JP3976497B2 - 識別レベル自動制御回路及び制御方法、識別位相自動制御回路及び制御方法、並びに光受信器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、識別レベル自動制御回路及び方法、識別位相自動制御回路及び方法並びに光受信器に関し、特に、入力される信号に応じて自動的に識別レベルあるいは識別タイミングを制御することが可能な、識別レベル自動制御回路及び方法、識別位相自動制御回路及び方法並びに光受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速、長距離光伝送において、伝送される光信号は光ファイバの特性(帯域制限、非線形効果)により波形ひずみを生じる。しかも、伝送用光ファイバに印加される擾乱が時間的に変動するのに伴い、波形ひずみの状態も変化する。このため、この光信号を受信する際の識別レベルは、その最適位置が常に変化している。しかしながら、現在の光受信器では、識別レベルがある一点に固定されているため様々な条件に対して、最適な識別レベルに設定されているとは言い難い。そのためエラーに対するマージンが低く伝送距離が制限されるなどの欠点がある。
【0003】
このような問題意識に基づき、従来から識別レベルあるいは識別位相の制御方式が提案されている。
【0004】
例えば、特開平08−265375号公報には、識別レベル、識別位相の制御方式が開示されている。このうち、識別レベルの制御では、データ入力が供給され、互いに異なる識別レベルを有する3つの識別器の出力信号のうち、レベルが隣接する2つの出力信号が比較される。比較の結果、不一致であれば、該当する識別レベルとは逆の方向、すなわち、例えばレベルがより大きい方で不一致が発生した場合には、3つの識別レベルを、それらの間隔は固定したままレベルを下降させる方向に移動させる。また、同公報に記載されている識別位相の制御では、データ入力が供給され、互いに異なる識別タイミングを有する3つの識別器の出力信号のうち、タイミングが隣接する2つの出力信号が比較される。比較の結果、不一致であれば、該当する識別タイミングとは逆の方向、すなわち、例えば識別タイミングが位相のより進んでいる方で不一致が発生した場合には、3つの識別タイミングを、それらの間隔は固定したままタイミングを遅延させる方向に移動させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術においては、下記のような問題点があった。
【0006】
すなわち、上記の特開平8−265375号公報に記載された識別レベルあるいは識別位相制御方式においては、制御に用いている3つの識別レベルあるいは識別タイミング全体を平行にシフトさせてはいるものの、各々の間隔は固定されている。このため、到来する信号のハイレベル、ロウレベルの差が小さくなったときに、制御系が不安定になるおそれがある。すなわち、3つの識別レベルのうち、大きい側を最適調整すると、小さい側の識別レベルが信号のロウレベルを下回り、中間の識別レベルによる識別器出力との比較の結果が不一致になる。ここで、小さい側の識別レベルを最適調整すると、今度は大きい側の識別レベルが最適値からはずれることとなる。このため、制御系全体として安定状態に到達せず、発振すら懸念されることとなる。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決して、安定に識別レベルあるいは識別位相を設定することが可能な、識別レベル自動制御回路及び制御方法、識別位相自動制御回路及び制御方法、並びに光受信器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の識別レベル自動制御回路は、入力データ信号が供給され互いに異なる識別レベルを有する複数の識別回路と、前記互いに異なる識別レベルのうち大小順が隣り合う2つの識別レベルに対応する前記識別回路の出力の一致、不一致に対応する一致判定信号を出力する複数の排他的論理和回路と、前記一致判定信号が一致を示すよう、前記互いに異なる識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する制御信号を出力する識別電圧制御回路とを備えている。さらに、前記互いに異なる識別レベルは、ハイレベル、中央レベル、ロウレベルの3つの識別レベルを有しており、前記識別電圧制御回路は、前記ハイレベルと前記中央レベルとの第1の一致判定信号と、前記ロウレベルと前記中央レベルとの第2の一致判定信号とを比較して、各識別レベルをシフトする識別電圧制御信号を出力する回路と、前記第1の一致判定信号と前記第2の一致判定信号との論理和に基づいて、各識別レベルの間隔を制御する識別電圧幅制御信号を出力する回路とを備え、前記識別電圧制御信号により前記3つの識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別電圧幅制御信号により前記3つの識別レベルの間隔を調整し、前記識別電圧制御回路は、第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路とを備えている。または、前記識別電圧制御回路は、第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路とを備えている。
【0009】
このように、本願発明の識別レベル自動制御回路は、互いに異なる識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整し、第1の識別レベルに対応する第1の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路(または漸減させる放電回路)と、第1の識別レベルより小さな第2の識別レベルに対応する第2の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路(または漸増させる充電回路)と、第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路とを備えていることを特徴としている。これにより、エラーが発生した場合は、速やかに識別レベルの間隔を縮めることで、エラーが発生しない位置へすばやく移動させることを可能としており、一方、エラーが発生していない場合は、緩やかに識別レベルの間隔を広げることで、最適な位置へ緩やかに移動させているため、識別レベルの位置がどちらにも早く移動してしまって、ふらふらと安定性を欠くことを防ぐことを可能としている。よって、アイ開口部の内縁を安定的に検出しながら識別レベルを最適位置に設定することを可能としている。
【0010】
あるいは、本発明の識別レベル自動制御回路は、入力データ信号と所定の識別レベルとの大小を比較して得られる識別出力を生成する識別回路と、前記識別出力を構成する符号系列の誤りを検出して誤りを訂正する誤り訂正回路と、前記誤り訂正回路からの誤り訂正後の入力データ信号と訂正ビットを基に、該入力データ信号のロウレベルをハイレベルと誤って識別した場合には、前記識別レベルを増加させ、該入力データ信号のハイレベルをロウレベルと誤って識別した場合には、前記識別レベルを減少させる識別電圧制御回路とを備えている。
【0011】
このように、本願発明の識別レベル自動制御回路は、入力データ信号のロウレベルをハイレベルと誤って識別した場合には、識別レベルを増加させ、入力データ信号のハイレベルをロウレベルと誤って識別した場合には、識別レベルを減少させることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の識別位相自動制御回路は、入力データ信号から抽出されたクロック信号が供給され互いに異なる識別タイミングを有する複数の識別回路と、前記互いに異なる識別タイミングのうち遅延量の大小順が隣り合う2つの識別タイミングに対応する前記識別回路の出力の一致、不一致に対応する一致判定信号を出力する複数の排他的論理和回路と、前記一致判定信号が一致を示すよう、前記互いに異なる識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する制御信号を出力する識別タイミング制御回路とを備えている。さらに、前記互いに異なる識別位置は、識別位置左(TL)、識別位置中央(TTH)、識別位置右(TR)の3つの識別位置を有しており、前記識別タイミング制御回路は、前記識別位置TLと前記識別位置TTHとの第3の一致判定信号と、前記識別位置TRと前記識別位置TTHとの第4の一致判定信号を比較して、識別位置をシフトする識別位相制御信号を出力する回路と、前記第3の一致判定信号と前記第4の一致判定信号との論理和に基づいて、識別位置の間隔を制御する識別位相幅制御信号を出力する回路とを備え、前記識別位相制御信号により前記3つの識別位置を同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別位相幅制御信号により前記3つの識別位置の間隔を調整し、前記識別タイミング制御回路は、第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路とを備えている。または、前記識別タイミング制御回路は、第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路とを備えている。
【0013】
このように、本願発明の識別位相自動制御回路は、互いに異なる識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整、識別タイミング制御回路が、第1の識別タイミングに対応する第1の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路(または漸減させる放電回路)と、第1の識別タイミングより遅れている第2の識別タイミングに対応する第2の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路(または漸増させる充電回路)と、第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路とを備えていることを特徴としている。これにより、エラーが発生した場合は、速やかに識別タイミングの間隔を縮めることで、エラーが発生しない位置へすばやく移動させることを可能としており、一方、エラーが発生していない場合は、緩やかに識別タイミングの間隔を広げることで、最適な位置へ緩やかに移動させているため、識別タイミングの位置がどちらにも早く移動してしまって、ふらふらと安定性を欠くことを防ぐことを可能としている。よって、アイ開口部の内縁を安定的に検出しながら識別タイミングを最適位置に設定することを可能としている。
【0014】
また、本発明の識別レベル制御方法は、入力データ信号と、互いに異なる複数の識別レベルの各々との大小を個別に比較する識別工程と、前記互いに異なる識別レベルの各々隣り合う2つに対応する前記識別工程での比較結果を比較し、一致、不一致を判定する比較工程と、該比較工程での前記判定の結果に基づき、前記識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する識別電圧調整工程とを含んでいる。さらに、前記互いに異なる識別レベルは、ハイレベル、中央レベル、ロウレベルの3つの識別レベルを有しており、前記識別電圧調整工程は、前記ハイレベルと中央レベルとの第1の一致判定信号と、前記ロウレベルと中央レベルとの第2の一致判定信号とを比較して、各識別レベルをシフトする識別電圧制御信号を出力する工程と、前記第1の一致判定信号と前記第2の一致判定信号との論理和に基づいて、各識別レベルの間隔を制御する識別電圧幅制御信号を出力する工程とを含み、前記識別電圧制御信号により前記3つの識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別電圧幅制御信号により前記3つの識別レベルの間隔を調整し、前記識別電圧調整工程は、第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程とを含んでいる。または、前記識別電圧制御工程は、第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程とを含んでいる。
【0015】
このように、本願発明の識別レベル制御方法は、互いに異なる識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整し、識別電圧調整工程は、第1の識別レベルに対応する第1の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程(または漸減させる放電工程)と、第1の識別レベルより小さな第2の識別レベルに対応する第2の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程(または漸増させる充電工程)と、第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程とを含んでいることを特徴としている。これにより、エラーが発生した場合は、速やかに識別レベルの間隔を縮めることで、エラーが発生しない位置へすばやく移動させることを可能としており、一方、エラーが発生していない場合は、緩やかに識別レベルの間隔を広げることで、最適な位置へ緩やかに移動させているため、識別レベルの位置がどちらにも早く移動してしまい、ふらふらと安定性を欠くことを、防ぐことを可能としている。よって、アイ開口部の内縁を安定的に検出しながら識別レベルを最適位置に設定することを可能としている。
【0016】
あるいは、本発明の識別レベル制御方法は、入力データ信号と所定の識別レベルとの大小を比較して得られる識別出力を生成する識別工程と、前記識別出力を構成する符号系列の誤りを検出して誤りを訂正する誤り訂正工程と、誤り訂正回路からの誤り訂正後の入力データ信号と訂正ビットを基に、該入力データ信号のロウレベルをハイレベルと誤って識別した場合には、前記識別レベルを増加させ、該入力データ信号のハイレベルをロウレベルと誤って識別した場合には、前記識別レベルを減少させる識別レベル変更工程とを含んでいる。
【0017】
このように、本願発明の識別レベル制御方法は、入力データ信号のロウレベルをハイレベルと誤って識別した場合には、識別レベルを増加させ、入力データ信号のハイレベルをロウレベルと誤って識別した場合には、識別レベルを減少させることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の識別位相制御方法は、入力データ信号と所定の識別レベルとの大小を互いに異なる複数の識別タイミングで比較して得られる複数の識別出力を生成する識別工程と、前記複数の識別タイミングの2つに対応する前記識別工程での識別出力を比較し、一致、不一致を判定する比較工程と、該比較工程での前記判定の結果に基づき、前記識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する識別タイミング調整工程とを含んでいる。さらに、前記互いに異なる識別位置は、識別位置左(TL)、識別位置中央(TTH)、識別位置右(TR)の3つの識別位置を有しており、前記識別タイミング調整工程は、前記識別位置TLと前記識別位置TTHとの第3の一致判定信号と、前記識別位置TRと前記識別位置TTHとの第4の一致判定信号を比較して、識別位置をシフトする識別位相制御信号を出力する工程と、前記第3の一致判定信号と前記第4の一致判定信号との論理和に基づいて、識別位置の間隔を制御する識別位相幅制御信号を出力する工程とを備え、前記識別位相制御信号により前記3つの識別位置を同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別位相幅制御信号により前記3つの識別位置の間隔を調整し、前記識別タイミング調整工程は、第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程とを含んでいる。または、前記識別タイミング調整工程は、第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程とを含んでいる。
【0019】
このように、本願発明の識別位相制御方法は、互いに異なる識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整し、識別タイミング調整工程が、第1の識別タイミングに対応する第1の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程(または漸減させる放電工程)と、第1の識別レベルより遅れている第2の識別タイミングに対応する第2の一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程(または漸増させる充電工程)と、第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程とを含んでいることを特徴としている。これにより、エラーが発生した場合は、速やかに識別タイミングの間隔を縮めることで、エラーが発生しない位置へすばやく移動させることを可能としており、一方、エラーが発生していない場合は、緩やかに識別タイミングの間隔を広げることで、最適な位置へ緩やかに移動させているため、識別タイミングの位置がどちらにも早く移動してしまい、ふらふらと安定性を欠くことを、防ぐことを可能としている。よって、アイ開口部の内縁を安定的に検出しながら識別タイミングを最適位置に設定することを可能としている。
【0020】
また、本発明の光受信器は、入力された光信号を電気信号に変換する光検出器と、前記電気信号が入力される、上記に記載された識別レベル自動制御回路と、前記電気信号に含まれるクロック信号を抽出して出力し、前記識別レベル自動制御回路に供給するクロック抽出回路とを備えている。
【0021】
本発明の光受信器は、上記に記載したそれぞれの特徴を持つ識別レベル自動制御回路を備えていることを特徴としている。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の識別レベル自動制御回路及び制御方法、識別位相自動制御回路及び制御方法、並びに光受信器の構成及びその動作を図1乃至図22を用いて説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施例である自動識別レベル制御回路の構成を表す図である。図1において、自動識別レベル制御回路は、結合コンデンサ100と、3値識別回路101と、レベル変動検出回路102と、識別電圧制御回路103と、低域通過フィルタ104を含んで構成されている。ここで、3値識別回路101は、リミッタアンプ105〜107とフリップフロップ108〜110から構成されている。また、レベル変動検出回路102は、排他的論理和回路111、112で構成されている。
【0040】
ここで、結合コンデンサ100は、データ信号入力の直流分をカットし、信号成分のみ通過させる。3値識別回路101は、データ入力信号1のHレベル近傍と中央レベル近傍とLレベル近傍に各々識別点を有し、Hレベルでの識別結果Q1、中央レベルでの識別結果Q2、Lレベルでの識別結果Q3を出力する。レベル変動検出回路102は、3値識別回路101のHレベルの識別結果Q1と中央レベルでの識別結果Q2、および中央付近識別出力Q2とLレベルの識別出力Q3を比較して、Hレベルの低下または、Lレベルの上昇を検出してHレベル低下パルスとLレベル上昇パルスを出力する。Hレベル低下パルスを受けた時にはリミッタアンプ105〜107の各非反転端子バイアス電圧を同時に上昇させ、Lレベル上昇パルスを受けたときにはリミッタアンプ105〜107の各非反転端子バイアス電圧を同時に降下させるような識別電圧制御信号を出力する。Hレベル低下パルスまたはLレベル上昇パルスを受けたとき、リミッタアンプ105の識別電圧VTHHを瞬時に下げてVTHHとVTHとの間隔を狭め、Hレベル低下パルスまたはLレベル上昇パルスがなくなったときには、識別電圧VTHLを緩やかに上げて、VTHHとVTHとの間隔をゆっくり広げるよう制御する識別電圧幅制御信号1を出力する。識別電圧制御回路103は、Hレベル低下パルスまたはLレベル上昇パルスを受けたとき、リミッタアンプ107の識別電圧VTHLを瞬時に上げてVTHとVTHLとの間隔を狭め、Hレベル低下パルスまたはLレベル上昇パルスがなくなったときには、識別電圧VTHLを緩やかに下げて、VTHとVTHLとの間隔をゆっくり広げるよう制御する識別電圧幅制御信号2を出力する。このとき、VTHHとVTHの間隔とVTHLとVTHの間隔は等しくてもよいし、等しくなくともよい。低域通過フィルタ104は、リミッタアンプ105〜107の反転端子と識別電圧制御回路103の識別電圧制御信号の間に接続され、信号成分を除去する。
【0041】
ここで、3値識別回路101は、リミッタアンプ105、リミッタアンプ106、リミッタアンプ107、フリップフロップ108、フリップフロップ109、フリップフロップ110とを含んで構成されている。
【0042】
リミッタアンプ105は、コンデンサ100の出力が非反転入力端子に入力され、識別電圧VTHHとの比較を行う。リミッタアンプ106は、同じくコンデンサ100の出力が非反転入力端子に入力され、識別電圧VTHとの比較を行う。リミッタアンプ107は、同じくコンデンサ2の出力が非反転入力端子に入力され、識別電圧VTHLとの比較を行う。フリップフロップ108のデータ入力端子(D)には、リミッタアンプ105の出力信号が供給され、クロック信号(CLK)に同期したデータを出力する。フリップフロップ109のデータ入力端子には、リミッタアンプ106の出力信号が供給され、クロック信号(CLK)に同期したデータを出力する。フリップフロップ110のデータ入力端子には、リミッタアンプ107の出力信号が供給され、クロック信号(CLK)に同期したデータを出力する。
【0043】
また、レベル変動検出回路102は、排他的論理和回路111と排他的論理和回路112から構成される。排他的論理和回路111は、その2つの入力端子に、フリップフロップ108とフリップフロップ109の出力信号が各々供給され、両者の一致不一致を検出する。排他的論理和回路112は、その2つの入力端子に、フリップフロップ109とフリップフロップ110の出力信号が各々供給され、両者の一致不一致を検出する。
【0044】
図9に示すように、識別電圧制御回路103は、バッファ901、充電回路903、バッファ902、放電回路904、加算器905、バッファ906、OR回路907、充放電回路908、バッファ909、及びバッファ910を含んで構成される。
【0045】
バッファ901は、排他的論理和回路111からのHレベル低下パルスを受ける。充電回路903は、Hレベル低下パルスを受ける度に出力電圧が増加する。バッファ902は、排他的論理和回路2からのLレベル上昇パルスを受ける。放電回路904は、Lレベル上昇パルスの数が増えると出力電圧が減少する。加算器905は、充電回路903と放電回路904の電圧を加算する。バッファ906は、加算器905からの出力電圧を受けて識別電圧制御信号として出力する。OR回路907は、バッファ901とバッファ902の出力の論理和を生成する。充放電回路908は、OR回路907からの入力があると瞬時に充電し、OR回路907からの入力がなくなると緩やかに放電する回路を有し、出力としてOR回路907からの入力があると瞬時に電圧が下がり、OR回路907からの入力がなくなると緩やかに電圧が上がる出力V1と、OR回路907からの入力があると瞬時に電圧が上がり、OR回路907からの入力がなくなると緩やかに電圧が下がる出力V2を有する。バッファ909は、充放電回路908の出力V1を受けて識別電圧幅制御信号1を出力する。バッファ910は、充放電回路908の出力V2を受けて識別電圧幅制御信号2を出力する。識別電圧制御信号と識別電圧幅制御信号1の間隔、及び識別電圧制御信号と識別電圧幅制御信号2の間隔は等しくてもよいし、等しくなくともよい。なお、バッファ901、902、909、910は、ノイズの回り込みなどのおそれが無ければ省略してもよい。低域通過フィルタ104として、本実施例では、抵抗RとコンデンサCを含んだ周知の構成を用いたが、これに限られない。
【0046】
次に、図1、図7、図9を用いて、識別レベル自動制御回路の動作の説明をする。
【0047】
図1において、データ入力信号1は結合コンデンサ100を介して3値識別回路101へ供給される。
【0048】
正常な場合、識別電圧VTHH、識別電圧VTH、識別電圧VTHLとデータ入力信号1は、図7−1のような関係にある。すなわち、データのHレベルは識別電圧VTHHの上方にあり、データのLレベルは識別電圧VTHLの下方にある。このとき、図1のリミッタアンプ105から107の出力は全てHレベルとなり、図7−4のようにフリップフロップ108〜110の出力Q1〜Q3も全てHレベルとなって、排他的論理和回路111および排他的論理和回路112の出力はともにLレベルとなる。
【0049】
同様に、データのLレベルが識別電圧VTHLの下方にある場合は、図1のリミッタアンプ105から107の出力は全てLレベルとなり、図7−4のように図1のフリップフロップ108〜110の出力Q1〜Q3も全てLレベルとなって、排他的論理和回路111および排他的論理和回路112の出力はともにLレベルとなる。
【0050】
ここで、図7−2のようにデータ入力信号1のHレベルが低下して、識別電圧VTHHと識別電圧VTHとの間に移動した場合、図1のリミッタアンプ105の出力はLレベル、リミッタアンプ106と107の出力はHレベルとなる。図7−4のようにフリップフロップ108の出力Q1はLレベル、フリップフロップ109と110の出力Q2とQ3はHレベルとなって、排他的論理和回路111の出力はHレベル、排他的論理和回路112の出力はLレベルとなる。
【0051】
逆に、図7−3のようにデータ入力信号1のLレベルが上昇して、識別電圧VTHと識別電圧VTHLとの間にある場合、図1のリミッタアンプ105と106の出力はLレベル、リミッタアンプ107の出力はHレベルとなる。図7−4のようにフリップフロップ108と109の出力Q1とQ2はLレベル、フリップフロップ110の出力Q3はHレベルとなって、排他的論理和回路111の出力はLレベル、排他的論理和回路112の出力はHレベルとなる。
【0052】
次に、識別電圧制御回路103の動作について図9を用いて説明する。レベル変動検出回路102からのHレベル低下パルスは、まずバッファ901に供給される。バッファ901は、周りの回路等からのノイズの回り込み等を防ぐ目的で挿入されている。充電回路903は、一種の積分回路であり、Hレベル低下パルスを受ける度に出力電圧が増加し、Hレベル低下パルスがなくなれば電圧は減少する。
【0053】
Lレベル上昇パルスを受けるバッファ902も、バッファ901と同様にノイズの回り込み等を防ぐ目的で挿入されている。放電回路904も、一種の積分回路であり、Lレベル上昇パルスを受ける度に出力電圧が減少し、Hレベル低下パルスがなくなれば電圧は増加する。
【0054】
充電回路903と放電回路904の出力を加算し、Hレベル低下パルスの数がLレベル上昇パルスの数よりも多ければ、識別電圧制御信号は増加し、逆にHレベル低下パルスの数がLレベル上昇パルスの数よりも少なければ、識別電圧制御信号は減少する。すなわちHレベル低下パルスの数がLレベル上昇パルスの数よりも多ければ、図7−2のVTHHとVTHとVTHLとは下方にシフトし、図7−1のような正常な配置になるよう制御される。一方、Hレベル低下パルスの数がLレベル上昇パルスの数よりも少なければ、図7−3のVTHHとVTHとVTHLとは上方にシフトし、図7−1のような正常な配置になるよう制御される。
【0055】
図7−2において、VTHHとVTHとVTHLが下方にシフトすると、データ入力信号の振幅が小さくなっている場合、VTHLがLレベルよりも下がってしまう可能性があり、この場合、図7−1のような正常な配置にするためにはVTHHとVTHとVTHL間隔を狭めなければならない。
【0056】
この場合の動作について図9を用いて説明する。
Hレベル低下パルスとLレベル上昇パルスの論理和をOR回路907で生成する。充放電回路908は、いずれかのパルスを受信すれば瞬時に充電し、パルスが無くなれば緩やかに放電する(あるいはこの逆)ように動作する、一種のピーク値検出回路である。出力としてパルスを受信すれば瞬時に電圧が下がり、パルスが無くなれば緩やかに電圧が上がる出力V1と、パルスを受信すれば瞬時に電圧が上がりパルスが無くなれば緩やかに電圧が下がる出力V2を有している。Hレベル低下パルスとLレベル上昇パルスいずれかのパルスを受信すればHレベル低下パルスとLレベル上昇パルス出力V1はバッファ909を介して識別電圧幅制御信号1としてリミッタアンプ105の識別電圧VTHHを瞬時に下げるように制御する。
【0057】
Hレベル低下パルスとLレベル上昇パルスのいずれかのパルスを受信すればHレベル低下パルスとLレベル上昇パルス出力V2はバッファ910を介して識別電圧幅制御信号2としてリミッタアンプ107の識別電圧VTHLを瞬時に上げるように制御する。
【0058】
これにより、Hレベル低下パルスとLレベル上昇パルスいずれかのパルスを受信した場合、識別電圧VTHHと識別電圧VTHとの間隔および識別電圧VTHと識別電圧VTHLとの間隔を狭めることができる。従って、データ入力信号の振幅が小さくなっている場合でも、VTHHとVTHとVTHLを図7−1のような正常な配置にすることができる。
【0059】
バッファ906、909、910は、ノイズの回り込みを防ぐために挿入されていて一種の電圧フォロアとして働く。これらのバッファは、ノイズの回り込みが無ければ省略することができる。
【0060】
(実施例2)
図2に本発明の第2の実施例による識別レベル自動制御回路2の構成を示す。3値識別回路201とレベル変動検出回路202は図1の識別レベル自動制御回路1と同じ構成を有する。図1との相違は識別電圧制御信号と、識別電圧幅制御信号1と識別電圧幅制御信号2が全てリミッタアンプ205〜207の反転端子に加えられている点にある。すなわち、識別電圧制御信号はそのままリミッタアンプ206に加えられ、識別電圧幅制御信号1は識別電圧制御信号と加算されてリミッタアンプ205に加えられる。また、識別電圧幅制御信号2は識別電圧制御信号と加算されてリミッタアンプ207に加えられる。従って、動作原理は識別レベル自動制御回路と同じになる。しかしながら、識別電圧制御信号がリミッタアンプ205〜207の反転端子に加えられることになるので、制御方向が図1の識別電圧制御信号と反対になる。そのため図2の識別電圧制御回路203は、図9の識別電圧制御回路203の充電回路903と放電回路904が入れ替わった構成を有している。すなわち、Hレベル低下パルスを受信すると放電回路1により識別電圧制御信号は、識別電圧VTHHと識別電圧VTHと識別電圧VTHLを下げる方向に制御し、Lレベル上昇パルスを受信すると充電回路903により識別電圧制御信号は、識別電圧VTHHと識別電圧VTHと識別電圧VTHLを上げる方向に制御する。
識別電圧幅制御信号1及び2は図9に構成を示した識別電圧制御回路103におけるものと同じであるが、これら識別電圧制御信号と加算された電圧がリミッタアンプ205及び206の基準電圧として各々加えられる。
【0061】
また、リミッタアンプ205〜207の非反転端子には、識別電圧VTH近傍の電圧VBがバイアス電圧として与えられている。このとき、識別電圧VTHHと識別電圧VTHの間隔と識別電圧VTHLと識別電圧VTHの間隔は等しくてもよいし、等しくなくともよい。
【0062】
(実施例3)
図3に、本発明の第3の実施例による識別レベル自動制御回路3の構成を示す。この回路では、図1のレベル変動検出回路102の代わりに、レベル変動検出回路302を用いている。レベル変動検出回路302では、排他的論理和回路311の出力であるHレベル低下パルスのパルス幅を引き伸ばすパルス幅引き伸ばし回路313と排他的論理和回路312の出力であるLレベル上昇パルスのパルス幅を引き伸ばすパルス幅引き伸ばし回路314を備えていることが特徴である。パルス幅引き伸ばし回路313と314としては周知のモノマルチバイブレータ回路を利用している。このようにパルスをひき伸ばすことにより、後段に接続される識別電圧制御回路303に動作の遅い回路を使用することができ、回路を簡易かつ安価に構成できるという効果がある。
【0063】
(実施例4)
図4に、本発明の第4の実施例による識別レベル自動制御回路4の構成を示す。本実施例では、3値識別回路401とレベル変動検出回路402は、図1の識別レベル自動制御回路1で用いたものと同じであるので説明を省略する。ここでは、識別電圧制御回路403について図13を用いて説明する。
【0064】
図13に示すように、識別電圧制御回路403に入力されるHレベル低下パルスは、バッファ1301を介して放電回路1303に入力される。放電回路1303は、入力されるパルス数の増加に応じて出力電圧が減少する特性を持つ。放電回路1303の出力は、バッファ1305を介してHレベルの識別電圧制御信号として出力される。また、Lレベル上昇パルスはバッファ1302を介して充電回路1304に入力される。充電回路1304は、入力されるパルス数の増加に応じて出力電圧が増加する特性を持ち、その出力は、バッファ1306を介してLレベルの識別電圧制御信号として出力される。
【0065】
Hレベルの識別電圧制御信号は、図4のリミッタアンプ405の反転端子に接続された識別電圧源に加えられ、データ入力信号のHレベルが低下すると識別電圧VTHHを下げるように制御する。一方、Lレベルの識別電圧制御信号は図4のリミッタアンプ407の反転端子に接続された識別電圧源に加えられ、データ入力信号のLレベルが上昇すると識別電圧VTHLを上げるように制御する。また、識別電圧VTHは、分圧器404によりHレベルの識別電圧制御信号とLレベルの識別電圧制御信号の中間の電圧に設定される。本実施例では、抵抗R1と抵抗R2により、簡易に分圧器404を実現している。抵抗R1と抵抗R2を等しい値にすれば、Hレベルの識別電圧制御信号とLレベルの識別電圧制御信号のちょうど中間の電圧になるが、R1とR2の比率を変化させ、他のレベルに設定することも可能である。
【0066】
(実施例5)
図5に本発明の第5の実施例による識別位相自動制御回路の構成を示す。上記では、識別レベル自動制御回路につき説明してきたが、識別レベル自動制御回路と同様な考え方で、識別位相についても自動調整が可能である。これを図5を用いて説明する。識別位相自動制御回路1は、3値識別回路501、レベル変動検出回路502、識別位相制御回路503、可変遅延回路513〜515から構成されている。
【0067】
3値識別回路501は、リミッタアンプ505〜507とフリップフロップ508〜510から構成される。3値識別回路501は、識別レベル自動制御回路1の3値識別回路101とほぼ同じ構成であるが、リミッタアンプ505〜507の各反転端子に識別電圧VTHが共通に与えられている点が異なっている。
また、フリップフロップ508〜510の各クロック端子Cに加えられるクロック位相が可変遅延回路513〜515により調整されたものである点でも異なっている。フリップフロップ508に加えられるクロックとフリップフロップ509に加えられるクロックの位相差と、フリップフロップ509に加えられるクロックとフリップフロップ510に加えられるクロックの位相差は等しくてもよいし、等しくなくともよい。
【0068】
次に、この識別位相自動制御回路の動作について、図8を用いて説明する。
【0069】
識別位相が正常である場合、識別位置TL、識別位置TTH、識別位置TRとデータ入力信号1は、図8−1のように、データの立ち上がりが、時間軸(図8−1の横軸)上識別位置TLの左側にあり、かつデータの立ち下がりが、時間軸上識別位置TRの右側にある。このとき、図8−4のようにフリップフロップ508〜510の出力Q4〜Q6は全てHレベルまたはLレベルとなり、排他的論理和回路511、512の出力は、ともにLレベルとなる。
【0070】
これに対し、図8−2のようにデータ入力信号1が時間軸上右側に(すなわち、TL、TTH、TRの各識別位置に対して遅れる方向に)シフトしてクロスポイントが、識別位置TLと識別位置TTHとの間にある場合、図5のフリップフロップ508の出力はLレベル、フリップフロップ509と510の出力はHレベルとなるか、または、フリップフロップ508の出力はHレベル、フリップフロップ509と510の出力はLレベルとなる。図8−4のように、フリップフロップ508の出力Q4はLレベル、フリップフロップ509と510の出力Q5とQ6はHレベル、または、フリップフロップ508の出力Q4はHレベル、フリップフロップ509と510の出力Q5とQ6はLレベルとなって、排他的論理和回路511の出力はHレベル、排他的論理和回路512の出力はLレベルとなる。
【0071】
逆に、図8−3のようにデータ入力信号1が時間軸上左側に(すなわち、TL、TTH、TRの各識別位置に対して進んだ方向に)シフトしてクロスポイントが、識別位置TTHと識別位置TRとの間にあるときは、図5のフリップフロップ508と509の出力はHレベル、フリップフロップ510の出力はLレベルとなるか、または、フリップフロップ508と509の出力はLレベル、フリップフロップ510の出力はHレベルとなる。図8−4のように、フリップフロップ508と509の出力Q4とQ5はHレベル、フリップフロップ510の出力Q6はLレベル、または、フリップフロップ508と509の出力Q5とQ6はLレベル、フリップフロップ510の出力Q6はHレベルとなって、排他的論理和回路511の出力はLレベル、排他的論理和回路512の出力はHレベルとなる。
【0072】
次に、識別位相制御回路503の動作について図14を用いて説明する。レベル変動検出回路502からの右シフトパルスをバッファ1401で受ける。バッファ1401は、周りの回路等からのノイズの回り込み等を防ぐ目的で挿入されている。放電回路1403は、一種の積分回路であり、右シフトパルスを受ける度に出力電圧が減少し、右シフトパルスがなくなれば電圧は増加する。
【0073】
左シフトパルスを受けるバッファ1402もバッファ1401と同様にノイズの回り込み等を防ぐ目的で挿入されている。充電回路1404も、一種の積分回路であり、左シフトパルスを受ける度に出力電圧が増加し、左シフトパルスが無くなれば電圧は減少する。
【0074】
充電回路1404と放電回路1403の出力を加算し、右シフトパルスの数が左シフトパルスの数よりも多ければ、識別位相制御信号は減少し、逆に右シフトパルスの数が左シフトパルスの数よりも少なければ、識別電圧制御信号は増加する。すなわち右シフトパルスの数が左シフトパルスの数よりも多ければ、図8−2のTLとTTHとTRは右にシフトし、図8−1のような正常な配置になるよう制御される。一方、右シフトパルスの数が左シフトパルスの数よりも少なければ、図8−3のTLとTTHとTRとは左にシフトし、図8−1のような正常な配置になるよう制御される。
【0075】
図8−2において、TLとTTHとTRが右にシフトすると、データ入力信号のデューティが小さくなっている場合、TRがクロスポイントよりも右側に出てしまう可能性があり、この場合、図8−1のような正常な配置にするためにはTLとTTHとTRの間隔を狭めなければならない。
【0076】
この場合の動作について図14を用いて説明する。
【0077】
右シフトパルスと左シフトパルスの論理和をOR回路1407で生成する。充放電回路1408は、いずれかのパルスを受信すれば瞬時に放電し、パルスがなくなれば緩やかに充電する(あるいはこの逆)ように動作する一種のピーク値検出回路である。出力としてパルスを受信すれば瞬時に電圧が下がり、パルスが無くなれば緩やかに電圧が増加する出力V1と、パルスを受信すれば瞬時に電圧が増加し、パルスがなくなれば緩やかに電圧が減少する出力V2を有している。右シフトパルスと左シフトパルスいずれかのパルスを受信すれば充放電回路1408の出力V1はバッファ1409を介して識別位相幅制御信号1としてフリップフロップ508の識別位置TLを瞬時に右にシフトさせるように制御すると同時に、充放電回路1408の出力V2はバッファ1410を介して識別位相幅制御信号1としてフリップフロップ510の識別位置TRを瞬時に左にシフトするように制御する。
【0078】
これにより、右シフトパルスと左シフトパルスいずれかのパルスを受信した場合、識別位置TLと識別位置TTHと識別位置TRとの間隔を狭めることができる。このようにして、データ入力信号の振幅が小さくなっている場合でも、TLとTTHとTRを図8−1のような正常な配置にすることができる。このとき、識別位置TLと識別位置TTHの間隔と、識別位置TRと識別位置TTHの間隔は等しくてもよいし、等しくなくともよい。
【0079】
バッファ1406、1409、1410は、ノイズの回り込みを防ぐために挿入されていて一種の電圧フォロアとして働く。ノイズの回り込みがなければ、これらのバッファは省略することができる。
【0080】
図17は可変遅延回路513〜515の構成例である。リミッタとして働く差動増幅回路の電流Iを制御することで遅延量を制御している。電流Iが増加すれば遅延量は減り、クロックは左にシフトし、電流Iが減少すれば遅延量は増加し、クロックは右にシフトする。
【0081】
(実施例6)
図6に、本発明の第6の実施例による識別位相自動制御回路2の構成を示す。3値識別回路601とレベル変動検出回路602は、図5の識別位相自動制御回路1で用いているものと同じ構成であるので説明を省略し、ここでは識別位相制御回路603について図16を用いて説明する。
【0082】
識別位相制御回路603に入力される右シフトパルスはバッファ1601を介して放電回路1603に入力される。放電回路1603は、入力されるパルス数が増加すれば出力電圧が減少し、パルス数が減少すれば出力電圧が増加する特性を持つ。放電回路1603の出力は、バッファ1605を介して識別位相右シフト制御信号として出力される。また、左シフトパルスはバッファ1602を介して充電回路1604に入力される。充電回路1604は入力されるパルス数が増加すれば出力電圧が増加し、パルス数が減少すれば出力電圧が減少する特性を持つ。その出力は、バッファ1606を介して識別位相左シフト制御信号として出力される。
【0083】
識別位相右シフト制御信号は、図6の可変遅延回路615に加えられ、データ入力信号が右にシフトするとクロックCLKを遅らせるように可変遅延回路615を制御する。同様に、識別位相左シフト制御信号は、図6の可変遅延回路613に加えられ、データ入力信号が左にシフトするとクロックCLKを進めるように可変遅延回路613を制御する。
【0084】
分圧器616の出力は、識別位相右シフト制御信号と識別位相左シフト制御信号の中間の電圧に設定され、可変遅延回路613の遅延量と可変遅延回路615の遅延量の中間にくるよう可変遅延回路614を制御する。本実施例では、分圧器616を抵抗R1と抵抗R2により簡易に実現している。抵抗R1と抵抗R2を等しい値にすれば、可変遅延回路1の遅延量と可変遅延回路3の遅延量のちょうど中間の遅延量となるが、分圧比はこれに固定されるものではない。
【0085】
(実施例7)
図11に本発明の第7の実施例による識別電圧制御回路の構成を示す。図11の識別電圧制御回路3は識別電圧制御回路1の変形例である。
【0086】
識別電圧制御回路3は、アップダウンカウンタ1101〜1103、それらに接続されるD/A変換器1104〜1106、バッファ1107〜1109、タイマ1110、OR回路1111で構成される。
【0087】
次に、識別電圧制御回路3の動作について説明する。Hレベル低下パルスを受信するごとにアップダウンカウンタ1101はカウントアップする。一方、Lレベル上昇パルスを受信するごとにアップダウンカウンタ1101はカウントダウンする。アップダウンカウンタ1101の出力は、D/A変換器1104によりアナログの識別電圧制御信号に変換される。
【0088】
従って、Hレベル低下パルスの数がLレベル上昇パルスの数よりも多いときは識別電圧制御信号は電圧が上昇し、Hレベル低下パルスの数がLレベル上昇パルスの数よりも少ないときは識別電圧制御信号の電圧が下降する。
アップダウンカウンタ1102のDOWN端子には、Hレベル低下パルスとLレベル上昇パルスの論理和が入力される。このため、Hレベル低下パルスまたは、Lレベル上昇パルスのいずれかが識別電圧制御回路3に到来するたびにカウントダウンし、識別電圧幅制御信号1が減少する。同様に、アップダウンカウンタ1103のUP端子には、Hレベル低下パルスとLレベル上昇パルスの論理和が入力され、上記両パルスのいずれかを受信するたびにカウントアップし、識別電圧幅制御信号2が増加していく。
【0089】
タイマ1110は、Hレベル低下パルスまたは、Lレベル上昇パルスのいずれも無いときに、アップダウンカウンタ1102をカウントアップさせ、識別電圧幅制御信号1の電圧を上昇させる。また、タイマー1110は、Hレベル低下パルスまたは、Lレベル上昇パルスのいずれも無いときに、アップダウンカウンタ1103をカウントダウンさせ識別電圧幅制御信号2の電圧を減少させる。
タイマ1110の周期は、クロックCLKに対して十分に広く設定されており、Hレベル低下パルスまたは、Lレベル上昇パルスのいずれかを受信したときは、瞬時にVTHHとVTHとVTHLの間隔を狭め、Hレベル低下パルス及び、Lレベル上昇パルスのいずれも受信しないときは、ゆっくりとVTHHとVTHとVTHLの間隔を広げることができる。
【0090】
図12の識別電圧制御回路4は、識別レベル自動制御回路2に使用する場合の構成を表す。この構成では、制御の方向が識別レベル自動制御回路1と反対になるため、Hレベル低下パルスをアップダウンカウンタ1のDOWN端子に、Lレベル上昇パルスをアップダウンカウンタ1のUP端子に接続している。
【0091】
図15は、識別位相制御回路2の構成を示す。識別位相制御回路2の構成は、図12の識別電圧制御回路4と同じである。この回路においては、右シフトパルスをアップダウンカウンタ1501のDOWN端子に、左シフトパルスをアップダウンカウンタ1501のUP端子に接続している。
【0092】
(実施例8)
図18に、本発明の第8の実施例による、識別レベル自動制御回路を示す。本実施例では、自動識別レベル調整に誤り訂正回路を用いている。
【0093】
図18の識別レベル自動制御回路は、リミッタアンプ1801、誤り訂正回路1802、AND回路1803、フリップフロップ1804、アップダウンカウンタ1805、D/A変換器1806、バッファ1807、とを含んで構成されている。
【0094】
ここで、リミッタアンプ1801は、データ入力信号1のHレベルまたはLレベルを、識別電圧VTHと比較している。誤り訂正回路1802は、データの誤りを検出し、誤りがある場合訂正ビット”1”を出力する誤り検出回路1810と排他的論理和回路1811から構成されている。AND回路1803は、CLKと誤り検出回路の出力信号の論理積を生成する。D/A変換器1806は、アップダウンカウンタの出力信号をアナログ電圧信号に変換する。
【0095】
次に、識別レベル自動制御回路5の動作について説明する。データ入力信号はリミッタアンプ1801の非反転端子に入力され、識別電圧VTHと比較され、データがHレベルかLレベルかが判定される。その結果得られる識別出力はフリップフロップ1808でCLKのタイミングで読み込まれる。フリップフロップ1808の出力は、誤り検出回路1810に入力され、符号系列中の誤りの有無がチェックされる。ここで誤りが検出されると、誤り検出回路1810は、訂正ビット“1”を出力する。訂正ビットとフリップフロップ1808の出力の排他的論理和をとることにより誤ったデータを正しいデータに復元することができる。
【0096】
ここで、訂正ビットにより訂正された結果が1であれば、0を1に訂正したことになり、訂正ビットにより訂正された結果が0であれば、1を0に訂正したことになる。すなわち、訂正された結果を見ることにより、1のデータが誤ったのか0のデータが誤ったかがわかる。
【0097】
フリップフロップ1804は、訂正ビットが1の時のデータを読み込み、データが1であれば0の誤りパルスとしてアップダウンカウンタ1805のUP端子に入力され、カウントアップさせる。もし、訂正ビットが1の時のデータを読み込みデータが0であれば1の誤りパルスとしてアップダウンカウンタ1805のDOWN端子に入力されカウントダウンさせる。アップダウンカウンタ1805の出力はD/A変換器1806によりアナログ電圧信号に変換されリミッタアンプ1801の反転端子に識別電圧として与えられている。0の誤りパルスがでた場合は、アップダウンカウンタ1805はカウントアップされ、識別電圧制御信号は識別電圧VTHを増大するように制御し、1の誤りパルスがでた場合はアップダウンカウンタ1805はカウントダウンされ、識別電圧制御信号は識別電圧VTHを減少するように制御する。これにより識別電圧VTHを最適位置に調整することができる。
【0098】
(実施例9)
図19に、本発明の第9の実施例による、識別レベル自動制御回路を用いた光受信回路の構成例である。
【0099】
この光受信回路は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子1901と、変換された電気信号を増幅するアンプ1902と、結合コンデンサ1903と、クロック抽出回路1904と、識別レベル自動制御回路1905と、識別器1906を含んで構成されている。
【0100】
アンプ1902の出力は、結合コンデンサ1903を介してクロック抽出回路1904、識別レベル自動制御回路1905及び識別器1906に供給される。クロック抽出回路1904はデータ入力信号からクロック成分を抽出し、識別レベル自動制御回路1905と識別器1906に供給する。識別器1906は、識別レベル自動制御回路1905により最適に調整された識別電圧VTHでデータ入力信号を識別する。クロック抽出回路1904には、周知のPLL回路を使用している。また識別レベル自動制御回路1905としては、識別レベル自動制御回路1〜4のいずれを使用してもよい。
【0101】
(実施例10)
図20は、本発明の識別レベル自動制御回路と識別位相自動制御回路を用いた光受信回路の構成例である。
【0102】
図20の光受信回路は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子2001、変換された信号を増幅するアンプ2002、結合コンデンサ2003、クロック抽出回路2004、識別レベル自動制御回路2005、識別位相自動制御回路2006、及び識別器2007を含んで構成されている。
【0103】
アンプ2002の出力は、結合コンデンサ2003を介してクロック抽出回路2004、識別レベル自動制御回路2005、及び識別器2007に供給される。クロック抽出回路2004は、データ入力信号からクロック成分を抽出し、識別レベル自動制御回路2005と識別器2007に供給する。
クロック抽出回路2004の出力は、識別位相自動制御回路2006により識別位相が最適化され、識別器2007と識別レベル自動制御回路2005に供給される。識別器2007は、識別レベル自動制御回路2005により最適に調整された識別電圧VTHと識別位相自動制御回路2006により最適に調整された識別位相でデータ入力信号を識別する。
【0104】
クロック抽出回路2004には、公知のPLL回路を使用している。また識別レベル自動制御回路2005としては、上記の識別レベル自動制御回路1〜4のいずれを使用してもよい。また、識別位相自動制御回路2006としては、識別位相自動制御回路1,2のいずれを使用してもよい。
【0105】
(実施例11)
図21は、本発明の識別レベル自動制御回路5を用いた光受信回路の構成例である。
【0106】
図21の光受信回路は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子2101、変換された信号を増幅するアンプ2102、結合コンデンサ2103、クロック抽出回路2104、識別レベル自動制御回路5から構成されている。
アンプ2102の出力は、結合コンデンサ2103を介してクロック抽出回路2104と識別レベル自動制御回路5に供給される。クロック抽出回路2104はデータ入力信号からクロック成分を抽出し、識別レベル自動制御回路5に供給する。なお、クロック抽出回路2104には、周知のPLL回路を使用している。
【0107】
(実施例12)
図22は、本発明の識別レベル自動制御回路5と識別位相自動制御回路を用いた光受信回路の構成例である。
【0108】
図22の光受信回路は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子2201、変換された信号を増幅するアンプ2202、結合コンデンサ2203、クロック抽出回路2204、識別レベル自動制御回路5、識別位相自動制御回路2205を含んで構成されている。
【0109】
アンプ2202の出力は、結合コンデンサ2203を介してクロック抽出回路2204と識別レベル自動制御回路5に供給される。クロック抽出回路2204はデータ入力信号からクロック成分を抽出する。抽出されたクロックは、識別位相自動制御回路2205でデータ信号に対する識別位置が最適化され、識別レベル自動制御回路5に供給される。なお、ここでもクロック抽出回路2204としては、周知のPLL回路を使用している。
【0110】
以上の実施例では、識別レベル制御回路と主信号の識別回路とを別々の回路で構成していた。これに対し、以下の実施例では、識別レベル制御回路のなかのD−FFを用いて主信号の識別を行っている。このような回路構成を用いることにより、主信号の識別回路を別に用意する必要がなくなり、さらに、LSI内部の素子のばらつきにより、識別レベル自動制御回路で出力される最適識別レベルと、主信号を識別する識別回路における最適識別レベルにずれが生じることを防ぐことができる。
【0111】
(実施例13)
図23に、本発明の第13の実施例による、識別レベル自動制御回路を用いた光受信回路の構成を示す。本実施例の光受信回路は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子2301と、変換された電気信号を増幅するアンプ2302と、結合コンデンサ2303と、クロック抽出回路2304と、識別レベル自動制御回路2305と、を含んで構成される。
【0112】
アンプ2302の出力は、結合コンデンサ2303を介してクロック抽出回路2304及び識別レベル自動制御回路2305に供給される。クロック抽出回路2304はデータ入力信号からクロック成分を抽出し、識別レベル自動制御回路2305に供給する。識別レベル自動制御回路2305の3値識別回路の複数個あるフリップフロップは各々識別回路として動作するので、本実施例では識別レベル自動制御回路2305の3値識別回路の中の複数個あるフリップフロップのうち最適な識別電圧VTHを与えられる1個のフリップフロップを主信号の識別回路として使用している。クロック抽出回路2304には、周知のPLL回路を使用している。また識別レベル自動制御回路2305としては、識別レベル自動制御回路1〜4のいずれを使用してもよい。
【0113】
(実施例14)
図24は、本発明の識別レベル自動制御回路と識別位相自動制御回路を用いた光受信回路の構成例である。
【0114】
図24の光受信回路は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子2401、変換された信号を増幅するアンプ2402、結合コンデンサ2403、クロック抽出回路2404、識別レベル自動制御回路2405、及び識別位相自動制御回路2406を含んで構成されている。
【0115】
アンプ2402の出力は、結合コンデンサ2403を介してクロック抽出回路2404、識別レベル自動制御回路2405に供給される。クロック抽出回路2404は、データ入力信号からクロック成分を抽出し、識別レベル自動制御回路2405に供給する。
【0116】
クロック抽出回路2404の出力は、識別位相自動制御回路2406により識別位相が最適化され、識別レベル自動制御回路2405に供給される。識別レベル自動制御回路2405の3値識別回路の中の複数個あるフリップフロップは各々識別回路として動作するので、本実施例では識別レベル自動制御回路2305の3値識別回路の複数個あるフリップフロップのうち最適な識別電圧VTHを与えられる1個のフリップフロップを主信号の識別回路として使用している。識別レベル自動制御回路2405は最適に調整された識別電圧VTHと識別位相自動制御回路2406により最適に調整された識別位相でデータ入力信号を識別する。
【0117】
クロック抽出回路2404には、公知のPLL回路を使用している。また識別レベル自動制御回路2405としては、上記の識別レベル自動制御回路1〜4のいずれを使用してもよい。また、識別位相自動制御回路2406としては、識別位相自動制御回路1,2のいずれを使用してもよい。
【0118】
以上の実施例13及び14では、識別レベル自動制御回路の中に複数個あるフリップフロップの中の1個を主信号の識別回路として使用している。これにより、LSI内部の素子のばらつきにより、識別レベル自動制御回路で出力される最適識別レベルと、主信号を識別する識別回路における最適識別レベルにずれが生じることを防ぐことができる。また、主信号を識別する識別回路を省略することにより小型化や消費電力の低減が可能となる。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、データ入力信号のHレベルの変動とLレベルの変動を、複数個、例えば3個の識別レベルを用いて監視し、レベルの変動があれば実際に誤りが発生する前に検出して、識別レベルVTHを最適値に自動制御している。その際、各識別レベルの絶対値のみならず間隔も制御しているため、入力信号の振幅が変動した場合でも確実に最適な識別レベルを探索することができ、識別レベルの安定な設定が可能になる。識別位相の設定についても同様である。
【0120】
また、本発明の他の構成においては、受信信号を構成する符号系列の誤りを検出し、その結果に基づき識別レベルを調整している。このため、識別レベルの調整を、受信信号の誤りの低減に直ちに反映させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による識別レベル自動制御回路1の構成を表す図である。
【図2】本発明の実施例による識別レベル自動制御回路2の構成を表す図である。
【図3】本発明の実施例による識別レベル自動制御回路3の構成を表す図である。
【図4】本発明の実施例による識別レベル自動制御回路4の構成を表す図である。
【図5】本発明の実施例による識別位相自動制御回路1の構成を表す図である。
【図6】本発明の実施例による識別位相自動制御回路2の構成を表す図である。
【図7】本発明の実施例の動作を説明するための図である。
【図8】本発明の実施例の動作を説明するための図である。
【図9】本発明の実施例における識別電圧制御回路1の構成を表す図である。
【図10】本発明の実施例における識別電圧制御回路2の構成を表す図である。
【図11】本発明の実施例における識別電圧制御回路3の構成を表す図である。
【図12】本発明の実施例における識別電圧制御回路4の構成を表す図である。
【図13】本発明の実施例における識別電圧制御回路5の構成を表す図である。
【図14】本発明の実施例における識別位相制御回路1の構成を表す図である。
【図15】本発明の実施例における識別位相制御回路2の構成を表す図である。
【図16】本発明の実施例における識別位相制御回路3の構成を表す図である。
【図17】本発明の実施例で用いる可変遅延回路の構成例を表す図である。
【図18】本発明の実施例による識別レベル自動制御回路5の構成を表す図である。
【図19】本発明の実施例による光受信回路の構成を表す図である。
【図20】本発明の実施例による光受信回路の構成を表す図である。
【図21】本発明の実施例による光受信回路の構成を表す図である。
【図22】本発明の実施例による光受信回路の構成を表す図である。
【図23】本発明の実施例による光受信回路の構成を表す図である。
【図24】本発明の実施例による光受信回路の構成を表す図である。
【符号の説明】
100、200、1903、2003、2103、2203、2303、2403:結合コンデンサ
101、201、301、401、501、601:3値識別回路
102、202、302、402、502、602:レベル変動検出回路
103、203、303、403、:識別電圧制御回路
104、304:低域通過フィルタ
404、616:分圧器
105、106、107、205、206、207、405、406、407、505、506、507、1801:リミッタアンプ
108、109、110、208、209、210、508、509、510、1804、1808:フリップフロップ
111、112、211、212、511、512、1811:排他的論理和回路
503、603:識別位相制御回路
513、514、515、613、614、615:可変遅延回路
901、902、906、909、910、1107、1108、1109、1301、1302、1305、1306、1401、1402、1406、1409、1410、1601、1602、1605、1606、1807:バッファ
903、1304、1404、1604:充電回路
904、1303、1403、1603:放電回路
905、1405:加算器
907、1407:OR回路
908、1408:充放電回路
1101、1102、1103、1501、1502、1503、1805:アップダウンカウンタ
1104、1105、1106、1806:D/A変換器
1110:タイマ
1802:誤り訂正回路
1803:AND回路
1810:誤り検出回路
1901、2001、2101、2201、2301、2401:光電変換素子
1902、2002、2102、2202、2302、2402:アンプ
1904、2004、2104、2204、2304、2404:クロック抽出回路
1905、2005、2305、2405:識別レベル自動制御回路
1906、2007:識別器
2006、2205、2406:識別位相自動制御回路
Claims (25)
- 入力データ信号が供給され互いに異なる識別レベルを有する複数の識別回路と、
前記互いに異なる識別レベルのうち大小順が隣り合う2つの識別レベルに対応する前記識別回路の出力の一致、不一致に対応する一致判定信号を出力する複数の排他的論理和回路と、
前記一致判定信号が一致を示すよう、前記互いに異なる識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する制御信号を出力する識別電圧制御回路と
を備え、
前記互いに異なる識別レベルは、ハイレベル、中央レベル、ロウレベルの3つの識別レベルを有しており、
前記識別電圧制御回路は、
前記ハイレベルと前記中央レベルとの第1の一致判定信号と、
前記ロウレベルと前記中央レベルとの第2の一致判定信号とを比較して、各識別レベルをシフトする識別電圧制御信号を出力する回路と、
前記第1の一致判定信号と前記第2の一致判定信号との論理和に基づいて、各識別レベルの間隔を制御する識別電圧幅制御信号を出力する回路と
を備え、
前記識別電圧制御信号により前記3つの識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別電圧幅制御信号により前記3つの識別レベルの間隔を調整し、
前記識別電圧制御回路は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、
前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路と
を備えていることを特徴とする識別レベル自動制御回路。 - 入力データ信号が供給され互いに異なる識別レベルを有する複数の識別回路と、
前記互いに異なる識別レベルのうち大小順が隣り合う2つの識別レベルに対応する前記識別回路の出力の一致、不一致に対応する一致判定信号を出力する複数の排他的論理和回路と、
前記一致判定信号が一致を示すよう、前記互いに異なる識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する制御信号を出力する識別電圧制御回路と
を備え、
前記互いに異なる識別レベルは、ハイレベル、中央レベル、ロウレベルの3つの識別レベルを有しており、
前記識別電圧制御回路は、
前記ハイレベルと前記中央レベルとの第1の一致判定信号と、
前記ロウレベルと前記中央レベルとの第2の一致判定信号とを比較して、各識別レベルをシフトする識別電圧制御信号を出力する回路と、
前記第1の一致判定信号と前記第2の一致判定信号との論理和に基づいて、各識別レベルの間隔を制御する識別電圧幅制御信号を出力する回路と
を備え、
前記識別電圧制御信号により前記3つの識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別電圧幅制御信号により前記3つの識別レベルの間隔を調整し、
前記識別電圧制御回路は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、
前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路と
を備えていることを特徴とする識別レベル自動制御回路。 - 請求項1または請求項2に記載された識別レベル自動制御回路であって、
前記識別電圧制御回路は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合にカウントアップし、前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合にカウントダウンする第1のアップダウンカウンタと、
所定の時間を計時するタイマと、
前記第1及び第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合にカウントダウンし、前記タイマの計時に合わせてカウントアップする第2のアップダウンカウンタと、
前記第1及び第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合にカウントアップし、前記タイマの計時に合わせてカウントダウンする第3のアップダウンカウンタと
を備えていることを特徴とする識別レベル自動制御回路。 - 請求項1または請求項2に記載された識別レベル自動制御回路であって、
前記識別電圧制御回路は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合にカウントダウンし、前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合にカウントアップする第1のアップダウンカウンタと、
所定の時間を計時するタイマと、
前記第1及び第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合にカウントダウンし、前記タイマの計時に合わせてカウントアップする第2のアップダウンカウンタと、
前記第1及び第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合にカウントアップし、前記タイマの計時に合わせてカウントダウンする第3のアップダウンカウンタと
を備えていることを特徴とする識別レベル自動制御回路。 - 請求項1または請求項2に記載された識別レベル自動制御回路であって、
前記識別電圧制御回路は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、
前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と
を備えていることを特徴とする識別レベル自動制御回路。 - 請求項1または請求項2に記載の識別レベル自動制御回路であって、前記互いに異なる識別レベルの最大及び最小の値を有する識別レベルの平均値を識別レベルとして含むことを特徴とする識別レベル自動制御回路。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかの請求項に記載された識別レベル自動制御回路であって、
前記識別レベル自動制御回路は、さらに、
前記複数の排他的論理和回路と前記識別電圧制御回路の間に挿入され、前記一致判定信号を伸長するパルス幅伸長回路を備えていることを特徴とする識別レベル自動制御回路。 - 入力データ信号から抽出されたクロック信号が供給され互いに異なる識別タイミングを有する複数の識別回路と、
前記互いに異なる識別タイミングのうち遅延量の大小順が隣り合う2つの識別タイミングに対応する前記識別回路の出力の一致、不一致に対応する一致判定信号を出力する複数の排他的論理和回路と、
前記一致判定信号が一致を示すよう、前記互いに異なる識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する制御信号を出力する識別タイミング制御回路と
を備え、
前記互いに異なる識別位置は、識別位置左(TL)、識別位置中央(TTH)、識別位置右(TR)の3つの識別位置を有しており、
前記識別タイミング制御回路は、
前記識別位置TLと前記識別位置TTHとの第3の一致判定信号と、
前記識別位置TRと前記識別位置TTHとの第4の一致判定信号を比較して、識別位置をシフトする識別位相制御信号を出力する回路と、
前記第3の一致判定信号と前記第4の一致判定信号との論理和に基づいて、識別位置の間隔を制御する識別位相幅制御信号を出力する回路とを備え、
前記識別位相制御信号により前記3つの識別位置を同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別位相幅制御信号により前記3つの識別位置の間隔を調整し、
前記識別タイミング制御回路は、
第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、
前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路と
を備えていることを特徴とする識別位相自動制御回路。 - 入力データ信号から抽出されたクロック信号が供給され互いに異なる識別タイミングを有する複数の識別回路と、
前記互いに異なる識別タイミングのうち遅延量の大小順が隣り合う2つの識別タイミングに対応する前記識別回路の出力の一致、不一致に対応する一致判定信号を出力する複数の排他的論理和回路と、
前記一致判定信号が一致を示すよう、前記互いに異なる識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する制御信号を出力する識別タイミング制御回路と
を備え、
前記互いに異なる識別位置は、識別位置左(TL)、識別位置中央(TTH)、識別位置右(TR)の3つの識別位置を有しており、
前記識別タイミング制御回路は、
前記識別位置TLと前記識別位置TTHとの第3の一致判定信号と、
前記識別位置TRと前記識別位置TTHとの第4の一致判定信号を比較して、識別位置をシフトする識別位相制御信号を出力する回路と、
前記第3の一致判定信号と前記第4の一致判定信号との論理和に基づいて、識別位置の間隔を制御する識別位相幅制御信号を出力する回路とを備え、
前記識別位相制御信号により前記3つの識別位置を同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別位相幅制御信号により前記3つの識別位置の間隔を調整し、
前記識別タイミング制御回路は、
第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電回路と、
前記第1の識別タイミングより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電回路と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電回路と
を備えていることを特徴とする識別位相自動制御回路。 - 請求項8または請求項9に記載された識別位相自動制御回路であって、
前記識別タイミング制御回路は、
第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合にカウントダウンし、前記第1の識別タイミングより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合にカウントアップする第1のアップダウンカウンタと、
所定の時間を計時するタイマと、
前記第1及び第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合にカウントダウンし、前記タイマの計時に合わせてカウントアップする第2のアップダウンカウンタと、
前記第1及び第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合にカウントアップし、前記タイマの計時に合わせてカウントダウンする第3のアップダウンカウンタと
を備えていることを特徴とする識別位相自動制御回路。 - 請求項8または請求項9に記載された識別位相自動制御回路であって、前記互いに異なる識別タイミングのうち遅延量が最大及び最小の値を有する識別タイミングの平均値を識別タイミングとして含むことを特徴とする識別位相自動制御回路。
- 請求項8乃至請求項11のいずれかの請求項に記載された識別位相自動制御回路であって、
前記識別位相自動制御回路は、さらに、
前記複数の排他的論理和回路と前記識別タイミング制御回路の間に挿入され、前記一致判定信号を伸長するパルス幅伸長回路を備えていることを特徴とする識別位相自動制御回路。 - 入力データ信号と、互いに異なる複数の識別レベルの各々との大小を個別に比較する識別工程と、
前記互いに異なる識別レベルの各々隣り合う2つに対応する前記識別工程での比較結果を比較し、一致、不一致を判定する比較工程と、
該比較工程での前記判定の結果に基づき、前記識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する識別電圧調整工程と
を含み、
前記互いに異なる識別レベルは、ハイレベル、中央レベル、ロウレベルの3つの識別レベルを有しており、
前記識別電圧調整工程は、
前記ハイレベルと中央レベルとの第1の一致判定信号と、
前記ロウレベルと中央レベルとの第2の一致判定信号とを比較して、各識別レベルをシフトする識別電圧制御信号を出力する工程と、
前記第1の一致判定信号と前記第2の一致判定信号との論理和に基づいて、各識別レベルの間隔を制御する識別電圧幅制御信号を出力する工程と
を含み、
前記識別電圧制御信号により前記3つの識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別電圧幅制御信号により前記3つの識別レベルの間隔を調整し、
前記識別電圧調整工程は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、
前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程と
を含んでいることを特徴とする識別レベル制御方法。 - 入力データ信号と、互いに異なる複数の識別レベルの各々との大小を個別に比較する識別工程と、
前記互いに異なる識別レベルの各々隣り合う2つに対応する前記識別工程での比較結果を比較し、一致、不一致を判定する比較工程と、
該比較工程での前記判定の結果に基づき、前記識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する識別電圧調整工程と
を含み、
前記互いに異なる識別レベルは、ハイレベル、中央レベル、ロウレベルの3つの識別レベルを有しており、
前記識別電圧制御工程は、
前記ハイレベルと前記中央レベルとの第1の一致判定信号と、
前記ロウレベルと前記中央レベルとの第2の一致判定信号とを比較して、各識別レベルをシフトする識別電圧制御信号を出力する工程と、
前記第1の一致判定信号と前記第2の一致判定信号との論理和に基づいて、各識別レベルの間隔を制御する識別電圧幅制御信号を出力する工程と
を含み、
前記識別電圧制御信号により前記3つの識別レベルを同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別電圧幅制御信号により前記3つの識別レベルの間隔を調整し、
前記識別電圧制御工程は、
第1の前記識別レベルに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、
前記第1の識別レベルより小さな第2の前記識別レベルに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程と
を含んでいることを特徴とする識別レベル制御方法。 - 請求項13または請求項14に記載された識別レベル制御方法であって、
前記識別電圧調整工程は、
前記複数の識別レベルのうち、最大及び最小の値を有するものを独立して調整する両端識別レベル調整工程と、
前記最大及び最小の値を有する識別レベルを所定の比率に分割した値に、残りの識別レベルの値を設定する中間識別レベル設定工程と
を含んでいることを特徴とする識別レベル制御方法。 - 請求項13乃至請求項15のいずれかの請求項に記載された識別レベル制御方法であって、
前記識別レベル制御方法は、さらに、
前記比較工程で一致の結果が得られている間は、前記識別レベルのうち最大及び最小の値を有するものの差を徐々に拡大する間隔拡大工程を含んでいることを特徴とする識別レベル制御方法。 - 入力データ信号と所定の識別レベルとの大小を互いに異なる複数の識別タイミングで比較して得られる複数の識別出力を生成する識別工程と、
前記複数の識別タイミングの2つに対応する前記識別工程での識別出力を比較し、一致、不一致を判定する比較工程と、
該比較工程での前記判定の結果に基づき、前記識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する識別タイミング調整工程と
を含み、
前記互いに異なる識別位置は、識別位置左(TL)、識別位置中央(TTH)、識別位置右(TR)の3つの識別位置を有しており、
前記識別タイミング調整工程は、
前記識別位置TLと前記識別位置TTHとの第3の一致判定信号と、
前記識別位置TRと前記識別位置TTHとの第4の一致判定信号を比較して、識別位置をシフトする識別位相制御信号を出力する工程と、
前記第3の一致判定信号と前記第4の一致判定信号との論理和に基づいて、識別位置の間隔を制御する識別位相幅制御信号を出力する工程と
を備え、
前記識別位相制御信号により前記3つの識別位置を同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別位相幅制御信号により前記3つの識別位置の間隔を調整し、
前記識別タイミング調整工程は、
第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、
前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程と
を含んでいることを特徴とする識別位相制御方法。 - 入力データ信号と所定の識別レベルとの大小を互いに異なる複数の識別タイミングで比較して得られる複数の識別出力を生成する識別工程と、
前記複数の識別タイミングの2つに対応する前記識別工程での識別出力を比較し、一致、不一致を判定する比較工程と、
該比較工程での前記判定の結果に基づき、前記識別タイミングを同じ方向にシフトして調整すると共にその間隔を調整する識別タイミング調整工程と
を含み、
前記互いに異なる識別位置は、識別位置左(TL)、識別位置中央(TTH)、識別位置右(TR)の3つの識別位置を有しており、
前記識別タイミング調整工程は、
前記識別位置TLと前記識別位置TTHとの第3の一致判定信号と、
前記識別位置TRと前記識別位置TTHとの第4の一致判定信号を比較して、識別位置をシフトする識別位相制御信号を出力する工程と、
前記第3の一致判定信号と前記第4の一致判定信号との論理和に基づいて、識別位置の間隔を制御する識別位相幅制御信号を出力する工程と
を備え、
前記識別位相制御信号により前記3つの識別位置を同じ方向にシフトして調整すると共に、前記識別位相幅制御信号により前記3つの識別位置の間隔を調整し、
前記識別タイミング調整工程は、
第1の前記識別タイミングに対応する第1の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸減させる放電工程と、
前記第1の識別レベルより遅れている第2の前記識別タイミングに対応する第2の前記一致判定信号が不一致を示している場合に出力電圧を漸増させる充電工程と、
前記第1もしくは第2の一致判定信号の少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が減少し、双方が一致を示している場合に緩やかに電圧が上昇する第1の出力と、少なくとも一方が不一致を示している場合に速やかに電圧が増加し、双方が一致を示しているときは緩やかに電圧が減少する第2の出力の少なくとも一方を有する充放電工程と
を含んでいることを特徴とする識別位相制御方法。 - 請求項17または請求項18に記載された識別位相制御方法であって、
前記識別タイミング調整工程は、
前記複数の識別タイミングのうち、最大及び最小の遅延量を有するものを独立して調整する両端識別タイミング調整工程と、
前記最大及び最小の遅延量を有する識別タイミングを所定の比率に分割した値に、残りの識別タイミングの値を設定する中間識別タイミング設定工程と
を含んでいることを特徴とする識別位相制御方法。 - 請求項17または請求項18に記載された識別位相制御方法であって、
前記識別位相制御方法は、さらに、
前記比較工程で一致の結果が得られている間は、前記識別タイミングのうち最大及び最小の遅延量を有するもの遅延量の差を徐々に拡大する間隔拡大工程を含んでいることを特徴とする識別位相制御方法。 - 入力された光信号を電気信号に変換する光検出器と、
前記電気信号が入力される、請求項1乃至請求項7のいずれかの請求項に記載された識別レベル自動制御回路と、
前記電気信号に含まれるクロック信号を抽出して出力し、前記識別レベル自動制御回路に供給するクロック抽出回路と
を備えていることを特徴とする光受信器。 - 請求項21記載の光受信器であって、
前記光受信器は、さらに、
前記電気信号が入力され、前記複数の識別レベルのうち中央近傍の値を有する識別レベルで、前記クロック信号のタイミングで識別する識別器と、
を備えていることを特徴とする光受信器。 - 請求項21又は請求項22のいずれかに記載された光受信器であって、
前記光受信器は、さらに、
前記光検出器と前記識別器の間に挿入されたコンデンサを備えていることを特徴とする光受信器。 - 請求項21乃至請求項23のいずれかの請求項に記載の光受信器であって、
前記光受信器は、さらに、
請求項1乃至請求項7のいずれかの請求項に記載された識別レベル自動制御回路と、
請求項8乃至請求項12のいずれかの請求項に記載された識別位相自動制御回路と
を備え、
前記識別位相自動制御回路へは前記電気信号から抽出されたクロック信号が入力され、前記複数の識別タイミングのうち中央近傍の遅延量を有するものが、前記識別レベル自動制御回路に供給され、前記複数の識別レベルのうち中央近傍の値を有するものが、前記識別位相自動制御回路に供給されることを特徴とする光受信器。 - 請求項21乃至請求項24のいずれかの請求項に記載された光受信器であって、
前記複数の識別回路のうち、中央近傍の値の識別レベルを有する識別回路の出力を出力信号として用いることを特徴とする光受信器。
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