JP3982678B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば半導体ウエハに対してエッチング処理を行うためのプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造において半導体ウエハ(以下ウエハと省略する)表面に対してプラズマを用いてエッチングを行う場合があり、その装置の一つとしては例えば上部電極と下部電極間に電圧を印加してプラズマを生成する平行平板型プラズマ処理装置がある。この装置の従来例について図8を参照しながら説明する。
【0003】
図中11は真空チャンバであり、その内部にはウエハWの載置台を兼用する下部電極12が設けられている。この下部電極12の上面はウエハWを水平姿勢にて載置できるように形成されており、この下部電極12の上面に載置されるウエハWと対向する位置には処理ガス供給用のガスシャワーヘッドを兼用する上部電極2が設けられている。上部電極2にはガス供給管13が接続されており、ガス供給管13から供給される処理ガスは上部電極2の内部を通り、当該上部電極2の下端面に形成される多数の孔部21を介してウエハWの表面全体に供給されるようになっている。そして、高周波電源部15により上部電極2及び下部電極12に高周波電圧を印加してウエハW上方に供給された処理ガスをプラズマ化すると共に、下部電極12に高周波電源部14により高周波バイアスを印加することによりウエハWに対して処理を行う。また真空チャンバ11の底面には排気口16が形成されており、この排気口16と連通する図示しない真空ポンプの働きにより真空チャンバ11内の排気が可能とされている。
【0004】
上部電極2は、図9に示すように下段をなす電極板22と、中段をなす冷却板23と、上段をなす上部部材24とを層状に積み重ねた構成とされており、上部部材24の上面中央部には高周波電源部15と接続する電極棒24aが設けられている。また上部部材24内部の外縁近傍には、チラー流路24bが例えば周方向に形成されており、冷却板23を介して電極板22の冷却を行う構成とされている。冷却板23から上部部材24に跨る内部領域には、前記チラー流路24bよりも下方側位置に、ガス供給管13からのガスを拡散して各孔部21に分配するための分配用空間部であるバッフルスペース25が形成されており、このバッフルスペース25の上端中央部には例えば上部電極2の上面に接続するガス供給管13と連通する上部ガス流路26が屈曲して形成されている。また電極板22及び冷却板23には、バッフルスペース25の下端から電極板22の下面に至るまでガス供給用の孔部21が形成されている。
【0005】
上部ガス流路26がバッフルスペース25の上端中央部に接続されている理由は、処理ガスを各孔部21に偏りなく均等に向かわせるためであり、更に例えばバッフルスペース25の内部には図9にも示すように上下に複数の拡散板25aが設けられており、バッフルスペース25の上端部中央から供給される処理ガスが拡散板25aに形成される多数の孔部25bを通過して、下方に向かうに連れて各孔部21に均等に拡散されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでプラズマによるエッチング処理では、処理ガスの解離によって生じた反応生成物やウエハW表面から生じた掘削物などが温度の低い方へ向かうため、電極板22の温度をウエハWの表面温度よりも低くなるように設定することにより反応生成物が電極板22に向かい、そこに一部が付着する。しかしながら、上述装置においては、処理ガスを均等に拡散させるためにバッフルスペース25を上部部材24と冷却板23との間に介在させていることから、電極板22の冷却効率が悪く、ウエハWの処理を重ねていくうちに電極板22がウエハ温度よりも昇温してしまい、上記の反応生成物がウエハW側に向かうようになる。
【0007】
このため、反応生成物が例えば図10に示すようにある程度までエッチングが進行した凹部W1に入り込み、この入り込んだ反応生成物が更なるエッチングの進行を妨げてしまういわゆる抜け性の低下が起こり、結果としてエッチング速度が低下する場合がある。このためロットの前半と後半との間でエッチング速度が変わってしまい、品質にばらつきが生じるという課題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、上部電極における電極板の冷却効率を高め、安定したプラズマ処理を行うことのできるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプラズマ処理装置は、処理容器内に設けられ、載置台を兼用する下部電極と、この下部電極に対向し、処理ガス供給用のガスシャワーヘッドを兼用する上部電極と、を備え、下部電極及び上部電極間に電圧を印加して処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより載置台上の基板に対して処理を行うプラズマ処理装置において、
前記上部電極は、ガス供給路が形成された上部部材と、この上部部材の下方側に積層されると共に冷却媒体を通流するための冷却用流路が形成された冷却板と、この冷却板の下方側に積層された電極板と、前記冷却板及び電極板に跨って厚さ方向に伸びかつ下部電極上に載置された基板と対向する領域のほぼ全体に亘って形成された長さが25mm以上のガス供給用の多数の孔部と、前記上部部材と冷却板との間に形成され、ガス供給路からのガスを拡散して各孔部に分配するための分配用空間部と、を備え、
前記分配用空間部の高さは1mmから5mmの間であり、分配用空間部には拡散板が設けられていないことを特徴とする
【0010】
このような構成によれば、従来は上部部材内に形成されていた冷却用流路が冷却板内に形成され、更に分配用空間部は上部部材と冷却板との間に形成されるため、冷却流路と電極板との間にガスを拡散させるためのスペースが介在することがなくなり、電極板の冷却効率が向上する。また分配用空間部の高さと孔部の長さとを調整することで、当該分配用空間部内に拡散板を設けなくとも、処理ガスを均一に拡散させることが可能である。
【0011】
更に上記構成において、冷却板に温度検出手段を設け、この温度検出手段にて得られる温度検出値に基づき、冷媒温度の制御が行うようにすることが好ましく、このようにすることで精度の高い温度制御を行うことができるため、製品の品質が向上する。更にまた、ガス供給路は上部部材の中心から偏心した位置にて当該上部部材の厚さ方向に形成されることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るプラズマ処理装置の実施の形態を、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本実施の形態の全体構成を示す縦断面図であり、図中31は例えばアルミニウム等で形成される処理容器をなす真空チャンバである。この真空チャンバ31の内壁は後述する処理ガスの流れ等を考慮して例えば円筒状に形成されており、壁面には図示しない搬送アームを介してウエハWの搬入出を行うための開口部32が形成され、ゲートバルブ33により開閉自在となっている。また真空チャンバ31の底面にはバルブV1を介して真空ポンプ34へと連通する排気口35が形成されている。
【0013】
真空チャンバ31の内部には、例えば円柱状に形成されたウエハWの載置台を兼用する下部電極4が設けられており、この下部電極4は、後述する上部電極5に印加される高周波成分の侵入を阻止するためのハイパスフィルタ41を介し、例えば周波数2MHzのバイアス用の電圧を供給する高周波電源42に接続されている。この下部電極4はその下方側を例えば油圧シリンダーまたはボールネジ機構等よりなる昇降機構43により支持されており、例えば真空チャンバ31の外方に設けられる駆動機構44の働きにより昇降可能とされている。昇降機構43の周囲には、下部電極4の底面と真空チャンバ31の底面との間で上下に挟まれるようにベローズ45が設けられており、エッチング処理時において下部電極4の下方側にプラズマが入り込むことを防ぐ構成とされている。
【0014】
下部電極4の上面部には、静電チャック46が設けられており、静電チャック46は、導電性を有しシート状をなす電極板46aと、この電極板46aの表裏を挟むように設けられるポリイミド層46bとを備えている。電極板46aには直流電源47からの直流電圧を印加することによりクーロン力を発生させて、静電チャック41に載置されたウエハWを仮保持できるようになっている。なおこの電極板46aは前記バイアス用の高周波電源42からの高周波が印加される電極板を兼用している。また静電チャック46の周囲には、プラズマをウエハWの周縁に至るまで均等に広げると共に、当該プラズマが一定以上に広がることを抑えてプラズマ密度を高めるために例えば炭化ケイ素(SiC)からなるフォーカスリング48が設けられている。
【0015】
真空チャンバ31の天井部には、下部電極4上のウエハWと対向するように下端面にガス供給用の多数の孔部51を有する、処理ガス供給用のガスシャワーヘッドを兼用する上部電極5が設けられており、この上部電極5の側方はシールドリング52にて囲まれている。上部電極5にはその内部で前記孔部51と連通するガス供給管53の一端が接続されており、当該ガス供給管53の他端側はバルブV2を介して処理ガス供給源54と接続されている。また上部電極5は、下部電極4に印加される高周波成分の侵入を防ぐためのローパスフィルタ55を介して高周波電源56と接続されている。高周波電源56は既述の高周波電源42よりも高い周波数例えば60MHzの高周波電圧を供給できるようになっている。
【0016】
次いで、図2を参照しながら本実施の形態の要部をなす上部電極5の細部について説明を行う。上部電極5は上から順に上部部材5A、冷却板5B及び電極板5Cを層状に積み重ねた構成とされており、冷却板5Bについては上側冷却板57と下側冷却板58とからなる。各部材同士は面接触して接合されるが、上側冷却板57と下側冷却板58とはボルト61により、また下側冷却板58と電極板5Cとはボルト62により夫々上下に着脱自在に固定されている。
【0017】
上部部材5Aの内部には、例えば当該上部部材5Aの上端面の中心部から偏移した位置に接続されるガス供給管53から真下に延びるガス供給路63が形成されており、このガス供給路63の下端は上部部材5Aと上側冷却板57との間に形成される分配用空間部64へと接続されている。この分配用空間部64は、上側冷却板57上面の凹部と上部部材5Aの底面部とでその周囲を囲まれる円柱状の空間であり、ガス供給路63を介して供給される処理ガスを横方向に拡散して各孔部51へと分配するためのものである。また孔部51は各々が分配用空間部64の下端面から電極板5Cの下端面まで真下に延びるように形成されており、その径は下方側の方が細くなるように二段階(太径部51a,細径部51b)の太さとされている。具体的には例えば下側冷却板58内の太径部51aでは口径2mm、電極板5C内の細径部51bでは口径0.5mmである。
【0018】
また、上側冷却板57における分配用空間部64の外側位置には、上端が上部部材5Aの下端面に接する位置に冷媒を通流するための冷却用流路をなすチラー流路65が例えば周方向に形成されており、その内部を流れる冷媒の温度を調節することで、下側冷却板58を介して電極板5Cの温度調節(冷却)を行うことができるようになっている。

【0019】
ここで図2及び図3を参照しながら、分配用空間部64及び孔部51(太径部51a,細径部51b)の具体的な大きさ及び位置について説明を行う。本装置が8インチウエハを対象とし、分配用空間部64の下端面64aの直径を約220mmとした場合、その高さAは3mm±2mm(1mm以上、5mm以下)であることが好ましい。その理由はAが5mmより大きいと横方向への抵抗が小さくなるためガス供給路63直下での流出量が少なくなり、孔部51からの流出量の均一性が悪化し、1mmよりも小さいとガス供給路63の直下の孔部51からの流出量多くなり各孔部51におけるガス流量の均一性が悪化するからである。そして孔部51については、例えば太径部51aの口径を2mm、細径部の口径を0.5mmとした場合、その全長は25mm以上であることが好ましい。その理由は25mm以上であれば後述のシュミレーション結果からも分かるように各孔部51におけるガス流量の均一性が高いからである。
【0020】
また上部電極5に関連する他の部位について説明すると、例えば上部部材5Aの上面部中央には、高周波電源56の高周波電圧を上部電極5に供給するための電極棒67が設けられている。また分配用空間部64の形成領域の側方位置には、上部部材5Aから冷却板5B(例えば上側冷却板57を貫通して下側冷却板58の途中まで)へと貫通して温度検出手段68が設けられている。この温度検出手段68にて検出された温度検出値は、図示しない温度制御部へと送られ、この温度検出値に基づき例えばチラー流路65内の冷媒温度を変化させることで電極板5Cの温度を調節できるようになっている。
【0021】
次いで本実施の形態の作用について説明する。先ずゲートバルブ33を開くと図示しない搬送アームが真空チャンバ31内に進入し、下部電極4内に設けた図示しない昇降ピンとの協働作用により静電チャック46上にウエハWを載置する。そして搬送アームが退出し、ゲートバルブ33を閉じた後、真空チャンバ31内が所定の真空度となるように真空排気を行いながらガス供給管54を介してCF系などの処理ガスの供給が行われる。処理ガスは分配用空間部64内で横方向に拡散し、各孔部51からウエハW上方へと供給される。
【0022】
このとき上部電極5と下部電極4との間に高周波電源56から例えば60MHZの高周波電圧を印加して処理ガスをプラズマ化すると共に、その後所定時間例えば1秒経過後に高周波電源42から例えば2MHzのバイアス用の高周波電圧を下部電極4に印加する。そしてウエハW上方のプラズマにより、ウエハW表面のエッチングが進行し、所定時間経過後に処理ガスの供給及び高周波電源42,56による高周波電圧の印加を停止し、ウエハWを搬出する。
【0023】
なおウエハWの処理を繰り返すと、プラズマに直接晒される電極板5Cの下端面が損傷し、所定の時期に電極板5Cを下側冷却板58から取り外し、例えば損傷した電極板5Cを予備の電極板5Cと交換する。また反応生成物が孔部51の中まで入り込んで付着し、当該付着物の量が多くなるとパーティクルの要因となる。従って、このような場合には下側冷却板58を取り外し、例えば装置外部にて洗浄する。
【0024】
これまで述べてきたように本実施の形態によれば、冷却板5Bを上下2段に分割して互いに面接触するように構成し、上側冷却板57にチラー流路65を設けているため、当該チラー流路65と電極板5Cとの間にガスを拡散させるためのスペース(分配用空間部64や従来のバッフルスペース)が介在しなくなり、電極板5Cの冷却効率が高くなった。この結果、後述の実施例からも明らかなようにウエハWの処理が連続して繰り返されて行われても電極板5Cの昇温が抑えられ、ウエハWのロットの前後において処理のばらつきが緩和され、安定したエッチング処理を行うことができる。また反応生成物が上部電極5の孔部51内に入り込んで洗浄が必要になったとしても、チラー流路が設けられていない下側冷却板58を外して洗浄を行えばよいので、メンテナンス性が悪くなることもない。
【0025】
更に後述の実施例で述べるように、本発明者は分配用空間部64に拡散板を配置しなくても、孔部51の長さと分配用空間部64の高さとを調整することにより上部電極5の下面から高い均一性をもって処理ガスをウエハWに供給できることを把握している。このため孔部51の長さを既述のように25mm以上例えば30mmに、また分配用空間部64の高さを既述のように1mm〜5mm例えば3mmに夫々調整することにより、均一なガスの供給を行うことができると共に、ガス拡散板が不要であることから構造が簡単になる。
【0026】
そしてまた、上部電極5の中心部に電極棒67が接続されているため、ガス供給管53は上部電極5の中心部から偏心した箇所に接続しなければならないが、分配用空間部64におけるガス供給路63の開口位置については、分配用空間部64の中心部から外れた位置であっても、中心部に開口した場合と同様の効果を得ることができるから、ガス供給路63を従来のように中央部まで屈曲させる必要がなくなり、加工が容易になる。
【0027】
更にはガス供給路63を外縁部近傍に形成しているため、中央部に空きスペースをつくることができ、この空きスペースにこれまで設置できなかった装置例えば温度センサー等を設けることができる。この空きスペースは、例えばマグネトロン装置にように、上部電極の上端に高周波電圧印加用の電極棒を設ける必要のない装置において特に有効である。
【0028】
なお、上部電極の構成は上述実施の形態のものに限られるものではなく、同様の効果を奏するものである限り、異なる構成とすることも可能である。一例としては、上部電極内のガス供給路を図7に示すような構成としたものを挙げることができる。この実施の形態は図7(a)に示すように、上部電極7における冷却板7B(上側冷却板71)の上面を窪ませて、当該冷却板7B上面と上部部部材7A下面との間に分配用空間部73を形成すると共に、この分配用空間部73内に多数の凸部74を設けたものである。この分配用空間部73は上述実施の形態における分配用空間部64に相当するものであり、高さ及び幅は例えば分配用空間部64と同様である。また、上部部材7A内にはこの分配用空間部73の中央部に処理ガスを供給するようにガス供給路75が屈曲して設けられている。
【0029】
図7(b)は、分配用空間部73における凸部74の配置状況を示す部分平面図である。図示するように凸部74は分配用空間部73内で処理ガスが横方向全域に均一に拡散するように例えばほぼ均等間隔に設けられており、この凸部74が形成されていない部分に冷却板7B(71,72)から電極板7Cの下端面まで貫通する多数の孔部76が連通する構成とされている。また図中77はチラー流路であり、78は電極棒、79はボルトである。
【0030】
本実施の形態によれば、分配用空間部73及びこれに連通する孔部76の位置関係は上述実施の形態と同様であるため、従来のようにバッフルスペースを設けることなく処理ガスを各孔部76に均一に拡散させることができる。また、上側冷却板71の上面に凸部74を多数設けたことで、上側冷却板71と上部部材7Aとの接触面積が増加するため、チラー流路を例えば上部部材7Aに設けたとしても十分に電極板7Cを冷却することができるようになる。この場合には、冷却板7Bを2つに分割せず、単一の部材として構成してもよい。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
本発明の効果を確認するため、上部電極に昇温対策を施した装置(上述実施の形態における上部電極5に相当)と昇温対策を施さない装置(従来の発明にて示した上部電極2に相当)とを用いた比較実験を行った。ここでは便宜上前者を本願装置、後者を従来装置と呼ぶものとする。先ず8インチウエハを用い、上部電極及び下部電極に印加する電力を夫々2170W,1550Wとし、処理ガスとしてC5F8,Ar及びO2を夫々15sccm,380sccm,19sccmで供給しながらプラズマ処理を行い、上部電極の下端面に設けられる電極板の温度を8分間測定したところ、その温度変化は図4に示すようになった。図中実線はウエハ中央部の温度を、点線はウエハ中央部から100mm位置(以下周縁部という)における温度を示すものであり、夫々菱形のマークは本願装置を、四角のマークは従来装置を示すものである。
【0032】
この結果によれば、中央部、周縁部のいずれにおいても従来装置よりも本願装置の方が温度が低くなっており、またその傾斜についても本願装置の方が従来装置よりもなだらかであることから、本願装置の方が冷却効果が高く、電極板の温度が安定していることが分かった。また図5に示す特性図は上述実験と同様の実験を複数回繰り返して行ったときの電極板温度を測定し、その結果を示したものであるが、こちらの試験でも本願装置の方が従来装置よりも温度が低く推移しており、更に中央部及び周縁部の双方において本願装置では2〜3枚目以降概ね安定していることから冷却効果は処理枚数が増加しても継続することが確認できた。
(実施例2)
そして次に、本願装置における分配用空間部64の高さAと、孔部51の長さとを変化させたときの、各孔部51からウエハWに供給される処理ガス流量の均一性を比較する試験を行った。ここでは実測の困難性に鑑み、以下の計算条件及び計算式に基づいてシュミレーションを行うものとし、A=3mmとして孔部(ガス流路)51の長さBを14.4mm,30mmと変化させ、またA=4mmとして孔部51の長さBを5mm、14mm、30mmと変化させ、各条件の間で全ての孔部51におけるガス流量の均一性を比較することとした。
【0033】
(計算条件)ガス供給路63の口径=5mm,ガス供給路63から供給されるガスの流量=439sccm,分配用空間部64の下端面64aの径=220mm,孔部51の数=385個,孔部51の口径=0.5mm (計算式)計算する孔部51の長さB毎に、以下の(1)(2)式に基づいて抵抗を設定し、(3)式にて得られる値に基づきガス流量の均一性を比較する。なおΔpは圧力差(Pa)、Cfは抵抗係数、ρは密度(kg/m)、μは粘性係数(Kg/m・s)、Lは管の長さ(m)、dは管径(m)、vは平均流速(m)である。
Δp=1/2ρ・Cf・v …(1)
Cf=(64μ・L)/d・ρ …(2)
((最大流量−最小流量)/流量の平均値)/2 …(3)
これら(1),(2)式によればB=14.4mmのときにCf=5545.8,B=30mmのときにCf=11553.77,B=5mmのときにCf=1926であり、上記データに基づき夫々の場合において孔部51(385個全てについて)から吐出される処理ガスの流量の算出を行った。この流量の算出は流体質量の保存式や流体運動量の保存式を用いたアルゴリズムにより行われるものであり、例えば株式会社ソフトウエアクレイドル社製の流量解析プログラム「STREAM」を用いて行うことが可能である。こうして各設定条件下における最大流量と最小流量とを算出し、上記の計算式(3)により得た数値をプロットしたところ、図6に示す特性図が得られた。(3)式にて得られる数値は、各孔部51におけるガス流量のばらつきを示すものであり、小さいほど均一性が高いことを示すものである。従って、拡散板を用いなくても孔部51の長さを適切な値に設定することによりガス流量のばらつきが小さくなることが判明した。また、このデータに基づけばA=3mmのときBを25mm以上に設定することにより、ガス流量の均一性が高くなることが分かった。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、上部電極における電極板の冷却効率を高め、安定したプラズマ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】前記プラズマ処理装置に設けられる上部電極を示す縦断面図である。
【図3】前記上部電極の一部を示す部分断面図である。
【図4】本実施の形態の効果を確認する試験の結果を示す特性図である。
【図5】本実施の形態の効果を確認する試験の結果を示す特性図である。
【図6】本実施の形態の効果を確認する試験の結果を示す特性図である。
【図7】本発明に係るプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す説明図である。
【図8】従来技術によるプラズマ処理装置の全体構成を示す概略縦断面図である。
【図9】従来技術による上部電極を示す縦断面図である。
【図10】従来技術における問題点を示すための説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
11 真空チャンバ
2 上部電極
25 バッフルスペース
25a 拡散板
26 上部ガス流路
31 真空チャンバ
4 下部電極
42 高周波電源
46 静電チャック
5 上部電極
5A 上部部材
5B 冷却板
5C 電極板
51 孔部
56 高周波電源
57 上側冷却板
58 下側冷却板
64 分配用空間部
65 チラー流路(冷却用流路)

Claims (4)

  1. 処理容器内に設けられ、載置台を兼用する下部電極と、この下部電極に対向し、処理ガス供給用のガスシャワーヘッドを兼用する上部電極と、を備え、下部電極及び上部電極間に電圧を印加して処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより載置台上の基板に対して処理を行うプラズマ処理装置において、
    前記上部電極は、ガス供給路が形成された上部部材と、この上部部材の下方側に積層されると共に冷却媒体を通流するための冷却用流路が形成された冷却板と、この冷却板の下方側に積層された電極板と、前記冷却板及び電極板に跨って厚さ方向に伸びかつ下部電極上に載置された基板と対向する領域のほぼ全体に亘って形成された長さが25mm以上のガス供給用の多数の孔部と、前記上部部材と冷却板との間に形成され、ガス供給路からのガスを拡散して各孔部に分配するための分配用空間部と、を備え、
    前記分配用空間部の高さは1mmから5mmの間であり、分配用空間部には拡散板が設けられていないことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 冷却板は、冷却流路が形成された上側冷却板と、この上側冷却板の下面側に分離可能に面接触して設けられた下側冷却板と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 冷却板には温度検出手段が設けられており、この温度検出手段にて得られる温度検出値に基づき、冷媒温度の制御が行われることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. ガス供給路は上部部材の中心から偏心した位置にて当該上部部材の厚さ方向に形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のプラズマ処理装置。
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