JP3982923B2 - デジタル放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送受信機に関し、特に、複数局のデジタル放送を受信するためのデジタル放送受信機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
有料の衛星デジタル放送が開始されている。有料の放送受信は、いわゆる限定受信方式が採用されている。限定受信方式の衛星デジタル放送を視聴するためには、所定の受信契約を行い、当該デジタル放送を受信する専用の受信機を購入することが必要である。放送事業者は、各視聴者に受信契約内容に沿った番組を提供するべく、衛星から番組放送の他に、個別情報(契約情報、個人宛メッセージ等)や番組情報をも各視聴者の個々に宛てて送出する。視聴者は各放送の専用の受信機を使用し、個別情報や番組情報を受信して記憶する。デジタル放送受信機は、例えば、契約情報やスクランブルを解除する鍵を記憶したICカードの内容を参照してスクランブル処理されたデータをデコードし、映像や音声を再生する。
【0003】
ところで、デジタル放送衛星は複数存在し、また、地上波によるデジタル放送も予定されている。デジタル放送では、番組プログラムと共に、個別情報や番組情報(例えば、電子番組表)を各視聴者の個々に宛てて送出している。これ等情報をデジタル放送受信機が常に受信し、スクランブルの解除鍵や電子番組表を更新して記憶している。視聴者は、番組プログラムの視聴の有無に拘らず、デジタル放送を受信し、個別情報等をデコードしていないと、番組を見れなくなる状態が生じ得る。このため、複数のデジタル放送を視聴する場合には、複数のデジタル放送受信機の各々に待機状態でも一定の回路に回路電源が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デジタル放送を行う各衛星局や各地上局に対応してデジタル放送受信機を個別に設けるのは、費用がかかり、セット全体の消費電力も大きく不具合である。
【0005】
また、通常、一台のテレビ受像機(モニタ)で再生することになろうが、複数のデジタル放送受信機やデジタルソースの再生装置の各出力とテレビ受像機との接続切換が必要となって手間がかかる。
【0006】
また、一つのデジタル放送受信機で複数のデジタル放送を受信するために、各放送局に向けた複数のアンテナの出力のいずれかを選択し、選択された出力をチューナ及び受信回路にて復調する構成が考えられるが、この構成では、受信中の放送局との個別情報や番組情報しか得られず、非選択(受信)局についての個別情報や番組情報が更新されない。このため、受信する放送局を非選択局に切換えたときに、契約情報を取得するまでの間受信できなくなるという不具合がある。
【0007】
また、デジタル放送の方式が衛星放送、地上放送、有線放送、蓄積系メディア、通信系メディアとの整合性を図るべくパケット多重を用いたトランスポートストリーム(MPEG2)を採用することにより、マルチメディア対応をなさんとしている。
【0008】
しかし、放送事業者が限定受信方式を採用している場合には、契約情報等の取得、更新が必要であり、ソースの切換から視聴可能となるまで長時間を要することが予想され、マルチメディア対応のデジタル放送受信機(AV装置)の実現が困難となる。
【0009】
よって、本発明の第1の目的は、複数の放送や情報記録媒体を一つの装置で再生することを可能とするために、1の受信システムで限定放送方式の複数放送局の個別情報を受信可能としたデジタル放送受信機を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、複数のデジタル放送局の番組情報を一つの装置で受信可能としたデジタル放送受信機を提供することである。
【0011】
本発明の3の目的は、1の受信システムで情報蓄積媒体からの再生と限定放送方式のデジタル放送の受信とを可能とするデジタル放送受信機を提供することである。
【0012】
本発明の第4の目的は、番組プログラム提供源(ソース)切換の高速化を図るデジタル放送受信機を提供する。
【0013】
本発明の第5の目的は、契約情報や番組情報の取得のために常時動作しているデジタル放送受信機のスタンバイ時(待機状態あるいは非視聴時)における省電力を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のデジタル放送受信機は、第1のデジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第1のトランスポートストリームを復調する第1の復調回路(12a,13a)と、第2のデジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第2のトランスポートストリームを復調する第2の復調回路(12b,13b)と、上記復調された第1及び第2のトランスポートストリームの全部叉は一部のパケットを多重化して、多重化トランスポートストリームを形成するマルチプレクサ回路(15)と、各復調回路と上記マルチプレクサ回路との間に設けられて、上記第1及び第2のトランスポートストリームの各パケットを各トランスポートストリーム毎に区別可能とするために少なくともいずれかのトランスポートストリームのパケットに識別情報を付加する前処理回路(14a,14b)と、上記多重化トランスポートストリームから各デジタル放送の個別情報及び番組情報を取得するデマルチプレクサ回路(19)と、を含む。
【0015】
かかる構成とすることによって、複数のデジタル放送の個別情報、番組情報を一台のデジタル放送受信機で同時に受信し、取得することが可能となる。
【0016】
また、本発明のデジタル放送受信機は、情報記録媒体からビデオ、音声及びデータのうち少なくともいすれかを担う一連のパケットを含む第1のトランスポートストリームを再生する情報記録媒体再生装置(100)と、デジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第2のトランスポートストリームを復調する復調回路(13a,14a、叉は13b,14b)と、上記第1及び第2のトランスポートストリームの各パケットを各トランスポートストリーム毎に区別可能とするために少なくともいずれかのトランスポートストリームのパケットに識別情報を付加する前処理回路(14a叉は14b、14c)と、上記前処理回路を経た第1及び第2のトランスポートストリームの全部叉は一部のパケットを多重化して、多重化トランスポートストリームを形成するマルチプレクサ回路(15)と、上記多重化トランスポートストリームから前記デジタル放送の個別情報及び番組情報を取得するデマルチプレクサ回路(19)と、を含む。
【0017】
また、本発明のデジタル放送受像機は、情報記録媒体からビデオ、音声及びデータのうち少なくともいすれかを担う一連のパケットを含むプログラムストリームを再生する情報記録媒体再生装置(100)と、デジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第1のトランスポートストリームを復調する復調回路(13a,14a、叉は13b,14b)と、上記プログラムストリームを第2のトランスポートストリームに変換し、上記第1及び第2のトランスポートストリームの各パケットを各トランスポートストリーム毎に区別可能とするために少なくともいずれかのトランスポートストリームのパケットに識別情報を付加する前処理回路(14a〜14c)と、上記前処理回路を経た第1及び第2のトランスポートストリームの全部叉は一部のパケットを多重化して、多重化トランスポートストリームを形成するマルチプレクサ回路(15)と、上記多重化トランスポートストリームから前記デジタル放送の個別情報及び番組情報を取得するデマルチプレクサ回路(19)と、を含む。
【0018】
かかる構成とすることによって、情報記録媒体に記録されたビデオやオーディオプログラムを再生中に、デジタル放送を受信して、個別情報、番組情報を更新することが出来る。それにより、デジタル情報のソースをデジタル放送に切換え後、直ちにデジタル放送を視聴することが可能となる。
【0019】
好ましくは、上記前処理回路は、上記トランスポートストリームのパケットヘッダに上記識別情報を付加する。
【0020】
好ましくは、上記前処理回路は、上記第2のトランスポートストリームのパケットにのみ上記識別情報を付加する。
【0021】
好ましくは、上記前処理回路は、上記第2のトランスポートストリームのパケットのPID(パケットID)若しくはパケットの未使用のフラグに前記識別情報を付加する。
【0022】
好ましくは、上記前処理回路は、上記第2のトランスポートストリームのパケットから上記個別情報及び上記番組情報を担うパケットを抽出し、抽出したパケットに上記識別情報を付加すると共に、ダミーパケットを挿入して第2のトランスポートストリームを再構成して上記マルチプレクサ回路に供給する。
【0023】
好ましくは、上記マルチプレクサ回路は、上記第2のトランスポートストリームのパケットを上記第1のトランスポートストリームの空きパケットと置換える。
【0024】
好ましくは、上記前処理回路は、第1及び第2の前処理回路を含み、上記第1の前処理回路は、上記第1のトランスポートストリームの視聴されているビデオ情報、上記個別情報及び上記番組情報等の必要なパケットのみを残し、その他のパケットはダミーパケットに置換して第1のトランスポートストリームを再構成し、これを上記マルチプレクサ回路に供給し、上記第2の前処理回路は、上記第2のトランスポートストリームのパケットから上記個別情報及び上記番組情報を担うパケットを抽出し、抽出したパケットに上記識別情報を付加して上記マルチプレクサ回路に供給し、上記マルチプレクサ回路は、上記第2のトランスポートストリームから抽出したパケットを上記第1のトランスポートストリームのダミーパケットと置換える。
【0025】
好ましくは、上記前処理回路は、第1及び第2の前処理回路を含み、上記第1の前処理回路は、上記第1のトランスポートストリームの視聴されていないビデオ情報のパケットをダミーパケットに置換して第1のトランスポートストリームを再構成し、これを上記マルチプレクサ回路に供給し、上記第2の前処理回路は、上記第2のトランスポートストリームのパケットから上記個別情報及び上記番組情報を担うパケットを抽出し、抽出したパケットに上記識別情報を付加して上記マルチプレクサ回路に供給し、上記マルチプレクサ回路は、上記第2のトランスポートストリームから抽出したパケットを上記第1のトランスポートストリームのダミーパケットと置換える。
【0026】
好ましくは、上記前処理回路は、上記第2のトランスポートストリームの伝送レートが上記第1のトランスポートストリームのパケット伝送レートよりも高い場合に上記第2のトランスポートストリームの一部のパケットを捨て、低い場合には上記第2のトランスポートストリームにダミーパケットを付け加える。
【0027】
また、本発明のデジタル放送受信機は、番組プログラムと共に特定者宛の個別情報を含むデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信機において、上記デジタル放送信号を受信して、デジタル信号を復調する復調回路(11,12,13)と、上記デジタル信号から上記個別情報を分離する信号分離回路(19)と、分離された上記個別情報を解読して記憶する信号処理回路(16,17,18)と、上記復調回路(11,12,13)と上記信号分離回路(19)との相互間に設けられ、上記デジタル信号から特定者に宛てられた上記個別情報を検出する検出回路(21)と、受信機の非使用状態(待機状態)において、上記復調回路(11,12,13)及び上記検出回路(21)に電源を供給し、上記個別情報の検出後は、更に、上記信号分離回路(19)及び上記信号処理回路(16,17,18)にも電源を所定時間供給する電源回路(31,32,33)と、を備える。
【0028】
かかる構成とすることにより、デジタル放送受信機の非使用状態において、個別情報を受信すると、個別情報の解読・保持に必要な回路が立ち上げられる。よって、通常、動作させておく回路を減らすことが可能となり、待機状態における電力消費を減少することが可能となる。
【0029】
好ましくは、上述した各デジタル放送は、限定受信方式であり、上記個別情報は、サービス提供者との契約情報あるいはサービス提供者からの個人(受信契約者)宛のメッセージを含む。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のデジタル放送受信機の概略構成を説明するブロック図である。
【0031】
同図において、図示しないデジタル放送を行う第1のデジタル放送衛星は、複数のトランスポンダを搭載している。各トランスポンダから放射される電波には、画像、音声、データのパケットデータが含まれている。これ等電波は、地上に配置されたパラボラアンテナ11aに到来し、高周波信号に変換される。この高周波信号は、トランスポンダ出力の選択を行うチューナ12aによってベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、QPSK復調及びエラー検出・訂正を行う復調誤り訂正部13aによって復調され、、元のパケットデータ(トランスポート・パケット)に戻される。
【0032】
トランスポート・パケットは、パケットデータの内容識別情報を担うヘッダと情報を担うペイロードとによって構成される。トランスポート・パケットの構成例については後述する。
【0033】
なお、トランスポート・パケットのデータの形式としては、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2形式を用いることができる。MPEG2では、デジタル放送等に用いる、トランスポートストリーム(Transport Stream)というマルチプログラム対応の多重・分離方式が規定されている。
【0034】
このトランスポート・パケットのヘッダの所定部分に、複数のトランスポート・ストリームのパケットを区別するべく、前処理回路14aによって第1のトランスポートストリーム(メインストリーム)のパケットであることを示す情報(符号)が書込まれて、信号多重部(マルチプレクサ)15の一方の入力に供給される。
【0035】
同様に、パラボラアンテナ11b、チューナ12b、復調誤訂正部13bによって、第2のデジタル放送衛星の放送電波が受信され、元のパケットデータ(トランスポート・パケット)に復号される。複数のトランスポート・ストリームのパケットを区別するべく、前処理回路14bによって第2のトランスポートストリーム(サブストリーム)のパケットであることを示す情報(符号)がパケットのヘッダに書込まれて、信号多重部15の他方の入力に供給される。
【0036】
更に、必要により、追加機能として、デジタル放送受信機の外部に設けられ、あるいは内蔵される媒体再生装置100から、第3のトランスポートストリームが出力される。媒体再生装置100は、例えば、ビデオ、オーディオ、データ等を記録したCD−ROM、DVD、HDD、デジタルビデオテープ等の情報記録媒体から一連のパケットにより構成されるトランスポートストリームを再生し、出力する。
【0037】
信号多重部15は、メインストリームのパケットとサブストリームのパケット、更には、記録媒体のパケットを時分割的に多重(パケット多重)する。前処理と多重化の例(態様)については、後述する。
【0038】
多重化されたトランスポート・パケットは暗号解除回路(デスクランブラ)16を経てデマルチプレクサ(Demultiplexer)部17のバッファメモリ20に一旦記憶される。スクランブル処理された映像パケットは暗号解除回路16によってデスクランブル(スクランブル解除)処理されて元のデータに戻される。
【0039】
デマルチプレクサ部17は、一連のパケット(多重パケット)のフローの中から、視聴者によって指定されたプログラムのパケットID(PID)を持つ映像データパケット及び音声データパケットを抽出する。そして、それぞれをMPEGビデオデコーダ22のビデオバッファメモリ(図示せず)及びMPEGオーディオデコーダ23のオーディオバッファメモリ(図示せず)に供給する。なお、デジタル放送の方式によっては、オーディオのみMPEG2を使用しない場合がある。例えば、米国の地上波デジタル放送では、オーディオにはドルビー AC−3を使用する。このような場合には、これに対応したオーディオデコーダ23を使用する。ビデオデコーダ22、オーディオデコーダ23のバッファメモリへのデータの書込みをDMA動作によって行うことにより、元の一連の映像データ、音声データを形成する。映像データは図示しないNTSCエンコーダに送られ、輝度信号・色信号(Sビデオ信号)やコンポジットビデオ信号に変換されてテレビモニタ(図示せず)に送られる。また、音声データは図示しない音声デコーダによってD/A変換された後、適当なレベルに増幅されて、左右チャンネル信号(L信号、R信号)としてテレビモニタに供給される。
【0040】
また、デマルチプレクサ部19は、映像データや音声データ以外にも、EPG(Electronic Programme Guide、電子番組ガイド)データやEMM(Entitlement Management Message、個別情報)データ、ECM(共通情報)等を取込み、各トランスポートストリーム(あるいは各デジタル放送)毎に記憶する。EPGデータによって全チャンネル叉は所要チャンネルの番組表が形成され、バッファメモリ20のEPGエリア21に保持される。EPG情報は、例えば、現在時刻から150時間後までの各放送チャンネルの番組に関する情報(例えば、番組のチャンネル、放送時間、タイトル、カテゴリー等)を含んでいる。EPG情報は、頻繁に伝送されてくるのでEPGエリア21には、常に最新のEPGデータの全部叉は一部を保持する。これにより、番組表を利用した番組の選択、番組予約、案内等が可能となる。EPGの詳細は、例えば、特開昭8−29281号等に記載されている。
【0041】
EMMは、デマルチプレクサ部19によって分離された後、CPU51、カードインタフェース17を介してICカード18のCPUに送られる。EMMは個別情報であり、契約情報や個人宛メッセージ等を含んでいる。EMMが契約情報である場合には、ICカード18から「OK」あるいは「NG」が返信される。ICカード18は、視聴者が受信契約を行うことによって事業者から提供される。
【0042】
ECMは、デマルチプレクサ部19によって分離された後、CPU51、カードインタフェース17を介してICカード18の図示しないCPUに送られる。ICカード18から鍵データが返送され、この鍵データを暗号解除回路16にセットすることによってデスクランブルが行われる。
【0043】
上述したデジタル放送受信機の制御系は、制御プログラムを実行するCPU51、デジタル情報ソース(デジタル放送局、記録媒体)の選択、番組指定等を行う入力パネル52、保持すべきデータを記憶するE2PROM53、制御プログラムを保存するROM54、CPUのワークエリアが確保されるRAM55等によって構成される。
【0044】
任意のチャンネルの番組を選択するために、入力パネルを介して視聴者が受信機に指示を行う。これに対応して、CPU51は、後述のNIT(Network Information Table)を見て視聴せんとする番組を提供するチャンネルがあるトランスポンダにチューナをチューニングする。次に、PAT(Program Association Table)を見てそのチャンネルのPMT(Program Map Table )からPIDを取得し、そのチャンネルのPMTから映像と音声とのPIDを得てそのPIDのパケットのみを集めることにより、行われる。
【0045】
この他、制御系には、電話回線を介して課金情報をセンターに送る図示しないモデム等を備える。
【0046】
(パケットの構成)
図2は、トランスポート・パケットの例を示している。デジタル放送のトランスポート・パケットには、例えば、マルチメディアを考慮したMPEG2規格(ISO13818)のトランスポートストリーム(Transport Stream)のパケット(Packet)が使用される。
【0047】
トランスポート・パケット構成は、パケットデータの内容識別情報を担う4バイト(Byte)ヘッダと、184バイトのペイロードとからなり、トータル188バイトによって構成されている。トランスポートストリームでは、一例を挙げると、このパケットが毎秒約20,000パケット送られてくる。後述するヘッダ内のアダプテーションフィールド制御フラグの値によってペイロードの一部、或いは全部がアダプテーションフィールド(追加ヘッダ)として使用されることがある。トランスポートストリームを伝送するデータには、番組情報、個別情報等を送る"セクション"や映像・音声等を送る"PES"といったデータ形式があり、それぞれ内容毎に割当てられたPIDのパケットのペイロードにのせられて送信される。例えば、後述の、NITはPID=0x0010、EITはPID=0x0012等である。"セクション"や"PES"データが1パケット内に入らないときは、複数のパケットに分割される。このときはデータの先頭が含まれるパケットのみ開始インジケータ="1"となる。
【0048】
(パケットヘッダの内訳)
・パケット同期バイト 8bit :パケット同期に使用(0x47固定)する。
【0049】
・エラーインジケータ 1bit :パケット内にエラーがある時"1"である。
【0050】
・開始インジケータ 1bit :新たなセクション、PESデータ等の先頭が含まれることを示す。
【0051】
・トランスポート優先度 1bit :重要データの時"1"に設定される。
【0052】
・PID(Packet Identification) 13bit : パケットID(パケットの識別)、該当パケットの個別ストリームの属性を示す。なお、PID=0x1FFFは無効パケット(ダミーパケット)である。
【0053】
・スクランブル制御 2bit :課金制御用フラグ。このパケットのペイロードのスクランブルの有無、種別を示す。
【0054】
・アダプテーションフィールド制御 2bit :アダプテーションフィールドの有無及びペイロードの有無を示す。
【0055】
・連続性指標(巡回カウンタ) 4bit :PID毎にパケットの重複を調べる。重要なパケットは同じ内容で連続して送されることがある。
【0056】
(ペイロードの中身)
PES/Sectionにもそれぞれの形式のヘッダーがある。PESのペイロード内にはさらにESがのせられて送られる。Sectionの内容はそれぞれのテーブル毎に規定された文法にしたがって記述される。
【0057】
(a) PES(Packetized Elementary Stream)形式のデータ
映像/音声等、いつ表示するのか時間との関連性のあるデータに用いられる。
【0058】
・Video ES (Elementary Stream) :圧縮された映像データ
・Audio ES (Elementary Stream) :圧縮された音声データ
・その他にクローズドキャプションデータ等がある。
【0059】
(b) Section形式のデータ
番組情報等、周期的に送信されるデータに用いられる。
【0060】
・PAT(program association table) :トランスポンダ内のPMTのPIDを記述する。
【0061】
・PMT(program map table) :サービス毎に存在し、ESのPIDを記述する。
【0062】
・CAT(conditional access table) :EMMのPIDを記述する。
【0063】
・NIT(network information table) :ネットワークの情報を記述する。
【0064】
・SDT(service description table) :Ch情報を記述する。
【0065】
・EIT(event information table) :番組情報を記述する。
【0066】
・TDT(time date table) :現在の日時を記述する。
【0067】
・EMM(Entitlement Management Message):個別情報(契約情報/個人宛メッセージ)を記述する。
【0068】
トランスポートストリームにおけるパケットデータ構造の例は、例えば、「最新MPEG教科書」(藤原洋監修、(株)アスキー発行)、第248頁から第253頁に記載されている。
【0069】
図3乃至図7は、2つのトランスポートストリームの前処理とパケットの多重化を説明する説明図である。以下に述べる例では、A(メイン)トランスポートストリームを視聴し、B(サブ)トランスポートストリームからは所定のデータ取得を行うものとする。Bトランスポートストリームで提供される番組プログラムを視聴する場合には、図示とは逆の構成となる。
【0070】
(実施例1)
図3は、第1の態様を示している。この例では、Aデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットAnと、Bデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットBnと、を多重する。視聴者は、Aデジタル放送を視聴している。
【0071】
前処理回路14bは、(a)Bトランスポートストリームのパケットを内蔵のバッファメモリに一旦記憶する。(b)Bトランスポートストリームの各パケットBnのPIDや未使用のフラグを加工し、AトランスポートストリームのパケットAnとの区別をつける。また、(c)Bトランスポートストリームの方が、Aトランスポートストリームよりも速いパケット伝送レート(速度)である場合は、一部のパケットを捨てる。Bトランスポートストリームの方が、Aトランスポートストリームよりも遅いパケット伝送レートである場合は、ダミーのパケットを挿入する。誤差は数ppmであるので、Bトランスポートストリームのテーブルのみの利用の場合は、多少、パケットを捨てても問題ない。このようにして、Aトランスポートストリームの速度とBトランスポートストリームの速度とを合わせる。
【0072】
マルチプレクサ15は、Aトランスポートストリームのパケットと、Bトランスポートストリームのパケットを多重し、2倍の伝送速度で後段回路に送る。後段のデマルチプレクサ部19は、Aストリームの、ビデオパケット、オーディオパケット、番組表等を組立てて、A放送のプログラムを視聴可能とする。マルチプレクサ15は、A放送の視聴状態において、B放送については、EPG、EMMデータ等を取得・更新し、A放送からB放送に切換えた後の視聴に必要なデータを事前に確保する。なお、デマルチプレクサの処理能力が高ければ、B放送のビデオパケット、オーディオパケットをも組立てることができる。こうすると、複数のMPEGデコーダを用いて、例えば、大画面のAテレビ放送画面の中に、小画面のBテレビ放送画面を形成する、いわゆる親子画面の機能や画面の分割表示が実現可能となる。
【0073】
この構成によれば、非視聴トランスポートストリームのパケットに区別の符号を入れるだけであるので、前処理が比較的に簡単である。ただし、多重化した後のトランスポートの速度が倍になるのでマルチプレクサ以降の回路の処理能力の強化、2つのトランスポートの速度がほぼ同じであることが必要とされる。
【0074】
(実施例2)
図4は、第2の態様を示している。この例では、Aデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットAnと、Bデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットBnと、を多重する。視聴者は、Aデジタル放送を視聴している。
【0075】
前処理回路は、(a)Bトランスポートストリームのパケットデータのうち、NIT/SDT/EIT/EMM等、番組の視聴に必要なテーブルや個別情報のパケット(B2、B4)のみを内蔵メモリにバッファする。Bトランスポートストリームのビデオパケットやオーディオパケットは捨てる。(b)BストリームのパケットB2、B4のPIDや未使用のフラグを加工し、AストリームのパケットAnとの区別をつける。(c)ダミーパケットを追加してAトランスポートの速度に合わせる。(d)このように構成したBトランスポートストリームのパケットをマルチプレクサ15を介して、Aトランスポートストリームに重畳する。
【0076】
この構成によれば、前処理が比較的に簡単である。また、Bトランスポートストリームの大部分はダミーパケットになるので、Aトランスポートストリーム及びBトランスポートストリームの速度が略同じである必要がない。ただし、マルチプレクサ15以後の伝送速度が速くなる。
【0077】
(実施例3)
図5は、第3の態様を示している。この例では、Aデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットAnと、Bデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットBnと、を多重する。視聴者は、Aデジタル放送を視聴している。この例では、マルチプレクサ15の前後においてトランスポートストリームの速度は変らない。
【0078】
前処理回路は、(a)Bトランスポートストリームのパケットデータのうち、NIT/SDT/EIT/EMM等、番組の視聴に必要なテーブルや個別情報のパケット(B2)のみを内蔵メモリにバッファする。Bトランスポートストリームのビデオパケットやオーディオパケットは捨てる。(b)BストリームのパケットB2のPIDや未使用のフラグを加工し、AストリームのパケットAnとの区別をつける。このように構成したBトランスポートストリームのパケットをマルチプレクサ15におくる。
【0079】
マルチプレクサ15は、(c)Aトランスポートストリームの空パケット(PID=0x1FFF)に、パケットB2を上書きし、BトランスポートストリームのパケットをAトランスポートストリームに重畳する。
【0080】
この構成によれば、A及びBトランスポートストリームの速度は略同じである必要はない。多重化した後も、トランスポートストリームの速度は変化しない。
【0081】
ただし、Aトランスポートストリームの空きパケットが少ない場合、Bトランスポートストリームのテーブル等のパケットがあまり乗らないため、テーブル取得に時間がかかる場合が考えられる。
【0082】
(実施例4)
図6は、第4の態様を示している。Aデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットAnと、Bデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットBnと、を多重する。視聴者は、Aデジタル放送を視聴している。
【0083】
この例では、2つの前処理回路14a及び14bが使用され、マルチプレクサ15の前後においてトランスポートストリームの速度は変らない。
【0084】
Aトランスポートストリームの前処理回路14aは、(a)Aトランスポートストリームのパケットのうち、PAT/PMT/CAT/NIT/SDT/EIT/EMM等の必要なテーブルと、ビデオ、オーディオ等の必要なES(Elementary Stream)のみを残して、他のESは、ダミーパケットにする。例えば、パケットA1,A3,A5,…を残し、パケットA2,A4,…をダミーパケットに置換える。
【0085】
Bトランスポートストリームの前処理回路14bは、(a)Bトランスポートストリームのパケットデータのうち、NIT/SDT/EIT/EMM等、番組の視聴に必要なテーブルや個別情報のパケット(B2)のみを内蔵メモリにバッファする。Bトランスポートストリームのビデオパケットやオーディオパケットは捨てる。(b)BストリームのパケットB2,…のPIDや未使用のフラグを加工し、AストリームのパケットAnとの区別をつける。このように構成したBトランスポートストリームのパケットB2をマルチプレクサ15におくる。
【0086】
マルチプレクサ15は、(c)Aトランスポートストリームのダミーパケット(A2,A4,…)上に、テーブルや個別情報のパケット(B2)を上書きし、BトランスポートストリームのパケットをAトランスポートストリームに重畳する。
【0087】
この構成によれば、A及びBトランスポートストリームの速度が略同じである必要はない。多重化した後も、トランスポートストリームの速度は変化しない。ただし、2つの前処理回路を必要とし、前処理が複雑になる。
【0088】
(実施例5)
上述した図6を参照して、第5の態様について説明する。Aデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットAnと、Bデジタル放送側のトランスポートストリームのデータパケットBnと、を多重する。視聴者は、Aデジタル放送を視聴している。
【0089】
この例でも、2つの前処理回路14a及び14bが使用され、マルチプレクサ15の前後においてトランスポートストリームの速度は変らない。
【0090】
Aトランスポートストリームの前処理回路14aは、(a)Aトランスポートストリームのパケットのうち、現在視聴していないチャンネルのVideo ESパケットのみをダミーパケットにする。この場合には、ある一つのPIDにのみ注目していればよいのでダミーパケットに変換するかどうかの判断が簡単になる。Video ESは、通常、4Mbps程度のビットレートを持っているので、上書きに必要なパケットの量及び伝送レートを十分に確保可能である。例えば、パケットA1,A3,A5,…を残し、パケットA2,A4,…をダミーパケットに置換える。
【0091】
Bトランスポートストリームの前処理回路14bは、(a)Bトランスポートストリームのパケットデータのうち、NIT/SDT/EIT/EMM等、番組の視聴に必要なテーブルや個別情報のパケット(B2)のみを内蔵メモリにバッファする。Bトランスポートストリームのビデオパケットやオーディオパケットは捨てる。(b)BストリームのパケットB2,…のPIDや未使用のフラグを加工し、AストリームのパケットAnとの区別をつける。このように構成したBトランスポートストリームのパケットB2をマルチプレクサ15におくる。
【0092】
マルチプレクサ15は、(c)Aトランスポートストリームのダミーパケット(A2,A4,…)上に、テーブルや個別情報のパケット(B2)を上書きし、BトランスポートストリームのパケットをAトランスポートストリームに重畳する。
【0093】
この構成によれば、A及びBトランスポートストリームの速度が略同じである必要はない。多重化した後も、トランスポートストリームの速度は変化しない。また、この実施例では、視聴チャンネルのVideoのパケットのPIDは、CPUが予め判っている。Aトランスポートストリームのパケットがこれ以外のPIDかどうかを判別すればよいので、判別が簡単である。例えば、そのトランスポンダのPAT/PMTを使用して視聴していないチャンネルを見つけ、そのチャンネルのビデオのPIDを利用する。実施例4の方法よりも、前処理が楽である。
【0094】
(実施例6)
図7は、第6の態様について説明する。この例では、情報記憶媒体から再生される信号はトランスポートストリーム方式である。情報記憶媒体から再生される信号がプログラムストリーム(PS,Program Stream)方式である場合は後述する。
【0095】
トランスポートストリーム層であるメインストリームは、低速の情報記憶媒体再生装置100によって情報記録媒体から再生された一連のパケットストリームを供給する。サブストリームでは、デジタル放送から再生されたトランスポートストリームが供給される。視聴者は、メインストリームの情報記録媒体による演奏を視聴している。このとき、デジタル放送から個別情報や番組情報が送られてくると、受信機におけるこれ等の情報を更新し、記憶する必要が生ずる。そこで、メインストリームにサブストリームの個別情報や番組情報のパケットを多重化する。
【0096】
情報記録媒体、例えば、CD−ROMから再生されるメインストリームのパケット伝送レートは、サブトランスポートのパケット伝送レートよりも低いので、前処理回路14cによって、ダミーパケットを挿入して適当な伝送レートとする。前処理回路14bは、サブストリームから個別情報や番組情報のパケットを抽出し、それ等のパケットに識別情報を付加し、マルチプレクサ部15に供給する。マルチプレクサ部15は、識別情報が付された個別情報や番組情報のパケットをメイントランスポートのダミーパケットと置換え、デジタル放送の個別情報や番組情報パケットをメインストリームに多重化する。後段のデマルチプレクサ部19において、多重化されたストリームから個別情報や番組情報パケットが抽出され、更新・記憶等の信号処理がなされる。
【0097】
この構成によれば、一般的に伝送レートの低い情報記録媒体から再生された低速のメイントランスポート及び高速のサブトランスポートストリームの速度差(パケット量の差)を利用できる。多重化した後も、情報媒体系のトランスポートストリームの速度は変化しない。
【0098】
情報記録媒体から再生されるパケットデータがMPEG規格のプログラムストリーム(PS)方式である場合、これをトランスポートストリーム方式に変換しなければならない。この変換を前処理回路にて行う。プログラムストリームは、階層的には、トランスポートストリームと同じレベルであり、複数のPESを含む。ただし、パケットの構成が可変長である。そこで、前処理回路はプログラムストリームから一旦PESを抽出し、トランスポートストリームに載せかえる。
【0099】
より簡易に処理するためには、プログラムストリームを184バイトずつ切出して、あるPIDのパケットに載せてトランスポートストリームとし、後段のデマルチプレクサで切出して元のプログラムストリームに戻す。その後、通常のプログラムストリームの処理を行うようにする。
【0100】
具体的な多重化の回路構成としては、図4あるいは図6の回路構成とし、例えば、メインストリームをデジタル放送信号を復調したトランスポートストリーム、サブストリームをDVD等の情報記録媒体の記録信号から復調したプログラムストリームとする。前処理回路は、トランスポートストリームの個別情報や番組情報を担うパケットを抽出して識別情報を付する。プログラムストリームのパケットを固定長(184バイト)できり、当該パケットと同一PIDのトランスポートパケットに載せかえる。マルチプレクサ部はサブトランスポートストリームにメインストリームの個別情報等を多重化する。後段のデマルチプレクサ部で多重化ストリームからPIDを参照してパケットを再構成することによって元のプログラムストリームが再生され、また、個別情報などが抽出される。更に、プログラムストリームからビデオパケット、オーディオパケットを組立てデコードすることによって映像信号、音声信号が得られる。
【0101】
このように、視聴していないデジタル放送についても個別情報や番組情報を常時取込み可能としてしているので、複数のデジタル放送相互間を切換えても視聴できなくなるという不具合が回避可能である。
【0102】
なお、情報記録媒体から再生したトランスポートストリームあるいはプログラムストリームとデジタル放送から再生したトランスポートストリームとの多重化の方法としては、上述した図3〜図7に示すものから適宜選択することが可能である。
【0103】
次に、デジタル放送受信機の節電について説明する。デジタル放送では、番組プログラム以外に、番組案内や契約情報等が送られる。これ等情報がプログラム視聴の際に必要になる。このため、デジタル放送受信機は非視聴時にも回路の殆どが動作している。実際に電源を切ることの出来る回路は、ビデオ/オーディオデコーダ以降の回路である。従って、待機状態での消費電力が大きい。
【0104】
そこで、以下の実施例では、顧客の契約情報が繰返し送出されることに着目している。デジタル放送を視聴していない場合、受信信号から顧客の契約者コード等を検出するに必要な回路だけを動作させ、他の回路の電源を遮断して節電する。契約情報の送出を検出すると、契約情報を取込むに必要な回路を所定時間起動する。契約情報は、一定時間後に再送出されるので、該当回路の起動が遅れたとしても、契約情報を取りこぼすことがない。
【0105】
図8は、デジタル放送受信機における節電を図る発明を説明するブロック図である。同図において図1と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0106】
まず、EMM検出部21、電源制御部31、電源部32、スイッチ回路33及び34が設けられている。電源部32は、図示しない放送受信機のパワーオンスイッチがオフ状態(待機状態)でも、チューナ12、復調誤訂正部13、EMM検出部21に直接回路電源を供給する。また、パワーオンスイッチがオン状態(使用状態)では、スイッチ回路34を介してその他の回路にも回路電源を供給して受信機を完全に動作させる。スイッチ回路34は、パワーオンスイッチの操作に対応してCPU51から供給される電源オン信号によって制御される。
【0107】
更に、電源部32は、暗号解除部16、カードインタフェース部17、ICカード18、デマルチプレクサ部19等には、スイッチ回路33を介して回路電源を別途供給する。これにより、待機状態でデマルチプレクサ等を動作可能とする。
【0108】
EMM検出部21は、復調誤訂正部13及び暗号解除部16間に設けられる。そして、復調誤訂正部13が暗号解除部16に出力するデジタル放送のトランスポートストリームのパケット群からEMM(契約者別情報;契約情報、個人宛メッセージ等)を検出し、検出信号を電源制御部31に供給する。
【0109】
なお、EMM検出部21の位置は、復調器13とデマルチプレクサ部19の間であればよい。例えば、図8に示すように、復調部13と暗号解除部16との間、あるいは暗号解除部16とデマルチプレクサ部19との間に設けることが可能である。
【0110】
電源制御部31は、EMM検出部から上記検出信号を受けると、所定時間、スイッチ回路33を閉じ、暗号解除部16、デマルチプレクサ部19等に供給する。例えば、契約情報は、数日間の間は、数分から数時間おきに再送されてくる。電源制御部31は、スイッチ回路33を、例えば、数時間閉じてデマルチプレクサ部19等をその間起動させる。
【0111】
トランスポートストリームのEMMパケットは、デマルチプレクサ部19によって分離された後、図示しないCPU、カードインタフェース17を介してICカード18のCPUに送られる。EMMは個別情報であり、契約情報や個人宛メッセージ等を含んでいる。EMMが契約情報である場合には、ICカード18から「OK」あるいは「NG」が返信される。EMMはICカードに記憶される。
【0112】
このように、デジタル放送受信機は、待機状態では、暗号解除部以降の回路への電源供給を遮断して節電を図る。そして、待機状態で自己宛のEMMの到来を検出すると、デマルチプレクサ等のEMMを取込むために必要な回路に電源供給を行い、次に到来するEMMをメモリに取込み、これを保持する。従って、従来よりも待機状態における起動回路の数が減少し、電力消費を減少することが可能となる。
【0113】
なお、電源制御部31は、CPUの制御プログラムによって実現することが可能である。この場合、図示しないサブCPUに上記制御プログラムを実行させるようにしても良い。実際の回路では、メインCPU51とデマルチプレクサ19等とが一体化される傾向があり、そのようにした場合には消費電流も大きいからである。
【0114】
また、本発明は、デジタル衛星放送(BS,CS)の他、地上波デジタルテレビ、ケーブルテレビ等のデジタル放送に適用可能である。また、情報伝達媒(記録)体として電波、導体ケーブル、光ケーブル、CD−ROM、磁気テープ、DVD、HDD、インターネット等の通信網を使用することが可能である。
【0115】
また、デジタル放送受信機は、テレビ放送の受信に限られず、音声デジタル放送の受信であっても良い。また、視聴はテレビを見聞きすることに限られず、ラジオ放送、CD−ROM音声等の聴取、ビデオCD−ROMやDVDの再生出力の視聴を含む。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のデジタル放送受信機は、受信した複数のデジタル放送の信号、記録媒体からの再生信号等をトランスポートストリーム層で多重化し、一つのデマルチプレクサによって複数の放送局からの契約情報及び番組情報を取得可能とする。このため、一台の受信機で複数の限定放送が視聴可能となって好ましい。
【0117】
また、本発明のデジタル放送受信機は、待機状態において契約情報の受信を検出すると、デマルチプレクサ等を起動するようにしているので、デマルチプレクサ等の回路電源をも遮断した待機状態とすることが可能となり、節電効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の発明の実施態様を説明するブロック図である。
【図2】図2は、トランスポートストリームのパケット構成を説明する説明図である。
【図3】図3は、第1の実施例を説明する説明図である。
【図4】図4は、第2の実施例を説明する説明図である。
【図5】図5は、第3の実施例を説明する説明図である。
【図6】図6は、第4及び第5の実施例を説明する説明図である。
【図7】図7は、第6の実施例を説明する説明図である。
【図8】図8は、第2の発明の実施態様を説明する説明図である。
【符号の説明】
13 復調誤訂正部
14a,14b 前処理回路
15 マルチプレクサ部
16 暗号解除部
17 デマルチプレクサ部
21 EMM検出部
31 電源制御部
32 電源部
33,34 スイッチ回路
Claims (4)
- 第1のデジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第1のトランスポートストリームを復調する第1の復調回路と、
第2のデジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第2のトランスポートストリームを復調する第2の復調回路と、
前記復調された第1及び第2のトランスポートストリームの全部叉は一部のパケットを多重化して、多重化トランスポートストリームを形成するマルチプレクサ回路と、
各復調回路と前記マルチプレクサ回路との間に設けられて、前記第1及び第2のトランスポートストリームの各パケットを各トランスポートストリーム毎に区別可能とするために少なくともいずれかのトランスポートストリームのパケットに識別情報を付加する前処理回路と、
前記多重化トランスポートストリームから各デジタル放送の個別情報及び番組情報を取得するデマルチプレクサ回路と、を含み、
前記前処理回路は、第1及び第2の前処理回路を含み、
前記第1の前処理回路は、前記第1のトランスポートストリームの視聴されているビデオ情報、前記個別情報及び前記番組情報等の必要なパケットのみを残し、その他のパケットはダミーパケットに置換して第1のトランスポートストリームを再構成し、これを前記マルチプレクサ回路に供給し、
前記第2の前処理回路は、前記第2のトランスポートストリームのパケットから前記個別情報及び前記番組情報を担うパケットを抽出し、抽出したパケットに前記識別情報を付加して前記マルチプレクサ回路に供給し、
前記マルチプレクサ回路は、前記第2のトランスポートストリームから抽出したパケットを前記第1のトランスポートストリームのダミーパケットと置換える、
デジタル放送受信機。 - 第1のデジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第1のトランスポートストリームを復調する第1の復調回路と、
第2のデジタル放送信号からビデオ情報、個別情報及び番組情報を担う一連のパケットを含む第2のトランスポートストリームを復調する第2の復調回路と、
前記復調された第1及び第2のトランスポートストリームの全部叉は一部のパケットを多重化して、多重化トランスポートストリームを形成するマルチプレクサ回路と、
各復調回路と前記マルチプレクサ回路との間に設けられて、前記第1及び第2のトランスポートストリームの各パケットを各トランスポートストリーム毎に区別可能とするために少なくともいずれかのトランスポートストリームのパケットに識別情報を付加する前処理回路と、
前記多重化トランスポートストリームから各デジタル放送の個別情報及び番組情報を取得するデマルチプレクサ回路と、を含み、
前記前処理回路は、第1及び第2の前処理回路を含み、
前記第1の前処理回路は、前記第1のトランスポートストリームの視聴されていないビデオ情報のパケットをダミーパケットに置換して第1のトランスポートストリームを再構成し、これを前記マルチプレクサ回路に供給し、
前記第2の前処理回路は、前記第2のトランスポートストリームのパケットから前記個別情報及び前記番組情報を担うパケットを抽出し、抽出したパケットに前記識別情報を付加して前記マルチプレクサ回路に供給し、
前記マルチプレクサ回路は、前記第2のトランスポートストリームから抽出したパケットを前記第1のトランスポートストリームのダミーパケットと置換える、
デジタル放送受信機。 - 前記前処理回路は、前記第2のトランスポートストリームの伝送レートが前記第1のトランスポートストリームのパケット伝送レートよりも高い場合に前記第2のトランスポートストリームの一部のパケットを捨て、低い場合には前記第2のトランスポートストリームにダミーパケットを付け加える、
ことを特徴とする請求項1叉は2に記載のデジタル放送受信機。 - 前記デジタル放送は、限定受信方式であり、
前記個別情報は、契約情報あるいは個人宛メッセージを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のデジタル放送受信機。
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