JP3976173B2 - フープ材カッター - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は自動プレス装置等に併設されてスクラップフープ材を切断するフープ材カッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フープ材をプレスした後のスクラップを、自動プレス装置等に併設されたフープ材カッターで、ストリップのまま切断処理をすることが行われている。そして、この種のフープ材カッターとしては例えば実公昭49−32387号公報に開示さたものが知られている。
【0003】
図7は同公報記載の装置の要部断面図、図8はその内部構造を示す平面図である。ラム52はベース51とカバー53との間で摺動可能に設けられ、その一端には動刃58が固定されているとともに、他端がモーター60の駆動軸55にキー57を介して固定されたカム56に軸受57を介して係合され、ラム52に固定された動刃58がカム56の回転によりカバー53側に固定された固定刃59に対向して揺動的に進退動させられるように構成している。
【0004】
このラム52の進退動に際しては、動刃58の両端面に接するガイドローラー54がラム52の揺動による横振れを抑えるとともに進退動をガイドしている。また、このガイドローラー54の回転を円滑にするために、グリースニップル62設けてそれぞれの給油穴61を介して潤滑給油している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成のフープ材カッターでは、2個のローラー54に給油するためにそれぞれにグリースニップル62を設けなければならないとともに、この給油方式では給油の管理が行き届かないことが起こりやすく、給油不足による作動不良が生じやすいという問題がある。
【0006】
また、動刃58が被切断材を切断する位置に前進した場合に、動刃58を固定したラムの部分が、切断材排出口63内にオーバーハングした状態になるために不安定な状態で切断をすることになり、動刃56の寿命が短くなる。従って、この不安定を解消するためにラム52を厚くして強度を保持する必要があった。
【0007】
よって本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、前記従来のフープ材カッターにおけるガイドローラー54の潤滑のための特別なグリースニップル62を設けなくてもラム用の潤滑油の給油手段により自動的に給油されるとともに、動刃58を取り付けるラム52の強度を補うためにその厚さを増すことなく安定して切断ができるフープ材カッターの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、ベース1側上面に固定した固定刃2と、この固定刃2に対向して進退動することにより接離する動刃3と、動刃3の進退動をガイドするガイドローラー11と、動刃3を固定した平板状のラム4と、ラム4を揺動的に進退動させるカム10と、カム10を回転駆動させる駆動手段とからなるフープ材カッターにおいて、前記ラム4は、前記ベース1と、このベース1のカバー5間において摺動可能に設けるとともにこのラム4の一端の下面には、前記動刃3を、前記固定刃2に対向して固定し、このラム4の他端には、モーター6により駆動される駆動軸8に固定されたカム10が軸受19,20を介して嵌合され、前記モーター6の作動による前記カム10の偏心作動により、前記ラム4が揺動的に施動しつつ進退動するように構成し、かつ、前記ガイドローラー11は、前記動刃3の進退動に際して、動刃3の両端面に接しつつ動刃3をガイドするように、前記ベース1側に設けるとともに、前記ラム4は、動刃3を固定した部分の幅を前記ベース1に設けた切断材排出口30の幅に比べて広く形成し、この広く形成した部分が、前記ガイドローラー11を、その上面から覆うようにして、その上面からガイドローラー11を抑え込み、この広く形成した部分が常に前記ベース1の面に接するように構成し、さらに前記ラム4の両面には、油溝13,14を刻設するとともに油溝13,14を連絡する貫通穴17を穿設し、かつ油溝13に面したカバー5の面には油溝12を刻設し、前記カバー5に設けたグリースニップル16より給油穴15を介して、この油溝12に潤滑油を給油することにより、前記軸受け19,20に給油するとともに前記油溝13に入り、前記ラム4の上面を潤滑し、かつ前記貫通穴17を経由して油溝14に入り、前記ラム4の下面を潤滑するとともにこのラム4の摺動面を経由して、前記ガイドローラー11に給油することができるように構成したことを特徴とする。
【0009】
そして、前記駆動手段はモーターの1軸とし、ラムの揺動的進退動を1軸のカムにて駆動する。また前記ラムは、ガイドローラーを上面から抑え込むように切断材排出口の幅に比べて広い平板状に形成し、広く形成したラムの摺動面を介してガイドローラーに対して潤滑油を自動的に供給する。
【0010】
【作用】
本発明のフープ材カッターによれば、ラムの幅を切断材排出口の幅に比べて広く形成したことにより、広くしたラムの部分がガイドローラーをその上面から抑え込む状態となるため、ラムの進退動に伴って潤滑油がラムの摺動面を経由してガイドローラーに自動的に供給される。
【0011】
また、ラムの広く形成した部分、即ち動刃を固定した部分が常にベース面に接して摺動するので、その部分が切断材排出口においてオーバーハング状態にならないためにラムの強度が保たれる。従って、切断の際にラムが安定した状態を保つことができるので、切刃の寿命が長くなる。
【0012】
【実施例】
図1から図6は本発明の実施例を示す。図1は本発明のフープ材カッターの要部を断面にした側面図、図2はフープ材カッターの内部構造を示す平面図、図3から図6は動刃の作動状態を説明する図である。
【0013】
図1に示すように、本発明のフープ材カッターは、ベース1の上面に固定刃2をボルト2a等の適宜手段にて固定し、ベース1とカバー5との間には平板状のラム4を摺動可能に設けるとともに、ラム4の一端の下面には動刃3を固定刃2に対向してボルト3a等の適宜手段にて固定している。ラム4の他端には、モーター6により駆動される減速機7の駆動軸8にキー9を介して固定されたカム10が軸受19,20を介して嵌合しており、前記モーター6の作動によるカム10の偏心作動によりラム4が揺動的に旋動しつつ進退動するように構成している。
【0014】
さらに、図2に示すように、動刃3の進退動に際して動刃3の両端面に接しつつ動刃3をガイドするガイドローラー11がベース1側に設けられている。一方、ラム4は、動刃3を固定した部分の幅を切断材排出口30の幅に比べて広く形成することにより、広くした部分がガイドローラー11をその上面から覆うようにしてその上面からガイドローラー11を抑え込むとともに、広くした部分が常にベース1の面に接するように構成している。
【0015】
また、図1および図2に示すようにラム4の両面には油溝13,14が刻設されているとともに、油溝13,14を連絡する貫通穴17が穿設されている。一方、油溝13に面したカバー5の面には油溝12が刻設されており、前記カバー5に設けたグリースニップル16から供給された潤滑油は給油穴15を経由して油溝12に入り、軸受19,20に給油するとともに油溝13に入りラム4の上面を潤滑し、さらに潤滑油は貫通穴17を経由して油溝14に入り、ラム4の下面を潤滑するとともに、その摺動面を経由してガイドローラー11に自動的に供給されるように構成している。
【0016】
なお、前記のモーター6及び減速機7は、複数のボルト18を介してベースの下面に取り付けられ、駆動軸8に対してはキー9を介して固定されたカム10がベース1側軸受20およびラム4側軸受19と、オイルシール22にて回転自在に設けられている。
【0017】
ラム4の上面には駆動軸8が貫通するカバー5が複数のボルト24を介してベース1側に固定されている。一方、被切断材としてのフープ材を固定刃2及び動刃3に対して供給するホッパー23がベース1側にに複数のボルト24にて取り付けられており、ホッパー23にはフープ材の供給を一時留保するストックガイド25が設けられている。
【0018】
上記構成において、図1の矢印Aで示す方向から被切断材としてのフープ材を供給すると同時に、モーター6を駆動してカム10を回転させることによりカム10の偏心作動にてラム4は揺動しつつ進退動して動刃3と固定刃2との間で切断が始まる。この場合に、ラム4に固定された動刃3は図3から図6に示す順序で揺動しつつ固定刃2に対して接離するこにより、動刃3がフープ材の端部から点接触的に切り込み始めて順次に全幅にわたり切断が行われる。切断済の切断片は図1の矢印Bで示すように切断材排出口30から排出される。これにより、フープ材の全幅を同時に剪断する場合に比べて切断時の振動が極めて小さくなるために切刃の寿命に対する影響が軽減される。
【0019】
また、ラム4の動刃3を固定した部分における幅を広くしたことにより、広くした部分がベース1の面に常に接触して摺動するので動刃が切断材排出口30においてオーバーハング状にならない。従ってラム4の進退動を安定させることができる。これにより、ラム4自身の強度を補うことができるので、その分だけラム4の厚さを低減することができる。またラム4を安定させることにより切刃の損傷が少なくなり、切刃を再研磨するための取り外し回数を大きく削減することができる。
【0020】
一方、潤滑油はカバー5の上面に設けられたグリースニップル16から油溝12を介してカム10の軸受19,20に供給されるとともに、油溝13、貫通穴17および油溝14を介してラム4の両摺動面に供給される。この場合、ラム4の動刃3を固定した部分の幅を切断材料排出口に比べて広くして、その部分がガイドローラー11を上面から抑え込んだ状態になっているので、ラム4の下面に供給された潤滑油はラム4の下面の油溝14及び摺動面を介してガイドローラー11に自動的に供給され、ガイドローラー11の回転を円滑にすることができる。
【0021】
また、フープ材は外部の送り機構(図示せず)により切断時にも連続してホッパー23内に送り込まれるが、切断の時間帯には切断部にてフープ材の流れが一時停止されるので、その時間帯に強制的に送り込まれた分が撓んで、その撓み量がストックガイドに吸収される。切断の1サイクルが終了して動刃3が後退すると再びフープ材は切断部を通過して送りこまれて、自動的に切断が繰り返される。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のフープ材カッターによれば、ラム4の幅を切断材排出口30に比べて広くして、その部分でガイドローラー11を抑え込むようにしたことにより、ガイドローラー11に接するラム4の摺動面を介してガイドローラー11に自動的に給油することができる。
【0023】
また、幅を広くたラム4の部分が常にベース1面に接触しつつ摺動するのでラム4の強度が保たれ作動がが安定する。従って、ラム4の厚さを低減させることができるとともに切刃に寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフープ材カッターの要部を断面にした側面図である。
【図2】 フープ材カッターの内部構造を示す平面図である。
【図3】 動刃の作動状態を説明する図である。
【図4】 動刃の作動状態を説明する図である。
【図5】 動刃の作動状態を説明する図である。
【図6】 動刃の作動状態を説明する図である。
【図7】 従来のフープ材カッターの要部断面図である。
【図8】 従来のフープ材カッターの内部構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 固定刃
3 動刃
4 ラム
5 カバー
6 モーター
7 減速機
8 駆動軸
9 キー
10 カム
11 ガイドローラー
16 グリースニップル
19,20 軸受
23 ホッパー
25 ストックガイド
Claims (1)
- ベース1側上面に固定した固定刃2と、この固定刃2に対向して進退動することにより接離する動刃3と、動刃3の進退動をガイドするガイドローラー11と、動刃3を固定した平板状のラム4と、ラム4を揺動的に進退動させるカム10と、カム10を回転駆動させる駆動手段とからなるフープ材カッターにおいて、
前記ラム4は、前記ベース1と、このベース1のカバー5間において摺動可能に設けるとともにこのラム4の一端の下面には、前記動刃3を、前記固定刃2に対向して固定し、このラム4の他端には、モーター6により駆動される駆動軸8に固定されたカム10が軸受19,20を介して嵌合され、前記モーター6の作動による前記カム10の偏心作動により、前記ラム4が揺動的に施動しつつ進退動するように構成し、かつ、
前記ガイドローラー11は、前記動刃3の進退動に際して、動刃3の両端面に接しつつ動刃3をガイドするように、前記ベース1側に設けるとともに、前記ラム4は、動刃3を固定した部分の幅を前記ベース1に設けた切断材排出口30の幅に比べて広く形成し、この広く形成した部分が、前記ガイドローラー11を、その上面から覆うようにして、その上面からガイドローラー11を抑え込み、この広く形成した部分が常に前記ベース1の面に接するように構成し、さらに前記ラム4の両面には、油溝13,14を刻設するとともに油溝13,14を連絡する貫通穴17を穿設し、かつ油溝13に面したカバー5の面には油溝12を刻設し、前記カバー5に設けたグリースニップル16より給油穴15を介して、この油溝12に潤滑油を給油することにより、前記軸受け19,20に給油するとともに前記油溝13に入り、前記ラム4の上面を潤滑し、かつ前記貫通穴17を経由して油溝14に入り、前記ラム4の下面を潤滑するとともにこのラム4の摺動面を経由して、前記ガイドローラー11に給油することができるように構成したことを特徴とするフープ材カッター。
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Family Applications (1)
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- 2001-12-28 JP JP2001400565A patent/JP3976173B2/ja not_active Expired - Lifetime
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