JP3975872B2 - 溶融金属中の元素濃度の測定方法と装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、溶融金属中の元素濃度の測定方法と装置、特に溶融はんだ浴中の添加元素の濃度の測定方法と装置に関する。
【0002】
なお、以下において本発明を説明するのに溶融はんだ浴における元素Pの分析法を例にとるが、もとより本発明はそれに限定されるものではない。
【0003】
【従来の技術】
フローソルダリングにおいて、現在、コスト削減のためドロス抑制はんだが使用されている。しかし、ドロス抑制効果を発揮させるために添加しているPは噴流式はんだ槽において経時的に減少することが知られている。操業中にPが減少することで、ドロス抑制効果消失によるコストアップや作業条件の変動による製品品質の低下などが生じるおそれがある。
【0004】
このように、はんだ浴中のP濃度の管理はP添加によるドロスの低減、作業条件の安定化のために、使用条件によっては、頻繁にP濃度を数ppm レベルで確認し、P濃度が低下したら即座にはんだ槽中のP濃度を調整する必要がある。そこで、はんだ中のP濃度を低コストで、簡易に、短時間で、数ppm レベルまで測定する方法が必要となるが、現状の測定法でこれらの要求を満たすものは存在しない。
【0005】
これまで、はんだの成分分析法としては、一般的にICP 発光分析、EPMA分析があるが、これらの分析法では装置が高価であって設備投資額が大きくなり、また分析に時間を要する。そのような分析手法による限り、設備投資を押さえ、低コストではんだ中のP濃度を簡便に分析することは不可能である。更に、Pに対するICP 発光分析においては、予備処理中にPが消失する可能性があり、更にSnを含有する場合は、PのICP 発光分析のピーク値とSnのピーク値とが、ピーク値の分離が不可能なレベルで重なり、しかもSn系合金においてSnのICP 発光分析のピーク値に対する理論的な統計誤差をP濃度に換算すると2〜3ppm 程度となり、P量が10ppm 以下の測定精度は極端に低下する。
【0006】
現在のところ、はんだ槽中にPを添加する手段としては、Pを多く含有したはんだを連続もしくは定期的に供給する等の方法があるが、上述のようにP濃度が未知の状態ではP添加量は作業者の経験に基づいて勘でもって決めている状況であり、操業条件の変動およびそれに起因する品質の低下などは避けられない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにPの低減による不利益ばかりでなく、過剰にPを添加すると、はんだの機械的特性に悪影響を及ぼすため、はんだ槽内のP濃度を簡易に、しかも、短時間で把握することは非常に重要である。
【0008】
ここに、本発明の課題は、溶融金属中の特定元素、具体的には、例えば、はんだ槽中のP濃度を簡易に、かつ短時間に、更に、数ppm のレベルまで測定可能な方法・装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる課題を解決する手段について種々検討を重ねた結果、次のような知見を得て、本発明を完成した。
【0010】
図1は、溶融はんだ金属のような物質A中の中元素Bの濃度と当該溶融金属の表面色彩Yとの関係を示すグラフである。
図1に示す場合を溶融はんだに元素Pを添加する場合として考えると、次のようなことが知見される。
【0011】
(1)溶融はんだ表面の色の変化ははんだ中のP濃度に依存し、ある特定範囲のP濃度 (X1 〜X2)において急激に色の変化が生じる。
(2)溶融はんだ表面の色を識別することにより、容易に、はんだ中のP濃度がX1 以下もしくはX2 以上か判断できる。
【0012】
(3)予め、溶融はんだ表面の色の変化とはんだ中のP濃度の関係を調査することにより、X2 以上のPを含有するはんだをPの含有しないはんだで希釈して、P濃度をX1 −X2 の領域にもちきたし、溶融はんだ表面の色を比較することによりそのときのP濃度を決定し、次いで希釈率を考慮することでP濃度が未知のはんだ中のP濃度を決定できる。X1 以下のPを含有するはんだの場合は上述とは反対に濃縮すればよい。
【0013】
(4)溶融金属表面の性状変化、例えばはんだ浴の表面の色の変化が、はんだ中の元素濃度に依存する場合は、P以外の元素においても同様の手法により、はんだ中の元素濃度を測定できる。
【0014】
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は次の通りである。
もっとも広義には、本発明は、元素Xの濃度に応じて表面色彩のような表面性状の変化を呈する金属における元素Xの濃度の測定方法であって、元素Xの濃度を変えたときの表面色彩のような表面性状をもって元素Xの濃度を決定する金属中、例えば溶融金属中の元素濃度の測定方法である。
【0015】
元素Xの濃度の決定は、予め元素Xの濃度と表面性状の関係を求めておき、それに基づいて行ってもよい。
測定すべき試料は、元素Xを希釈したものであっても、濃縮したものであってもよい。
【0016】
本発明にかかる測定装置は、広義には、試料を保持する保持区画と、該保持区画の上方に設けられた、該試料の表面色彩を観察する観察区画とを備えた溶融金属浴における元素Xの濃度の測定装置であって、前記保持区画には試料を溶融状態に維持する手段および溶融試料の表面を露出させる手段を設け、前記観察区画には光源と撮像手段とが設けられていることを特徴とする溶融金属中の元素濃度の測定装置である。
【0017】
より具体的には、本発明にかかる測定装置は、好ましくは外光を遮断した本体と、該本体内に設置された、試料容器内の試料はんだを所定温度に加熱できる加熱装置と、該加熱装置の近傍に取付られた、試料容器内の溶融試料はんだの表面に形成されたはんだの酸化膜を例えば掻き寄せるなどの手段で除去して溶融試料はんだ表面を露出させる装置(例:スキージ)と、前記加熱装置の上方に設置された、所定範囲の波長の光を照射する照明装置および溶融試料はんだの表面を映し出す撮像装置(例:カメラ)とを備えていることを特徴とする。
【0018】
前記照明装置または撮像装置には、所定範囲の波長の光を透過若しくは吸収するフィルタが取り付けられていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明の測定原理について説明するが、本発明は表面性状の変化に基づいて特定元素の濃度を測定するのであるが、以下においては、溶融はんだの表面色彩の変化によってはんだ合金中の元素X、例えばPの濃度を決定する方法によって本発明を説明する。
【0020】
すなわち、本発明にかかる表面色彩の変化による特定元素の濃度の簡易測定法の原理は、図1を参照して一般化して説明すれば、次の通りである。
元素Bの添加により物質Aの表面色彩は変化するが、表面色彩Yは元素Bの濃度に依存し、かつ、元素Bの濃度に伴いその表面色彩Yは領域X1 −X2 におけるように単調に変化する場合が存在する。本発明は予めそのような領域における元素Bの濃度と表面色彩との関係を求めておき、それを利用するのである。ここに、溶融金属の「表面色彩」は、RBG 値、ある波長の光における反射係数等の指標を使って数値化しておくか、あるいは色度計をつかって計測してもよい。
【0021】
物質Aに元素Bを添加した場合、元素Bの濃度Xと表面の色彩Yの関係を測定し、図1のように、表面色彩Yを物質A中の元素Bの濃度Xの関数 (Y=f(X))として求めておく。これはY=f(X)がXに対して単調増加、もしくは単調減少する領域について予め求めておくのである。
【0022】
ここに、物質Aに元素Bが含有されており、その未知濃度αとすると、次の3つの場合が考えられる。
(i) X1 <α<X2
(ii) X2 ≦α
(iii)α≦X1
【0023】
このような場合分けは、経験的に行うことができる。あるいは一旦経験による場合分けして測定してから、再度別の場合に該当するとして測定を繰り返すことで、確認をすることができる。確認のための測定によって濃度が決定できないときには、当初の場合分けが正しくないとするのである。
【0024】
(i) X1 <α<X2 の場合:
濃度αと表面色彩Yとの関係が一義的に決まるため、表面色彩Yを測定することで、予め求めておいたそのような関係 (Y=f(X))を利用して、元素Bの濃度αを求めることができる。
【0025】
(ii) X2 ≦αの場合:
この場合には、表面色彩Yより一義的にαを決定できない。
したがって、物質A中に未知濃度αの元素Bを含有する物質C(Wc)、つまり測定すべき試料を物質A(Wa)で希釈し、表面の色彩Yαを計測する。
【0026】
このようにして希釈することで、Yα=f(X)を満たすX=Xαが一義的に決定されるとき、希釈率zα=Wc / (Wc +Wa)とすると、α=Xα/zαと表すことができる。このときの希釈率も、経験的に決めることができ、あるいは幾つか試みることで最適希釈率を決定すればよい。
【0027】
Yα=f(X)を満たすX=Xαが一義的であることとは、Y=f(X)はXに対して単調増加、もしくは単調減少することより、df(X)/dXα≠0を満たすこと、つまり、元素Bの濃度がXαである物質A' に対して更に元素Bを添加した場合について、表面の色彩Yの変化が計測可能であることを示す。
【0028】
具体的には、図1における斜線領域のX1 〜X2 の範囲であれば、Yα=f(X)を満たすX=Xαは一義的に決定される。
(iii)α≦X1
この場合にも、表面色彩Yより一義的にαを決定できない。
【0029】
前述のα≧X2 の場合には、希釈することで図1の斜線領域、つまり単調増加領域にくるようにしたが、α≦X1 の場合には、同様の原理によって、高濃度の元素Bを含む材料を添加して元素Bの濃度を濃縮することによってαを決定することが可能である。この場合には、希釈率の代わりに濃縮率を考慮すればよい。
【0030】
本例では希釈・濃縮するいずれの場合も同一物質AにPを含むものを使用したが、表面色彩に特に影響を与えないものであれば、近似の物質を代わりに用いてもよい。
【0031】
ここに、Sn-Ag-Cu系はんだ合金を溶融し、これにPを添加してドロス抑制を行っているはんだ浴を例にとって、本発明にかかる上述のような表面色彩の変化による特定元素の濃度の簡易分析装置およびそれを利用した測定法の具体例を説明する。
【0032】
図2は、本発明にかかる方法を実施するための装置の概略説明図であり、これは、試料を保持する保持区画と、この保持区画の上方に設けられた、前記試料を観察する観察区画とを備えた溶融系における元素Xの濃度の測定装置である。
【0033】
ここに、前記保持区画には試料を溶融状態に維持する手段および試料の表面を露出する手段を設け、前記観察区画には、光源と撮像手段とが設けられている。図中、前記保持区画を構成する加熱ヒータを備えた加熱炉には、通常溶融金属である浴が収容されており、加熱媒体を構成する。浴の上には、濃度を測定すべきぶっしつの溶融浴を収容する平底型の容器が設けられている。
【0034】
かかる加熱炉の上部に設けられ、観察用の撮像装置、例えばカメラが設置された観察区画の内側は黒体壁で包囲され、その入口はフィルタで仕切られている。濃度を測定すべき試料は、適宜設けた入口から容器内に供給され、周囲の加熱浴によって溶融状態となる。あるいは予め溶融状態で供給された試料の場合には溶融状態が維持される。
【0035】
溶融金属がはんだ合金であって、濃度を計測すべき元素がPの場合には、周囲の雰囲気中の酸素によって表面が酸化し、酸化皮膜でもって溶融金属表面が覆われることから、へらあるいはスキージ等の表面を露出させる手段をつかって表面を露出させる。
【0036】
このとき上部のカメラによって撮像する。観察区画には光源、例えばライトが設けられているが、これは溶融金属の表面性状をより明確に撮像することのできる光の波長に応じた光源を与えるためである。
【0037】
次に、図示例の本発明の簡易分析装置について、さらに具体的に述べると、前記保持区画を構成する本体1、加熱装置2、試料容器3、およびスキージ4、そして前記観察区画を構成する照明装置5、撮像装置6から構成されている。
【0038】
本体1は、好ましくは、外部から光が侵入しないように密閉されており、側壁に後述する試料容器3を出し入れできる扉7が設置されている。扉7は矢印Aのように開閉可能となっていて試料容器の出し入れ時に開け、分析時には閉めておく。
【0039】
加熱装置2は、試料容器3内の試料はんだSを加熱するものであり、本発明では一定温度で均一加熱するために、はんだ槽8を用いている。はんだ槽8内には電熱ヒータ9が配設されているとともに、はんだ10が入れられている。はんだ槽8の上部には、はんだ槽内に入れられたはんだ10の温度を管理制御するための熱電対11が挿入されている。はんだ槽8は本体1の下部に設置されており、はんだ槽8と本体1との間には断熱材12が充填されている。
【0040】
試料容器3は、はんだ槽8よりも小さなシャーレ状であり、はんだが付着しにくいステンレス鋼のような金属材料で作られている。試料容器3には、はんだ槽8の上端に係合可能なフランジ13が上部に形成されている。
【0041】
スキージのような表面露出装置4は、本体1の外部から挿入された摺動棒15に掻き板14が固定されて構成されている。表面露出装置4を構成する掻き板14は試料容器3内の試料はんだS中に少し浸漬できるようになっており、摺動棒15は外部から摺動させることにより矢印Bのように往復動し、また外部から回転させることにより掻き板14が矢印Cのように回転するようになっている。
【0042】
照明装置5は、上部に反射板16が張設され、その下にライト17が取り付けられて構成されており、下部にフィルタ18が設置されている。反射板16はライト17の光を反射させるものであり、フィルタ18はライトの光の中から所定の色だけを透過させるとともにライト自体が映るのを防止するものである。
【0043】
撮像装置であるカメラ6は、照明装置5の中央に設置されており、照明装置5から照射され、試料はんだSで反射されてきた所定の色の光を映像として捕らえるようになっている。カメラ6にも必要な色だけを透過させるフィルタを取りつけておいてもよい。
【0044】
次に上記構成から成る本発明の簡易分析装置で、はんだ中に存在するのPの含有量を分析する方法について説明する。
先ず加熱装置であるはんだ槽8内の電熱ヒータ9に通電し、はんだ10を溶融させるとともに、所定の温度の溶融状態に保持する。
【0045】
本体1の外部において試料容器3に溶融させた試料はんだSを適量入れてから、本体1の扉7を開けて試料容器3を本体1内に入れる。本体1内に入れた試料容器3はフランジ13をはんだ槽8の上端に載置させることによりはんだ槽のはんだ10中に浸漬させる。このとき表面露出装置であるスキージ4が試料容器の載置に邪魔とならないように摺動棒15で最奥方(図中右方)に引いておくとともに摺動棒15を回転させて掻き板14を上方に向けておく。
【0046】
試料容器3をはんだ槽8中の溶融はんだ10に一定時間浸漬して、試料容器3内の試料はんだSがはんだ槽中の溶融はんだ10と同一温度になるようにする。試料はんだSがはんだ槽8のはんだ10と同一温度になったならば、摺動棒15を最先方(図中左方)に移動させてから摺動棒15を回転させて掻き板14を試料はんだS中に浸漬する。そして摺動棒15を奥方に引いて掻き板14で試料はんだSの上部に形成されていた酸化膜を掻き寄せ、その表面を露出させる。
【0047】
スキージ4の掻き板14で酸化膜を掻き寄せた直後は、輝いた金属色であるが、時間の経過とともに掻いた部分が酸化して再度酸化膜に覆われる。そこで所定の時間経過後にカメラ6で試料はんだSの掻いた部分の酸化膜の色を映し出し、別途作成した標準色と比較してそのときのPの濃度を決定する。
【0048】
溶融金属の表面は絶えず酸化条件におかれるため表面色彩は絶えず変化している。そのため表面色彩は常に一定時点、つまり表面を露出させた時点、あるいはそれから一定時間経過した時点というように常に同じ状態で評価するようにすることが望ましい。場合によっては金属光沢の変化、酸化皮膜の濃淡による表面光沢の変化が特徴的な表面色彩を構成するからである。
【0049】
本発明をはんだ合金におけるP元素の濃度測定に関連させて説明してきたが、その他、代表例としては、はんだ合金に元素Ge、Gaの濃度測定を示すことができる。
【0050】
次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに具体的に説明する。
【0051】
【実施例】
本例では、図2に示す装置を使い、上述の例における物質Aに Sn-3%Ag-0.5%Cuはんだ合金を使用し、元素BとしてPの分析を行った。
【0052】
かかる装置を使ってP含有 Sn-3%Ag-0.5%Cuはんだ合金 (物質C) のP濃度の測定を行った。本例では、Pを含有しない同じ組成の物質Aによって希釈する場合を示す。
【0053】
▲1▼物質Aおよび物質Cを一定量、ステンレス鋼製シャーレに入れ、250 ℃に保持し、液相とする。このときの物質Aの配合量、つまり希釈率は、予め決めておいて、P濃度が表面色彩によって一義的に決定できる濃度範囲、例えば図1のX1 −X2 の濃度領域となるようにする。
【0054】
▲2▼シャーレ内の物質Aおよび物質Cが完全に溶解し、250 ℃になったことを確認後、ステンレス鋼製へらで5回攪拌し、表面の酸化被膜を除去し、一定時間t放置する。
【0055】
▲3▼一定時間t放置後に、酸化被膜の一部を取り除き、シャーレ内の物質A+物質Cの表面の色を目視で観察し、カメラで写真を取る。
ここで、表面色彩変化による特定元素における簡易測定を実施するために、物質A+PにおけるP濃度と、表面の色彩Yの関係を予め求めておいて、その関係を利用して、上記物質A+物質CにおけるP濃度を求め、そのときの希釈率を考慮して、物質CにおけるP濃度に換算するのである。
【0056】
ここに、色彩Yに関しては、予め物質Aの表面をカメラで写真撮影し、P濃度の変化に対するその色の変化を測定し、その関係を求めておく。物質Aの表面の色をRBG 値(Red 、Blue、Green)=(DR 、DB 、DG ) で示すと、P添加に伴い、DB /DR またはDB /DG が増加し、一定量以上のPの添加によりDB /DR またはDB /DG の増加傾向は消失する。
【0057】
目視で観察すると物質Aは黄色を呈し、元素B添加に伴い色が薄くなり、銀白色に近づき、過剰の添加では色の変化はほとんど見られない。
よって、色彩Yに関してはRBG 値、もしくは、目視による黄色の濃さを限度見本により規定ランク分けした。
【0058】
本発明によれば、上記はんだ合金におけるP含有量の場合であれば、所要時間は5〜10分であって5〜1000ppm 程度までの分析は可能である。
【0059】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、次のような作用効果を得ることができる。
(1)ある物質表面の色が添加元素濃度に依存性を有する場合、その添加元素の濃度を低コストで、簡易に、短時間で測定できる。
【0060】
(2)はんだ槽中のP、および、はんだ表面の色を変化させる添加元素、例えば、Ge、Ga、etc の濃度管理が低コストで、簡易にでき、はんだ付け作業性の安定化、および、P消失時におけるドロス発生によるコストの増加を抑制できる。
【0061】
(3)同様の原理を使用し、溶融はんだ表面の色の変化以外に、固体表面光沢、あるいは固体はんだ表面への特定物質の濡れ状態(水、有機溶剤、低温はんだetc)等の表面性状と添加元素濃度との相互依存性を明らかにすることにより、添加元素の濃度を低コストで、簡易に、短時間で測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる計測方法の原理を説明するグラフである。
【図2】本発明にかかる方法を実施するための装置の概略説明図である。

Claims (10)

  1. 元素Xの濃度に応じて表面色彩の変化を呈する溶融はんだ浴における元素Xの濃度の測定方法であって、元素Xの濃度を変えたときの表面色彩をもって元素Xの濃度を決定することを特徴とする溶融はんだ中の元素濃度の測定方法。
  2. 元素Xの濃度に応じて表面色彩の変化を呈する溶融はんだ浴における元素Xの濃度の測定方法であって、元素Xの濃度を測定すべき試料を希釈したときの表面色彩をもって元素Xの濃度を決定することを特徴とする溶融はんだ中の元素濃度の測定方法。
  3. 元素Xの濃度に応じて表面色彩の変化を呈する溶融はんだ浴における元素Xの濃度の測定方法であって、元素Xの濃度を測定すべき試料を濃縮したときの表面色彩をもって元素Xの濃度を決定する溶融はんだ中の元素濃度の測定方法。
  4. 予め元素Xの濃度と表面色彩との関係を求めておき、当該関係に基づいて元素Xの濃度を決定する請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 元素Xの濃度に応じて表面性状の変化を呈するはんだにおける元素Xの濃度の測定方法であって、元素Xの濃度を変えたときに現れる固体表面光沢および固体はんだ表面への特定物質の濡れ状態から選択される表面性状の変化をもって元素Xの濃度を決定することを特徴とするはんだ中の元素濃度の測定方法。
  6. 試料を保持する保持区画と、該保持区画の上方に設けられた、該試料の表面色彩を観察する観察区画とを備えた溶融はんだ浴における元素Xの濃度の測定装置であって、前記保持区画には試料を溶融状態に維持する手段および溶融試料の溶融表面を露出させる手段を設け、前記観察区画には光源と撮像手段とを設けたことを特徴とする溶融はんだ中の元素濃度の測定装置。
  7. 本体と、該本体内に設置された、試料容器内の試料はんだを所定温度に加熱できる加熱装置と、該加熱装置の近傍に取付られた、試料容器内の溶融試料はんだの表面に形成されたはんだの酸化膜を除去して溶融試料はんだの表面を露出させる装置と、前記加熱装置の上方に設置された、所定範囲の波長の光を照射する照明装置および溶融試料はんだの表面を映し出す撮像装置とを備えていることを特徴とする溶融はんだ中の元素濃度の測定装置。
  8. 前記照明装置には、所定範囲の波長の光を透過若しくは吸収するフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 前記撮像装置には、所定の色の光だけを透過させるフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の装置。
  10. 前記加熱装置がはんだ槽であることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の装置。
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