JP3979375B2 - 電気式点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エアバッグシステム等の自動車安全システムや各種誘導弾信管に使用される電気式点火装置に関し、特に、2次爆薬を使用した装置に係るものである。
従来より、電気式点火装置は、特許文献1〜特許文献3に開示されているように、エアバッグシステムやシートベルトプリテンショナーシステム等の自動車安全システムに適用されている。これらの電気式点火装置は、括れ部を有する抵抗体エレメントに通電し、該括れ部において発生するジュール熱により、爆薬又は火薬に着火する方式を採用している。
しかし、従来の電気式点火装置は、通電電流が数アンペア程度であり、発生熱量も十分大きくないため、起爆感度が十分に低くない、いわゆる1次爆薬又は同等品の爆薬又は火薬を使用している。
また、爆薬の起爆感度が高いほど、各種回路からの漏洩電流や電磁界干渉による誘導電流の発生等の原因による誤爆の恐れが大きくなり、従来の電気式点火装置は信頼性の点で問題があった。
また、信頼性向上のために、構造的及び電気的な設計において、安全度を大きく設定する必要があるため、従来の電気式点火装置は設計の自由度が小さくなる傾向があった。
また、従来の電気式点火装置は、安全性向上のための冗長設計も必要となり、信頼性だけでなく、サイズ及びコストにおいても問題があった。
この改善策として、特許文献4に開示されているように、低感度な2次爆薬を用いた電気式点火装置がある。この電気式点火装置は、シリコンの基板上に二酸化シリコンの絶縁膜を形成し、該絶縁膜上に導電性薄膜よりなる電極を形成し、該電極上にポリイミドの非導電性薄膜、バレル及び爆薬ケースを順に設けている。
上記電気式点火装置は、電極に括れ部を形成し、この電極に大電流を短時間で通電させることにより、通電直後に電極の括れ部が高圧ガスを発生する。この高圧ガスにより、非導電性薄膜の破片が超高速で飛翔し、その衝撃波によって爆薬ケースに収納された低感度な2次爆薬が起爆する。
特公平7−92358号公報 特許第3175051号公報 特許第3294583号公報 特開2003−28599号公報
しかしながら、従来の特許文献4の電気式点火装置は、専用の基板に絶縁膜と電極とを順に形成した専用品に構成されている。この電気式点火装置において、重要な点は次の通りである。
上記電極から発生した高圧ガスの圧力エネルギを超高速飛翔する非導電性薄膜の破片の運動エネルギに効率良く変換させる必要がある。このため、電極の背面側には、飛翔方向と反対面にガラス、セラミックスまたは絶縁処理を施した金属などで形成されている固形物による押さえ(タンパー)である基板を隙間なく、密着して取付けている。つまり、圧力エネルギを破片の飛翔方向と反対方向に極力逃がさないことが極めて重要である。
上記特許文献4の電気式点火装置は、二酸化シリコン付のシリコンの基板によってタンパーを構成しているため、この基板に対する電極の形成に極めて手間を要するという問題があった。つまり、タンパーである基板は、電極の密着面に平滑さが要求され、密着取付けの作業時においても塵埃等の不純物やエアーが混入しないように緻密さが要求されていた。この結果、トータルコストにおける基板自身の部品コストと組立てコストの占める割合が大きかった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、2次爆薬を用いて安全性の向上を図ると同時に、作成の容易化を図ることを目的とするものである。
〈発明の概要〉
本発明は、基板(60)と電極(31)とをプリント配線技術で形成するようにしたものである。
〈解決手段〉
具体的に、図2に示すように、第1の発明は、破片を飛翔させて2次爆薬(38)を起爆させる電気式点火装置を対象としている。そして、プリント配線板で形成されたガラスエポキシ製の基板(60)を備えている。更に、該基板(60)上に形成されると共に、括れ部(33)が形成され、且つプリント配線パターンで形成された導電性薄膜の電極(31)を備えている。加えて、上記電極(31)上に形成され、括れ部(33)に対応する部分が破片となって飛翔する非導電性薄膜(34)を備えている。その上、上記電極(31)は、通電によって括れ部(33)が発生する高圧ガスの圧力エネルギが基板(60)の側に逃げることなく破片の運動エネルギに費やされるように上記基板(60)にメッキにより密着固定されている。
また、第2の発明は、上記第1の発明において、上記電極(31)に連続して導電性薄膜の回路部(61)が基板(60)上にプリント配線パターンで形成された構成としている。
また、第3の発明は、上記第1の発明において、上記非導電性薄膜(34)上に、電極(31)の括れ部(33)の上方に位置する破片通路(3c)を有するバレル(35)が設けられている。更に、上記バレル(35)の上方には、2次爆薬(38)が収納された爆薬ケース(36)が搭載されている。
〈作用〉
すなわち、上記第1の発明では、電極(31)に所定の大電流を瞬時に供給すると、該電極(31)は、この大電流の通電により、括れ部(33)が気化して高圧ガスを発生する。この高圧ガスによって非導電性薄膜(34)における括れ部(33)に対応する部分が破片となって超高速で上方に飛翔し、2次爆薬(38)に衝突する。
特に、第3の発明では、上記破片がバレル(35)の破片通路(3c)を通り、加速して2次爆薬(38)に衝突する。
上記破片の衝撃波により低感度な2次爆薬(38)が起爆し、この起爆によってガス発生剤が窒素ガスを発生し、エアバッグが瞬時に膨張する。
本発明では、上記電極(31)がプリント配線パターンによって形成されているので、該電極(31)が基板(60)に密着して形成される。したがって、上記電極(31)の括れ部(33)が高圧ガスを発生した際、圧力エネルギが破片の運動エネルギに効率よく変換される。つまり、上記高圧ガスの圧力エネルギの一部が基板(60)の側に逃げることがなく、破片の運動エネルギに費やされることになる。
上記第2の発明では、電極(31)に連続して回路部(61)が基板(60)にプリント配線パターンで形成されているので、該電極(31)と回路部(61)とを接続するリード部が不要となる。
したがって、本発明によれば、プリント配線板の基板(60)に電極(31)をプリント配線パターンで形成するようにしたために、基板(60)の平滑さや電極(31)の形成の緻密さをプリント配線技術によって容易に実現することができる。つまり、従来のタンパーに要求されていた平滑さやタンパーと電極との間の塵埃等の不純物やエアーの混入の防止を容易に行うことができる。この結果、基板(60)自身のコストと組立てコストを大幅に軽減することができると共に、品質の向上を図ることができる。
また、点火薬として、起爆感度の低い2次爆薬(38)を使用することができるので、各種回路からの漏洩電流や電磁界干渉による誘導電流の発生等の原因による誤爆等の誤作動を確実に防止することができる。
また、安全性確保のための冗長設計及び制約を改善することができるので、コスト低減とサイズダウンだけでなく、設計の自由度も大きくすることができる。
また、製造組立て過程、リサイクル処理及び廃棄時における取り扱いを容易にすることができ、人件費及び設備投入費を低減することができる。
また、上記第2の発明によれば、上記基板(60)上に、電極(31)に連続して回路部(61)をプリント配線パターンで形成するので、電極(31)と回路部(61)とを接続するリード部を不要にすることができる。したがって、上記リード部で発生していたジュール熱による電力損失を低減することができるので、省電力化を図ることができる。この結果、コンデンサ等の充電回路部品数を低減することができ、コストダウンとサイズダウンとを図ることができる。
また、上記第3の発明によれば、バレル(35)を設けているので、破片が確実に加速して2次爆薬(38)を確実に起爆させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
本実施形態は、図1に示すように、電気式点火装置(10)をエアバッグシステムに適用したものである。
上記エアバッグシステムの電気式点火装置(10)は、制御ユニット(20)と、該制御ユニット(20)に接続された電源(11)及びGセンサ(12)と、上記制御ユニット(20)に接続されたスクイブ(30)、ワーニングランプ(13)及び診断記録等の出力部(14)とを備えている。尚、図示しないが、上記スクイブ(30)は、破片生成装置であって、ガス発生剤等を介してエアバッグ本体に取り付けられている。
上記制御ユニット(20)は、Gセンサ(12)が検出する衝撃加速度に基づいてスクイブ(30)を作動させるように構成され、電源(11)に接続された電源ユニット(21)と、該電源ユニット(21)に接続された電力供給回路(40)及びマイクロコンピュータ(50)とを備えている。
上記電力供給回路(40)は、スクイブ(30)を着火させるためのスクイブ着火回路(41)を備えると共に、コンバータ(42)などを備えている。また、上記マイクロコンピュータ(50)は、Gセンサ(12)の入力信号等を処理してスクイブ着火回路(41)等を制御するように構成され、入力インタフェース(22)を介して上記Gセンサ(12)が接続され、CPU(51)及びメモリ(52)などを備えている。
上記電力供給回路(40)には、スクイブ駆動ドライバ(23)を介して上記スクイブ(30)が接続される一方、ワーニングランプ駆動ドライバ(24)を介してワーニングランプ(13)が接続されている。上記マイクロコンピュータ(50)には、EEPROM(25)が接続されると共に、外部通信ソケット(26)を介して出力部(14)が接続されている。
そして、上記スクイブ駆動ドライバ(23)は、スクイブ(30)に所定のタイミングで通電するためのスイッチ等の出力機能を持つ出力回路部を構成し、上記スクイブ着火回路(41)は、スクイブ(30)に大電流を通電するための電気エネルギを蓄積する充電回路部などを構成している。
また、上記電源ユニット(21)は、電源(11)の供給電力から安定した複数の直流電圧を生成する安定化電源回路部を構成し、上記マイクロコンピュータ(50)は、各種センサのデータ等の入力に基づき、各種の演算及び処理を行なう演算処理部を構成している。
尚、上記制御ユニット(20)は、電源ユニット(21)に接続されたバックアップコンデンサ(27)を備えている。
上記エアバッグシステムの電気式点火装置(10)は、図2に示すように、1つの基板(60)に各種の素子等が実装されて構成され、制御ユニット(20)などのパターン回路部(61)及びスクイブ(30)などを備えている。
上記基板(60)は、汎用性の高いプリント配線板、例えば、JIS C 6480で構成され、ガラス布基材エポキシ樹脂で形成され、堅牢な平板に形成されている。上記基板(60)上には、プリント配線パターンを構成する銅などの導電性薄膜(62)が形成されている。
上記導電性薄膜(62)は、銅などで構成され、パターン回路部(61)とスクイブ(30)の電極(31)とを構成している。上記パターン回路部(61)は、制御ユニット(20)などの回路部を構成し、CPU(51)やスクイブ駆動ドライバ(23)などの回路部品(63)が実装されると共に、各種センサ等の回路部品(64)が実装されている。
上記電極(31)は、パターン回路部(61)と連続して1つの基板(60)に一体に形成され、図3及び図4に示すように、両端部の幅広部(32)と、該幅広部(32)の間に形成された括れ部(33)とを備えている。該括れ部(33)は、図5に示すように、電極(31)の中央部における上下両側を台形状に切除して形成され、狭隘通路に形成されている。
上記導電性薄膜(62)の形成は、導電性薄膜(62)の形成前の生の基板(60)で、所定のサイズの基板(60)の片面または両面の全面に錫箔をメッキの手段を用いて張り付けた後、エッチング処理にて、不要な銅箔を取り除いて形成する方法の他、生の基板(60)の表面に必要な箇所(導電パターン)のみに直接メッキの手段を用いる形成する方法が適用される。
また、上記導電性薄膜(62)は、発生する高圧ガスによる圧力エネルギを基板(60)側に逃がさないようにする必要があるため、電極(31)の括れ部(33)に接触する基板(60)の面は平滑である必要がある。
したがって、前記の何れの方法においても、生の基板(60)の状態において、少なくとも、電極(31)の括れ部(33)と密着する密着部に対し、必要に応じた程度の磨き処理等を行なうことにより、上記密着部を所望の平滑面に形成した後、導電性薄膜(62)をメッキの手段により、張り付けるようにしてもよい。この場合、導電性薄膜(62)における電極(31)の括れ部(33)と基板(60)とが、隙間なく密着固定し、より確実に圧力エネルギが基板(60)側に逃げないようにすることができる。
また、上記基板(60)には、導電性薄膜(62)を張り付ける前に磨き処理等を施した面または導電性薄膜(62)の接触面に非導電性物質の塗布または貼付等を行うようにしてもよい。
上記電極(31)上には、非導電性薄膜(34)とバレル(35)と爆薬ケース(36)とが順に設けられてスクイブ(30)が形成されている。上記非導電性薄膜(34)は、例えば、ポリイミド樹脂で構成され、図6に示すように、電極(31)から発生する高圧ガスによって飛翔する破片を形成するものである。上記非導電性薄膜(34)は、平面視矩形状に形成されると共に、ネジ(37)が貫通する2つの固定穴(3a)が形成されている。そして、上記非導電性薄膜(34)は、電極(31)の括れ部(33)がほぼ中心に位置するように配置されている。尚、上記基板(60)においてもネジ(37)が貫通する2つの固定穴が形成されている。
上記バレル(35)は、図7に示すように、円盤状に形成されている。該バレル(35)は、ネジ(37)が貫通する2つの固定穴(3b)が形成されると共に、中央部に破片が通る貫通穴の破片通路(3c)が形成されている。そして、上記バレル(35)は、破片通路(3c)が電極(31)の括れ部(33)の上方に位置するように配置されている。
上記爆薬ケース(36)は、円筒状に形成され、下面が開放される一方、上面が閉鎖されている。上記爆薬ケース(36)は、ネジ(37)が嵌り込む2つの固定穴(3d)が形成されると共に、2次爆薬(38)が収納されている。この2次爆薬(38)は、低感度な爆薬で構成され、例えば、HNS−Typelで構成され、約0.5gが充填されている。
−点火動作−
次に、本実施形態のエアバッグシステムにおける電気式点火装置(10)の点火動作について説明する。
先ず、電源(11)より電源ユニット(21)に所定電力が供給され、該電源ユニット(21)よりマイクロコンピュータ(50)に電力供給されると共に、スクイブ着火回路(41)等に所定の電力が供給されている。この状態において、Gセンサ(12)が衝撃加速度を検出すると、この検出信号がマイクロコンピュータ(50)に入力され、該マイクロコンピュータ(50)がスクイブ着火回路(41)を動作させる。
上記スクイブ着火回路(41)が動作すると、スクイブ駆動ドライバ(23)が駆動し、電極(31)に所定の大電流を瞬時に供給する。該電極(31)は、この大電流の通電により、括れ部(33)が気化して高圧ガスを発生する。この高圧ガスによって非導電性薄膜(34)における括れ部(33)に対応する部分が破片となって超高速で上方に飛翔し、この破片がバレル(35)の破片通路(3c)を通り、加速して2次爆薬(38)に衝突する。
上記破片の衝撃波により低感度な2次爆薬(38)が起爆し、この起爆によって図示しないガス発生剤が窒素ガスを発生し、エアバッグが瞬時に膨張する。
特に、上記電極(31)がプリント配線パターンによって形成されているので、該電極(31)が基板(60)に密着して形成される。したがって、上記電極(31)の括れ部(33)が高圧ガスを発生した際、圧力エネルギが破片の運動エネルギに効率よく変換される。つまり、上記高圧ガスの圧力エネルギの一部が基板(60)の側に逃げることがなく、破片の運動エネルギに費やされることになる。
−実施形態1の実施例−
そこで、上記スクイブ(30)などのより具体例について説明する。
先ず、上記導電性薄膜(62)は、材質として銅を使用した。また、上記非導電性薄膜(34)は、電極(31)の括れ部(33)に、接着等の手段に予って必要サイズ分を密着して取り付ける。上記非導電性薄膜(34)は、今回、材質としてポリイミド樹脂を使用した。
上記バレル(35)の材質は耐熱強化ガラスのパイレックス(米コーニング社の商品名)を使用している。
また、上記2次爆薬(38)は、爆薬ケース(36)に所定の圧力でプレス機によって圧填され、モジュール化され、このモジュール化されたものを組立て加工の最終段階で基板(60)に取り付け、基板(60)の裏面よりネジ(37)によって固定する。
上記2次爆薬(38)は、MIL−STD−1316Dにおいて、いわゆる2次爆薬(38)と規定されているHNS−Typelを使用し、約0.5gが爆薬ケース(36)に充填されている。そして、上記2次爆薬(38)は、1.4Jの電気エネルギで起爆できることが確認されている。
また、上記電極(31)の括れ部(33)の抵抗は1Ω以下であり、ピーク電流値は約5000(A)であり、コンデンサの放電の開始から破片が発生するまでの時間は数μs以下である。
一方、上記基板(60)は、1枚の基板(60)にパターン回路部(61)を形成する場合、大きさが約120×70mmであり、厚みが2.0mmのガラスエポキシ製基板で構成される。尚、上記基板(60)の形状及び材質は、特に制限されるものではなく、プリント配線板で構成されればよい。
上記スクイブ(30)における電極(31)の括れ部(33)に供給される電気エネルギは、パターン回路部(61)のコンデンサに蓄電される。このコンデンサの充電電圧は、DC1200〜2000Vの範囲内の値であり、静電容量は性能余裕を考慮した設計値としてある。尚、上記充電電圧は、基板(60)の可変抵抗器により変更可能である。
上記DC1200〜2000Vの充電電圧は、例えば、自動車用バッテリーから供給される直流電圧(公称DC12V)から生成する。このDC12Vの電圧は、ある程度の電圧低下及び変動を考慮し、電源ユニット(21)における安定化直流電源回路にて安定させている。また、本実施形態の電源ユニット(21)は、主に演算処理回路等使用される複数の半導体IC用のDC電源(+5V)も同時に生成し、供給している。また、12Vから1200〜2000Vまでの変換は高効率の昇圧回路(図示省略)が行なう。
尚、上記昇圧回路における昇圧部品として、汎用型のトランスを使用したが、もちろん圧電トランスのようなタイプを用いても構わない。また、これらの2次側出力は交流電圧であるので、電気エネルギの蓄積用コンデンサの前段にコンバータ回路を設けて、直流電圧に変換する。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1によれば、プリント配線板の基板(60)に電極(31)をプリント配線パターンで形成するようにしたために、基板(60)の平滑さや電極(31)の形成の緻密さをプリント配線技術によって容易に実現することができる。つまり、従来のタンパーに要求されていた平滑さやタンパーと電極との間の塵埃等の不純物やエアーの混入の防止を容易に行うことができる。この結果、基板(60)自身のコストと組立てコストを大幅に軽減することができると共に、品質の向上を図ることができる。
また、点火薬として、起爆感度の低い2次爆薬(38)を使用することができるので、各種回路からの漏洩電流や電磁界干渉による誘導電流の発生等の原因による誤爆等の誤作動を確実に防止することができる。
また、安全性確保のための冗長設計及び制約を改善することができるので、コスト低減とサイズダウンだけでなく、設計の自由度も大きくすることができる。
また、製造組立て過程、リサイクル処理及び廃棄時における取り扱いを容易にすることができ、人件費及び設備投入費を低減することができる。
また、上記基板(60)上に、導電性薄膜(62)に連続してパターン回路部(61)をプリント配線パターンで形成するので、電極(31)とパターン回路部(61)とを接続するリード部を不要にすることができる。したがって、上記リード部で発生していたジュール熱による電力損失を低減することができるので、省電力化を図ることができる。この結果、コンデンサ等の充電回路部品数を低減することができ、コストダウンとサイズダウンとを図ることができる。
また、上記バレル(35)を設けているので、破片が確実に加速して2次爆薬(38)を確実に起爆させることができる。
〈発明の実施形態2〉
本実施形態は、図9に示すように、実施形態1が基板(60)に電極(31)の他、パターン回路部(61)を形成したのに代えて、上記基板(60)に電極(31)のみを形成するようにしたものである。
つまり、上記基板(60)が設置スペースの都合等により所定の大きさに形成することができない場合、スクイブ(30)の基板(60)とパターン回路部(61)の基板(60)とを別個に形成する。そして、上記スクイブ(30)の基板(60)には、電極(31)の両端部に端子部(39)が形成されている。この電極(31)の上には、実施形態1と同様に、非導電性薄膜(34)、バレル(35)及び爆薬ケース(36)が設けられている。
一方、図示しないが、パターン回路部(61)の基板(60)は、スクイブ(30)の基板(60)と別個に配置され、例えば、上下2段に配置され、このパターン回路部(61)と電極(31)の端子部(39)とが配線接続されている。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
〈発明の他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態1について、電極(31)及びパターン回路部(61)の導電性薄膜(62)は同一厚さに設定したが、異なる厚さにしてもよい。つまり、上記パターン回路部(61)の導電性薄膜(62)は、電流による発熱容量等の都合に応じて厚くする必要がある場合、半田メッキ処理により、厚み調整を行ない、適切化するようにしてもよい。
また、本各実施形態は、電気式点火装置(10)を自動車安全システムにおけるエアバッグシステムに用いたが、本発明の電気式点火装置(10)は、シートベルトプリテンショナーシステム等の自動車安全システムに適用してもよく、また、各種誘導弾信管用の起爆装置に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、エアバッグシステムなどの電気式点火装置について有用である。
実施形態1の電気式点火装置の概略を示すブロック図である。 電気式点火装置を示す断面図である。 一部省略してスクイブを示す概略平面図である。 電極を示す平面図である。 電極の括れ部を拡大して示す平面図である。 非導電性薄膜を示す平面図である。 バレルを示す概略平面図である。 爆薬ケースを示す底面図である。 実施形態2の電気式点火装置を示す断面図である。
符号の説明
10 電気式点火装置
20 制御ユニット
23 スクイブ駆動ドライバ
30 スクイブ
31 電極
32 広幅部
33 括れ部
34 非導電性薄膜
35 バレル
36 爆薬ケース
38 2次爆薬
41 スクイブ着火回路
60 基板
61 パターン回路部
62 導電性薄膜

Claims (3)

  1. 破片を飛翔させて2次爆薬(38)を起爆させる電気式点火装置であって、
    プリント配線板で形成されたガラスエポキシ製の基板(60)と、
    該基板(60)上に形成されると共に、括れ部(33)が形成され、且つプリント配線パターンで形成された導電性薄膜の電極(31)と、
    該電極(31)上に形成され、括れ部(33)に対応する部分が破片となって飛翔する非導電性薄膜(34)とを備え
    上記電極(31)は、通電によって括れ部(33)が発生する高圧ガスの圧力エネルギが基板(60)の側に逃げることなく破片の運動エネルギに費やされるように上記基板(60)にメッキにより密着固定されている
    ことを特徴とする電気式点火装置。
  2. 請求項1において、
    上記基板(60)上には、電極(31)に連続して導電性薄膜の回路部(61)がプリント配線パターンで形成されている
    ことを特徴とする電気式点火装置。
  3. 請求項1において、
    上記非導電性薄膜(34)上には、電極(31)の括れ部(33)の上方に位置する破片通路(3c)を有するバレル(35)が設けられ、
    該バレル(35)の上方には、2次爆薬(38)が収納された爆薬ケース(36)が搭載されている
    ことを特徴とする電気式点火装置。
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