JP3978038B2 - 電子測定器の筐体間接続構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子測定器に関し、特に電子測定器のアダプタとして用意される測定台と測定器本体との間の接続構造に関する。
【0002】
【背景技術】
周知のように、電子測定器による測定に際しては、測定器本体に用意されるコネクタにプローブに結合されたシールド線を電気的に結合して測定を行うが、電気量などの厳密な測定、例えばメモりの磁気特性を図る磁気特性測定器においては、用いるシールド線の容量や磁気特性が測定結果に大きな影響を与える。
【0003】
このため、従来では、浮遊容量や周囲磁気による悪影響を防止した図3及び図4に示す磁気特性測定器が提案されている。即ち、この磁気特性測定器は、測定回路、表示器、定電圧電源を内蔵する測定器本体Aに対してクランプねじBで固定する測定台Cを備え、この測定台Cの表面にはメモリコアなどの被測定物を載置できる。
【0004】
そして、アダプタ形式の同測定台Cの内部には減圧トランスやオペアンプなどの周辺回路が内蔵され、これらの減圧トランスやオペアンプに対しては、測定器本体Aの正面パネルDに配列される複数の本体側コネクタEに直接に結合される台側コネクタFを介して必要な電源電圧や信号が直接に供給される。
【0005】
したがって、図3及び図4に示すような筐体間接続構造では、外部磁界などの影響を受けるおそれのある回路素子類は、シールドされた測定器本体Aの筐体a及び測定台Cのシールドケースc中に収められ、これらの筐体a及び測定台の間がBNC栓などで構成される多数の本体側コネクタEで電気的に結合されるから、外部磁界などの影響による測定誤差を排除できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この筐体間接続構造では、信号などの入出力のために多数の本体側コネクタE及び台側コネクタFが測定器本体A及び測定台に配置されるから、これらの本体側コネクタE及び台側コネクタFの配列ピッチや関係位置は厳密でなければならない。つまり、これらの本体側コネクタE及び台側コネクタE及び台側コネクタFの配列ピッチや関係位置に“クルイ”が生じると、これらの間に接触不良が生じるばかりでなく、著しい場合には、測定器本体Aに対する測定台の取り付け自体が困難になる。
本発明の目的は、以上に述べたような従来の電子測定器の筐体間接続構造の問題に鑑み、測定器本体と測定台の接続部を外部磁界などから完全に遮蔽でき、複数の本体側コネクタとこれらに対応する台側コネクタの間に多少の位置誤差や配列ピッチ誤差があっても、確実にこれらを接続できる電子測定器の筐体間接続構造を得るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、磁気特性測定器の複数の本体側コネクタに対して被測定物を取り付けることができる測定台の対応台側コネクタを直接に接続することにより、磁気特性測定器から電源電圧を測定台に供給すると共に測定台の測定出力を磁気特性測定器に与えて測定を行う電子測定器において、本体側コネクタを貫通状態におくことができる余裕のあるコネクタ窓を、前記本体側コネクタが配列される磁気特性測定器の正面パネルに形成し、前記本体側コネクタを固定する複数のサブパネルを前記正面パネルの平面と略平行な面内で自由に動けるように支持し、前記本体側コネクタの内端部を包囲するシールドケースを前記サブパネルに固定し、前記本体シャーシまたはシールドケースから切り起こされてシールドケースまたは本体シャーシに弾力的に当接されるすくなくともひとつの弾性爪により複数の前記サブパネルを磁気特性測定器の本体シャーシにそれぞれアースした電子測定器の筐体間接続構造を提案するものである。
【0008】
したがって、本発明によれば、測定器本体と測定台の接続部を外部磁界などから完全に遮蔽でき、複数の本体側コネクタとこれらに対応する台側コネクタの間に多少の位置誤差や配列ピッチ誤差があっても、確実にこれらを接続できる実用性の高い構造を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2について本発明の実施例の詳細を説明する。
図1及び図2に示す電子測定器は、測定回路、表示器、定電圧電源を内蔵する測定器本体10及びこの測定器本体10に対してクランプねじ(図示せず)で固定される測定台20からなる磁気特性測定器であり、同測定台20の表面にはメモリコアなどの被測定物を載置できる。
【0010】
即ち、アダプタ形式の同測定台20の内部には減圧トランスやオペアンプなどの周辺回路が内蔵され、これらの減圧トランスやオペアンプに対しては、測定器本体10の正面パネル11に設けられる複数の本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dに直接に結合される台側コネクタ21A,21B,21C,21Dを介して必要な電源電圧や信号が直接に供給される点でも従来と同様である。
【0011】
図示実施例の特徴は、用いられる4個の本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dを、一対の信号系と一対の電源系統に分け、これらの信号系本体側コネクタ12A,12Bをサブパネル31Aに、また、電源系統本体側コネクタ12C,12Dを別のサブパネル31Bに組み付け、正面パネル11に対して平行な面内で自由に位置調整できるように、これらのサブパネル31A,31Bを正面パネル11に保持させた点にある。
【0012】
つまり、正面パネル11の表面には本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dの外径D1よりも充分に大きな口径D2のコネクタ窓13が形成され、同正面パネル11の裏面には各サブパネル31A,31Bの厚みL1よりも充分に厚い厚みL2の間隔板14が積層してある。また、各サブパネル31A,31Bの内部側には、各本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dに接続される素子やリード線などを保護するシールドケース32がそれぞれ固定され、これらのシールドケース32の固定によって本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dの接続部の外部磁界などの影響を遮蔽される。
前記間隔板14の表面には各サブパネル31A,31Bを余裕をもって受け入れる受入れ窓15が形成され、前述した各サブパネル31A,31Bは、間隔板14と同じ平面内において自由に移動できるように、これらの受入れ窓15内にそれぞれ位置される。
なお、前記間隔板14の内面側には受入れ窓15からのサブパネル31A,31Bの抜け出しを阻止する裏板16が位置され、各サブパネル31A,31Bに固定されたシールドケース32は同裏板16に形成される余裕のある貫通窓16aを通って本体シャーシ17上に引き出してある。
【0013】
また、図2に示すように、本体シャーシ17の表面に形成される”U”字状の切開溝18により弾性爪19が切り起こされ、これらの弾性爪19の先端部19aがシールドケース32の底面に弾力的に接触され、これらの弾性爪19によりサブパネル31A,31B及びシールドケース32が本体シャーシ17にアースされる。
したがって、測定器本体10に対する測定台20の接続時に各サブパネル31A,31Bが正面パネル11と平行な面内で移動しても、弾性爪19の弾性的な追従によりシールドケース32と弾性爪19との接触状態が保たれ、シールドケース32が本体シャーシ17に確実にアースされ、シールドケース32の内部が外部磁界などから遮蔽される。
【0014】
図示実施例による電子測定器の筐体間接続構造は、以上のような構造であるから、本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dや台側コネクタ21A,21B,21C,21Dの間に配列ピッチ誤差や位置精度誤差があっても、測定器本体10に設けられる本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dに対して測定台20の台側コネクタ21A,21B,21C,21Dを確実に接続できる。
即ち、本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dを取り付けられたサブパネル31A,31Bは、正面パネル11と平行な平面内で自由に位置調整できるように保持されているので、仮に本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dや台側コネクタ21A,21B,21C,21Dの間に配列ピッチ誤差や位置精度誤差があっても、台側コネクタ21A,21B,21C,21Dを本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dに接続する際に、本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dの位置即ちサブパネル31A,31Bの位置が自動的に修正される。
【0015】
よって、図示の筐体間接続構造では、測定器本体10に設ける本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dに測定台20の台側コネクタ21A,21B,21C,21Dを直接に接続する構造の利点である、外部磁界などの悪影響のない測定が可能となり、本体側コネクタ12A,12B,12C,12Dや台側コネクタ21A,21B,21C,21Dの間に厳密な配列ピッチや位置精度が要求されない実用性の高い構造を提供できる。
【0016】
なお、前記実施例の説明及び従来の説明においては、磁気特性測定器の場合を例示したけれども、本発明は他の目的の電子測定器にも適用できるのは改めて指摘するまでもない。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、測定器本体と測定台の接続部を外部磁界などから完全に遮蔽できるばかりでなく、複数の本体側コネクタとこれらに対応する台側コネクタの間に多少の位置誤差や配列ピッチ誤差があっても、確実にこれらを接続できる実用性の高い構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子測定器の筐体間接続構造の図2の1−1線に沿う断面図である。
【図2】同筐体間接続構造の垂直断面図である。
【図3】一部を切り欠いて示す従来の電子測定器の筐体間接続構造の側面図である。
【図4】同筐体間接続構造の平面図である。
【符号の説明】
10 測定器本体
11 正面パネル
12Aから12D 台側コネクタ
13 コネクタ窓
17 本体シャーシ
18 切開溝
19 弾性爪
20 測定台
21Aから21D 台側コネクタ
31A,31B サブパネル
32 シールドケース

Claims (1)

  1. 磁気特性測定器の複数の本体側コネクタに対して被測定物を取り付けることができる測定台の対応台側コネクタを直接に接続することにより、磁気特性測定器から電源電圧を測定台に供給すると共に測定台の測定出力を磁気特性測定器に与えて測定を行う電子測定器において、本体側コネクタを貫通状態におくことができる余裕のあるコネクタ窓を、前記本体側コネクタが配列される磁気特性測定器の正面パネルに形成し、前記本体側コネクタを固定する複数のサブパネルを前記正面パネルの平面と略平行な面内で自由に動けるように支持し、前記本体側コネクタの内端部を包囲するシールドケースを前記サブパネルに固定し、前記本体シャーシまたはシールドケースから切り起こされてシールドケースまたは本体シャーシに弾力的に当接されるすくなくともひとつの弾性爪により複数の前記サブパネルを磁気特性測定器の本体シャーシにそれぞれアースしたことを特徴とする電子測定器の筐体間接続構造。
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