JP3982243B2 - 密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は上流側より順にホッパと破砕機とミキサーと圧送ポンプと焼却炉を密閉状態を維持できるように連結して備えて、ホッパに投入した産業廃棄物と都市ごみ等の一般廃棄物とを破砕機にて破砕した後、ミキサーにより混練して高粘度廃棄物とし、該高粘度廃棄物を、圧送ポンプにて焼却炉へ圧送して焼却処理する密閉式廃棄物焼却設備の上記ミキサーにて形成される高粘度廃棄物の粘度を客観的に判断するための密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業廃棄物の処理は、深刻な社会問題の1つとなっている。産業廃棄物の排出量は年々増加しているが、その処理方法としては、有害物質の自然界への投棄による公害や大気汚染等の問題、最終処分場の問題等により、埋立処理に関する法規制が一層厳しくなり、今日では焼却処理が主流になってきている。
【0003】
このように産業廃棄物を焼却処理する場合、産業廃棄物の中でも特にドラム缶等の容器に密閉状態に詰めた状態で集積、運搬等の取り扱いを行う廃油や、廃塗料、廃溶剤等の化学系廃棄物や重金属を含む可燃性廃棄物、あるいは、医療系廃棄物の如き事業系産業廃棄物は、その取り扱いが大変難しいため、これらの産業廃棄物が大気に曝されたり、作業者がこれらの産業廃棄物に接触する虞がない状態で処理できるようにすることが望まれる。
【0004】
そのため、これらドラム缶に収納した状態で搬入された産業廃棄物を、殆ど人手を介さずに完全密閉式の状態のままで焼却処理できるようにして、ドラム缶の蓋を開けて中から取り出すときに作業者が産業廃棄物に曝される虞を排除できると共に、産業廃棄物を取り出したドラム缶の後処理工程を不要にでき、又、完全密閉式であるため、防臭が可能であり衛生的である等の利点を有する密閉式廃棄物焼却設備が開発されてきている。
【0005】
かかる密閉式廃棄物焼却設備は、図3にその一例の概略を示す如く、上流から順にホッパ1、二軸破砕機の如き破砕機2、ミキサー3、ピストンポンプの如き圧送ポンプ4、輸送管5、ロータリーキルンの如き焼却炉6、その他、必要な排ガス処理装置等(図示せず)を密閉状態を維持できるように連結して備えた構成としてあり、上記ホッパ1内に、ドラム缶7内に密閉状態に詰められた産業廃棄物を、ドラム缶7の蓋を開けることなくドラム缶7ごと投入し、破砕機2にてドラム缶7を破砕することにより該ドラム缶7に詰められていた産業廃棄物の取り出しを行うと同時に、ドラム缶7自体を、後段のミキサー3による混練や圧送ポンプ4による圧送時に支障の出ない細かいサイズにまで破砕させ、又、この際、ホッパ1に、コンテナ8内に入れられていた雑芥等の一般廃棄物9を産業廃棄物の輸送補助媒体(キャリア)として一緒に投入して破砕機2にて細かく破砕させるようにし、次に、上記破砕機2にて破砕された破砕物を、ミキサー3にて混練(ミキシング)させることによりポンプ圧送可能な性状の均質な高粘度廃棄物10とし、しかる後、該高粘度廃棄物10を、圧送ポンプ4により輸送管5を通して圧送して焼却炉6内に投入させ、該焼却炉6にて焼却処理させるようにしてある。
【0006】
11はミキサー駆動用の油圧モータ、12は図示しない油圧回路より油圧モータ11へ圧油13を導く油送給ライン、14は油圧モータ11の回転駆動に供された圧油13を上記油圧回路へ戻す油戻しラインをそれぞれ示す。又、15はミキサー3の出口側ゲート部に設けた覗き窓である。更に、16はホッパ1の入口側の開閉ダンパ、17はドラム缶搬送コンベヤ、18はコンテナリフトを示す。更に又、処理すべき産業廃棄物には溶剤等の可燃性のものが含まれることがあるため、設備の多数個所に図示しない窒素注入管を配設して、内部の酸素濃度が一定濃度以下(たとえば、4%以下)に保持されるよう各窒素注入管から適宜窒素ガスを注入して火災を未然に防止できるようにしてある。
【0007】
ところで、上記密閉式廃棄物焼却設備において、ミキサー3にて形成される高粘度廃棄物10の粘度は、後段の圧送ポンプ4による圧送作業に大きな影響を及ぼし、たとえば、ミキサー3にて形成される高粘度廃棄物10の粘度が高すぎる場合には、輸送管5内を焼却炉6方向へ圧送される高粘度廃棄物10が、輸送管5の途中位置で詰まりを生じて輸送管5を閉塞させる虞が生じ、一方、粘度が低すぎる場合には、圧送ポンプ4による圧送が適切に行われなくなる虞が生じるため、高粘度廃棄物10を焼却炉6へ定量供給して該焼却炉6の安定した連続操業を行うためには、上記ミキサー3にて混練される高粘度廃棄物10の粘度を、常に適切な状態に維持する必要がある。
【0008】
一方、密閉式廃棄物焼却設備には種々雑多な廃棄物が搬入されるため、この搬入されてホッパ1に投入される廃棄物の性状が変化することにより、ミキサー3にて形成される高粘度廃棄物10の粘度が変化することがある。そのため従来は、ミキサー3より圧送ポンプ4へ送られる高粘度廃棄物10の性状を、ミキサー3の出口側ゲート部分に配された覗き窓15を通して作業者が目視により観察し、その粘度が後続の圧送ポンプ4による圧送に適切な粘度となっているか否かの判定を行い、粘度が高すぎると判断した場合には、廃油や廃溶剤、廃塗料等の液体成分の多い廃棄物のホッパ1への投入量を増加させてミキサー3への供給量を増加させるようにし、一方、粘度が低すぎると判断した場合には、固体成分の多い産業廃棄物や雑芥等の一般廃棄物9のホッパ1への投入量を増加させるようにして、ミキサー3へ供給する液体廃棄物と固体廃棄物の供給割合を調整し、これにより形成される高粘度廃棄物10の粘度が、後続の圧送ポンプ4による圧送に適した粘度となるようにミキサー3の混練度を調整するようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の如く、作業者が目視によりミキサー3にて形成される高粘度廃棄物10の粘度を判定する方法では、その判断が作業者個人の主観的なものであることから混練度が適正であるか否かの判定に関して作業者毎に個人差が生じるという問題があり、又、高粘度廃棄物10の性状をミキサー3の覗き窓15を通して常に現場で監視していなくてはならないため、多大な労力を要すると共に、監視のし忘れ等により、高粘度廃棄物10の性状変化を見落とし、しばしば輸送管10の閉塞を引き起こすという問題も生じていた。
【0010】
そこで、本発明者等は、ミキサーにて形成される高粘度廃棄物の粘度を客観的に判断できるようにするための工夫、研究を重ねた結果、適正な粘度の高粘度廃棄物が得られるときには、ミキサー内に滞留して混練されている廃棄物重量と、ミキサー駆動用油圧モータの駆動に要する油圧力との間によい相関性が現れ、このためミキサー内廃棄物単位重量当りのミキサー駆動用油圧モータの作動油圧力の値によりミキサー混練度を客観的に判定できることを見出し本発明をなした。
【0011】
したがって、本発明の目的とするところは、ミキサーにて形成される高粘度廃棄物の混練度を客観的に判断できるようにした密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、上流側より順にホッパ、破砕機、ミキサー、圧送ポンプ、輸送管、焼却炉を密閉状態を維持できるように連結して備えて、ホッパに投入した各種廃棄物を破砕機にて破砕した後、ミキサーによりミキシングして高粘度廃棄物とし、該高粘度廃棄物を、圧送ポンプにて輸送管を通して焼却炉へ圧送して焼却処理するようにしてある密閉式廃棄物焼却設備の上記ミキサー内に滞留して混練される廃棄物重量を計測すると共に、ミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力を計測して、上記ミキサーにて形成される高粘度廃棄物が上記圧送ポンプによる圧送に適した混練度合となるときのミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモーター駆動油圧力の値の範囲を予め定め、上記密閉式廃棄物焼却設備運転時におけるミキサー内廃棄物重量の実測値と油圧モータ駆動油圧力の実測値から算出されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の算出値が、上記定めた値の範囲外であるときに、上記定めた値の範囲内となるように固体廃棄物と液体廃棄物の供給割合を調整することを特徴とする密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法とする。
【0013】
ミキサーにて混練される廃棄物の粘度が後段の圧送ポンプによる圧送に適した粘度範囲にある場合、ミキサー内に滞留されて混練状態にある廃棄物の重量と、ミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力との間にはよい相関性が示されるため、両者よりミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力を算出すると、その算出値は狭い数値範囲内に限定される。したがって、実際の運転時におけるミキサー内廃棄物重量と、ミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力をそれぞれ測定し、その測定結果を基に算出したミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の値を、上記数値範囲と比較することにより、ミキサーにて形成される高粘度廃棄物の粘度が圧送ポンプによる圧送に適した粘度となっているか否かを正しく判断することができると共に、上記数値範囲外であるときに数値範囲内となるように調整される。
【0014】
又、密閉式廃棄物焼却設備運転時におけるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の算出値を、上記密閉式廃棄物焼却設備の中央操作盤に表示させて、該中央操作盤に表示される上記算出値が予め定められた数値範囲外であるときに、表示や音でアラームを発するようにすることにより、中央操作盤の監視によりミキサーの混練度が適正か否かを常時監視できるため、ミキサー混練度の監視に要する労力を従来に比して大幅に軽減できると共に、高粘度廃棄物の性状変化の見落としを防止でき、圧送ポンプによる高粘度廃棄物の圧送時に、輸送管内に詰まりが生じる等の障害が発生する虞を未然に防止することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の密閉式廃棄物焼却設備のミキサー混練度判定方法の実施の一形態に用いる装置の一例を示すもので、図3に示したものと同様な構成において、ミキサー3を支承する支持部に、空の状態のミキサー3重量を基準として運転中のミキサー3の重量を検出することにより該ミキサー3内に滞留されて混練される廃棄物重量Wm(t)を測定、検出するための重量センサ19を設け、又、ミキサー駆動用油圧モータ11に図示しない油圧回路から圧油13を導くための油送給ライン12の途中位置に、上記油圧モータ11の駆動に要する駆動油圧力Pm(MPa)を計測するための油圧計20を設け、更に、上記重量センサ19より出力されるミキサー内廃棄物重量Wmと、上記油圧計20より出力される油圧モータ11の駆動油圧力Pmとを入力して、ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力Pm/Wm(MPa/t)を算出する演算器21を備えた構成とする。更に、該演算器21による上記ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力Pm/Wmの算出結果を表示する表示部22を、たとえば、上記密閉式廃棄物焼却設備の図示しない中央操作盤に設けるようにしてある。
【0017】
上記破砕機2とミキサー3との接続部は、図示しない指示部に固定された破砕機2自体の重量や、該破砕機2内の廃棄物の重量が、ミキサー3の支持部に設けた重量センサ19にて測定されるミキサー内廃棄物重量Wmに影響しないように、相対変位可能に接続してある。
【0018】
その他の構成は図3に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0019】
ドラム缶7に詰められた状態で搬入される産業廃棄物や一般廃棄物9は、従来と同様に、ホッパ1に投入され、破砕機2にて破砕された後ミキサー3にて混練されて高粘度廃棄物10とされ、しかる後、圧送ポンプ4により輸送管5を通して焼却炉6へ圧送されて、該焼却炉6にて焼却処理される。
【0020】
上記において、ミキサー3では、混練される高粘性廃棄物10の粘度が一定であれば、ミキサー3の駆動に要する油圧モータ11の駆動力は、ミキサー3内部に滞留して混練される廃棄物の量にほぼ比例するようになる。このため、予め、後段の圧送ポンプ4による圧送に適した粘度の高粘度廃棄物10が得られている状態のミキサー3において、重量センサ19によりミキサー3内に滞留して混練される廃棄物重量Wmを測定すると同時に、油圧計20によりミキサー駆動用油圧モータ11の駆動油圧力Pmを測定すると、両者の関係は図2に点で示す如き結果となり、上記ミキサー駆動用油圧モータ駆動油圧力Pmとミキサー内廃棄物重量Wmとの相関性は、傾き1.5(線a)〜2.5(線b)の範囲内にほぼ限定される。
【0021】
上記密閉式廃棄物焼却設備の運転による廃棄物焼却処理を実施するときに、重量センサ19によりミキサー内廃棄物重量Wmを実測すると同時に、油圧計20によりミキサー駆動用油圧モータ11の駆動油圧力Pmを実測し、その値を基に演算器21にてミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用モータの駆動油圧力Pm/Wmを算出して表示部22に表示させると、ミキサー3にて形成される高粘度廃棄物10の粘度が適正な場合は、その値は1.5〜2.5(MPa/t)の数値範囲となる。
【0022】
これに対し、ミキサー3にて形成される高粘度廃棄物10の粘度が適正粘度よりも高くなると、ミキサー3内の廃棄物の混練に要するミキサー3の駆動力が大とされ、油圧モータ11の駆動により大きな油圧力が必要とされるため、ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータ駆動油圧力Pm/Wmの値が増大して表示部22には2.5を越える値が表示される。一方、高粘度廃棄物10の粘度が適正範囲よりも低くなると、ミキサー3内の廃棄物の混練に要するミキサー3の駆動力が小さくなり、油圧モータ11の駆動はより小さい油圧力により行われるため、ミキサー廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータ駆動油圧力Pm/Wmの値は減少して、表示部22には1.5を下回る値が表示されるようになる。
【0023】
このため、上記密閉式廃棄物焼却設備の運転を行う場合、表示部22にて表示されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力Pm/Wmの値が2.5を越えて、ミキサー3にて混練される高粘度廃棄物10の粘度が適性範囲よりも高くなるときには、廃油や廃溶剤、廃塗料等の液体成分の多い廃棄物のホッパ1への投入量を増加させてミキサー3への供給量を増加させることにより、ミキサー3内にて混練される高粘度廃棄物10の粘度の引き下げを図って、上記ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力Pm/Wmの値を2.5以下に引き下げるようにする。一方、表示部にて表示されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力Pm/Wmの値が1.5を下回り、ミキサー3にて混練される高粘度廃棄物10の粘度が適正範囲よりも低いときには、固体成分の多い産業廃棄物や雑芥等の一般廃棄物9のホッパ1への投入量を増加させるようにして、ミキサー3内にて混練される高粘度廃棄物10の粘度を高めて、ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力Pm/Wmの値を1.5以上に引き上げさせることにより、上記表示部22にて表示されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモーター駆動油圧力Pm/Wmの値が1.5〜2.5の範囲内に保持されるように、上記ミキサー3に供給される固体廃棄物と液体廃棄物との供給割合を調整するようにする。
【0024】
このように、密閉式廃棄物焼却設備の運転を行う場合に、中央操作盤に配された表示部22にて表示されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力Pm/Wmの値を監視して、その値が1.5〜2.5の範囲内であるか否かを判断することにより、ミキサー3にて混練されて形成される高粘度廃棄物10の混練度合が適正となっているか否かを客観的に判定でき、上記値が1.5〜2.5の範囲外であるときには、その範囲内になるように上記ミキサー3に供給される固体廃棄物と液体廃棄物との供給割合を調整するため、従来の如き高粘度廃棄物10の粘度の判定に作業者ごとの個人差が生じる虞はない。又、表示部22は中央操作盤に設けてあることから、中央操作盤の監視時に、ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力Pm/Wmの値を常時監視することが容易にできて、監視に要する労力を従来の現場で行う高粘度廃棄物10の監視の場合に比して大幅に軽減することができると共に、高粘度廃棄物10の性状変化の見落としを防止できて、圧送ポンプ4による高粘度廃棄物10の圧送時に、輸送管5内に詰まりが生じる等の障害が発生する虞を未然に防止することが可能となる。しかも、上記表示部22では表示値が数値範囲内か否かを監視すればよいことから、その表示値が数値範囲の上限を越えたり、下限を下回って、ミキサー3にて混練される高粘度廃棄物10の粘度が適正範囲から外れた場合に、表示や音でアラームを発するようにさせることも可能になる。
【0025】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、ミキサー3にて混練される高粘度廃棄物10の粘度の適正範囲の指標となるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力Pm/Wmの値は、ミキサー3の容量や撹拌羽根等、使用するミキサー3の形式に応じて、自在に設定してよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法によれば、上流側より順にホッパ、破砕機、ミキサー、圧送ポンプ、輸送管、焼却炉を密閉状態を維持できるように連結して備えて、ホッパに投入した各種廃棄物を破砕機にて破砕した後、ミキサーによりミキシングして高粘度廃棄物とし、該高粘度廃棄物を、圧送ポンプにて輸送管を通して焼却炉へ圧送して焼却処理するようにしてある密閉式廃棄物焼却設備の上記ミキサー内に滞留して混練される廃棄物重量を計測すると共に、ミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力を計測して、上記ミキサーにて形成される高粘度廃棄物が上記圧送ポンプによる圧送に適した混練度合となるときのミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモーター駆動油圧力の値の範囲を予め定め、上記密閉式廃棄物焼却設備運転時におけるミキサー内廃棄物重量の実測値と油圧モータ駆動油圧力の実測値から算出されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の算出値が、上記定めた値の範囲外であるときに、上記定めた値の範囲内となるように固体廃棄物と液体廃棄物の供給割合を調整することによりミキサーにおける混練度合を判定するので、上記密閉式廃棄物焼却設備の運転を行う場合において、ミキサー内廃棄物単位重量当りに要するミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力の値に基いて、ミキサーにて混練されて形成される高粘度廃棄物の粘度が適正粘度となっているか否かを客観的に判定でき、このため、従来の如き高粘度廃棄物の粘度の判定に作業者ごとの個人差が生じる虞はないという優れた効果を発揮する。又、密閉式廃棄物焼却設備運転時におけるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の算出値を、上記密閉式廃棄物焼却設備の中央操作盤に表示させて、該中央操作盤に表示される上記算出値が予め定められた数値範囲外であるときに、表示や音でアラームを発するようにすることによりミキサーにおける混練度合を判定することにより、中央操作盤の監視でミキサーの混練度が適正か否かを常時監視できるため、ミキサー混練度の監視に要する労力を従来に比して大幅に軽減できると共に、高粘度廃棄物の性状変化の見落としを防止でき、圧送ポンプによる高粘度廃棄物の圧送時に、輸送管内に詰まりが生じる等の障害が発生する虞を未然に防止することが可能となるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】適正な粘度の高粘度廃棄物が得られるときのミキサー内廃棄物重量とミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力との関係を示す図である。
【図3】密閉式廃棄物焼却設備の一例の概略を示す側面図である。
【符号の説明】
Wm ミキサー内廃棄物重量
Pm 油圧モータの駆動油圧力
1 ホッパ
2 破砕機
3 ミキサー
4 圧送ポンプ
5 輸送管
6 焼却炉
7 ドラム缶(廃棄物)
9 一般廃棄物(廃棄物)
10 高粘度廃棄物
11 油圧モータ
Claims (2)
- 上流側より順にホッパ、破砕機、ミキサー、圧送ポンプ、輸送管、焼却炉を密閉状態を維持できるように連結して備えて、ホッパに投入した各種廃棄物を破砕機にて破砕した後、ミキサーによりミキシングして高粘度廃棄物とし、該高粘度廃棄物を、圧送ポンプにて輸送管を通して焼却炉へ圧送して焼却処理するようにしてある密閉式廃棄物焼却設備の上記ミキサー内に滞留して混練される廃棄物重量を計測すると共に、ミキサー駆動用油圧モータの駆動油圧力を計測して、上記ミキサーにて形成される高粘度廃棄物が上記圧送ポンプによる圧送に適した混練度合となるときのミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモーター駆動油圧力の値の範囲を予め定め、上記密閉式廃棄物焼却設備運転時におけるミキサー内廃棄物重量の実測値と油圧モータ駆動油圧力の実測値から算出されるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の算出値が、上記定めた値の範囲外であるときに、上記定めた値の範囲内となるように固体廃棄物と液体廃棄物の供給割合を調整することを特徴とする密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法。
- 密閉式廃棄物焼却設備運転時におけるミキサー内廃棄物単位重量当りに要するモータ駆動油圧力の算出値を、上記密閉式廃棄物焼却設備の中央操作盤に表示させて、該中央操作盤に表示される上記算出値が予め定められた数値範囲外であるときに、表示や音でアラームを発するようにする請求項1記載の密閉式廃棄物焼却設備のミキサーによる混練方法。
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