JP3986449B2 - 給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排熱を出力する主装置とその主装置の排熱にて貯湯する貯湯タンクとを備えた給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、排熱を出力することのできるエンジン、燃料電池システム等の主装置と、その主装置の排熱にて貯湯する貯湯タンクとを備えた給湯併行式処理装置(コジェネレーション装置)では、例えば、エンジンの潤滑油交換、燃料電池セルやその改質装置の脱硫器や変成器の交換などのメンテナンス作業を定期的に行う必要がある。例えば、従来のシステムでは、エンジンの潤滑油交換の時期をエンジンの運転積算時間が例えば4000時間に達した時期と設定されていれば、積算の運転時間が3750時間以上となった時に、外部に対してエンジン潤滑油の交換時期が近いことを知らせるような機構が搭載されている。また、エンジンの運転積算時間が4000時間を超えて100時間が経過した場合には、エンジンを自動停止させ、その旨を外部に対して知らせるような機能もある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3066123号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来のシステムでは、コジェネレーションシステムの運転状態を監視することによりメンテナンス時期が近づいたことを知ると共に、残りの運転時間が何時間であるのかという情報を得ることができるのもの、結果として何日後にメンテナンス時期に到達するのかといった予測方法の提案は行われておらず、またそのような予測も不可能であった。具体的には、メンテナンス時期までの残りの運転時間が250時間であっても使用者毎のコジェネレーション装置の運転のさせ方は様々であることから、メンテナンス時期が例えば何日後に来るのかを予測することは出来なかった。
【0005】
ここで、メンテナンス時期を予測して予め知らせる目的は、メンテナンス作業に必要な物的資源及び人的資源を予め用意するためである。ところが、上述した従来のシステムでは、何日後にメンテナンス時期に到達するのかという最も重要な情報が提供されないため、メンテナンス作業に必要な物的資源及び人的資源を用意するタイミングとメンテナンス時期とがずれてしまい、適正な時期にメンテナンス作業を円滑に行えないという問題がある。その結果、実際のメンテナンス作業の時期が好ましいメンテナンス時期よりも遅れればエンジンなどの機器を傷める原因にもなり、更にエンジンの効率が低下することにもつながる。また、実際のメンテナンス作業の時期が好ましいメンテナンス時期よりも早まれば、エンジンなどの機器の減価償却を完全に行えないという経済性の問題にも至る。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、メンテナンス作業を行う時期を正確に予測して、そのメンテナンス作業に必要な物的資源及び人的資源を予め用意することで、メンテナンス作業を円滑に行うことができるメンテナンス支援システムを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムの特徴構成は、排熱を出力する主装置とその主装置の排熱にて貯湯する貯湯タンクとを備えた給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムであって、前記給湯併行式処理装置の過去の運転スケジュール情報を収集する運転情報収集部と、前記過去の運転スケジュール情報から今後の運転スケジュール情報を予測して、その予測した予測運転スケジュール情報に従って運転した場合において設定メンテナンス条件が満たされることになるメンテナンス時期を予測するメンテナンス時期予測部と、そのメンテナンス時期予測部にて予測された前記メンテナンス時期を出力する出力部とを備え、前記メンテナンス時期予測部は、前記過去の運転スケジュール情報がメンテナンス予測開始条件を満たすようになった後において、前記メンテナンス時期の予測を行うように構成され、前記運転情報収集部は、過去の運転スケジュール情報として前記主装置の運転経過情報を収集するように構成され、前記メンテナンス時期予測部が、前記主装置の運転積算時間が前記設定メンテナンス条件としてのメンテナンス用積算時間になる時期を前記メンテナンス時期として予測するように構成され、前記メンテナンス時期予測部は、前記主装置の運転積算時間が前記メンテナンス用積算時間より設定余裕時間前に達した時を、メンテナンス予測開始条件が満たされたものとして、前記メンテナンス時期の予測を行うように構成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成により、収集された過去の運転スケジュール情報を参照して今後の運転スケジュール情報を予測することで、その予測運転スケジュール情報に従った運転を行った場合において設定メンテナンス条件が満たされることになるメンテナンス時期を予測することができる。その結果、メンテナンス作業に必要な物的資源及び人的資源を予測されたメンテナンス時期に向かって予め用意して、実際のメンテナンス作業を円滑に進めることができるので、メンテナンス作業が遅れることによる機器の故障や、メンテナンス作業が早まることによる経済性の悪化といった問題の発生を避けることができる。
又、上記メンテナンス時期予測部によるメンテナンス時期の予測処理が、メンテナンス予測開始条件を満たすようになった後に実行されるので、そのメンテナンス予測開始条件を適切に設定しておくことで、メンテナンス作業の準備を適切な時期に開始することができる。例えば、メンテナンス作業の準備に必要なメンテナンス準備期間がある場合、少なくともメンテナンス予測開始条件を満たすようになってからメンテナンス時期が来るまでの期間の長さが、上記メンテナンス準備期間よりも長くなるように設定しておけば、メンテナンス作業の準備を円滑に進めることができる。
さらに、上記メンテナンス時期予測部が、上記運転情報収集部によって収集された上記主装置の運転積算時間が上記設定メンテナンス条件としてのメンテナンス用積算時間(例えば、メンテナンス対象物の交換や修繕が必要になるまでの運転積算時間)になる時期を予測するので、メンテナンス対象物の交換や修繕の時期と一致するような適切な時期に主装置のメンテナンス作業を実施することができる。その結果、メンテナンス対象物が故障する可能性や、メンテナンス対象物の減価償却が完全に行われない内にその交換が行われるといった可能性を回避することができる。
加えて、上記メンテナンス時期予測部が、メンテナンス用積算時間よりも設定余裕時間前にメンテナンス時期の予測処理を実行するので、実際のメンテナンス時期が来るまでの期間内(上記設定余裕時間と対応)に余裕を持ってメンテナンス作業の準備を行うことができる。
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムの別の特徴構成は、前記メンテナンス時期予測部が、前記設定メンテナンス条件とは別の設定メンテナンス条件が満たされることになる、前記メンテナンス時期とは別のメンテナンス時期を予測し、前記出力部が、前記別のメンテナンス時期を出力する点にある。
【0010】
上記特徴構成により、上記設定メンテナンス条件が満たされることになる上記メンテナンス時期を出力部から出力し、更に上記設定メンテナンス条件とは別の設定メンテナンス条件が満たされることになる、上記メンテナンス時期とは別のメンテナンス時期が出力部から出力されるので、給湯併行式処理装置のメンテナンス管理者に対してメンテナンス作業を確実に実施させるための複数回の注意喚起を行うことができる。例えば、2つの設定メンテナンス条件が時間的に離れて満たされるように設定しておけば、1回目のメンテナンス時期の出力と2回目のメンテナンス時期の出力とが、時間的に離れて実施されることになる。従って、1回目のメンテナンス時期の出力後、そのメンテナンス時期にメンテナンス作業が実施されなかったとしても、2回目のメンテナンス時期の出力が実施されるので、給湯併行式処理装置のメンテナンス管理者に対して十分な注意喚起が行われ、メンテナンス作業が確実に実施される可能性が高くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明に係る給湯併行式処理装置20におけるメンテナンス支援システム10について説明する。
図1に例示するように、給湯併行式処理装置20は、エンジンなどの排熱を出力することのできる主装置21と、その主装置21の排熱にて貯湯することのできる貯湯タンク22とを備えて構成されているコジェネレーションシステムやガスヒートポンプシステムである。そして、メンテナンス支援システム10は、給湯併行式処理装置20の過去の運転スケジュール情報を収集する運転情報収集部11と、過去の運転スケジュール情報から今後の運転スケジュール情報を予測して、その予測した予測運転スケジュール情報に従って運転した場合において設定メンテナンス条件が満たされることになるメンテナンス時期を予測するメンテナンス時期予測部12と、そのメンテナンス時期予測部12において予測されたメンテナンス時期を出力する出力部14とを備えて構成される。
【0018】
運転情報収集部11は、給湯併行式処理装置20を構成するエンジンなどの主装置21がどのような運転を行っているのかといった運転スケジュール情報を収集することができる。具体的には、主装置21の運転状態が時刻と関連付けられて収集され、その結果、何月何日に何時間運転したのかといった情報や、ある時点からの運転積算時間などの運転経過情報とも言うべき運転スケジュール情報の収集を行うことができる。また、運転情報収集部11によって収集された情報は、検索可能な状態で運転情報記憶部13に記憶される。
【0019】
メンテナンス時期予測部12は、ある時点以降の主装置21に関する今後の運転スケジュール情報を予測し、実際にその予測した予測運転スケジュール情報に従った運転が行われた場合に、ある設定メンテナンス条件が満たされることになる時期を予測する機能を実現する。ここでの設定メンテナンス条件は、主装置21がエンジンである場合には、エンジンオイル交換後、次のエンジンオイル交換が必要になるまでのエンジンの運転積算時間に関する条件などである。例えば、設定メンテナンス条件が6000時間である場合には、このメンテナンス時期予測部12はエンジンオイル交換後の主装置21の運転積算時間が6000時間になる時期を予測すればよい。
【0020】
出力部14は、メンテナンス時期予測部12にて予測された主装置21のメンテナンス時期を出力する機能を実現し、その出力方法としては、光学的な表示装置にメンテナンス時期を表示する方法や、音声出力によりメンテナンス時期を出力する方法や、印字装置を用いて文字情報としてメンテナンス時期を出力する方法などの様々な出力方法を採用することができる。
【0021】
以下には、図1に例示した給湯併行式処理装置20におけるメンテナンス支援システム10の動作について具体例を挙げて説明する。尚、主装置21はエンジンとし、メンテナンスの対象はエンジンオイルとして説明を行うが、他の装置及び他のメンテナンス対象であっても同様である。
【0022】
まず、運転情報収集部11によってエンジンオイルの交換後から主装置21の運転スケジュール情報の収集が行われる。その結果、主装置21が1日に何時間運転されているのかといった情報が収集されて、運転情報記憶部13に記憶される。図2に例示するのは、主装置21が過去にどのようなスケジュールで運転されたかを概略的に示すグラフである。具体的には、1月、2月、12月は1日間に約10時間の運転が行われることで、1ヶ月の運転積算時間が300時間となっている。また、3月、4月、5月、9月、10月、11月は1日間に約6時間の運転が行われることで、1ヶ月間の運転積算時間が180時間となり、6月、7月、8月は1日間に約3時間の運転が行われることで、1ヶ月の運転積算時間が90時間となっている。
【0023】
以上のように、運転情報収集部11が主装置21の運転経過情報とも言うべき過去の運転スケジュール情報を収集することで、エンジンオイル交換後からの運転積算時間を導出することができる。図3に例示するのは、図2に示した過去の運転スケジュール情報で主装置21の運転が継続されている場合の運転積算時間を時間の進行と共にグラフ化したものである。
【0024】
図3に示したように、主装置21の運転が頻繁に行われる季節とそれほど頻繁に行われない季節とが存在するため、主装置21の運転積算時間には波があるものの、ほぼ一様な傾きで増加している。尚、この波形は主装置21の使用者毎に異なり、使用者の特性が現れることになる。
【0025】
次に、この主装置21に設定メンテナンス条件が指示されている場合を考える。
設定メンテナンス条件とは、ここではエンジンオイルの交換時期のことであり、詳細には主装置21の運転積算時間が6000時間になればエンジンオイルを交換するというメンテナンス作業をここでは行う必要がある。
【0026】
メンテナンス時期予測部12は過去の運転スケジュール情報を監視し、メンテナンス予測開始条件が満たされるようになった後において、メンテナンス時期の予測を行う。具体的には、メンテナンス時期予測部12は、主装置21の運転積算時間がメンテナンス用積算時間(ここでは6000時間)の設定余裕時間前に達した時に、このメンテナンス予測開始条件が満たされたと判定して、メンテナンス時期の予測処理を実行する。ここで、メンテナンス作業のための設定余裕時間は200時間に設定されており、従って、主装置21の運転積算時間が5800時間(メンテナンス予測開始条件)に達した時に、メンテナンス時期予測部12はメンテナンス時期の予測処理を実行する。
【0027】
以上のことから、図3において運転積算時間が5800時間に達した時、メンテナンス時期予測部12は、運転情報記憶部13に記憶されている過去の運転スケジュール情報から今後の運転スケジュール情報を予測する。図3において破線で示しているのが、運転積算時間が5800時間以降の予測運転スケジュール情報であり、過去の運転スケジュール情報と波形(主装置21の使用者の特性)が同一になるような予測が行われている。その結果、この破線で示す予測運転スケジュール情報に従って主装置21を運転した場合に、設定メンテナンス条件(運転積算時間が6000時間)が満たされるメンテナンス時期が何日後(又は何ヵ月後)であるかが予測される。
【0028】
図4に例示するのは、出力部14として光学的な表示装置を採用した場合の表示画面例である。この場合、運転積算時間が5800時間に達したことで、使用者に対して「点検」という注意喚起が行われており、更にメンテナンス時期予測部12によって予測されたメンテナンス時期が、今から「20日後」であるという結果が併せて表示されている。
【0029】
以上のように、収集された過去の運転スケジュール情報を参照して今後の運転スケジュール情報を予測することで、その予測運転スケジュール情報に従った運転を行った場合において設定メンテナンス条件が満たされることになるメンテナンス時期を正確に予測することができる。その結果、メンテナンス作業に必要な物的資源及び人的資源を予測されたメンテナンス時期に向かって予め用意して、実際のメンテナンス作業を円滑に進めることができるので、メンテナンス作業が遅れることによる機器の故障や、メンテナンス作業が早まることによる経済性の悪化といった問題の発生を避けることができる。
【0030】
<別実施形態>
<1>
上述の実施形態では、主装置の過去の運転スケジュール情報を収集しておき、主装置の運転積算時間が5800時間に達した時点で、収集していた過去の運転スケジュール情報を参照して予測される予測運転スケジュール情報に従った運転を行った場合において、運転積算時間が6000時間になるメンテナンス時期を予測していた。従って、給湯併行式処理装置20の使用者はメンテナンス時期の予測を知らされるだけであるため、メンテナンス作業の準備をそのメンテナンス時期に向けて行わねばならなかった。しかしながら、何らかの都合で予測されたメンテナンス時期にメンテナンス作業を実施できない可能性もある。そのような問題点に鑑みて、この別実施形態では、予測されたメンテナンス時期を時間的にずらすことが出来るようなメンテナンス支援システム30について説明する。
【0031】
図5に例示するのは、予測されたメンテナンス時期を時間的にずらす際にどの程度ずらせば良いのかの入力を受け付ける入力受付手段を備えている点で、図1に例示したメンテナンス支援システム10とは異なっている。尚、上述の入力を行うのは給湯併行式処理装置20の使用者である。
【0032】
以下に、上述の実施形態と同様にメンテナンス時期の予測が行われ、出力部34によってその時期が出力された後、メンテナンス時期を時間的にずらして所望の時期に変更する際の処理について図5及び図6を参照して説明する。
【0033】
例えば、出力部34によって出力提示されたメンテナンス時期(図6のメンテナンス時期Aに該当する)が給湯併行式処理装置20の使用者の不在時である場合、上記使用者は入力受付部35を用いて、このメンテナンス支援システム30に「○○日間延期」するような入力を行う。メンテナンス作業を延期した場合の時期は、図6のメンテナンス時期Bに該当する。
【0034】
メンテナンス時期予測部32は、図3に例示したように予測された今後の運転スケジュール情報(図6の予測運転スケジュール情報Aに該当する)に基づいて上述の実施形態と同様に図6に例示したようなメンテナンス時期Aを予測したのだが、その時期をメンテナンス時期Bを変更するということは、今後の運転スケジュール情報を図6の予測運転スケジュール情報Bに変更するということである。
【0035】
図6から明らかであるように、入力されたメンテナンス時期Bに主装置の運転積算時間が6000時間となるような予測運転スケジュール情報Bに運転を調整するためには、予測運転スケジュール情報Aの場合よりも1日当たりの運転時間を減らす必要がある。例えば、現時点からメンテナンス時期Aまでの期間と、現時点からメンテナンス時期Bまでの期間とを比較し、メンテナンス時期までの期間が5%延長されている場合には、メンテナンス時期予測部32によって、1日当たりの運転時間を予測運転スケジュール情報Aから5%だけ減少させた運転が行われるような予測運転スケジュール情報Bが作成される。予測運転スケジュール情報Aにおいて、1日の運転積算時間が10時間と予測されている場合、1日の運転積算時間を8時間に制限するような情報も予測運転スケジュール情報Bに含まれる。
【0036】
次に、作成された予測運転スケジュール情報Bは出力部34から給湯併行式処理装置20に伝達され、例えば、1日の運転積算時間が8時間を超えないような運転が予測運転スケジュール情報Bに従って行われる。その結果、主装置の運転積算時間が例えば6000時間に達する時期を、メンテナンス時期Aからメンテナンス時期Bにずらすことができる。
【0037】
<2>
上述の実施形態では、メンテナンス時期としてエンジンオイルの交換というメンテナンス作業を行うべき時期を例に挙げて説明したが、他の様々なメンテナンス作業について、そのメンテナンス時期の予測と出力とを行うことができる。例えば、主装置21が燃料電池システムである場合には、所定の運転積算時間で交換するべき消耗品である燃料電池セルや、改質装置の脱硫器及び変成器に収容されている各触媒の交換作業などについても、上述の実施形態と同様にメンテナンス時期の予測と出力とを行うことができる。
【0038】
また、上述したような消耗品の交換作業だけでなく、安全上、エンジンや燃料電池システムなどの主装置の運転を強制的に停止させることもメンテナンス作業とすることもできる。例えば、エンジンの運転積算時間(設定メンテナンス条件)が6200時間に達する時期をエンジンの強制停止作業時期として予測し、メンテナンス管理者に対して出力することもできる。詳細には、メンテナンス時期予測部12が、主装置(エンジン)21の運転積算時間がメンテナンス用積算時間(ここでは6200時間)の設定余裕時間前に達した時に、メンテナンス予測開始条件が満たされたと判定して、エンジンの強制停止作業時期というメンテナンス時期の予測処理を実行する。ここで、メンテナンス作業のための設定余裕時間が200時間に設定されている場合、主装置21の運転積算時間が6000時間(メンテナンス予測開始条件)に達した時に、メンテナンス時期予測部12はメンテナンス時期の予測処理を実行する。
【0039】
更に、図7に例示するように、エンジンの運転積算時間が6000時間に達するという第1の設定メンテナンス条件、及び運転積算時間が6200時間に達するという第2の設定メンテナンス条件という時間的に離れた複数の設定メンテナンス条件が満たされることになる第1のメンテナンス時期及び第2のメンテナンス時期をメンテナンス時期予測部12によってそれぞれ予測し、予測された各メンテナンス時期を出力部14によって出力するような改変も可能である。
【0040】
具体的には上述の実施形態と同様に、メンテナンス時期予測部12は、主装置21の運転積算時間が第1のメンテナンス用積算時間(ここでは6000時間)の設定余裕時間前(ここでは200時間前)に達した時に、第1のメンテナンス予測開始条件(運転積算時間が5800時間となること)が満たされたと判定して、エンジンオイルの交換作業時期という第1のメンテナンス時期の予測処理を実行する。
【0041】
その結果、図7において運転積算時間が5800時間に達した時、メンテナンス時期予測部12は、運転情報記憶部13に記憶されている過去の運転スケジュール情報から今後の運転スケジュール情報(第1の予測運転スケジュール情報)を予測する。図7において破線で示しているのが第1の予測運転スケジュール情報であり、過去の運転スケジュール情報と波形(主装置21の使用者の特性)が同一になるような予測が行われている。その結果、この破線で示す第1の予測運転スケジュール情報に従って主装置21を運転した場合に、第1の設定メンテナンス条件(運転積算時間が6000時間)が満たされる第1のメンテナンス時期が何日後(又は何ヵ月後)であるかが予測され、図4に例示したような形態で出力部14によって出力される。よって、第1のメンテナンス時期の出力を受けた給湯併行式処理装置20の使用者(又はメンテナンス管理者)は、その第1のメンテナンス時期に向けて、エンジンオイル交換作業の準備を進めればよい。
【0042】
しかし、主装置21の運転が継続され、その結果、第1の設定メンテナンス条件(運転積算時間が6000時間)が満たされたにも拘わらず、主装置21の使用者(又はメンテナンス管理者)がメンテナンス作業を実施していない場合が存在する。この場合、運転情報収集部11で情報収集されている主装置21の運転積算時間が第2のメンテナンス用積算時間(ここでは6200時間)の設定余裕時間前(ここでは200時間前)に達したときに、第2のメンテナンス予測開始条件(運転積算時間が6000時間になること)が満たされたと判定して、エンジンの強制停止作業時期という第2のメンテナンス時期の予測処理を実行する。
【0043】
具体的には、図7において運転積算時間が6000時間に達した時、図1に示したメンテナンス時期予測部12は、運転情報記憶部13に記憶されている過去の運転スケジュール情報から今後の運転スケジュール情報を予測する。図7において破線で示しているのが第2の予測運転スケジュール情報であり、過去の運転スケジュール情報と波形(主装置21の使用者の特性)が同一になるような予測が行われている。その結果、この破線で示す第2の予測運転スケジュール情報に従って主装置21を運転した場合に、第2の設定メンテナンス条件(運転積算時間が6200時間)が満たされる第2のメンテナンス時期が何日後(又は何ヵ月後)であるかが予測され、図4に例示したような形態で出力部14によって出力される。よって、第2のメンテナンス時期の出力を受けた主装置21の使用者(又はメンテナンス管理者)は、その第2のメンテナンス時期おいて主装置21の運転が強制停止されることを知ることができ、その第2のメンテナンス時期までにエンジンオイルの交換作業を実施する必要性について認識することができる。
【0044】
尚、この別実施形態では第1の設定メンテナンス条件と第2のメンテナンス予測開始条件とが、「主装置の運転積算時間が6000時間になる時」という同じ条件に設定されているが、それらの条件の設定に制限はなく、自在に設定することができる。
【0045】
<3>
上述の別実施形態<2>では、主装置21の運転スケジュール情報を収集しておき、主装置21の運転積算時間が6000時間に達した時点で、収集していた過去の運転スケジュール情報を参照して予測される第2の予測運転スケジュール情報に従った運転を行った場合において、主装置21の運転積算時間が6200時間になる第2のメンテナンス時期(例えば、主装置21の強制停止時期)を予測して、出力部14によって出力していた。しかし、なんらかの都合でエンジンオイルの交換作業を実施することができず、更に主装置21が強制停止されることも避けたい場合もある。そのような場合には、図5に示した入力受付部35によって所望のメンテナンス時期を受け付けて、上述の別実施形態<1>と同様にして上記第1のメンテナンス時期及び第2のメンテナンス時期の少なくとも一方を時期的にずらすような処理を行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムの機能ブロック図である。
【図2】過去の運転スケジュール情報を整理したグラフである。
【図3】時間の経過と主装置の運転積算時間との関係を示すグラフである。
【図4】メンテナンス時期の出力表示画面例である。
【図5】給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムの機能ブロック図である。
【図6】時間の経過と主装置の運転積算時間との関係を示すグラフである。
【図7】時間の経過と主装置の運転積算時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 メンテナンス支援システム
11 運転情報収集部
12 メンテナンス時期予測部
13 運転情報記憶部
14 出力部
20 給湯併行式処理装置
21 主装置
22 貯湯タンク
30 メンテナンス支援システム
31 運転情報収集部
32 メンテナンス時期予測部
33 運転情報記憶部
34 出力部
35 入力受付部
Claims (2)
- 排熱を出力する主装置とその主装置の排熱にて貯湯する貯湯タンクとを備えた給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システムであって、
前記給湯併行式処理装置の過去の運転スケジュール情報を収集する運転情報収集部と、
前記過去の運転スケジュール情報から今後の運転スケジュール情報を予測して、その予測した予測運転スケジュール情報に従って運転した場合において設定メンテナンス条件が満たされることになるメンテナンス時期を予測するメンテナンス時期予測部と、
そのメンテナンス時期予測部にて予測された前記メンテナンス時期を出力する出力部とを備え、
前記メンテナンス時期予測部は、前記過去の運転スケジュール情報がメンテナンス予測開始条件を満たすようになった後において、前記メンテナンス時期の予測を行うように構成され、
前記運転情報収集部は、過去の運転スケジュール情報として前記主装置の運転経過情報を収集するように構成され、
前記メンテナンス時期予測部が、前記主装置の運転積算時間が前記設定メンテナンス条件としてのメンテナンス用積算時間になる時期を前記メンテナンス時期として予測するように構成され、
前記メンテナンス時期予測部は、前記主装置の運転積算時間が前記メンテナンス用積算時間より設定余裕時間前に達した時を、メンテナンス予測開始条件が満たされたものとして、前記メンテナンス時期の予測を行うように構成されている給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システム。 - 前記メンテナンス時期予測部が、前記設定メンテナンス条件とは別の設定メンテナンス条件が満たされることになる、前記メンテナンス時期とは別のメンテナンス時期を予測し、
前記出力部が、前記別のメンテナンス時期を出力する請求項1に記載の給湯併行式処理装置におけるメンテナンス支援システム。
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