JP3981811B2 - Method for producing cellulose triacetate film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルローストリアセテートフィルムの製造方法に係り、特に、偏光板フィルム、光学用途フィルム、LCD用フィルム、有機EL用フィルムなどで使用されるセルローストリアセテートフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルローストリアセテートフィルムは通常、溶液製膜法によって製造される。すなわち、セルローストリアセテートのドープ(濃厚溶液)を流延ダイから無端支持体の上に流延し、このドープが自己支持性がでた後に無端支持体から剥ぎ取ることによってフィルムが製造される。このフィルムには、セルローストリアセテートの他に、マット剤、可塑剤、紫外線吸収剤(添加剤)等が含有されることが多い。マット剤は、製膜したフィルムの易滑性や耐接着性の改良のために使用され、紫外線吸収剤は、例えば偏光板に使用した際などにその偏光板の劣化防止のために使用される。これらの成分は通常、ドープを調製する際に一緒に混合される。
【0003】
ドープの調製は、まず、セルローストリアセテート、可塑剤、溶媒と、分散されたマット剤を仕込んで溶解する。このドープを濾過装置で濾過した後、紫外線吸収剤を混入させて練り込ませる。こうして調製されたドープを無端支持体上に流延することによってフィルムが製造される。
【0004】
しかし、この方法は、ドープを濾過した際にマット剤がトラップされてフィルム中にマット剤量が減少したり、トラップされたマット剤が流出してマット剤起因の異物が発生するおそれがある。
【0005】
これを防止する対策として、様々な方法が提案されている。例えば、特開平7−11055号公報には、マット剤と紫外線吸収剤を一緒に混合分散し、この分散液を流延ダイの直前でドープに混合する方法が提案されている。また、この他にも、マット剤のみを流延ダイの直前でドープに混合する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法は、マット剤と紫外線吸収剤を一緒に混合分散するために、マット剤と紫外線吸収剤の混合割合を簡単に変えることができず、フィルム中のマット剤、紫外線吸収剤の量を任意に変更できないという問題があった。また、分散量が多くなるという問題もあった。
【0007】
一方、後者の方法は、マット剤がドープ内に十分に分散されず、凝集して異物が発生するおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、マット剤起因の異物発生を抑制でき、且つ、マット剤の量と添加剤の量を別々に調整できるセルローストリアセテートフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は前記目的を達成するために、マット剤と添加剤を含有するセルローストリアセテートフィルムの製造方法において、マット剤を分散させてマット剤液を調製するとともに添加剤により添加剤液を調製し、前記調製したマット剤液と前記調製した添加剤液とを第2のインラインミキサーで連続的に混合し、該混合液をセルローストリアセテートのドープに第1のインラインミキサーで連続的に混合し、該ドープを流延してフィルムを製造することを特徴としている。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、調製したマット剤液を添加剤液に混合し、さらにドープに混合するので、マット剤が十分に分散されて流延される。したがって、マット剤が凝集して異物が発生することがない。また、ドープの仕込み時にマット剤を混合しないので、ドープの濾過時にマット剤が捕集されることがなく、マット剤の減少や、マット剤起因の異物発生を防止できる。
【0011】
また、請求項1記載の発明によれば、マット剤液と添加剤液とを別々に調製して混合するので、マット剤の量と添加剤の量をそれぞれ独立して簡単に調整することができる。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、インラインミキサーによって、マット剤液と添加剤液との混合、及びこの混合液とドープとの混合を行うので、連続して処理することが可能になり、生産効率を向上させることができる。
【0013】
本発明に適用されるマット剤としては、請求項3に記載の如く、二酸化珪素及びその誘導体が好ましく、添加剤としては、請求項4〜8に記載の如く、ベンゾトリアゾール系の化合物から成る紫外線吸収剤、リン酸エステル系の可塑剤、トリアジン系の化合物、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物、及びこれらの混合物が考えられる。添加剤が二種類以上になる時は、予め二種類の混合液を調製してもよいし、インラインミキサーで順次一種類ずつ添加してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るセルローストリアセテートフィルムの製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0016】
図1は、本発明に係るセルローストリアセテートフィルムの製造装置10の全体構成を示す概念図である。
【0017】
同図に示すように、製造装置10には、ミキシングタンク12が設けられ、このミキシングタンク12にはドープ14が貯留されている。ドープ14はミキシングタンク12で攪拌された後、ポンプ16によって濾過装置18に送り出され、この濾過装置18で濾過される。濾過されたドープ14は、送液ライン20を介して第一のインラインミキサー22、さらには流延ダイ24に送液される。
【0018】
送液ライン20には、第一のインラインミキサー22と濾過装置18との間に、添加ライン26が接続されている。添加ライン26は、第二のインラインミキサー28に接続され、第二のインラインミキサー28は、マット剤液用ライン30を介してストックタンク32に接続されるとともに、添加剤液用ライン34を介してストックタンク36に接続されている。ストックタンク32には、任意の量のマット剤を分散させて調製し、濾過されたマット剤液が貯留されており、ストックタンク36には、任意の量の紫外線吸収剤を調製し、濾過された添加剤液が貯留されている。このマット剤液と添加剤液は、第二のインラインミキサー28に送液されて混合される。そして、マット剤液と添加剤液との混合液が添加ライン26を介して送液ライン20のドープ14に注入され、第一のインラインミキサー22で混合される。
【0019】
第一、第二のインラインミキサー22、28は、連続的に混合する装置であればよく、例えばスタチックミキサーが用いられる。スタチックミキサーは、駆動部のない静止型の混合器であり、図2に示すように、円筒状のケーシング68の内部に、長方形の板を180度ねじった形状のエレメント68を複数備えている。エレメント68としては、ねじる方向の異なる右エレメント68Aと左エレメント68Bが有り、この右エレメント68Aと左エレメント68Bが90°ずつずれた状態で交互に配置される。このように構成されたスタチックミキサーに二種類の液体を送液すると、二種類の液体は、エレメント68によって二分割される分割作用、エレメント68に沿ってケーシング66内の中央部と周縁部で転換される転換作用、エレメント68ごとに回転方向が変わる反転作用を受けて十分に混合され、均一になる。
【0020】
流延バンド38は、ステンレス板等によって無端状に形成され、表面が鏡面仕上げされている。また、流延バンド38は、一対のドラム39、39に巻き掛けられており、この一対のドラム39、39の少なくとも一方を回転させることによって走行する。前記ドープ14は、走行中の流延バンド38の上に流延され、自己支持性がでた後に剥ぎ取られる。なお、本実施の形態では、バンド流延を採用したが、ドラム流延を行ってもよい。
【0021】
流延バンド38から剥ぎ取られたフィルム40は、テンターによる延伸乾燥部42と、ロール乾燥部44とを通過して乾燥される。特にロール乾燥部44では、ロール46、46、…を介してフィルム40を搬送しつつ、乾燥エアをフィルム40に吹きつけることにより、フィルム40を十分に乾燥させる。こうして乾燥されたフィルム40は、ロール乾燥部44の最終段階で可動パスロール48にガイドされた後、エッジポジションコントロール装置50によって幅方向の位置が調整される。
【0022】
位置が調整されたフィルム40は、ナーリング付与装置52の一対のローラ54、54によって挟圧され、側端部にナーリング(微小の凹凸であり、エンボス、ローレット加工とも称される)が付与される。これにより、フィルム40をロール状に巻回した際、ナーリング効果によって、端面ズレや黒帯び故障を抑制することができる。
【0023】
ナーリングが付与されたフィルム40は、耳切装置56によって耳切り加工され、幅寸法が精度良く揃えられる。耳切加工されたフィルム40は、除電器58によって、フィルム40に帯電した静電気が除去された後、コンタクトロール64に押圧されながら巻取装置60の巻き芯62にロール状に巻き取られる。
【0024】
次に上記の如く構成された製造装置10の作用について説明する。
【0025】
マット剤液と添加剤液は別々に調製し、濾過されてストックタンク32、36に貯留されており、これらが第二のインラインミキサー28で混合された後、この混合液が第一のインラインミキサー22でドープ14に混合される。すなわち、マット剤と添加剤(紫外線吸収剤)は、第一、第二のインラインミキサー22、28で二度にわたって混合され、十分に均一になり、マット剤が凝集することなく、マット剤起因の異物発生を防止することができる。
【0026】
また、製造装置10は、マット剤液を濾過装置18の後段でドープ14に混合しているので、濾過装置18にはマット剤が捕集されない。したがって、捕集されたマット剤の流出により異物が発生したり、マット剤量が減少することを防止できる。
【0027】
このように本実施の形態の製造装置10は、マット剤起因の異物発生を防止できるとともに、マット剤を均一に混合分散でき、且つ安定した量のマット剤を練り込むことができる。したがって、製造されたフィルム40には、適量のマット剤が均一に練り込まれているので、フィルム40の表面には微小な凹凸が均等に形成される。これにより、搬送中のきしみや取り扱い時に擦り傷や接着等を確実に防止できる。また、製造されたフィルム40は、異物の混入が極めて少ないので、高い透明度を有する等、光学特性に優れており、光学用途フィルム、例えば偏光板の保護フィルムに適している。したがって、フィルム40を用いれば、高品質の偏光板を製造することができる。
【0028】
また、本実施の形態の製造装置10は、マット剤液と添加剤液をそれぞれ別々に調製して混合するので、マット剤、或いは添加剤の量をそれぞれ独立して自由に調整することができる。したがって、製造装置10は、マット剤と添加剤の混合比率が異なるフィルム40を簡単に製造することができる。
【0029】
また、製造装置10によれば、マット剤液と添加剤液との混合に第二のインラインミキサー28を用い、混合液とドープ14との混合に第一のインラインミキサー22を用いたので、連続した処理を行うことができ、生産効率が良い。
【0030】
なお、上述した実施の形態は、添加剤として紫外線吸収剤を用いたが、これに限定されるものではなく、可塑剤やその他の添加剤を用いてもよい。
【0031】
以下、本発明に用いられるマット剤、添加剤、インラインミキサーについて説明する。
(マット剤)
マット剤は、作成後のフィルムをハンドリングする際に傷が付いたり、搬送性が悪化することを防止するために、ドープ中に分散される微粒子であり、ブロッキング防止剤、キシミ防止剤とも称される。マット剤は、表面の突起物の平均高さが0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。また、その突起物は表面に多数ある程良いが、必要以上に多いとへイズとなり問題である。好ましい突起物は突起物の平均高さを有する範囲であれば、例えば球形、不定形マット剤で突起物を形成する場合はその含有量が0.5〜600mg/ m2 であり、より好ましいのは1〜400mg/ m2 である。
【0032】
マット剤は、前述の機能を呈する素材であれば特に限定されないが、これらのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルローストリアセテートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、130、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
【0033】
有機化合物のマット剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いはポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物があげられ、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120、及びトスパール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0034】
あるいは懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等により球状にした高分子化合物、または無機化合物を用いることができる。また、同様な材質でより粒径の大きな0.1〜10μmの粒子及び/または前記の微粒子を添加して防眩層とすることもできる。0.5〜20質量%の微粒子を添加することが好ましい。これらの微粒子としては、好ましくはシリカなどの二酸化ケイ素、例えば富士シリシア化学(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNipsil Eなどがある。
【0035】
本技術のこれらの微粒子は、表面に炭素数2〜20のアルキル基またはアリール基を有する微粒子を用いることも好ましい。アルキル基は炭素数4〜12のものがより好ましく、炭素数6〜10のものが更に好ましい。炭素数が小さい程、分散性に優れ、炭素数が大きい程、ドープと混合した時の再凝集が少ない。
【0036】
本技術に使用される表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子や、アリール基を有する微粒子の材料のうち、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、及びリン酸カルシウムを挙げることができる。二酸化ケイ素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムが好ましく、中でもケイ素を含有する化合物、特に二酸化ケイ素が好ましい。また表面がシリコーンオイルで修飾されたシリカ微粒子、球状単分散シリカの微粒子も好ましく用いられている。
【0037】
表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記二酸化ケイ素の微粒子をオクチルシランで処理することにより得ることができる。また、表面にフェニル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記二酸化ケイ素の微粒子をトリクロロフェニルシランで処理することにより得ることができる。
【0038】
上記表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子やフェニル基を有する微粒子の材料のうち、ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができ、特にポリメタクリレートが好ましい。前述のように、ケイ素を含有する化合物であることが好ましいが、特に二酸化ケイ素、または三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂であることが好ましく、二酸化ケイ素が最も好ましい。
【0039】
上述したマット剤は、予め溶媒やバインダー(好ましくはセルローストリアセテート)を用いて溶解しておいたり、場合により分散して安定化した溶液として用いることも好ましい態様である。
【0040】
これらのマット剤の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、好ましくは0. 001〜20μmであり、より好ましくは0.001〜10μmであり、さらに好ましくは、0. 002〜1μmであり、特に好ましくは、0.005〜0. 5μmである。微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡で粒子径を求められる。微粒子の見掛け比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。例えばアエロジル200、アエロジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することができる。
【0041】
本技術に係るマット剤の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような4種類が挙げられる。▲1▼溶剤とマット剤を混合撹拌した後、分散機でマット剤分散液とする。▲2▼溶剤とマット剤を混合撹拌した後、分散機でマット剤分散液とするとともに、別に溶剤に少量のセルローストリアセテートを加えて撹拌溶解し、これに前記マット剤分散液を加えて撹拌する。▲3▼溶剤に少量のセルローストリアセテートを加えて撹拌溶解し、これにマット剤を加えて分散機で分散してマット剤分散液とする。▲4▼溶剤とセルローストリアセテートのドープとマット剤を攪拌混合した後、分散機で分散してマット剤分散液とする。
【0042】
前記分散液は、溶剤やバインダー(好ましくはセルローストリアセテート)溶液で希釈してマット剤添加液とすることもできる。また、前記マット剤分散液、マット剤添加液は濾過を行うのが好ましい。この濾過は、ドープ後の濾過(すなわち、濾過装置18での濾過)とは異なり、添加剤の粘度が低いため、圧力が高くならない。したがって、フィルターに保持されたマット剤が圧力によって流出することがないので、マット剤起因の異物発生とはならない。また、ここでの濾過は、フィルターの径をドープとは無関係にマット剤種によって選択することができるというメリットもある。
【0043】
二酸化ケイ素微粒子を溶剤などで混合して分散するときの二酸化ケイ素の濃度は、0.1〜30質量%が好ましく、0.2〜20質量%がさらに好ましく、0.3〜10質量%が最も好ましい。
【0044】
使用される溶剤は、ジクロロメタン、或いはジクロロメタンと低級アルコール類、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の混合物が挙げられる。セルローストリアセテートの製膜時に用いられる溶剤が好ましい。
【0045】
セルローストリアセテートに対する二酸化ケイ素微粒子の添加量はセルローストリアセテート100質量部に対して、二酸化ケイ素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.02〜0.2質量部がさらに好ましい。
【0046】
分散は、メディア分散機としてはアトライター、ボールミル、サンドミル、ダイノミルなどがあげられる。メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがあり利用できる。
(添加剤)
紫外線吸収剤は、セルローストリアセテートフィルムを偏光板または液晶表示用部材等に使用した際に、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本技術に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としての具体例を挙げるが、本技術はこれらに限定されない。
【0047】
2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチル-5 ′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-(3 ″、4″、5″、6″-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5 ′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス(4ー(1、1、3、3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)、2-(2′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチル-5 ′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニルメタン)、(2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、(2(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-アミルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]3トリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]31,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]3オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4 ‐ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト などが挙げられる。特に(2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-アミルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]3トリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート] が好ましい。また例えば、N,N ′-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]Kドラジン等のヒドラジン 系の金属不活性剤やトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。
【0048】
添加液として紫外線吸収剤を使用する場合は、溶剤と紫外線吸収剤の溶液、或いは溶剤とバインダ(セルロースアセテートが好ましい)との紫外線吸収剤の混合溶液が好ましい。使用される溶剤は、ジクロロメタン、或いはジクロロメタンと低級アルコール類、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の混合物が挙げられる。セルローストリアセテートの製膜時に用いられる溶剤が好ましい。添加液の紫外線吸収剤の濃度は質量割合で、5〜30%が好ましく、10〜20%がさらに好ましい。バインダー濃度は0〜10%が好ましく、0〜6%がさらに好ましい。
【0049】
紫外線吸収剤の添加量はセルローストリアセテートに対して、質量割合で0.1〜10%が好ましく、さらには0.5〜6.0%が好ましい。
【0050】
また、特開平6−148430号公報記載の紫外線吸収剤も好ましく用いることができる。本技術で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れており、特に不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤の使用量は、化合物の種類、使用条件により一様ではないが、通常はセルローストリアセテートフィルム1m2 当たり、0.2〜5.0gが好ましく、0.4〜3.0gがさらに好ましく、0.6〜2.0gが特に好ましい。
【0051】
本技術のセルローストリアセテートフィルムには、融点が30℃以上である紫外線吸収剤が好ましく、更には50℃〜200℃の融点である紫外線吸収剤が用いられている。本技術のセルローストリアセテートフィルムは、高い寸度安定性、良好な紫外線カット性能から液晶表示部材に用いられるのが好ましい。液晶表示部材とは液晶表示装置に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差板、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム等があげられる。上記記載の中でも、寸法安定性に対しても厳しい要求のある偏光板、偏光板保護フィルムにおいて、本技術のセルローストリアセテートフィルムは更に好ましく用いられる。特に、最近のノートパソコン等の偏光板保護フィルムとしては、従来よりも薄膜化したセルローストリアセテートフィルムが要望されている。薄膜化を行っても、紫外線に対する保護を十分に行う為には、従来よりも紫外線吸収剤の単位重量当りの使用量を多くする必要がある。薄膜化した偏光板保護フィルムは、紫外線の溶出、析出が起こりやすくなる。特に、融点が100℃以上の紫外線吸収剤を含有する本技術のセルローストリアセテートフィルムは、紫外線吸収剤が増量され、且つ、薄膜化されても溶出、析出が少なく、生産工程上のメリットが極めて高い。
【0052】
可塑剤は、セルローストリアセテートフィルムに含まれている。可塑剤としては、セルローストリアセテート系に使用可能な公知の可塑剤が使用できる。例えばトリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル類、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、などのグリコール酸エステル類を挙げることができる。これらの可塑剤は単独で用いることも可能であり、また必要に応じて複数を混合して用いても良い。また、全量を添加液から混合することもできるし、一部を元のドープ仕込の際に混合しておいて、残りを添加液から混合することもできる。一部を元のドープに混合して使用する場合において、元のドープと添加液にそれぞれ含有する可塑剤の種類・組成が同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0053】
添加液として可塑剤を使用する場合は、溶剤と可塑剤の溶液、或いは溶剤とバインダー(好ましくはセルロースアセテート)と可塑剤との混合溶液が好ましい。使用される溶剤は、ジクロロメタン、或いはジクロロメタンと低級アルコール類、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の混合物が挙げられる。セルローストリアセテートの製膜時に用いられる溶剤が好ましい。添加液の可塑剤の濃度は質量割合で、5〜40%が好ましく、15〜30%がさらに好ましい。バインダー濃度は0〜10%が好ましく、0〜6%がさらに好ましい。
【0054】
完成したフィルム中の可塑剤の比率は、質量割合で1〜20%が好ましく、特に偏光板等の液晶部材としては5〜15%がさらに好ましく、8〜15%が最も好ましい。
【0055】
トリアジン系の化合物は二軸フィルムや視野角拡大フィルムの素材で使用し、図3(A)〜(E)に示す化合物を使用する。添加液として、トリアジン系化合物を使用する場合は、溶剤とトリアジン系化合物の溶液、或いは溶剤とバインダー(好ましくはセルロースアセテート)とトリアジン系化合物との混合溶液が好ましい。使用される溶剤は、ジクロロメタン、或いはジクロロメタンと低級アルコール類、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の混合物が挙げられる。セルローストリアセテートの製膜時に用いられる溶剤が好ましい。添加液のトリアジン系化合物の濃度は質量割合で、5〜30%が好ましく、10〜20%がさらに好ましい。バインダー濃度は0〜10%が好ましく、0〜6%がさらに好ましい。完成したフィルム中のトリアジン系の化合物の比率は、質量割合で0.5〜10%が好ましく、特に偏光板等の液晶部材としては1〜8%がさらに好ましい。
【0056】
図4に示す如く、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物はλ/4フィルムの素材で使用する。図4の場合、末端R鎖部位の構造式は、-C7H15の他、-COO-C8H17、-COO-C9H19、-COO-C10H21 、-(CH2)-COO-C7H15、-(CH2)2-COO-C7H15 、-(CH2)2-OCO-C9H19 、-OCO-C5H11、-OCO-C7H15、-OCO-C8H17、-OCO-C9H19、-OCO-C11H23 、C8H17O-C6H4-(CH2)O-C6H4-O(CH2)-C6H4-OC8H17、C8H17-C6H4-C4H8N2-C6H4-C8H17、C2H5-C6H4-C3H5O2B-C6H5等の置換基が挙げられる。添加液として、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物を使用する場合は、溶剤とtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物の溶液、或いは溶剤とバインダー(好ましくはセルロースアセテート)とシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物との混合溶液が好ましい。使用される溶剤は、ジクロロメタン、或いはジクロロメタンと低級アルコール類、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の混合物が挙げられる。セルローストリアセテートの製膜時に用いられる溶剤が好ましい。添加液のシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物の濃度は質量割合で、5〜30%が好ましく、10〜20%がさらに好ましい。バインダー濃度は0〜10%が好ましく、0〜6%がさらに好ましい。完成したフィルム中のシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物の比率は、質量割合で0.5〜10%が好ましく、特に偏光板等の液晶部材としては1〜5%がさらに好ましい。
(インラインミキサー)
インラインミキサーは、インライン添加、混合を行うための装置であり、例えば、スタチックミキサー(ノリタケ製、東レエンジニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer)等のインラインミキサー等が好ましく用いられる。
【0057】
【実施例】
製膜用ドープA、マット剤B、紫外線吸収剤C、可塑剤D、トリアジン系の化合物E、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物F、可塑剤とシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物との混合物Gを別々に調製し、これらを下記に示す方法で混合した後、製膜流延法にてフィルムを製造し、この中に含まれる異物の数を比較した。なお、製膜用ドープA、マット剤B、紫外線吸収剤C、可塑剤D、トリアジン系の化合物E、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物F、可塑剤とシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物との混合物Gについては実施例の最後に説明する。
【0058】
実施例1では、まず、紫外線吸収剤液Cに、マット剤液Bをスタチックミキサー( 38エレメント) で混合した。そして、その混合液をドープAに添加し、スタチックミキサー( 42エレメント) にて混合した。このドープを用い、流延製膜法にて、乾燥膜の厚み80μmのフィルムを得た。この時の紫外線吸収剤は、乾燥フィルム中に1. 04重量%にした。また、マット剤は乾燥フィルム中に0. 13重量%にした。
【0059】
実施例2では、紫外線吸収剤を、乾燥フィルム中に2. 08重量%にし、実施例1と同じ方法で、厚み40μmの乾燥フィルムを得た。
【0060】
実施例3では、まず可塑剤Dにマット剤Bをスタチックミキサー(38エレメント)で混合した。そして、この混合液をドープAに添加し、スタチックミキサー(42エレメント)で混合し、混合後のドープに紫外線吸収剤Cを添加し、スタチックミキサー(36エレメント)にて混合した。そして、混合後のドープを実施例1と同じ方法で乾燥膜80μmのフィルムを得た。この時の紫外線吸収剤は乾燥フィルム中に1.04質量%にした。また、マット剤は乾燥フィルム中に0.13質量%、可塑剤は乾燥フィルム中に元の可塑剤を含めて13.0質量%にした。
【0061】
実施例4では、トリアジン系の化合物Eの液にマット剤Bの液をスタチックミキサー(38エレメント)で混合した。この混合液を実施例1と同じ方法で乾燥膜80μmのフィルムを得た。この時のトリアジン系の化合物は乾燥フィルム中に4.46質量%にした。また、マット剤は乾燥フィルム中に0.13質量%にした。
【0062】
実施例5では、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物Fの液にマット剤Bの液をスタチックミキサー(38エレメント)で混合した。この混合液を実施例1と同じ方法で乾燥膜80μmのフィルムを得た。この時のシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物は乾燥フィルム中に1.76質量%にした。また、マット剤は、乾燥フィルム中に0.13質量%とした。
【0063】
実施例6では、可塑剤とシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物との混合物Gにマット剤Bの液をスタチックミキサー(38エレメント)で混合した。この混合液を実施例1と同じ方法で乾燥膜80μmのフィルムを得た。この時のシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物は乾燥フィルム中に1.71質量%にし、可塑剤は乾燥フィルム中に元の可塑剤を含めて13.0質量%にした。また、マット剤は、乾燥フィルム中に0.13質量%とした。
【0064】
比較例1は、マット剤液BをドープAへ添加し、スタチックミキサー( 42エレメント) で混合し、混合後のドープに紫外線吸収剤Cを添加し、スタチックミキサー( 36エレメント) にて混合した。そして、混合後のドープを流延し製膜し乾燥を行い、乾燥厚み80μmのフィルムを得た。紫外線吸収剤、マット剤の乾燥フィルム中への割合は、実施例1と同じにした。
【0065】
フィルム中の異物を測定し、表1に示した。異物の測定は、720cm2 を目視で観察するとともに、光学顕微鏡倍率200倍にて10μm以上を数えた。比較例は、7.2cm2 を720cm2 に換算した。
【0066】
【表1】
【0067】
比較例1は、マット剤液BをドープAに直接混合させたため、マット剤が十分に分散されずに凝集し、フィルム中の異物数が多くなっていると考えられる。
【0068】
これに対して、実施例は、マット剤Bをまず添加剤に混合分散させた後、ドープAに混合させるので、マット剤が十分に分散混合され、フィルム中の異物数をかなり減少させることができた。
【0069】
以下に、製膜用ドープA、マット剤液B、紫外線吸収剤液C、可塑剤D、トリアジン系の化合物E、シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物F、可塑剤とシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物との混合物Gの調製方法について説明する。
(製膜用ドープAの調製)
セルローストリアセテート( 酸化度60. 8%) が16. 96重量%、トリフェニルフォスフェート が1. 36重量%、ビフェニルジフェニルフォスフェート が0. 68重量%、ジクロルメタン が70. 47重量%、メタノール が10. 53重量%から成る成分を攪拌溶解した。このドープを片ネル、濾紙( 東洋濾紙(株)製♯63) 、金巾のセットで濾過後、焼結金属フィルター( 日本精線06N公称孔径10μm) で濾過し、さらに焼結金属フィルター( 日本精線12N公称孔径40μm) で濾過した。
(マット剤液Bの調製)
シリカ( 日本アエロジカル( 株) 製アエロジカルR972が2. 00重量%、製膜用ドープAの濾過済みが10.53重量%、ジクロルメタン76.10重量%、メタノールが11.37重量%からなる溶液をアトライターにて体積平均粒径0. 3μmになるように分散を行った。ここで、体積平均粒径は、堀場製作所製粒度分布測定装置LA920で測定した値を用いた。この液をアストロポア10μm( 富士フイルム( 株) 製) で濾過後、更にアストロポア10μm( 富士フイルム( 株) 製) で濾過した。
(紫外線吸収剤液Cの調製)
2(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′ジ-tert‐ブチルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール が5. 33重量%、2(2 ′-ヒドロキシ-3′,5′ジ-tert‐アミルフェニル)ベンゾトリアゾール が10. 67重量%、製膜用ドープAの濾過済みが21.05重量%、ジクロルメタンが54.77重量%、メタノール が8.18重量%の液をアストロポア10μm( 富士写真フイルム( 株) 製) で濾過した。
(可塑剤液Dの調製)
トリフェニルフォスフェート が16.67重量%、ビフェニルジフェニルフォスフェート が8.33重量%、製膜用ドープAの濾過済みが12.11重量%、ジクロルメタンが54.71重量%、メタノールが8.18重量%の液をアストロポア10μm( 富士フイルム( 株) 製) で濾過した。
(トリアジン系の化合物液Eの調製)
構造式1(図5参照)が15.38重量%、製膜用ドープAの濾過済みが13.89重量%、ジクロルメタンが61.54重量%、メタノールが9.19重量%の液をアストロポア10μm( 富士フイルム( 株) 製) で濾過した。
(シクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物液Fの調製)
構造式2(図5参照)が15.00重量%、製膜用ドープAの濾過済みが12.11重量%、ジクロルメタンが63.41重量%、メタノールが9.48重量%の液をアストロポア10μm( 富士フイルム( 株) 製) で濾過した。
(可塑剤とシクロヘキサンtrans-ジカルボン酸エステル系の化合物との混合液Gの調製)
構造式2(図5参照)が10.00重量%、トリフェニルフォスフェート が8.87重量%、ビフェニルジフェニルフォスフェート が4.43重量%、製膜用ドープAの濾過済みが12.11重量%、ジクロルメタンが56.39重量%、メタノールが8.43重量%の液をアストロポア10μm( 富士フイルム( 株) 製) で濾過した。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るセルローストリアセテートフィルムの製造方法によれば、別々に調製したマット剤液と添加剤液を混合し、さらにこの混合液をドープに混合したので、マット剤が十分に混合分散され、マット剤起因の異物発生を防止できる。また、マット剤と添加物を別々に調製するので、それぞれの量を自由に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したフィルム製造装置の全体構成を示す概念図
【図2】スタチックミキサーの構成を示す断面図
【図3】紫外線吸収剤の分子構造の一例を示す構造図
【図4】紫外線吸収剤の分子構造の一例を示す構造図
【図5】実施例で使用した化合物の構造式を示す図
【符号の説明】
10…製造装置、12…ミキシングタンク、14…ドープ、16…ポンプ、18…濾過装置、20…送液ライン、22…第一のインラインミキサー、24…流延ダイ、26…添加ライン、28…第二のインラインミキサー、30…マット剤液用ライン、32…ストックタンク、34…添加剤液用ライン、36…ストックタンク、38…流延バンド、39…ドラム、40…フィルム、42…延伸乾燥部、44…ロール乾燥部、46…ロール、48…可動パスロール、50…エッジポジションコントロール装置、52…ナーリング付与装置、54…ローラ、56…耳切装置、58…除電器、60…巻取装置、62…巻芯、64…コンタクトロール、66…ケーシング、68…エレメント[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a cellulose triacetate film, and more particularly to a method for producing a cellulose triacetate film used in a polarizing plate film, an optical use film, an LCD film, an organic EL film and the like.
[0002]
[Prior art]
Cellulose triacetate film is usually produced by a solution casting method. That is, a film is produced by casting a cellulose triacetate dope (concentrated solution) from a casting die onto an endless support, and stripping the dope from the endless support after the dope is self-supporting. In addition to cellulose triacetate, the film often contains a matting agent, a plasticizer, an ultraviolet absorber (additive), and the like. The matting agent is used for improving the slipperiness and adhesion resistance of the formed film, and the ultraviolet absorber is used for preventing deterioration of the polarizing plate when used for, for example, the polarizing plate. . These components are usually mixed together when preparing the dope.
[0003]
In preparing the dope, first, cellulose triacetate, a plasticizer, a solvent, and a dispersed matting agent are charged and dissolved. After filtering this dope with a filtration device, a UV absorber is mixed and kneaded. A film is produced by casting the dope thus prepared on an endless support.
[0004]
However, in this method, when the dope is filtered, the matting agent is trapped, and the amount of the matting agent may be reduced in the film, or the trapped matting agent may flow out to generate foreign matter due to the matting agent.
[0005]
Various methods have been proposed as measures to prevent this. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-11055 proposes a method in which a matting agent and an ultraviolet absorber are mixed and dispersed together, and this dispersion is mixed with the dope immediately before the casting die. In addition, a method of mixing only the matting agent with the dope immediately before the casting die has been proposed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the former method, since the matting agent and the UV absorber are mixed and dispersed together, the mixing ratio of the matting agent and the UV absorber cannot be easily changed. There was a problem that the amount could not be changed arbitrarily. There is also a problem that the amount of dispersion increases.
[0007]
On the other hand, in the latter method, the matting agent is not sufficiently dispersed in the dope, and there is a possibility that foreign matter is generated due to aggregation.
[0008]
The present invention has been made in view of such circumstances, and provides a method for producing a cellulose triacetate film that can suppress the generation of foreign matter due to a matting agent and can separately adjust the amount of a matting agent and the amount of an additive. Aims to do.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is a method for producing a cellulose triacetate film containing a matting agent and an additive.A matting agent solution is prepared by dispersing a matting agent, and an additive solution is prepared using an additive. The prepared matting agent solution and the prepared additive solution are mixed with a second in-line mixer.Mix continuously, and mix the mixture into cellulose triacetate dopeWith the first inline mixerThe film is produced by continuously mixing and casting the dope.
[0010]
According to the first aspect of the present invention, since the prepared matting agent solution is mixed with the additive solution and further mixed with the dope, the matting agent is sufficiently dispersed and cast. Therefore, the matting agent does not aggregate and foreign matter is not generated. Further, since the matting agent is not mixed when the dope is charged, the matting agent is not collected during the filtration of the dope, and the reduction of the matting agent and the generation of foreign matter due to the matting agent can be prevented.
[0011]
Further, according to the invention of claim 1, since the matting agent solution and the additive solution are separately prepared and mixed, the amount of the matting agent and the amount of the additive can be easily adjusted independently of each other. it can.
[0012]
Claim 1According to the invention described in, since the mixing of the matting agent liquid and the additive liquid and the mixing of the mixed liquid and the dope are performed by an in-line mixer, it becomes possible to continuously process the production efficiency. Can be improved.
[0013]
As the matting agent applied to the present invention, silicon dioxide and its derivatives are preferable as described in claim 3, and as the additive, an ultraviolet ray comprising a benzotriazole-based compound as described in claims 4-8. Absorbers, phosphate ester plasticizers, triazine compounds, cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compounds, and mixtures thereof are contemplated. When two or more types of additives are used, two types of mixed liquids may be prepared in advance, or one type may be sequentially added using an in-line mixer.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a method for producing a cellulose triacetate film according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0016]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing the overall configuration of a cellulose triacetate
[0017]
As shown in the figure, the
[0018]
An
[0019]
The first and second in-
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
Next, the operation of the
[0025]
The matting agent solution and the additive solution are prepared separately, filtered and stored in the
[0026]
Further, since the
[0027]
As described above, the
[0028]
In addition, since the
[0029]
Further, according to the
[0030]
In the above-described embodiment, an ultraviolet absorber is used as an additive, but the present invention is not limited to this, and a plasticizer and other additives may be used.
[0031]
Hereinafter, the matting agent, additive, and in-line mixer used in the present invention will be described.
(Matting agent)
Matting agents are fine particles dispersed in the dope in order to prevent scratches or deterioration of transportability when handling the film after preparation, and are also referred to as anti-blocking agents and anti-wrinkle agents. The The matting agent preferably has an average height of protrusions on the surface of 0.005 to 10 μm, more preferably 0.01 to 5 μm. In addition, it is better that there are many protrusions on the surface, but if there are more protrusions than necessary, it becomes a problem and becomes a problem. A preferable protrusion is within a range having an average height of the protrusion, for example, when the protrusion is formed with a spherical or irregular matting agent, the content is 0.5 to 600 mg / m.2And more preferably 1 to 400 mg / m2It is.
[0032]
The matting agent is not particularly limited as long as it is a material exhibiting the above-mentioned function, but preferred specific examples of these matting agents include compounds containing silicon, silicon dioxide, titanium dioxide, zinc oxide, aluminum oxide, Barium oxide, zirconium oxide, strongtium oxide, antimony oxide, tin oxide, tin antimony oxide, calcium carbonate, talc, clay, calcined kaolin, calcined calcium silicate, hydrated calcium silicate, aluminum silicate, magnesium silicate, In addition, calcium phosphate and the like are preferable, and silicon-containing inorganic compounds and zirconium oxide are more preferable. However, since the turbidity of the cellulose triacetate film can be reduced, silicon dioxide is particularly preferably used. As fine particles of silicon dioxide, for example, commercially available products having trade names such as Aerosil R972, R974, R812, 130, 200, 300, R202, OX50, TT600 (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) can be used. As the fine particles of zirconium oxide, for example, those commercially available under trade names such as Aerosil R976 and R811 (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) can be used.
[0033]
Examples of organic compound matting agents include polytetrafluoroethylene, cellulose acetate, polystyrene, polymethyl methacrylate, polypropylene methacrylate, polyethylene carbonate, acrylic styrene resin, silicone resin, polycarbonate resin, benzoguanamine resin, and melamine resin. Polyolefin powder, polyester resin, polyamide resin, polyimide resin, polyfluorinated ethylene resin, and pulverized classification of organic polymer compounds such as starch, among which silicone resin is preferably used. Among the silicone resins, those having a three-dimensional network structure are particularly preferable. For example, Tospearl 103, Tospearl 105, Tospearl 108, Tospearl 120, Tospearl 145, Tospearl 3120, Tospearl 240 (manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd.) A commercial product having the trade name of can be used.
[0034]
Alternatively, a high molecular compound synthesized by a suspension polymerization method, a high molecular compound made spherical by a spray drying method or a dispersion method, or an inorganic compound can be used. Moreover, it is also possible to form an antiglare layer by adding 0.1 to 10 μm particles and / or the above-mentioned fine particles having the same material and larger particle diameter. It is preferable to add 0.5 to 20% by mass of fine particles. These fine particles are preferably silicon dioxide such as silica, for example, Silicia manufactured by Fuji Silysia Chemical Co., Ltd. and Nippon Sil E manufactured by Nippon Silica Co., Ltd.
[0035]
It is also preferable to use fine particles having an alkyl group or aryl group having 2 to 20 carbon atoms on the surface of these fine particles of the present technology. The alkyl group preferably has 4 to 12 carbon atoms, and more preferably 6 to 10 carbon atoms. The smaller the number of carbons, the better the dispersibility, and the larger the number of carbons, the less reaggregation when mixed with the dope.
[0036]
Examples of inorganic compounds among fine particles having an alkyl group having 2 to 20 carbon atoms on the surface and fine particles having an aryl group used in the present technology include silicon dioxide, titanium dioxide, aluminum oxide, zirconium oxide, carbonic acid. Mention may be made of calcium, talc, clay, calcined kaolin, calcined calcium silicate, hydrated calcium silicate, aluminum silicate, magnesium silicate and calcium phosphate. Silicon dioxide, titanium dioxide, and zirconium oxide are preferred, with silicon-containing compounds, particularly silicon dioxide being preferred. Silica fine particles whose surface is modified with silicone oil and spherical monodispersed silica fine particles are also preferably used.
[0037]
Fine particles of an inorganic compound having an alkyl group having 2 to 20 carbon atoms on the surface can be obtained, for example, by treating the fine particles of silicon dioxide with octylsilane. The fine particles of an inorganic compound having a phenyl group on the surface can be obtained, for example, by treating the fine particles of silicon dioxide with trichlorophenylsilane.
[0038]
Of the fine particles having an alkyl group having 2 to 20 carbon atoms and fine particles having a phenyl group on the surface, examples of the polymer include a silicone resin, a fluorine resin, and an acrylic resin, and polymethacrylate is particularly preferable. As described above, a compound containing silicon is preferable, but silicon dioxide or a silicone resin having a three-dimensional network structure is particularly preferable, and silicon dioxide is most preferable.
[0039]
It is also a preferred aspect that the matting agent described above is dissolved in advance using a solvent or a binder (preferably cellulose triacetate) or used as a solution dispersed and stabilized in some cases.
[0040]
The primary average particle diameter of these matting agents is preferably 0.001 to 20 μm, more preferably 0.001 to 10 μm, and still more preferably 0.002 from the viewpoint of keeping haze low. 1 μm, particularly preferably 0.005 to 0.5 μm. The measurement of the primary average particle diameter of the fine particles is obtained by a transmission electron microscope. The apparent specific gravity of the fine particles is preferably 70 g / liter or more, more preferably 90 to 200 g / liter, and particularly preferably 100 to 200 g / liter. For example, they are commercially available under the trade names of Aerosil 200 and Aerosil R972V (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.), and these can be used.
[0041]
Examples of the method for preparing the dispersion of the matting agent according to the present technology include the following four types. (1) After mixing and stirring the solvent and the matting agent, a matting agent dispersion is prepared with a disperser. (2) After mixing and stirring the solvent and the matting agent, use a disperser to form a matting agent dispersion. Separately, a small amount of cellulose triacetate is added to the solvent and dissolved by stirring, and then the matting agent dispersion is added and stirred. . (3) A small amount of cellulose triacetate is added to a solvent and dissolved by stirring. A matting agent is added thereto and dispersed by a disperser to obtain a matting agent dispersion. (4) A solvent, a cellulose triacetate dope, and a matting agent are stirred and mixed, and then dispersed by a disperser to obtain a matting agent dispersion.
[0042]
The dispersion may be diluted with a solvent or a binder (preferably cellulose triacetate) solution to form a matting agent addition solution. The matting agent dispersion and matting agent addition liquid are preferably filtered. Unlike the filtration after dope (that is, filtration by the filtration device 18), this filtration does not increase the pressure because the viscosity of the additive is low. Therefore, the matting agent held by the filter does not flow out due to the pressure, so that no foreign matter is generated due to the matting agent. Further, the filtration here has an advantage that the diameter of the filter can be selected depending on the matting agent type irrespective of the dope.
[0043]
The concentration of silicon dioxide when the silicon dioxide fine particles are mixed and dispersed with a solvent is preferably 0.1 to 30% by mass, more preferably 0.2 to 20% by mass, and most preferably 0.3 to 10% by mass. preferable.
[0044]
Examples of the solvent used include dichloromethane or a mixture of dichloromethane and lower alcohols, preferably methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol and the like. A solvent used at the time of film formation of cellulose triacetate is preferable.
[0045]
The amount of silicon dioxide fine particles added to cellulose triacetate is preferably 0.01 to 0.3 parts by mass, and more preferably 0.02 to 0.2 parts by mass with respect to 100 parts by mass of cellulose triacetate.
[0046]
Examples of the media disperser include attritors, ball mills, sand mills, and dyno mills. As the medialess disperser, there are an ultrasonic type, a centrifugal type, a high pressure type, and the like.
(Additive)
The ultraviolet absorber is preferably used from the viewpoint of preventing deterioration of the polarizing plate or the liquid crystal when the cellulose triacetate film is used for the polarizing plate or the liquid crystal display member. As the ultraviolet absorber, those excellent in the ability to absorb ultraviolet rays having a wavelength of 370 nm or less and having a small absorption of visible light having a wavelength of 400 nm or more are preferably used from the viewpoint of good liquid crystal display properties. Specific examples of ultraviolet absorbers preferably used in the present technology include oxybenzophenone compounds, benzotriazole compounds, salicylic acid ester compounds, benzophenone compounds, cyanoacrylate compounds, nickel complex compounds, and the like. Although the specific example as a benzotriazole type ultraviolet absorber is given, this technique is not limited to these.
[0047]
2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3 ′ -Tert-butyl-5′-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2′-hydroxy -3 ′-(3 ″, 4 ″, 5 ″, 6 ″ -tetrahydrophthalimidomethyl) -5′-methylphenyl) benzotriazole, 2,2-methylenebis (4- (1,1,3,3-tetramethyl) Butyl) -6- (2H-benzotriazol-2-yl) phenol), 2- (2′-hydroxy-3′-tert-butyl-5′-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2,4- Dihydroxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone, bis (2-methoxy-4- Droxy-5-benzoylphenylmethane), (2,4-bis- (n-octylthio) -6- (4-hydroxy-3,5-di-tert-butylanilino) -1,3,5-triazine, 2 ( 2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, (2 (2'-hydroxy-3', 5'-di-tert-amylphenyl) -5-chloro Benzotriazole, 2,6-di-tert-butyl-p-cresol, pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate]ThreeTriethylene glycol-bis [3- (3-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate]Three1,6-hexanediol-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 2,4-bis- (n-octylthio) -6- (4-hydroxy-3 , 5-Di-tert-butylanilino) -1,3,5-triazine, 2,2-thio-diethylenebis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate]ThreeOctadecyl-3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, N, N′-hexamethylenebis (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy-hydrocinnamide), 1, 3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, tris- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl)- And isocyanurate. In particular, (2,4-bis- (n-octylthio) -6- (4-hydroxy-3,5-di-tert-butylanilino) -1,3,5-triazine, 2 (2′-hydroxy-3 ′, 5'-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2 (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-amylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2,6-di- tert-butyl-p-cresol, pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate]ThreeTriethylene glycol-bis [3- (3-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate] is preferred. Further, for example, hydrazine-based metal deactivators such as N, N′-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] K drazine and tris (2,4-di- Phosphorus processing stabilizers such as tert-butylphenyl) phosphite may be used in combination.
[0048]
When an ultraviolet absorber is used as the additive solution, a solution of a solvent and an ultraviolet absorber, or a mixed solution of an ultraviolet absorber of a solvent and a binder (preferably cellulose acetate) is preferable. Examples of the solvent used include dichloromethane or a mixture of dichloromethane and lower alcohols, preferably methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol and the like. A solvent used at the time of film formation of cellulose triacetate is preferable. The concentration of the ultraviolet absorber in the additive liquid is preferably 5 to 30%, more preferably 10 to 20%, by mass. The binder concentration is preferably 0 to 10%, and more preferably 0 to 6%.
[0049]
The addition amount of the ultraviolet absorber is preferably from 0.1 to 10%, more preferably from 0.5 to 6.0% by mass ratio with respect to cellulose triacetate.
[0050]
Further, an ultraviolet absorber described in JP-A-6-148430 can also be preferably used. The ultraviolet absorber described above preferably used in the present technology is highly transparent and excellent in preventing the deterioration of the polarizing plate and the liquid crystal element, and a benzotriazole-based ultraviolet absorber with particularly less unnecessary coloring is preferable. The amount of UV absorber used is not uniform depending on the type of compound and the usage conditions, but usually 1 m of cellulose triacetate film.2It is preferably 0.2 to 5.0 g, more preferably 0.4 to 3.0 g, and particularly preferably 0.6 to 2.0 g.
[0051]
For the cellulose triacetate film of the present technology, an ultraviolet absorber having a melting point of 30 ° C. or higher is preferable, and an ultraviolet absorber having a melting point of 50 ° C. to 200 ° C. is further used. The cellulose triacetate film of the present technology is preferably used for a liquid crystal display member because of high dimensional stability and good ultraviolet cut performance. A liquid crystal display member is a member used for a liquid crystal display device, for example, a polarizing plate, a polarizing plate protective film, a retardation plate, a viewing angle improving film, an antiglare film, an antireflection film, an antistatic film, etc. It is done. Among the above descriptions, the cellulose triacetate film of the present technology is more preferably used in polarizing plates and polarizing plate protective films that have strict requirements on dimensional stability. In particular, as a polarizing plate protective film for recent notebook personal computers and the like, a cellulose triacetate film that has been made thinner than before has been demanded. Even when the film thickness is reduced, in order to sufficiently protect the ultraviolet rays, it is necessary to increase the amount of the ultraviolet absorber used per unit weight than before. The thinned polarizing plate protective film tends to cause elution and precipitation of ultraviolet rays. In particular, the cellulose triacetate film of the present technology containing an ultraviolet absorber having a melting point of 100 ° C. or more has an extremely high merit in the production process because the amount of the ultraviolet absorber is increased and the elution and precipitation are small even when the film is thinned. .
[0052]
The plasticizer is contained in the cellulose triacetate film. As the plasticizer, known plasticizers that can be used for cellulose triacetate can be used. For example, phosphate esters such as triphenyl phosphate, biphenyl diphenyl phosphate, tricresyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, trioctyl phosphate, tributyl phosphate, diethyl phthalate, dimethoxyethyl phthalate, dimethyl phthalate, dioctyl phthalate, dibutyl Phthalic acid esters such as phthalate and di-2-ethylhexyl phthalate, and glycolic acid esters such as triacetin, tributyrin, butyl phthalyl butyl glycolate, ethyl phthalyl glycolate, and methyl phthalyl ethyl glycolate . These plasticizers can be used alone or in combination as necessary. Further, the entire amount can be mixed from the additive solution, or a part can be mixed at the time of the original dope preparation, and the rest can be mixed from the additive solution. In the case of using a part of the original dope mixed with the original dope, the kind and composition of the plasticizer contained in the original dope and the additive solution may be the same or different.
[0053]
When a plasticizer is used as the additive solution, a solution of a solvent and a plasticizer or a mixed solution of a solvent, a binder (preferably cellulose acetate) and a plasticizer is preferable. Examples of the solvent used include dichloromethane or a mixture of dichloromethane and lower alcohols, preferably methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol and the like. A solvent used at the time of film formation of cellulose triacetate is preferable. The concentration of the plasticizer in the additive liquid is, by mass ratio, preferably 5 to 40%, more preferably 15 to 30%. The binder concentration is preferably 0 to 10%, and more preferably 0 to 6%.
[0054]
The ratio of the plasticizer in the completed film is preferably 1 to 20% by mass, particularly preferably 5 to 15%, and most preferably 8 to 15% as a liquid crystal member such as a polarizing plate.
[0055]
The triazine-based compound is used as a material for a biaxial film or a viewing angle widening film, and the compounds shown in FIGS. 3A to 3E are used. When a triazine compound is used as the additive solution, a solution of a solvent and a triazine compound or a mixed solution of a solvent, a binder (preferably cellulose acetate) and a triazine compound is preferable. Examples of the solvent used include dichloromethane or a mixture of dichloromethane and lower alcohols, preferably methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol and the like. A solvent used at the time of film formation of cellulose triacetate is preferable. The concentration of the triazine-based compound in the additive solution is preferably 5 to 30%, more preferably 10 to 20%, by mass ratio. The binder concentration is preferably 0 to 10%, and more preferably 0 to 6%. The ratio of the triazine compound in the completed film is preferably 0.5 to 10% by mass, and more preferably 1 to 8% for a liquid crystal member such as a polarizing plate.
[0056]
As shown in FIG. 4, a cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound is used as a material for the λ / 4 film. In the case of FIG. 4, the structural formula of the terminal R chain site is -C7H15And -COO-C8H17, -COO-C9H19, -COO-CTenHtwenty one,-(CH2) -COO-C7H15,-(CH2)2-COO-C7H15,-(CH2)2-OCO-C9H19, -OCO-CFiveH11, -OCO-C7H15, -OCO-C8H17, -OCO-C9H19, -OCO-C11Htwenty three, C8H17O-C6HFour-(CH2) O-C6HFour-O (CH2) -C6HFour-OC8H17, C8H17-C6HFour-CFourH8N2-C6HFour-C8H17, C2HFive-C6HFour-CThreeHFiveO2B-C6HFiveAnd the like. When a cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound is used as the additive, a solvent and a trans-dicarboxylic acid ester compound solution, or a solvent, a binder (preferably cellulose acetate) and a cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester A mixed solution with the above compound is preferred. Examples of the solvent used include dichloromethane or a mixture of dichloromethane and lower alcohols, preferably methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol and the like. A solvent used at the time of film formation of cellulose triacetate is preferable. The concentration of the cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound in the additive liquid is, by mass ratio, preferably 5 to 30%, more preferably 10 to 20%. The binder concentration is preferably 0 to 10%, and more preferably 0 to 6%. The ratio of the cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound in the finished film is preferably 0.5 to 10% by mass, and more preferably 1 to 5% for a liquid crystal member such as a polarizing plate.
(Inline mixer)
The in-line mixer is an apparatus for performing in-line addition and mixing. For example, an in-line mixer such as a static mixer (manufactured by Noritake, Toray Engineering), SWJ (Toray static type in-pipe mixer Hi-Mixer) or the like is preferably used. It is done.
[0057]
【Example】
Film-forming dope A, matting agent B, ultraviolet absorber C, plasticizer D, triazine compound E, cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound F, plasticizer and cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound After preparing the mixture G separately and mixing these by the method shown below, the film was manufactured by the film-forming casting method, and the number of the foreign materials contained in this was compared. Film-forming dope A, matting agent B, ultraviolet absorber C, plasticizer D, triazine compound E, cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound F, plasticizer and cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound The mixture G is described at the end of the examples.
[0058]
In Example 1, first, the matting agent liquid B was mixed with the ultraviolet absorbent liquid C using a static mixer (38 elements). Then, the mixed solution was added to the dope A and mixed with a static mixer (42 element). Using this dope, a film having a dry film thickness of 80 μm was obtained by a casting film forming method. The ultraviolet absorber at this time was 1.04% by weight in the dry film. Further, the matting agent was 0.13% by weight in the dry film.
[0059]
In Example 2, the UV absorber was 2.08 wt% in the dry film, and a dry film having a thickness of 40 μm was obtained in the same manner as in Example 1.
[0060]
In Example 3, first, the matting agent B was mixed with the plasticizer D using a static mixer (38 elements). And this liquid mixture was added to dope A, it mixed with the static mixer (42 elements), the ultraviolet absorber C was added to the dope after mixing, and it mixed with the static mixer (36 elements). And the dope after mixing was obtained by the same method as in Example 1 to obtain a film having a dry film thickness of 80 μm. The ultraviolet absorber at this time was 1.04 mass% in the dry film. The matting agent was 0.13 mass% in the dry film, and the plasticizer was 13.0 mass% including the original plasticizer in the dry film.
[0061]
In Example 4, the liquid of matting agent B was mixed with the liquid of triazine compound E by a static mixer (38 elements). A film having a dry film thickness of 80 μm was obtained from this mixed solution in the same manner as in Example 1. At this time, the triazine compound was 4.46% by mass in the dry film. Further, the matting agent was 0.13% by mass in the dry film.
[0062]
In Example 5, the liquid of the matting agent B was mixed with the liquid of the cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound F with a static mixer (38 elements). A film having a dry film thickness of 80 μm was obtained from this mixed solution in the same manner as in Example 1. The cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound at this time was 1.76% by mass in the dry film. Further, the matting agent was 0.13% by mass in the dry film.
[0063]
In Example 6, the liquid of the matting agent B was mixed with a mixture G of a plasticizer and a cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound with a static mixer (38 elements). A film having a dry film thickness of 80 μm was obtained from this mixed solution in the same manner as in Example 1. At this time, the cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound was 1.71% by mass in the dry film, and the plasticizer was 13.0% by mass including the original plasticizer in the dry film. Further, the matting agent was 0.13% by mass in the dry film.
[0064]
In Comparative Example 1, the matting agent solution B is added to the dope A, mixed with a static mixer (42 elements), the ultraviolet absorber C is added to the mixed dope, and the mixture is mixed with a static mixer (36 elements). did. Then, the mixed dope was cast, formed into a film, and dried to obtain a film having a dry thickness of 80 μm. The proportions of the UV absorber and matting agent in the dry film were the same as in Example 1.
[0065]
The foreign matters in the film were measured and are shown in Table 1. 720cm for measuring foreign matter2Were visually observed, and 10 μm or more were counted at an optical microscope magnification of 200 times. The comparative example is 7.2 cm.2720cm2Converted into
[0066]
[Table 1]
[0067]
In Comparative Example 1, since the matting agent liquid B was directly mixed with the dope A, it is considered that the matting agent is aggregated without being sufficiently dispersed, and the number of foreign matters in the film is increased.
[0068]
In contrast, in the example, the matting agent B is first mixed and dispersed in the additive and then mixed in the dope A, so that the matting agent is sufficiently dispersed and mixed, and the number of foreign matters in the film can be considerably reduced. did it.
[0069]
The following are the film forming dope A, matting agent liquid B, ultraviolet absorber liquid C, plasticizer D, triazine compound E, cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound F, plasticizer and cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester. The preparation method of the mixture G with the compound of a system is demonstrated.
(Preparation of dope A for film formation)
Cellulose triacetate (oxidation degree 60.8%) is 16.96% by weight, triphenyl phosphate is 1.36% by weight, biphenyl diphenyl phosphate is 0.68% by weight, dichloromethane is 70.47% by weight, and methanol is 10%. A component consisting of 53% by weight was dissolved by stirring. This dope is filtered with a piece of paper, filter paper (# 63 manufactured by Toyo Filter Paper Co., Ltd.), and a gold width set, then filtered with a sintered metal filter (Nippon Seisen 06N
(Preparation of matting agent solution B)
Silica (Aerological R972 manufactured by Nippon Aerological Co., Ltd.) is 2.00% by weight, the filtered dope A for membrane formation is 10.53% by weight, 76.10% by weight of dichloromethane, and 11.37% by weight of methanol. Dispersion was performed with an attritor so that the volume average particle size was 0.3 μm, where the volume average particle size was a value measured with a particle size distribution measuring apparatus LA920 manufactured by Horiba, Ltd. This solution was used as an astropore 10 μm. After filtration with (Fuji Film Co., Ltd.), the mixture was further filtered with
(Preparation of UV absorber liquid C)
2 (2′-Hydroxy-3 ′, 5′di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole is 5.33% by weight, 2 (2′-Hydroxy-3 ′, 5′di-tert-amylphenyl) ) A solution containing 10.67% by weight of benzotriazole, 21.05% by weight of the dope A for membrane formation, 54.77% by weight of dichloromethane, and 8.18% by weight of methanol, 10 μm of astropore (Fuji Photo Film ( Filtered).
(Preparation of plasticizer liquid D)
16.67% by weight of triphenyl phosphate, 8.33% by weight of biphenyl diphenyl phosphate, 12.11% by weight of filtered dope A for film formation, 54.71% by weight of dichloromethane, and 8.18 of methanol The liquid of wt% was filtered through
(Preparation of triazine-based compound liquid E)
Astropore 10 μm is a solution in which structural formula 1 (see FIG. 5) is 15.38 wt%, filtered dope A is 13.89 wt%, dichloromethane is 61.54 wt%, and methanol is 9.19 wt%. The solution was filtered through (manufactured by FUJIFILM Corporation).
(Preparation of cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound liquid F)
Astropore 10 μm is a liquid having a structural formula 2 (see FIG. 5) of 15.00% by weight, 12.11% by weight of filtered dope A, 63.41% by weight of dichloromethane, and 9.48% by weight of methanol. The solution was filtered through (manufactured by FUJIFILM Corporation).
(Preparation of liquid mixture G of plasticizer and cyclohexane trans-dicarboxylic acid ester compound)
Structural formula 2 (see FIG. 5) is 10.00% by weight, triphenyl phosphate is 8.87% by weight, biphenyl diphenyl phosphate is 4.43% by weight, and dope A for film formation is filtered by 12.11% by weight. %, Dichloromethane (56.39% by weight) and methanol (8.43% by weight) were filtered through
[0070]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for producing a cellulose triacetate film according to the present invention, the matting agent solution and the additive solution prepared separately are mixed, and further, this mixing solution is mixed with the dope, so that the matting agent is sufficient. It is possible to prevent the generation of foreign matters due to the matting agent. Moreover, since a mat agent and an additive are prepared separately, each quantity can be adjusted freely.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing the overall configuration of a film manufacturing apparatus to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the structure of a static mixer
FIG. 3 is a structural diagram showing an example of the molecular structure of an ultraviolet absorber.
FIG. 4 is a structural diagram showing an example of the molecular structure of an ultraviolet absorber.
FIG. 5 is a diagram showing the structural formulas of compounds used in Examples.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (8)
マット剤を分散させてマット剤液を調製するとともに添加剤により添加剤液を調製し、前記調製したマット剤液と前記調製した添加剤液とを第2のインラインミキサーで連続的に混合し、該混合液をセルローストリアセテートのドープに第1のインラインミキサーで連続的に混合し、該ドープを流延してフィルムを製造することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方法。In the method for producing a cellulose triacetate film containing a matting agent and an additive,
A matting agent solution is prepared by dispersing a matting agent, and an additive solution is prepared with an additive. The prepared matting agent solution and the prepared additive solution are continuously mixed with a second in-line mixer , A method for producing a cellulose triacetate film, wherein the mixed liquid is continuously mixed with a dope of cellulose triacetate by a first in-line mixer , and the dope is cast to produce a film.
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