JP3982522B2 - 商取引方法 - Google Patents

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Description

この発明は、携帯電話機の所有者と使用者を照合するための照合機能付携帯電話機を利用して商取引を行う商取引システムに関するものである。
最近におけるインターネットの普及は目覚しいものがあり、このインターネットを用いた電子商取引がすでに行われ、また、ICカードを用いた商取引も盛んに行われている。しかしながら、インターネットを用いた電子商取引では、一般消費者は実際に商品を手にとって見ることはできないため、商品購入に際してためらいがある場合もあり、商品(物品)以外のサービスについてはインターネットの利用が困難な場合もある。また、ICカードによる商取引では、消費者はICカードにより商品又はサービスの代金を支払うことはできるが、別途ICカードに入金しておく必要があるほか、多種類(例えば、金融機関毎)のICカードを持ち歩く必要があり、煩雑である。一方、携帯電話機の普及も目覚しく、通話したい人といつでもどこでも話ができるという便利さがある。この便利さのために各人がそれぞれ自己専属の携帯電話機を常に携帯するという時期もそう遠くないものと考えられる。そうした時に、商品の購入時やサービスの提供時に自己の携帯電話機を利用して代金の支払いができれば、現金や多種類のICカードの持参も必要がなくなり、極めて便宜である。
従来、携帯電話機を利用した商取引システムに関しては,例えば特開2000−184085号公報に、次のような内容が記載されている。即ち、携帯電話機の機能に暗号化/暗号解読機能を付加し、デジタルキャッシュや各種ユーザデータを格納するメモリ、及び近接通信可能な赤外線通信等の機能を付加するものである。ユーザは、携帯電話機により登録しておいた金融機関のコンピュータに引き落とし金額のデータ等を暗号化して送信し、その金融機関のコンピュータにおいてユーザ確認を行い,ユーザの口座からデジタルキャッシュとしてお金を引き落とし、ユーザの携帯電話機に送信される。ユーザは、携帯電話機に付属される赤外線通信機能など近接地通信機能を用いて店舗端末とデータ交換し、ユーザの入力操作により、デジタルキャッシュを対価として払うものである。
また、携帯通信装置の利用方法に関して、例えば特開2000−99614号公報に、次のような内容が記載されている。即ち、この公報に記載のものは、遠隔の施設に居る販売者との経済取引を行うものであって、携帯端末機は遠隔のサービス機関にメッセージを送り,その遠隔の機関から受けた返答に応答してスマートカードに格納されている金額を改変するものである。即ち、端末機は1つ以上のスマートカードに格納される貨幣額が増額できるデジタル札入れとして使用するものである。
特開2000−184085号 特開2000−99614号
しかしながら、上述の携帯電話機を利用した商取引システムでは、ユーザが携帯電話機により金融機関のコンピュータにおいてお金を引き落とし、ユーザが携帯電話機の付属機能を用いてキー操作により店舗端末とデータ交換を行って対価を支払うため、ユーザにとっては一旦携帯電話機により金融機関からお金を引き落とすという面倒な作業が必要になる。また、上述の携帯通信装置の利用方法では、ユーザは新たにスマートカードを購入しなければならず、スマートカードを携帯端末と共に携帯しなければ商品を購入し又はサービスの提供を受けられないといった不便さがある。
そこで、この発明は、常時携帯するであろう携帯電話機の紛失や身分を証明する必要時等の場合に、当該携帯電話機が自己の所有するものであるか或いは自己の身分を証明するための照合を行いうる照合機能付携帯電話機及びこれを利用した照合システムを提供し、また現金やICカード等を持参していなくても、このような照合機能付携帯電話機を利用してセキュリテイの確保と便利さを可能とする新規な商取引システム及びその方法をも提供するものである。
請求項1に係る商取引方法は、使用者の照合すべき生体情報と照合機能付携帯電話機にあらかじめ記憶しておいた生体情報とを前記照合機能付携帯電話機の照合手段が照合するステップ、その照合が一致しないときには、前記照合機能付携帯電話機を通話モードから商取引モードに切替えずに通話モードとし、その照合が一致したときには前記照合機能付携帯電話機のモード切替部が通話モードから商取引モードに切替えるステップ、商取引モードに切り替わった後に、前記照合機能付携帯電話機の操作キーにより支払うべき対価取引する金融機関の暗証番号及び対価を振込むべき店舗の金融機関コードの入力情報が入力されると、前記照合機能付携帯電話機の記憶手段がその入力情報をいったん記憶するステップ、前記照合機能付携帯電話機の制御手段の動作による処理プログラムに基いて、あらかじめ前記照合機能付携帯電話機の記憶手段に記憶していた前記金融機関コード及び前記照合機能付携帯電話機の電話番号を読み出し、これらと使用者の照合すべき生体情報とを入力情報に追加し、少なくともその金融機関の暗証番号を前記照合機能付携帯電話機の暗号化処理部により暗号化して送信情報を作成するステップ、前記照合機能付携帯電話機の無線通信部は、その送信情報を金融機関のコンピュータ処理部に対して基地局を経由して送信するステップを備え、
その金融機関のコンピュータ処理部においては、前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた送信情報を受信部により受信し、その金融機関の暗証番号を解読し、その解読した暗証番号及び前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた使用者の生体情報とその金融機関のコンピュータ処理部において記憶部にあらかじめ登録しておいた暗証番号及び生体情報とをコンピュータ処理部の照合部が照合するステップ、それらの照合がいずれも一致したときには、コンピュータ処理部の振込処理部の動作に基いて、引出先口座から支払うべき対価を引き落すとともに、前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた対価を振込むべき店舗の金融機関コードに基いてその店舗の振込先口座に振込む振込み処理を行うステップ、その振込み処理の結果を、又は、前記暗証番号及び生体情報のいずれかの照合が不一致のときに照合が不一致である旨を、前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた電話番号に基づいてコンピュータ処理部の送信部から基地局を経由して前記照合機能付携帯電話機に送信するとともに、対価を振込むべき店舗に対しその店舗が取引する金融機関に対価が振込まれた旨を送信するステップを備え、
前記照合機能付携帯電話機においては、振込み処理の結果又は照合が不一致である旨がその表示部に表示されるステップを備えたものである。
請求項2に係る商取引方法は、使用者の照合すべき生体情報と照合機能付携帯電話機にあらかじめ記憶しておいた生体情報とを前記照合機能付携帯電話機の照合手段が照合するステップ、その照合が一致しないときには、前記照合機能付携帯電話機を通話モードから商取引モードに切替えずに通話モードとし、その照合が一致したときには前記照合機能付携帯電話機のモード切替部が通話モードから商取引モードに切替えるステップ、商取引モードに切り替わった後に、前記照合機能付携帯電話機の操作キーにより支払うべき対価取引する金融機関の暗証番号の入力情報入力されると、前記照合機能付携帯電話機の記憶手段その入力情報をいったん記憶し、前記照合機能付携帯電話機の制御手段の動作による処理プログラムに基いて、あらかじめ前記照合機能付携帯電話機の記憶手段に記憶していた前記金融機関コード及び前記照合機能付携帯電話機の電話番号を読み出し、これらと使用者の照合すべき生体情報とを入力情報に追加し、少なくともその金融機関の暗証番号を前記照合機能付携帯電話機の暗号化処理部により暗号化して送信情報を作成するステップ、前記照合機能付携帯電話機の無線通信部は、その送信情報を商品又はサービス機関に設置されているレジ端末に対して送信するステップを備え、
そのレジ端末においては、その受信部が前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた送信情報を受信し、その制御部の処理プログラムに基いてその送信情報に商取引する店舗の金融機関コードを付加した引出・振込処理情報を作成するステップ、その送信部が前記引出・振込処理情報を前記金融機関コードに係る金融機関のコンピュータ処理部に基地局を経由して送信するステップを備え、
その金融機関のコンピュータ処理部においては、その受信部が前記レジ端末から送信されてきた引出・振込処理情報を受信し、その金融機関の暗証番号を解読するステップ、その解読した暗証番号及び使用者の生体情報とその金融機関のコンピュータ処理部においてあらかじめ登録しておいた暗証番号及び生体情報とを照合するステップ、それらの照合がいずれも一致したときには、その処理プログラムに基いて使用者の引出先口座から支払うべき対価を引き落し、振込むべき店舗の金融機関コードに基いてその店舗の振込先口座に対価を振込むステップ、振込み処理を行い使用者の引落金額及び店舗への振込み金額を含む振込み処理の結果を、又は、前記暗証番号及び生体情報のいずれかでも照合が不一致のときにその照合が不一致である旨を、その送信部が基地局を経由して前記レジ端末に送信するステップを備え、
前記レジ端末においては、その受信部が前記金融機関のコンピュータ処理部から使用者の引落金額及び店舗への振込み金額を含む振込み処理の結果、又は、照合が不一致である旨を受信するステップ、前記金融機関のコンピュータ処理部から送信されてきた振込み処理の結果のうち引落金額又は照合が不一致である旨を、その送信部から前記照合機能付携帯電話機に送信するステップを備え、
前記照合機能付携帯電話機においては、前記レジ端末から送信されてきた引落金額又は照合が不一致である旨がその表示部に表示されるステップを備えたものである。
この発明に係る商取引システムによれば、種金融機関のカード等を持参していなくても、店舗等において商品の購入やサービスの提供を受ける際に、照合機能付携帯電話機さえ持参していれば、その照合機能付携帯電話機による生体情報に基づく照合や口座番号等の秘密情報を暗号化して送受信するようにしたため、セキュリテイを十分に確保することができるとともに、その所有者の取引先の金融機関との通信により、その携帯電話機を用いて店舗等への支払を可能とするため、需要者にとって極めて便利であるという効果を奏する。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1.について図1及び図2を用いて説明する。この発明に係る照合機能付携帯電話機は、所有者と一対一に対応するものである。各携帯電話機の所有者は、当該携帯電話機を用いて従来の音声又はデータ通信、更には運転免許証、健康保険証又はパスポート等としての身分証明、通行証、IDカード等を必要とする施設への入退出、パソコン・個人データベースへのアクセス、デジタルマネーを用いた電子ショッピング等のような行為を行う。例えば、従来の運転免許証、パスポート等による身分証明の場合には、警察署等の各機関から発行されたもの使用しなければならず、それらは必要に応じて常に携帯しておかなければならないという煩わしさ・不便さがあり、またデジタルマネーを使用した従来の電子ショッピングの場合には、予めデジタルマネーが格納された電子カード等を用いる必要がある。これに対し、この発明に係る照合機能付携帯電話機は、そのような行為を当該携帯電話機によって実現しようとするものであり、そのため、当該携帯電話機に予め記憶された所有者の個人情報情が所有者以外の他人によって勝手に利用されないよう生体情報による本人識別のための照合機能を有する。
図1(a)は本実施の形態1.による照合機能付携帯電話機の概観を示す概観図、図1(b)は図1(a)に示す照合機能付携帯電話機のA−A’断面構成図、図2は図1(a)に示す生体情報検出手段の部分断面及びその生体情報検出手段を用いた指紋の読み取り状態を示す構造説明図である。なお、図1(b)は図1(a)に示す照合機能付携帯電話機のA−A’断面図であるが、マイク、スピーカ等の音声入出力手段、キーボタン等の操作部基板、撮影手段、生体測定手段などについては便宜上図示を省略している。
図1及び図2において、1は照合機能付携帯電話機、2は照合機能付携帯電話機1の本体フレーム、3は照合機能付携帯電話機1の背面側に取り付けられ電源を供給する電池パック、4は本体フレーム2内から引き出し可能に構成されたアンテナ部、5は音声信号が入力されるマイク部、6は通話相手の音声信号あるいは音声合成された音声信号を外部に出力するスピーカ部、7は相手先の電話番号及びIPアドレスの入力の他、電話番号に対応させて氏名などの情報を入力するキーボタン、8は記憶手段内に記憶された電話番号などの読出し・変更・消去、電子メール機能への切り替え、操作手順の簡略化などのために使用されるファンクションキー、9は本体フレーム2内に内蔵され、使用者の顔、風景などを撮影するカメラユモジュール等からなる撮影手段、10は撮影手段9と並んで配置され、指紋、虹彩などの生体情報を検出する生体情報検出手段である。この生体情報検出手段10もカメラモジュール等により構成する。例えば、レンズの厚さを撮影手段9のそれよりも厚くすることで焦点距離を短くし生体情報検出手段10として機能させる。
また、11は例えば指紋情報の検出時に指紋情報の検出を確実にする一方、撮影手段9による顔、風景などの撮影の際に撮影の障害とならないよう本体フレーム2に形成された生体情報検出手段10のガイド部、12は指紋情報などの検出時に指などの存在を検出し生体測定手段11に対して個人情報の検出を指示する導電部材などの作動手段、13は比較的大画面に形成され、記憶手段に記憶された相手先の電話番号や所有者の個人情報あるいは無線通信部を介して入手した電子メールなどのテキスト情報や画像情報、さらには撮影手段9により撮影された画像情報、生体情報検出手段10により検出された指紋情報などを表示する液晶表示板などの表示部、14は表示部5を駆動する表示部基板、15は撮影手段9及び生体測定手段12を駆動させる回路を搭載した基板、16はキーボタン7及びファンクションキー8の入力基板である。
また、図2において、17は撮影手段9のレンズ、18は生体情報検出手段10のレンズ、19はレンズ17,18により結像された光をそれぞれ受光する撮像素子20が設けられた撮像基板、21は本体フレーム2に取り付けられ指紋情報の検出時に指24が載置されるガラス,プラスチックなどの透明部材、22は生体情報検出手段10のレンズ18の近傍に設けられ、指紋、虹彩情報などの検出時に透明部材21側に対して光を照射するLED、ランプなどの光源、23はレンズ17,18、撮像基板19及び光源22などを保持し、本体フレーム2内部の基板(図示省略)に取り付けられるカメラフレーム、24は透明部材21上に載置された使用者の指である。
図2に示すように、本実施の形態1.による照合機能付携帯電話機では、撮影手段9のレンズ17と生体情報検出手段10のレンズ18とをカメラフレーム23で保持し、撮像基板20をそれぞれに共通化することにより撮影手段9と生体情報検出手段10との一体化を図っている。なお、生体情報検出手段10のレンズ18はそのレンズ厚さをレンズ17のそれよりも厚くしており、比較的近距離、すなわち透明部材21に当接した指24の指紋のイメージが撮像基板19の撮像素子20上に正確に結像されるよう構成している。
また、図1及び図2に示すように、ガイド部11は照合機能付携帯電話機1の内側にへこむように形成されており、指紋情報を検出する場合には指紋情報の検出が行われる指がこのガイド部11内におさまり、このガイド部11によって透明部材21上の指紋情報の検出位置の位置ずれを防止している。そして、作動手段12は指紋情報の検出が行われる指24が透明部材21上に載置されたときに、当該指の存在を検知できるようガイド部11内の所定位置に設けている。すなわち、使用者の指24がガイド部11上に載置されると、当該載置された指24の腹部が作動手段12と接触し、これにより指24の存在が検知される。
また、本実施の形態1.では、図1(a)に示すように、ガイド部11が撮影手段9の左側に形成されており本装置1が右手で使用・操作される状態を想定しているが、左手で使用・操作される場合には撮影手段9の右側に形成されていることが望ましい。すなわち、本携帯電話機1を右手で使用・操作する場合、生体情報検出手段10による指紋情報の検出は左手の指について行うことになるが、ガイド部11が撮影手段9の左側に形成されておれば、指紋情報の検出時に表示部13が使用者の手によって隠れることを防止することができ、表示部に表示されたアナウンス情報を確認しながらの指紋情報の検出や生体情報検出手段10により検出された指紋情報の確認などを容易に行うことができる。
また、図1及び図2に示す照合機能付携帯電話機1では、生体情報検出手段10と撮影手段9とを一体化すべく生体情報検出手段10を照合機能付携帯電話機1の正面側に配置させているが、この生体情報検出手段10は撮影手段9とは別に照合機能付携帯電話機1の正面以外のいずれの面に設けてもよい。例えば、図3(a)及び図3(b)は上述したような生体情報検出手段10を撮影手段9とは別のカメラモジュールとし、照合機能付携帯電話機1の正面側でなく側面側に設けた場合の例を示す概観説明図である。図3(a)及び図3(b)に示す照合機能付携帯電話機1bではガイド部11が照合機能付携帯電話機1bの側面側の上部に形成されており、このガイド部11の所定位置に生体情報検出手段10と作動手段12をそれぞれ設けている。この場合においても透明部材21に当接される指の位置はガイド部11によってほぼ同一位置に位置決めすることができ、より正確な指紋情報の検出を行うことができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2.について、図4を用いて説明する。図4は本発明に係る照合機能付携帯電話機であって、例えば上記実施の形態1.による照合機能付携帯電話機(図1又は図3)に内蔵される機能ブロック等を示すブロック構成図である。図4において、24はA/D変換器、音声コーデックDSPなどにより構成され、マイク5により抽出されたアナログ音声信号をデジタル処理して無線通信部25に出力する一方、無線通信部25を介して復調されたデジタル音声信号を元のアナログ音声信号に変換してスピーカ6に出力する音声コーデック、25は送信すべき音声信号あるいは後述するような各種のデータを変調・増幅したり、アンテナ4により受信された高周波信号を復調する変復調機能などを有した無線通信部、26は携帯電話機としての制御プログラムや電話番号読み出し、電子メール機能、照合機能の実行など各種のアプリケーションプログラムを実行する制御手段、27は上述したような各種のプログラム、相手先の電話番号、各電話番号に対応した氏名・住所等の情報、さらには後述するような指紋、虹彩などの個人情報を記憶する記憶手段である。
記憶手段26は読出し・書込みが可能なRAMと読出しのみが可能なROMとから構成している。指紋、虹彩などの個人情報については外部からの書込みによる改変ができないようROMに記憶する共に、他人から盗まれないような手段、例えば不正な手順で分解された場合に記憶内容を強制的に消去する手段(図示省略)を施しておく。これにより、たとえ本携帯電話機1を紛失し又は他人に盗まれたとしても、ROMに記憶された情報が他人に知られることを確実に防止することができる。
28は生体情報検出部10により検出された指紋、虹彩などのイメージの情報を2進あるいは多値のデジタル信号である電気信号に変換するA/D変換部、29はA/D変換部28から出力された指紋、虹彩などのデジタル信号が入力され、例えば、このデジタル化された生体情報と予め記憶手段27に登録しておいた本照合機能付携帯電話機1の所有者の生体情報(上述のようにデジタル化された指紋情報、虹彩情報など)とを相関処理し、それらの一致率あるいは不一致率などから生体情報検出部10により検出された指紋、虹彩などの生体情報と記憶手段27に予め登録された所有者の生体情報との適合性について照合を行う照合手段である。A/D変換部28はカメラモジュールなどの生体情報検出部10と別に設けてもよいし、例えば、生体情報検出部10と一体化させてデジタルカメラユニットを構成するようにしてもよい。
また、30は照合手段29により生体情報検出部10により検出された生体情報と記憶手段27に予め登録された本照合機能付携帯電話機1の所有者の生体情報とが一致した、すなわち照合手段29により生体情報検出部10により検出された生体情報が記憶手段27に予め登録された本照合機能付携帯電話機1の所有者の生体情報と適合したと判断された場合に、制御手段26によって記憶手段27から選択ないし抽出された所有者の個人情報、例えば、所有者の氏名、生年月日、性別、国籍などの情報、指紋、虹彩、顔、体型等、生体的特徴を示す生体情報、さらには本携帯電話機1の電話番号データ、取引先である金融機関(銀行等)の店舗コード,口座番号などの情報及び運転免許証、健康保険証、パスポート、住民登録票、戸籍などに記入された各種の身分情報などを暗号化処理して無線通信部25に出力する一方、後述するようなコンビニエンスストア等の各店舗、金融機関あるいは公共機関において同様に暗号化処理され送信された各種の取引情報を暗号複合化処理する暗号化処理部である。
暗号化処理部30は第三者による通信内容の盗聴や改ざんが確実に防止できるようにより高度の暗号化技術を採用することが望ましい。この暗号化手段30と照合手段29とを設けておくことにより、待ち受け状態から通信中に至るまで個人情報の他人への漏洩を確実に防止しすることができる。また、記憶手段26が不正な手順で分解された場合にその記憶内容を強制的に消去する手段を設けておくことにより、さらに電源を入れていないような状況においても個人情報の他人への漏洩を確実に防止しすることができ、より高度のセキュリティ機能を持たせることができる。
次に、照合機能付携帯電話機1の照合動作について、図3及び図4を参照して説明する。本照合動作については指紋情報だけでなく、虹彩、顔、体型などの生体情報に基づいて行うことが可能であるが、ここでは指紋情報の照合動作について説明する。指紋情報による照合の場合、使用者の指24がガイド部11内の透明部材21上に載置されると、当該指24の存在が作動手段12によって検知される。作動手段12は指24の存在を検知すると検知信号により光源22、制御手段26に通知する。光源22は作動手段12から検知信号の通知を受けると所定の時間間隔をおいて読み取り部、ここでは指24と透明部材21に対して光を照射する。制御手段26は作動手段12から検知信号の通知を受けると通信待ち受け状態から照合動作に処理プログラムの切り替えを行い、照合処理並びに照合動作の開始、経過及びその後の照合結果(一致度・不一致度、一致率、再度の読み取りの要求などの情報)を表示部13に表示させる処理を行う。
指紋情報による照合動作では、指24の存在を作動手段12により検知することができ、この作動手段12の検知に基づいて照合処理が開始されるが、虹彩情報の検出では作動手段12による検知は困難である。この場合には、キーボタン7、ファンクションキー8あるいはそれらを組合せたキー操作を行い、このキー操作後に照合処理を開始させるようにすればよい。この場合にも光源22からの光が透明部材21側へ出力され、その反射光、すなわち虹彩パターンがレンズ18により撮像基板19の撮像素子20上に結像される。なお、顔、体型などの生体情報に基づく照合については、読み取り部(後述する)までの距離が大幅に異なることから例えば撮影手段9により結像された顔パターン、体型パターンに基づいて行えばよい。
読み取り部から反射された光はレンズ18により撮像基板19の撮像素子20上に結像され、これにより電気的に処理可能な指紋のイメージが検出される。このようにして生体情報検出部10による指紋情報の検出が行われる。なお、生体情報検出部10により検出された指紋情報は、渦の形状、指紋の深さ、溝の数・間隔などにより特徴付けられるいわゆる指紋パターンであり、このままでは照合手段29において照合するこができない。そこで、生体情報検出部10により検出された指紋情報はA/D変換部28に出力され照合可能な電気信号、すなわち2進あるいは多値のデジタル信号である電気信号に変換される。このA/D変換部28によりデジタル信号に変換された指紋情報が照合手段29に出力され、この指紋情報と記憶手段27に予め記憶された所有者の指紋情報(この指紋情報も上述のようにデジタル信号に変換された指紋情報である)とに基づいて照合手段29による照合処理が行われる。照合手段29の照合結果は制御手段26に通知される。
なお、この照合処理はいかなるマッチング方式によるものを用いてもよいが、上述したように、本発明に係る携帯電話機1は個人情報を利用して種々の行為(電子商取引、身分証の発行・更新等)を行う観点から個人識別が高精度に判定できる方式を採用することが望ましい。そして、このような照合処理プログラムを記憶手段27のRAMの方に記憶しておけば、新たな処理プログラムが開発された場合、その都度プログラムを書換えることにより常に最新の照合機能を持たせることが可能となる。
制御手段26は照合手段29による照合処理の結果、生体測定手段10により検出された指紋情報と記憶手段27に記憶された指紋情報とが一致、すなわち、適合した場合(所有者本人の場合)には、音声通信又はデータ通信を行う状態から電子ショッピング等、個人情報を必要とする各種のサービスを受ける又は実行することができる状態に処理プログラムの切り替えを行い、不一致、すなわち、不適合の場合(他人の場合)には音声通信又はデータ通信の待ち受け状態を継続する。このように、本発明に係る照合機能付携帯電話機では、照合処理の結果、生体測定手段10により検出された指紋情報と記憶手段27に記憶された指紋情報とが不適合と判断された場合にもいわゆる個人情報を必要としない音声通信又はデータ通信については引き続き行うことが可能である。
一般に、携帯電話機は相手からの通話要求に応答するため常に待ち受け状態にしておくことが多い。例えば、電源を入れるときに本人確認の照合を行うようにすることも考えられるが、電源を入れておかないと待ち受け状態にすることはできないし、一旦電源を入れてしまうと紛失、盗難等により所有者以外の他人が誰でも使用できることとなってしまう。これに対し、本発明に係る照合機能付携帯電話機では、通信待ち受け状態において照合処理を実行するようにしているので、第三者からの通話要求にリアルタイムで応答することが可能である一方、当該携帯電話機に高度のセキュリティ機能を持たせることができる。すなわち、所有者の身分情報や生体情報等を当該携帯電話機に予め記憶しこれらの個人情報を用いて身分確認、電子ショッピング等を行うような場合において、たとえ当該携帯電話機が紛失又は盗難されたとしても、当該携帯電話機内に記憶された個人情報の他人による不正使用を確実に防止することができる。
また、制御手段26は、例えば生体測定手段10により検出された指紋情報と記憶手段27に記憶された指紋情報とが一致すると、表示部13にメニュー画面を表示させ、所有者に電子ショッピング、身分証の読出し・更新等どのようなを行為(処理)を行うか機能の選択を促す。所有者は表示部13に表示されたメニューの中から目的とする項目をキーボタン等を用いて選択しこの選択信号が制御手段26に出力され、以後、音声通信又はデータ通信を行う処理プログラムが選択された項目の処理プログラムに切り替えられて実行される。
例えば、電子ショッピングが選択された場合には、電子ショッピングでは銀行等においてデジタルマネーの処理を行うこと必要があり、そのために必要な金融機関コード、銀行の口座番号、暗証番号及び返信用の本携帯電話機1の電話番号などの個人情報が記憶手段27から読み出され暗号処理部30により暗号化される。また、身分証の読出しが選択された場合には、公共機関などで本人確認を行う必要性から所有者の氏名、性別、年齢、身分証番号、指紋情報等の生体情報が記憶手段27から読み出され暗号処理部30により暗号化される。そして、暗号処理部30により暗号化された以上のような個人情報は無線通信部25に出力され、アンテナ部4を介して無線送信される。なお、本発明に係る照合機能付携帯電話機を用いた各種サービスにおける具体的な取引方法、使い方などについては後述する。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3.について図5、図6及び図7を用いて説明する。本実施の形態は、上記実施の形態1、2において説明した照合機能付携帯電話機を所有者の身分証明の手段として利用する照合システムに関する。身分証明が必要な場合としては、例えば、警察官に対する運転免許証の提示、空港等におけるパスポートの提示、病院における健康保険証の提示、その他、特定の者だけの入退出が許可された重要施設等への入退出、官庁や企業内に設置されたデータベースあるいは個人端末装置へのアクセス等がある。本発明に係る照合システムはこのような身分証明が必要な状況に適用されるものであり、適用される用途に応じた形態でそれぞれ実施する。
例えば、後述する図5に示すような照合システムでは、警察官への身分情報の提示のため登録管理局における身分確認の結果及びその他の情報を照合機能付携帯電話機1に対して返信するように構成しているが、重要施設等への入退出、官庁や企業内に設置されたデータベースあるいは個人端末装置へのアクセス等の用途に適用する場合には、登録管理局における身分確認の結果に応じて入退出口の開閉を行ったり、データベースあるいは個人端末装置のアクセスを許可することが必要であり、そのための手段、例えば身分情報の確認を行うコンピュータ処理部からの指示に基づき入退出口の開閉を行う手段、データベースあるいは個人端末装置のプロテクトを解除する手段等を登録管理局側に設けておく。
図5はこの発明の実施の形態3.による照合システムを概念的に示すブロック図である。図5において、1は実施の形態1及び2において説明したものと同様の構成・機能を具備した照合機能付携帯電話機(具体的構成については図4を参照して説明する)、200は警察署等に設置され、照合機能付携帯電話機1からの身分情報により身分情報の確認ステップを行う登録管理局である。照合機能付携帯電話機1の記憶手段27には、所有者の身分証明となる情報、例えば自動車、バス、電車等の運転免許証やその他各種の会員証等、所有者の身分証明を行うための情報(以下、「身分情報」という)を記憶する。自動車の運転免許証の場合には運転免許登録番号、健康保険証の場合には保険証番号等である。また記憶手段27には照合機能付携帯電話機1が所有者自身のものであることを証明するため、所有者の生体情報(顔、指紋等の情報)等も記憶する。
一方、登録管理局200には、コンピュータ処理部201の記憶部204に照合機能付携帯電話機1に記憶されている内容と同様の身分情報(運転免許登録番号、保険証番号等)や生体情報(虹彩、指紋情報等)を登録・記憶しておく。記憶部204には多数の所有者の個人情報をそれぞれ登録しておき、照合機能付携帯電話機1の各所有者について身分確認ができるようデータ構成しておく。なお、照合機能付携帯電話機1及び登録管理局200における身分情報や生体情報の登録は、当該情報の機密性の高さから例えば運転免許証の場合には運転免許証の交付時に警察署や交通安全協会にて行う。また、運転免許証の更新時には、必要に応じて上記場所で個人情報の更新を行う。
概要について簡単に説明すると、照合機能付携帯電話機1から送信された運転免許登録番号、生体情報等の身分情報が基地局100を介して登録管理局200の送受信部202により受信され、照合部203において記憶部204に予め記憶された身分情報と照合される。照合部203の照合結果は送受信部204から基地局100を介し当該照合機能付携帯電話機1に送信される。
次に、図5に示す照合システムの動作について図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。上記のとおり当該照合機能付携帯電話機1は、本来の携帯電話機としての通話機能のほか、その所有者にとっての各種の身分証明手段としての機能をも有する。例えば車を運転する場合、従来は運転免許証を携帯する必要があったが、本発明に係る照合システムでは各運転者は自身が所有する照合機能付携帯電話機1を運転免許証として携帯することになる。以下、交通取り締まり時における警察官による運転者の運転免許証の確認手順を例として当該照合システムの動作について説明する。後述するように、この運転免許証の確認手順は照合機能付携帯電話機1における所有者確認プロセスと身分情報確認プロセスの2つのプロセスから成り立っており、身分情報の確認プロセスに移行するには、照合機能付携帯電話機1における所有者の確認プロセスにおいて、照合機能付携帯電話機1の使用者が当該携帯電話機1の所有者であることが確認される必要がある。まず、所有者確認プロセスについて説明する。
警察官により運転手が運転免許証の提示を求められると、運転者はまず携帯している照合機能付携帯電話機1の生体情報検出10により指紋等の生体情報の入力を行う(ステップ1)。生体情報が入力されると、この生体情報は運転免許証の発行時あるいは更新時等にその照合機能付携帯電話機1にあらかじめ記憶させておいた生体情報と比較・照合される(ステップ2)。これらの各ステップは、照合機能付携帯電話機1の所有者とその使用者である運転手との適合性(一致の有無)を確認するために行う。
上記ステップにより入力された生体情報とあらかじめ記憶させておいた生体情報とが適合しなかったときには、不適合の結果として「照合が一致しません」等のメッセージが照合機能付携帯電話機1の表示部13に表示され(スッテプ3)、照合処理を終了する(ステップ4)。この「照合不適合」の結果が提示されることにより警察官は運転手が「免許不携帯」であると判断することができる。一方、この照合が適合したときには、「照合が一致しました」等のメッセージと共に、予め記憶手段27に記憶された運転免許登録番号や運転手の生体情報(顔写真)をその照合機能付携帯電話機1の表示部13に表示させ、この表示内容により警察官は視覚により運転者本人と運転免許証としての照合機能付携帯電話機1の所有者の適合性を確認することができる(ステップ5)。
ここまでのステップが所有者の確認プロセスである。なお、上記所有者の確認プロセスの段階では、照合機能付携帯電話機1は通話可能な状態(通話モード)を維持している。つまり、当該携帯電話機1は通話待ち受け状態を維持しており、上記ステップ5による適合性の確認が終了すると、無線モードを通話モードから照合モードに切替え(ステップ6)、後述するような身分情報の確認プロセスを開始する。
ここで、上記の無線モードの切替えの仕組みについて図7を用いて詳細に説明する。図7は上述した通話モード/照合モードの切替の具体的仕組みを示すブロック構成図である。図7において、40は照合機能付携帯電話機1の無線通信部25内に設けられたスイッチ機能を有するモード切替部である。モード切替部40において、端子Aは音声コーデック24に、端子Bは暗号化処理部30に、端子Cはアンテナ部4に接続されており、制御手段26からの切替信号により端子Cを端子A又はBに接続する。通常、照合機能付携帯電話機1は通話モードで動作しており、端子Cと端子Aとが接続され無線通信部25は音声コーデック24と接続されている。この通話モードでは、マイク5から入力された音声は音声コーデック24にてデジタル処理され、無線通信部25にて高周波信号に変換されアンテナ4より送信される。逆に、アンテナ4で受信された高周波信号は無線通信部25を経由して音声コーデック24にて音声信号に変換されスピーカ6より出力される。
一方、照合モードでは、端子Cは端子Bに接続され、無線通信部25は暗号化処理部30に接続されている。この照合モードでは、各種の身分照合のための情報が暗号化処理部30にて暗号化され、無線通信部25にて高周波信号に変換され、アンテナ4より送信される。逆に、アンテナ4で受信された高周波信号は、無線通信部25を経由して暗号化処理部30に入力され、逆暗号化の処理が施される。通話モード/照合モードの切替は制御手段26からの切替信号により行われる。上記説明では、照合モードへの切替タイミングは、身分情報確認プロセスの開始時点(ステップ6)としたが、この場合、「入力された生体情報と予め登録された生体情報との照合の結果」(ステップ2における「Yes」の結果)に基づいて制御手段26内で切替信号を生成すればよい。
また、照合モードへの切替タイミングとしては、上記のほかにも、所有者確認プロセスの開始時点(ステップ1)としてもよい。この場合には、例えば「生体情報の入力操作」(ステップ1)に基づき、制御手段26内で切替信号を生成すればよい。後者の場合には、前者の場合に比べモード切替のタイミングが少し早くなり、通話できる時間がわずかに短くなるが実用上は何ら問題はない。なお、上記説明ではモード切替は図6の動作フローの中の処理の結果に基づき自動的に行われるように説明したが、キー操作により手動で行うようにしても構わない。例えば、照合開始(ステップ1)前又は生体情報の照合一致の表示(ステップ5)後に、ファンクションキー8の操作によりモード切り替え操作を行うようにしてもよい。照合モードから通話モードへの切替は、後述するように、身分照合のプロセスが終了した時点で、自動的に切り替わる。
次に身分情報の確認プロセスについて説明する。ステップ6で照合モードへの切替が行われると、運転手の身分照合のためその運転免許登録番号及びカメラにより検出した運転手の生体情報を登録管理局200に送信する(ステップ7)。この送信は基地局100を介して行われる。送信する情報としては、身分情報,生体情報のほか、登録管理局200での照合結果を照合機能付携帯電話機1に通知する必要があるため照合機能付携帯電話機1の電話番号も送信する。このとき、照合機能付携帯電話機1の表示部13には「送信中」と表示されるようにしてもよい。このステップ7により、一旦、処理が登録管理局200に移る。
登録管理局200では、送信されてきた運転免許登録番号、生体情報等をコンピュータ処理部201内の送受信部202で受信する(スッテプ8)。この情報に基づき、すでに記憶部204に登録・管理をしている生体情報と送信されてきた生体情報とを照合部203で比較・照合する(スッテプ9)。この生体情報の照合の結果、その照合が一致しないときには「生体情報の照合不一致」と判定し(ステップ10),その照合が一致したときには、「生体情報の照合一致」と判定する(スッテプ11)。なお、この登録管理局200内でのステップ9〜11の処理は、照合機能付携帯電話機1内でのステップ2〜5の処理と、同一の生体情報に基づく処理であるため、処理を簡易にする必要がある場合には省略しても構わない。
次に身分情報(氏名、住所、運転免許証番号等)の照合処理が行われる。ここでは、記憶部204に登録・管理をしている身分情報と送信されてきた身分情報とを照合部203で比較・照合する(スッテプ12)。この身分情報の照合の結果、その照合が一致しないときには「身分情報の照合不一致」と判定し(ステップ13),その照合が一致したときには、「身分情報の照合一致」と判定する(スッテプ14)。この身分情報の照合結果は、上記の生体情報の照合結果と合わせて照合判定結果として、送受信部202から照合機能付携帯電話機1の電話番号によって基地局100を経由して返信先の照合機能付携帯電話機1に送信される(ステップ15)。照合機能付携帯電話機1では,照合判定結果を受信し(ステップ16),表示部13にその内容を表示する(ステップ17)。
警察官は運転者が提示する照合機能付携帯電話機1の表示部13の表示内容によりその運転手が登録管理局200に登録された正規の運転免許証の保有者であるかどうかを確認することができる。この表示内容の確認が終了することにより照合機能付携帯電話機1の無線モードは照合モードから通話モードへと切り替わる(ステップ18)。このとき表示部13には「通話できます」とのメッセージを表示部13に表示することにより照合機能付携帯電話機1の使用者は通話モードへの切り換え確認することができる。このようにして、照合機能付携帯電話機1さえ持参していれば、従来のような自動車の運転免許証や各種の会員証等を多数持参しておく必要はなくなる。なお、上記説明では運転免許証の場合について説明したが、病院における健康保険証の提示やパスポートの提示等、各種の身分証明を必要とする場合においても上述したような同様の手順で身分情報の提示を行うことができる。
以上のように、図5に示すような照合システムによれば、生体情報による所有者確認のプロセスと生体情報及び身分情報による身分情報確認プロセスとを設け、照合機能付携帯電話機1内に予め記憶された所有者のいわゆる個人情報を生体情報による照合の結果に応じて読み出して照合情報として利用することにより、当該個人情報についてのセキュリテイを確保しつつ、容易かつ正確に身分・資格・免許等を証明等を行うことができる。なお、上記実施の形態では、運転免許証による身分証明を例としたことから登録管理局200は警察署等に設置される旨説明したが、上述のような照合システムを重要施設等への入退出管理、官庁や企業内に設置されたデータベースあるいは個人端末装置へのアクセス管理等に適用するような場合には、登録管理局は入退出の管理を行う建物内、データベースあるいは個人端末装置が設置された建物内に設けることが望ましく、用途に応じて応じてそれぞれ適切な場所に設ける。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る商取引システムについて、図8,図9を用いて説明する。この商取引システムは、上記実施の形態1、2において説明した照合機能付携帯電話機1を、電子ショッピング等の商取引における代金支払いの手段に適用するものである。図8はこの発明の商取引システムを概念的に表したブロック図である。図9はこの発明の商取引システムの動作手順を説明するフローチャートである。図8において、照合機能付携帯電話機1は、一般的には実施の形態1及び2において説明したものと同様な構成を有する。400は、商取引に伴う対価の振込処理が行われる金融機関のコンピュータ処理部であり、照合機能付携帯電話機1からの引出・振込指示、照合機能付携帯電話機1への引出・振込応答を基地局100を経由して行う。500は、商取引が行われる店舗であり、振込結果を知るために通信網に接続されている。
ここで、照合機能付携帯電話機1の照合機能が、本商取引システムにおいて重要な機能であることを説明する。後述するように当該照合機能付携帯電話機1は、所有者の金融機関のコンピュータ処理部400に接続するため、所有者が照合機能付携帯電話機1を紛失したような場合には、その所有者にとっては極めて重大な事態となる。したがって、その照合機能付携帯電話機1はその所有者のみが使用でき、第三者は使用できないようにする必要がある。そのため、携帯電話機1はその所有者の生体情報を内蔵のメモリに記憶しておき、店舗等への対価の支払いの度にメモリに記憶している生体情報とその照合機能付携帯電話機1の使用者(操作者)の生体情報とを照合することによりセキュリテイを確保する。即ち、かかる照合が一致したときにのみ、上述のような商品購入等に伴う対価の支払いを可能とするものである。かかる照合が一致しないときには、照合機能付携帯電話機1は通常における音声通話のためだけに使用可能である。
次にこの発明の商取引システムの動作手順を図9のフローチャートを用いて説明する。なお、本商取引システムの動作手順中、実施の形態3で説明した照合システムの動作手順と共通する部分については、適宜説明を簡略化する。通常、照合機能付携帯電話機1は通話用として使用されるが、上記のとおり当該照合機能付携帯電話機1は、電子ショッピングにおける金銭引出・振込のツールとして用いられる。この商取引手順は、照合機能付携帯電話機1の所有者の確認プロセスと引出・振込処理プロセスの2つのプロセスから成り立つ。また、後述するように、この商取引手順の中で、照合機能付携帯電話機の2つの無線モード(通話モードと商取引モード)の切替が行われる。所有者の確認プロセス(ステップ1〜5)は実施の形態3の照合システムで説明したものとほぼ同じ内容である。
なお、図6のステップ5では、運転免許登録番号等の身分情報が表示されたが、商取引システムの場合にはこの表示は必要ではない。その代わりに、照合結果の表示と共に、所有者の金融機関情報等を表示するようにしてもよい。上記ステップ1から5までの所有者の確認プロセスにより照合機能付携帯電話機1の所有者と金銭の引出・振込処理を行う者との適合性を確認することができる。上記ステップ5での一致性の確認が終了すると、無線モードを通話モードから商取引モードに切替え(ステップ6)、引出・振込処理プロセスを開始する。
次に引出・振込処理プロセスについて説明する。ステップ6で商取引モードへの切替が行われると、照合機能付携帯電話機1の表示部13には「支払金額を入力して下さい」との表示がされる。このとき、所有者は照合機能付携帯電話機1の操作キーにより支払金額(対価)、引出時に必要な金融機関に登録した所有者自身の暗証番号及び対価の振込先情報(商取引を行った店舗の金融機関コード(金融機関名、支店名、口座番号等))を入力する(ステップ7)。この入力された情報は、一旦メモリに記憶される。上記の入力操作が終了すると、あらかじめ照合機能付携帯電話機のメモリに記録されている金銭の引出先情報(所有者の金融機関コード(金融機関名、支店名、口座番号等))、上記のキー操作により入力した各種の情報(対価、暗証番号、振込先情報)、照合機能付携帯電話機の電話番号、その他必要な情報を引出・振込処理情報として基地局100経由で所有者の金融機関(金融機関A)へ送信する(ステップ8)。
この送信は、あらかじめメモリに記憶された引出先の金融機関の電話番号による通信に基づく。ここで、上記送信情報のうち、少なくとも所有者の金融機関の口座番号及び暗証番号は照合機能付携帯電話機1内の暗号化処理部30で暗号化されている。一方、振込先の金融機関名,支店名及び対価は暗号化されていなくてもよい。なお、メモリに記憶されている所有者の金融機関コードが複数ある場合には、所有者が上記処理の途中で操作キーにより選択できるようにしておけばよい。また、上記引出・振込処理情報中には、その照合機能付携帯電話機1の所有者の生体情報も含めるようにしてもよい。
金融機関Aでは、送信されてきた引出・振込処理情報をコンピュータ処理部400内の送受信部401で受信する(スッテプ9)。なお、コンピュータ処理部での各種処理・制御は制御部402が行う。まず振込処理情報中の暗証番号と、すでに記憶部403に登録・管理をしている暗証番号とを照合部404で比較・照合する(スッテプ10)。この暗証番号の照合は、当該口座を正規に取り扱える者であるかどうかの確認を行うための処理である。この暗証番号の照合の結果、その照合が一致しないときには「暗証番号の照合不一致」と判定し(ステップ11),その照合が一致したときには、「暗証番号の照合一致」と判定する(スッテプ12)。この暗証番号の照合が一致したときに、振込処理部405により、その所有者の口座番号に基づく口座からその対価を引き落とし、店舗口座へ振込処理が行われる(スッテプ13)。なお、引出先の金融機関Aと振込先の金融機関Bが異なる場合には、ネットワークを介して振込処理が行われる。
コンピュータ処理部400内での、各種処理結果は、表示部406にて金融機関でも確認できる。ステップ10での暗証番号の照合結果又はステップ13での振込処理結果(引き落とし金額及び残高等)は、応答データとして送受信部401から照合機能付携帯電話機1の電話番号によって基地局100を経由して返信先の照合機能付携帯電話機1に送信される(ステップ14)。照合機能付携帯電話機1では,照合結果又は振込処理結果を受信し(ステップ15),表示部13にその内容が表示される(ステップ16)。
この表示が終了した時点で照合機能付携帯電話機1の無線モードは、商取引モードから通話モードへと切り替わる(ステップ17)。一方、振込処理結果は店舗500へも通信網経由で送信され(ステップ18)、後述する実施の形態5におけるレジ端末等へ表示させ、店舗でも確認が行える(ステップ19,20)。なお、上記説明では暗証番号による照合のみを行ったが、金融機関においても、その照合機能付携帯電話機1に記憶している所有者の生体情報と同一の生体情報を記憶しておき、照合機能付携帯電話機1と金融機関との両方において使用者の生体情報を比較・照合するようにすれば、さらにセキュリテイを確保することができる。
また、携帯電話機の利用者においては金融機関からのデジタルマネーの引き出しを行うことなく、コンビニエンスストア等の店舗側においては自己の取引口座についての情報を顧客に知られることなく、金融機関により管理された自己の取引口座による電子決済を行うことができる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る商取引システムについて図10及び図11を用いて説明する。この商取引システムは、実施の形態4において説明した商取引システムを発展させたものであり、後述するように店舗に備え付けられたレジ端末を経由して商取引を行うようにしたものである。図10は、この発明の商取引システムを概念的に表したブロック図である。図11はこの発明の商取引システムの動作を説明するフローチャートである。照合機能付携帯電話機1の構成・機能については、一般的には実施の形態4の場合と同様であるが、後述するような相違点もある。300は、当該商品の販売場所やサービスの提供場所(店舗等)に設置したレジ端末で、一般に使用されている領収書のコピー・売上清算等を行うレジに代替するものである。
レジ端末300は、所有者の照合機能付携帯電話機1からの送信データを受信し、所有者の金融機関コードの金融機関名及び支店名を検出する。その検出した金融機関に対して基地局100を経由して送信データを送信する。このときに、レジ端末300は自己(店舗等)の金融機関コード(金融機関名、支店名、口座番号)を送信データに付加して送信する。
次に、この発明の商取引システムの動作手順を図11のフローチャートを用いて説明する。この商取引手順も実施の形態4の場合と同様に、照合機能付携帯電話機1の所有者の確認プロセスと引出・振込処理プロセスの2つのプロセスから成り立つ。また、この商取引手順の中で、照合機能付携帯電話機1の2つの無線モード(通話モードと商取引モード)の切替が行われる。所有者の確認プロセス(ステップ1〜5)では実施の形態4の照合システムで説明したものと同じプロセスが実行される。ステップ5での一致性の確認が終了すると、無線モードを通話モードから商取引モードに切替え(ステップ6)、引出・振込処理プロセスを開始する。
次に引出・振込処理プロセスについて説明する。ステップ6で商取引モードへの切替が行われると、照合機能付携帯電話機1の表示部13には「支払金額を入力して下さい」との表示がされる。このとき、所有者は照合機能付携帯電話機1の操作キーにより支払金額(対価)、引出時に必要な金融機関に登録した所有者自身の暗証番号を入力する(ステップ7)。この入力された情報は、一旦メモリに記憶される。上記の入力操作が終了すると、あらかじめ照合機能付携帯電話機1のメモリに記録されている金銭の引出先情報(所有者の金融機関コード(金融機関名、支店名、口座番号等))、上記のキー操作により入力した各種の情報(対価、暗証番号)、照合機能付携帯電話機1の電話番号、その他必要な情報をレジ端末300へ送信する(ステップ8)。
レジ端末300では、照合機能付携帯電話機1から送信されたデータを送受信部301で受信し(スッテプ9)、データ生成部303でこのデータにあらかじめレジ端末内の記憶部303に記憶されている対価の振込先情報(商取引を行った店舗の金融機関コード(金融機関名、支店名、口座番号等))を付加し、引出・振込処理情報を生成する(ステップ10)。この後、上記引出・振込情報に含まれる引出先の金融機関名をもとに、あらかじめ記憶部303に記憶されている当該金融機関の電話番号を読み出し、当該金融機関に上記引出・振込情報を自動発信し、基地局100経由デ金融機関Aへ送信する(ステップ11)。
金融機関Aのコンピュータ処理部400は、レジ端末300からの送信された引出・振込処理情報を受信する(ステップ12)。そして、その使用者の暗証番号と記憶部403に登録されている所有者の暗証番号とを照合部404で比較して(ステップ13)、その使用者が登録されている所有者であることを確認する(ステップ15)。この確認がされたとき、所有者の指定する金融機関とレジ端末300(店舗等)の指定する振込先の金融機関が同じであれば(ステップ16)、金融機関のコンピュータ処理部400は、振込処理部405によりその所有者の口座から当該対価を引き落し、レジ端末300の口座に振り込む(ステップ17)。所有者の口座からの引落金額及び残高並びにレジ端末300の口座への振込金額及び残高を応答データとして基地局100を経由してレジ端末300に送信する(ステップ21)。
レジ端末300では、自己の指定する金融機関の口座に当該対価が振り込まれたかどうかを応答データのうちレジ端末300の口座への振込金額及び残高のみをレジ端末300の表示手段306に表示することより確認する(ステップ22)。レジ端末300は照合機能付携帯電話機1に所有者の口座からの引落金額及び残高のみを送信する(ステップ23)。照合機能付携帯電話機1は、その表示部に当該対価を表示して店舗等への支払いを確認する(ステップ24,25)。
一方、金融機関のコンピュータ処理部400において、使用者の暗証番号と登録されている暗証番号とが異なる場合には、金融機関のコンピュータ処理部4は「暗証番号が異なる」旨をレジ端末300に送信する(ステップ14、21)。レジ端末2はその旨を照合機能付携帯電話機1に送信する(ステップ22、23)。また、所有者の指定する金融機関Aがレジ端末300の指定する金融機関Bと異なる場合には、金融機関Aのコンピュータ処理部400と金融機関Bのコンピュータ処理部400とを通信可能に接続することにより、金融機関Aのコンピュータ処理部400は所有者の口座から引き落とし、その引き落とし金額を金融機関Bの口座に振り込むように金融機関Bのコンピュータ処理部400に送信する(ステップ16、18)。
金融機関Bのコンピュータ処理部400はレジ端末300の口座に入金し、金融機関Aのコンピュータ処理部400に入金したことを通知する(ステップ19、20)。金融機関Aのコンピュータ処理部400は、その通知を受けて金融機関Bのコンピュータ処理部に入金したことをレジ端末300に応答する(ステップ21)。商取引のプロセスが終了した時点で照合機能付携帯電話機1の無線モードは、商取引モードから通話モードへと切り替わる(ステップ26)。
この実施の形態5による商取引システムでは、従来のインターネットを利用して商品を購入する商取引システムとは異なり,ユーザが実際に商品の販売場所(店舗等)やサービスの提供場所に出向いて商品を購入し、サービスの提供を受けることを想定している。したがって、照合機能付携帯電話機1はレジ端末300との間で通信できれば足りるから、送信電力は通常の音声通話のそれよりも小さくすることができる。このため、照合機能付携帯電話機1は、レジ端末300と直接通信を行うための送信電力の小さい近接用送受信機を新たに搭載し、この近接用送受信機と基地局を介する音声通話のために送信電力の大きい遠隔送受信機との間で切替えを行うように構成してもよい。或いは、照合機能付携帯電話機1はこのような近接用送受信機を搭載せずに音声通話のための遠隔送受信機を共用し、レジ端末300と通信するときには送信電力を低下させるように制御してもよい。このような照合機能付携帯電話機1の近接用送受信機と遠隔用送受信機との切替え或いは遠隔送受信機の制御に関しては、照合機能付携帯電話機1の制御手段26の手順により行う。
また、照合機能付携帯電話機1は、その所有者の口座番号や暗証番号をその送信データとしてレジ端末300に送信するが、レジ端末300ではユーザの口座番号や暗証番号を直接には知る必要はなく、このため照合機能付携帯電話機1は所有者の口座番号、暗証番号等を暗号化して送信する。一方、レジ端末300は基地局100を経由して所有者の指定する金融機関のコンピュータ処理部400に送信するため、所有者の指定する金融機関名及び支店名(送信先)を検出する必要がある。したがって、照合機能付携帯電話機1は、その金融機関名及び支店名を暗号化する必要はない。もっとも、照合機能付携帯電話機1がその金融機関名及び支店名も暗号化して送信するのであれば、レジ端末300はその送信先の暗号を解読する必要がある。
この発明の実施の形態1.による照合機能付携帯電話機を示す外概観図及び断面構成図である。 図1に示す生体情報測定手段10の部分断面及びこの生体情報検出手段10を用いた指紋の読み取り状態を示す構造説明図である。 この発明の実施の形態1.による照合機能付携帯電話機を示す外概観図及び側面図である。 図1又は図3に示す照合機能付携帯電話機に内部構成を具体的に示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3.による照合システムを示すブロック図である。 図5に示す照合システムの動作手順を示すフローチャート図である。 この発明の通話モード/照合モードの切り替えの具体的仕組みを示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態4.による商取引システムを示すブロック図である。 図8に示す商取引システムの動作手順を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態4.による商取引システムを示すブロック図である。 図10に示す商取引システムの動作手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 照合機能付携帯電話機、4 アンテナ、5 マイク、6 スピーカ、 7 テンキー、8 ファンクションキー、10 生体情報検出手段、 12 作動手段、13 表示部、18 生体情報測定用レンズ、 19 撮像基板、20 撮像素子、22 光源(照明手段)、 24 音声コーデック、25 無線通信部、26 制御手段、 27 記憶手段、29 照合手段、30 暗号化処理部、 100 基地局、200 登録管理局、201 コンピュータ処理部、 202,301,401 送受信部、 203,404 照合部、 204,303,403 記憶部、 302,402 制御部、 306,406 表示部、 300 レジ端末(商品,サービス機関)、 400 コンピュータ処理部(金融機関)、500 店舗。

Claims (2)

  1. 使用者の照合すべき生体情報と照合機能付携帯電話機にあらかじめ記憶しておいた生体情報とを前記照合機能付携帯電話機の照合手段が照合するステップ、その照合が一致しないときには、前記照合機能付携帯電話機を通話モードから商取引モードに切替えずに通話モードとし、その照合が一致したときには前記照合機能付携帯電話機のモード切替部が通話モードから商取引モードに切替えるステップ、商取引モードに切り替わった後に、前記照合機能付携帯電話機の操作キーにより支払うべき対価取引する金融機関の暗証番号及び対価を振込むべき店舗の金融機関コードの入力情報が入力されると、前記照合機能付携帯電話機の記憶手段がその入力情報をいったん記憶するステップ、前記照合機能付携帯電話機の制御手段の動作による処理プログラムに基いて、あらかじめ前記照合機能付携帯電話機の記憶手段に記憶していた前記金融機関コード及び前記照合機能付携帯電話機の電話番号を読み出し、これらと使用者の照合すべき生体情報とを入力情報に追加し、少なくともその金融機関の暗証番号を前記照合機能付携帯電話機の暗号化処理部により暗号化して送信情報を作成するステップ、前記照合機能付携帯電話機の無線通信部は、その送信情報を金融機関のコンピュータ処理部に対して基地局を経由して送信するステップを備え、
    その金融機関のコンピュータ処理部においては、前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた送信情報を受信部により受信し、その金融機関の暗証番号を解読し、その解読した暗証番号及び前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた使用者の生体情報とその金融機関のコンピュータ処理部において記憶部にあらかじめ登録しておいた暗証番号及び生体情報とをコンピュータ処理部の照合部が照合するステップ、それらの照合がいずれも一致したときには、コンピュータ処理部の振込処理部の動作に基いて、引出先口座から支払うべき対価を引き落すとともに、前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた対価を振込むべき店舗の金融機関コードに基いてその店舗の振込先口座に振込む振込み処理を行うステップ、その振込み処理の結果を、又は、前記暗証番号及び生体情報のいずれかの照合が不一致のときに照合が不一致である旨を、前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた電話番号に基づいてコンピュータ処理部の送信部から基地局を経由して前記照合機能付携帯電話機に送信するとともに、対価を振込むべき店舗に対しその店舗が取引する金融機関に対価が振込まれた旨を送信するステップを備え、
    前記照合機能付携帯電話機においては、振込み処理の結果又は照合が不一致である旨がその表示部に表示されるステップを備えた商取引方法。
  2. 使用者の照合すべき生体情報と照合機能付携帯電話機にあらかじめ記憶しておいた生体情報とを前記照合機能付携帯電話機の照合手段が照合するステップ、その照合が一致しないときには、前記照合機能付携帯電話機を通話モードから商取引モードに切替えずに通話モードとし、その照合が一致したときには前記照合機能付携帯電話機のモード切替部が通話モードから商取引モードに切替えるステップ、商取引モードに切り替わった後に、前記照合機能付携帯電話機の操作キーにより支払うべき対価取引する金融機関の暗証番号の入力情報入力されると、前記照合機能付携帯電話機の記憶手段その入力情報をいったん記憶し、前記照合機能付携帯電話機の制御手段の動作による処理プログラムに基いて、あらかじめ前記照合機能付携帯電話機の記憶手段に記憶していた前記金融機関コード及び前記照合機能付携帯電話機の電話番号を読み出し、これらと使用者の照合すべき生体情報とを入力情報に追加し、少なくともその金融機関の暗証番号を前記照合機能付携帯電話機の暗号化処理部により暗号化して送信情報を作成するステップ、前記照合機能付携帯電話機の無線通信部は、その送信情報を商品又はサービス機関に設置されているレジ端末に対して送信するステップを備え、
    そのレジ端末においては、その受信部が前記照合機能付携帯電話機から送信されてきた送信情報を受信し、その制御部の処理プログラムに基いてその送信情報に商取引する店舗の金融機関コードを付加した引出・振込処理情報を作成するステップ、その送信部が前記引出・振込処理情報を前記金融機関コードに係る金融機関のコンピュータ処理部に基地局を経由して送信するステップを備え、
    その金融機関のコンピュータ処理部においては、その受信部が前記レジ端末から送信されてきた引出・振込処理情報を受信し、その金融機関の暗証番号を解読するステップ、その解読した暗証番号及び使用者の生体情報とその金融機関のコンピュータ処理部においてあらかじめ登録しておいた暗証番号及び生体情報とを照合するステップ、それらの照合がいずれも一致したときには、その処理プログラムに基いて使用者の引出先口座から支払うべき対価を引き落し、振込むべき店舗の金融機関コードに基いてその店舗の振込先口座に対価を振込むステップ、振込み処理を行い使用者の引落金額及び店舗への振込み金額を含む振込み処理の結果を、又は、前記暗証番号及び生体情報のいずれかでも照合が不一致のときにその照合が不一致である旨を、その送信部が基地局を経由して前記レジ端末に送信するステップを備え、
    前記レジ端末においては、その受信部が前記金融機関のコンピュータ処理部から使用者の引落金額及び店舗への振込み金額を含む振込み処理の結果、又は、照合が不一致である旨を受信するステップ、前記金融機関のコンピュータ処理部から送信されてきた振込み処理の結果のうち引落金額又は照合が不一致である旨を、その送信部から前記照合機能付携帯電話機に送信するステップを備え、
    前記照合機能付携帯電話機においては、前記レジ端末から送信されてきた引落金額又は照合が不一致である旨がその表示部に表示されるステップを備えた商取引方法。
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