JP3985219B2 - 電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラム - Google Patents

電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、国内外の公職選挙等の際にコンピュータを用いて投票及び開票を行なう電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報技術(IT:Information Technology)の進展に伴い、タッチパネル方式に関する特許第2747171号や、マークシート方式に関する特許第2669371号など、コンピュータを用いて選挙におけるペーパーレスの投票及び開票を行なうことを可能とする様々な電子投票システムが提案されている。
【0003】
特に、本出願人等がすでに特許出願している電子投票システム(特願2001−112491、特願2001−19194、特願2001−24966、特願2001−53972、特願2001−260619など)によれば、選挙人が投票所において、端末コンピュータにおいて候補者を選択する際、投票手段(入力手段)を任意に選ぶことが可能となっている。なお、上記の特許出願中の電子投票システムの技術は、まだ公開されておらず、公知とはなっていない。
【0004】
さて、電子投票システムを公職選挙に対して実際に導入する場合、選挙人(有権者)の投票の秘密を侵さないために無記名投票の原則を守りながら、かつ一人一票の原則を守り同一選挙人による二重投票を防止するために本人確認を行なわねばならないという、一見相反する2つの条件を兼備することが法的に要求される。このような電子投票システムとして、(1)ネットワーク方式の電子投票システム(特許第3003771号)と(2)投票所方式の電子投票システム(特開2001−243395)の2つが公然知られている。
【0005】
上記の(1)は、選挙人が投票操作を行なう端末(家庭のパーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話等の個人用情報端末)と開票所の開票・集計装置とを電気通信回線によりオンライン接続し、ネットワーク認証により本人確認を行って二重投票を防止するとともに、投票されたデータを暗号化することにより無記名投票を実現するものである。この方式は、在宅投票や外出先での投票が可能となるため極めて便利ではあるが、見えざる所での端末入力時に起こりうる買収や脅迫等の不正に対処不能であるために、公職選挙に直ちに導入するにはリスクが高いと考えられる。
【0006】
一方(2)は、従来通り投票所に出向いた選挙人に対し投票管理者が選挙人名簿(又は抄本)との対照により本人確認を行い、その際に発行する投票カードを用いて選挙人が投票所に設置されたコンピュータを操作して投票を行なうものである。そして、投票された電子データは、投票カードに格納された後、投票所の出口端末で投票カードからデータを読み出して、開票所の開票・集計装置に対して投票の都度オンラインで伝送し、データの集計を行なう。この方式では、選挙人が投票所に足を運ばねばならないという不便さは解消されないが、投票立会人の立会いのもと投票が行われるため上記不正を排除可能であり、しかも開票の迅速化、及び無効票や疑問票のゼロ化といった電子投票の利点を発揮できるため、公職選挙に導入するにあたって(1)よりも有望な方式と考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術はいずれの方式も投票装置と開票所の開票・集計装置とを電気通信回線によりオンライン接続して投票データのネットワーク伝送を行っており、データの暗号化手段により伝送中の傍受や改ざんに対する一定のセキュリティ対策は施されている。しかし、電子的なデータの脆弱性に起因する投票データの消失を防ぐという視点に立った、根本のセキュリティに関しては技術開示がみられない。すなわち、従来の自書式投票における紙媒体(投票用紙)に比較して、電子投票における投票結果を記録した電子データは、書き込み時のエラーや、衝撃等の環境要因によるデータの破損、消失等に対して極めて脆弱であるにも関わらず、脆弱性を補完し、信頼性を確立する手立てが不透明であり、これが自書式投票から電子投票への移行の障壁のひとつとなっている。公職選挙における投票は、たとえ一部の投票所のデータが消失してしまったとしても、やり直しを行なうことは事実上極めて困難であるため、少なくとも投票日における投票時間内においてはデータがエラーなく確実に記録され、集計されるまで確実に保持されなければならない。
【0008】
本発明は、上記状況を鑑みなされたものであり、特に電子的に投票を受け付ける電子投票機であって、この電子投票機が受け付けた一連の投票の結果を、原本として所定の原本用記録媒体に書き込む手段と、原本として書き込んだ一連の投票の結果を原本用記録媒体から読み出して、副本として所定の副本用記録媒体に書き込む手段とを備え、各記録媒体に書き込んだ原本と副本とを用いて一連の投票の結果の保全を行なうことを特徴とする電子投票機とすることにより、電子投票における電子的な投票データを確実に記録可能であり、かつ投票データが開票所で集計されるまで確実に保持可能であり、一度しか行なうことのできない選挙を適正かつ公正に執行するのに少なくとも現行の自書式投票と同等のセキュリティを確保できる電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、下記する(1)〜(4)にそれぞれ記載の電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラムを提供する。
(1)選挙における電子投票の際、選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機203において、
前記候補者に係る選挙情報4015、402を有する選挙情報記録部と、
前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラム404と、
前記選挙人の選挙人特性2021を記録した第1の記録媒体406を読み取り、投票が終了した選挙の種類2022を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段2032と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段20305と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段20306と、
前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体408に記録し原本データ407を生成する第2の記録読取手段20303と、
前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体409に記録する第3の記録読取手段20304とを有し、
前記第1、第2、及び第3の記録媒体は406、408、409可搬性を有する電磁的記録媒体であって、
前記第1、第2及び第3の記録読取手段(2032、20303、20304)が、前記第1、第2及び第3の記録媒体を着脱可能な着脱機構を有し、
前記着脱機構を被覆し、少なくとも前記第2及び第3の記録媒体の着脱を制限する施錠手段2030とをさらに有することを特徴とする電子投票機。
(2)選挙における電子投票の際、選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機203において、
前記候補者に係る選挙情報4015、402を有する選挙情報記録部と、
前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラム404と、
前記選挙人の選挙人特性2021を記録した第1の記録媒体406を読み取り、投票が終了した選挙の種類2022を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段2032と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段20305と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段20306と、
前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体408に記録し原本データ407を生成する第2の記録読取手段20303と、
前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体409に記録する第3の記録読取手段20304とを有し、
前記第2の記録媒体408に生成された原本データ407を読み出し、前記第1、第2又は第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体410に記録する記録手段2034をさらに有することを特徴とする電子投票機。
(3)選挙における電子投票の際、選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機203において、
前記候補者に係る選挙情報4015、402を有する選挙情報記録部と、
前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラム404と、
前記選挙人の選挙人特性2021を記録した第1の記録媒体406を読み取り、投票が終了した選挙の種類2022を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段2032と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段20305と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段20306と、
前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体408に記録し原本データ407を生成する第2の記録読取手段20303と、
前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体409に記録する第3の記録読取手段20304とを有し、
前記第2の記録媒体408に生成された原本データ407を読み出し、前記第1、第2又は第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体410に記録する記録手段2034をさらに有すると共に、前記第4の記録媒体410が可搬性を有する印字記録媒体であることを特徴とする電子投票機。
(4)選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体408を有する電子投票機203を用いて電子投票を実行するための、コンピュータプログラムであって、
前記選挙人が投票カード記録読取手段に挿入した第1の記録媒体406に記録された認証キー403を確認するステップと、
前記第1の記録媒体に記録された選挙人特性2021を読み取るステップと、
前記選挙人特性に対応する候補者画面データ4015を参照するステップと、
前記候補者画面データに応じた報知手段を選択するステップと、
前記候補者画面データに応じた入力手段を選択するステップと、
複数同日選挙における選挙識別コードを読み取るステップと、
前記選挙識別コードのフラグ2022を識別し投票の可否を判断するステップと、
前記フラグが投票可能状態であった場合に、候補者の一覧を前記選挙人に報知するステップと、
前記選挙人が候補者一覧から選択し入力を行ったかどうかを判断するステップと、
選択候補者を前記選挙人に報知するステップと、
前記選挙人が前記選択候補者の確認入力を行ったかどうかを判断するステップと、
前記確認入力がなされた場合、前記第1の記録媒体と異なる第2の記録媒体408に投票データ407を記録するステップと、
記録された前記投票データを内部記憶手段と比較し照査するステップと、
前記第2の記録媒体に記録された前記投票データを読み出し、前記第1及び第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体409に記録するステップと、
前記選挙人001の電子投票機203に対する投票ログ4075を前記第2の記録媒体または/及び前記第3の記録媒体に記録するステップと、
投票が終了した前記選挙識別コードのフラグ2022を投票済状態に書き換え、前記第1の記録媒体に記録するステップと、
前記フラグが投票可能状態にある他の複数同日選挙の有無を判断するステップと、
投票可能状態の選挙が無と判断した場合に、投票が終了したことを選挙人に報知し、前記第1の記録媒体を排出するステップと、
前記電子投票機の終了時において前記投票ログ4075から所定の情報を抽出し、前記情報を平面表示手段2031に表示するステップとを有し、
前記選挙人001が入力した候補者を前記第1、第2及び第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体410に記録するステップをさらに有することを特徴とするコンピュータプログラム417。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態の好ましい実施例である電子投票システムについて説明する。
図1は本実施例の電子投票システム構成図、図2は本実施例の候補者データベース作成の流れを示すフローチャート、図3は本実施例の選挙データベース作成の流れを示すフローチャート、図4は本実施例の候補者画面データ作成の流れを示すフローチャート、図5は本実施例のリレーショナルデータベースのファイル構造の一例を示す図、図6は本実施例の候補者データベースの一例を示す図、図7は本実施例の候補者所属団体データベースの一例を示す図、図8は本実施例の投票所データベースの一例を示す図、図9は本実施例の固定画面要素データベースの一例を示す図、図10は本実施例の可変画面要素データベースの一例を示す図、図11は本実施例の表示メッセージデータベースの一例を示す図、図12は本実施例の電磁的記録媒体(原本)へのデータ書き込みの流れを示すフローチャート、図13は本実施例の電磁的記録媒体(複製)へのデータ書き込みの流れを示すフローチャート、図14は本実施例の電磁的記録媒体(原本)の記録情報(但し候補者サーバから電子投票機への送致時)の一例を示す図、図15は本実施例の電磁的記録媒体(複製)の記録情報(但し候補者サーバから電子投票機への送致時)の一例を示す図、図16は本実施例の電子投票機へのデータ伝送の流れを示すフローチャート、図17は本実施例の電子投票機へのデータのダウンロードの一例を示す図、図18は本実施例の運用データの一例を示す図、図19は本実施例の電子投票機の一例を示す前方斜視図、図20は本実施例の電子投票機の一例を示す後方斜視図、図21は本実施例の電子投票機の一例を示す背面図、図22は本実施例の電子投票機の一例を示す上面図、図23は本実施例の電子投票機の一例を示す正面図、図24は本実施例の電子投票機のソフトウェア構成の一例を示す図、図25は本実施例の投票カード発券の流れを示すフローチャート、図26は本実施例の投票カードの一例を示す図、図27は本実施例の電子投票操作の流れを示すフローチャート、図28は本実施例の電子投票操作の流れを示すフローチャートの続き、図29は本実施例の選挙人特性と投票モード(報知/入力手段)の一例を示す図、図30は本実施例の電子投票機内部におけるデータの流れの一例を示す図、図31は本実施例の電子投票機による投票の終了の流れを示すフローチャート、図32は本実施例の投票データ収集の流れを示すフローチャート、図33は本実施例の投票データ収集の一例を示す図、図34は本実施例の電磁的記録媒体(原本)の記録情報(但し電子投票機から投票データ収集端末への送致時)の一例を示す図、図35は本実施例の電磁的記録媒体(複製)の記録情報(但し電子投票機から投票データ収集端末への送致時)の一例を示す図、図36は本実施例の投票データの一例を示す図、図37は本実施例の投票データ集計の流れを示すフローチャートである。
【0011】
さて、図1は、本実施例の電子投票システムを示す構成図である。
【0012】
図1に示す電子投票システムは、選挙管理委員会によって管理されるものであり、大別して、前工程システム100、投票所システム200、開票所システム300により構成される。尚、前工程システムは全国の自治体毎に複数存在し、また投票所システム200も、各々の前工程システムに対して投票区毎に複数設置されるシステムであり、さらに開票所システム300も開票区毎に複数設置されるため、したがって、複数の前工程システム100、及び複数の投票所システム200、複数の開票所システムが存在するが、図1では、簡略のため、各々1つの前工程システム100、投票所システム200、開票所システム300のみが図示されている。
【0013】
前工程システム100は、候補者情報管理端末101、選挙管理端末102、候補者サーバ103、候補者画面作成端末104を有している。
【0014】
候補者情報管理端末101は、選挙管理委員会において候補者の受付及び登録が行われ、候補者の氏名、所属政党、読み仮名、経歴、公約などの候補者データ401をテキスト形式データとして、ハードディスクやメモリなどの格納手段(不図示)内に格納するための装置である。また、これらの候補者データ401は、視覚障害者に対して音声ガイドを行なうために、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)やMP3(エム・ピー・スリー:MPEG-1/Audio Layer3、MPEG:Motion Picture Experts Group)などの適切な圧縮形式の音声データとして記憶され、さらに、候補者の顔写真やポスターなどの画像情報などはJPEG(ジェイペグ: Joint Photographic Expert Group)などの適切な圧縮形式の画像データとして記憶される。なお、この候補者情報管理端末101は、PC(パーソナルコンピュータ: Personal Computer)によって実現可能であり、必要に応じて複数台の候補者情報管理端末101が用意される。
【0015】
選挙管理端末102は、実施される選挙定義(単記式候補者選挙や、非拘束名簿式比例代表選挙などの選挙の種類)に係る選挙データ402を、選挙管理委員会において入力し、ハードディスクやメモリなどの格納手段(不図示)内に格納するための装置である。また、選挙管理端末102は、全ての投票所データ(各投票所を識別する投票所識別IDなどの情報)を有しており、各投票所システム200の電子投票機203で投票を可能とするパスワードや暗号キーを含む運用データ403を発行する機能を有している。この選挙管理端末102で発行された運用データ403は、電磁的記録媒体(複製)409などの可搬性記憶媒体などに記録されて、他のコンピュータに配布される。尚、配布先のコンピュータは、投票受付機201(データの流れを破線によって図示)、電子投票機203、投票データ集計・分析端末302などである。また、この選挙管理端末102は、PCによって実現可能である。
【0016】
候補者サーバ103は、候補者情報管理端末101及び選挙管理端末102と通信を行なうメッセージ・キュー(Message Queue)・サーバとして機能し、候補者情報管理端末101から受信する候補者データ401及び選挙管理端末102から受信する選挙データ402をそれぞれ関連付けてデータベースを作成、管理する装置である。なお、候補者及び実施される選挙に係るデータは、リレーショナル(関係型)データベースとして、格納手段1031に格納され、管理される。これらのデータベース(図6に示す候補者データベース、図7に示す候補者所属団体データベース、図8に示す投票所データベース、図9に示す固定画面要素レイアウトデータベース、図10に示す可変画面要素レイアウトデータベース、図11に示す表示メッセージデータベース)の詳細な説明については後述する。
【0017】
また、候補者サーバ103は、候補者画面作成端末104とODBC(オープン・データベース・コネクティビティ:Open Data Base Connectivity)インターフェースにより接続しており、候補者画面作成端末104に候補者データベースの候補者データ401を提供することが可能である。なお、この候補者サーバ103は、比較的処理の高速なPCによって実現することが好ましい。
【0018】
候補者画面作成端末104は、候補者サーバ103内の候補者データベースの候補者データ401をSQL(Structure Query Language)言語などの呼び出し言語を用いて参照し、選挙人001の障害の種類毎に、投票の際に電子投票機203上で表示される候補者画面(投票時に候補者を選択するための画面及び選択した候補者を確認するための画面)などの表示画面の基本的なレイアウト情報を備えた候補者画面データ4015を作成する装置である。この候補者画面データ4015は、候補者データ401と選挙データ402から、候補者画面作成プログラムによって作成される。また、この候補者画面作成端末104は、PCによって実現可能であり、必要に応じて複数台の候補者画面作成端末104が用意される。
【0019】
投票所システム200は、投票受付機201、投票カードの読み書きを行なう発券装置202、電子投票機203を有している。
【0020】
投票受付機201は、住民基本台帳に基づいて作成された選挙人名簿又は抄本に記載された選挙人001にあらかじめ配布された投票所入場券(主に、選挙人001に郵送される葉書)との対照により本人確認を行った後、記載されている選挙人特性(障害の種類)に応じて、投票カード406を発行するための装置である。投票カード406は、例えば、ICカードを用いることにより、多くの情報を蓄積することができる。この投票カード406には、図26に図示するようにカード発行年月日、選挙人001の障害の種類を示す選挙人特性ID2021、言語区分、選挙の種類を示す選挙種別ID,投票所ID,投票種別、二重投票を防ぐために既に投票済の選挙を示す投票フラグ2022などのデータが記憶される。
【0021】
例えば、投票所入場券の選挙人特性欄に視覚障害者の記載がある選挙人001の投票カード406には、投票所において視覚障害者であることを示す選挙人特性ID2021が記録され、選挙人001に貸与される。この選挙人001が投票カード406を電子投票機203に挿入した場合、視覚障害者用の投票モードになり、適切な表示入力モードが選択される。なお、この投票カード406には、憲法15条に定められた投票の秘密を守るため、カードを使用する選挙人001を特定できるような個人情報は記憶されないようにすることが好ましい。したがって、投票カードとして、国民一人ひとりが所有する住民カードを利用する場合には、電子投票機203による個人情報の読み取りを制限する必要がある。
【0022】
また、投票カード406には、パスワードや暗号キーを含む運用データ403も記録され、電子投票機203でこの認証データ403を認証した場合にのみ、投票が可能となるように構成される。また、例えば、RS−232規格(直列データ伝送用の標準インターフェース)により投票受付機201と接続された発券装置202により記憶されて発行されるようにする。なお、この投票受付機201は、PCによって実現可能である、必要に応じて複数台の投票受付機201が用意される。
【0023】
電子投票機203は、投票所に複数台設置され、選挙人001による投票を受け付けるための装置である。図19及び図20は、本実施例の電子投票システムで用いられる電子投票機の一例を示す斜視図である。図19は装置前方からの斜視図であり、図20は装置後方からの斜視図である。図19及び図20に示す電子投票機203は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などによって画面表示を行い、表示部分を触れることによる入力も可能とするタッチパネル付LCD(表示・入力手段)2031、投票カード406の読み取りを行なう投票カード記録読取手段2032、音声ガイドを行なうスピーカ(音声出力手段)2033を有している。また電磁的記録媒体408に記録された投票データ407を読み出して印字媒体410(ロール紙やプラスチック製シート等)に視覚可能な形態で印字するプリンタ(印字手段)2034を備えている。タッチパネル付LCD2031は、表示面の角度を変えることができるLCD角度調整アーム2036を備えており、車椅子の選挙人001が座した状態でも操作し易いように角度調整することができる。図22は電子投票機203の上面図であり、タッチパネル付LCD2031が水平状態のときを図示している。水平以外の角度で使用するときは、投票時、背後にいる人間に対して投票の秘密が漏れないように、投票所の壁面を背にするなどして、電子投票機203の設置の向きを考慮する必要がある。図22に示す電子投票機203は、投票管理者が所有する鍵によって開閉可能なリアパネルカバー2030を備えている。図23は電子投票機203の正面図である。投票カード406に記録された選挙人特性ID2021に基づく投票モードで使用される入力手段20306(図30で後述する)の接続端子として、単一スイッチで行なう投票モードで使用するバリアフリー用補助スイッチ端子2037、触覚認識が容易な盲人用キーボードであるバリアフリー用補助キーボード端子2038、タッチパネル付LCD2031を使用せずに音声のみで投票を行なう投票モードで使用するバリアフリー用ヘッドホン端子2039を備えている。図21は電子投票機203の背面図及び斜視図である。図21では、図22に図示するリアパネルカバー2030を開けた状態を図示している。図21に図示する電子投票機203は、起き上がり困難な選挙人001や、不随意運動を伴う肢体不自由者のようにタッチパネル付LCDを継続的に視野に入れることが難しい選挙人001が、頭部に装着して使用する外部モニター(ヘッドマウントディスプレイ)を接続するバリアフリー用ヘッドマウントディスプレイ端子20302を備えている。また、投票中に発生したエラーや、投票状態をランプの色により投票管理者に視覚的に伝達する状態表示ランプ20301を備えている。そして図21に示す電子投票機203は、電磁的記録媒体(原本)408及び電磁的記録媒体(複製)409に対して投票データ407(図1に図示)を記録する電磁的記録媒体記録読取手段(原本用)20303及び電磁的記録媒体記録読取手段(複製用)を備えている。
【0024】
また、電子投票機203は、選挙に係るデータベースとして使われる選挙データ402、候補者画面データ4015、電子投票プログラム404を格納する格納手段2035(図1に図示)を有している。
【0025】
選挙人001は、投票カード記録読取手段2032に投票カード406を挿入した場合、投票カード406に記憶された運用データ403におけるパスワードによる認証が行われ、タッチパネル入力などによる投票操作を行なうことが可能となる。また、触覚認識のための報知手段20305(図30で後述する)である触知ピンディスプレイをバリアフリー用補助キーボード端子2038に接続して、電子投票機203を操作することが可能である。
【0026】
さて、図1に図示するように、投票所に電子投票機203を設置後、投票開始以前に、候補者サーバ103から電子投票機203に対して、データが伝送される。伝送されるデータは、電子投票プログラム404、候補者画面データ4015、選挙データ402である。本実施例においては、データ伝送手段は、メモリカードなどの可搬性のある電磁的記録媒体408による物理的な搬送を行なう。尚、本実施例の他の構成としては、前工程システム100と投票所システム200の拠点間を電気通信回線によってネットワーク接続し、本実施例における電磁的記録媒体408に記録されたデータを読み出して伝送するように実施することも可能である。従来技術におけるネットワーク型システムにおいては、投票所システムにおける投票データを投票の都度、開票所システムに伝送を行っていた。このようなシステムは、選挙の投票日の投票時間にわたって、常時ネットワーク接続を行なう必要があり、停電等の不慮のトラブルに際して投票データの消失の可能性を完全に排除することが困難である。そこで、本実施例では、拠点となる各システム内で一旦電磁的記録媒体にデータを記録して蓄積し、投票所が閉じられる時刻の後に,一括して記録媒体に記録したデータを読み取って、データを移送(物理的な輸送やネットワーク伝送)を行なうことが可能なシステムを提案したのである。
【0027】
電子投票機203へのデータ伝送が終了すると、電子投票機203の格納手段2035には、電子投票プログラム404及び候補者画面データ4015、選挙データ402が格納され、さらに、選挙管理端末102から可搬性のある電磁的記録媒体(複製)409により運用データ403(図18に図示)が伝送されて、投票操作が可能な状態になる。また、投票終了後は、選挙人001の投票内容を記録した投票データ407及び電子投票プログラム404などの電子投票機203の格納手段2035に存在する全てのデータは、メモリカードなどの可搬性のある電磁的記録媒体(原本)408に保存され、格納手段2035から削除し、開票所システム300に送致される。このように、投票期間中にだけ、電子投票機203に選挙に係るデータやソフトウェアが置かれるようにすることによって、不審者によって電子投票機203が操作され、選挙データ402、電子投票プログラム404、投票データ407などの改ざんを防ぐことが可能となる。尚、本実施例においては、投票所システム200における複数の電子投票機203の各々が投票データ407を記録可能な電磁的記録媒体を有するよう構成しているが、これを、投票所システム200内でローカルエリアネットワーク(LAN)を構築し、各々の電子投票機203のデータをオンラインで1台のサーバに伝送し、サーバが可搬性のある電磁的記録媒体に投票データ407を記録するように構成してもよい。
【0028】
開票所システム300は、投票データ収集端末301、投票データ集計・分析端末302を有している。
【0029】
投票データ収集端末301は、複数の投票所に設置されて電子投票機203の投票データ407及び投票所情報(投票所ID)を収集し、両者を関連付けて格納手段(不図示)に格納するための装置である。本実施例では、投票データ407の収集方法としては、可搬性のある電磁的記録媒体(原本)408による物理的な搬送手段を用いる。尚、本発明の他の実施形態として、先に述べたように、投票所システム200と開票所システム300とを電気通信回線によりネットワーク接続し、電磁的記録媒体408、409に記録されたデータを読み出して、ネットワーク伝送するように構成することも可能である。このような電磁的記録媒体とネットワークを併用するハイブリッド方式のネットワーク型システムを採用した場合、常時接続を必要とせず、投票所を閉じる時刻の後に一括してデータ伝送を行なうことができるため、伝送におけるセキュリティをより高めることが可能である。
【0030】
投票データ集計・分析端末302は、投票データ収集端末301に収集された投票データ407及び投票所情報を、メッセージ・キュー・サーバ機能を使用して投票データ収集端末301から受信し、投票データ407の集計及び分析を行なうための装置である。なお、投票データ407の集計及び分析の際、あらかじめ候補者サーバ103から候補者データ401を受信しておくことによって、候補者データ401と投票データ407を関連付けて集計することが可能となる。
【0031】
次に、図1に示す電子投票システムを参照しながら、選挙の立候補者による届け出から、選挙人001による投票、投票管理者による開票までの流れの一例を説明する。図2は、選挙における立候補者が選挙管理委員会に対して立候補の届け出を行い、電子投票に係る候補者データベースが作成されるまでの流れを示すフローチャートである。ステップS501において、選挙の候補者が立候補受付を行なうと、選挙管理者の手により候補者の氏名や所属政党等の文字情報が候補者情報管理端末101上に入力され、テキストデータとして候補者情報管理端末101の格納手段(不図示)上に保存される(ステップS502)。次に、候補者の文字情報は、コンピュータにより音声データに変換するか、あるいは別システムでナレーターによる高品位な音声データに変換され、音声ガイド用の音声データとして候補者情報管理端末101上に保存される(ステップS503)。さらに、候補者の顔写真や、所属団体(政党)のロゴマークが画像データとして候補者情報管理端末101上に保存される(ステップS504)。これらのテキストデータ及びバイナリデータから構成される候補者データ401は、候補者サーバ103に電気通信回線を通じて伝送され、格納手段1031上のデータベースとして蓄積される(ステップS505)。ステップS506の条件分岐において、もし選挙における全員の立候補者データの蓄積が完了していなければ(ステップS606で「No」)、ステップS502に戻る。全員の立候補者データの蓄積が完了すると(ステップS606で[Yes])、候補者データベースが完成し(ステップS507)、終了する。
【0032】
図3は、実施される選挙種情報や投票所情報に係る選挙データベース作成の一実施形態を示すフローチャートである。まず選挙管理者の手により、実施される選挙種の文字情報が選挙管理端末102に入力され、テキストデータとして格納手段1021上に保存される(ステップS601)。続いて、実施される選挙における投票所に係る文字情報が選挙管理端末102に入力され、テキストデータとして格納手段1021上に保存される(ステップS602)。さらに、選挙に係る絵柄などの情報が、画像データとして格納手段1021上に記録される(ステップS603)。これらのテキストデータ及びバイナリデータから構成される選挙データ402は、候補者サーバ103に電気通信回線を通じて伝送され、格納手段1031上のデータベース上に蓄積される(ステップS604)。ステップS605の条件分岐において、もし選挙におけるすべての選挙データの蓄積が完了していなければ、ステップS601に戻る(ステップS605の「No」)。すべての選挙データの蓄積が完了すると(ステップS605の「Yes」)、選挙データベースが完成し(ステップS606)終了する。
【0033】
図4は、電子投票機203に表示される候補者画面データ4015作成の流れを示すフローチャートである。ステップS701及びステップS702において、候補者サーバ103上の候補者データ401及び選挙データ402が、候補者画面作成端末104上から参照される。次に、投票所毎の候補者データ401を抽出し(ステップS703)、候補者画面作成プログラムにより、画面作成処理が開始される(ステップS704)。候補者画面作成プログラムでは、投票する選挙人001の障害の種類を表す選挙人特性(図29に図示)に応じて、表示デザイン情報(視角障害者や聴覚障害者の為の音声情報や点字情報を含む)が付与される(ステップS705)。こうして作成された候補者画面データ4015は、候補者サーバ103上に蓄積される(ステップS708)。ここで、まだ作成されていない投票所の候補者画面データが存在すれば、ステップS703に戻り、候補者画面作成処理が継続して行われる(ステップS707の「No」)。すべての投票所について、選挙人特性に応じた画面が作成されると(ステップS707の「Yes」)、候補者画面データが完成する(ステップS708)。
【0034】
図5は、本発明に係るデータベースのファイル構造の一例を示す図である。図5において、楕円で囲まれた6つのリレーショナルデータベースは、テキスト形式で入力されている。例えば、候補者データベースは、図6に図示するように、候補者ID、言語ID、立候補届け名、その他候補者所属団体IDといった項目のテーブルとして構成されている。これらの、テキストファイルとは別に、矩形で囲まれた画像ファイルおよび角丸矩形で囲まれた音声ファイルなどのバイナリファイルが存在する。これらは、6つのデータベースの中で、ファイルの相対位置(パス)が参照される。ファイルの参照方法は、あらかじめ指定されたディレクトリに存在する音声または画像ファイルに対しては、例えば、図9において、機能IDのフィールドにファイル名を指定することで参照することが可能である。ディレクトリによるファイル管理は、基本ソフトであるOSの機能を利用する。
【0035】
図6〜図11は、本実施例のリレーショナルデータベースの一例を示す図である。データベースは、候補者データベース(図6)、候補者所属団体データベース(図7)、投票所データベース(図8)、固定画面要素レイアウトデータベース(図9)、可変画面要素レイアウトデータベース(図10)および表示メッセージデータベース(図11)の計6つの部分データベースから構成されており、互いに関連付けられたリレーショナル・データベースである。例えば、図13の候補者所属団体データベースにおける所属団体IDのフィールドが、いわゆる主キーとなって、図12の候補者データベースにおける所属団体IDのフィールドと関連付けられている。
【0036】
また、これらの部分データベースは、図示されるように表であって、行すなわちレコードが画面要素に対応し、列すなわちフィールドが、画面要素の属性を定義する。例えば、候補者が図6の候補者データベースにおける第2レコードである「高杉晋作」を表示する候補者画面データ4015は以下のようにして決定される。すなわち、図6の候補者データベースにおける候補者所属団体IDフィールドの値0002に関連付けられた図7の候補者所属団体データベースにおける候補者所属団体IDフィールド0002の「長州党」を所属団体とし、これらが図8の投票所データベースで規定される投票所、図9、図10で規定される画面要素レイアウト、図11で規定される表示メッセージの各々のレコードが参照される。また、共通画面のレイアウトを規定する図9の固定画面要素レイアウトデータベースと、候補者の数などによって変わる図10の可変画面要素レイアウトデータベースは、それぞれ第1フィールドに、選挙人特性IDを備えている。
【0037】
図12は、本実施例における電磁的記録媒体へのデータ書き込みの流れを示すフローチャートである。電子投票における選挙人がいずれの候補者が選択したかの情報は、人間の知覚をもってしては認識不可能な方法で記録され、従来の投票用紙による投票と異なる。電磁的記録媒体とは、選挙人による投票情報が電子的又は磁気的その他の方式で記録され、コンピュータによる情報処理が可能な記録媒体である。媒体の具体的態様としては、例えばフラッシュメモリが内蔵されたコンパクトフラッシュ(登録商標) (CF: Compact Flash)カード等が挙げられる。他の規格のメモリカード(SDメモリーカード (SD Memory Card)、スマートメディア(登録商標)(Smart Media(登録商標))、メモリースティック (Memory Stick)等)を用いてもよい。メモリカードは、ハードディスク等に比べて軽量であり、かつ振動に強いためデータの搬送性、保存性に優れ、しかも安価である。もちろん、電磁的記録媒体として、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、光ディスク(CD,DVD)や光磁気ディスク(MO)等が使用可能であることはいうまでもない。本実施例では、1台の電子投票機に対して2枚のメモリカード(電磁的記録媒体(原本)408,電磁的記録媒体(複製)409)を使用する。本実施例においては、これらのメモリカードは、投票前においては、前工程システム100から投票所システム200の電子投票機203に対して選挙に必要なデータを搬送する際の担体としての機能を果たす。そして、投票中においては電子投票機203に装着され、従来の投票用紙の代替物としての機能、すなわち選挙人001が投票する候補者名を電磁的なデータとして確実に記録し保持する機能を有する。そして、投票後においては、投票所システム200から開票所システム300に投票データ407を搬送する際の担体としての機能を有する。尚、本発明をネットワーク型システムとして実施する場合には、電磁的記録媒体408、409は、前工程システム、投票所システム、開票所システムの各拠点において、ネットワーク送信を行なう前に、データを拠点内で一時的に記録し、蓄積する機能を有する。本実施例における電磁的記録媒体を用いないネットワーク型システムに比較して、ネットワーク障害に対するデータ消失の危険性が極めて低くなる。
【0038】
さて、以下に図12のフローチャートを説明する。まず、ステップS801において、電磁的記録媒体(原本)408が、前工程システム100におけるいずれかの記録手段、例えば候補者画面作成端末104が有する図示しない記録手段上に装着される。次に、候補者サーバ103に蓄積された選挙データベースの中で、2枚の電磁的記録媒体の出荷先である投票所の選挙データ402を候補者画面作成端末104から参照し、同端末における図示しないメモリ上に読み込まれる(ステップS802)。次に、ステップS803において、この選挙データ402が図示しない記録手段により電磁的記録媒体(原本)408に記録される。書き込みが終了すると(ステップS804)、候補者サーバ103内の候補者画面データ4015が、候補者画面作成端末104における図示しないメモリ上に読み込まれ(ステップS805)、出荷先の投票所における候補者画面データ4015が電磁的記録媒体(原本)408に記録される(ステップS806)。書き込みが終了すると(ステップS807)、候補者サーバ103上の電子投票プログラム404が、候補者画面作成端末104上の図示しないメモリ上に読み込まれる(ステップS808)。電子投票プログラム404は、電磁的記録媒体(原本)408に記録される(ステップS809)。書き込みが終了すると(ステップS810の「Yes」)、電磁的記録媒体(原本)408が候補者画面作成端末104から取り外され、投票所200に向けて出荷可能な状態となる(ステップS811)。
【0039】
図13は、1台の電子投票機で使用されるもう1枚のメモリカードである、電磁的記録媒体(複製)409へのデータ書き込みの流れを示すフローチャートである。まず、ステップS901において、電磁的記録媒体(複製)409が、前工程システム100におけるいずれかの記録手段、例えば候補者画面作成端末104が有する図示しない記録手段上に装着される。次に、ステップS902において、候補者サーバ上103上の運用データ403が、候補者画面作成端末上の図示しないメモリ上に読み込まれる。運用データ403とは、選挙の運用に関わる識別子や暗号等を含むデータであり、例えば図18に図示するように、市区町村ID、投票所ID、暗号・認証キー、パスワード等からなる。運用データ403は、候補者画面作成端末104が有する図示しない記録手段により電磁的記録媒体(複製)409に記録される(ステップS903)。書き込みが終了すると(ステップS904の[Yes])、電磁的記録媒体(複製)409が候補者画面作成端末104から取り外され、各投票所に向けて出荷可能な状態となる(ステップS905)。
【0040】
図14及び図15は、前工程システム100から投票所システム200の電子投票機203に対して出荷される2枚の電磁的記録媒体に記録されるデータの一例を示す図である。図14は、電磁的記録媒体(原本)408に記録されるデータが、電子投票プログラム404、候補者データ401、選挙データ402の3種類であることを示している。図15は、電磁的記録媒体(複製)409に記録されるデータが、運用データ403であることを示している。
【0041】
図16は、これらの2枚の電磁的記録媒体が投票所システム200に送致された後、電子投票機203にデータをインストールする流れを示すフローチャートである。これらのデータがインストールされる以前は、電子投票機203の格納手段2035には選挙に直接関わる情報は何ら記録されておらず、不正を防ぐ目的で、投票日前日において以下のインストール作業が行なうことが望ましい。まず、ステップS1001において、投票管理者が電子投票機203背面のリアパネルカバー2030を開錠し、電磁的記録媒体(原本)408を電磁的記録媒体記録読取手段(原本用)20303に装着するとともに、電磁的記録媒体(複製)409を電磁的記録媒体記録読取手段(複製用)20304に装着する。次に、ステップS1002において、電子投票機203の電源を投入し、リアパネルカバー2030を施錠する。電子投票機203は直ちに、格納手段2035上のダウンロードプログラム436(図24に図示)を起動し(ステップS1003)、電磁記録媒体(原本)408と電磁的記録媒体(複製)409が正常に記録可能かどうかをチェックする(ステップS1004)。ここで、2枚の媒体のいずれか1枚の動作が正常でない場合(ステップS1005の「No」)、電子投票機203の電源が切断され(ステップS1014)、電磁的記録媒体(原本)408と電磁的記録媒体(複製)409が投票管理者の手によって電子投票機203背面の電磁的記録媒体記録読取手段(原本用)20303及び電磁的記録媒体記録読取手段(複製用)20304から取り出される(ステップS1016)。取り出された電磁的記録媒体は、前工程システム100で新しい電磁的記録媒体(原本)408、電磁的記録媒体(複製)409と交換され、図12及び図13の手順でデータの再書き込みが行われる(ステップS1016)。ステップS1005において、無事2枚の媒体の正常動作が確認された場合、ダウンロードプログラム436が、電磁的記録媒体(原本)408及び電磁的記録媒体(複製)409に記録されたデータを、電子投票機203の格納手段2035(メモリ又はハードディスク等)上に対してローディングする。まず、電磁的記録媒体(原本)408上の選挙データ402が電子投票機203の格納手段2035上にインストールされ(ステップS1006)、インストールが完了すると(ステップS1007の「Yes」)、電磁的記録媒体(原本)408上の候補者画面データ4015が電子投票機203の格納手段2035上にインストールされる。続いて、電磁的記録媒体(原本)408上の電子投票プログラム404が電子投票機203の格納手段2035上にインストールされ(ステップS1010)、インストールが完了すると(ステップS1011)、電磁的記録媒体(複製)409上の運用データ403が電子投票機203の格納手段2035上にインストールされる(ステップS1012)。インストールが完了すると(ステップS1013)、投票日前日における電子投票機203へのデータ伝送が完了する。
【0042】
図17は本実施例における電子投票機203へのデータのダウンロードの一例を示す図である。前工程システム100における候補者サーバ103の格納手段1031に格納された電子投票機内部で動作するソフトウェアである電子投票プログラム404、投票所毎の候補者データに表示レイアウト情報が付与された候補者画面データ4015、投票所毎の選挙データ402が、電磁的記録媒体(原本)408に記録されて物理的に送致され、電子投票機203の格納手段2035にインストールされる。一方、前工程システム100における選挙管理端末102の格納手段1021に格納された認証キーやパスワードを含む運用データ403が、電磁的記録媒体(複製)409に記録されて物理的に送致され、電子投票機203の格納手段2035にインストールされる。なお、搬送中に起こりうるデータ盗難に対するセキュリティを確保するために、電磁的記録媒体(原本)に記録するデータは、電磁的記録媒体(複製)に記録された認証データを用いることによってのみ、読み出し可能であるように暗号化して記録することが望ましい。
【0043】
図18は、運用データ403の一実施例であり、選挙における市区町村IDを示す5桁のコード、投票所IDを示す4桁のコード、暗号・認証キー、パスワード等から構成される。
【0044】
次に、電子投票機203に格納される電子投票プログラム404について説明する。図24は、本実施例の電子投票システムで用いられる電子投票プログラム404及び電子投票機203の内部で動作するソフトウェアの一例の模式的な構成図である。電子投票機203で動作するソフトウェアは、電子投票プログラム404、オペレーティングシステム(OS:Operating System)411、シリアルI/O制御プログラム412、ウィンドウシステム413、ファイルシステム414、投票カード制御プログラム415、タッチパネル制御プログラム416、プリンタ制御プログラム417、ジャンクションボックス制御プログラム418により構成されている。
【0045】
OS411は、特に限定されるものでないが、例えば、米国マイクロソフト社製OSである、ウィンドウズ(登録商標)NTエンベデッド(Windows(登録商標)NT Embedded)を使用することが可能である。このOS411は、機器制御に特化した組み込み型OSであり、マウスやキーボードなどの外部入力装置がない状態でも動作することが可能である。
【0046】
シリアルI /O制御プログラム412は、データの入出力の際、データを1ビットずつ連続的に入力又は出力する制御を行なうためのプログラムである。ウィンドウシステム413 は、タッチパネルLCD2031などに表示される画面の中で、枠などによって区切られた表示部分の管理を行なうためのプログラムである。ファイルシステム414は、ファイルの登録、追加、修正、削除などのファイル保守、特定ファイルへのアクセスを制限するファイル保護などを行なうためのプログラムである。投票カード制御プログラム415は、発券装置202に挿入する投票カード406の読み取り及び書き込みなどを制御するためのプログラムである。タッチパネル制御プログラム416 は、タッチパネルLCD2031上でのタッチパネルからの入力を制御するためのプログラムである。プリンタ制御プログラム418は、プリンタ2034による投票データ407のプリンタ用紙への出力(書き込み)を制御するためのプログラムである。ジャンクションボックス制御プログラム418は、バリアフリー対応入出力機器接続端子2030を介して電子投票機203に接続される各種の外部入出力装置を制御するためのプログラムである。
【0047】
なお、上記のように、OS411にウィンドウズ(登録商標)を用いる場合には、電子投票プログラム404は、このOS411に依存する簡易プログラミング言語であるビジュアル・ベーシック(Visual Basic)を使用して作成するのが便利である。
【0048】
また、電子投票プログラム404は、投票カード読取部431、選挙データ読込部432、投票画面作成部433、投票データ記録部434、投票制御部435の5つの部分プログラムにより構成されている。
【0049】
投票カード読取部431は、ICカード等の形態で提供される投票カード406が、投票カード記録読取手段2032に挿入・排出されるのを機械的に制御するためのプログラムである。選挙データ読込部432は、投票カード406の記憶領域に記録された選挙種や選挙人特性などの情報の電子的な読取を制御するためのプログラムである。投票画面作成部433は、選挙人が投票を行なう際にタッチパネルLCD2031に表示される画面作成を制御するためのプログラムである。画面作成に必要な候補者情報又はレイアウトの情報は、あらかじめ記述されたデータベース上から読み取られる。投票データ記録部434は、選挙人の投票データ407(投票結果)を、可搬性のある電磁的記録媒体に記録することを制御するためのプログラムである。投票制御部435は、選挙人が、投票操作することによる、投票画面の切り替えを制御するためのプログラムである。
【0050】
図25は、本実施例における投票カードが発券されるまでの流れを示すフローチャートである。まず、ステップS1101において、選挙管理端末102から送致されたその投票所で行なう選挙の種類の情報が記録された選挙データ402、パスワードや暗号キーを含む運用データ403が投票受付機201の格納手段(不図示)上にロードされる。次に選挙人001が受付を行なうS1102のステップでは、投票日に先立って選挙人001にあらかじめ郵送された投票所入場券を投票管理者が受け取り、自治体の住民基本台帳に基づいて作成された選挙人001名簿との対照により、本人確認を行なう。本人確認がなされた場合(ステップS1103の「Yes」)、投票管理者は、投票受付機201に接続された発券装置202に投票カード406を挿入する(ステップS1104)。投票カード406が発券装置202に挿入されると、投票カード406の記憶領域が初期化され、データが何も書き込まれていない状態になる(ステップS1105)。この空の記憶領域に、ステップS1106において、選挙データ402に記憶された選挙種別ID等の情報をコピーする。選挙種別IDの書き込みが終了すると(ステップS1107の「Yes」)、ステップS1108において、投票所入場券に記載された選挙人001の障害の種類を示す選挙人特性ID2021を記録する。選挙人特性ID2021の書き込みが終了すると(ステップS1109の「Yes」)、ステップS1110において運用データ403(図18に図示)を記録する。書き込みが終了すると(ステップS1111における「Yes」)、ステップS1112において投票カード406が排出される。データが記録された投票カード406は、投票管理者から選挙人001に対して、手渡しで貸与される(ステップS1113)。
【0051】
図26は、本実施例における投票カード406の外観及び記録データの一例を示す図である。投票カード406は、図示するようなICカードを用いることにより、比較的多くの情報を安全に蓄積することが可能である。もちろん他の記録媒体、例えば公知の磁気カードを使用することも可能であるし、また光記録媒体を使用することも可能である。特に、公知の計算機ホログラム(CGH)の不可逆記録とICカードのハイブリッドカードを用いることにより、よりセキュリティの高い投票カードを実現することも可能である。また、電子ペーパーとして公知の液晶記録媒体に対して記録を行なうことも可能である。あるいは紙による印字媒体410に記録された文字又はバーコードを光学的に読み取るように構成してもよい。投票カード406には、カード発行年月日、選挙人の障害の種類を示す選挙人特性ID2021(図1に図示)、電子投票機203が表示する言語の種類を区別する言語区分、選挙の種類を示す選挙種別ID,投票所ID,指定投票所における投票、不在者投票、巡回投票等を分類する投票種別、同一の選挙人001による二重投票を防ぐために複数の選挙(図26では選挙ID=1及び選挙ID=2、・・・選挙ID=Nとして図示)のうち投票済か未投票かを識別する投票フラグ2022(図1に図示)などのデータが記憶される。例えば、投票所入場券の選挙人特性欄に視覚障害者の記載がある選挙人001の投票カード406には、視覚障害者であることを示す選挙人特性ID2021が記憶される。この選挙人001が投票カード406を電子投票機203に挿入した場合、視覚障害者用の投票モードになり、適切な表示入力モードが選択される。なお、この投票カード406には、憲法15条に定められた投票の秘密を守るため、投票カード406を使用する選挙人001を特定可能であるような個人情報を記録してはならない。したがって、投票カードとして、将来の電子政府の発足に伴って導入が見込まれ、住民ひとりひとりが所有する住民カードを利用する場合には、電子投票機203が住民カードに記録された個人情報の読み出しを不可とするソフトウェアが必要になる。投票カード406には、パスワードや暗号キーを含む運用データ403(図18に図示)も記憶され、電子投票機203でこの運用データ403を認証した場合にのみ、投票が可能となるように構成される。尚、図26に図示しない投票カード406に記録されているデータとして、市区町村ID、発券装置が設置された投票所の市区町村ID、発券機が設置された投票所の投票所ID、投票受付機201を識別する発券機番号、投票カードを識別する発券番号、選挙可能件数、選挙区IDおよびステータスである。これらの記録データは、7ビットのアスキーコード(ASCII: American Standard Code for Information Interchange、情報交換用米国標準コード)として記録されている。
【0052】
例えば、選挙人特性ID2021が投票カード406で「30」というアスキーコードとして記録されている場合には、図29における選挙人特性ID2021が「00」、すなわち非障害者を意味する。また、投票フラグ2022は、投票を既に行ったか否か、すなわち投票状態を示すものであるが、10進数で表したときの0が未発券、1が投票可能な状態、2が投票済みであると規定したとすると、例えばアスキーコードでは選挙ID1に対する・投票フラグの「31」は、投票可能な状態を意味する。尚、投票カード上のデータは全部で256バイトのデータから構成されている。
【0053】
図27は、本実施例における投票カード406を貸与された選挙人001が電子投票操作の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS1201において、この投票カード406が発券された投票受付機201と同一の投票所内に設置されている電子投票機203に対して、投票立会人の監視のもと、選挙人001自ら(あるいは選挙人001の操作補助(あるいは介助)を行なう者が)投票カード406を電子投票機203の投票カード記録読取手段2032(図19に図示)に挿入する。投票カード406が電子投票機203に挿入されると、ステップ1202において、運用データ403が電子投票機203の格納手段2035に読み込まれる。読み込まれた運用データ403は、あらかじめ候補者サーバ103から電磁的記録媒体(複製)によって送致され電子投票機203にインストールされた運用データ403と照合され、一致すれば正規の投票カードとして次のステップに進む(ステップS1203の「Yes」)。もし、照合が一致しなければ(ステップS1203の「No」から(※)にスキップし)、投票カード406が排出される(図28のステップS1214)。さて、ステップS1203において、投票カード406が正規のものとして照合された場合は、ステップS1204において、投票カード406に記録された選挙人特性ID2021の読み取りが行われる。この読み取りのステップの後、ステップS1205において、選挙人001がどのような入力手段20306及び報知手段20305を用いて投票を行なうか、すなわち投票モードが選択される。具体的には、選挙人特性ID2021を読み取るステップS1204の後、ステップS1205aにおいて、投票カード406に記録された選挙人特性ID2021の値が00かどうかの条件分岐処理が行われる。もし、この値が00でなければ(ステップS1205aの「No」)、ステップ1205bに移り、選挙人特性ID2021の値が01かどうかの判定が行われる。こうして、投票カード406に記録された選挙人特性IDの値が探索される。その結果、選挙人特性ID2021の値がnnであった場合(ステップS1205dの「Yes」)、ステップS1205d1において、選挙人特性IDがnnに対応するデータベースが参照される。このデータベースは、投票モードを構成する要素をテキスト型のデータベースとして記録されたものであり、候補者画面データ4015に含まれている。より具体的には、図9および図10に示すような表示画面要素レイアウトを規定するデータベースにおいて、選挙人特性ID2021のフィールド値がnnであるような、レコード(行)が参照される。そして次のS1205d2のステップにおいて、参照されたデータベースに基づいて選挙人001の入力手段20306及び報知手段20305が決定される。決定された入力手段20306及び報知手段20305は、ステップS1206において、選挙人001により投票モードの確認が行われる。これは、投票カード406に記載された選挙人特性IDに基づく入力手段20306及び報知手段20305による投票が実際に可能かどうか、選挙人001自ら判断するステップである。もし、選択された投票モードが適当でない場合(ステップS1206における「No」)、投票カードが排出される(図28のステップS1214)。選挙人001は、自分に適合する入力手段20306及び報知手段20305を投票管理者に対して申請し、図25におけるステップS1102〜S1113のステップにより投票カードの再発行を受けることになる。
【0054】
もし、投票モードが選挙人001に適合した場合、図28の投票のステップに移る。ステップS1207において、電子投票機203の図示しないメモリ上の変数Nに数値1が代入される。ステップS1208では、投票すべき複数の選挙を識別する選挙IDがNであるような投票フラグ2022が読み取られる。もし、投票フラグ2022が投票済の状態「2」(アスキーコードの「32」)を示していたとすると(ステップS1209の「No」)、(C)にスキップし、ステップS1223によって変数NにN+1が代入される。もしNが実施予定の選挙の数に一致していなければ(ステップS1224の「No」)、(B)にスキップし、ステップS1208による再び選挙ID=Nの投票フラグ2022が読み取られる。もし、Nが実施予定の選挙の数に一致していると(ステップS1224の「Yes」)、すべての選挙が投票済と判断され、ステップ1225により投票が終了したことが選挙人001に報知され、ステップS1226により投票カードが排出される。
【0055】
ステップS1209において、投票フラグ2022が「1」(アスキーコードでは「31」)すなわち、投票可能な状態を示していたとすると(ステップS1209の「Yes」)、投票可能な候補者の一覧が選挙人001に対して報知される(ステップS1210)。候補者一覧の報知の態様は、LCDのような平面報知手段20305を用いる選挙人001に対しては、画面内に複数の候補者が投票毎に異なる配置で表示される。とりわけ、選挙人特性ID2021が「01」の視覚障害者(弱視者)に対しては(図29に図示)、投票カード406の情報に基づいて、弱視者用レコードが参照されて、例えば、弱視者用の書体、配色を伴った表示画面の表示が行われる。また、スピーカ2033とヘッドホンを用いた音声による報知手段20305を用いて聴覚による情報報知を行なう選挙人特性ID2021が「02」(図29に図示)の選挙人001に対しては、候補者の名前や政党等の音声情報が、投票毎にランダムな時間的順序で選挙人001に報知されるようにする。さらに、多数のピンの出入により点字や文字の表示を行なう触知ピンディスプレイによる立体報知手段20305を利用する選挙人特性ID2021が「03」(図29に図示)の選挙人の場合に対しては、候補者の名前が、投票毎にランダムな時間的順序でディスプレイ上表示される。このように一覧表示をランダムに行なうことにより、表示の空間的位置や表示の時間的順序による不公平さをなくすことが可能である。この候補者一覧表示は、選挙人001が入力手段20306により候補者を選択するまで続けられる(ステップS1211の「No」)。
【0056】
さて、このようにランダムな順序で選挙人001に報知された候補者一覧の中から、選挙人001が投票したいひとりの候補者を選択すると(ステップS1211の「Yes」)、仮選択された候補者が選挙人001に報知される(ステップS1212)。このとき、プリンタ2034により印字媒体410に仮選択された候補者名が印刷される(ステップS1213)。尚、実際の選挙では最高裁判所裁判官の国民審査のように候補者一覧から複数の候補者を選択する選挙もあるが、ここでは単一の候補者を選択する単記式選挙に限定して説明する。もし、選挙人001が候補者の選択をやり直したい場合には、入力手段20306により取消入力を行なうことにより、候補者一覧表示に戻る(ステップS1210の「いいえ」)。このとき、印字媒体410には先に印字された候補者名を抹消する記号がプリンタ2034により印字される(ステップS1214a)。一方、選挙人001が選択した候補者を入力手段20306により確認入力し、投票を確定する意志表示を行った場合には(ステップS1214の「Yes」)、ステップS1215において投票データ407が電子投票機203に装着された電磁的記録媒体(原本)408に記録される。そしてステップ1216において、記録された電磁的記録媒体(原本)408上の投票データ407と、電子投票機203における図示しないメモリ上の投票データ407を照査(ベリファイ)することにより、書き込みが確実に行われたかどうか確認する。このステップS1216が行われた時点で、投票が確定する。尚、投票データ407のネットワーク伝送を行なわない本実施例では必ずしも必要でないが、データ書き込みの際、DES暗号(DES: Data Encryption Standard)のような共通鍵暗号やRSA暗号(RSA: Rivest-Shamir-Adleman)のような公開鍵暗号等により投票データ407の暗号化を行い、開票時に運用データ403により復号化するように構成してもよい。
【0057】
電磁的記録媒体(原本)408に確実に記録され、投票が確定した投票データ407は、ステップS1217において、選挙人001に報知される。そして、ステップS1218において、電子的なデータの脆弱性に起因する不測のデータ消失を防止する目的で、電磁的記録媒体(原本)408に記録された投票データ407を読み出して電磁的記録媒体(複製)409に記録を行なう。複製された投票データ407の副本は、ステップ1219において、投票データ407の原本と照合される。そして、印字媒体410上に印字された候補者名を確定する記号がプリンタ2034により印字される(ステップS1220)。ステップS1222では、投票カード406上の投票フラグ2022を書き換え、投票済みである状態を示す「2」(アスキーコードでは「32」)が記録される。これで、この投票カード406を使用する選挙人001が、二重投票を行なうことが不可能になる。ここで、同日複数選挙における他の投票すべき選挙を探索するために、ステップS1223によって変数NにN+1が代入される。もしNが実施予定の選挙の数に一致していなければ(ステップS1224の「No」)、(B)にスキップし、ステップS1208による再び選挙ID=Nの投票フラグ2022が読み取られ、次の選挙の投票を行なうことになる。もし、Nが実施予定の選挙の数に一致していると(ステップS1224の「Yes」)、すべての選挙が投票済と判断され、ステップ1225により投票が終了したことが選挙人001に報知され、ステップS1226により投票カードが排出される。選挙人001(または介助者)は、排出された投票カードを、投票管理人に手渡しで返却する。なお、投票結果に疑義が生じた場合や争訟時に利用可能な電子投票機の動作を記録した監査記録である投票ログ4075が、上記のすべてのステップにおいて電磁的記録媒体408に対して、動作の都度、記録される。
【0058】
図29は、本実施例における投票モードを規定する選挙人特性ID2021の一例を示す図である。第1列が選挙人特性ID2021を示す数値であり、第2列が、対応する選挙人特性の具体例である。選挙人特性とは、非障害、視覚障害、聴覚障害、肢体障害、内部障害、とこれらの任意の組み合わせである。そして、同一の選挙人特性に対して、障害等級の軽重に応じて、図29の第4列及び第5列の欄に示すように、使用する報知手段20305及び入力手段20306が異なる。例えば、選挙人特性ID2021が「00」である非障害者(健常者)である選挙人001に対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に健常者用投票画面を表示し、入力手段20306としてはタッチパネル、報知手段20305としてLCDを使用する。また、選挙人特性ID2021が「01」である視覚障害者(6級)の選挙人001(万国試視力表で測定した一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの)に対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に弱視者用投票画面を表示し、入力手段20306としてはタッチパネル、報知手段20305としてLCDを使用する。一方、選挙人特性ID2021が「02」である視覚障害者(1級)の選挙人001(両眼の視力の和が0.01以下のもの)に対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に投票進捗画面(候補者名等の投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画面)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止し、入力手段20306としては視覚障害者用キーボード(不図示)、報知手段20305としてヘッドホンとスピーカ2033による音声ガイドを使用する。さらに、選挙人特性ID2021が「03」である視聴覚障害者(盲ろう者)の選挙人001(両眼の視力の和が0.01以下であり、かつ両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの)に対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に投票進捗画面(候補者名等の投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画面)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止し、入力手段20306としては視覚障害者用キーボード(不図示)、報知手段20305としてカナ文字ピンディスプレイ(あるいは点字ディスプレイ)を使用する。また、選挙人特性ID2021が「04」である肢体不自由者(上肢切断又は上肢機能障害)の選挙人001に対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に健常者と同一の投票画面を表示し、入力手段20306としては肢体不自由者用キーボード(不図示)又は足で入力可能なフットスイッチ、報知手段20305としてLCDを使用する。一方、選挙人特性ID2021が「05」である肢体不自由者(全身性運動又は機能障害)の選挙人001に対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に投票進捗画面(候補者名等の投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画面)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止すると共に、入力手段20306として不随意運動があっても入力可能な単一のスイッチ、報知手段20305として頭に固定して使用する眼鏡型表示機であるヘッドマウントディスプレイをバリアフリー用ヘッドマウントディスプレイ端子20302に接続して使用する。ヘッドマウントディスプレイに表示される画面は、選択可能項目が一定時間間隔で順次切り替わるスキャン入力画面を使用する。さらに、選挙人特性ID2021が「06」である内部障害(難読)を伴う選挙人001対しては、電子投票機203のタッチパネル付LCD2031に健常者用投票画面を表示し、入力手段20306としてはタッチパネル、報知手段20305としてLCDを使用するが、画面の進行や音声ガイドをスローで再生させる。このように、あらゆる障害に対して選挙人特性IDを付与して入力手段20306と報知手段20305を規定することにより、すべての選挙人001に対して投票モードを提供することが可能になる。尚、実際の投票でどのような報知手段及び入力手段が適しているかは、全国の障害者や高齢者に対して実施した模擬投票実験によって経験的に明らかになったものである。
【0059】
図30は、本実施例における電子投票機203内部の主なデータの流れを示す図である。電子投票機203は選挙人001に対して選挙情報を提供し、一方選挙人001は提供された選挙情報に基づいて電子投票機203に対して投票操作を行なう。電子投票機203による選挙情報の提供は、選挙人特性ID2021に基づいて選択された報知手段20305を介して行われる。提供される情報は、格納手段2035に格納された電子投票プログラム404、候補者画面データ4015、選挙データ402、運用データ403に基づいて行われる。一方、選挙人001の投票操作は、選挙人特性ID2021に基づいて選択された入力手段20306を介して行われる。入力手段20306からの投票内容は、図示しない内部メモリを経由して電磁的記録媒体(原本)408上に投票データ407として記録され、記録したデータを内部メモリとベリファイ(照合)し、確実に記録される。その後に、電磁的記録媒体(原本)408から原本データを読み出して、電磁的記録媒体(複製)409に記録を行なう。
【0060】
図31は、本実施例における電子投票機203による投票の終了の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS1301において投票時間内における最後の選挙人001の投票が終了すると、電磁的記録媒体408に蓄積された投票ログ4075から所定のデータ(現公職選挙法における投票録に準ずる内容のデータ)を抽出し(ステップS1303)、平面表示手段2031上に表示される(S1304)。その後、電子投票機203の電源が切断され(ステップS1305)、電子投票機203背面の電磁的記録媒体記録読取手段(原本用)20303から投票管理者の手によって電磁的記録媒体(原本)408が取り出され、投票立会人とともに封印される(ステップS1306)。同様に、電磁的記録媒体(複製)409についても電磁的記録媒体記録読取手段(複製用)20304から取り出され、所定の封印容器に封印される(ステップS1307)。さらにプリンタ2034により印字された印字媒体410も取り出され、封印される(ステップS1308)。これらの3種類のメディア(電磁的記録媒体(原本)408、電磁的記録媒体(複製)409、印字媒体410)は、投票データ収集端末301のある開票所システム300に向けて送致される(ステップS1309)。送致の方法は、現行の自書式投票における投票箱の搬送のような物理的輸送手段を用いる場合には、3種類のメディア(電磁的記録媒体(原本)408、電磁的記録媒体(複製)409、印字媒体410)を、各々異なる搬送者により、送致するのが好ましい。一方、先に述べたような、本発明をネットワーク型システムとして実施する場合においては、各メディアの封印のステップを省略し、投票所システム内において、電磁的記録媒体(原本)から全てのデータを読み出して、開票所システムに向け一括して送信するように構成すればよい。
【0061】
図32は、本実施例における投票データ収集の流れを示すフローチャートである。
搬送者(投票管理者及び投票立会人)による投票所200から開票所300への輸送(あるいはネットワークによる伝送)が完了すると(ステップS1351)、開票所では開票管理者によって開票立会人とともに電磁的記録媒体(原本)408が開封され(ステップS1352)、投票データ収集端末301の図示しない読み取り手段に挿入される(ステップS1353)。そして、電磁的記録媒体(原本)408から投票データ407を読み込み(ステップS1354)、正常に読み取られると(ステップS1355の「Yes」)、投票データ収集端末301の格納手段(不図示)に書き込まれる(ステップS1356)。もし、万一電磁的記録媒体(原本)408の読み取りエラーは発生した場合には(ステップS1355の「No」)、電磁的記録媒体(複製)409を開封し(ステップS1357)、投票データ収集端末301の図示しない読み取り手段に挿入し(ステップS1358)、投票データ407が読み込まれる(ステップS1359)。ここで、正常に読み取られると(ステップS1360の「Yes」)、投票データ収集端末301の格納手段(不図示)に書き込まれる(ステップS1312)。万一、電磁的記録媒体(複製)409の読み取りも不能であった場合には、その電磁的記録媒体(原本)408及び電磁的記録媒体(複製)409に記録した電子投票機203による投票は無効とせざるを得ない(ステップS1361)。この場合の対処は、電子投票実施に先立って改正が見込まれる公職選挙法の内容あるいは法解釈に委ねられるが、ひとつの解決策としては、印字媒体410に記録された印字内容を電子投票における投票データ407の一形態として認めるという運用形態が考えられる。
【0062】
図33は、本実施例における投票データ収集のプロセスの一例を模式的に表した図である。電子投票機203から投票データ収集端末301に対して、投票データ407及び投票ログ4075が送致される。投票データ407及び投票ログ4075は、電磁的記録媒体記録読取手段(原本用)20303及び電磁的記録媒体記録読取手段(複製用)20304から取り出された電磁的記録媒体(原本)408、電磁的記録媒体(複製)409により物理的に輸送され(あるいは、電磁的記録媒体(原本)408、電磁的記録媒体(複製)409に記録されたデータを読み出して電気通信回線によりネットワーク伝送され)、開票所300に送致される。
【0063】
図34は、本実施例における投票所システム200設置された電子投票機203から開票所システム300に設置された投票データ収集端末301に対して電磁的記録媒体(原本)を送致する際に、電磁的記録媒体(原本)408に記録されたデータの一例を示す図である。投票日前日に記録されていた電子投票プログラム404、候補者画面デ−タ401、選挙データ402の後に、投票日に投票データ(原本)407と投票ログ4075とが追加記録された形になっている。
【0064】
図35は、本実施例における電子投票機203から投票データ収集端末301に送致される際に、電磁的記録媒体(複製)409に記録されたデータの一例を示す図である。こちらも、投票日前日に記録されていた運用データ403の後に、投票日に投票データ(複製)と投票ログ4075が追加記録された形になっている。
【0065】
図36は、本実施例における投票データ407を構成する要素データの一例を示す図である。投票データは、投票された候補者名だけでなく、以下のような付帯情報を要素データとして含むことが好ましい。すなわち、投票が行われた地域を示す市区町村ID、何処の投票所で投票されたものかを示す投票所ID、何処の発券装置202が発券した投票カード406によって投票されたものかを示す発券装置ID,投票カード406に記録された発券番号、指定投票所による投票、不在者投票、巡回投票等の投票種別を示すコード、選挙の種類を識別する選挙種別ID,選挙区を識別する選挙区ID,そして投票された候補者を識別する候補者IDである。投票データをこのようなデータの組として構成することにより、収集した電磁的記録媒体に記録された候補者IDが、複数同日選挙のうちどの選挙に対する投票であるのか、何時、何処の投票所で投票されたものであるか、あるいは何処の電子投票機によるものか等を識別することができる。
【0066】
図37は、本実施例における投票データ407を集計する流れを示すフローチャートである。集計は、開票所システム300における投票データ集計・分析端末302によって行い、複数台の投票データ収集端末301とネットワーク接続するように構成することができる。投票データ407を読み込むのに先立って、まずステップS1401において、選挙管理端末102から送致された運用データ403を読み込み、投票データ407の読み込みが可能な状態にする。次に、候補者サーバ103から送致された候補者データ401を読み込み、開票すべき候補者リストを用意する(ステップS1402)。そして複数の投票データ収集端末を識別する変数Nに1を代入し(ステップS1403)、N=1番目の投票データ収集端末301上の投票データ407を参照し(ステップS1404)。ステップS1405において、投票データ集計・分析端末302に投票データ407を伝送し、図示しない格納手段上に記録する。N=1番目の投票データ収集端末301上における投票データの記録が終了すると、変数NにN+1を代入し、Nが投票データ収集端末301の総数と一致するまで継続して、投票データ407の記録を行なう(ステップS1407の「No」)。投票データ集計・分析端末302における図示しない格納手段に対して、すべての投票データ収集端末301上における投票データ407の記録が終了すると(ステップS1407の「Yes」)、投票データ集計・分析端末302により、投票データ407の集計を行い、即日開票を行なう。
【0067】
尚、本実施例の電子投票システムが下記する如くの各構成を含んでいることは、上記に説明した通りである。
すなわち、
(1)選挙における電子投票の際、選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機203において、
前記候補者に係る選挙情報4015、402を有する選挙情報記録部と、
前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラム404と、
前記選挙人の選挙人特性2021を記録した第1の記録媒体406を読み取り、投票が終了した選挙の種類2022を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段2032と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段20305と、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段20306と、
前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体408に記録し原本データ407を生成する第2の記録読取手段20303と、
前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体409に記録する第3の記録読取手段20304とを有することを特徴とする電子投票機。
(2)上記(1)記載の電子投票機において、
第1、第2、及び第3の記録媒体406、408、409は可搬性を有する電磁的記録媒体であって、
第1、第2及び第3の記録読取手段2032、20303、20304が、前記第1、第2及び第3の記録媒体を着脱可能な着脱機構を有し、
前記着脱機構を被覆し、少なくとも前記第2及び第3の記録媒体の着脱を制限する施錠手段2030とをさらに有することを特徴とする電子投票機。
(3)上記(1)記載の電子投票機において、
選挙人001による前記電子投票機の操作を記録した投票ログ4075を第2の記録媒体408及び/又は第3の記録媒体409に記録する機能をさらに有することを特徴とする電子投票機。
(4)上記(1)記載の電子投票機において、
第2の記録媒体408に生成された原本データ407を読み出し、前記第1、第2又は第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体410に記録する記録手段2034をさらに有することを特徴とする電子投票機。
(5)上記(1)又は(4)記載の電子投票機において、
第4の記録媒体410が可搬性を有する印字記録媒体であることを特徴とする電子投票機。
(6)上記(1)記載の電子投票機において、
級別の視覚障害と、聴覚障害と、肢体不自由と、内部障害とのいずれか1の組み合わせにより、選挙人特性2021を規定する機能と、
平面表示手段2031と、拡声手段2033と、第1接続手段2038に接続した触覚表示手段と、第2接続手段2039に接続した局所音声伝達手段と、第3接続手段20302に接続した局所平面表示手段のいずれかの組み合わせにより、報知手段20305を構成する機能と、
タッチパネル入力手段2031と、前記第1接続手段に接続したキーボードと、第4接続手段2037に接続したスイッチとのいずれか1により、入力手段20306を構成する機能とをさらに有することを特徴とする電子投票機。
(7)選挙における電子投票の際、選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機203を利用した投票方法において、
前記候補者に係る選挙情報402、4015を有する選挙情報記録部を読み取るステップS1006、S1008と、
前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラム404を読み取るステップS1010と、
前記選挙人の選挙人特性2021を記録した第1の記録媒体406を読み取るステップS1205a〜S1205dと、
前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知するステップS1210,S1212と、前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力するステップS1211、S1214と、
前記選挙人が前記入力態様により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体408に記録し原本データ407を生成するステップS1215、S1216と、
前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる前記原本データを第3の記録媒体に記録するステップS1218と、
投票が終了した選挙の種類2022を前記第1の記録媒体406に記録するステップS1222とを有することを特徴とする投票方法。
(8)上記(7)記載の投票方法において、
電子投票機203に対する選挙人001の操作を記録した投票ログ4075を第2の記録媒体408及び/又は第3の記録媒体409に記録するステップをさらに有することを特徴とする投票方法。
(9)上記(7)記載の投票方法において、
第2の記録媒体408に生成された原本データ407を読み出し、第1、第2又は第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体410に記録するステップS1220とをさらに有することを特徴とする投票方法。
(10)上記(7)又は(9)記載の投票方法において、
第4の記録媒体は可搬性を有する印字記録媒体410であることを特徴とする投票方法。
(11)上記(7)記載の投票方法において、
級別の視覚障害と、聴覚障害と、肢体不自由と、内部障害とのいずれか1の組み合わせにより、選挙人特性を規定するステップにより投票カードに記録された選挙人特性を読み取るステップS1205a〜S1205dと、
平面表示手段と、拡声手段と、第1接続手段に接続した触覚表示手段と、第2接続手段に接続した局所拡声手段と、第3接続手段に接続した局所平面表示手段のいずれかの組み合わせにより、報知手段を構成するステップS1205a2〜1205d2と、
タッチパネル入力手段と、第1接続手段に接続したキーボードと、第4接続手段に接続したスイッチとのいずれか1により、入力手段を構成するステップS1205a2〜1205d2とをさらに有することを特徴とする投票方法。
(12)電子投票における選挙人001の選挙人特性2021に応じて電子投票機203を動作させるためのコンピュータプログラム404及びデータ402、4015が記録された記録媒体408において、
前記記録媒体に記録された候補者画面データ4015と、選挙データ402と、電子投票プログラム404とにより、選挙人に対し選挙情報を報知する機能と、前記選挙人が選択した候補者入力手段による入力を受け付ける機能と、
前記選挙人が入力した候補者を前記記録媒体に記録して照合することにより投票データ407を生成する機能とを前記電子投票機に実現させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(13)上記(12)記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
選挙種別の識別子を記録した第1のデータと、
選挙人が投票した候補者の識別子を記録した第2のデータとを投票データ407が少なくとも有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(14)電子投票による選挙の投票開始前に電子投票機にデータを導入するためのコンピュータプログラムにおいて、
選挙データ402を読み取り、前記電子投票機の格納手段2035上に複製を作成する機能と、
候補者画面データ4015を読み取り、前記格納手段上に複製を作成する機能と、
電子投票プログラム404を読み取り、前記格納手段上に複製を作成する機能と、
前記格納手段上に認証データ403の複製を作成する機能とを前記電子投票機に実現させることを特徴とするコンピュータプログラム436。
(15)選挙における電子投票の際、選挙人001が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体408を有する電子投票機203における電子投票プログラムにおいて、
前記選挙人が投票カード記録読取手段に挿入した第1の記録媒体406に記録された認証キー403を確認する機能と、
前記第1の記録媒体に記録された選挙人特性2021を読み取る機能と、
前記選挙人特性に対応する候補者画面データ4015を参照する機能と、
前記候補者画面データに応じた報知手段を選択する機能と、
前記候補者画面データに応じた入力手段を選択する機能と、
複数同日選挙における選挙識別コードを読み取る機能と、
前記選挙識別コードのフラグ2022を識別し投票の可否を判断する機能と、
前記フラグが投票可能状態であった場合に、候補者の一覧を前記選挙人に報知する機能と、
前記選挙人が候補者一覧から選択し入力を行ったかどうかを判断する機能と、
選択候補者を前記選挙人に報知する機能と、
前記選挙人が前記選択候補者の確認入力を行ったかどうかを判断する機能と、
前記確認入力がなされた場合、前記第1の記録媒体と異なる第2の記録媒体408に投票データ407を記録する機能と、
記録された前記投票データを内部記憶手段と比較し照査する機能と、
前記第2の記録媒体に記録された前記投票データを読み出し、前記第1及び第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体409に記録する機能と、
前記選挙人001の電子投票機203に対する投票ログ4075を前記第2の記録媒体または/及び前記第3の記録媒体に記録する機能と、
投票が終了した前記選挙識別コードのフラグ2022を投票済状態に書き換え、前記第1の記録媒体に記録する機能と、
前記フラグが投票可能状態にある他の複数同日選挙の有無を判断する機能と、
投票可能状態の選挙が無と判断した場合に、投票が終了したことを選挙人に報知し、前記第1の記録媒体を排出する機能と、
前記電子投票機の終了時において前記投票ログ4075から所定の情報を抽出し、前記情報を平面表示手段2031に表示する機能とを前記電子投票機に実現させることを特徴とするコンピュータプログラム404。
(16)上記(15)記載のコンピュータプログラムにおいて、
選挙人001が入力した候補者を第1、第2及び第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体410に記録するさらなる機能を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム417。
(17)選挙における候補者受付に係る処理手段を有する前工程システム100と、選挙人による投票に係る処理手段を有する投票所システム200と、投票データの開票に係る処理手段を有する開票所システム300とから構成され、互いのシステムの間でデータの搬送を行なう電子投票システムにおいて、
前記前工程システム及び/又は前記投票所システム及び/又は前記開票所システムが前記データを電磁的記録媒体に記録する記録読取手段と、前記データの移送手段とを有することを特徴とする電子投票システム。
(18)上記(17)記載の電子投票システムにおいて、
候補者を登録し、候補者データ401を作成する手段101と、
選挙を管理し、選挙データ402を作成する手段102と、
前記候補者データと選挙データに基づき投票所毎の候補者画面データ4015を作成する手段104と、
第2の記録媒体408又は第3の記録媒体409に前記候補者画面データと前記選挙データと電子投票プログラム404とを記録する手段とを、前工程システム100が少なくとも有することを特徴とする電子投票システム。
(19)上記(17)又は(18)記載の電子投票システムにおいて、
第1の記録媒体406に選挙人の選挙人特性2021を記録する発券システム201、202と、
前記第1の記録媒体の第1記録読取手段2034と、第2の記録媒体408の第2記録読取手段20303と、第3の記録媒体409の第3記録読取手段20304とを有し、前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を第2の記録媒体に記録し原本データを生成する第1の記録手段と、前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを第3の記録媒体に記録する第2の記録手段と、投票が終了したことを前記第1の記録媒体に記録する手段とを少なくとも有する投票システムとを投票所システム100が少なくとも有することを特徴とする電子投票システム。
(20)上記(17)乃至(19)のいずれか1に記載の電子投票システムにおいて、
投票所システム200から送致された投票データ407の収集手段301と、
前記収集手段で収集された前記投票データを集計し開票結果を出力する集計手段302とを、開票所システム300が少なくとも有することを特徴とする電子投票システム。
(21)電子的に投票を受け付ける電子投票機203であって、
この電子投票機が受け付けた一連の投票の結果を、原本として所定の原本用記録媒体408に書き込む手段20303と、
前記原本として書き込んだ一連の投票の結果を前記原本用記録媒体408から読み出して、副本として所定の副本用記録媒体409に書き込む手段とを備え、前記各記録媒体408、409に書き込んだ原本と副本とを用いて前記一連の投票の結果の保全を行なうことを特徴とする電子投票機203、である。
【0068】
本発明は以下の効果を発揮する。すなわち、投票所において、投票データを電磁的記録媒体に記録して照合することにより原本データを生成し、さらに原本データを読み出して異なる媒体に記録するように構成することにより、脆弱な電子データを確実に記録・保持できるという効果がある。
また候補者受付に係る前工程システムと投票所と開票所の間で、データを二重化して送致を行なう為、開票所に確実にデータを伝送でき、選挙を適正かつ公正に執行するのに少なくとも現行の自書式投票と同等のセキュリティを確保できるという効果がある。
【0069】
また、投票所において、電子投票機に対する選挙人の操作を投票ログとして、電磁的記録媒体に記録することにより、選挙終了後における疑義や争訟において信頼できる証拠を提示することができ、選挙の公正さを保証できるという効果がある。
【0070】
また、安価で軽量なメモリカード等を投票用紙の代替物として用いて投票の記録原本を生成することにより、国や地方自治体が比較的容易かつ低コストで電子投票システムを導入できるという効果がある。
【0071】
また、投票データを記録した可搬性のある電磁的記録媒体を開票所に送致する際に搬送者による物理的な輸送手段をとる場合には、封印された記録媒体の搬送に現行の投票箱を流用でき、国や地方自治体の選挙管理者の手により容易にシステムを構築でき、自書式投票から電子投票への移行がスムーズに行なえるという効果がある。
【0072】
また、前工程システム、投票所システム、開票所システムの各拠点を電気通信回線によりネットワーク接続した場合においても、各システム内における電磁的記録媒体(原本)又は電磁的記録媒体(複製)に蓄積されたデータを一括して読み出して、オンラインで伝送することにより、媒体を介さず常時接続する従来のネットワーク型システムに比較して、ネットワーク障害に対するデータ消失の危険度の低いネットワーク型システムを構築できるという効果がある。
【0073】
さらに、このようなデータの信頼性が確保された電子投票システムを、特にバリアフリー化された電子投票機を用いて行なうことにより、選挙人の障害の種類、程度に関われず、すべての選挙人が安心して公正かつ適正な投票を確実に行なうことができるようになるという効果を奏する。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明は、電子的に投票を受け付ける電子投票機であって、この電子投票機が受け付けた一連の投票の結果を、原本として所定の原本用記録媒体に書き込む手段と、原本として書き込んだ一連の投票の結果を原本用記録媒体から読み出して、副本として所定の副本用記録媒体に書き込む手段とを備え、各記録媒体に書き込んだ原本と副本とを用いて一連の投票の結果の保全を行なうことを特徴とする電子投票機とすることにより、電子投票における電子的な投票データを確実に記録可能であり、かつ投票データが開票所で集計されるまで確実に保持可能であり、一度しか行なうことのできない選挙を適正かつ公正に執行するのに少なくとも現行の自書式投票と同等のセキュリティを確保できる電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態の好ましい実施例である電子投票システムの構成図である。
【図2】 本実施例の候補者データベース作成の流れを示すフローチャートである。
【図3】 本実施例の選挙データベース作成の流れを示すフローチャートである。
【図4】 本実施例の候補者画面データ作成の流れを示すフローチャートである。
【図5】 本実施例のリレーショナルデータベースのファイル構造の一例を示す図である。
【図6】 本実施例の候補者データベースの一例を示す図である。
【図7】 本実施例の候補者所属団体データベースの一例を示す図である。
【図8】 本実施例の投票所データベースの一例を示す図である。
【図9】 本実施例の固定画面要素データベースの一例を示す図である。
【図10】 本実施例の可変画面要素データベースの一例を示す図である。
【図11】 本実施例の表示メッセージデータベースの一例を示す図である。
【図12】 本実施例の電磁的記録媒体(原本)へのデータ書き込みの流れを示すフローチャートである。
【図13】 本実施例の電磁的記録媒体(複製)へのデータ書き込みの流れを示すフローチャートである。
【図14】 本実施例の電磁的記録媒体(原本)の記録情報(但し候補者サーバから電子投票機への送致時)の一例を示す図である。
【図15】 本実施例の電磁的記録媒体(複製)の記録情報(但し候補者サーバから電子投票機への送致時)の一例を示す図である。
【図16】 本実施例の電子投票機へのデータ伝送の流れを示すフローチャートである。
【図17】 本実施例の電子投票機へのデータのダウンロードの一例を示す図である。
【図18】 本実施例の運用データの一例を示す図である。
【図19】 本実施例の電子投票機の一例を示す前方斜視図である。
【図20】 本実施例の電子投票機の一例を示す後方斜視図である。
【図21】 本実施例の電子投票機の一例を示す背面図である。
【図22】 本実施例の電子投票機の一例を示す上面図である。
【図23】 本実施例の電子投票機の一例を示す正面図である。
【図24】 本実施例の電子投票機のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図25】 本実施例の投票カード発券の流れを示すフローチャートである。
【図26】 本実施例の投票カードの一例を示す図である。
【図27】 本実施例の電子投票操作の流れを示すフローチャートである。
【図28】 本実施例の電子投票操作の流れを示すフローチャートの続きである。
【図29】 本実施例の選挙人特性と投票モード(報知/入力手段)の一例を示す図である。
【図30】 本実施例の電子投票機内部におけるデータの流れの一例を示す図である。
【図31】 本実施例の電子投票機による投票の終了の流れを示すフローチャートである。
【図32】 本実施例の投票データ収集の流れを示すフローチャートである。
【図33】 本実施例の投票データ収集の一例を示す図である。
【図34】 本実施例の電磁的記録媒体(原本)の記録情報(但し電子投票機から投票データ収集端末への送致時)の一例を示す図である。
【図35】 本実施例の電磁的記録媒体(複製)の記録情報(但し電子投票機から投票データ収集端末への送致時)の一例を示す図である。
【図36】 本実施例の投票データの一例を示す図である。
【図37】 本実施例の投票データ集計の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 前工程システム
101 候補者情報管理端末
102 選挙管理端末
103 候補者サーバ
104 候補者画面作成端末
200 投票所システム
201 投票受付機
202 発券装置
203 電子投票機
300 開票所システム
301 投票データ収集端末
302 投票データ集計・収集端末
401 候補者データ
402 選挙データ
403 運用データ
404 電子投票プログラム
406 投票カード
407 投票データ
408 電磁的記録媒体(原本)
409 電磁的記録媒体(複製)
410 印字媒体
411 オペレーティングシステム(OS)
412 シリアルI/O制御プログラム
413 ウィンドウシステム
414 ファイルシステム
415 投票カード制御プログラム
416 タッチパネル制御プログラム
417 プリンタ制御プログラム
418 ジャンクションボックス制御プログラム
431 投票カード読取部
432 選挙データ読込部
433 投票画面作成部
434 投票データ記録部
435 投票制御部
436 ダウンロードプログラム
1031 格納手段
2021 選挙人特性ID
2022 投票フラグ
2030 リアパネルカバー
2031 タッチパネル付LCD
2032 投票カード記録読取手段
2033 スピーカ
2034 プリンタ
2035 格納手段
2036 LCD角度調整アーム
2037 バリアフリー用補助スイッチ端子
2038 バリアフリー用補助キーボード端子
2039 バリアフリー用ヘッドホン端子
4015 候補者画面データ
4075 投票ログ
20301 状態表示ランプ
20302 バリアフリー用ヘッドマウントディスプレイ端子
20303 電磁的記録媒体記録読取手段(原本用)
20304 電磁的記録媒体記録読取手段(複製用)
20305 報知手段
20306 入力手段

Claims (4)

  1. 選挙における電子投票の際、選挙人が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機において、
    前記候補者に係る選挙情報を有する選挙情報記録部と、
    前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラムと、
    前記選挙人の選挙人特性を記録した第1の記録媒体を読み取り、投票が終了した選挙の種類を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段と、
    前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段と、
    前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段と、
    前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体に記録し原本データを生成する第2の記録読取手段と、
    前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体に記録する第3の記録読取手段とを有し、
    前記第1、第2、及び第3の記録媒体は可搬性を有する電磁的記録媒体であって、
    前記第1、第2及び第3の記録読取手段が、前記第1、第2及び第3の記録媒体を着脱可能な着脱機構を有し、
    前記着脱機構を被覆し、少なくとも前記第2及び第3の記録媒体の着脱を制限する施錠手段とをさらに有することを特徴とする電子投票機。
  2. 選挙における電子投票の際、選挙人が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機において、
    前記候補者に係る選挙情報を有する選挙情報記録部と、
    前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラムと、
    前記選挙人の選挙人特性を記録した第1の記録媒体を読み取り、投票が終了した選挙の種類を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段と、
    前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段と、
    前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段と、
    前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体に記録し原本データを生成する第2の記録読取手段と、
    前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体に記録する第3の記録読取手段とを有し、
    前記第2の記録媒体に生成された原本データを読み出し、前記第1、第2又は第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体に記録する記録手段をさらに有することを特徴とする電子投票機。
  3. 選挙における電子投票の際、選挙人が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機において、
    前記候補者に係る選挙情報を有する選挙情報記録部と、
    前記選挙情報を前記選挙人に報知するコンピュータプログラムと、
    前記選挙人の選挙人特性を記録した第1の記録媒体を読み取り、投票が終了した選挙の種類を前記第1の記録媒体に記録する第1の記録読取手段と、
    前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した報知態様により、前記選挙人に前記選挙情報を報知する報知手段と、
    前記選挙人特性に基づいて前記コンピュータプログラムが選択した入力態様により、前記選挙人が選択した候補者を入力する入力手段と、
    前記選挙人が前記入力手段により入力した候補者を前記第1の記録媒体とは異なる第2の記録媒体に記録し原本データを生成する第2の記録読取手段と、
    前記第2の記録媒体に記録された前記原本データを読み出し、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体に記録する第3の記録読取手段とを有し、
    前記第2の記録媒体に生成された原本データを読み出し、前記第1、第2又は第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体に記録する記録手段をさらに有すると共に、前記第4の記録媒体が可搬性を有する印字記録媒体であることを特徴とする電子投票機。
  4. 選挙人が操作することにより選択した候補者を電磁的に記録可能な記録媒体を有する電子投票機を用いて電子投票を実行するための、コンピュータプログラムであって、
    前記選挙人が投票カード記録読取手段に挿入した第1の記録媒体に記録された認証キーを確認するステップと、
    前記第1の記録媒体に記録された選挙人特性を読み取るステップと、
    前記選挙人特性に対応する候補者画面データを参照するステップと、
    前記候補者画面データに応じた報知手段を選択するステップと、
    前記候補者画面データに応じた入力手段を選択するステップと、
    複数同日選挙における選挙識別コードを読み取るステップと、
    前記選挙識別コードのフラグを識別し投票の可否を判断すると、前記フラグが投票可能状態であった場合に、候補者の一覧を前記選挙人に報知するステップと、
    前記選挙人が候補者一覧から選択し入力を行ったかどうかを判断するステップと、
    選択候補者を前記選挙人に報知するステップと、
    前記選挙人が前記選択候補者の確認入力を行ったかどうかを判断するステップと、
    前記確認入力がなされた場合、前記第1の記録媒体と異なる第2の記録媒体に投票データを記録するステップと、
    記録された前記投票データを内部記憶手段と比較し照査するステップと、
    前記第2の記録媒体に記録された前記投票データを読み出し、前記第1及び第2の記録媒体のいずれとも異なる第3の記録媒体に記録するステップと、
    前記選挙人の電子投票機に対する投票ログを前記第2の記録媒体または/及び前記第3の記録媒体に記録するステップと、
    投票が終了した前記選挙識別コードのフラグを投票済状態に書き換え、前記第1の記録媒体に記録するステップと、
    前記フラグが投票可能状態にある他の複数同日選挙の有無を判断するステップと、
    投票可能状態の選挙が無と判断した場合に、投票が終了したことを選挙人に報知し、前記第1の記録媒体を排出するステップと、
    前記電子投票機の終了時において前記投票ログから所定の情報を抽出し、前記情報を平面表示手段に表示するステップとを有し、
    前記選挙人が入力した候補者を前記第1、第2及び第3の記録媒体のいずれとも異なる第4の記録媒体に記録するステップをさらに有することを特徴とするコンピュータプログラム。
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