JP3985910B2 - 吸湿剤再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器やリアクトルなどの油入電気機器が、温度変化に応じて呼吸作用を行なうコンサベーターの出入口に取付けられる吸湿呼吸器の吸湿剤を再生させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、変圧器やリアクトルなどの油入電気機器は、運転状態の変化や、外気温度により、タンク内部に封入した絶縁油の温度が変化し、その体積も膨張収縮を繰り返し行なっている。この絶縁油の体積変化を吸収するためタンク内部の空気を出し入れする呼吸装置が設けられている。この場合、呼吸作用によりタンク内に吸引される空気に含まれるゴミや湿度を除くために吸湿呼吸器が設けられ絶縁油の吸湿劣化を防止している。
【0003】
従来の吸湿呼吸器の構造は例えば図5に示すように、収納容器1に吸湿剤となるシリカゲル2を収納した吸湿器3の下に、油4を入れたガラス製の呼吸器5を取付けた構造をなしている。これは外気が油つぼホルダー6と油つぼ7との間から流入し、油つぼ7内の油4を通って、ここでゴミなどを除去した後、呼吸筒8から上部の収納容器1に入る。次にこの収納容器1内に詰めたシリカゲル2と接触して水分が除去され、乾燥した空気がフランジ9を通って変圧器に取付けたコンサベーターに流れるようになっている。
【0004】
収納容器1に詰めたシリカゲル2は、湿度を吸収してくると青色からピンク色に変わり、これを収納容器1の側面に設けた覗き窓10から確認して、その劣化状態を観察して交換している。交換する場合、収納容器1の底部に取付けた取出しキャップ11を外すと内部のシリカゲル2が落下する。次にこの取出しキャップ11を嵌めてから収納容器1の上部に取付けた充填キャップ12を外して、ここから新しいシリカゲル2や湿度を除去して再生したシリカゲル2を充填する。このようにして回収してきたシリカゲル2は、容器に入れて 150〜 180℃で2〜3時間の熱風乾燥を行なって吸収した水分を除去して再生している。
【0005】
しかしながら、高温で熱風乾燥する再生方法は、シリカゲル2の粒子が乾燥中に細かく崩れてしまい、容器に充填する前にフルイに掛けて細かい粒子を除去しないと目詰まりする問題がある。また高温で熱風乾燥するため再生能力が急激に低下し1〜2回程度しか再生利用することができなかった。
【0006】
このため本発明者は、図6に示すようにシリカゲル2を吸湿剤収納容器14内に封入してカセット化した吸湿ユニット15を開発した。この吸湿ユニット15は図7に示すように、プラスチックで四角平板状に形成されたブロック20の左右側面の上部側に、連結金具16のレバー式の掛けリング16aが取付けられ、左右側面の下部側に、前記レバー式の掛けリング16aが連結される爪フック16b、16bが取付けられている。またブロック20の前面には、透明なプラスチックで円筒状に形成された吸湿剤収納容器14が突設されている。
【0007】
この吸湿剤収納容器14の内部構造は外筒と内筒の二重管構造に形成され、外筒の先端にキャップ22が被せられ、このキャップ22側で外筒と内筒との間の空間部と、内筒の内側空間部が連通している。またブロック20の内部には縦方向に沿って2本の通気孔23a、23bが開孔され、一方の通気孔23aの下端部は内筒に連通し、上端部に通気管25が突設されている。また他方の通気孔23bの上端は、外筒と内筒との間の空間部に連通し、下端にはソケット部26が設けられ、ここに隣接するユニットに突設した通気管25が嵌合するようになっている。
【0008】
上記構成の吸湿ユニット15は、図6に示すように下端に通気口27を開口し、内部に金網状のフィルターを詰めたフィルターユニット17の上部に突設した通気管25を、下段の吸湿ユニット15のブロック20の底面に設けたソケット部26に嵌合する。次にフィルターユニット17のレバー式の掛けリング16aを、吸湿ユニット15の側面下部に設けた爪フック16bに係合させて連結する。
【0009】
次に下段の吸湿ユニット15に突設した通気管25を、上段に配置する吸湿ユニット15のソケット部26に嵌合させ、同様にレバー式の掛けリング16aと爪フック16bを係合させて連結する。この後、上段の吸湿ユニット15に突設した通気管25を、中空円筒部28を通過する風量に応じて位置を変えるフラッパー29を取付けたインジケーターユニット18の底面に設けたソケット部に嵌合させてから、レバー式の掛けリング16aと爪フック16bを係合させて各ユニットを直列に連結してから、フランジ9をインジケーターユニット18の上部ソケット部に嵌合して組立てる。
【0010】
このように直列に接続して組立てた吸湿呼吸器を変圧器のコンサベーターに接続して運転する。変圧器の温度が下がるとコンサベーター内の絶縁油の液面が低下して内部が負圧となる。この結果、フィルターユニット17の通気口27から外気が吸い込まれ、細かいゴミなどが捕集される。次いで吸湿ユニット15、15を通り、ここに詰められているシリカゲル2と接触して湿度が除かれる。
【0011】
このように外気を吸引することにより吸湿ユニット15のシリカゲル2は青色からピンク色に変わる。これは流入側から順次変色していくので、先ず下段の吸湿ユニット15が変色してから、上段の吸湿ユニット15が変色していく。このため点検に来た時に、下段の吸湿ユニット15だけが変色している場合にはこれだけを交換し、両方の場合には2個とも交換する。交換する場合には、連結金具16を外して各ユニットの通気管25をソケット部26から抜けば分解でき、新しい吸湿ユニット15との交換も容易に行うことができる。
【0012】
従って図5に示す従来の吸湿呼吸器のように現場で収納容器1からシリカゲル2だけを抜き取る必要がなく、吸湿ユニット15の全体をカセット式に交換できるので雨の中でも作業することができる。このように回収してきた吸湿ユニット15のシリカゲル2を再生する場合、従来の高温で熱風乾燥する再生方法は、再生能力が急激に低下してしまい、また吸湿剤収納容器14内に収納したまま再生できれば作業が容易である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、取外した吸湿ユニットに充填されている吸湿剤を再生する方法として、種々検討を行った結果、吸湿剤を収納容器内に収納したまま、再生作業が行なえ、しかも劣化が少なく再生回数を増やすことができる吸湿剤再生装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の吸湿剤再生装置は、平板状ブロックに、端部が外部に開口する2本の通気孔を開孔し、該通気孔に連通して前記ブロックの前面に吸湿剤収納容器を突設した吸湿装置の、前記吸湿剤収納容器の部分が内側に挿入される再生筒と、この再生筒に取付けたヒーターと、前記ブロックの一方の通気孔を塞ぐ栓部材と、他方の通気孔に接続さ れる可動自在の吸引ノズルと、この吸引ノズルに接続した真空ポンプとからなることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の吸湿剤再生装置は、吸湿剤を吸湿剤収納容器内に収納したまま、該収納容器を再生筒に挿入し、平板状ブロックの一方の通気孔に吸引ノズルを接続し、他方の通気孔を栓部材で塞いで、吸引ノズルに接続した真空ポンプにより収納容器内を減圧しながら、再生筒に設けたヒーターで吸湿剤を低温加熱することにより、水分の除去が速やかに行われて吸湿剤の再生能力の低下を抑えながら効率よく乾燥させることができるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図1ないし図4を参照して詳細に説明する。図において30はケースで、この上部内側に再生筒31、31が設けられ、その開口部32、32がケース上面に位置している。再生筒31、31の外周にはヒーター33、33が巻回されている。またケース30の内部には真空ポンプ34が設けられている。またケース30の上面には、再生筒31の開口部32を挟むように、吸引ノズル35と栓36が対向して設けられている。
【0017】
前記吸引ノズル35は、図2に示すようにブラケット37の前面にガイド棒38、38が突設され、ここに前後進自在に可動部39が設けられ、この可動部39の前面に吸引ノズル35が突設され、更にこれは可撓管40に接続されている。また前記栓36はブラケット41の前面に突設され、この両側にストッパー42、42が突設されている。
【0018】
またケース30の内部構造は、図3に示すように吸引ノズル35が、電磁弁43に接続され、更にミストトラップ44を介して真空ポンプ34に接続されている。なお図1において45はケース30の前面に設けられたスイッチ、46は表示灯、47はケース30の底面に取付けたキャスターである。
【0019】
上記構成の吸湿剤再生装置の使用方法は、変圧器のコンサベーターに図6のように一体に連結されている吸湿呼吸器から、連結金具16を外してシリカゲル2がピンク色に変化し吸湿ユニット15を取外して回収してきたものを図1に示す吸湿剤再生装置で再生させる。先ず再生筒31の開口部32に、図3に示すように吸湿剤収納容器14を下にして挿入し、ブロック20をケース30の上面に載せる。次に図2に示すように、通気管25を栓36で塞いだ状態で、可動部39を手前に移動させ、ここに突設した吸引ノズル35をブロック20のソケット部26に挿入する。
【0020】
この後、スイッチ45を入れると真空ポンプ34が作動すると共に、ヒーター33に通電してシリカゲル2を加熱する。この場合、加熱温度は50〜70℃程度の低温で8〜15時間程度、真空ポンプ34で吸湿剤収納容器14内を減圧しながら加熱すると、水分の除去が速やかに行われてシリカゲル2の再生能力の低下を抑えながら効率よく乾燥させることができる。また低温で乾燥させるので、シリカゲル2が細かく崩れることがなく、目詰まりも防止することができる。
【0021】
【実施例】
図7に示すようにシリカゲル2を1Kg収納した吸湿ユニット15を、図1に示す吸湿剤再生装置で加熱して再生した。この場合、加熱温度は60℃、真空ポンプ34の排気量は 150リットル/分、到達真空度60cmHgに設定して加熱した。この結果は図4のグラフに示すように約15時間で乾燥が完了した。また繰り返し再生したところ、能力が80%に低下するまで10回繰り返して再生することができ、従来の高温で熱風乾燥する方法が1〜2回程度しか再生利用できなかったものに比べて優れた効果があることが確認された。
【0022】
なお吸湿ユニット15は上記構造に限らず、吸湿剤収納容器14に吸気排気の通気孔が設けられている構造であれば、他の構造にも適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る吸湿剤再生装置によれば、吸湿剤を収納容器内に収納したまま、低温度で真空ポンプにより収納容器内を減圧しながら加熱することにより、水分の除去が速やかに行われて吸湿剤の再生能力の低下を抑えながら効率よく乾燥させることができる。また低温で乾燥させるので吸湿剤の崩れがなく、目詰まりも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による吸湿剤再生装置の斜視図である。
【図2】図1に示す吸湿剤再生装置の要部を示す平面図である。
【図3】図1に示す吸湿剤再生装置の内部構造を示す構成図である。
【図4】本発明の吸湿剤再生装置によるシリカゲルの乾燥状態を示すグラフである。
【図5】従来の油入り吸湿呼吸器を示す断面図である。
【図6】カセット式の吸湿呼吸器を示す斜視図である。
【図7】図5に示す吸湿ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 収納容器
2 シリカゲル
4 油
14 吸湿剤収納容器
15 吸湿ユニット
16 連結金具
17 フィルターユニット
18 インジケーターユニット
20 ブロック
23a 通気孔
23b 通気孔
25 通気管
26 ソケット部
30 ケース
31 再生筒
33 ヒーター
34 真空ポンプ
35 吸引ノズル
36 栓
39 可動部
Claims (1)
- 平板状ブロックに、端部が外部に開口する2本の通気孔を開孔し、該通気孔に連通して前記ブロックの前面に吸湿剤収納容器を突設した吸湿装置の、前記吸湿剤収納容器の部分が内側に挿入される再生筒と、この再生筒に取付けたヒーターと、前記ブロックの一方の通気孔を塞ぐ栓部材と、他方の通気孔に接続される可動自在の吸引ノズルと、この吸引ノズルに接続した真空ポンプとからなることを特徴とする吸湿剤再生装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35218996A JP3985910B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 吸湿剤再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35218996A JP3985910B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 吸湿剤再生装置 |
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JPH10165750A JPH10165750A (ja) | 1998-06-23 |
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ID=18422397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35218996A Expired - Lifetime JP3985910B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 吸湿剤再生装置 |
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1996
- 1996-12-12 JP JP35218996A patent/JP3985910B2/ja not_active Expired - Lifetime
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