JP3975774B2 - 車両用電子制御システム及びシステム動作検査装置 - Google Patents

車両用電子制御システム及びシステム動作検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の制御装置の連係動作によって制御対象を制御する車両用電子制御システム、及び、このシステムの動作状態を検査するのに使用されるシステム動作検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両において、複数の制御装置がデータを送受信することにより連係動作し、制御対象となる車載装置を制御する電子制御システムが知られている。
【0003】
例えば、運転者や他の制御装置システムから車両に対する加・減速指令を受け付ける上位の制御装置と、車両の駆動・制動系を構成しているエンジン,自動変速機,ブレーキ装置等の制御対象を個々に制御する下位の制御装置とからなり、上位の制御装置が、加・減速指令に対応した制御要求を下位の制御装置に送信して、下位の制御装置に車両の駆動・制動力を制御させることにより、車両を加・減速させる車両駆動・制動系の制御システム、或いは、使用者からドアのロック・アンロックやパワーウィンドウのアップ・ダウン等の指令を受け付ける制御入力側の制御装置と、ドアのロック・アンロック、パワーウィンドウのアップ・ダウン等を行う各種アクチュエータを駆動する制御出力側の制御装置とからなり、制御入力側の制御装置が、使用者から受け付けた指令に対応する制御要求を制御出力側の制御装置に送信することで、ドアのロック・アンロックやパワーウィンドウのアップ・ダウン等を使用者からの指令に応じて実行させる車両ボディ系の制御システム、等がそれである。
【0004】
ところで、このように複数の制御装置が連係動作することにより所望の制御を実現する車両用電子制御システムでは、システムに何等かの異常が発生すると、その原因を特定するのが難しいという問題がある。特に、何等かの原因で単発的に発生する低頻度の動作不良の原因を特定するのは、極めて困難である。
【0005】
そこで、従来より、こうした低頻度の不具合の原因を容易に特定できるようにする技術として、例えば、特開平7−181112号公報に開示されているように、複数の制御対象を各々制御する下位の制御装置に、故障診断を行う自己診断機能を持たせ、故障を診断すると、故障内容を表す情報と故障の日時を表す時刻情報とを、故障診断した制御装置若しくは上位の制御装置に記憶することが提案されている。
【0006】
つまり、この提案のシステムでは、制御装置で何らかの異常が発生した際に、その内容と発生日時とを自動で記憶しておくことで、その記憶した診断履歴を用いて、故障原因を容易に特定できるようにしているのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案のシステムでは、制御装置自らが自己の故障診断を行うようにされているので、例えば、上位の制御装置から下位の制御装置に至る制御要求の伝送系で異常が発生して、下位の制御装置に制御要求が伝達されたかった場合(換言すれば制御対象に対する制御が実行されなかった場合)や、逆に、上位の制御装置が制御要求を行っていないにもかかわらず、下位の制御装置が上位の制御装置から制御要求があったとものとして、誤った制御要求に従い制御対象を制御したような場合(換言すれば運転者等からの指令がないにも関わらず制御対象を勝手に制御してしまった場合)には、下位の制御装置でその旨を検出して履歴として残すことができず、結局、こうした誤制御の原因を究明するには時間がかかるという問題があった。
【0008】
また、上記提案のシステムでは、異常が発生した日時を表す時刻情報を記憶するので、故障の履歴を記憶する制御装置には必ず時計機能を持たせる必要があり、時計機能を持たない制御装置や、時計機能を持った制御装置において時計機能が故障したような場合には、故障の履歴を残すことができず、異常原因の究明に時間がかかるという問題もある。
【0009】
尚、上述した誤制御の原因を容易に特定できるようにするためには、各制御装置が行った通信の履歴を残すことが考えられるが、このような履歴を残すには、履歴を残すメモリの記憶容量を大きくしなければならず、各制御装置に大容量のメモリを組み込むことのできないシステムでは、実現できないという問題がある。
【0010】
また、この場合、上記提案のシステムのように、通信の履歴として、通信の内容と通信時刻とを記憶するようにすると、各制御装置に必ず時計機能を持たせなければならず、上記と同様の問題が発生する。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、通信システムを用いた複数の制御装置の連係動作によって制御対象となる車載装置を制御する車両用電子制御システムにおいて、各制御装置での通信の履歴を、時計機能を利用することなく、しかも、効率よく残すことで、誤制御の原因を短時間で究明できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両用電子制御システムは、外部から入力される制御指令を受け付け、その制御指令に応じた制御要求を送信する入力制御装置と、この入力制御装置が送信した制御要求に従い制御対象を制御する出力制御装置とを備える。
【0012】
そして、入力制御装置では、外部から制御指令が入力されると、まず、指令内容判定手段が、その入力された制御指令は、履歴を残すように予め設定された特定指令であるか否かを判断し、制御指令が履歴を残すべき特定指令であれば、制御要求送信手段が、その制御指令の指令内容に制御要求の送信回数を表すカウンタ情報を付与した情報を、制御要求として、出力制御装置側に送信すると共に、その送信した指令内容とカウンタ情報とを送信履歴として、送信履歴記憶媒体に記憶する。また、制御要求送信手段は、指令内容判定手段にて、外部から入力された制御指令は履歴を残すべき特定指令ではないと判定されると、少なくともその指令内容を表す情報を制御要求として、出力制御装置側に送信する。
【0013】
一方、出力制御装置では、入力制御装置が送信した制御要求が入力されると、制御実行手段が、その制御要求に従い制御対象を制御し、制御要求判定手段が、その制御要求の指令内容が、履歴を残すべき特定指令であるか否かを判断する。そして、制御要求判定手段にて、制御要求の指令内容が特定指令であると判定されると、受信履歴記憶手段が、その指令内容と制御要求に含まれるカウンタ情報とを受信履歴として受信履歴記憶媒体に記憶する。
【0014】
つまり、本発明の車両用電子制御システムでは、入力制御装置及び出力制御装置が送信或いは受信した制御要求の内、履歴を残すように予め設定されている特定指令の制御要求に対して履歴(送信履歴、受信履歴)を残すようにされており、しかも、その履歴(送信履歴、受信履歴)は、制御要求の指令内容と、入力制御装置からの制御要求の送信回数を表すカウンタ情報とから構成される。
【0015】
また、入力制御装置及び出力制御装置には、夫々、送信履歴出力手段及び受信履歴出力手段が設けられており、これら各履歴出力手段は、外部から送信履歴又は受信履歴の読み出し要求が入力されると、その要求に応えて、送信履歴記憶媒体又は受信履歴記憶媒体に記憶された送信履歴又は受信履歴を出力する。
【0016】
従って、本発明の車両用電子制御システムによれば、外部から制御指令を入力したにも関わらず、その制御指令に対応して制御対象が制御されない場合、或いは、外部から制御指令を入力していないにも関わらず、制御対象が誤制御された場合等には、各制御装置に設けられた履歴出力手段に対して履歴の読出要求を入力して、各制御装置から送信履歴及び受信履歴を出力させ、これら各履歴をカウンタ情報に関連づけて比較することにより、誤制御の原因が入力制御装置側にあるのか出力制御装置側にあるのかを簡単に特定できることになる。
【0017】
また、送信履歴記憶媒体及び受信履歴記憶媒体に記憶される送信履歴及び受信履歴は、予め履歴を残すように設定された特定指令に関する履歴であり、各制御装置が行った制御要求の送・受信の履歴ではないため、記憶媒体に記憶される情報量を必要最小限に抑えることができ、記憶媒体の記憶容量を小さくできる。
【0018】
また更に、送信履歴及び受信履歴は、制御要求の指令内容と、入力制御装置からの制御要求の送信回数を表すカウンタ情報とから構成されており、従来のように送・受信を行った日時を表す時刻情報を送・受信の履歴として残す必要がないため、各制御装置に時計機能を持たせる必要がない。
【0019】
よって、本発明によれば、制御に異常が生じた際に、その異常の原因を各制御装置間での制御要求の送・受信の履歴から容易に(換言すれば短時間で)究明し得る車両用電子制御システムを、比較的簡単な構成で、安価に実現できることになる。
【0020】
尚、入力制御装置において、指令内容判定手段にて制御指令は特定指令ではないと判定された場合に制御要求送信手段が送信する制御要求としては、制御指令の指令内容のみを表す情報であってもよく、後述実施例のように、指令内容判定手段にて制御指令は特定指令であると判定された場合に送信する制御要求と同じ指令内容とカウンタ情報とからなる情報であってもよい。また、この制御要求送信手段が送信する制御要求には、これら制御指令の指令内容やカウンタ情報以外の情報を含むようにしてもよい。
【0021】
ここで、本発明の車両用電子制御システムは、上記のように、各制御装置間での制御要求の送・受信の履歴を残すことによって、異常発生時の原因究明を短時間で行えるようにしているのであるが、制御要求を受ける出力制御装置側では、制御対象の制御状態やそのときの周囲環境等によっては、制御要求を受け付けても、それに対応した制御の実行条件が成立せずに、制御対象を制御することができないことがあり、このような場合には、送・受信の履歴だけで誤動作の原因を究明できないという問題が生じる。
【0022】
そこで、このような問題を防止するには、請求項2に記載のように、出力制御装置において、受信履歴記憶手段が、指令内容及びカウンタ情報だけでなく、当該出力制御装置の動作状態を表す情報についても、受信履歴として受信履歴記憶媒体に記憶するようにするとよい。
【0023】
つまり、このようにすれば、例えば、外部から入力された制御指令に対応して制御対象が制御されず、そのときの送・受信の履歴から、各制御装置間での制御要求の送・受信が正常であったことが判明した場合に、その原因は、出力制御装置の誤動作によるものか、或いは、出力制御装置は正常に動作しており、単に制御の実行条件が成立していなかったためであるか、といったことを簡単に究明できることになる。
【0024】
尚、請求項2に記載の車両用電子制御システムにおいて、受信履歴記憶手段が受信履歴として記憶する当該出力制御装置の動作状態を表す情報としては、制御対象の状態を表す情報、周囲の情報(車両の走行状態や周囲温度等)、出力制御装置自体の情報(電源投入からの経過時間等)等を挙げることができるが、請求項3に記載のように、この情報には、制御実行手段が制御要求の指令内容に従い制御対象を実際に制御したか否かを表す制御結果情報を含めることが望ましい。
【0025】
つまり、こうした制御結果情報を履歴として残せば、制御要求に従い出力制御装置が制御対象を制御しなかったのか、制御対象を制御したにもかかわらず実際には制御できなかったのかを特定できることになり、出力制御装置自体の故障診断を簡単に行うことができるようになる。
【0026】
また、出力制御装置が現在時刻を計時する時計を内蔵している場合には、請求項4に記載のように、受信履歴記憶手段が、受信履歴の一つとして、その時計により計時された現在時刻を表す時刻情報を残すようにしてもよい。
記憶するようにしてもよい。
【0027】
そして、このようにすれば、入力制御装置と出力制御装置との送・受信の履歴から、何らかの異常があったことが判明した場合に、その異常発生時刻を特定して、その時刻から異常の原因を究明する、といったことが可能となる。
ところで、本発明(請求項1〜4)では、入力制御装置と出力制御装置とが、送・受信の履歴情報として各制御装置共通のカウンタ情報を記憶することにより、異常原因を各履歴のカウンタ情報を用いて特定できるようにしているのであるが、このためには、入力制御装置が履歴を残すべき特定指令の制御要求を送信する際に、必ずしも、指令内容にカウンタ情報を付与した情報を送信する必要はなく、請求項5に記載のように、指令内容にカウンタ情報と一定の関係にある数値情報を付与した情報を制御要求として送信するようにしてもよい。
【0028】
即ち、請求項5記載の車両用電子制御システムにおいては、入力制御装置側では、指令内容判定手段にて制御指令が特定指令であると判定された際に、制御要求送信手段が、送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報と一定の関係にある数値情報を指令内容に付与した情報を、制御要求として送信し、出力制御装置側では、受信履歴記憶手段が、制御実行手段が取得した制御要求に含まれる数値情報を、入力制御装置の制御要求送信手段が送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報に変換し、その変換したカウンタ情報と指令内容とを受信履歴記憶媒体に記憶する。
【0029】
この結果、請求項5に記載の車両用電子制御システムにおいても、上記請求項1〜4に記載のシステムと同様、入力制御装置と出力制御装置とは、送・受信の履歴情報として、各制御装置共通のカウンタ情報を記憶することになり、異常発生時には、各履歴のカウンタ情報を用いて異常原因を容易に特定できるようになる。
【0030】
一方、本発明は、上述した車両・駆動系の制御システムのように、出力制御装置としての下位の制御装置を複数有し、これら各制御装置に対して入力制御装置としての上位の制御装置が各種制御要求を送信する制御システムであっても、或いは、外部からの制御指令を受け付ける入力制御装置を複数有し、これら各入力制御装置が1又は複数の制御出力装置に制御要求を送信する制御システムであっても、適用できるが、例えば、制御指令を受け付ける入力制御装置と制御対象を制御する出力制御装置とは別に、入力制御装置からの制御要求を受信して、制御要求の内容をそのまま若しくは一部変更して出力制御装置側に送信する中間制御装置を備えた制御システムに適用する場合には、その中間制御装置を、請求項6に記載のように構成するとよい。
【0031】
つまり、請求項6に記載の車両用電子制御システムにおいて、中間制御装置は、入力制御装置から制御要求を受信し、その制御要求の指令内容が履歴を残すべき特定指令であるか否かを判断する受信内容判定手段と、この受信内容判定手段にて制御要求の指令内容が特定指令であると判定されると、その制御要求を出力制御装置に転送すると共に、制御要求の指令内容とカウンタ情報とを通信履歴として通信履歴記憶媒体に記憶し、受信内容判定手段にて制御要求の指令内容が特定指令ではないと判定されると、制御要求を出力制御装置に転送する制御要求転送手段と、外部から通信履歴の読み出し要求が入力されると、通信履歴記憶媒体に記憶された前記通信履歴を出力する通信履歴出力手段とから構成されている。
【0032】
このため、請求項6に記載の車両用電子制御システムによれば、入力制御装置及び出力制御装置だけでなく、これら制御装置間での制御要求の中継を行う中間制御装置においても、出力制御装置側に送信した制御要求の内、履歴を残すように予め設定されている特定指令の指令内容とカウンタ情報とが通信履歴として残されることになり、外部からの制御指令に対応して制御対象を制御できない場合には、各制御装置から送信履歴、通信履歴、及び受信履歴を夫々出力させて、各履歴をカウンタ情報に関連づけて比較することにより、誤制御の原因が各制御装置のいずれにあるのかを簡単に特定できることになる。
【0033】
また、中間制御装置により通信履歴記憶媒体に記憶される通信履歴は、送信或いは受信履歴と同様、予め履歴を残すように設定された特定指令に関する履歴であり、しかも、その履歴情報は、制御要求の指令内容と入力制御装置からの制御要求の送信回数を表すカウンタ情報とから構成されることから、上記請求項1〜請求項4に記載のシステムと同様の効果を得ることができる。
【0034】
ここで、請求項6に記載の車両用電子制御システムにおいて、中間制御装置の制御要求転送手段は、請求項7に記載のように、受信内容判定手段にて制御要求の指令内容が特定指令であると判定された際には、指令内容及びカウンタ情報だけでなく、当該中間制御装置の動作状態を表す情報についても、通信履歴として通信履歴記憶媒体に記憶するようにしてもよい。
【0035】
そして、このようにすれば、請求項2に記載のシステムと同様、制御要求転送手段が、中間制御装置の動作状態に応じて入力制御装置側から受信した制御要求を出力制御装置側に転送するか否かを決定できるようにされている場合に、中間制御装置で生じた異常原因を簡単に究明できるようになる。
【0036】
また、中間制御装置をこのように構成する場合、制御要求転送手段が通信履歴として記憶する当該中間制御装置の動作状態を表す情報としては、中間出力装置の周囲の情報(車両の走行状態や周囲温度等)や中間制御装置自体の情報(電源投入からの経過時間等)等を挙げることができるが、請求項8に記載のように、この情報には、制御要求転送手段が制御要求を制御実行手段に送信したかを表す送信結果情報を含めることが望ましい。
【0037】
つまり、こうした送信結果情報を通信履歴として残せば、外部からの入力指令に対応した制御要求を中間制御装置から出力制御装置に伝送できなかった場合に、中間制御装置が出力制御装置に制御要求を転送したにもかかわらず実際には転送できなかったのか、或いは、中間制御装置が出力制御装置への制御要求の転送を中止したのかを特定できることになり、中間制御装置自体の故障診断を簡単に行うことができるようになる。
【0038】
また、中間制御装置が現在時刻を計時する時計を内蔵している場合には、請求項9に記載のように、制御要求転送手段が、通信履歴の一つとして、その時計により計時された現在時刻を表す時刻情報を残すようにしてもよい。
そして、このようにすれば、請求項4に記載のシステムと同様、各制御装置に記憶された履歴情報から、何らかの異常があったことが判明した場合に、その異常発生時刻を特定して、その時刻から異常の原因を究明する、といったことが可能となる。
【0039】
ところで、中間制御装置を備えた請求項6〜請求項9記載のシステムでは、入力制御装置と中間制御装置と出力制御装置とが、履歴情報として各制御装置共通のカウンタ情報を記憶することにより、異常発生の原因を各履歴のカウンタ情報を用いて特定できるようにしているのであるが、このためには、入力制御装置が履歴を残すべき特定指令の制御要求を送信する際に、必ずしも、指令内容にカウンタ情報を付与した情報を送信する必要はなく、また、中間制御装置が入力制御装置からの制御要求をそのまま転送する必要もない。
【0040】
例えば、入力制御装置において、指令内容判定手段にて制御指令が特定指令であると判定された際に、制御要求送信手段が、送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報ではなく、このカウンタ情報と一定の関係にある数値情報を、指令内容に付与して、制御要求を送信するように構成しても、中間制御装置及び出力制御装置を請求項10に記載のように構成するか、或いは、中間制御装置を請求項11に記載のように構成すれば、各制御装置において各履歴記憶媒体に記憶されるカウンタ情報を一致させることができ、請求項6〜請求項9と同様の効果を得ることができる。
【0041】
即ち、請求項10記載の車両用電子制御システムでは、中間制御装置において、受信内容判定手段にて制御要求の指令内容が特定指令であると判定されると、制御要求転送手段が、入力制御装置から取得した制御要求を出力制御装置に転送すると共に、その制御要求に含まれる数値情報を、入力制御装置の制御要求送信手段が送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報に変換し、その変換したカウンタ情報と指令内容とを通信履歴記憶媒体に記憶する。また、出力制御装置においても、中間制御装置と同様に、受信履歴記憶手段が、制御実行手段が取得した制御要求に含まれる数値情報を、入力制御装置の制御要求送信手段が送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報に変換し、その変換したカウンタ情報と指令内容とを受信履歴記憶媒体に記憶する。
【0042】
また、請求項11記載の車両用電子制御システムでは、中間制御装置において、受信内容判定手段にて制御要求の指令内容が特定指令であると判定されると、制御要求転送手段が、入力制御装置から取得した制御要求に含まれる数値情報を、入力制御装置の制御要求送信手段が送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報に変換し、その変換したカウンタ情報と指令内容とを制御要求として出力制御装置に転送すると共に、その変換したカウンタ情報と指令内容とを通信履歴記憶媒体に記憶する。
【0043】
このように、入力制御装置が送信する制御要求に送信履歴として記憶されるカウンタ情報を含めることができない場合であっても、請求項10及び請求項11に記載のように、入力制御装置が送信する制御要求に、そのカウンタ情報に一定の関係にある数値情報を含め、中間制御装置や出力制御装置側で、その数値情報からカウンタ情報を生成するようにすれば、入力制御装置、中間制御装置、及び、出力制御装置において、共通のカウンタ情報を特定指令の送・受信の履歴として残すことができるようになり、上記請求項6〜請求項9と同様の効果が得られる車両用電子制御システムを構築することができる。
【0044】
尚、入力制御装置が送信する制御要求に、制御要求送信手段が送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報が含まれるものの、中間制御装置がそのカウンタ情報をそのまま出力制御装置に転送することができないような場合には、請求項12に記載のように、中間制御装置において、受信内容判定手段にて制御要求の指令内容が特定指令であると判定された際に、制御要求転送手段が、指令内容と入力制御装置から取得した制御要求に含まれるカウンタ情報とを通信履歴記憶媒体に記憶し、出力制御装置には、その通信履歴記憶媒体に記憶したカウンタ情報と一定の関係にある数値情報を指令内容に付与した情報を、制御要求として出力制御装置に転送するようにし、出力制御装置においては、受信履歴記憶手段が、制御実行手段が取得した制御要求に含まれる数値情報を、入力制御装置の制御要求送信手段が送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶するカウンタ情報に変換し、その変換したカウンタ情報と指令内容とを受信履歴記憶媒体に記憶するようにすればよい。
【0045】
一方、請求項6〜請求項12に記載のシステムのように、入力制御装置と出力制御装置との間に制御要求を中継する1又は複数の中間制御装置を備えた車両用電子制御システムにおいては、必ずしも全ての制御装置に制御要求の送受信の履歴を記憶する機能を持たせる必要はなく、中間制御装置等、一部の制御装置では制御要求の履歴を記憶しないようにしてもよい。但し、このようにすると、異常が発生した際にその原因を特定できる精度が荒くなるため、原因の究明に時間がかかることがある。
【0046】
また、入力制御装置が制御要求の送信履歴を記憶するのに用いる送信履歴記憶媒体、出力制御装置が制御要求の受信履歴を記憶するのに用いる受信履歴記憶媒体、或いは、中間制御装置が制御要求の通信履歴を記憶するのに用いる通信履歴記憶媒体は、必ずしも、対応する制御装置に設ける必要はなく、例えば、その制御装置が車内LANを介して他の制御システム用の制御装置と通信可能であれば、その制御装置を構成しているメモリ等を、履歴記憶用の記憶媒体として用いるようにしてもよい。
【0047】
一方、請求項13に記載のシステム動作検査装置は、上述した請求項1〜請求項12何れか記載の車両用電子制御システムにおいて、その制御システムの動作状態を検査するためのものである。
そして、この検査装置においては、履歴情報取得手段が、車両用電子制御システムを構成している各制御装置内の履歴出力手段から、各履歴記憶媒体に記憶された履歴情報を取得し、履歴情報表示手段が、その取得した各制御装置毎の履歴情報を、その履歴情報に含まれるカウンタ情報に関連付けてソートし、表示装置に一覧表示する。
【0048】
このため、使用者は、表示装置に一覧表示された履歴情報から、同一カウンタ情報に対応する履歴情報がない制御装置を探すことによって、誤動作した制御装置若しくは通信系を簡単に特定できるようになる。
尚、請求項13に記載のシステム動作検査装置においては、更に、請求項14に記載のように、履歴情報表示手段を、外部から指定された1つの指令内容に関する履歴情報のみを選択的に表示できるように構成するとよい。
【0049】
つまり、このようにすれば、使用者は、各指令内容毎に表示装置に履歴情報を表示させて、不具合が発生しているか否かの判断及びその発生原因を特定できることになり、システム動作検査装置の使い勝手を向上できる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用された実施例の自動車用キーレスエントリシステム全体の構成を表すブロック図である。
【0051】
図1に示すように、本実施例のキーレスエントリシステムは、携帯型の送信装置2と、自動車に搭載された受信装置4と、同じく自動車に搭載され、ドアのロック・アンロック、パワーウィンドウのアップ・ダウン等を行うボディECU(ECU:電子制御装置の略)6とから構成されている。
【0052】
送信装置2は、使用者が自動車から離れた位置でドアのロック・アンロックやパワーウインドウのアップ・ダウン等の各種操作を行えるようにするためのものであり、本発明の入力制御装置に相当する。
そして、この送信装置2は、使用者が手動で操作することによりドアのロック・アンロック、パワーウィンドウのアップ・ダウン等の制御指令を入力するためのドアロックSW(SWはスイッチを表す)12及びドアアンロックSW14と、これら各SW12,14からの入力信号を処理する入力処理部16と、使用者が入力してきた制御指令の内容(制御要求)を表すデータを、アンテナ18aを介して、車両側の受信装置4に無線にて送信する無線送信部18と、入力処理部16から指令信号を取り込み、その指令信号(詳しくは各SW12,14の連続操作時間等)から使用者が入力した制御指令の内容を識別して、その指令内容に対応した送信データを生成し、無線送信部18から送信させる、マイクロコンピュータからなる制御部20と、制御部20が無線送信部18から送信させた送信データの内容(つまり制御要求)を送信履歴として記憶するための記憶部22と、当該送信装置2の動作モードを上記各SW12,14からの制御指令に従い制御要求を送信する通常モードから、記憶部22に記憶された送信履歴を読み出し、送信する履歴読出モードに切り換えるための動作モード切換SW24とから構成されている。
【0053】
尚、記憶部22は、本発明の送信履歴記憶媒体に相当するものであり、本実施例では、不揮発性のメモリ(例えば、EEPROM)にて構成されている。
次に、受信装置4は、送信装置2からの送信データを受信し、車内LANを介してボディECU6に転送するためのものであり、本発明の中間制御装置に相当する。
【0054】
そして、この受信装置4は、送信装置2のアンテナ18aから送信された送信電波をアンテナ32aを介して受信する無線受信部32と、この無線受信部32にて受信された受信信号から送信装置2からの送信データを復元したり、イグニッションSW(IGSW)36から入力されるIG信号(IGSW36のON・OFF状態を表す信号)を処理する入力処理部34と、自動車内に配線された車内LAN用の伝送線に接続され、ボディECU6や車両に搭載された他の制御装置との間でデータ通信を行う有線通信部38と、入力処理部34で復元された送信データを一旦取り込み、車内LANで伝送可能なデータに変換して、有線通信部38からボディECU6に転送させる、マイクロコンピュータからなる制御部40と、制御部40が有線通信部38からボディECU6に送信させたデータの内容(つまり制御要求)を通信履歴として記憶するための記憶部42とから構成されている。
【0055】
尚、記憶部42は、本発明の通信履歴記憶媒体に相当するものであり、送信装置2の記憶部22と同様、不揮発性のメモリ(例えば、EEPROM)にて構成されている。
また次に、ボディECU6は、送信装置2から受信装置4及び車内LANを介して送信されてきた制御指令、或いは、車両乗員が車室内に設けられたドアロック・アンロックSW56やパワーウィンドSW58を操作することにより入力してきた制御指令に従い、ドアロック・アンロックACT(ACTはアクチュエータを表す)62やパワーウィンドACT64を駆動制御するためのものであり、本発明の出力制御装置に相当する。
【0056】
そして、このボディECU6は、自動車内に配線された車内LAN用の伝送線に接続され、受信装置4や車両に搭載された他の制御装置との間でデータ通信を行う有線通信部52と、この有線通信部52にて受信された受信装置4からの送信データを復元したり、ドアロック・アンロックSW56及びパワーウィンドSW58からの入力信号を処理する入力処理部54と、ドアロック・アンロックACT62やパワーウィンドACT64を駆動する出力処理部66と、入力処理部54で復元された受信装置4からの送信データ(制御指令)や上記各SW56,58からの入力信号(制御指令)に従い、出力処理部66を介して上記各ACT62,64を駆動制御する、マイクロコンピュータからなる制御部60と、制御部60が入力処理部54から取り込んだ受信装置4からの送信データの内容(つまり制御要求)を受信履歴として記憶するための記憶部68とから構成されている。
【0057】
尚、記憶部68は、本発明の受信履歴記憶媒体に相当するものであり、送信装置2の記憶部22や受信装置4の記憶部42と同様、不揮発性のメモリ(例えば、EEPROM)にて構成されている。
また、ボディECU6に接続されるドアロック・アンロックSW56、パワーウィンドSW58,ドアロック・アンロックACT62,パワーウィンドACT64は、車両の各ドア毎に設けられており、制御部60は、ドアロック・アンロックSW56或いはパワーウィンドSW58から制御指令が入力されると、これら各SW56,58に対応したドアのドアロック・アンロックACT62或いはパワーウィンドACT64を駆動する。
【0058】
一方、受信装置4とボディECU6とを接続する車内LAN用の伝送線には、車両に搭載された他の制御装置が接続される他、当該キーレスエントリシステムの動作状態を検査して故障診断を行うための検査装置(本発明のシステム動作検査装置に相当する)80を接続できるようにされている。
【0059】
この検査装置80は、パーソナルコンピュータ等からなる情報処理装置であり、検査結果を表示するための表示装置82を備えている。そして、検査装置80は、受信装置4及びボディECU6から、車内LANを介して、記憶部42,68内に記憶された履歴情報を取得すると共に、送信装置2から、記憶部22内に記憶された履歴情報を取得し、各履歴情報から使用者が要求する故障診断を行い、その結果を表示装置82に表示する。
【0060】
次に、本実施例のキーレスエントリシステムを構成する送信装置2,受信装置4,及びボディECU6の制御部20,40,60にて、送信装置2を操作した使用者からの制御指令に従いドアロック・アンロックACT62及びパワーウィンドACT64を駆動制御するために実行される制御処理を、図2〜図5を用いて説明し、その後、検査装置80にて当該システムの故障診断のために実行される制御処理を、図6及び図7を用いて説明する。
【0061】
まず、図2は、送信装置2の制御部20にて実行される制御処理を表すフローチャートであり、(a)は、送信装置2の動作モードが通常モードであるときに実行される制御処理を表し、(b)は、送信装置2の動作モードが履歴読出モードであるときに実行される制御処理を表す。
【0062】
図2(a)に示すように、通常モードでは、制御部20は、S110(Sはステップを表す)にて、ドアロックSW12若しくはドアアンロックSW14が操作されたか否かを判断することにより、これらのSW12,14が操作されるのを待ち、SW操作があると、続くS120にて、操作されたSW12,14の種別や操作回数から、使用者がSW操作によって指令してきた指令内容が、ドアのロック指令、アンロック指令、パワーウィンドウの閉指令(アップ指令)、開指令(ダウン指令)のいずれであるかを識別する。
【0063】
そして、続くS130では、S120の処理によって識別した指令内容を表す制御要求の送信条件が成立しているか否か(例えば、S120にて指令内容を識別できたか否か)を判断し、送信条件が成立していなければ、再度S110に移行する。また、逆に送信条件が成立していれば、S140にて、制御要求の送信回数を表すカウンタ情報を更新し、続くS150にて、今回送信する制御要求の指令内容にS140で更新したカウンタ情報を付与した情報を送信装置2からの制御要求として、無線送信部18から受信装置4に向けて送信させる。
【0064】
そして、続くS160では、S150で送信した制御要求(換言すれば、制御指令)は、予め履歴を残すように設定された特定指令(本実施例では、上記各指令の内、パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令)であるか否かを判断し、今回送信した制御指令が特定指令でなければ、そのままS110に移行する。
【0065】
また、S160にて、今回送信した制御指令は特定指令であると判断された場合には、S170に移行して、図5(a)に示すように、今回送信した制御指令の指令内容(制御種別)とカウンタ情報とを送信履歴として記憶部22に記憶し、S110に移行する。
【0066】
一方、図2(b)に示すように、送信装置2が履歴読出モードにあるときは、制御部20は、S190にて、ドアロックSW12若しくはドアアンロックSW14が操作されたか否かを判断することにより、これらのSW12,14が操作されるのを待ち、SW操作があると、S195にて、記憶部22に記憶された送信履歴を読み出し、これを送信装置2の履歴情報として、無線送信部18から送信させた後、S190に移行する。
【0067】
尚、S195にて送信した履歴情報は、検査装置80に受信され、故障診断に使用される。そして、本実施例では、S160にて実行される判定処理が、本発明の指令内容判定手段として機能し、S150及びS170の処理が、本発明の制御要求送信手段として機能し、履歴読出モードで実行されるS190及びS195の処理が、本発明の送信履歴出力手段として機能する。
【0068】
次に、図3は、受信装置4の制御部40にて実行される制御処理を表すフローチャートである。
図3に示すように、制御部40は、まずS210にて、無線受信部32で送信装置2からの送信データ(つまり制御要求)が受信されたか否かを判断し、制御要求が受信された場合には、S220に移行して、現在の車両状態(IGSW36のON・OFF状態等)を判定し、続くS230にて、その判定結果から、今回受信した制御要求をボディECU6に送信する送信条件が成立しているか否か(例えば、IGSW36がOFF状態であるか否か)を判断し、送信条件が成立していれば、S240に移行し、逆に、送信条件が成立していなければ、S270に移行する。
【0069】
次に、S240では、送信条件が成立しているので、今回受信した制御要求を、有線通信部38からボディECU6に向けて送信(転送)させ、続くS250にて、今回送信装置2から受信した制御要求の指令内容(制御指令)は、予め履歴を残すように設定された特定指令(パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令)であるか否かを判断する。
【0070】
そして、S250にて、今回受信した制御指令は特定指令ではないと判断されると、通信履歴を残す必要がないので、そのままS210に移行し、逆に、S250にて、今回受信した制御指令は特定指令であると判断されると、S260にて、その指令内容(制御種別)及びカウンタ情報に、受信装置4側で送信を許可した旨を表す許可情報を付与した情報を、当該受信装置4の通信履歴として記憶部42に記憶した後、S210に移行する。
【0071】
また次に、S270では、S250と同様、送信装置2からの制御指令は特定指令(パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令)であるか否かを判断する。そして、S270にて、制御指令は特定指令であると判断されると、S280にて、今回受信した制御要求の指令内容(制御種別)及びカウンタ情報に、受信装置4側で送信を禁止した旨を表す禁止情報を付与した情報を、当該受信装置4の通信履歴として記憶部42に記憶した後、S210に移行する。また、逆に、S270にて、今回受信した制御指令は特定指令ではないと判断されると、そのままS210に移行する。
【0072】
尚、S260或いはS280の処理によって記憶部42に記憶される通信履歴は、図5(b)に示すように、送信装置2からの制御要求の指令内容(制御種別)とカウンタ情報に、受信装置4側での制御要求の送信結果を表す結果情報a(許可情報又は禁止情報)を付与したものとなる。
【0073】
一方、S210にて、無線受信部32で送信装置2からの制御要求が受信されていないと判断された場合には、S290に移行して、有線通信部38が、車内LANに接続された検査装置80が受信装置4に対して送信してきた通信履歴の読み出し要求(履歴読出要求)を受信したか否かを判断する。
【0074】
そして、有線通信部38が履歴読出要求を受信した場合には、S295にて、記憶部42に記憶された通信履歴を読み出し、これを受信装置4の履歴情報として、有線通信部38から、履歴読出要求を送信してきた検査装置80に送信させた後、S210に移行し、逆に、有線通信部38が履歴読出要求を受信していなければ、そのままS210に移行する。
【0075】
尚、S295にて送信した履歴情報は、検査装置80側で当該システムの故障診断に使用される。そして、本実施例では、S250及びS270にて実行される判定処理が、本発明の受信内容判定手段として機能し、S240、S260及びS280の処理が、本発明の制御要求転送手段として機能し、履歴情報を送信するために実行されるS290及びS295の処理が、本発明の通信履歴出力手段として機能する。
【0076】
次に、図4は、ボディECU6の制御部60にて実行される制御処理を表すフローチャートである。
図4に示すように、制御部60は、まずS310にて、有線通信部52で受信装置4からの送信データ(つまり制御要求)が受信されたか否かを判断し、制御要求が受信された場合には、S320に移行して、現在の車両状態(例えば、車両の走行状態、パワーウィンドウのロック状態等)を判定し、続くS330にて、その判定結果から、今回受信した制御要求に従いドアロック・アンロックACT62或いはパワーウィンドACT64を制御する条件が成立しているか否かを判断し、制御条件が成立していれば、S340に移行し、逆に、制御条件が成立していなければ、S370に移行する。
【0077】
次に、S340では、制御条件が成立しているので、受信装置4から送信されてきた制御要求に従い、ドアロック・アンロックACT62或いはパワーウィンドACT64を駆動し、続くS350にて、受信装置4から送信されてきた制御要求の指令内容(制御指令)は、予め履歴を残すように設定された特定指令(パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令)であるか否かを判断する。
【0078】
そして、S350にて、受信装置4から送信されてきた制御指令は特定指令であると判断されると、S360にて、今回受信した制御要求の指令内容(制御種別)及びカウンタ情報に、ボディECU6でパワーウィンドACT64の制御を許可した旨を表す許可情報を付与した情報を、当該ボディECU6の受信履歴として記憶部68に記憶した後、S310に移行する。また、S350にて、受信装置4から送信されてきた制御指令は特定指令ではないと判断されると、そのままS310に移行する。
【0079】
次に、S370では、S350と同様、受信装置4から送信されてきた制御指令は、予め履歴を残すように設定された特定指令(パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令)であるか否かを判断する。
そして、S370にて、受信装置4から送信されてきた制御指令は特定指令であると判断されると、S380にて、今回受信した制御要求の指令内容(制御種別)及びカウンタ情報に、ボディECU6でパワーウィンドACT64の制御を禁止した旨を表す禁止情報を付与し、これを受信履歴として記憶部68に記憶した後、S310に移行する。また、S370にて、受信装置4から送信されてきた制御指令は特定指令ではないと判断されると、そのままS310に移行する。
【0080】
尚、S360或いはS380の処理によって記憶部68に記憶される受信履歴は、図5(c)に示すように、受信装置4から送信されてきた制御要求の指令内容(制御種別)とカウンタ情報に、ボディECU6での制御結果を表す結果情報b(許可情報又は禁止情報)を付与したものとなる。
【0081】
一方、S310にて、有線通信部52で受信装置4からの制御要求が受信されていないと判断された場合には、S390に移行して、有線通信部52が、車内LANに接続された検査装置80がボディECU6に対して送信してきた履歴読出要求を受信したか否かを判断する。
【0082】
そして、有線通信部52が履歴読出要求を受信した場合には、S395にて、記憶部68に記憶された通信履歴を読み出し、これをボディECU6の履歴情報として、有線通信部52から、履歴読出要求を送信してきた検査装置80に送信させた後、S310に移行し、逆に、有線通信部52が履歴読出要求を受信していなければ、そのままS310に移行する。
【0083】
尚、S395にて送信した履歴情報は、検査装置80側で当該システムの故障診断に使用される。そして、本実施例では、S240にて実行されるアクチュエータの駆動処理が、本発明の制御実行手段として機能し、S350及びS370にて実行される判定処理が、本発明の制御要求判定手段として機能し、その判定結果に応じて実行されるS360及びS380の処理が、本発明の受信履歴記憶手段として機能し、履歴情報を送信するために実行されるS390及びS395の処理が、本発明の受信履歴出力手段として機能する。
【0084】
以上説明したように、送信装置2、受信装置4、及びボディECU6では、使用者によるドアロックSW12或いはドアアンロックSW14の操作、若しくは、これに伴う制御要求の送受信によって得られた制御指令が、ドアのロック或いはアンロック指令であれば、その制御指令に対応した送信履歴、通信履歴、及び受信履歴は記憶せず、制御指令が、パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令であるときに限って、その指令内容を表す制御種別を送信装置2からの送信回数を表すカウンタ情報と一緒に、送信履歴、通信履歴、及び受信履歴として記憶し、しかも、その記憶した履歴の読み出し要求があれば、これを検査装置80に向けて送信する。
【0085】
従って、本実施例のキーレスエントリシステムによれば、使用者がSW操作によって送信装置2に制御指令を入力したにも関わらず、その制御指令に対応してパワーウィンドウが制御されない場合、或いは、使用者がSW操作によって送信装置2に制御指令を入力していないにも関わらず、パワーウィンドウが誤制御された場合等には、後述の検査装置80を用いて、誤制御の原因がどこにあるのかを簡単に特定できることになる。
【0086】
尚、本実施例において、制御要求の指令内容が、パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令であるときに限って、履歴を記憶するようにしているのは、システムを構成する各装置に充分な記憶容量を持つことができる場合は、ロック・アンロックも記憶すればよいが、コストの面で充分な記憶容量を持つことができない場合は、より誤作動の影響の大きいものを優先して記憶し、速やかに原因を特定して改善を図る必要があるからである。
【0087】
つまり、パワーウィンドウの誤作動、特に、勝手にパワーウィンドウがダウンしてしまった場合、盗難や、雨水の浸入等の被害につながるので、影響が大きいため、本実施例では、指令内容が、パワーウィンドウのアップ或いはダウン指令であるときに限って、履歴を記憶するようにしているのである。
【0088】
また、特に、本実施例では、受信装置4が送信装置2からパワーウィンドウのアップ或いはダウン指令を表す制御要求を受けると、その制御要求の指令内容とカウンタ情報に、制御要求の送信結果を表す結果情報aを付与した履歴情報を記憶し、更に、ボディECU6が受信装置4からパワーウィンドウのアップ或いはダウン指令を表す制御要求を受けると、その制御要求の指令内容とカウンタ情報に、制御結果を表す結果情報bを付与した履歴情報を記憶するようにされている。従って、後述の検査装置80を用いた故障検査時に、これら各結果情報a,bを確認することにより、受信装置4やボディECU6での動作不良をより正確に判断できるようになる。
【0089】
また、本実施例では、従来のように、送信装置2、受信装置4、及びボディECU6に、履歴情報として個々の時刻情報を記憶させるのではなく、時刻情報に代えて、送信装置2からの制御要求の送信回数を表すカウンタ情報を記憶させるようにされているので、これら各装置2、4、6に時計機能を持たせる必要がない。このため、本実施例によれば、制御に異常が生じた際に、その異常の原因を容易に究明し得るキーレスエントリシステムを、比較的簡単な構成で、安価に実現できることになる。
【0090】
次に、図6は、検査装置80にて本実施例のキーレスエントリシステムの故障診断を行うために実行される制御処理を表すフローチャートであり、図7は、その制御処理によって表示装置82に表示される診断結果の表示例を表す説明図である。
【0091】
図6に示す制御処理は、サービス工場等で検査装置80が車内LANに接続され、使用者が、キーレスエントリシステムの故障診断プログラムを起動した際に検査装置80にて実行される処理を表しており、この処理が開始されると、まず、S410にて、送信装置2から履歴情報を入手する。
【0092】
具体的には、本実施例の送信装置2は、動作モードが通常モードから履歴読出モードに切り換えられた状態で、ドアロックSW12若しくはドアアンロックSW14を操作すると、無線送信部18から履歴情報を無線にて送信するようになっているので、S410では、使用者が送信装置2をこのように操作することによって送信装置2から無線にて送信されてくる履歴情報を受信する。
【0093】
次に、S420及びS430では、車内LANを使って、受信装置4及びボディECU6に夫々履歴読出要求を送信し、その履歴読出要求に従って受信装置4及びボディECU6から送信されてくる、各装置4,6の履歴情報を受信する、といった手順で、受信装置4及びボディECU6から履歴情報を入手する。
【0094】
そして、続くS440では、S410〜S430にて入手した履歴情報を表示装置82にどのように表示させるかを使用者に設定させるための履歴表示条件設定画面を表示装置82に表示し、S450にて、その表示した履歴表示条件設定画面に従い、使用者が履歴表示条件を設定したか否かを判断することにより、履歴表示条件が設定されるのを待つ。
【0095】
尚、この履歴表示条件表示画面では、S410〜S430にて入手した履歴情報の一覧をそのまま表示装置82に表示させるか、特定の指令内容(本実施例では、パワーウィンドのアップ指令若しくはダウン指令)に対する履歴情報の一覧を表示させるかを選択したり、履歴情報の表示の際に、履歴内容を比較して、異常が発生していると思われる履歴情報のみを表示するか否かを選択することができるようにされている。
【0096】
そして、S450にて、履歴表示条件が設定されたと判断されると、続くS460にて、指定された制御種別の履歴情報を、カウンタ情報の最新順にソートし、表示装置82にその一覧を表示する(図7に示す表示例参照)。
尚、S450では、表示装置82に表示する履歴情報として、全ての履歴情報を表示する旨が設定されている場合には、S410〜S430にて入手した全ての履歴情報の一覧をカウンタ情報の最新順にソートして表示装置82に表示させ、特定の指令内容(パワーウィンドのアップ指令又はダウン指令)に対する履歴情報の一覧を表示させる旨が設定されている場合には、S410〜S430にて入手した履歴情報の中から、その設定された特定の指令内容に関する履歴情報のみを選択して、その履歴情報をカウンタ情報の最新順にソートして表示装置82に表示させる。
【0097】
こうして、表示装置82に、履歴情報の一覧を表示すると、今度は、S470に移行し、その表示した履歴情報の内容を比較して、異常が発生していると思われる履歴情報のみを表示する内容比較設定がなされているか否かを判断する。
そして、内容比較設定がなされていなければ、S440に移行し、内容比較設定がなされていれば、続くS480に移行して、現在表示装置82に表示している履歴情報の内容をカウンタ情報毎に比較することで、異常があったと思われる履歴情報を注出し、続くS490にて、その結果を表示装置82に表示した後、S440に移行する。
【0098】
尚、S480で実行される履歴内容の比較処理は、例えば、現在表示している履歴情報の一覧の中から、カウンタ情報が一致する履歴情報毎に、送信装置2、受信装置4、及びボディECU6に履歴が残っているか否かを判定すると共に、禁止情報が付与された履歴情報が存在するか否かを判定し、送信装置2、受信装置4、及びボディECU6に履歴が残っていない履歴情報や、禁止情報が付与された履歴情報があれば、その履歴情報を履歴情報を注出する、といった手順で実行される。
【0099】
この結果、その注出結果を表示するS480の処理が実行されると、表示装置82には、図7に示すパワーウィンドウのアップ指令に関する履歴情報の内、禁止情報を含むカウンタ情報「01000101」の履歴情報や、履歴無しを含むカウンタ情報「01000011」の履歴情報が注出されて、表示装置82に表示されることになる。
【0100】
以上説明したように、本実施例の検査装置80では、送信装置2、受信装置4及びボディECU6から履歴情報を入手して、使用者が指定した指令内容に対応する履歴情報を選択し、その選択した履歴情報を、カウンタ情報の最新順にソートして表示装置82に表示させる。このため、使用者は、その表示された履歴情報の一覧から、各カウンタ情報毎に、送信装置2、受信装置4及びボディECU6のいずれかで履歴の残っていないものや、履歴が残っていても禁止情報が付与されているものを探すことによって、異常原因を容易に特定できることになる。
【0101】
また特に、本実施例では、履歴表示条件の設定によって、特定の指令内容に対応した履歴情報のみを表示装置82に表示させたり、更に、異常が発生していると考えられる履歴情報のみを表示装置82に表示させることができるので、異常原因をより簡単に特定できることになる。
【0102】
尚、本実施例においては、S410〜S430の処理が、本発明の履歴情報取得手段として機能し、S440〜S490の処理と表示装置82とによって、本発明の履歴情報表示手段としての機能が実現される。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0103】
例えば、上記実施例では、受信装置4及びボディECU6において、送信装置2或いは受信装置4から送信されてきた制御要求の指令内容とカウンタ情報に結果情報a,bを付与したものを、履歴情報として記憶部42,68に記憶するものとして説明したが、例えば、こうした結果情報a,bに加えて、許可・禁止の判定に用いた車両状態や、周囲環境(温度等)を表す情報を付与するようにしてもよい。また、受信装置4或いはボディECU6が現在時刻を計時する時計機能を有する場合には、その時計機能によって得られた現在時刻を表す時刻情報についても、履歴情報として記憶するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施例では、送信装置2は、送信する制御要求の指令内容(制御指令)が履歴を残すべき特定指令であるか否かにかかわらず、常に、指令内容とカウンタ情報とからなる制御要求を送信するものとして説明したが、制御指令が特定指令である場合にだけ、指令内容とカウンタ情報とからなる制御要求を送信し、制御指令が特定指令ではない場合には、指令内容(制御種別)を表す情報のみを制御要求として送信するようにしてもよい。
【0105】
尚、上記実施例のように、送信装置2から、常に指令内容とカウンタ情報とからなる制御要求を送信するようにした場合には、この制御要求を受信する受信装置4やボディECU6側で、前回受信したカウンタ情報と今回受信したカウンタ情報とを比較することにより、制御要求を送信してきた送信装置2が当該システム用のものであるか否かを判断して、当該システムの不正操作を防止する、といったことができる。
【0106】
また、上記実施例では、送信装置2が送信する制御要求には、送信履歴として記憶するカウンタ情報がそのまま付与されるものとして説明したが、制御要求に含める情報は、送信履歴として記憶するカウンタ情報と一定の関係を有する数値情報であってもよい。
【0107】
つまり、この場合、受信装置4及びボディECU6を、その数値情報から、送信装置2が送信履歴として記憶するカウンタ情報を生成して、送信装置2と同じカウンタ情報を通信履歴或いは受信履歴として記憶できるようにすれば、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0108】
例えば、キーレスエントリシステムでは、従来より、不正操作を防止するために、使用者が操作する度にカウントアップされるカウンタを送信装置2に設け、送信装置2からの制御要求の送信時には、指令内容を表す情報(制御種別)と一緒に、そのカウンタによるカウント値(所謂ローリングコード)を送信することが考えられているが、このローリングコードは、データ長が極めて長いことから、これをそのまま本発明のカウンタ情報として利用すると、各装置で履歴を記憶するのに用いる記憶部の容量を大きくしなければならない。このため、送信装置2が、このようなローリングコードを含む制御要求を送信するように構成されたシステムであれば、そのローリングコードの下位ビットデータ若しくはローリングコードと一定の関係をもつデータを、履歴用のカウンタ情報として使用するようにしてもよい。
【0109】
また更に、上記実施例では、本発明をキーレスエントリシステムに適用した場合について説明したが、本発明は、複数の制御装置からなる車両用電子制御システムであれば、どのようなシステムであっても、また、システムの一部分を構成するサブシステムであっても、上記実施例と同様に適用して、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のキーレスエントリシステム全体の構成を表すブロック図である。
【図2】 実施例の送信装置で実行される制御処理を表すフローチャートである。
【図3】 実施例の受信装置で実行される制御処理を表すフローチャートである。
【図4】 実施例のボディECUにて実行される制御処理を表すフローチャートである。
【図5】 実施例の送信装置、受信装置、及びボディECUで記憶される履歴情報を表す説明図である。
【図6】 実施例の検査装置にて実行される制御処理を表すフローチャートである。
【図7】 実施例の検査装置による履歴情報の表示例を表す説明図である。
【符号の説明】
2…送信装置、4…受信装置、6…ボディECU、12…ドアロックSW、14…ドアアンロックSW、16,34,54…入力処理部、18…無線送信部、20,40,60…制御部、22,42,68…記憶部、24…動作モード切換SW、32…無線受信部、36…IGSW、38,52…有線通信部、56…ドアロック・アンロックSW、58…パワーウィンドSW、62…ドアロック・アンロックACT、64…パワーウィンドACT、66…出力処理部、80…検査装置、82…表示装置。

Claims (14)

  1. 外部から入力される制御指令を受け付け、該制御指令に応じた制御要求を送信する入力制御装置と、
    該入力制御装置が送信した制御要求に従い制御対象を制御する出力制御装置と、
    を備えた車両用電子制御システムであって、
    前記入力制御装置は、
    前記制御指令が履歴を残すように予め設定された特定指令であるか否かを判断する指令内容判定手段と、
    該指令内容判定手段にて前記制御指令が前記特定指令であると判定されると、該制御指令の指令内容に前記制御要求の送信回数を表すカウンタ情報を付与した情報を前記制御要求として送信すると共に、該制御要求として送信した指令内容と前記カウンタ情報とを送信履歴として送信履歴記憶媒体に記憶し、前記指令内容判定手段にて前記制御指令は前記特定指令ではないと判定されると、少なくとも前記指令内容を表す情報を前記制御要求として送信する制御要求送信手段と、
    外部から前記送信履歴の読み出し要求が入力されると、前記送信履歴記憶媒体に記憶された前記送信履歴を出力する送信履歴出力手段と、
    を備え、
    前記出力制御装置は、
    前記入力制御装置が送信した制御要求を取得し、該制御要求に従い制御対象を制御する制御実行手段と、
    該制御実行手段が取得した制御要求の指令内容が前記特定指令であるか否かを判断する制御要求判定手段と、
    該制御要求判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令であると判定されると、該指令内容と前記制御要求に含まれるカウンタ情報とを受信履歴として受信履歴記憶媒体に記憶する受信履歴記憶手段と、
    外部から前記受信履歴の読み出し要求が入力されると、前記受信履歴記憶媒体に記憶された前記受信履歴を出力する受信履歴出力手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用電子制御システム。
  2. 前記出力制御装置において、前記受信履歴記憶手段は、前記指令内容及び前記カウンタ情報と当該出力制御装置の動作状態を表す情報とを、前記受信履歴として前記受信履歴記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項1記載の車両用電子制御システム。
  3. 前記受信履歴記憶手段が前記受信履歴として前記受信履歴記憶媒体に記憶する当該制御装置の動作状態を表す情報は、前記制御実行手段が前記制御要求の指令内容に従い前記制御対象を実際に制御したか否かを表す制御結果情報を含むことを特徴とする請求項2記載の車両用電子制御システム。
  4. 前記受信履歴記憶手段が前記受信情報として前記受信履歴記憶媒体に記憶する当該制御装置の動作状態を表す情報は、現在時刻を表す時刻情報を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両用電子制御システム。
  5. 前記入力制御装置において、前記制御要求送信手段は、前記指令内容判定手段にて制御指令が特定指令であると判定されると、前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報と一定の関係にある数値情報を前記指令内容に付与した情報を、前記制御要求として送信し、
    前記出力制御装置において、前記受信履歴記憶手段は、前記制御実行手段が取得した前記制御要求に含まれる前記数値情報を、前記入力制御装置の前記制御要求送信手段が前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報に変換し、該変換したカウンタ情報と前記指令内容とを前記受信履歴記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載の車両用電子制御システム。
  6. 前記入力制御装置から前記制御要求を受信し、該制御要求の指令内容が前記特定指令であるか否かを判断する受信内容判定手段と、
    該受信内容判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令であると判定されると、該制御要求を前記出力制御装置に転送すると共に、該制御要求の指令内容と前記カウンタ情報とを通信履歴として通信履歴記憶媒体に記憶し、前記受信内容判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令ではないと判定されると、該制御要求を前記出力制御装置に転送する制御要求転送手段と、
    外部から前記通信履歴の読み出し要求が入力されると、前記通信履歴記憶媒体に記憶された前記通信履歴を出力する通信履歴出力手段と、
    を備えた中間制御装置、
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかに記載の車両用電子制御システム。
  7. 前記中間制御装置において、前記制御要求転送手段は、前記受信内容判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令であると判定されると、前記指令内容及び前記カウンタ情報と当該中間制御装置の動作状態を表す情報とを、前記通信履歴として前記通信履歴記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項6記載の車両用電子制御システム。
  8. 前記制御要求転送手段が前記通信履歴として前記通信履歴記憶媒体に記憶する当該制御装置の動作状態を表す情報は、前記制御要求転送手段が前記制御要求を前記制御実行手段に送信したかを表す送信結果情報を含むことを特徴とする請求項7記載の車両用電子制御システム。
  9. 前記制御要求転送手段が前記通信履歴として前記通信履歴記憶媒体に記憶する当該制御装置の動作状態を表す情報は、現在時刻を表す時刻情報を含むことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の車両用電子制御システム。
  10. 前記入力制御装置において、前記制御要求送信手段は、前記指令内容判定手段にて制御指令が特定指令であると判定されると、前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報と一定の関係にある数値情報を前記指令内容に付与した情報を、前記制御要求として送信し、
    前記中間制御装置において、前記制御要求転送手段は、前記受信内容判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令であると判定されると、前記入力制御装置から取得した制御要求を前記出力制御装置に転送すると共に、該制御要求に含まれる前記数値情報を、前記入力制御装置の前記制御要求送信手段が前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報に変換し、該変換したカウンタ情報と前記指令内容とを前記通信履歴記憶媒体に記憶し、
    前記出力制御装置において、前記受信履歴記憶手段は、前記制御実行手段が取得した前記制御要求に含まれる前記数値情報を、前記入力制御装置の前記制御要求送信手段が前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報に変換し、該変換したカウンタ情報と前記指令内容とを前記受信履歴記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項6〜請求項9何れか記載の車両用電子制御システム。
  11. 前記入力制御装置において、前記制御要求送信手段は、前記指令内容判定手段にて制御指令が特定指令であると判定されると、前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報と一定の関係にある数値情報を前記指令内容に付与した情報を、前記制御要求として送信し、
    前記中間制御装置において、前記制御要求転送手段は、前記受信内容判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令であると判定されると、前記入力制御装置から取得した制御要求に含まれる前記数値情報を、前記入力制御装置の前記制御要求送信手段が前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報に変換し、該変換したカウンタ情報と前記指令内容とを前記制御要求として前記出力制御装置に転送すると共に、該変換したカウンタ情報と前記指令内容とを前記通信履歴記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項6〜請求項9何れか記載の車両用電子制御システム。
  12. 前記中間制御装置において、前記制御要求転送手段は、前記受信内容判定手段にて前記制御要求の指令内容が前記特定指令であると判定されると、該指令内容と前記入力制御装置から取得した制御要求に含まれるカウンタ情報とを前記通信履歴記憶媒体に記憶し、前記出力制御装置には、該通信履歴記憶媒体に記憶したカウンタ情報と一定の関係にある数値情報を前記指令内容に付与した情報を、前記制御要求として前記出力制御装置に転送し、
    前記出力制御装置において、前記受信履歴記憶手段は、前記制御実行手段が取得した前記制御要求に含まれる前記数値情報を、前記入力制御装置の前記制御要求送信手段が前記送信履歴として前記送信履歴記憶媒体に記憶する前記カウンタ情報に変換し、該変換したカウンタ情報と前記指令内容とを前記受信履歴記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項6〜請求項9何れか記載の車両用電子制御システム。
  13. 請求項1〜請求項12何れか記載の車両用電子制御システムにおいて、当該システムの動作状態を検査するのに使用されるシステム動作検査装置であって、
    前記車両用電子制御システムを構成する前記各制御装置に設けられた前記各履歴出力手段から前記各履歴記憶媒体に記憶された履歴情報を取得する履歴情報取得手段と、
    該履歴情報取得手段が取得した各制御装置毎の履歴情報を、該履歴情報に含まれるカウンタ情報に関連付けてソートし、表示装置に一覧表示する履歴情報表示手段と、
    を備えたことを特徴とするシステム動作検査装置。
  14. 前記履歴情報表示手段は、外部から指定された1つの指令内容に関する履歴情報のみを選択的に表示可能であることを特徴とする請求項13に記載のシステム動作検査装置。
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