁部材352の周囲を保持するカバー352がベース
板325の下面にボルトで固定されている。このカバー
352をベース板325に固定することにより、ベース
板325の開口部324は絶縁部材352によって密閉
されている。溶解用コイル350には、容器330に収
容された金属材料Mの溶解時に、たとえば、数十kHz
程度の高周波電流が供給され、金属材料Mに誘導電流が
誘起される。この誘導電流のジュール熱により金属材料
Mが加熱され溶解する。なお、溶解用コイル350への
高周波電流の供給により、ベース板325の開口324
の周囲に沿って誘導電流が誘起される可能性がある。こ
のため、ベース板325の開口324の周囲の一部は、
誘導電流を遮断するように、セラミクス等の絶縁材料で
形成されている。
【0060】容器330は、回転軸392によって支持
されており、図6に示す配置から回転軸392の回転に
より矢印K1の向きに傾斜可能となっている。この回転
軸392は、ステンレス等の高耐熱性の金属で形成され
ている。一方、ベース板325の容器330の注湯部3
30bの先端部の下側には、スリーブ206の給湯口2
06aの直上に位置するよう開口部323が形成されて
いる。容器330内で溶解された金属材料Mは、回転軸
392の回転によって容器330が傾斜することによ
り、開口部323および給湯口206aを通じてスリー
ブ206内に注がれる。
【0061】容器330と回転軸392とは、図7に示
すように、支持具390を介して連結されている。支持
具390は、容器330の注湯部330b側を保持して
おり、この支持具390の端部に嵌合部材391が連結
されている。嵌合部材391は、ステンレス等の高耐熱
性の金属で形成されている。嵌合部材391は、たとえ
ば、六角形等の多角形の嵌合孔を備えており、この嵌合
孔に回転軸392の先端部392aが嵌合している。先
端部392aの断面は、嵌合部材391の嵌合孔に合致
した多角形である。嵌合部材391は、回転軸392に
締結されておらず、回転軸392の先端から軸方向に移
動することにより抜ける。すなわち、容器330は回転
軸392の軸方向に移動させることにより、回転軸39
2から取り外し可能となっている。このような構成とし
たのは、容器330に上記した塗料を塗布する際や容器
330の破損等による交換の際に、容器330の回転軸
392からの取り外しを容易にするためである。また、
容器330と回転軸392とをボルト等の締結部材を用
いて連結すると、熱の影響でボルトを解放できなくなる
おそれがある。
【0062】容器330を回転軸392から取り外し、
密閉室320の外部に取り出すために、密閉室320の
側板320aには、図7に示すように、開口部326が
形成されている。この開口部326の外側には、開口部
326を開閉するための蓋板320cが取付られてい
る。この蓋板320cは、側板320aと同様の材料で
形成されている。この蓋板320cは、図8に示すよう
に、上端部に2つの長孔320dが形成されている。こ
れら長孔320dは密閉室320の側板320aの表面
から突出して設けられたピン320pに係止する。すな
わち、蓋板320cは、側板320aに締結されていな
い。このため、メインテナンス時に、密閉室320が高
温となっていても蓋板320cの取り外しを安全にかつ
容易に行うことができる。一方、蓋板320cは、密閉
室320が固定ダイプレート110の背面に設置された
状態で、外側面が固定ダイプレート110の当接プレー
ト113に押し付けられる。これにより、蓋板320c
は開口部326に固定される。
【0063】また、蓋板320cと開口部326との間
を密閉するために、蓋板320cの表面あるいは開口部
326の周囲にシール部材が設けられる。蓋板320c
と開口部326の周囲との間にシール部材を設けること
により、蓋板320cが当接プレート113に押し付け
られると、蓋板320cと開口部326との間が密閉さ
れる。このシール部材としては、たとえば、ガラス繊維
布等の耐熱性を有する部材が使用される。
【0064】容器330は、回転軸392の軸方向に固
定されていないので、容器330の回転軸392の軸方
向の移動を規制する必要がある。このため、図7に示す
ように、容器330の近傍の側板320aには、当接ピ
ン399が回転軸392に平行な方向に設けられてい
る。当接ピン399は、側板320aに形成された貫通
孔に挿抜可能に挿入されており、蓋板320cを開口部
326に取り付けることによって移動できない構造とな
っている。蓋板320cを開口部326に取り付けた状
態で当接ピン399の先端部が容器330に当接するこ
とにより、容器330の回転軸392の軸方向の移動が
規制される。蓋板320cを取り外すことにより、当接
ピン399を抜き取ることができる。当接ピン399を
抜き取った後、容器330を回転軸392の軸方向に引
き抜くと、開口部326を通じて容器330を密閉室3
20外に取り出すことができる。
【0065】回転軸392は、図7に示すように、後端
部側が密閉室320の外部に突出しており、側板320
aの外側に固定された軸受393によって回転自在に支
持されている。軸受393は、たとえば、アルミナある
いはセラミクス製の滑り軸受である。回転軸392は、
歯車列を介して密閉室320の外部に固定されたサーボ
モータ395と接続されている。
【0066】図9は、回転軸392とサーボモータ39
5との接続関係を示す図である。図9に示すように、回
転軸392とサーボモータ395とは、回転軸392の
軸端に連結された歯車394aとサーボモータ395の
出力軸395aに連結された歯車394bからなる歯車
列394によって接続されている。歯車列394によっ
て、回転軸392とサーボモータ395の出力軸395
aとを連結することにより、回転軸392からサーボモ
ータ395への熱伝導を抑制することができる。すなわ
ち、歯車394aと歯車394bの歯面間の接触面積は
充分小さく、回転軸392と出力軸395aとの接触面
積がカップリングで連結した場合よりも充分に小さい。
このため、回転軸392から出力軸395aへの熱伝導
を抑制でき、サーボモータ395の熱による損傷を防ぐ
ことができる。また、チェーンおよびスプロケット等を
用いた伝達機構では、温度上昇により機械的な伝達誤差
が大きくなるが、歯車列394は温度が上昇しても伝達
誤差がほとんど発生しない。このため、容器330を正
確な位置に位置決めすることができる。なお、歯車39
4bの歯数Z2と歯車394aの歯数Z1との比Z2/
Z1は、1以下に設定される。
【0067】サーボモータ395は、図5に示すよう
に、サーボドライバ396と接続されている。サーボド
ライバ396は、上記の制御装置400と接続されてお
り、制御装置400から制御指令を受けてサーボモータ
395の回転速度および回転位置を制御する。すなわ
ち、制御装置400は、容器330の傾斜速度および傾
斜姿勢を制御する。
【0068】加熱装置 加熱装置380は、密閉室320内に設けられた容器3
30および密閉室320内の雰囲気を加熱する。加熱装
置380による加熱温度は、成形材料Mの融点程度ある
いはそれ以上であることが好ましい。
【0069】加熱装置380は、図6に示すように、密
閉室320の上部板320bに形成された開口部321
を覆うように上部板320bに固定されている。この加
熱装置380は、ケース381に保持された平板状の抵
抗加熱体382と、この抵抗加熱体382の内部に埋設
された電熱線383とを有する。
【0070】電熱線383は、接続端子385を介し
て、図5に示すように、交流電源386と接続されてい
る。この交流電源386は、制御装置400と接続され
ており、制御装置400からの指令に応じて交流電源を
電熱線383に供給する。なお、交流電源386の代わ
りに、直流電源を用いることも可能である。
【0071】抵抗加熱体382は、容器330の上方に
配置され、抵抗加熱体382の下面は容器330の開口
に略平行となっている。この抵抗加熱体382は、電熱
線383に電流が供給されることにより、発熱する。抵
抗加熱体382が発熱すると、容器330および密閉室
320内の雰囲気が加熱される。また、抵抗加熱体38
2の発熱によって密閉室320自体も加熱される。抵抗
加熱体382の温度は、容器330内に供給される金属
材料の溶解温度以上とすることが好ましい。
【0072】ここで、加熱装置380を密閉室320に
設ける理由について説明する。容器330に供給された
金属材料Mは収容部330aにおいて誘導加熱により溶
解され、注湯部330bを通じてスリーブ206に注入
される。この容器330は、誘導加熱により金属材料を
繰り返し溶解することにより高温となるが、かなりの割
合で他の箇所に熱が放散されてしまう。この容器330
からの熱の放散は、主に、密閉室320内の対流による
雰囲気への放散と、放射による密閉室320への放散で
ある。容器330から熱が放散すると、容器330のう
ち溶解した金属材料と接していない注湯部330b等の
温度が収容部330aに比べて低下しやすい。
【0073】容器330の注湯部330bの温度が、溶
解した金属材料の溶解温度と比べて著しく低いと、容器
330を傾斜させて注湯部330bを通じて溶解金属を
スリーブ206に注入する際に、溶解金属が凝固してし
まう可能性がある。溶解金属が凝固すると、スリーブ2
06への給湯量がばらついたり、容器330の注湯部3
30bに付着した金属によって溶解した金属の流れが変
わり、スリーブ206の給湯口206aに溶解した金属
が適切に注入されず周辺に飛散する等の不具合が発生す
る可能性がある。
【0074】このため、本実施形態では、加熱装置38
0により容器330を加熱することにより、容器330
の注湯部330bの温度を溶解した金属材料が凝固しな
い温度に上昇させる。さらに、加熱装置380により密
閉室320内の雰囲気を加熱することで、対流による容
器330からの熱の放散を抑制し、容器330の特に注
湯部330bの温度降下を防ぐことができる。また、加
熱装置380は、金属材料Mの誘導加熱による溶解を促
進させ、容器330内で溶解した金属材料Mからの熱放
出を抑制し、凝固することを防ぐ役割も果たす。
【0075】図5および図6に示すように、加熱装置3
80には、温度計375およびガス供給管376が設け
られている。温度計375は、容器330の収容部33
0aの上方に配置され、抵抗加熱体382を貫通する貫
通孔382hを通じて、容器330の収容部330aで
溶解した金属材料Mの温度を非接触で検出する。この温
度計375には、放射温度計が用いられる。放射温度計
は、溶解した金属材料Mから放射される赤外線を貫通孔
382hを通じて受け、この赤外線の量を検出する。な
お、本実施形態では、温度計375に放射温度計を用い
る場合について説明するが、他にも熱電対等の温度計を
用いることができる。
【0076】温度計375は、図5に示すように、セン
サアンプ391と接続されており、センサアンプ391
は温度計375の検出信号を増幅し、この信号に基づい
て金属材料Mの温度を検出する。さらに、センサアンプ
391は制御装置400と接続されており、検出した温
度を制御装置400に出力する。制御装置400は、入
力された温度に基づいて、たとえば、溶解用コイル35
0への電流供給を制御する。たとえば、入力温度が設定
温度に達した場合には、溶解用コイル350への電流を
遮断し、入力温度が設定温度に達していない場合には溶
解用コイル350への電流供給量を増加させる等の制御
を行う。
【0077】ガス供給管376は、図6に示すように、
抵抗加熱体382の内部を通じて、上記の温度計375
のための貫通孔382hに連通している。このガス供給
管376は、図5に示すように、ガス供給源377が接
続されている。ガス供給源377は、たとえば、アルゴ
ンガスや窒素ガス等の不活性ガスGを供給する。ガス供
給源377から供給される不活性ガスGは、ガス供給管
376を通じて、密閉室320内に導入される。この不
活性ガスGは、容器330で溶解された金属材料Mの酸
化を防ぐ。また、不活性ガスGは、密閉室320内に大
気が流入するのを防ぐために、大気圧よりも高い圧力で
供給される。
【0078】不活性ガスGを温度計375のための貫通
孔382hを通じて密閉室320内に供給する構成とし
たのは、容器320で溶解された金属が蒸発して温度計
375の検出面に付着するのを防ぐためである。すなわ
ち、貫通孔382hから不活性ガスGが容器330側に
向けて吹き出されているため、蒸発した金属は貫通孔3
82h内に侵入できない。
【0079】遮蔽蓋360は、図7に示すように、容器
330の近傍に配置され、回転軸361に固定されてお
り、回転軸361の回転によって、容器330の開口を
開閉する。容器330に粒状の金属材料Mを供給した状
態で、溶解用コイル350に高周波電流を流すと、金属
材料Mには誘導電流が流れる。一方、溶解用コイル35
0によって発生する磁界と金属材料Mに流れる誘導電流
との間に発生する電磁力によって、粒状の金属材料Mが
激しく動き、容器330から噴出しようとする。このた
め、容器330内で金属材料Mを誘導加熱する際に、遮
蔽蓋360によって容器330を遮蔽し、金属材料Mが
容器330から噴出するのを防ぐ。なお、遮蔽蓋360
の水平板360aと容器330の収容部330aとの間
に空間が形成されるため、この空間内で粒状の金属材料
Mが動くことが可能である。このため、遮蔽蓋360を
収容部330a内に突出するような形状にして、水平板
360aと収容部330aとの間の空間を可能な限り狭
くし、容器330内で金属材料Mが動くのをできるだけ
規制する構造とすることも可能である。
【0080】遮蔽蓋360は、図6に示すように、容器
330の収容部330aの上部を覆うため平板状の部材
からなる水平板360aと、この水平板360aの一側
端部に水平板360aに垂直な向きに配置され、注湯部
330と収容部330aとの間を遮断するための平板状
の部材からなる垂直板360bとからなる。遮蔽蓋36
0の水平板360aおよび垂直板360bは、たとえ
ば、セラミクス等の高耐熱性の材料で形成されている。
【0081】遮蔽蓋360を支持する回転軸361は、
図7に示すように、側板320aに固定された滑り軸受
362によって回転可能に支持されている。滑り軸受3
62はアルミナあるいはセラミクス等の高耐熱性の材料
で形成されている。また、回転軸361の密閉室320
から突き出した側の端部には、歯車342が連結されて
いる。歯車342は、ベース板325に固定されたエア
モータ340の出力軸340aに連結された歯車341
と噛合している。エアモータ340は、図5に示すよう
に、制御バルブ336を介してエア源374に接続され
ている。制御バルブ336は、上記の制御装置400か
らの制御指令を受けて、エア源374からの空圧のエア
モータ340への供給を制御する。これによって、エア
モータ340は回転制御される。
【0082】シャッタ部材370は、スリーブ206の
給湯口206aの直上に位置する開口部323を開閉す
る。すなわち、シャッタ部材370は容器330で金属
材料330を溶解する際に、開口部323を閉鎖して密
閉室320への空気の流入を防ぐ。シャッタ部材370
は、容器330で溶解した金属材料Mをスリーブ206
の給湯口206aに供給する際に、開口部323を開い
て金属材料Mの流路を確保する。
【0083】このシャッタ部材370は、図7に示すよ
うに、連結ロッド371の先端部に支持されている。連
結ロッド371は、滑り軸受387によってベース板3
25に平行な向きに移動可能に支持されている。連結ロ
ッド371の後端部は、エアシリンダ372のピストン
ロッド372aが連結されている。エアシリンダ372
は、図5に示すように、制御バルブ373を介してエア
源374に接続されている。制御バルブ373は、上記
の制御装置400からの制御指令を受けて、エア源37
4からの圧縮空気のエアシリンダ372への供給を制御
する。これによって、エアシリンダ372のピストンロ
ッド372aが伸縮する。
【0084】ピストンロッド372aが縮むことによ
り、シャッタ部材370は開口部323を開き、ピスト
ンロッド372aが伸びることによりシャッタ部材37
0は開口部323を閉じる。シャッタ部材370が開口
部323を閉じるときには、シャッタ部材370はシャ
ッタ部材370に対向する位置に設けられた当接部材3
89に当接する。これによりシャッタ部材370は位置
決めされる。
【0085】図10は、コンデンサ収容部300に収容
されたコンデンサと溶解用コイル350との連結関係を
示す図である。図10に示すように、コンデンサ収容部
300のケース301内にコンデンサ302が設置され
ている。
【0086】コンデンサ302は、上記の溶解用コイル
350と並列に接続され、共振回路を構成するためのコ
ンデンサである。このコンデンサ302は、たとえば、
0.13μF程度の比較的大容量のコンデンサであり、
溶解用コイル350と比べて大きな寸法を有する。
【0087】ケース301は、材料供給機構部51の下
部に設置されている。材料供給機構部51では、溶解機
構部11の容器330への金属材料Mの供給を、金属材
料Mの自重による落下によって行う。このため、材料供
給機構部51を溶解機構部11よりも高い位置に設置す
る必要がある。この結果、材料供給機構部51の下方に
はスペースが形成される。このスペースにコンデンサ3
02が設置され、コンデンサ302は溶解用コイル35
0に隣接している。
【0088】コンデンサ302の接続端子303には、
剛体からなる2枚の銅板304および305がそれぞれ
連結され、銅板304および305とコンデンサ302
とは電気的に接続されている。銅板304および305
は、平行となるように配置されているとともに、ケース
301から溶解用コイル350に近接する位置まで伸び
ている。銅板304および305の表面には、溶解用コ
イル350を構成する銅合金製の管材351がろう付け
されている。これにより、溶解用コイル350と銅板3
04および305とは一体的に連結されている。また、
銅板304および305によってコンデンサ302と溶
解用コイル350とは電気的に結合されている。
【0089】銅板304および305にろう付けされた
管材351の一端部からは、冷却水供給源310から冷
却水CWが供給され、この冷却水CWは管材351を循
環して他端部から流出する。冷却水CWを管材351に
供給するのは、溶解機構部11の温度上昇によって管材
351が溶解するのを防ぐためである。
【0090】図11は、溶解用コイル350への高周波
電流の供給系の構成の一例を示す機能ブロック図であ
る。図11に示すように、溶解用コイル350はコンデ
ンサ302と並列に接続されることにより、共振回路3
12を構成している。この共振回路312には、インバ
ータ314、平滑リアクトル315、整流回路316お
よび交流電源317が接続される。
【0091】交流電源317は、整流回路316に交流
電流を供給する。整流回路316は、交流電源317か
ら供給された交流電流を整流し、平滑リアクトル315
に供給する。平滑リアクトル315は、整流回路316
から供給された直流電流に含まれるリプルを平滑化し、
インバータ314に供給する。
【0092】インバータ314は、平滑リアクトル31
5から供給された電流を共振回路312に必要な周波数
の交流に変換して供給する。また、インバータ314
は、制御装置400と接続されており、制御装置400
からの制御指令にしたがって作動が制御される。制御装
置400は、たとえば、上記の温度計375の検出した
容器330内の溶解金属の温度に基づいて、共振回路3
12への交流電流の供給を制御する。
【0093】共振回路312においては、容器330に
供給された粒状の金属材料Mを安定的にかつ効率良く溶
解させるために、発振される周波数は可能な限り一定値
で安定していることが要求される。共振回路312で発
振される周波数は、溶解用コイル350とコンデンサ3
02との間のインダクタンスが変動すると敏感に変動す
る。共振回路312で発振される周波数がばらつくと、
金属材料Mに誘起される誘導電流の金属材料Mへの浸透
深さが変動し、金属材料Mの温度が安定して上昇しなく
なり、金属材料Mを溶解するのに必要な時間が鋳造毎に
ばらつく。たとえば、溶解用コイル350とコンデンサ
302との間をツイストペアケーブルで接続した場合に
は、ツイストペアケーブルの変形により溶解用コイル3
50とコンデンサ302との間のインダクタンスが変動
しやすい。
【0094】本実施形態では、溶解用コイル350とコ
ンデンサ302とを接近させ、溶解用コイル350とコ
ンデンサ302を銅板304,305によって連結する
ことにより、溶解用コイル350とコンデンサ302と
の間のインダクタンスの変動を防止でき、共振回路31
2で発振される周波数を安定化できる。また、溶解用コ
イル350とコンデンサ302とが離隔している場合に
は、溶解用コイル350とコンデンサ302を銅板30
4,305によって連結することは現実には困難である
が、本実施形態は、溶解用コイル350とコンデンサ3
02との距離を最小化することができる構造を有してい
るため、銅板304,305によって連結することが可
能となる。
【0095】次に、上記構成の溶解金属供給装置2の動
作の一例について、図12〜図15を参照して説明す
る。なお、溶解金属供給装置2の動作は制御装置400
によって制御される。まず、粒状の金属材料Mが供給さ
れたホッパ60にガス導入管65から不活性ガスGを供
給し、金属材料Mを不活性ガスGの雰囲気下に置く。ま
た、溶解機構部11のガス供給管376から不活性ガス
Gを供給し、密閉室320内を不活性ガスGの雰囲気に
する。さらに、加熱装置380に電流を供給し、密閉室
320および密閉室320内の雰囲気を金属材料Mの融
点程度あるいはそれ以上に加熱する。
【0096】この状態から、材料供給機構部51の計量
部70を動作させ、鋳造に必要な量の金属材料Mを計量
し、バッファ部80に送り出す。
【0097】次いで、バッファ部80に計量された金属
材料Mが保持された状態で、容器330に金属材料Mが
供給可能な状態となった後に、弁体84を下降させ、金
属材料Mを落下させる。金属材料Mの落下が完了した後
に、弁体84を上昇させ、バッファ部80の開口部81
aを閉じることにより、密閉室320の導入管91側が
密閉される。
【0098】バッファ部80から落下した金属材料M
は、図12に示すように、導入管91に導かれ、容器3
30の収容部330aに落下する。
【0099】次いで、容器330への金属材料Mの供給
が完了したのち、図13に示すように、遮蔽蓋360を
駆動し、容器330の開口を遮蔽する。なお、容器33
0への金属材料Mの供給が完了したのち、次回の鋳造の
ための計量が開始され、バッファ部80に再び新たな金
属材料Mが送りだされる。
【0100】容器330の開口を遮蔽蓋360によって
遮蔽したのち、溶解用コイル350に高周波電流を供給
する。溶解用コイル350に供給する高周波電流は、た
とえば、50kHz程度である。
【0101】溶解用コイル350に高周波電流が供給さ
れると、金属材料Mに誘導電流が誘起され、金属材料M
が加熱される。このとき、上記したように、電磁力によ
って金属材料Mが激しく移動し、容器330から噴出し
ようとするが、遮蔽蓋360によって金属材料Mが容器
330から飛散することはない。この状態で誘導加熱が
継続されると、図14に示すように、金属材料Mが溶解
し、金属溶湯MLとなる。
【0102】次いで、溶解用コイル350に高周波電流
を供給した後、所定の時間経過した時点、すなわち、金
属材料Mが溶解し容器330から飛散しなくなった時点
で、図14に示すように、遮蔽蓋360を開く。遮蔽蓋
360を開くのは、金属溶湯MLの温度を検出するため
である。
【0103】遮蔽蓋360を開いた後に、容器330内
の金属溶湯MLの温度が温度計375によって検出され
ると、この検出温度に基づいて、溶解用コイル350へ
の電流供給の制御が行われる。たとえば、金属溶湯ML
の温度が所定の温度に達している場合には、溶解用コイ
ル350への電流供給が遮断される。金属溶湯MLの温
度が所定の温度に達しいない場合には、溶解用コイル3
50への電流供給を継続し、あるいは、電流供給量を増
加させる。
【0104】次いで、溶解用コイル350への電流供給
が遮断されたのち、シャッタ部材370を移動して、開
口部323を開く。開口部323を開いた後、図15に
示すように、容器330を傾斜させる。
【0105】容器330を傾斜させる際には、容器33
0の傾斜速度および傾斜姿勢の制御が行われる。容器3
30内の金属溶湯MLがスリーブ206へ全て確実に注
入されるように傾斜速度および傾斜姿勢が制御される。
たとえば、容器330の傾斜開始時には、容器330内
の金属溶湯MLが飛散しないように、比較的低い速度で
容器330を回転させ、ある程度容器330が傾斜した
後は比較的高い速度で容器330を回転させ、図15に
示すような所定の傾斜姿勢に達する前に再び比較的低い
速度で容器330を回転させる。所定の傾斜姿勢に達す
る前に比較的低い速度でゆっくりと容器330を回転さ
せることにより容器330内に残った金属溶湯MLがス
リーブ206へ注入される。
【0106】金属溶湯MLがスリーブ206へ注入され
ると、射出装置200のプランジャチップ205が駆動
され、キャビティCに金属溶湯MLが射出、充填され
る。容器330が所定の傾斜姿勢に達し、スリーブ20
6への金属溶湯MLの注入が完了したのちに、容器33
0を通常の姿勢に復帰させる。容器330を通常の姿勢
に復帰させたのち、容器330への金属材料Mの供給が
可能な状態となったのち、バッファ部80から金属材料
Mを容器330に再び供給し、上記と同様の作業を行
う。
【0107】以上のように、本実施形態によれば、ダイ
カストマシン1において、上記のような動作によって金
属溶湯MLをスリーブ206に供給することにより、一
定のサイクルでダイカスト製品を連続的に鋳造すること
ができる。また、本実施形態によれば、粒状の金属材料
Mを予め正確に計量し、これを溶解するので、ダイカス
ト製品の鋳造に必要な金属溶湯MLを過不足なく供給可
能となり、結果として、製品の品質を向上させることが
できる。また、本実施形態によれば、不活性ガス雰囲気
中で金属材料の供給および溶解を行うため、金属材料が
酸化しにくく、ダイカスト製品の品質を向上させること
ができる。
【0108】また、本実施形態によれば、容器330を
密閉室320で囲み、密閉室320内の雰囲気を加熱す
ることにより、金属材料の溶解速度を向上でき、速い鋳
造サイクルに対応可能である。さらに、本実施形態によ
れば、容器330を密閉室320で囲み、密閉室320
内の雰囲気を加熱することにより、溶解された金属材料
の凝固を防ぐことができ、結果として、製品の品質を向
上させることができる。
【0109】また、本実施形態によれば、安定した周波
数の電流を溶解用コイル350に安定供給できるため、
誘導加熱による金属材料の溶解を効率的に行うことがで
き、溶解に要する時間を短縮でき、また、溶解に要する
時間が鋳造毎にばらつくことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、容器330で溶解された金
属溶湯MLをスリーブ206に注入する際に、容器33
0の回転速度制御および回転位置制御を可能とする構成
としているので、金属溶湯MLをスリーブ206へ確実
に注入できる。また、容器330の回転位置を正確に制
御できるので、密閉室320の容積を可能な限り小さく
しても容器330と密閉室320との衝突を確実に防ぐ
ことができる。
【0110】さらに、容器330の回転位置および回転
速度を正確に制御できるので、容器330からスリーブ
206に注入する金属溶湯MLの量を調整することも可
能となる。たとえば、容器330の回転位置を制御し
て、常に金属溶湯MLを容器330内に残存させておく
ことにより、誘導加熱の開始時の粒状の金属材料の激し
い運動の発生を抑制することができる。
【0111】また、本実施形態によれば、溶解金属供給
装置2の溶解機構部11が固定ダイプレート110の背
面に配置された状態から、溶解機構部11を固定ダイプ
レート110から離隔した位置に移動可能となってい
る。このため、溶解機構部11の密閉室320内の容器
330等のメインテナンスが容易に可能である。
【0112】第2実施形態 図16は、本発明の第2の実施形態に係る溶解金属供給
装置の構成を示す図である。なお、本実施形態に係る溶
解金属供給装置は、第1の実施形態と基本的には同様で
あり、同一構成部分については同一の符号を使用する。
上述した第1の実施形態に係る溶解金属供給装置2にお
いては、密閉室320へ供給する不活性ガスGは、常温
で供給される。この常温の不活性ガスGは、金属材料の
溶解温度程度あるいはこれ以上に加熱された容器330
およびその周囲の温度を低下させる要因となる。
【0113】このため、本実施形態では、図16に示す
ように、ガス供給源377から供給される不活性ガスG
をガス加熱装置900によって加熱し、加熱された不活
性ガスGを密閉室320内に供給する。ガス加熱装置9
00は、たとえば、高温に発熱した電熱線に不活性ガス
Gを通過させることによって不活性ガスGを加熱する。
ガス加熱装置900の加熱温度は、不活性ガスGを容器
330内に供給される金属材料の溶解温度程度あるいは
それ以上とすることが好ましい。
【0114】このように、密閉室320に供給する不活
性ガスGを予め加熱し、高温とした状態で供給すること
により、容器330の温度低下をより一層確実に防ぐこ
とができる。
【0115】以上、種々の実施形態を挙げて本発明を説
明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、材料供給手段としての材料供給
機構部51は粒状の金属材料を計量して供給する構成と
したが、たとえば、インゴット状の金属材料を切断し、
これを容器330に直接供給したり、ビレット状の金属
材料を必要量切断して供給する構成としてもよい。粒状
の金属材料は比較的少量、たとえば、10cc〜100
0ccの金属溶湯で鋳造を行うのに適しており、100
0cc以上の大量の金属溶湯で鋳造を行う場合には、イ
ンゴット状あるいはビレット状の金属材料を用いること
が好ましい。
【0116】上述した実施形態では、鋳造装置としてい
わゆるコールドチャンバダイカストマシンの場合につい
て説明したが、本発明は他のタイプのダイカストマシン
や、砂型鋳造装置、重力金型鋳造装置、低圧鋳造装置等
にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの
構成を示す上面図である。
【図2】図1に示した溶解金属供給装置2を固定ダイプ
レート100の背面側に移動させた状態を示す図であ
る。
【図3】溶解金属供給装置2の具体的な構成を示す図で
あって、固定ダイプレート110の背面側から溶解金属
供給装置2を見た一部に断面図を含む図である。
【図4】材料供給機構部51の具体的構成を示す断面図
である。
【図5】溶解機構部11を上方から見た図である。
【図6】図5に示す溶解機構部11のE−E線方向の断
面図である。
【図7】図5に示す溶解機構部11の水平方向の断面図
である。
【図8】開口部326を開閉するための蓋板320cの
構造を示す図である。
【図9】回転軸392とサーボモータ395との接続関
係を示す図である。
【図10】コンデンサ収容部300に収容されたコンデ
ンサと溶解用コイル350との連結関係を示す図であ
る。
【図11】溶解用コイル350への高周波電流の供給系
の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】溶解金属供給装置2の動作手順を説明するた
めの図である。
【図13】図12に続く溶解金属供給装置2の動作手順
を説明するための図である。
【図14】図13に続く溶解金属供給装置2の動作手順
を説明するための図である。
【図15】図14に続く溶解金属供給装置2の動作手順
を説明するための図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る溶解金属供給
装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン 2…溶解金属供給装置 51…材料供給部 60…蓄積部計量部 70…計量部 80…バッファ部 90…導入部 91…導入管 100…型締装置 110…固定ダイプレート 120…移動ダイプレート 130…リンクハウジング 300…コンデンサ収容部 320…密閉室 330…容器 350…溶解用コイル 360…遮蔽蓋 370…シャッタ部材 375…温度計 376…ガス供給管 380…加熱装置 400…制御装置 500…支持台 900…ガス加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 41/06 B22D 41/06 41/14 41/14 F27B 7/06 F27B 7/06 7/08 7/08 7/12 7/12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳造装置に金属材料を鋳造毎に溶解して供
    給する溶解金属供給装置であって、 前記鋳造装置に対して所定の位置に配置された容器と、 前記容器の周囲を囲む密閉室と、 前記密閉室外から前記容器に鋳造毎に金属材料を供給す
    る材料供給手段と、 前記容器内に収容された金属材料を誘導加熱により溶解
    する誘導加熱手段と、 前記容器の姿勢を傾斜させて当該容器の開口から溶解さ
    れた金属材料を前記鋳造装置に注入する傾動手段と、 前記密閉室の底面部に形成された、前記容器の姿勢の変
    更により流出する溶解した金属材料を前記鋳造装置へ注
    入するための注入口を開閉する開閉手段と、 前記容器および前記密閉室内の雰囲気を加熱する加熱手
    段とを有する溶解金属供給装置。
  2. 【請求項2】前記加熱手段は、前記密閉室内において傾
    斜していない状態にある前記容器の開口側に対向する位
    置に配置された発熱体を有する請求項1に記載の溶解金
    属供給装置。
  3. 【請求項3】前記加熱手段は、前記発熱体の温度を溶解
    すべき金属材料の溶解温度以上にする請求項2に記載の
    溶解金属供給装置。
  4. 【請求項4】前記密閉室内に不活性ガスを供給し、前記
    密閉室内を不活性ガス雰囲気とするガス供給手段をさら
    に有する請求項1〜3のいずれかに記載の溶解金属供給
    装置。
  5. 【請求項5】前記ガス供給手段は、前記密閉室内に供給
    する不活性ガスを加熱するガス加熱手段を有する請求項
    4に記載の溶解金属供給装置。
  6. 【請求項6】鋳造装置に対して所定の位置に配置された
    密閉室内に設置された容器に必要量の金属材料を鋳造毎
    に供給し、前記容器内の金属材料を誘導加熱により溶解
    し、前記密閉室の底面部に形成された注入口を開き、前
    記容器を傾斜させて溶解された金属材料を前記注入口を
    通じて前記鋳造装置に注入する溶解金属供給方法であっ
    て、 前記密閉室内の雰囲気および前記容器を加熱しながら金
    属材料の溶解を行う溶解金属供給方法。
  7. 【請求項7】前記密閉室内に不活性ガスを供給し、前記
    密閉室内を不活性ガス雰囲気として金属材料の溶解を行
    う請求項6に記載の溶解金属供給方法。
  8. 【請求項8】前記密閉室内に供給する不活性ガスを、加
    熱して供給する請求項7に記載の溶解金属供給方法。
  9. 【請求項9】一対の金型を保持し、当該金型の開閉およ
    び型締を行う型締装置と、型締された前記金型に形成さ
    れたキャビティに溶解した金属材料を射出、充填する射
    出装置と、前記射出装置のスリーブの給湯口に溶解した
    金属を注入する溶解金属供給装置とを有するダイカスト
    マシンであって、 前記溶解金属供給装置は、前記スリーブの給湯口の直上
    に配置された容器と、 前記容器の周囲を囲む密閉室と、 前記密閉室外から前記容器に鋳造毎に金属材料を供給す
    る材料供給手段と、 前記容器内に収容された金属材料を誘導加熱により溶解
    する誘導加熱手段と、 前記容器の姿勢を傾斜させて当該容器の開口から溶解さ
    れた金属材料を前記スリーブの給湯口に注入する傾動手
    段と、 前記密閉室の底面部に形成された、前記容器の姿勢の変
    更により流出する溶解した金属材料を前記スリーブ内へ
    注入するための注入口を開閉する開閉手段と、 前記容器および前記密閉室内の雰囲気を加熱する加熱手
    段とを有するダイカストマシン。
  10. 【請求項10】前記密閉室内に不活性ガスを供給し、前
    記密閉室内を不活性ガス雰囲気とするガス供給手段をさ
    らに有する請求項9に記載のダイカストマシン。
  11. 【請求項11】前記ガス供給手段は、前記密閉室内に供
    給する不活性ガスを加熱するガス加熱手段を有する請求
    項10に記載のダイカストマシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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