JP3976066B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、車輪ブレーキに接続されるマスタシリンダと、ストロークシミュレータと、ストロークシミュレータのストローク規制手段と、増圧手段とを備えた電動液圧式の車両用ブレーキ装置に関する。
従来、このような車両用ブレーキ装置として、たとえば特許文献1および特許文献2および特許文献3などにより既に知られている。
特開2000−255402号公報 特開2005−145280号公報
ところが、上記特許文献1のものでは、車輪ブレーキの制動にかかる制動圧をマスタシリンダの制動圧とマスタシリンダ以外の外部制動圧発生手段の制動圧とを選択して切り換える電磁弁や、ストロークシミュレータがマスタシリンダ液圧回路に臨んでいるため、ストロークシミュレート量を停止する遮断電磁弁や、該遮断電磁弁の電子制御手段などを含むため、構造が複雑で安価に構成できるとは言い難い。
また、ストロークシミュレータの停止構造においては、シミュレート作動をおこなってブレーキペダルのストロークが増加している時に外部制動圧発生手段の不具合などでシミュレートの停止を判断して遮断電磁弁を閉じた場合、一旦シミュレータに吸収されたブレーキ液はマスタシリンダに戻ることができず、ブレーキペダルが一定量ストロークしている状態からさらに踏み増ししてマスタシリンダを作動させねばならぬため、ブレーキペダルの床板への底付きが早期に起こりやすくなる課題がある。
また、特許文献2のものでは、マスタシリンダの制動圧と液圧源および液圧制御手段を選択する電磁弁を含んでおり、該電磁弁が開放されてマスタシリンダのピストンが一定量前進するとストロークシミュレータの液圧室が大気圧開放状態から油密状態になることでストロークシミュレータのストローク量を制限している。
こちらの構造においても、ストロークシミュレータの制限を指示するのは、電磁弁および電子制御手段であり複雑になるとともに、ストロークシミュレータがストローク途中で電磁弁が開放してマスタシリンダと車輪ブレーキが接続した場合、一旦ストロークシミュレータのブレーキ液が大気開放されてしまった容積はストロークシミュレータの液圧室に戻ることができず、ブレーキペダルが一定量ストロークしている状態からさらに踏み増ししてマスタシリンダを作動させねばならぬため、ブレーキペダルの床板への底付きが早期に起こりやすくなる課題がある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ブレーキ操作にかかわらず所定の液圧を蓄圧する液圧源と、該液圧源の圧力を調圧して出力する液圧制御手段と、該液圧制御手段に接続する比例反力室に背面を臨ませるマスタピストンを備えて車輪ブレーキに接続されるマスタシリンダと、前記比例反力室に前面を臨ませて前方外径よりも後方外径を大にしてケーシング筒内を液密で摺動可能にして後退限が規制される反力ピストンを有する比例反力手段と、該反力ピストンと前記ケーシングにて画成する所定反力室に前記液圧源を接続する所定反力手段と、該反力ピストンとストロークピストンとの相対ストローク量がブレーキ操作子の入力に連動して可変されるストロークシミュレート手段と、前記反力ピストンと前記マスタピストンとの離間距離に比例するように前記反力ピストンと前記ストロークピストンとの相対ストロークの可変許容量を設定して前記反力ピストンと前記ストロークピストンとの相対ストロークが前記可変許容量に達する場合には前記ストロークピストンが前記マスタピストンを押動可能に連係するストロークシミュレート許容手段とを具備構成することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、前記所定反力手段のみによる前記反力ピストンの後退限方向への後退推力を200〜1000Nに設定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明に加えて、前記所定反力室とポンプリザーバとを接続する液圧路に液圧源の蓄圧圧力値よりも高いクラッキング圧に設定されるリリーフ弁を介設することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明に加えて、前記ストロークシミュレート許容手段は、前記マスタピストンの前記比例反力室圧力受圧外径および前記反力ピストンの前記比例反力室圧力受圧外径よりも小径に設定されるストローク許容軸を前記マスタピストンと一体的に後方へ延長して形成され、該ストローク許容軸を前記反力ピストンに液密で摺動可能に貫通して前記ストローク許容軸の後端を前記ストロークピストンの前端に臨ませる構成としたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明に加えて、前記ストロークシミュレート許容手段は、前記マスタピストンの前記比例反力室圧力受圧外径および前記反力ピストンの前記比例反力室圧力受圧外径よりも小径に設定されるストローク許容軸を前記ストロークピストンと一体的に前方へ延長して形成され、該ストローク許容軸を前記反力ピストンに液密で摺動可能に貫通して、さらに前記ストローク許容軸を前記マスタピストンの後端より穿設される前記反力ピストンの前記ストローク許容軸貫通穴と同径にして底部を大気圧開放する有底穴に液密で摺動可能に挿通して前記ストローク許容軸の前端を前記有底穴の底部に臨ませる構成としたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明に加えて、前記ストロークシミュレート許容手段は、前記マスタピストンの前記比例反力室圧力受圧外径および前記反力ピストンの前記比例反力室圧力受圧外径よりも小径に設定されるストローク許容軸を独立して備え、該ストローク許容軸後方を前記反力ピストンに液密で摺動可能に貫通して前記ストローク許容軸後端を前記ストロークピストン前端に臨ませるとともに、前記ストローク許容軸前方を前記マスタピストンの後部より穿設される前記反力ピストンの前記ストローク許容軸貫通穴と同径にして底部を大気圧開放する有底穴に液密で摺動可能に挿通して前記ストローク許容軸の前端を前記有底穴の底部に臨ませる構成としたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明に加えて、前記反力ピストンに前方を小径とする段付内径を形成し、該段付内径の小径となる前部内径に固定的にシール部材を備えて前記ストローク許容軸を液密で摺動可能に貫通させるとともに、前記段付内径の大径となる後部内径のさらに後部にて摺動後退限を規制される前記ストロークピストンの前方と前記段付内径の段部との間に前記ストローク許容軸の貫通が可能な内径を有する円筒状の弾性部材を備えて、該弾性部材をたわませながら前記ストロークピストンが前記段付内径の後部内径を摺動可能に構成することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明に加えて、前記マスタピストンは比例反力室の圧力を受圧する後部受圧部と車輪ブレーキに圧力を発生させる前部受圧部を備え、該前部受圧部と前記後部受圧部との中間部をマスタリザーバに常時連通するとともに、前記マスタピストンの後部受圧部外径断面積A1より該マスタピストンの前部受圧部断面積A5を小さく設定することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明に加えて、前記ブレーキ操作子の操作量に略比例して前記比例反力室に前記液圧制御手段の液圧を供給して増圧制御するブレーキ操作量検出手段を含む電子制御装置を備え、前記マスタピストンおよび前記反力ピストンがともに後退限にある初期位置での前記ストロークピストンの前記反力ピストンとの相対ストロークに所定の初期許容量L1を設定することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明に加えて、前記ブレーキ操作子の操作量に略比例して前記比例反力室に前記液圧制御手段の液圧を供給して増圧制御する前記ブレーキ操作量検出手段を含む前記電子制御装置を備え、該電子制御装置のブレーキ増圧制御により発生する前記反力ピストンと前記マスタピストンの離間距離よりも前記ストロークピストンの前記反力ピストンとの相対ストローク距離を短くするように前記ストロークシミュレート手段のばね定数を設定することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明に加えて、ドライバの所望する車両の制動力から電気回生制動力を差し引いた車輪ブレーキ制動力にしてなおかつ、前記反力ピストンを後退限に保持可能な車輪ブレーキ制動液圧となるよう前記比例反力室に接続される前記液圧制御手段を増圧制御する電子制御装置を備えたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、反力ピストンとケーシングにて画成される所定反力室に液圧源を接続することで、ブレーキ操作にかかわらず常に反力ピストンに後退推力が発生して後退限に押圧され、さらにマスタピストンと反力ピストン間に画成される比例反力室が液圧制御手段により増圧されると、反力ピストンは増圧量に比例して後退推力を増して反力ピストンの前進を抑制する。また比例反力室の増圧によりマスタピストンは反力ピストンより離間してブレーキ圧力を発生するとともにストロークシミュレート手段ではストロークピストンが安定的な位置にある反力ピストンとの相対ストロークの可変許容量を増やして行き、ブレーキ増圧中および自動ブレーキ中においてもブレーキ操作子のストロークシミュレート動作を常に安定しておこなうことができる。また万が一のシミュレート途中での増圧手段の失陥などで比例反力室に圧力が無くなった場合でも、所定反力手段の反力をブレーキ操作子入力が上まわるとストロークピストンに反力ピストンが伴ってマスタピストンに相対的に近接して行き、すでにストロークシミュレート手段に吸収されたストロークを回収してから、ブレーキ操作子の入力をストロークピストンとストロークシミュレート許容手段が連係してマスタピストンに伝達してマスタシリンダを昇圧できるため、なんらかの電子的操作や機械的な弁構造などを追加することなく簡素にブレーキ操作子の床板への早期底付きを回避する信頼性の高い車両用ブレーキ装置を構成できる。
請求項2記載の発明によれば、反力ピストンの後退推力を200N以上にすることにより、ブレーキ操作初期の反力ピストンの前進誤作動を抑止して反力ピストンを確実に後退限に押圧することが可能であり、また反力ピストンの後退推力を1000N以下とすることにより、ブレーキ操作子の無効踏力を規制して液圧制御手段の増圧制御がない場合でも充分な倍力失陥時ブレーキ効力を発生することができる。
請求項3記載の発明によれば、万が一液圧源に備えるアキュムレータ(蓄圧器)に封入される窒素ガスが洩れるなどして圧縮性部材に不具合が生じて液圧源が剛体になり、所定反力室の容量変化をアキュムレータが吸収できなくなった場合においても、所定反力室とポンプリザーバ間に介設されるリリーフ弁のクラッキング圧を上限として所定反力室の反力を設定することができる。
請求項4記載の発明によれば、ストローク許容軸を比例反力室圧力により反力ピストンより離間距離を増してゆくマスタピストンに一体に形成したので、ストローク許容軸のシール箇所を反力ピストン貫通部の一箇所のみとすることができ、部品点数を減らして簡素な構造でストロークピストンと反力ピストンとの相対ストロークの可変許容量を設定することができる。
請求項5記載の発明によれば、ブレーキ操作入力減少に応じたブレーキ操作部材の後退量がブレーキ操作入力増加時のブレーキ操作部材の前進量に対して小さいこと、すなわちブレーキ操作入力に対するブレーキ操作ストロークの関係において、ドライバの操作負担軽減を図る上でヒステリシス幅が適度にあることが望ましいのであるが、ストローク許容軸をストロークピストンに一体に形成して反力ピストン貫通部のシール部およびマスタピストンのシール部を摺動するので外部圧力室の圧力が高まるにつれ前記2箇所のシール部がストローク許容軸へのグリップ力を高めて、ブレーキ操作力減少時には該グリップ力がストローク許容軸をとどめておこうとする力が働くため、適度なブレーキ操作入力に対するブレーキ操作ストロークのヒステリシス幅を生じてドライバの操作負担の軽減を図ることができる。
請求項6記載の発明によれば、ストローク許容軸を単体としてストレートの丸棒形状にしてシール部材を2箇所設定するため、適度なブレーキ操作入力に対するブレーキ操作ストロークのヒステリシス幅を設定してドライバの操作負担の軽減が図れるうえに、市場流通性のよい軸受用の鋼棒などがほとんど無加工で採用でき、安価にストロークシミュレート許容手段を構成することができる。
請求項7記載の発明によれば、ストローク許容軸のシール部材を段付内径の小径となる前部内径に固定的に備えたいわゆるプランジャシール構成としたので反力ピストン前部内径にストローク許容軸の摺動長さ(マスタピストンの全ストローク以上)を持つ必要がないため反力ピストンの内径段部を前方に設定する分、後方に突出すストローク許容軸であるが、該軸が貫通する円筒状に形成された弾性部材の前端を前記反力ピストンの内径段部に当接して、ストローク許容軸の突き出し長さと、荷重を出すため必要な弾性部材長さとを相殺しながら構成するので全長を大幅に短縮でき、そしてストロークピストンの後退限を反力ピストン後部内径の後部で規制したため、反力ピストンとストロークシミュレート手段が一体的に組み付けできるうえ、反力ピストン後退限を前方に設定でき、ケーシングの長さを短くして加工容易にすることもできる。
請求項8記載の発明によれば、比例反力室の圧力によるマスタピストン推力は比例反力室圧力×マスタピストンの後部受圧断面積となり、該断面積はストローク許容軸の貫通部断面積が差し引かれたものとなるためマスタピストンがストレートの場合、マスタシリンダの出力液圧は比例反力室の圧力に対し減圧されてしまうので、増圧手段は車両が必要とする最高制動液圧に対しさらに高い圧力をつくる必要があり圧力的負担が大きくなるが、マスタピストンの後部受圧部外径断面積A1より該マスタピストンの前部受圧部断面積A5を小さく設定することで増圧手段の圧力的負担を低減することができる。
請求項9記載の発明によれば、初期位置での前記ストロークピストンの前記反力ピストンとの相対ストロークに所定の初期許容量を設定するので、ブレーキ操作子の操作初期にストロークピストンが初期許容量をストロークする時間内にブレーキ操作量検出手段が操作量を検出して電子制御装置が液圧制御手段より比例反力室に増圧供給するよう制御してマスタピストンを前進させるため、ストロークピストンのストローク許容軸を介してのマスタピストンへの追突や戻りなどをブレーキ操作子に伝達することなく良好な操作フィーリングを得ることができる。
請求項10記載の発明によれば、電子制御装置および増圧手段がブレーキ増圧作動をおこなった際の反力ピストンとマスタピストンの離間距離よりもストロークピストンと反力ピストンとの相対ストローク距離を短くするようにストロークシミュレート手段のばね定数を設定するため、剛性感のあるしっかりとしたブレーキ操作フィーリングを得るとともに、ストロークピストンのストローク許容軸を介してのマスタピストンへの追突がないのでマスタシリンダと車輪ブレーキ間に介設するABSの制御時における液圧変動キックバックをブレーキ操作子に伝達することなく、たとえば4輪車両旋廻状態でブレーキ入力操作中に回頭性を修正するための車両内輪および外輪車輪ブレーキ液圧を増減制御してもブレーキ操作子にはなんらの反力伝達がなくドライバへの不安を低減して、ブレーキ操作子と車輪ブレーキの機械的伝達がないいわゆるブレーキバイワイヤとすることができる。
また、ストローク許容軸を介してマスタピストンの反力の伝達がストロークピストンに及ばないため、ストロークシミュレート手段反力にマスタピストン反力が加算されず、ブレーキ操作量検出手段を踏力検出にした場合でも誤った閉ループ制御になることがなく、ストローク検出(位置検出)にした場合でも踏み増し量を正確に検出することができてドライバの所望する制動力を正確に発生することができる。
請求項11記載の発明によれば、電子制御装置がドライバの所望する車両の制動力から電気回生制動力を差し引いた車輪ブレーキ制動力にしてなおかつ、反力ピストンを後退限に保持可能な車輪ブレーキ制動液圧となるよう増圧制御するので、ドライバの所望する車両の制動力を発生するとともに一旦反力ピストンとともにブレーキ操作子が前進して再度戻されるようなフィーリングの悪化を伴うことなく回生協調ブレーキをおこなうことができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図9は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は車両用ブレーキ装置の全体構成を示すブレーキ液圧系統図、図2はブレーキ液圧発生装置の非作動初期位置での左側面要部断面図、図3はブレーキ液圧発生装置の自動ブレーキ作動位置での左側面要部断面図、図4はブレーキ液圧発生装置の増圧ブレーキ作動位置での左側面要部断面図、図5はブレーキ液圧発生装置の非増圧ブレーキ作動位置での左側面要部断面図、図6は反力ピストン、ストロークシミュレート許容手段、ストロークシミュレート手段の非作動初期位置での左側面要部断面拡大図、図7はアキュムレータ特性図、図8はストロークシミュレータ特性図、図9は出力液圧特性図である。
先ず図1において、ブレーキ液圧発生装置10は増圧手段90と、樹脂等で形成されてブレーキ液を蓄えるマスタリザーバ12を上部に装着するタンデム型のマスタシリンダ60とを備え、該マスタシリンダ60の後端に備えるストロークシミュレート手段30をブレーキ操作部材であるブレーキ操作子11に連結している。
ブレーキ操作子11の操作量はエンコーダやポテンショメータ等で構成するブレーキ操作量検出手段25にて検出され、該検出値は電子制御装置13に情報伝達される。該電子制御装置13には各部圧力計(95a,95b,95c,95d)などの情報も伝達されて、それらの情報をもとに増圧手段90およびABS15を統合的に制御可能に電気回路を配索する。またこれらの車両用ブレーキ装置の異常時にはドライバに警報を発する警報装置14を備える。
増圧手段90はともに電子制御装置13に制御される液圧源90aと液圧制御手段90bとからなり、液圧源90aはブレーキ操作子11の操作有無にかかわらず車両の必要とするブレーキ液圧の最高値以上の圧力をアキュムレータ94に常時蓄圧するようにポンプ圧力計95aが監視して、所定圧力範囲になるようポンプモータ92を駆動してポンプリザーバ91のブレーキ液をポンプ93が汲み上げるように構成される。
さらに液圧源90aの圧力が異常に上昇して液圧回路を損傷することを防止すべくポンプ93およびアキュムレータ94の圧力が異常上昇した場合にポンプリザーバ91にブレーキ液を開放するリリーフ弁98を備える。
該リリーフ弁98のクラッキング圧は、ECU13が制御する液圧源90aの所定圧力範囲の最高値よりも余裕をもって高く設定されるため、通常では作動することが無いようにされる。
液圧制御手段90bは、液圧源90aからマスタシリンダ60の増圧ポート16Pに接続する液圧路17Pに並列に介設される増圧用の常閉型比例電磁弁96aおよび96bと、増圧ポート16Pから液圧源90aのポンプリザーバ91に接続する液路に介設する減圧用の常開型比例電磁弁97と、増圧ポート16Pの圧力を監視する比例電磁弁圧力計95bとを備える。
そして液圧制御手段90bは、液圧源90aとマスタシリンダ60の比例反力室90Pとの差圧を調整して、減圧用の常開型比例電磁弁97を閉弁して増圧用の常閉型比例電磁弁96aおよび96bを制御電流値に比例的に開弁する比例増圧モードと、減圧用の常開型比例電磁弁97と増圧用の常閉型比例電磁弁96aおよび96bをともに閉じる保持モードと、比例反力室90Pの圧力をポンプリザーバ91に戻すようにして増圧用の常閉型比例電磁弁96aおよび96bを閉弁して減圧用の常開型比例電磁弁97を制御電流値に比例的に開弁する比例減圧モードとを有して、マスタシリンダの比例反力室90Pをブレーキ操作子11の操作量に比例して増圧しながらの加減圧、あるいはブレーキ操作子の操作有無にかかわらず自動加減圧可能にする。
マスタシリンダ60の比例反力室90Pは、増圧ポート16Pと連通しており、該増圧ポート16Pには液圧路17Pを介して増圧手段90の液圧制御手段90bに接続され、さらにマスタシリンダ60の所定反力室90Qは反力ポート16Aと連通し、該反力ポート16Aには液圧路17Aを介して増圧手段90の液圧源90aが接続される。
マスタシリンダ60の前部出力ポート16Fと後部出力ポート16Rから出力される液圧は前部液圧路17Fおよび後部液圧路17Rに導かれ、それぞれ前部出力圧力計95cおよび後部出力圧力計95dによって圧力を監視され、前記比例電磁弁圧力計95bの圧力値に対して前部出力圧力計95cまたは後部出力圧力計95dの値が所定値以下の場合、電子制御装置13がドライバに警報装置14で認知可能にする。
さらに前部液圧路17FはABS15を介して左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右前輪用車輪ブレーキBFRに接続される。また後部液圧路17Rも、ABS15を介して左後輪用車輪ブレーキBRLおよび右後輪用車輪ブレーキBRRに接続される。
ABS15は、前部液圧路17Fを分岐して、左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右前輪用車輪ブレーキBFR間に設けられる常開型電磁弁18,18と、常開型電磁弁18,18に並列に接続される一方向弁19,19と、減圧リザーバ21と、左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右前輪用車輪ブレーキBFRと減圧リザーバ21間に設けられる常閉型電磁弁20,20と、減圧リザーバ21から前部液圧路17F側へブレーキ液を還流するべく、ABSモータ22に駆動されるABSポンプ23を備える。
さらにABS15は、後部液圧路17Rを分岐して、左後輪用車輪ブレーキBRLおよび右後輪用車輪ブレーキBRR間に設けられる常開型電磁弁18,18と、常開型電磁弁18,18に並列に接続される一方向弁19,19と、減圧リザーバ21と、左後輪用車輪ブレーキBRLおよび右後輪用車輪ブレーキBRRと減圧リザーバ21間に設けられる常閉型電磁弁20,20と、減圧リザーバ21から後部液圧路17R側へブレーキ液を還流するべく、ABSモータ22に駆動されるABSポンプ23を備える。
ABS15は電子制御装置13により制御され、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに対応した常開型電磁弁18を開くとともに常閉型電磁弁20を閉じる増圧モードと、常開型電磁弁18を閉じるとともに常閉型電磁弁20を開く減圧モードと、常開型電磁弁18および常閉型電磁弁20をともに閉じる保持モードとを切換えて制御し、これにより各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRのブレーキ液圧を状況に応じて個別で最適に制御することができる。
そして電子制御装置13は、増圧手段90およびABS15を統合的に制御するものであり、ブレーキ操作子11の操作量に応じたブレーキ液圧発生装置10の増圧ブレーキ作動制御、アンチロックブレーキ制御、ブレーキ操作子11の操作有無にかかわらずブレーキ液圧発生装置10に自動的に液圧を発生させる自動ブレーキ制御、さらに自動ブレーキ制御からABS15を制御して個別の車輪ブレーキ液圧を最適に調整してのトラクションコントロールおよびビークルスタビリティコントロールなどを行うことができる。
さらに電子制御装置13は、電気回生制動装置との協調にも対応することが可能であり、回生制動装置の制動力をドライバの所望した車両制動力から差し引いた車輪ブレーキ制動力になるようにブレーキ液圧発生装置10を増圧制御することもできるようになっている。
図2において、非作動初期位置となるブレーキ液圧発生装置10は、増圧手段90とマスタシリンダ60と、反力ピストン36と、所定反力手段1と、比例反力手段2と、ストロークシミュレート手段30とストロークシミュレート許容手段SS1とを備える。
増圧手段90では液圧源90aが所定の液圧を蓄圧しており、液圧源90aは液圧路17Aを介して反力ポート16Aに接続され所定反力室90Qに連通して、液圧源90aの圧力は反力ピストン36を後退限に押圧するよう作用して所定反力手段1を構成している。
液圧制御手段90bはマスタシリンダ60の比例反力室90Pに連通して比例反力手段2を構成し、増圧ポート16Pに並列に介設される増圧用の常閉型比例電磁弁96a,96bをともに閉弁して液圧源90aの圧力を遮断するとともに、前記増圧ポート16Pとポンプリザーバ91間に介設される減圧用の常開型比例電磁弁97を開弁して前記比例反力室90Pの圧力を大気開放している。
マスタシリンダ60は、タンデム型のものであり、前部マスタピストン68の前進により液圧を発生する前部液圧室FPLと、後部マスタピストン62の前進により液圧を発生する後部液圧室RPLとを画成する。
ケーシング61は、有底円筒状に後方を大径とする3段の内径を形成して、前部内径61cに前部マスタピストン68が、前部内径61cと中央内径61dにまたがって後部マスタピストン62が摺動自在に嵌合する。
ケーシング61の上部には、ケーシング61の筒内へのブレーキ液の補給が可能なように、合成樹脂から成るマスタリザーバ12(図1参照)が取り付けられブレーキ液を満たしている。
前部マスタピストン68の軸方向中間部とケーシング61の前部内径61cとの間に常時通じてブレーキ液を補給すべく、前部マスタピストン68の軸方向中間部に開口する補給ポートFSPがケーシング61に穿設される。
前部マスタピストン68の前部には、前部液圧室FPLに液圧を発生させるべく、ケーシング61の前部内径61cに摺接するカップ69が装着される。また前部マスタピストン68の後方側には後部液圧室RPLに発生した液圧を受圧すべく、ケーシング61の前部内径61cに摺接するカップ70が装着される。
前部マスタピストン68には、戻しばね73の付勢力により前部マスタピストン68が後退限位置に戻ったときに前部液圧室FPLとマスタリザーバ12を連通させる中心型のリリーフ弁71が設けられる。該リリーフ弁71は、前部マスタピストン68の前端弁函部に同軸に装着され、前部マスタピストン68が後退限にあるときにはリリーフ弁71を弁ばね72のばね付勢力に抗して前進位置に保持し開弁して、前部マスタピストン68の前進時には弁ばね72によるリリーフ弁71の後退動作すなわち閉弁動作を許容するようにして両端がケーシング61に固定的に支持される開弁棒74とで開閉可能に構成される。
開弁棒74は、その両端をケーシング61で支持されて前部マスタピストン68の長孔68a内に挿通されており、リリーフ弁71の後端が開弁棒74に当接される。
リリーフ弁71は、前部マスタピストン68が後退限に在るときには開弁棒74でリリーフ弁71が押圧されることにより開弁し、前部液圧室FPLとマスタリザーバ12を連通させてシリンダ内にブレーキ液を補給可能とする。また前部マスタピストン68が後退限から前進すると、開弁棒74が前部マスタピストン68に対して後方に相対移動することにより、リリーフ弁71が閉弁して前部液圧室FPLの圧力発生が可能になる。
後部マスタピストン62は後端にストローク許容軸62a(図6)を一体に延長して形成されて、該ストローク許容軸62aは反力ピストン36の底部を貫通してストロークシミュレート手段30に挿通して、後部マスタピストン62の段部62c(図6)は反力ピストン36の前端36e(図6)に当接して後退限を規制されながらケーシング61の筒内を摺動自在にする。
後部マスタピストン62は、前方外周には後方からのみブレーキ液の流通を許容してケーシング61の前部内径61cに摺接するカップ63と、後部マスタピストン62の後部外周には背面よりの液圧を受圧してケーシング61の前部内径61cより径をわずかに大にした中央内径61dに摺接するカップ64とを備える。
またケーシング61には、後部マスタピストン62の後退限位置にあるときはマスタリザーバ12と後部液圧室RPLを連通して、後部マスタピストン62の前進位置ではカップ63の通過によりマスタリザーバ12と後部液圧室RPLの連通が遮断され閉弁するリリーフポートRPと、マスタリザーバ12からカップ63とカップ64間に常時ブレーキ液の補給をおこなう補給ポートRSPとが穿設される。
前部および後部マスタピストン68,62の最大間隔を規制すべく、前部マスタピストン68後端に当接するリテーナ66と後部マスタピストン62間に縮設される戻しバネ65のセット長を、後部マスタピストン62に螺着されるリテーナガイド67が規制するようになっている。
前部マスタピストン68の戻しバネ73より後部マスタピストン62の戻しバネ65のセット荷重の方が大きく設定されており、後部マスタピストン62の後退限では前部および後部マスタピストン68,62の最大間隔をおいた位置で前部マスタピストン68の後退限も設定される。
このように構成されたマスタシリンダ60では、後部マスタピストン62に前進する力が加わると先ず後部マスタピストン62と前部マスタピストン68が同時に前進を開始して後部マスタピストン62の戻しバネ65より小さなセット荷重に設定される前部マスタピストン68の戻しバネ73をたわませる。
そして前部マスタピストン68ではリリーフ弁71が、また後部マスタピストン62ではリリーフポートRPがほぼ同時に閉弁動作をおこなう。
前記閉弁動作後は、後部マスタピストン62と前部マスタピストン68の前進および後退に応じた液圧を後部液圧室RPLおよび前部液圧室FPLに発生させることができる。
後部マスタピストン62と前部マスタピストン68が後退限に戻ると前部マスタピストン68ではリリーフ弁71が、また後部マスタピストン62ではリリーフポートRPが開弁して後部液圧室RPLおよび前部液圧室FPLはマスタリザーバ12に連通して大気圧開放状態となる。
なお、ケーシング61の前部内径61cと中央内径61dの断部を後部マスタピストン62が前進後退することによる後部マスタピストン62中間部の容量変化は補給ポートRSPが常時マスタリザーバ12と連通して大気開放しながらブレーキ液を行き来させて後部マスタピストン62の作動に支障がないようにされる。
図6を参照して、反力ピストン36は3段外径軸に形成して後方段部36dを、ケーシング61の内径入り口段部に後方より螺着する係止ねじ43に当接して、前記反力ピストン36の後退限を規制している。
反力ピストン36の前方外径36kとケーシング61の中央内径61dとはブレーキ液の流通を許容する嵌め合いにして、該反力ピストン36の前方外径36kはケーシング61の中央内径61d側に装着されるシール部材40に摺接して液密にケーシング61の中央内径61dを摺動可能にする。
反力ピストン36の前方外径36kよりわずかに外径を大にする中央外径36mは外周にシール部材41を装着してケーシング61の後部内径61eを液密で摺動可能にされる。
そして、反力ピストン36の前方外径36kと中央外径36mおよびケーシング61の中央内径61dと後部内径61eに画成される所定反力室90Qに連通する反力ポート16Aには増圧手段90の液圧源90aが液圧路17Aを介して接続され所定反力手段1を構成している。
液圧源90aの液圧は反力ピストン36を後退限である係止ねじ43に当接させるように作用する。
ケーシング61の中央内径61dおよび後部マスタピストン62の背面と反力ピストン36の前面とで画成される比例反力室90Pに連通する増圧ポート16Pには液圧路17Pを介して増圧手段90の液圧制御手段90bが接続され比例反力手段2を構成している。
液圧制御手段90bの非作動時では、後部マスタピストン62はマスタシリンダ60の戻しばね73,65の付勢力により後部マスタピストン62の段部62cを反力ピストン36の前端36eに当接して後退限にある。
反力ピストン36の内径は段付に形成され、最前部の第1内径36jには該内径中間部にシール部材45を装着し前記ストローク許容軸62aが液密で摺動可能に貫通して後方に突き出している。
さらに反力ピストン36の後部では第2内径36h,第3内径36g,第4内径36fを形成して、第2内径36h内にシミュレートばね38と、第3内径36g内にばねリテーナ37とシミュレートラバー39とを、第4内径36f内にブレーキ操作子11に連結されるヨーク32がナット34とともに螺着固定される(図2)プッシュロッド33を後端に首振り自在に嵌着するストロークピストン35と、係止リング44とを内装して、ストロークシミュレート手段30を反力ピストン36内に一体的に構成する。
ストロークシミュレート手段30前方では、小径軸を前方にして段付外径軸に形成されたばねリテーナ37が、大径軸を反力ピストン36の第3内径36gに摺動可能とするとともに内径を前記ストローク許容軸62aに充分な長さをもって摺動可能として、大径軸前端37aと反力ピストン36の段部36cとの間に円筒のシミュレートばね38を縮設している。
そして、ばねリテーナ37後端にはゴムなどの弾性体で内径をテーパー状にする円筒形状に形成されて内径部にストローク許容軸62aの貫通を許容するシミュレートラバー39が反力ピストン36の第3内径36gにゆるい嵌め合いで挿入されながら当接している。
シミュレートラバー39の後端には、反力ピストン36の第4内径36f後部の溝部に嵌着される係止リング44に後端外周部を当接して後退限を規制されて第4内径36fを摺動可能にするストロークピストン35の段部35aが当接している。
シミュレートばね38とシミュレートラバー39は、セット荷重においては、両者の間に介在するばねリテーナ37がバランスをとることにより同一にされるが、ばね定数はシミュレートばね38のほうが低く設定される。すなわちストロークピストン35の前進によるたわみ始めがシミュレートばね38のほうが早期に設定される。
ばねリテーナ37には前進限が設定され、ばねリテーナ37の大径軸前端37aと反力ピストン36の段部36bとが初期位置から当接するまでの距離L2(図2)の前進を許容して制限される。ここで、ばねリテーナ37の小径軸端部37bと反力ピストン36の段部36cとの距離L4(図2)は、距離L2よりも大きく設定されて前記前進限の設定に影響を及ぼすことのないようにされる。
ストロークピストン35にもストローク最大量L3(図2)を決めるべく前進限が設定され(液圧制御手段の加圧がなく非作動初期位置からの前進ではストローク許容軸が先に当接するのであるが)、ストロークピストン35の段部35aが反力ピストン36の段部36aに当接することでシミュレートラバー39の軸方向寸法縮小による径方向寸法拡大を制限してスムースな作動をおこなうとともにシミュレートラバー39に採用される材料の許容応力を超えないようにしている。
ストロークシミュレート許容手段SS1は、後部マスタピストン62の後方に一体に形成されたストローク許容軸62aが反力ピストン36を液密で摺動可能に貫通してストローク許容軸62aの後端62bをストロークピストン35の前端35bに間隔L1(図2)を開けて臨ませている。この間隔L1はストロークシミュレート手段30のストローク初期許容量となる。
図3において、ブレーキ操作子11の操作有無に関らず自動的に増圧されたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段10では液圧制御手段90bが液圧源90aに蓄圧される圧液を比例反力室90Pに車両の運動を最適に制御すべく供給加圧する。
液圧制御手段90bの増圧過程では比例反力室90Pに連通する増圧ポート16Pに並列に介設される増圧用の常閉型比例電磁弁96a,96bをともに車両に最適な液圧になるよう開弁するとともに、前記増圧ポート16Pとポンプリザーバ91間に介設される減圧用の常開型比例電磁弁97を閉弁して前記比例反力室90Pの圧力を封じている。
図3の液圧制御手段90bの形態では比例反力室90Pの圧力を増加させる過程を示しているが、比例反力室90Pの圧力を減少させる過程では液圧制御手段90bの形態は初期位置に戻り、自動制御量の減少に比例した液圧になるよう減圧用の常開型比例電磁弁97が開弁制御される。
そして車両に制動力を付与する判断を電子制御装置13が下すと該電子制御装置13は液圧制御手段90bを増圧作動させて比例反力室90Pへの圧力供給を開始する。
後部マスタピストン62と反力ピストン36との間に画成される比例反力室90Pでは、液圧制御手段90bの増圧作動により高められた比例反力室90Pの液圧により前記反力ピストン36を後退限に押圧する力を増して反力ピストン36を後退限にとどめる一方、圧液が後部マスタピストン62を前進させてマスタシリンダ60を昇圧させる。
この時、所定反力手段1と比例反力手段2の合力、すなわち所定反力室90Qの圧力P0が面積A4およびA2に及ぼす力と比例反力室90Pの圧力P1が面積A2およびA3に作用して反力ピストン36に及ぼす後退推力は以下のようになる。
反力ピストン後退推力=P0×(A4−A2)+P1×(A2−A3)
なお、液圧制御手段90bが作動する以前において、所定反力室90Qの圧力P0の作用のみによる反力ピストン36の後退限に押圧する後退推力は200〜1000Nの範囲になるように液圧源90aの蓄圧圧力値に対応した所定反力室90Qでの反力ピストン36の受圧断面積が設定されている。
そして、比例反力室90Pに発生する圧力P1が面積A1および面積A3に作用して後部マスタピストン62を押圧する前進推力は以下のようになる。
後部マスタピストン前進推力=P1×(A1−A3)
後部マスタピストン62の前進推力により後部液圧室RPLに発生する圧力は、後部マスタピストン62が後部の面積A1と前部の面積A5を異ならせているため比例反力室90Pに発生する圧力P1に対して増圧されて以下のようになる。
後部液圧室RPL圧力=P1×(A1−A3)/A5
実施例では比例反力室90Pに発生する圧力P1と後部液圧室RPLに発生する圧力を同一にするべく面積を設定して、電子制御装置13の演算を簡素化するとともに、液圧源90aの蓄圧圧力を低減させている。
無論、後部マスタピストン62の前部の面積を更に小さくして高い圧力を発生できるようにして液圧源90aの圧力的負担を下げてもよい。
このような自動ブレーキ作動の途中にブレーキ操作子11に入力を加えた場合においても、ブレーキ操作子11の入力に対するストロークは予め設定された剛性にて操作できる。
図4において、ブレーキ操作子11の操作量に略比例して増圧されたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段10では増圧手段90の液圧源90aに蓄圧される圧液を前記操作量に比例して比例反力室90Pに供給すべく液圧制御手段90bが動作する。
液圧制御手段90bの増圧過程ではマスタシリンダ60の比例反力室90Pに連通して増圧ポート16Pに並列に介設される増圧用の常閉型比例電磁弁96a,96bをともにブレーキ操作量に略比例する液圧になるよう開弁するとともに、前記増圧ポート16Pとポンプリザーバ91間に介設される減圧用の常開型比例電磁弁97を閉弁して前記比例反力室90Pの圧力を封じている。
図4の液圧制御手段90bの形態ではブレーキ操作子11の操作量が増加する過程を示しているが、ブレーキ操作子11の操作量が減少する過程では液圧制御手段90bの形態は初期位置に戻り、前記操作量の減少に比例した液圧になるよう減圧用の常開型比例電磁弁97が開弁制御される。
そしてまずブレーキ操作子11の入力がおこなわれると、ストロークピストン35がセット荷重とばね定数の低いシミュレートばね38を最初にたわませながらL1(図2)ストロークするあいだにブレーキ操作量検出手段25が操作量を検出して電子制御装置13により液圧制御手段90bを増圧作動させて比例反力室90Pへの圧力供給を開始する。
後部マスタピストン62と反力ピストン36との間に画成される比例反力室90Pでは、比例反力室90Pの圧力増加に比例して前記反力ピストン36を後退限に押圧する力を高めながら反力ピストン36を後退限にとどめる一方、圧液が後部マスタピストン62を前進させてマスタシリンダ60を昇圧させる。
そして、ストロークシミュレート許容手段SS1は、後部マスタピストン62の反力ピストン36との離間距離LMに比例して後部マスタピストン62に一体形成したストローク許容軸62aの後端62bとストロークピストン35の前端35bとの間隔L1aが発生する。
この時、ストローク許容軸62aの前進によるストロークピストン35の反力ピストン36との相対ストロークの可変許容量はLS+L1aとなるが、ストロークシミュレート手段30のシミュレートラバー39のばね定数が高いためストロークピストン35のストローク量はLSにとどまる。
すなわち、反力ピストン36と後部マスタピストン62との離間距離よりも反力ピストン36とストロークピストン35との相対ストロークのほうが短く設定されることになる。
そして、更にブレーキ操作子11の操作量が上がり比例反力室90Pが増圧手段90の液圧源90aの蓄圧値と同圧にまで達するとストロークピストン35が前進限に当接して、所定反力手段1および比例反力手段2による反力ピストン36を後退させる力よりブレーキ操作子11による反力ピストン36を前進させる力が強くなると、反力ピストン36の前進により後部マスタピストン62を離間させたまま前進させて昇圧を再開する。
ブレーキ操作子11の操作量の減少過程では前述のように液圧制御手段90bを比例反力室90Pの液圧を操作量の減少に対し比例的に低下させる。
図5において、比例反力室90Pに液圧制御手段90bの加圧供給を受けずにブレーキ操作子11の操作力のみにてマスタシリンダ60を昇圧させるブレーキ液圧発生装置10の作動形態を示す。
液圧制御手段90bの加圧供給を受けない比例反力室90Pは減圧用の常開型比例電磁弁97の開弁によりポンプリザーバ91に導通して大気開放されている。
ブレーキ操作子11の操作により、ストロークピストン35は反力ピストン36との相対ストロークLS分ストロークしながら反力ピストン35とともに前進してストロークピストン35の前端35bをストローク許容軸62aの後端62bに当接してストロークシミュレート手段30に操作力を吸収されることなく後部マスタピストン62に伝達してマスタシリンダ60を昇圧させる。
前記相対ストロークLSは、予め設定されたストローク許容軸62aの後端62bとストロークピストン35の前端35bとの間に設定された間隔L1(図2)が置き換わったものである。
また、反力ピストン36の前端36eも後部マスタピストン62の段部62cに当接してはいるものの、その当接力はストロークシミュレート手段30のシミュレートばね38およびシミュレートラバー39の付勢力のみであり、後部マスタピストン62へのブレーキ操作子11の入力伝達はストロークピストン35がストローク許容軸62aを介しておこなうものである。
このように、増圧手段90の加圧供給を伴わないブレーキ液圧発生装置10では後部マスタピストン62の移動量(LM)に対してストロークピストン35の移動量(LZ)は反力ピストン36とのごく少量の相対ストローク(LS)が加算されるのみであり、ブレーキ操作子11の操作ストロークをストロークシミュレート許容手段SS1がストロークシミュレート手段30でのストローク許容量を最小にして後部マスタピストン62に伝達することが可能になっている。
ここで、後部マスタピストン62を押動する際、液圧源90aに蓄圧が無い場合にはマスタシリンダ60の戻しばね73の初期反力のみが作用する。そして、液圧源90aが蓄圧しており、所定反力室90Qの圧力がある場合には前記所定反力手段2の後退推力200〜1000Nが加算されるが法規に定められる倍力失陥制動力を余裕もってクリアできるよう充分な液圧発生が可能に設定されている。
図7は増圧手段90の液圧源90aに備えるアキュムレータ94の特性図を示し、ポンプ93の吐出圧力が上昇してアキュムレータ94の図示せぬブラダゴムの背面に封入される窒素ガスの封入圧を超えるとアキュムレータ94がブレーキ液を吸収開始し、さらなる圧力の上昇に伴い非線形に蓄圧してゆく。
ここで、所定反力室90Qでの反力ピストン36のフルストロークによる容積変化Qに対する圧力変化Pは、アキュムレータ94の全容量に対し微小であるため、反力ピストン36の前進により所定反力室90Qの圧力が異常に上昇して作動に不具合を及ぼすことがないようにされる。
また、万が一アキュムレータ94に封入される窒素ガスの容量がゼロになり、アキュムレータ94が剛体特性になった場合においても、ポンプ93およびアキュムレータ94と所定反力室90Qを接続する液圧路17Aとポンプリザーバ91との間に介設されるリリーフ弁98が所定蓄圧圧力より高いクラッキング圧力になるとポンプリザーバ側にブレーキ液をリリーフして圧力上昇を抑えて所定反力室90Qの容積変化を許容する。
図8のストロークシミュレータ特性を参照して、増圧制御がおこなわれ反力ピストン36が後退限にあり、該反力ピストン36と後部マスタピストン62の離間距離とストロークシミュレート手段30のストローク可変許容量を増加させている状態では、ブレーキ操作子11の入力の増加に伴って該ブレーキ操作子11のストロークがC0〜C1〜C2〜C3の線図に変化する。
先ずブレーキ操作子11の入力を加えていくと、ストロークシミュレート手段30のシミュレートラバー39よりもばね定数が低く設定されるシミュレートばね38がセット荷重を超えてたわみ始めるC0のポイントとなりストロークが立ち上がる。
さらにブレーキ操作子11の入力を加えていくと、シミュレートばね38と直列に張架されるシミュレートラバー39もたわみ始めるC1のポイントになり、シミュレートばね38とシミュレートラバー39との両者が同時にたわみはじめる。
またC0のポイントからC1のポイントへの過程ではブレーキ操作子11の操作量をブレーキ操作量検出手段25が検出して電子制御装置13が液圧制御手段90bを作動させて比例反力室90Pの圧力を上げ始めて反力ピストン36の後退限への当接力を上げる。
さらに入力が加わり、シミュレートばね38とシミュレートラバー39との複合ばね定数にてストロークが増加していくとばねリテーナ37が前進限に当接するC2ポイントになる。
C2ポイントからストロークピストン35が前進限に当接するC3ポイントまではシミュレートラバー39の単独のばね定数でストロークが増加してゆき、該シミュレートラバー39のゴム特性により非線形の線図となる。
そしてブレーキ操作子11の入力減少にともない、ゴム材のヒステリシス特性によってC3〜C2〜C1〜C0の線図を下まわるようにブレーキ操作子11のストロークも減少する。
該ヒステリシスはドライバの操作負担を軽減するものであり、一定踏力をブレーキ操作子11にかけている際の反発感を低減する。
図9の出力液圧特性を参照して、実線で示すK0〜K1〜K2〜K3〜K8はブレーキ操作子11の操作量(入力)に対応してドライバの所望する制動力になるようブレーキ液圧発生装置10の発生する車輪ブレーキ液圧を増圧制御する線図である。
破線で示すK0〜K4〜K5〜K6は車両に備わって図示せぬ回生制動装置に協調して、ドライバの所望する制動力から回生制動力分を差し引いた車輪ブレーキ液圧となるようブレーキ液圧発生装置10が増圧制御される回生協調ブレーキの液圧線図である。
一点鎖線で示すK7〜K8は液圧制御手段90bの増圧作用がなく、ブレーキ操作子11の入力のみで反力ピストン36および後部マスタピストン62を押動前進して発生する液圧線図である。
ドライバの所望する制動力になるよう車輪ブレーキ液圧を増圧する制御では、ブレーキ操作子11が操作されるとブレーキ操作量検出手段25が操作量を検出、電子制御装置13が液圧制御手段90bを制御して比例反力室90Pに加圧供給を開始するK0ポイントになる。
K0〜K1では、いわゆる液圧ジャンピングがおこなわれ車輪および駆動系の慣性力を打ち消すべく、一気に所定圧力まで車輪ブレーキ液圧を上げる。
K1〜K2ではブレーキ操作量に対して比例的に出力液圧を上げて、K2ポイントは液圧源90aの蓄圧圧力と比例反力室90Pの圧力が同じになり、増圧の限界となるが、該圧力は車輪ブレーキがロックする(実際にはロックの手前でABSが作動)のに充分な余裕を持って設定されている。
さらにブレーキ操作子11の入力を上げると所定反力手段1および比例反力手段2による反力ピストン36の後退推力よりブレーキ操作子11による該反力ピストン36の前進推力のほうが強くなり該反力ピストン36の前進による圧力を後方に受けて前進する後部マスタピストン62の発生する昇圧線図K7〜K8に沿って昇圧を再開するK3ポイントとなる。
回生協調ブレーキでは、K7〜K8の線図より下まわるような比例反力室90Pへの加圧供給であると反力ピストン36が前進するおそれがあり、ブレーキ操作子11の操作フィーリングを損なうため、K0〜K4までジャンピングしたのちにK7〜K8線と略平行にオフセットさせて昇圧しK4〜K5となる。
K5〜K6では、通常の増圧線図K1〜K2と略平行にオフセットして昇圧させることにより、K4〜K5〜K6〜K2〜K1〜K4で囲まれる領域を回生ブレーキの回生制動力として電力の回生をおこなうことができる。
なお、回生電力の供給が必要なくなった場合には通常増圧線図K0〜K1〜K2〜K3に垂直移動して車輪ブレーキ液圧を増強すればよいことになる。
図10は本発明の第2実施例を示すものであり、ブレーキ液圧発生装置210は前記第1実施例に対しストロークシミュレート許容手段SS2およびストロークシミュレート手段230、マスタシリンダ260が異なり、第1実施例と作用が同じで形状も同一とする部品には同一の符号を付すとともに説明を省略する。
ストロークシミュレート許容手段SS2はストロークピストン235の前方にストローク許容軸235cを一体に延長形成して、該ストローク許容軸235cは反力ピストン36の第1内径36jを液密で摺動可能に貫通して、さらに反力ピストン36の第1内径36jと同径で後部マスタピストン262の後方より穿設される有底穴262aにシール部材246をもって液密で摺動可能に挿入する。
後部マスタピストン262の有底穴底部262bは側方より連通穴262eが貫通して補給ポートRSPを介して大気圧開放されている。
ストロークピストン235は一体に形成するストローク許容軸235cをシミュレートラバー39の内径部を貫通して段部235aでシミュレートラバー39を押圧可能にするとともにストローク許容軸235cの前端235bを後部マスタピストン262の有底穴底部262bに所定の間隔をもって臨ませている。
このように構成されたブレーキ液圧発生装置210では、液圧制御手段90bの加圧供給を比例反力室90Pに受けるとストローク許容軸235cの反力ピストン36および後部マスタピストン262での受圧断面積が等しくされているため、ストローク許容軸235cには前記加圧供給による軸方向推力が働かずに反力ピストン36とマスタピストン262が離間してマスタシリンダ260が昇圧するとともにストロークシミュレート手段230のストローク許容量を増してゆく。
従って、ストロークシミュレート手段230は前記加圧供給の影響を受けることなくドライバの操作力に対応したストロークをシミュレートするが、ストローク許容軸235cには反力ピストン36および後部マスタピストン262に備えるシール部材45,246の圧力に比例したグリップ力が加わる。
該グリップ力はドライバの操作力減少に伴うストローク許容軸235cの後退に対し、現位置にとどめようとする力になり図8で説明したストローク戻り時のヒステリシス幅をさらに拡げてドライバの操作負担をより軽減することができるようにされている。
図11は本発明の第3実施例を示すものであり、ブレーキ液圧発生装置310は前記第1および第2実施例に対しストロークシミュレート許容手段SS3およびストロークシミュレート手段330、マスタシリンダ360が異なり、第1および第2実施例と作用が同じで形状も同一とする部品には同一の符号を付すとともに説明を省略する。
ストロークシミュレート許容手段SS3はストロークピストン35の前方にストローク許容軸347を独立して備え、該ストローク許容軸347は反力ピストン36の第1内径36jを液密で摺動可能に貫通して、さらに反力ピストン36の第1内径36jと同径で後部マスタピストン262の後方より穿設される有底穴262aにシール部材246をもって液密で摺動可能に挿入する。
後部マスタピストン262の有底穴底部262bは側方より連通穴262eが貫通して補給ポートRSPを介して大気圧開放されている。
ストローク許容軸347は後端347aをストロークピストン35の前端35bに所定の間隔をもって臨ませるとともにストローク許容軸347の前端347bを後部マスタピストン262の有底穴底部262cに当接させている。
このように構成されたブレーキ液圧発生装置310では、液圧制御手段90bの加圧供給を比例反力室90Pに受けるとストローク許容軸347の反力ピストン36および後部マスタピストン262での受圧断面積が等しくされているため、ストローク許容軸347には前記加圧供給による軸方向推力が働かずに反力ピストン36とマスタピストン262が離間してマスタシリンダ360が昇圧するとともにストロークシミュレート手段330のストローク許容量を増してゆく。
ストローク許容軸347は図示のとおり、単純な丸棒形状としており市場に広く流通される軸受用鋼棒などをほとんど無加工で使用して、安価にストロークシミュレート許容手段SS3を構成することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば、請求項および実施例で説明される前方、後方、前部、後部、前端、後端、前進、後退、前進限、後退限などの表現は本発明の車両用ブレーキ装置の初期位置から作動方向への移動を前方向と便宜的に定義するものであり、車両の進行方向を前方向として限定的に定義するものではなく、ブレーキ操作子の支点と作用点との上下位置を入れ替えてマスタシリンダの先端を車両進行方向とは逆とするように設計を変更したものにも適用できる。
また、実施例ではブレーキ液圧発生装置の初期位置でのストロークシミュレート許容手段の初期許容量を所定間隔(図2でのL1)に設定したが、該許容量をなくしてゼロとすることも可能である。
そして、増圧手段の液圧制御手段においても比例反力室に並列に複数接続されて加圧供給する増圧用の常閉型比例電磁弁は同一の諸元のものでもよいが、あえて符号を異にした(96a,96b)ように、たとえば一個の常閉型比例電磁弁の口径を大にして流量をかせぎ、車輪ブレーキの遊びがある低圧領域のみに使用して、他の常閉型比例電磁弁の口径を小にして高圧領域の制御に用いて、口径に圧力を乗じてかかる電気的負担をたがいに補完軽減して使用するようにしてもよい。
実施例では反力ピストン36の前方外径36kのシール部材40を一体に形成するケーシング61に装着しているが、シール部材を環状のガイドに装着して分割されたケーシングで狭持して、組み付けを容易にしてもよい。
車両用ブレーキ装置の全体構成を示すブレーキ液圧系統図 ブレーキ液圧発生装置の非作動初期位置での左側面要部断面図 ブレーキ液圧発生装置の自動作動位置での左側面要部断面図 ブレーキ液圧発生装置の増圧作動位置での左側面要部断面図 ブレーキ液圧発生装置の非増圧作動位置での左側面要部断面図 ストロークシミュレート手段とストロークシミュレート許容手段の左側面要部断面拡大図 アキュムレータ特性図 ストロークシミュレータ特性図 出力液圧特性図 第2実施例のブレーキ液圧発生装置の非作動初期位置での左側面要部断面図 第3実施例のブレーキ液圧発生装置の非作動初期位置での左側面要部断面図
符号の説明
1 所定反力手段
2 比例反力手段
10 ブレーキ液圧発生装置
11 ブレーキ操作子
13 電子制御装置
15 ABS
25 ブレーキ操作量検出手段
30 ストロークシミュレート手段
36 反力ピストン
60 マスタシリンダ
62a,235c,347 ストローク許容軸
SS1,SS2,SS3 ストロークシミュレート許容手段
90 増圧手段
90a 液圧源
90b 液圧制御手段
90P 比例反力室
90Q 所定反力室
96a,96b 増圧用の常閉型比例電磁弁
97 減圧用の常開型比例電磁弁
BFL,BFR,BRL,BRR 車輪ブレーキ

Claims (11)

  1. ブレーキ操作にかかわらず所定の液圧を蓄圧する液圧源と、該液圧源の圧力を調圧して出力する液圧制御手段と、該液圧制御手段に接続する比例反力室に背面を臨ませるマスタピストンを備えて車輪ブレーキに接続されるマスタシリンダと、前記比例反力室に前面を臨ませて前方外径よりも後方外径を大にしてケーシング筒内を液密で摺動可能にして後退限が規制される反力ピストンを有する比例反力手段と、該反力ピストンと前記ケーシングにて画成する所定反力室に前記液圧源を接続する所定反力手段と、該反力ピストンとストロークピストンとの相対ストローク量がブレーキ操作子の入力に連動して可変されるストロークシミュレート手段と、前記反力ピストンと前記マスタピストンとの離間距離に比例するように前記反力ピストンと前記ストロークピストンとの相対ストロークの可変許容量を設定して前記反力ピストンと前記ストロークピストンとの相対ストロークが前記可変許容量に達する場合には前記ストロークピストンが前記マスタピストンを押動可能に連係するストロークシミュレート許容手段とを具備構成することを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記所定反力手段のみによる前記反力ピストンの後退限方向への後退推力を200〜1000Nに設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記所定反力室とポンプリザーバとを接続する液圧路に液圧源の蓄圧圧力値よりも高いクラッキング圧に設定されるリリーフ弁を介設することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記ストロークシミュレート許容手段は、前記マスタピストンの前記比例反力室圧力受圧外径および前記反力ピストンの前記比例反力室圧力受圧外径よりも小径に設定されるストローク許容軸を前記マスタピストンと一体的に後方へ延長して形成され、該ストローク許容軸を前記反力ピストンに液密で摺動可能に貫通して前記ストローク許容軸の後端を前記ストロークピストンの前端に臨ませる構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記ストロークシミュレート許容手段は、前記マスタピストンの前記比例反力室圧力受圧外径および前記反力ピストンの前記比例反力室圧力受圧外径よりも小径に設定されるストローク許容軸を前記ストロークピストンと一体的に前方へ延長して形成され、該ストローク許容軸を前記反力ピストンに液密で摺動可能に貫通して、さらに前記ストローク許容軸を前記マスタピストンの後端より穿設される前記反力ピストンの前記ストローク許容軸貫通穴と同径にして底部を大気圧開放する有底穴に液密で摺動可能に挿通して前記ストローク許容軸の前端を前記有底穴の底部に臨ませる構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 前記ストロークシミュレート許容手段は、前記マスタピストンの前記比例反力室圧力受圧外径および前記反力ピストンの前記比例反力室圧力受圧外径よりも小径に設定されるストローク許容軸を独立して備え、該ストローク許容軸後方を前記反力ピストンに液密で摺動可能に貫通して前記ストローク許容軸後端を前記ストロークピストン前端に臨ませるとともに、前記ストローク許容軸前方を前記マスタピストンの後部より穿設される前記反力ピストンの前記ストローク許容軸貫通穴と同径にして底部を大気圧開放する有底穴に液密で摺動可能に挿通して前記ストローク許容軸の前端を前記有底穴の底部に臨ませる構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  7. 前記反力ピストンに前方を小径とする段付内径を形成し、該段付内径の小径となる前部内径に固定的にシール部材を備えて前記ストローク許容軸を液密で摺動可能に貫通させるとともに、前記段付内径の大径となる後部内径のさらに後部にて摺動後退限を規制される前記ストロークピストンの前方と前記段付内径の段部との間に前記ストローク許容軸の貫通が可能な内径を有する円筒状の弾性部材を備えて、該弾性部材をたわませながら前記ストロークピストンが前記段付内径の後部内径を摺動可能に構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  8. 前記マスタピストンは比例反力室の圧力を受圧する後部受圧部と車輪ブレーキに圧力を発生させる前部受圧部を備え、該前部受圧部と前記後部受圧部との中間部をマスタリザーバに常時連通するとともに、前記マスタピストンの後部受圧部外径断面積A1より該マスタピストンの前部受圧部断面積A5を小さく設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  9. 前記ブレーキ操作子の操作量に略比例して前記比例反力室に前記液圧制御手段の液圧を供給して増圧制御するブレーキ操作量検出手段を含む電子制御装置を備え、前記マスタピストンおよび前記反力ピストンがともに後退限にある初期位置での前記ストロークピストンの前記反力ピストンとの相対ストロークに所定の初期許容量L1を設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  10. 前記ブレーキ操作子の操作量に略比例して前記比例反力室に前記液圧制御手段の液圧を供給して増圧制御する前記ブレーキ操作量検出手段を含む前記電子制御装置を備え、該電子制御装置のブレーキ増圧制御により発生する前記反力ピストンと前記マスタピストンの離間距離よりも前記ストロークピストンの前記反力ピストンとの相対ストローク距離を短くするように前記ストロークシミュレート手段のばね定数を設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  11. ドライバの所望する車両の制動力から電気回生制動力を差し引いた車輪ブレーキ制動力にしてなおかつ、前記反力ピストンを後退限に保持可能な車輪ブレーキ制動液圧となるよう前記比例反力室に接続される前記液圧制御手段を増圧制御する電子制御装置を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
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