JP3986132B2 - ダブルデッキエレベータ群管理制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下かごを連結した複数台のダブルデッキエレベータを群管理制御するダブルデッキエレベータ群管理制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の建物の高層化に伴い、目的階床への乗客のさらなる輸送能力の向上が求められている。このような昨今において、2つのかごが互いに上下に連結されたダブルデッキエレベータが採用されるようになり、また、複数台のダブルデッキエレベータを設けるようになっている。そして、複数台のダブルデッキエレベータに対して群管理制御が行われている。
【0003】
このダブルデッキエレベータを群管理制御するダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、乗り場呼びが登録されると、ダブルデッキエレベータ群管理制御装置の割当装置により、各々の号機のかご毎に所定の号機かご選択評価演算を行い、その演算で得られた評価値を基に1つのかごに乗り場呼びを割り当てるようにしている。また、各階の乗り場に予報灯が設置されている場合には、その予報灯の点灯は、割当装置により乗り場呼びがどのかごに割り当てられるかが決まった時点で行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、1回の演算で割り当てるかごを決めているので、割り当ての処理に多大な負荷がかかってしまうという課題があった。
【0005】
高階床の建物である程、階床数とエレベータ台数が増えるので、割り当ての処理のための負荷は増大する。また、割り当ての処理の負荷が大きいと処理の遅れが生じ、予報灯を点灯させるまでに時間がかかってしまうという課題も生じる。このような処理の遅れを軽減するためには、従来の技術では高価な高性能CPUを使用する必要があった。
【0006】
本発明は、乗り場呼びに対する割り当て処理の処理遅れの少ないダブルデッキエレベータ群管理制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、上かごおよび下かごを上下に連結した複数台のダブルデッキエレベータを効率良く運行管理するダブルデッキエレベータ群管理制御装置において、乗り場呼びが登録されると所定の号機選択評価演算を行い複数台のエレベータのうち最も評価の高い1台のエレベータに乗り場呼びを割り当てる号機割当装置と、複数台のダブルデッキエレベータの各号機毎に設けられ、号機割当装置で乗り場呼びが割り当てられた場合には所定のかご選択評価演算を行い、上下かごの評価値に差がなかった場合にはかごの割り当てを一旦保留し、評価値の差を検出した時点で上下どちらか一方のかごに乗り場呼びを割り当てる上下かご割当装置とを備えたものである。
【0008】
請求項1の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、乗り場呼びが登録されると号機割当装置が複数台のダブルデッキエレベータに対して所定の号機選択評価演算を行い、その評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当てる。そして、号機割当装置で号機が割り当てられた場合には、各々の号機毎の上下かご割当装置により、その号機の上下かごに対して所定のかご選択評価演算を行い、上下かごの評価値に差がなかった場合にはかごの割り当てを一旦保留し、評価値の差を検出した時点で上下どちらか一方のかごに対して乗り場呼びを割り当てる。このように割り当て処理を分散して行うので割り当ての処理遅れを少なくできる。
【0011】
請求項2の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、請求項1の発明において、号機割当装置で乗り場呼びが割り当てられたときは、乗り場呼びに対して予報灯を点灯させる予報灯制御装置を各号機毎に備えたものである。
【0012】
請求項2の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、乗り場呼びが登録されると、号機割当装置で割り当てられた号機の予報灯を点灯させる。
【0013】
請求項3の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、請求項1の発明において、上下かごの呼び情報を基に周期的に上下かご間で割り当ての変更が必要な乗り場呼びの検索を行い、割り当て変更が必要な乗り場呼びがあった場合には上下かご間の割り当て変更を行う割当見直し装置を各号機毎に備えたものである。
【0014】
請求項3の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、乗り場呼びが登録されると、号機毎に設けられた割当見直し装置により、上下かごの情報を基に周期的に上下かご間で割り当ての変更が必要な乗り場呼びの検索を行い、割り当て変更が必要な乗り場呼びがあった場合には、上下かご間の割り当て変更を行う。
【0015】
請求項4の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、複数台のダブルデッキエレベータの各号機毎に設けられ、登録された乗り場呼びがある号機のかごに割り当てられた場合、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に出力する同時応答検出装置と、乗り場呼びが登録されると所定の号機かご選択評価演算を行い乗り場呼びを適切な号機のかごに割り当てると共に、同時応答検出装置から送られてくる同時応答リクエストが1つの号機のみの場合はその号機のかごに乗り場呼びを割り当て、複数の同時応答リクエストが出力されている場合は各号機のかごの評価値を基に1つの号機のかごに乗り場呼びを割り当て、同時応答リクエストがない場合は各号機のかごの評価値を基に1つのかごに乗り場呼びを割り当てる割当装置とを備えたものである。
【0016】
請求項4の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、号機毎に設けられている同時応答検出装置により、乗り場呼びが割り当てた場合、上下かご同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に出力する。そして、割当装置は各々の号機のかごに対して所定の号機かご選択評価演算を行うと共に、同時応答検出装置から送られてくる同時応答リクエストが1つのみの場合は同時応答リクエストを出力したかごに乗り場呼びを割り当て、複数の同時応答リクエストが出力されていた場合は出力したかごの評価値を基に1つのかごに乗り場呼びを割り当て、同時応答リクエストがない場合は各々のかごの評価値を基に1つのかごに乗り場呼びを割り当てる。
【0017】
請求項5の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、請求項4の発明において、同時応答検出装置は、未登録の乗り場呼びに対して同時応答の呼びの種類別に優先度付けをして周期的に同時応答リクエストとして割当装置へ出力し、割当装置は、乗り場呼びが登録されると優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機のかごに乗り場呼びを割り当てるようにしたものである。
【0018】
請求項5の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、請求項4の発明の作用に加え、各号機毎に設けられた同時応答検出装置が、各かご毎に上下かご同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、該未登録の乗り場呼びに同時応答の種類別に優先度付けをして、周期的に同時応答リクエストとして割当装置へ出力し、乗り場呼びが登録されると割当装置が優先度の高い同時応答リクエストを出力したかごに乗り場呼びを割り当てる。
【0019】
請求項6の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、請求項1乃至請求項3の発明において、登録された乗り場呼びがある号機のかごに割り当てられた場合、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に出力する同時応答検出装置を、複数台のダブルデッキエレベータの各号機毎に設け、号機割当装置は、同時応答検出装置から送られてくる同時応答リクエストが1つのみの場合は同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当て、複数の同時応答リクエストが出力されている場合は各号機の評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当て、同時応答リクエストがない場合は各号機の評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当てるようにしたものである。
【0020】
請求項6の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、請求項1乃至請求項3の発明の作用に加え、乗り場呼びが割り当てられた場合には、号機毎に設けられている同時応答検出装置により、上下かご同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に出力する。乗り場呼びが登録されると、号機割当装置は各号機に対して所定の号機選択評価演算を行うと共に、各号機の同時応答検出装置から送られてくる同時応答リクエストが1つのみの場合は同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当て、複数の同時応答リクエストが出力されていた場合は出力した号機の評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当て、同時応答リクエストがない場合は各号機の評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当てる。
【0021】
請求項7の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置は、請求項6の発明において、同時応答検出装置は、未登録の乗り場呼びに対して同時応答の種類別に優先度付けをして周期的に同時応答リクエストとして号機割当装置へ出力し、号機割当装置は、乗り場呼びが登録されると優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当てるようにしたものである。
【0022】
請求項7の発明に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置では、請求項6の発明の作用に加え、号機毎に設けられている同時応答検出装置により、かご毎に上下かご同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、該未登録の乗り場呼びに同時応答の種類別に優先度付けをして、周期的に同時応答リクエストとして号機割当装置へ出力し、乗り場呼びが登録されると号機割当装置により、優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当てる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置1の構成図である。ダブルデッキエレベータの各号機は、A号機、B号機、C号機が設けられており、各号機のダブルデッキエレベータには上かご2および下かご3を連結されている。そして、各々のダブルデッキエレベータは、各々の号機毎に設けられた制御装置4により運行制御される。各階床の乗り場には乗り場呼びボタン5がそれぞれ設置されており、乗り場呼びボタン5が押されると、乗り場呼びとして乗り場呼び登録装置6に登録される。
【0024】
乗り場呼び登録装置6に登録された乗り場呼びは、ダブルデッキエレベータ群管理制御装置1の号機割当装置7に入力され、この号機割当装置7にて、その乗り場呼びに対する所定の号機の割り当てが行われる。各々の号機には上下かご割当装置8が設けられており、号機割当装置7により割り当てられた号機の上下かご割当装置8に対して割当信号が出力される。上下かご割当装置8は割当信号に基づいて上下かごのいずれかに乗り場呼びを割り当てる。
【0025】
ここで、号機割当装置7は、各号機毎に備えられている上下かご割当装置8から送られてくる号機情報を基に各号機に対する号機選択評価演算を行い、各号機の評価値を求める。そして、求めた評価値を基に各階に設置されている乗り場呼び登録装置6に登録された乗り場呼びを1つの号機に割り当てる。
【0026】
一方、上下かご割当装置8は、自己の号機に乗り場呼びが割り当てられている場合には、制御装置4から送られてくる上下かご情報を基に上下かごのかご選択評価演算を行い、上下かごの評価値を求める。そして、求めた評価値を基に上下どちらか一方のかごに乗り場呼びを割り当て、割り当てかごに対する指令を制御装置4に出力する。それと共に、制御装置4から収集した号機情報を号機割当装置7に出力する。
【0027】
次に、このようなダブルデッキエレベータの乗り場呼びに対する応答を、図2により説明する。図2は、第1の実施の形態でのダブルデッキエレベータの運行状態を示す説明図である。いま、階床は12階床であり、A号機のダブルデッキエレベータは上かごが2階に下かごが1階に位置しており、B号機のダブルデッキエレベータは上かごが6階に下かごが5階に位置しているとする。
【0028】
また、この配置状態で、A号機上かごには4階UPの乗り場呼び(A号機上かご:4UP・H)が割り当てられ、A号機下かごには7階UPの乗り場呼び(A号機下かご:7UP・H)が割り当てられており、さらに、B号機下かごは9階のかご呼び(B号機下かご:9・C)が登録されているとする。ここで、「H」はホール呼びであることを、「C」はかご呼びであることを表すものとする。
【0029】
A号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごがそれぞれ持っている呼び情報(A号機上かご:4UP・H)、(A号機下かご:7UP・H)をA号機の上下かご割当装置8へ出力する。同様に、B号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごがそれぞれ持っている呼び情報(B号機下かご:9・C)をB号機の上下かご割当装置8へ出力する。
【0030】
A号機の上下かご割当装置8では、上下かごの情報(A号機上かご:4UP・H)および(A号機下かご:7UP・H)を入力すると、これらの上下かごの情報を合成する。つまり、上かごの呼びを下かごの呼びに変換し下かごの呼びに統一する。上かごの呼び(4UP・H)を下かごの呼びに変換すると、(3UP・H)となるので、A号機の上下かご割当装置8は、号機情報として(A号機:3UP・H、7UP・H)を号機割当装置7へ出力することになる。一方、B号機の上下かご割当装置8も上下かごの情報を合成し、号機情報として(B号機:9・C)を号機割当装置7へ出力する。
【0031】
この状態で、10階UPの乗り場呼びが新たに乗り場呼び登録装置6に登録されたとする。そうすると、号機割当装置7は、前述の号機情報を基に所定の号機選択評価演算を行い各号機毎に評価値を算出する。そして、その評価値に基づいて適切な号機を割り当てる。例えば、号機選択評価演算としては、新たに登録された乗り場呼びの階床までのかごの予測到着時間を評価指標とし、その評価指標が最も小さいもの(予想到着時間が最も短いもの)を割り当てることが挙げられる。ここでは、この評価値を基に演算した結果として、4階および7階に停止してから10階に行くことになるA号機ではなく、9階に停止してから10階に行くことになるB号機に新たな乗り場呼びが割り当てられたとする。
【0032】
次に、新たな乗り場呼びが割り当てられたB号機の上下かご割当装置8は、前述の上下かご情報を基に所定のかご選択評価演算を行い、上下かごの評価値を算出する。この場合も、新たに登録された乗り場呼びの階床までのかごの予測到着時間を評価指標として、その評価値が算出される。この評価値を基に演算した結果として、B号機下かごが9階に停止したとき10階に位置することになるB号機上かごにその乗り場呼びが割り当てられる。B号機の上下かご割当装置8は、そのような割り当てを行った運行指令をB号機の制御装置4に出力する。
【0033】
次に、上下かご割当装置8は、上下かごに対して所定のかご選択評価演算を行った結果、その上下かごの評価値に差がなかった場合には、新たな乗り場呼びの割り当てを一旦保留し、評価値の差を検出した時点で上下かごのどちらか一方のかごに乗り場呼びを割り当てるようにする。
【0034】
図3は、上下かご割当装置8の演算処理内容を示すフローチャートである。上述のように、図2に示すような状態で、10階UPの乗り場呼びが新たに登録されたとすると、その新たな乗り場呼びはB号機に割り当てられる。そうすると、新たな乗り場呼びが割り当てられたB号機の上下かご割当装置8は、上下かご情報を基にして上下かごに対して所定のかご選択評価演算を行い(S11)、算出された上下かごの評価値において一定以上の差があるか否かを判定し(S12)、一定以上の差がないとときは、一定の時間の遅延後に再度ステップS11に戻りかご選択評価演算を行う。
【0035】
一方、ステップS12の判定で上下かごの評価値に一定以上の差があると判定したときは、その評価値に基づいて適切なかごを選択し新たな乗り場呼びに対して割り当てる(S13)。例えば、評価演算の結果、下かごの評価値よりも上かごの評価値の方が良く、それらの評価値に一定以上の差を検知したとすると、この時点で上かごに乗り場呼びを割り当てる(S13)。
【0036】
このように、上下かごの評価値に差がなかった場合には、上下かごの割り当てを一旦保留する。従って、その間は乗り場呼びの割り当てが保留されるので、その間に乗り場呼びの見直し処理が入ったような場合には、その見直し処理の負荷を軽減でき、より効果的な割り当て処理を行うことができる。
【0037】
以上述べたように、第1の実施の形態によれば、乗り場呼びの割り当て処理を号機割当装置7と上下かご割当装置8とに分散させて行うことにより、割り当ての処理負荷を軽減することができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置1の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対し、号機割当装置7で乗り場呼びが割り当てられたときは、乗り場呼びに対して予報灯9を点灯させる予報灯制御装置10を各号機毎に備えたものである。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0039】
いま、第1の実施の形態と同様に、図2に示すようなダブルデッキエレベータの配置状態で、10階UPの乗り場呼びが新たに登録されたとする。号機割当装置7は第1の実施の形態と同様に、号機情報を基に所定の号機選択評価演算を行い各号機毎に評価値を算出する。そして、その評価値に基づいて適切な号機を割り当てる。その際に、割り当てられた号機の予報灯制御装置10に予報灯の点灯指令を出力する。指令を受けた該当号機の予報灯制御装置10は10階のUP方向の予報灯9を点灯させる。
【0040】
このように、第2の実施の形態によれば、割り当てる号機が決定した時点で予報灯制御装置10により予報灯9を点灯させるので、割り当て処理の遅れによる予報灯9の点灯遅れを防止することができる。
【0041】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図5は本発明の第3の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。この第3の実施の形態は図1に示した第1の実施の形態に対し、上下かごの呼び情報を基に周期的に上下かご間で割り当ての変更が必要な乗り場呼びの検索を行い、割り当て変更が必要な乗り場呼びがあった場合には上下かご間の割り当て変更を行う割当見直し装置11を各号機毎に備えたものである。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0042】
図5において、割当見直し装置11は各号機毎に設けられ、制御装置4から送られてくる上下かご情報を基に、周期的に上下かご間で割り当て変更が必要な既に割り当てられている乗り場呼びの検索を行い、割り当て変更が必要な乗り場呼びがあった場合上下かご間の割り当て変更を行う。
【0043】
次に、この第3の実施の形態におけるダブルデッキエレベータの乗り場呼びに対する応答を、図6により説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態でのダブルデッキエレベータの運行状態を示す説明図である。
【0044】
いま、階床は12階床であり、A号機のダブルデッキエレベータは上かごが2階に下かごが1階に位置しており、B号機のダブルデッキエレベータは上かごが9階に下かごが8階に位置しているとする。また、この配置状態でA号機下かごには7階UPの乗り場呼び(A号機下かご:7UP・H)が割り当てられ、6階のかご呼び(6・C)が登録されており、B号機下かごには3階DNの乗り場呼び(B号機下かご:3DN・H)が登録されているとする。
【0045】
A号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(A号機下かご:7UP・H、6・C)をA号機の上下かご割当装置8および割当見直し装置11へ出力する。同様に、B号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(B号機下かご:3DN・H)をB号機の上下かご割当装置8および割当見直し装置11へ出力する。
【0046】
A号機の割当見直し装置11は、A号機下かごが6階と7階に連続して呼びを持っていることを検知すると、7階の乗り場呼びを上かごに割り当て変更する。すなわち、1回の停止で2つの呼びに同時に応答することが可能となるため、7階の乗り場呼びを上かごに割り当て変更を行う。さらに、7階の乗り場呼びが割り当て変更されたことを制御装置4に出力する。一方、B号機の割当見直し装置11は、B号機については上下かご間で割り当て変更が特に必要ないので、割り当て変更は行わない。
【0047】
このように、第3の実施の形態によれば、各号機毎に周期的に上下かご間における割り当ての見直しを行うことによって、割り当て処理のバックアップを行うことができる。
【0048】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図7は本発明の第4の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。ダブルデッキエレベータの各号機は、A号機、B号機、C号機が設けられており、各号機のダブルデッキエレベータには上かご2および下かご3を連結されている。そして、各々のダブルデッキエレベータは、各々の号機毎に設けられた制御装置4により運行制御される。各階床の乗り場には乗り場呼びボタン5がそれぞれ設置されており、乗り場呼びボタン5が押されると、乗り場呼びとして乗り場呼び登録装置6に登録される。
【0049】
乗り場呼び登録装置6に登録された乗り場呼びは、ダブルデッキエレベータ群管理制御装置1の割当装置12に入力され、この割当装置12にて、その乗り場呼びに対して適切な号機のかごが割り当てられる。各々の号機には同時応答検出装置13が設けられており、この同時応答検出装置13は、割当装置12により乗り場呼びが割り当てられた場合に、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した呼びを同時応答リクエストとして周期的に割当装置12に出力する。
【0050】
割当装置12は、各号機毎に備えられている制御装置4から送られてくる上下かご情報を基に上下かごの号機かご選択評価演算を行うと共に、同時応答検出装置13から送られてくる同時応答リクエストが1つのみの場合は同時応答リクエストを出力したかごに乗り場呼びを割り当て、複数の号機から出力されていた場合は出力したかごの評価値を基に1つのかごに乗り場呼びを割り当て、割り当てかごに対する指令を制御装置4に出力する。
【0051】
次に、このようなダブルデッキエレベータの乗り場呼びに対する応答を、第1の実施の形態の場合と同様な図2により説明する。いま、階床は12階床であり、A号機のダブルデッキエレベータは上かごが2階に下かごが1階に位置しており、B号機のダブルデッキエレベータは上かごが6階に下かごが5階に位置しているとする。また、この配置状態で、A号機上かごには4階UPの乗り場呼び(A号機上かご:4UP・H)が割り当てられ、A号機下かごには7階UPの乗り場呼び(A号機下かご:7UP・H)が割り当てられており、さらに、B号機下かごは9階のかご呼び(B号機下かご:9・C)が登録されているとする。
【0052】
A号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(A号機上かご:4UP・H)および(A号機下かご:7UP・H)を、割当装置12および同時応答検出装置13へ出力する。同様に、B号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(B号機下かご:9・C)を割当装置12および同時応答検出装置13へ出力する。
【0053】
A号機およびB号機の同時応答検出装置13は、乗り場呼びが割り当てられた場合に、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出する。
【0054】
例えば、A号機の同時応答検出装置13は上かごに4階UPの乗り場呼びが割り当てられているので、3階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを下かごに割り当てれば1回の停止で同時に応答することが可能であることを検出する。また、下かごに7階UPの乗り場呼びが割り当てられているので前述と同様の理由で8階UPの未登録の乗り場呼びを検出する。さらに、検出した3階UPおよび8階UPの未登録の乗り場呼びを同時応答リクエスト(A号機下かご:3階UP、A号機上かご:8階UP)として割当装置12へ出力する。
【0055】
一方、B号機の同時応答検出装置13は、下かごに9階のかご呼びが登録されているので、10階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを上かごに割り当てれば1回の停止で同時に応答することが可能であることを検出する。また、9階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを下かごに割り当てればかご呼びと同時に応答することが可能であることを検出する。さらに、検出した10階UPと9階UPの未登録の乗り場呼びを、同時応答リクエスト(B号機下かご:9UP、B号機上かご:10UP)として割当装置12へ出力する。
【0056】
次に、図8は、第4の実施の形態における割当装置12の動作を示すフローチャートである。割当装置12は、A号機の同時応答検出装置13やB号機の同時応答検出装置13からの同時応答リクエストがあったか否かを判定し(S21)、同時応答リクエストが有ったときはリクエストが1個であるか否かを判定する(S22)。そして、リクエストが1個である場合にはリクエストしたかごに乗り場呼びを割り当てる(S25)。
【0057】
一方、ステップS21の判定で同時応答リクエストがない場合には、全かごについての評価演算を行い(S23)、その評価値に基づいて乗り場呼びを割り当てる(S24)。また、ステップS22の判定でリクエストが1個ではなく複数個のリクエストがあった場合にはリクエストが有ったかごの評価演算を行い(S26)、その評価位置に基づいて乗り場呼びを割り当てる(S24)。
【0058】
例えば、図2に示したように、10階UPの乗り場呼びが新たに登録されたとすると、新たに登録された10階UPの乗り場呼びと一致しているのは、B号機の同時応答検出装置13から送られてきた同時応答リクエスト(B号機上かご:10UP)のみであるため(S22)、その新たな乗り場呼びはB号機上かごに割り当てる。さらに、B号機上かごの運行指令をB号機の制御装置4に出力する(S25)。
【0059】
以上述べたように、上下かご同時に応答ができることがわかっている場合や、かご呼びと同時に応答することができることがわかっている場合、事前に検出処理されたリクエスト信号を使って割り当て処理を行うので、割り当て処理負荷を軽減し処理遅れを防ぐことができる。
【0060】
ここで、未登録の乗り場呼びに対して、同時応答検出装置13は同時応答の呼びの種類別に優先度付けをして周期的に同時応答リクエストとして割当装置12へ出力し、割当装置12は、乗り場呼びが登録されると優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機のかごに乗り場呼びを割り当てるようにすることも可能である。
【0061】
図9は、その場合のダブルデッキエレベータの運行状態を示す説明図である。いま、階床は12階床であり、A号機のダブルデッキエレベータは上かごが2階に下かごが1階に位置しており、B号機のダブルデッキエレベータも同様に上かごが2階に下かごが1階に位置しているとする。また、この配置状態で、A号機下かごには7階のかご呼び(A号機下かご:7・C)が登録され、B号機上かごには8階UPの乗り場呼び(B号機上かご:8UP・H)が割り当てられているとする。
【0062】
A号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(A号機下かご:7・C)を割当装置12および同時応答検出装置13へ出力する。同様に、B号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(B号機上かご:8UP・H)を割当装置12および同時応答検出装置13へ出力する。
【0063】
A号機の同時応答検出装置13は、下かごに7階のかご呼びが登録されているので、8階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを上かごに割り当てれば1回の停止で同時に応答することが可能であることを検出する。また、7階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを下かごに割り当てればかご呼びと同時に応答することが可能であることを検出する。
【0064】
ここで、かご呼びと同時に応答することが可能となる同時応答リクエストの優先度を高くする。すなわち、検出した8階UPおよび7階UPの未登録の乗り場呼びを優先度付き同時応答リクエスト(A号機下かご:7UP・1)、(A号機上かご:8UP・1)として割当装置12へ出力する。「1」は優先度が高いことを表し、「0」は優先度が低いことを表すものとする。
【0065】
B号機の同時応答検出装置13も同様に7階UPの未登録の乗り場呼びを検出する。かご呼びと同時に応答することが可能となる同時応答リクエストの優先度を高くするので、B号機の場合には8階UPの乗り場呼びであることから、検出した7階UPの未登録の乗り場呼びは、その優先度は低くなる。つまり、同時応答リクエスト(B号機下かご:7UP・0)として割当装置12へ出力する。
【0066】
この状態で、7階UPの乗り場呼びが新たに登録されたとすると、割当装置12はA号機の同時応答検出装置13やB号機の同時応答検出装置13から同時応答リクエストがあったか否かを検知する。図9の場合には、新たに登録された7階UPの乗り場呼びと一致しているのは、A号機の同時応答検出装置13から送られてきた同時応答リクエスト(A号機下かご:7UP・1)とB号機の同時応答検出装置13から送られてきた同時応答リクエスト(B号機下かご:7UP・0)であるので、それを検出する。そして、2つの同時応答リクエストのうち優先度が高いA号機下かごに7階UPの乗り場呼びを割り当て、A号機下かごの運行指令をA号機の制御装置4に出力する。このように、同時応答リクエストに優先度を付加することによって、状況に応じた割り当て処理を実現することができる。
【0067】
以上述べたように、第4の実施の形態によれば、上下かごが同時に応答ができること、かご呼びと同時に応答することができることがわかっている場合には、事前に検出処理されたリクエスト信号を使って割り当て処理を行うので、割り当て処理負荷を軽減し処理遅れを防ぐことができる。また、同時応答リクエストに優先度を付加するので、状況に応じた割り当て処理を実現することができる。
【0068】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図10は本発明の第5の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、制御装置4から送られてくる上下かご情報を基に上下かご同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に各号機毎に備えられている号機割当装置7に出力する同時応答検出装置13を号機毎に備えたものである。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0069】
このようなダブルデッキエレベータの乗り場呼びに対する応答を、第1の実施の形態の場合と同様な図2により説明する。いま、階床は12階床であり、A号機のダブルデッキエレベータは上かごが2階に下かごが1階に位置しており、B号機のダブルデッキエレベータは上かごが6階に下かごが5階に位置しているとする。また、この配置状態で、A号機上かごには4階UPの乗り場呼び(A号機上かご:4UP・H)が割り当てられ、A号機下かごには7階UPの乗り場呼び(A号機下かご:7UP・H)が割り当てられており、さらに、B号機下かごは9階のかご呼び(B号機下かご:9・C)が登録されているとする。
【0070】
A号機の制御装置4は上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(A号機上かご:4UP・H)および(A号機下かご:7UP・H)を上下かご割当装置8と同時応答検出装置13へ出力する。同様に、B号機の制御装置4は上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(B号機下かご:9・C)を上下かご割当装置8と同時応答検出装置13へ出力する。
【0071】
A号機の同時応答検出装置13およびB号機の同時応答検出装置13は、乗り場呼びが割り当てられた場合に、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出する。例えば、A号機の同時応答検出装置13は上かごに4階UPの乗り場呼びが割り当てられているので、3階UPの乗り場呼びが発生した場合には、この乗り場呼びを下かごに割り当てれば1回の停止で同時に応答することが可能であることを検出し、また同時に8階UPの未登録の乗り場呼びを検出する。さらに、検出した3階UPおよび8階UPの未登録の乗り場呼びを同時応答リクエスト(A号機:3階UP、8階UP)として号機割当装置7へ出力する。
【0072】
同様にして、B号機の同時応答検出装置13は10階UPおよび9階UPの未登録の乗り場呼びを検出し、同時応答リクエスト(B号機:9UP、10UP)として号機割当装置7へ出力する。
【0073】
図11は、第5の実施の形態における号機割当装置7の動作を示すフローチャートである。まず、A号機の同時応答検出装置13やB号機の同時応答検出装置13からの同時応答リクエストがあったか否かを判定し(S31)、同時応答リクエストが有ったときはリクエストが1個であるか否かを判定する(S32)。そして、リクエストが1個である場合にはリクエストした号機に乗り場呼びを割り当てる(S35)。
【0074】
一方、ステップS31の判定で同時応答リクエストがない場合には、全号機についての評価演算を行い(S33)、その評価値に基づいて乗り場呼びを割り当てる(S34)。また、ステップS32の判定でリクエストが1個ではなく複数個のリクエストがあった場合にはリクエストが有った号機の評価演算を行い(S36)、その評価位置に基づいて乗り場呼びを割り当てる(S34)。
【0075】
ここで、図2に示したように、10階UPの乗り場呼びが新たに登録されたとすると、号機割当装置7は、A号機とB号機の同時応答検出装置13からの同時応答リクエストがあったことを検知し(S31)、新たに登録された10階UPの乗り場呼びと一致しているのがB号機の同時応答検出装置13から送られてきた同時応答リクエスト(B号機:10UP)のみであるため(S32)、B号機に割り当てる(S35)。上下かご割当装置8はB号機の上かごに乗り場呼びを割り当て、B号機上かごの運行指令をB号機制御装置4に出力する(S35)。
【0076】
以上述べたように、上下かごが同時に応答できることやかご呼びと同時に応答できることがわかっている場合は、事前に検出処理されたリクエスト信号を使って割り当て処理を行うので、割り当て処理負荷を軽減し処理の遅れを防ぐことができる。
【0077】
ここで、未登録の乗り場呼びに対して、同時応答検出装置13は同時応答の種類別に優先度付けをして周期的に同時応答リクエストとして号機割当装置7へ出力し、号機割当装置7は、乗り場呼びが登録されると優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当てるようにすることも可能である。
【0078】
いま、ダブルデッキエレベータの運行状態は、第4の実施の形態での図9に示した運行状態であるとする。すなわち、階床は12階床であり、A号機のダブルデッキエレベータは上かごが2階に下かごが1階に位置しており、B号機のダブルデッキエレベータも同様に上かごが2階に下かごが1階に位置しているとする。また、この配置状態で、A号機下かごには7階のかご呼び(A号機下かご:7・C)が登録され、B号機上かごには8階UPの乗り場呼び(B号機上かご:8UP・H)が割り当てられているとする。
【0079】
A号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(A号機下かご:7・C)を上下かご割当装置8と同時応答検出装置13へ出力する。同様に、B号機の制御装置4は、上下かごの情報としてかごが持っている呼び情報(B号機上かご:8UP・H)を上下かご割当装置8と同時応答検出装置13へ出力する。
【0080】
A号機の同時応答検出装置13は、下かごに7階のかご呼びが登録されているので、8階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを上かごに割り当てれば1回の停止で同時に応答することが可能であることを検出し、また、7階UPの乗り場呼びが発生した場合、この乗り場呼びを下かごに割り当てればかご呼びと同時に応答することが可能であることを検出する。
【0081】
ここで、かご呼びと同時に応答することが可能となる同時応答リクエストの優先度を高くする。すなわち、検出した8階UPおよび7階UPの未登録の乗り場呼びを優先度付き同時応答リクエスト(A号機:7UP・1、8UP・1)として号機割当装置7へ出力する。「1」は優先度が高いことを表し、「0」は優先度が低いことを表す。B号機の同時応答検出装置13も同様に7階UPの未登録の乗り場呼びを検出する。かご呼びと同時に応答することが可能となる同時応答リクエストの優先度を高くし、検出した7階UPの未登録の乗り場呼びは同時応答リクエスト(B号機:7UP・0)として号機割当装置7へ出力する。
【0082】
いま、7階UPの乗り場呼びが新たに登録されたとする。号機割当装置7はA号機とB号機の同時応答検出装置13からの同時応答リクエストがあったことを検知し、新たに登録された7階UPの乗り場呼びと一致しているのがA号機の同時応答検出装置13から送られてきた同時応答リクエスト(A号機:7UP・1)とB号機の同時応答検出装置13から送られてきた同時応答リクエスト(B号機:7UP・0)であることを検知する。これにより、同時応答リクエストの優先度が高いA号機に7階UPの乗り場呼びを割り当てる。A号機の上下かご割当装置8はA号機下かごに7階UP乗り場呼びを割り当て、A号機下かごの運行指令をA号機の制御装置4に出力する。このように、同時応答リクエストに優先度を付加することによって、状況に応じた割り当て処理を実現することができる。
【0083】
以上述べたように、第5の実施の形態によれば、上下かご同時に応答およびかご呼びと同時に応答することができることがわかっている場合は、事前に検出処理されたリクエスト信号を使って割り当て処理を行うことによって、割り当て処理負荷を軽減し処理の遅れを防ぐことができる。また、同時応答リクエストに優先度を付加することによって、状況に応じた割り当て処理を実現することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、従来のように乗り場呼びを1回の処理でかごに割り当てるのではなく、処理を分散させることにより高価な高性能CPUを使用することなく乗り場呼びの割り当て処理負荷を軽減することができる。
【0085】
これにより、予報灯の点灯遅れも防ぐことができ、処理遅れのないダブルデッキエレベータ群管理制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態でのダブルデッキエレベータの運行状態を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態における上下かご割当装置の演算処理内容を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施の形態でのダブルデッキエレベータの運行状態を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明の第4の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。
【図8】図8は、本発明の第4の実施の形態における割当装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第4の実施の形態でのダブルデッキエレベータの運行状態を示す説明図である。
【図10】図10は、本発明の第5の実施の形態に係わるダブルデッキエレベータ群管理制御装置の構成図である。
【図11】図11は、本発明の第5の実施の形態における号機割当装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ダブルデッキエレベータ群管理制御装置
2 上かご
3 下かご
4 制御装置
5 乗り場呼びボタン
6 乗り場呼び登録装置
7 号機割当装置
8 上下かご割当装置
9 予報灯
10 予報灯制御装置
11 割当見直し装置
12 割当装置
13 同時応答検出装置
Claims (7)
- 上かごおよび下かごを上下に連結した複数台のダブルデッキエレベータを効率良く運行管理するダブルデッキエレベータ群管理制御装置において、乗り場呼びが登録されると所定の号機選択評価演算を行い前記複数台のエレベータのうち最も評価の高い1台のエレベータに前記乗り場呼びを割り当てる号機割当装置と、前記複数台のダブルデッキエレベータの各号機毎に設けられ、前記号機割当装置で前記乗り場呼びが割り当てられた場合には所定のかご選択評価演算を行い、上下かごの評価値に差がなかった場合にはかごの割り当てを一旦保留し、評価値の差を検出した時点で上下どちらか一方のかごに前記乗り場呼びを割り当てる上下かご割当装置とを備えたことを特徴とするダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
- 前記号機割当装置で乗り場呼びが割り当てられたときは、前記乗り場呼びに対して予報灯を点灯させる予報灯制御装置を各号機毎に備えたことを特徴とする請求項1に記載のダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
- 上下かごの呼び情報を基に周期的に上下かご間で割り当ての変更が必要な乗り場呼びの検索を行い、割り当て変更が必要な乗り場呼びがあった場合には上下かご間の割り当て変更を行う割当見直し装置を各号機毎に備えたことを特徴とする請求項1に記載のダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
- 上かごおよび下かごを上下に連結した複数台のダブルデッキエレベータを効率良く運行管理するダブルデッキエレベータ群管理制御装置において、前記複数台のダブルデッキエレベータの各号機毎に設けられ、登録された乗り場呼びがある号機のかごに割り当てられた場合、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に出力する同時応答検出装置と、乗り場呼びが登録されると所定の号機かご選択評価演算を行い乗り場呼びを適切な号機のかごに割り当てると共に、前記同時応答検出装置から送られてくる同時応答リクエストが1つの号機のみの場合はその号機のかごに乗り場呼びを割り当て、複数の前記同時応答リクエストが出力されている場合は各号機のかごの評価値を基に1つの号機のかごに乗り場呼びを割り当て、前記同時応答リクエストがない場合は各号機のかごの評価値を基に1つのかごに乗り場呼びを割り当てる割当装置とを備えたことを特徴とするダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
- 前記同時応答検出装置は、前記未登録の乗り場呼びに対して同時応答の呼びの種類別に優先度付けをして周期的に同時応答リクエストとして前記割当装置へ出力し、前記割当装置は、乗り場呼びが登録されると優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機のかごに乗り場呼びを割り当てるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
- 登録された乗り場呼びがある号機のかごに割り当てられた場合、上下かごが同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びと、かご呼びと同時に応答することが可能となる未登録の乗り場呼びとを検出し、検出した未登録の乗り場呼びを同時応答リクエストとして周期的に出力する同時応答検出装置を、前記複数台のダブルデッキエレベータの各号機毎に設け、前記号機割当装置は、前記同時応答検出装置から送られてくる同時応答リクエストが1つのみの場合は同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当て、複数の前記同時応答リクエストが出力されている場合は各号機の評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当て、前記同時応答リクエストがない場合は各号機の評価値を基に1つの号機に乗り場呼びを割り当てるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
- 前記同時応答検出装置は、前記未登録の乗り場呼びに対して同時応答の種類別に優先度付けをして周期的に同時応答リクエストとして前記号機割当装置へ出力し、前記号機割当装置は、乗り場呼びが登録されると優先度の高い同時応答リクエストを出力した号機に乗り場呼びを割り当てるようにしたことを特徴とする請求項6に記載のダブルデッキエレベータ群管理制御装置。
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