JP3978654B2 - ショルダーバッグ用背当てシート及び一枚三役シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショルダーバッグを背負うときの背当てシート、詳しくはバッグの腹面地と着用者の背中との間に空間を保ち、汗を吸水して着用者の背面に清涼感を付与することのできる背当てシートに関するものであり、さらに登山・ハイキング(以下、ハイキングと略称)時の背当て、尻当て、携帯用枕の一枚三役シート(以下、三役シートと略称)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、携帯品を収納して携帯するバッグとしてリュックサック形態のショルダーバッグが汎用されている。ショルダーバッグにはその用途に応じて多種多様なものが市販されているが、一般的には、携帯品を収納するバッグ本体の袋部と肩掛けベルトからなり、大型のショルダーバッグにおいてはさらにウエストベルトが装着されている。
【0003】
ショルダーバッグを着用するとき、バッグが背中で動くことを防止するために肩掛けベルトとそれに付属したチェスターベルト、さらにウエストベルトを調節して背中に密着させることが通例になっている。それは歩行中に背負ったショルダーバッグを背中に密着させないと、背中で動いてしまい、疲れを助長してしまうからである。しかしこの密着によって収納された物品の凸凹感が直接、背中にあたり、それを防止するためにバッグの腹面部には緩衝材が縫着されている。この緩衝材として多くは、スポンジ仕様のクッション材が、多く使用されている。
【0004】
しかしバッグ本体の緩衝材を含む腹面地と背中が密着することによって、背中の部分における通気性が阻害されて体温が上昇し、発汗が多くなる。長時間着用すると不快感が生じる。そこで通風を促すために緩衝材を凸凹にしたり、筋を入れたりして対応しているが、その処置方法はあまり効果的とはいえない状況である。さらに緩衝材が背中の汗を吸水し、高温で蒸される状態が続くことから、不潔な状態になる。また緩衝材は縫着されていることから、洗濯などの洗浄手段が難しく、複数回の使用によって、夏期であれば悪臭を発したり、カビを見かけることがある。
【0005】
これらのことを解消するために、例えば実願平5−41710にみられるように、バッグと背中の間に竹を凹面湾曲させた網目状の背当てを挿入し、バッグ本体の腹面地と着用者の背中との間に通気層を形成してなるシートが提案されている。しかしこの考案は、凹面湾曲させた網目状の背当てがバッグ本体の腹面地と着用者の背中を密着させることを阻害するという、機能面において満足すべきものではない。
以上が背当てシートの従来の技術である。
【0006】
次に三役シートの二役目の尻当てに関して、今日では、携帯用尻当てとして汎用されているのは、折りたためる軽量なビニールシートまたは空気を注入する袋状のビニールシートである。しかしこれら製品は短時間の使用でも尻とビニールシートの間に汗をかき、ズボンが湿っぽくなっていた。この汗対策としてスポンジ状の緩衝材を内蔵し、布で被われたシートも製品化されているが、ハイキング時には荷物としての量的面で不具合が指摘されている。
【0007】
三役目の携帯用枕に関して、軽量化のためにビニールの空気注入型枕が汎用されているが、頭や首とビニールシートの間に汗をかき、頭や首が湿っぽくなっていた。さらにビニールシートは滑りやすいという欠点があり、寝ているときに頭から外れてしまうことが多く見られた。それらを補うために、ビニールシートの枕はタオルなどで巻いて使用していた。しかしタオルを袋状にでもしない限り、外れることを防止することは不可能であった。
【0008】
さらに従来は背当ては背当てとして、尻当ては尻当てとして、枕は枕として、それぞれ単独の用途としての機能であった。しかしハイキング時では荷物は一つでも少なくし、負荷をどうすれば軽減できるかを常に追求してきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ショルダーバッグと背中、尻と尻当て、頭や首と枕の密着部の汗ムレの問題点を解決し、さらにハイキング時の「荷物は一つでも少なく、軽いもの」という常に追求されている問題点に合致した、一枚で三役をこなすという三役シートを提供することを目的にしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ショルダーバッグを背負ったときのバッグの腹面地と着用者の背中の間の汗と高温で蒸れていたことを、通風を促すことと、汗を吸水することで、その不快感を解消するように構成すること、さらに荷物を背負うときの補助材としての機能であることから軽量であることを視点に上記課題を解決した。即ち、本発明の三役シートは、以下の2点を特徴としているものである。▲1▼材質が乾燥させた茎や葉、またはそれらで縄となした植物性素材とする。▲2▼交差する点を複数回の方結びで結び、上下左右に連続、連結した瘤状の固い結び方で構成された編み方とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基ずき、図面を参考にしながら説明すると、三役シート1は、図1に示しているように、植物性素材を上下左右に連結した瘤状2の編み方で構成され、ショルダーバッグ3の大きさに準じた形態に形成してなる。またバックル4付きベルト5はショルダーバッグに三役シートを装着させるためのベルトであり、長短調節機能を有しており、三役シートの位置を適宜移動させることが可能である。さらに三役シート下部の円筒形の筒は枕に使用するときの空気袋の芯6である。
【0012】
図2は三役シート1をショルダーバッグ3に取り付けたときの状態を示したものである。止め方はトップフック7に上部のバックル付きベルトを通してバックルで留め、同様に側面のバックル付きベルトをウエストベルト8に通して留め、三役シートを固定したときを示したものである。
【0013】
図3は三役シートをショルダーバッグに装着して担いだときの図である。背中とショルダーバッグは密着し、その間に三役シートがはさまれている。
【0014】
図4は三役シート1に座っているとき1例を示している。
図5は三役シート1を枕にしているときの1例を示し、空気袋6には空気が注入されている。
【0015】
本発明は以下の実施態様をとることができる。
(1)乾燥させた植物とは、例えばイグサ、稲ワラ、麻、木綿、棕櫚(シュロ)、植物のツルなどがあるが、乾燥させた繊維質の強い植物であればその種類は問わない。
【0016】
(2)素材の編み方は、交差する点を複数回の方結びで結び、上下左右に連続、連結した瘤状の固い結び方で構成された編み方の技法を記載したが、瘤による点によって空間を作成する編み方であれば、その編み方は問わない。
【0017】
(3)三役シートの形は図1では長方形を示しているが、ショルダーバッグの形態がいろいろであるように、三役シートもその形は問わない。
【0018】
(4)三役シートをショルダーバッグに止める方法はバックル付きベルトに限定せず、着脱が容易なものであればその材質を問わない。
【0019】
(5)三役シートを枕として供する場合の空気袋の形態は、円筒形、板状ともその形態は問わない。
【0020】
(6)三役シートの特許権利は一枚三役に限定するものではなく、背当てシートを中心とする一枚二役、一枚一役ともその権利は保有するものである。
【0021】
【発明の効果】
本発明の三役シートは、リュックと背中が接する面が瘤状のシートであり、汗の水分を吸収し、さらに通風を促す網目状シートということから、通風によって体温の低下が促され、爽快感が生まれる効果を有する。また1枚のシートで三役を兼ねるということからハイキング時の荷物の軽減化と言う効果も有する。
【0022】
そして植物性素材、編物ということから起因する特徴として、その形態は変形自在であり、柔軟性に富んでいるということである。このことは使用者の使用部位によっては個人差がある。例えばショルダーバッグを背負うときに接する背中は、S字型をしており、それに密着することになる。また肩甲骨の大きさ、形態は、男女の差ばかりでなく、肥満型、痩身型によっても異なってくる。そのいずれのタイプにも、柔軟性によって対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】三役シートの正面図である。
【図2】三役シートをショルダーバッグに取りつけた図である。
【図3】三役シートを取りつけて担いだときの図である。
【図4】三役シートに座った図である。
【図5】シートを枕として利用したときの図である。
【符号の説明】
1三役シート
2瘤状の片結び
3ショルダーバッグ
4バックル
5布ベルト
6空気袋
7トップフック
8ウエストベルト
Claims (2)
- 乾燥させた茎や葉、またはそれらで縄となした植物性素材を材料に、交差する点を複数回の方結びで結び、上下左右に連続、連結した瘤状の結び方で構成された編み方で編み、扁平状に構成したことを特徴とするショルダーバッグを背負うときの背当てシート。
- 乾燥させた茎や葉、またはそれらで縄となした植物性素材を材料に、交差する点を複数回の方結びで結び、上下左右に連続、連結した瘤状の結び方で構成された編み方で編み、扁平状に構成したことを特徴とするシートの上部と側面に着脱を容易にするためにベルトを装着した、ショルダーバッグを背負うときの背当てシートとしての一役、ショルダーバッグから外して座るときの尻当てとしての二役、さらに一端に取付けた空気袋を芯にして丸めて枕としての三役を特徴とする、一枚三役のショルダーバッグ用シート。
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