JP3982315B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システム、特に気化器を備える燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素を燃料とする改質ガスエンジンや、固体高分子電解質型(以下、PEMと示す。)の燃料電池は、環境に与える影響が小さく、環境保護のために実用化が期待されている。
【0003】
それらの燃料である水素リッチなガスを得る方法として、取り扱いの容易なガソリン等の炭化水素やアルコール等の液体燃料を原料とし、以下のような水蒸気改質反応等の化学反応によるものが知られている。
【0004】
水蒸気改質反応:CnHm+2nH2O⇔nCO2+(2n+m/2)H2
ただしこの反応は、無条件にすべて右辺側に進むものではなく温度や圧力に応じた平衡組成となる。
【0005】
また反応の中間物質として、ガソリンを水蒸気改質反応させたとさに得られる改質ガス中に多く含まれる一酸化炭素(以下、COと示す。)はPEMの性能を劣化させることが知られており、以下のようなシフト反応により水と反応させて低減させることが望ましい。
【0006】
シフト反応:CO+H2O⇔CO2+H 2
これらの化学反応を十分な速度で行うためには水が水蒸気として与えられることが望ましいので、改質システムは水を気化させる機構を必要とする。
【0007】
また、水の気化は温度調節に利用されることもある。たとえば、ガソリンを原料とする改質反応は一般に700℃以上が望ましいとされる。
【0008】
一方、上記のシフト反応は、200℃から400℃付近が望ましいので、改質器出口の700℃以上の改質ガスを約400℃まで冷却して高温シフト(以下、HTSと示す。)反応器で一段目の処理を行い、さらにHTS出口のガスを200℃付近まで冷却して低温シフト(以下、LTSと示す。)反応器で二段目の処理を行うことが望ましい。
【0009】
このとき、改質器出口の700℃の改質ガスの持つ熱を、放熱して400℃まで冷却したのであれば効率の低下につながるが、HTSで必要となる量の水を改質器出口の改質ガスの熱を利用して気化させれば、その分の熱を再利用したことになり、効率低下を抑えられる。
【0010】
このような熱を再利用してシステムの効率を低下する従来技術として、特開平5−283091号公報や特開平11−79703号公報が挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平5−283091号公報の技術は、改質器等の廃熱で水を気化させる、あるいは改質に必要な燃焼器の排ガスでターボコンプレッサを作動させて、得られた加圧空気が有する熱により水を気化させるものである。
【0012】
しかしながらこの従来技術においては、燃料電池スタック(以下、CSAと示す。)の廃熱で一段目の加熱を行い、改質器の排ガスで二段目の加熱を行い、そして燃焼器の熱で最終的な気化を行うか、加圧空気の熱で最終的な気化を行うとしており、複雑な構成を必要とする一方で、コンプレッサは一般に効率の良い運転領域が限られている。
【0013】
また前記特開平11−79703号公報の技術によれば、排ガスを熱媒とする熱交換型の蒸発器は広い面積を必要として小型化が難しいうえに、急激な負荷変動に応答することが困難であると指摘している。
【0014】
そこで特開平11−79703号公報の技術は、エアアシスト弁による噴霧ノズルで液体燃料や水を効率的に微粒化して、CSA等の廃熱を利用して気化するものとしている。
【0015】
しかしながら特開平11−79703号公報の技術においては、エアアシスト弁に供給される空気は変動負荷に対応する空気であるものとしているので、前記のシフト反応器手前の水の気化に適用した場合、シフト反応に不要な空気を改質ガス中に導入することになり、空気中の酸素が改質ガスに含まれる水素と反応して水となり、無駄に水素を消費するおそれがある。
【0016】
このような問題点を鑑み、本発明の目的は、小型で応答性の良好な燃料改質装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、水素リッチの改質ガスを生成する改質器と、改質ガスに含有する一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器と、一酸化炭素除去器から供給される改質ガスを用いて発電する燃料電池と、燃料電池からの排ガスを燃焼する燃焼器とを備えた燃料電池システムにおいて、前記改質器または燃焼器から排出されたガスの一部を昇圧する手段と、昇圧手段によって昇圧されたガスとともに液体を改質器から排出された改質ガス中に噴霧する気化器と備え、前記昇圧手段は、燃料電池システム起動時に前記燃焼器から排出されたガスを昇圧し、定常運転時には前記改質器から排出されたガスを昇圧する燃料電池システムである。
【0027】
【発明の効果】
第1の発明によれば、気化器において水または液体原料の液体とともに高圧のガスを噴霧するので、ガスが水の微粒化を促進し、小型で応答性の良い気化器とすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用する燃料電池システムの構成の一例である。ここで燃料電池システムとは、水および原料、例えばアルコールやガソリン等の炭化水素から改質と呼ばれる処理により水素リッチな改質ガスを生成し、CSAで発電を行う機能を有する構成である。CSAで発電された電力は図示されない電力制御器で図示されないバッテリの電力とともに管理され、図示されないモータの駆動に利用されて移動体の駆動力となる。
【0035】
図1に基づき本実施の形態の構成と作用を説明する。
【0036】
ガソリンタンク1からの改質原料としてのガソリンと、水タンク2からの水が蒸発器3を介してオートサーマル反応(以下、ATRと示す。)器4に投入される。ATR反応器4はすでに説明した吸熱反応である水蒸気改質反応と発熱反応である部分酸化反応の両方をバランスさせながら前記原料と水と空気源18から供給される空気とから水素リッチな改質ガスを生成する反応器である。部分酸化反応とは、
CnHm+n/2O2⇒nCO+m/2H2
で表される反応である。
【0037】
ATR反応器4で生成された水素リッチな生成ガスは、HTS反応器6に供給され、改質ガス中のCOと水が、HTS反応器6で比較的高温のシフト反応により、二酸化炭素と水素を生成する。
【0038】
ATR反応器4の出口には分岐4aが設けられ、ATR反応器4で生成された改質ガスの一部が取り出されて昇圧ポンプ5を介して、昇圧した状態でバッファタンク7に蓄えられる。
【0039】
HTS反応器6の入口ではシフト反応に必要な水が、前記バッファタンク7の高圧のガスで補助されて気化器8で噴霧される。
【0040】
この噴霧によってATR反応器4から排出された高温の改質ガスを下流のHTS反応器6に適した温度に低下させてHTS反応器6の温度調節が行われる。
【0041】
改質ガスはHTS反応器6から、同様のシフト反応を比較的低温で行うLTS反応器9に送られる。
【0042】
LTS反応器9の入口でもHTS反応器8と同様に、気化器10が設置され、水がバッファタンクのガスで補助されて気化器10で噴霧される。
【0043】
LTS反応器9からの改質ガスは、その中に含まれるわずかなCOを選択的に酸化反応させて低減するCO選択酸化(以下、PrOxと示す)反応器11で処理されてCSA12の性能を劣化させるCOをほとんど含まない水素リッチな改質ガスとなり、CSA12に送られる。
【0044】
本実施の形態ではPrOx反応器11が有効に作用する温度域や、CSAの動作温度域を維持するように、PrOx反応器11の前後に熱交換器(以下、HEと示す。)13、14を設けている。
【0045】
前記ATR反応器4からPrOx反応器11までの構成、あるいはその直後のHE14までを改質システムと称する。
【0046】
CSA12は水素と酸素が反応して水となるときに電気を生じる化学反応を利用した発電ユニットであり、水素極に改質システムからの水素リッチな改質ガスが、酸素極に空気が送られる。
【0047】
CSA12にPEMを用いた場合、水素極の排気ガスは反応しきらなかった余剰の水素や元の改質ガスに含まれていた水を含むガスである。
【0048】
また酸素極の排気ガスは反応しきらなかった余剰の酸素や、反応に寄与しない窒素、あるいは水素と酸素が反応したことにより生じた水等である。
【0049】
それらの排気ガスに含まれる水は凝縮器15、16で回収されて水タンク2に貯蔵され、改質反応に使用される。水を回収した残りのガスに含まれる可燃成分は燃焼器17で酸化されて最終的な排気となり、大気に放出される。
【0050】
燃焼器17で生じた熱は、前記蒸発器3で原料と水の蒸発に使用される。
【0051】
図1を用いて、作用を説明する。
【0052】
ATR反応器4から排出された改質ガスの一部を昇圧ポンプの作用により昇圧した上で、バッファタンク7に蓄積する。HTS反応器6の入口に設置された気化器8では、水がバッファタンク7に蓄えられた高圧のガスとともに噴霧されるので、高圧ガスの補助により水タンク2からの水は微粒化されててHTS反応器6に供給することができ、HTS反応器6の入口で改質ガスが持つ熱により応答よく気化させられ、シフト反応に適した水蒸気となる。また水が気化する際の気化熱を改質ガスから奪うことで、ATR反応器4から出た高温の改質ガスをHTS反応器6での反応に適した温度に下げることができる。
【0053】
ここで、水とともに噴霧されるバッファタンク7に貯蔵されたガスは、ATR反応器4から出たガスであるから、噴霧された水を除けば改質ガスの組成と同様であり、HTS反応器6は所定の性能を発揮することができる。
【0054】
LTS反応器9の入口に設置された気化器10についてもHTS反応器6の場合と同様に、バッファタンク7からの高圧のガスの補助により微粒化された水が噴霧されて効率的に気化するとともに、改質ガスの温度調節を行う。
【0055】
水とともに噴霧されるガスは、HTS反応器6でシフト処理される以前のものであるから、HTS反応器6の出口での改質ガスと比較すると多量のCOを含んだガスである。しかしながら、噴霧される量はHTS反応器6からLTS反応器9に供給される改質ガス量に比較して微量であるため、LTS反応器9でHTS反応器6からの改質ガスとともにシフト処理されるので問題ない。
【0056】
なお、噴霧されるガスは少なくとも還元性のガスであるため、HTS反応器6から排出されるガスを酸化させるような悪影響はない。
【0057】
また、大きな駆動力が要求され、それに応じた電力をCSA12が発電するための水素量が必要となったときに、HTS反応器6入口及びLTS反応器9入口でアシストガスとして噴霧するガスの量を増やすことにより、ATR反応器4上流の蒸発器3の応答性に律速されずにCSA12に供給する改質ガスの量をふやすことができる。逆に要求水素量が急激に減ったときには、ATR反応器から排出される改質ガスのうちバッファタンク7に蓄えられる改質ガスの量を一時的に増やすことにより、蒸発器3等の応答遅れを補うこともできる。
【0058】
なお、図1ではATR反応器4の出口で改質ガスの流れを分岐させ、その一部をバッファタンク7に貯蔵するようにしているが、HTS反応器6の出口で分岐させてもよい。その場合には、そのガスはLTS反応器9の入口で噴霧したときに、改質ガスの組成にまったく影響を与えないものとなる。
【0059】
したがって、本実施形態によれば、水を気化させる気化器8、10と、ATR反応器4から排出される改質ガスの一部を昇圧する昇圧ポンプ5とを備え、気化器8、10はこの昇圧ポンプ5で昇圧されたガスとともに水を噴霧し、シフト反応器6、9内に供給するので、小型で応答性の良い気化器とすることができる。
【0060】
昇圧ポンプ5で昇圧されたガスを蓄えるバッファタンク7を備えているので、要求に応じて高圧のガスを気化器8、10に供給でき、気化器の応答性をさらに向上することができる。
【0061】
また、バッファタンク7から取り出されるガスが、水素リッチな改質ガスと混合されるので、システム全体の応答性を向上することができる。
【0062】
また、各反応器4、6、9または燃焼器17から排出されるガスは、還元性ガスであるので、改質ガスに含まれる水素を酸化させることなく噴霧の補助を行い、水を微粒化することが可能な気化器8、10とすることができる。
【0063】
なお、HTS6、LTS9の入口に温度調整用の熱交換器を設けてもよい。
【0064】
図2を用いて第2の実施の形態を説明する。
【0065】
図1に示した第1の実施の形態との差異を中心に、構成と作用を説明する。本実施の形態では改質反応器としてATR反応器に代わり部分酸化(以下、POXと示す。)反応器20となっており、そのためにPOX反応器20の入口に水を供給しない。気化器8、10での水の噴霧を補助するためにバッファタンク7で貯蔵されるガスの供給経路の分岐は、LTS反応器9の出口と燃焼器17の出口に設けられる。LTS反応器9と昇圧ポンプ5との経路途中に昇圧ポンプ5へのガスの流量を制御する制御弁31が設置されるとともに、燃焼器17と昇圧ポンプ5との経路途中にも昇圧ポンプ5へのガスの流量を制御する制御弁32が設置されており、システムの運転状態に応じてバッファタンク7へのガスの供給を制御するために開閉される。
【0066】
また、POX、HTS、LTS、PrOxの各反応器には図示されない温度センサが設けられ、各反応器内の温度を検出する。
【0067】
このように構成され、次に作用について説明する。
【0068】
システム定常運転時には、LTS反応器9から排出される一部のガスが昇圧ポンプ5を介してバッファタンク7に蓄えられ、気化器8、10での水の噴霧の補助に使用される。一方、システム起動時には燃焼器17から排出されるガスの一部がバッファタンク7に供給され水の噴霧に用いられる。起動時には前記各反応器のすべてが低温であるため、触媒活性が十分ではない。
【0069】
詳しく説明すると、システム起動時には、各反応器の触媒を反応に適した活性温度に昇温するために、まず燃焼器17に蒸発器3と空気源18からそれぞれ燃料と空気とが供給され、図示しないグロープラグで燃焼が開始される。蒸発器3はまず図示されない電熱器によって加熱され、燃焼器17が起動するとその燃焼熱により蒸発器3が加熱され、POX反応器20に改質原料蒸気が供給される。前述の通りPOX反応器20の触媒は低温のため、活性が十分ではないものの、供給された改質原料と空気が発熱反応してPOX反応器20の触媒温度を徐々に上昇させる。
【0070】
燃焼器17と昇圧ポンプ5との途中に設置された制御弁32が開かれ、LTS反応器9と昇圧ポンプ5との途中に設置された制御弁31が閉じられる。これにより、燃焼器17の出口のガスの一部が昇圧ポンプの作用により昇圧してバッファタンク7に蓄積される。
【0071】
HTS反応器6の入口側の気化器8では、定常運転時よりも少ない量の水が、バッファタンク7からのアシストガスによって噴霧される。ここで用いられるガスは前述の通り燃焼器17から排出されたガスの一部であるが、この燃焼器17には供給される改質原料を酸化させるのに必要な量よりも多くの酸素を含む空気が供給される。
【0072】
したがって燃焼器17から排出されるガスには余剰の酸素が含まれるので、POX反応器20で生じた水素や、POX反応器20で反応しきれずに残留した改質原料蒸気がシフト反応器で酸化反応して熱を生じ、HTS反応器6の昇温に寄与する。
【0073】
すなわち、噴霧に用いられるガスが燃焼器17から排出される高温のガスであるため、その顕熱もHTS反応器6の昇温に寄与する。また噴霧する水の量が少ないのは、POX反応器20で生じるCOの量が少ないことに対応するものであるが、気化する水の量が少ないことから気化潜熱が少なく、ガスの温度を下げる作用が小さくて済む。
【0074】
HTS反応器6の温度が所定の温度、すなわち所定の活性を示す温度になったことを温度センサにより検知したのちは、前述の通りLTS出口のガスをアシストガスとして用いれば、すなわち還元性ガスを噴霧の補助に用いるようにすれば、前記のような酸化反応を行わせずに通常のシフト反応だけを行わせることができる。
【0075】
LTS反応器9の入口に設置された気化器10の作用及び効果も同様である。
【0076】
また、バッファタンク7に直前の運転時に蓄えられた水素リッチな改質ガスが蓄えられている場合、それを利用して初期の起動性を向上させることもできる。すなわちPOX反応器20の入口の空気を改質原料に比較して多くするか、あるいは燃焼器17を通してバッファタンク7に供給される空気によって、HTS反応器6やLTS反応器9の入口に改質ガスと酸素を同時に供給し、HTS反応器6やLTS反応器9で発熱反応をさせることにより、HTS反応器6やLTS反応器9の昇温を促すことができる。起動運転の終了判断は前記温度センサの温度信号により行う。
【0077】
起動完了後は燃焼器17と昇圧ポンプ5との途中に設置された制御弁32が閉じられ、LTS反応器9と昇圧ポンプ5との途中に設置された制御弁31が開く。これにより、バッファタンク7に送られるガスが燃焼器出口のガスからLTS反応器7出口のガスに切り換えられる。起動完了後、バッファタンク7に水素リッチな改質ガスが十分に蓄えられたのちに、そのガスが応答性向上に利用できることは第1の実施の形態と同様である。
【0079】
また、これまで起動中のアシストガスを燃焼器17の出口から取り出すものとして説明したが、CSA12の酸素極の排ガスも低活性であるから、凝縮器15出口から取り出すものとしてもよい。
【0080】
図3は第2実施形態のシステムの制御内容を説明するためのフローチャート図である。
【0081】
まずステップ1で、各シフト反応器6、9にそれぞれ所定量の水と所定量A1のアシストガスが気化器8、10から供給されるとともに、LTS反応器9から排出されたガスの一部を昇圧ポンプ5に供給する制御弁31は閉じられ、燃焼器17から排出されたガスの一部を昇圧ポンプ5に供給する制御弁32は開かれる。更に燃焼器17へ改質原料を供給する弁21が開かれ、改質原料が燃焼器17へ供給される。
【0082】
続くステップ2で、燃焼器17が起動し、燃焼ガスを生成する。ステップ3で、燃焼ガスの熱によって加熱された蒸発器3の温度を検出し、目標温度(例えば、触媒の活性温度)と比較する。目標温度に達していれば次のステップ4に進み、温度が達していなければ、目標温度になるまで制御を繰り返す。
【0083】
この実施形態では温度比較により、蒸発器3の状態を判定したが、燃焼器17の起動からの経過時間をカウントして、経過時間が所定時間を過ぎていれば、次のステップ4に進むようにしてもよい。
【0084】
ステップ4では、POX反応器20に改質原料と空気を供給するとともに、各気化器8、10にアシストガスとともに水を供給し、システムを起動する。
【0085】
ステップ5では、シフト反応器6、9の温度が所定温度と比較され、所定温度に達した時にステップ6に進み、それ以外では所定温度に達するまで制御を繰り返す。判定条件としてはシフト反応器の温度に限らず、システムの起動からの経過時間で判定するようにしてもよい。
【0086】
ステップ6では、各シフト反応器6、9への水の噴霧量を起動時の噴霧量より増やすように気化器8、10に水を供給する。また制御弁31は開かれ、制御弁32は閉じられる。更に燃焼器17へ改質原料を供給する弁21が閉じられ、改質原料の燃焼器17への供給が停止される。ここで、空気量を減らしてシフト反応器が昇温する場合に、起動時のアシストガスの量を減らしてもよい。
【0087】
本実施形態によれば、水を気化させる気化器8、10と、LTS反応器9または燃焼器17から排出されるガスの一部を昇圧する昇圧ポンプ5とを備え、気化器はこの昇圧ポンプ5で昇圧されたガスとともに水をシフト反応器6、9内に供給するので、小型で応答性の良い気化器とすることができる。
【0088】
また、燃焼器17から排出されるガスが、還元性ガスであるので、改質ガスに含まれる水素を酸化させることなく噴霧の補助を行い、水を微粒化することが可能な気化器とすることができる。
【0089】
また、LTS反応器9または燃焼器17から排出されるガスが、不活性ガスであるので、改質ガスに含まれる水素を酸化させることなく噴霧の補助を行い、水を微粒化することが可能な気化器とすることができる。
【0090】
また、LTS反応器9または燃焼器17から排出されるガスが、低活性ガスであるので、改質ガスに含まれる水素の酸化を最小限に抑えながら噴霧の補助を行い、小型で応答性の良い気化器とすることができる。
【0091】
昇圧ポンプ5にガスを供給するための経路を複数備え、各経路から取り出されたガスをシステムの運転状態に応じて切り替えて気化器での水噴霧の補助に使用するので、パワープラントの状態に応じた最適なガスにより水噴霧の補助を行い、水を微粒化することが可能な気化器とすることができる。
【0107】
またすべての実施の形態において、原料をガソリンとし、CSA12で発電した電力等により図示しないモータで移動体の駆動力を生成するものとしているが、原料はガソリン以外の炭化水素やメタノール等のアルコールでも良いし、駆動源は水素リッチなガスを燃料とする内燃機関、いわゆる改質ガスエンジンでもよい。また第1の実施の形態および第2の実施の形態で、原料をガソリンのような液体改質原料でなく、メタンのような気体改質原料とする場合には、蒸発器3を省略しても良い。
【0108】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの構成図である。
【図2】第2の実施形態の燃料電池システムの構成図である。
【図3】第2の実施形態の制御内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ガソリンタンク
2 水タンク
3 蒸発器
4 ATR反応器
5 昇圧ポンプ
6 HTS反応器
7 バッファタンク
8 気化器
9 LTS反応器
10 気化器
12 CSA
17 燃焼器
Claims (1)
- 水素リッチの改質ガスを生成する改質器と、改質ガスに含有する一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器と、一酸化炭素除去器から供給される改質ガスを用いて発電する燃料電池と、燃料電池からの排ガスを燃焼する燃焼器とを備えた燃料電池システムにおいて、前記改質器または燃焼器から排出されたガスの一部を昇圧する手段と、昇圧手段によって昇圧されたガスとともに液体を改質器から排出された改質ガス中に噴霧する気化器と備え、
前記昇圧手段は、燃料電池システム起動時に前記燃焼器から排出されたガスを昇圧し、定常運転時には前記改質器から排出されたガスを昇圧することを特徴とする燃料電池システム。
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