JP3975752B2 - Toroidal continuously variable transmission - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車の自動変速機用の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速機として、図4〜5に略示する様なトロイダル型無段変速機が特許公報等の多くの文献に記載されて広く知られており、又、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(後述する図7参照)の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】
これら各トラニオン7、7は、両端部外側面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、4の中心軸の方向に対し直角若しくはほぼ直角方向である、捩れの位置に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】
上記入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aはそれぞれ、上記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い曲線を各ディスク2、4の中心軸回りに回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに転がり接触させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム装置10を設け、このローディングカム装置10によって上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転駆動自在としている。
【0005】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時には、入力軸1の回転に伴って上記ローディングカム装置10が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ9、9に押圧しつつ回転させる。この結果、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン7、7を揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。これら各変位軸8、8の傾斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
更に、図6〜8は、やはり特許公報等の多くの文献に記載されて広く知られている、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側ディスク2との間に、ローディングカム装置10を設けている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車12を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12とが同期して回転する様にしている。
【0008】
1対のトラニオン7、7の両端部に互いに同心に設けた枢軸6、6は、支持部材である1対の支持板13、13に、揺動並びに軸方向(図6の表裏方向、図7の上下方向)の変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持している。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを互いに偏心させている。そして、このうちの基半部を上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、それぞれの先半部にパワーローラ9、9を、ラジアルニードル軸受を介して、回転自在に支持している。
【0009】
尚、上記1対の変位軸8、8は、上記入力軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関して同方向(図7で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ9、9は、上記入力軸11の配設方向に関して若干の変位自在に支持される。
【0010】
又、上記各パワーローラ9、9の外側面と上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、これら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラスト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、15とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、14は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向の変位自在としている。
【0011】
又、上記各トラニオン7、7の長さ方向両端部のうちで一端部(図7の下端部)同士の間には同期ケーブル18を、襷掛けで掛け渡している。この構成により、前記各枢軸6、6を中心とする上記各トラニオン7、7の傾斜角度を機械的に同期させる様にしている。更に、上記各トラニオン7、7の長さ方向両端部のうちで他端部(図7の上端部)同士の間にストッパプレート19を設けている。即ち、前記支持板13を支持する為にケーシング5の内面に固定した支持ポスト20の先端部に設けた、トラクションオイル噴出用のノズル21の周囲に上記ストッパプレート19を、若干の変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン7、7の長さ方向両端部に存在する肩部22、22のうちで他端部に存在する肩部22の一部に、上記ストッパプレート19の衝合縁23、23と当接する平坦面を設けている。この構成により、上記各トラニオン7、7が、上記各枢軸6、6を中心として過大に傾斜する事を防止している。
【0012】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の場合、入力軸11の回転はローディングカム装置10を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出される。
【0013】
入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、17により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図7の右側のパワーローラ9を同図の上側に、同図の左側のパワーローラ9を同図の下側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図4〜5に示した様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化する。
【0014】
上記各トラニオン7、7の傾斜角度を一致させるのは、本来は油圧回路を制御する事で、上記各アクチュエータ17、17のストロークを一致させる事により行なう。但し、上記油圧回路の故障等により、上記各アクチュエータ17、17のストロークがずれた場合でも、前記同期ケーブル18が上記各トラニオン7、7の傾斜角度を一致させて、上記各面2a、4a、9a同士の当接部で著しい滑りが発生する事を防止する。更に、上記油圧回路の故障等により、上記各トラニオン7、7が過大に傾斜する傾向になった場合には、これら各トラニオン7、7の肩部22に形成した平坦面が、前記ストッパプレート19の衝合縁23、23と当接する。そして、上記各トラニオン7、7が過大に(上記各周面9a、9aが上記内側面2a、4aから外れる程)傾斜する事を防止する。
【0015】
又、トロイダル型無段変速機による動力伝達時には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーローラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そして、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、14の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。
【0016】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機の場合には、前記入力軸11と出力歯車12との間での動力伝達を2個のパワーローラ9、9により行なっている。従って、これら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの間で伝達される単位面積当たりの力が大きくなり、伝達可能な動力の限界が比較的低い。この様な事情に鑑みて、トロイダル型無段変速機により伝達可能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増やす事も、従来から考えられている。
【0017】
この様な目的でパワーローラ9、9の数を増やす為の構造の1例として従来から、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、9を配置し、この3個のパワーローラ9、9によって動力の伝達を行なう事が、やはり特許公報等の多くの文献に記載されて、従来から知られている。図9は、この様な目的で、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、9を配置した構造の1例を示している。この従来構造の場合には、固定のフレーム24の円周方向等間隔の3個所位置に、それぞれが120度に折れ曲がった支持片25、25の中間部を枢支している。そして、隣り合う支持片25、25同士の間にそれぞれトラニオン7、7を、揺動並びに軸方向の変位自在に支持している。
【0018】
これら各トラニオン7、7は、それぞれ油圧式のアクチュエータ17、17により、それぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸の軸方向に変位自在としている。上記各アクチュエータ17、17を構成する各油圧シリンダ26、26は、制御弁27を介して、油圧源であるポンプ28の吐出口に通じている。この制御弁27は、それぞれが軸方向(図9の左右方向)に変位自在なスリーブ29とスプール30とを備える。尚、上記各アクチュエータ17、17はそれぞれ、圧油の給排方向を切り換える事により、軸方向に関して何れの方向にも軸力を発生させる、複動型のものを使用している。
【0019】
それぞれが上記各トラニオン7、7に、変位軸8、8により枢支されたパワーローラ9、9の傾斜角度を変える場合には、制御モータ31により上記スリーブ29を軸方向(図9の左右方向)に変位させる。この結果、上記ポンプ28から吐出された圧油が、油圧配管を通じて上記各油圧シリンダ26、26に送り込まれる。そして、これら各油圧シリンダ26、26に嵌装された、上記各トラニオン7、7を枢軸の軸方向に変位させる為の駆動ピストン32、32が、入力側ディスク2及び出力側ディスク4(図4〜6参照)の回転方向に関して同方向に変位する。この変位に伴って上記各トラニオン7、7が枢軸の軸方向に変位し、更にこの枢軸を中心として揺動変位するのは、前述の図6〜7に示した構造の場合と同様である。又、上記各駆動ピストン32、32の変位に伴って上記各油圧シリンダ26、26から押し出された作動油は、やはり上記制御弁27を含む油圧配管(一部図示せず)を通じて、油溜33に戻される。
【0020】
一方、上記圧油の送り込みに伴う駆動ピストン32並びにこの駆動ピストン32に結合したトラニオン7の変位は、プリセスカム34、リンク腕35を介して上記スプール30に伝達され、このスプール30を軸方向に変位させる。この結果、上記駆動ピストン32が所定量変位した状態で、上記制御弁27の流路が閉じられ、上記各油圧シリンダ26、26への圧油の給排が停止される。従って、上記各トラニオン7、7の軸方向に関する変位量は、上記制御モータ31によるスリーブ29の変位量に応じただけのものとなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図9に示した様な、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、9を配置する構造に関しても、各トラニオン7、7の傾斜角度を機械的に同期させたり、これら各トラニオン7、7の傾斜角度が過大になる事を防止する為の機構を組み込む事が、油圧回路等の故障がより重大な故障に結び付く事を防止する為には必要である。但し、上記図9に示した様な構造に前述の図6〜8に示した様な、同期ケーブル18による傾斜同期機構や、ストッパプレート19による傾斜角度制限機構を組み込む事は適切ではない。
【0022】
先ず、同期ケーブル18による傾斜同期機構に関しては、この同期ケーブル18を支持片25、25等と擦れ合わせたりする事なく配設する事が難しい。そして、擦れ合った場合には、上記各トラニオン7、7が傾斜する事に対する抵抗が大きくなり、トロイダル型無段変速機の変速動作を円滑に行なえなくなる。
又、傾斜角度制限機構に関しては、上記各支持片25、25と上記各トラニオン7、7との間に上記ストッパプレート19を設置するスペースがない為、実現が難しい。
【0023】
これに対して、特開平9−287646号公報、特開2000−9199号公報には、各トラニオンの傾斜角度を歯車伝達機構により同期させる構造が記載されている。但し、これら各公報に記載された構造の場合には、トラニオンとは別体のギヤをトラニオンに固定したり、トラニオンに固設したギヤ同士の間にラックを設けている為、組立作業や同期の為の調節作業が面倒で、組立コストが嵩む事が避けられない。
又、特開平9−291996号公報には、トラニオンの両端部を支持する為の支持板にストッパとして機能する凸部を設けて、このトラニオンが過大に傾斜する事を防止する構造が記載されている。但し、この様な構造の場合、図9に示す様に、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、9を配置する構造の場合には、必ずしも設置空間を確保できず、実施できない可能性がある。
本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、入力側ディスクと、出力側ディスクと、トラニオンと、変位軸と、パワーローラとを備える。
このうちの入力側ディスクは、ケーシング内に回転自在に支持されている。
又、上記出力側ディスクは、その内側面をこの入力側ディスクの内側面に対向させた状態でこの入力側ディスクと同心に配置され、この入力側ディスクに対する相対回転を自在とされている。
又、上記トラニオンは、これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間に設けられ、これら両ディスクの中心軸に対し捩れの位置にあり、それぞれが支持部材に支持された1対ずつの枢軸を中心として揺動するもので、1対の入力側ディスク及び出力側ディスク毎に複数個ずつ設けられている。
又、上記変位軸は、上記各トラニオンの内側面から突出したもので、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられている。
又、上記パワーローラは、上記各トラニオンの内側面でこれら各変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスクと出力側ディスクとの内側面同士の間に挟持されたもので、上記各トラニオン毎に1個ずつ設けられている。
【0025】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各トラニオンの軸方向両端に位置する肩部の周縁部の、枢軸を中心とする円周方向に関する中央部に、これら各トラニオンが枢軸を中心として揺動変位する際に噛合し続けるギヤ歯を、これら各トラニオン毎に直接形成する。そして、円周方向に隣り合うトラニオン同士の間でこのギヤ歯同士を互いに噛合させる事により、上記各枢軸を中心とする上記各トラニオンの傾斜角度を互いに同期させる。これと共に、上記肩部の周縁部の、枢軸を中心とする円周方向に関する両端部に、上記各トラニオンが枢軸を中心として極限にまで揺動変位した場合に互いに衝合する平坦面を、これら各トラニオン毎に、上記ギヤ歯のピッチ円弧に関する接線方向に直接形成する。そして、上記各枢軸を中心とする上記各トラニオンの傾斜角度を制限する。
【0026】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、入力側、出力側ディスクの円周方向に関して隣り合うトラニオンの端部同士を互いに直接係合させる事により、各枢軸を中心とするこれら各トラニオンの傾斜角度に関する規制を行なえる。従って、限られた設置空間に、これら各トラニオンの傾斜角度に関する規制を行なう為の機構を容易に組み付けられて、トロイダル型無段変速機が大型化したり重量が増大する事もない。又、これら各トラニオンと別体のギヤやラック等を設ける必要もない為、組み付け作業も容易になる。更には、別体の部品を組み立てる場合の様に、ねじ等の緩みに伴い機能不良を生じる事もなく、長期間に亙って安定した性能を発揮できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、請求項1〜2の総てに対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の構造は、入力側ディスク2と出力側ディスク4とを2個ずつ、動力の伝達方向に関して互いに並列に設けた、所謂ダブルキャビティ型で、各入力側ディスク2と出力側ディスク4との間にパワーローラ9、9を3個ずつ、合計6個設けたトロイダル型無段変速機に本発明を適用した場合に就いて示している。図2には、その片側のキャビティ(入力側ディスク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを配置して動力を伝達する部分)のみを示しているが、図2よりも右側部分にも、別のキャビティが存在する。この様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の基本的な構造及び作用に就いては、特許公報等多くの文献に記載されて従来から周知であるから、全体構成の図示並びに説明は省略する。
【0028】
ケーシング5aの内面に設けた取付部36にフレーム24を、このフレーム24の外径側端部3個所位置の取付孔37、37に挿通したスタッド38、38と、これら各スタッド38、38に螺合したナット39とにより結合固定している。図示の例では、これら各スタッド38、38及びナット39により、上記取付部36とフレーム24との間に、ギヤハウジング40を固定している。このギヤハウジング40の内径側には、1対の出力側ディスク4をその両端部にスプライン係合させた出力スリーブ41を、1対の転がり軸受42、42により回転自在に支持すると共に、この出力スリーブ41の中間部外周面に設けた出力歯車43を、上記ギヤハウジング40の内部に収納している。
【0029】
又、上記フレーム24は全体を星形に形成すると共に、その径方向中間部に第二の枢軸44、44を、円周方向等間隔に支持している。そして、これら各第二の枢軸44、44に、それぞれ支持片25a、25aの中間部を枢支している。上記各支持片25a、25aは、交差角度が120度である、1対の支持板部45、45を有する。従って、円周方向に隣り合う支持片25a、25aの支持板部45、45同士は、互いに平行である。この様な各支持板部45、45には、それぞれ円孔46、46を形成している。上記各支持片25a、25aが中立状態にある場合、円周方向に隣り合う支持片25a、25aの支持板部45、45に形成した円孔46、46同士は互いに同心である。そして、これら各円孔46、46内に、各トラニオン7a、7b、7cの両端部に設けた枢軸6、6を、ラジアルニードル軸受47、47により支持している。これら各ラジアルニードル軸受47、47を構成する外輪48、48の外周面は、球状凸面としている。この様な外輪48、48は上記各円孔46、46内に、がたつきなく、且つ揺動変位自在に内嵌している。
【0030】
上述の様にしてそれぞれの両端部を上記各支持片25a、25aに対し支持された、上記各トラニオン7a、7b、7cの両端部同士は、上記各枢軸6、6を中心とする互いに同期した揺動変位を確保すると共に、これら各枢軸6、6を中心とする過度の揺動変位を阻止する状態で、互いに係合している。この為に図示の例では、上記各トラニオン7a、7b、7cの軸方向(トラニオンの軸方向とは、当該トラニオンの両端部に設けた枢軸6、6の軸方向。本明細書全体で同じ。)両端に位置する肩部22a、22aの形状を工夫している。
【0031】
即ち、本例の場合には、前記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の径方向に関して内側に位置する上記各肩部22a、22aの周縁部のうちで、上記各枢軸6、6を中心とする円周方向に関する中央部に、ギヤ歯49、49を、上記各トラニオン7a、7b、7cに直接形成している。これら各ギヤ歯49、49は、円周方向に隣り合うギヤ歯49、49同士を噛合させるべく、図1に示す様に、上記各枢軸6、6を中心とする仮想円筒面に対し傾斜している。又、上記各トラニオン7a、7b、7cが上記各枢軸6、6を中心として揺動変位する際に噛合し続ける様に、ギヤ歯49、49のピッチ円弧の中心を、上記各枢軸6、6を中心軸上に位置させている。
【0032】
尚、これら各ギヤ歯49、49のより厳密な形状に関しては、上記各トラニオン7a、7b、7cの変位に拘らずがたつきなく噛合し続ける様に、設計的に規制する。この様なより厳密な形状に関しては、前述した特開平9−287646号公報に記載されて従来から知られている他、コンピュータ設計により容易に求める事ができる。又、本発明の本質ではない為、詳しい説明は省略する。何れにしても、円周方向に隣り合う上記各トラニオン7a、7b、7c同士の間で上記各ギヤ歯49、49同士を互いに噛合させる事により、上記各枢軸6、6を中心とする上記各トラニオン7a、7b、7cの傾斜角度を互いに同期させる様に構成している。
【0033】
本例の場合には、上述の様に上記各トラニオン7a、7b、7cの傾斜角度を互いに同期させる様に構成すると共に、上記各肩部22a、22a同士の係合に基づき、上記各トラニオン7a、7b、7cが過度に傾斜する事を防止している。この為に本例の場合には、前記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の径方向に関して内側に位置する上記各肩部22a、22aの周縁部のうちで上記各枢軸6、6を中心とする円周方向に関する両端部、即ち、上記各ギヤ歯49、49の両側部分に、上記各肩部22a、22a毎に1対ずつの平坦面50、50を、上記各トラニオン7a、7b、7cに直接形成している。これら各平坦面50、50は、上記各ギヤ歯49、49の円周方向両端部でこれら各ギヤ歯49、49のピッチ円弧に関する接線方向に形成している。この様な上記各平坦面50、50は、上記各トラニオン7a、7b、7cが上記各枢軸6、6を中心として極限(それ以上揺動すると前記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが前記入力側ディスク2の内側面2a又は前記出力側ディスク4の内側面4aから外れる)にまで揺動変位した場合に互いに衝合する。そして、上記各トラニオン7a、7b、7cが上記各枢軸6、6を中心としてそれ以上揺動変位する事を阻止する。
【0034】
又、図示の例の場合には、前記各支持板部45、45に設けたねじ孔51、51にそれぞれスタッド52、52を螺着し、これら各スタッド52、52の先端面を、上記各トラニオン7a、7b、7cの両端面に当接させている。これら各スタッド52、52の先端面は球状凸面としており、互いに対向する位置に設けた1対のスタッド52、52同士の間での、上記各トラニオン7a、7b、7cの揺動変位を可能にしている。又、これら各スタッド52、52の基端部にはロックナット53、53を螺合して、これら各スタッド52、52が不用意に緩まない様にしている。尚、この様なスタッド52、52は、単一キャビティ内に設けた3個のトラニオン7a、7b、7cの、上記入力側、出力側両ディスク2、4の円周方向に関する変位を、上記各支持片25a、25aを介して互いに同期させる為に設けている。後述する油圧アクチュエータにより上記変位を十分に同期可能であれば、上記各スタッド52、52及びロックナット53、53は省略しても良い。
【0035】
上記3個のトラニオン7a、7b、7cは、前述の様に、前記各第二の枢軸44、44を中心とする前記各支持片25a、25aの揺動に基づく上記両ディスク2、4の円周方向に関する若干の変位と、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6を中心とする揺動変位を自在に支持している。変速動作を行なわせるべく、上記各トラニオン7a、7b、7cを、それぞれの両端部に設けた上記各枢軸6、6の軸方向に変位させる為に本例の場合には、次の様なアクチュエータを設けている。
【0036】
先ず、下部中央に水平方向に設けたトラニオン7aは、このトラニオン7aの両端部下方に設けた1対の油圧アクチュエータ54a、54bにより、それぞれリンク腕55a、55bを介して変位駆動自在としている。これら各油圧アクチュエータ54a、54bは、シリンダ56内への圧油の供給によりロッド57を押し出すが、このシリンダ56への圧油の供給を停止した状態でも、外力が働かない限りこのロッド57がシリンダ56内に引き込まれない、単動型のものを使用している。この様な上記各油圧アクチュエータ54a、54bは、互いに同心に、且つロッド57の押し出し方向を互いに逆に、より具体的には、圧油の供給に基づいてロッド57を、別の油圧アクチュエータ54a(又は54b)から離れる方向に押し出す様にして、前記ケーシング5a内に支持固定している。
【0037】
又、上記各リンク腕55a、55bは、それぞれの中間部を、中空円管状の第三の枢軸58により、揺動変位自在に支持している。これら各第三の枢軸58、58は、前記各第二の枢軸44、44と平行で、内部は、図示しない給油ポンプの吐出口に通じている。トロイダル型無段変速機の運転時に上記各第三の枢軸58、58内には、潤滑油(トラクションオイル)が送り込まれる。この様な第三の枢軸58、58によりそれぞれの中間部を枢支された、上記各リンク腕55a、55bは、それぞれの基端部(図1の下端部)片側面を上記各油圧アクチュエータ54a、54bを構成するロッド57の先端面に突き当て、それぞれの先端部(図1の上端部)片側面を、上記トラニオン7aの両端部に設けた枢軸6、6の端部に係合させている。尚、上記各リンク腕55a、55bの基端部で上記ロッド57の先端面に突き当たる部分は、部分円筒状の凸曲面として、突き当たり部分の揺動変位が円滑に行なわれる様にしている。
【0038】
又、図示の例では、上記各リンク腕55a(55bの場合も同様。)の先端部の互いに対向する面に形成した円筒状凸部を、上記トラニオン7aの両端部に設けた枢軸6、6の中心部に形成した円孔内に緩く挿入すると共に、Oリングにより挿入部の油密を保持している。又、上記各枢軸6、6の端面と上記各リンク腕55a、55bの先端部側面との間には、スラストニードル軸受を設けている。このスラストニードル軸受を構成する1対の軌道輪のうち、上記各リンク腕55a、55b側の軌道輪の片面で、これら各リンク腕55a、55bの先端部側面と当接する面は、球状凸面若しくは円すい状凸面としている。この様な構造により、上記各リンク腕55a、55bとトラニオン7aとの間で変位の伝達を自在とすると共に、前記各第三の枢軸58、58を中心とする上記各リンク腕55a、55bの円滑な揺動変位、並びに、上記各枢軸6、6を中心とする上記トラニオン7aの円滑な揺動変位を自在としている。
【0039】
又、前記各第三の枢軸58、58の内部と、上記円筒状凸部の内部とを連通させて、図示しない給油ポンプから上記各第三の枢軸58、58内に送り込まれた潤滑油を、上記各枢軸6、6の中心部に設けた円孔内に送り込み自在としている。この様にして円孔内に送り込まれた潤滑油は、トロイダル型無段変速機の転がり接触部の潤滑に使用される。即ち、この潤滑油の一部は、上記トラニオン7aに設けたノズル孔から噴出して、前記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aと、上記トラニオン7aに支持したパワーローラ9の周面9aとの転がり接触部を潤滑する。又、上記潤滑油の残部は、上記トラニオン7aの内部に設けた潤滑油流路を介して、各転がり軸受及び滑り接触部に送り込む様にしている。
【0040】
一方、上部両側に傾斜方向に設けたトラニオン7b、7cは、これら各トラニオン7b、7cに関する枢軸6、6の延長上に、複動型の油圧アクチュエータ59a(59b)を、これら各トラニオン7b、7c毎に1個ずつ設けている。そして、これら各油圧アクチュエータ59a、59bへの圧油の給排により、上記各トラニオン7b、7cを、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位自在としている。
【0041】
上記各油圧アクチュエータ59a、59bは、シリンダ60内に油密に嵌装したピストン61にロッド62の基端部(図1の下端部)を、軸方向(図1の斜め上下方向)のがたつきを防止した状態で、回転自在に結合している。このうちの回転を自在とする為に図示の例では、上記ピストン61を1対のスラストニードル軸受によりサンドイッチ状に挟持している。この様な各油圧アクチュエータ59a、59bを構成する上記ロッド62の先半部(図1の上半部)外周面には雄ねじを形成している。この様なロッド62の先端部は、前記各トラニオン7b、7cの一端面(図1の下端面)に突設した枢軸6、6の中心部に設けたねじ孔に螺合し、更にロックナット63により固定している。この状態で上記各トラニオン7b、7cは、上記各油圧アクチュエータ59a、59bへの圧油の給排により、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位させられる。
【0042】
更に、本例の場合には、上記各油圧アクチュエータ59a、59bを構成する上記ロッド62を円管状としている。そして、このロッド62の基端部(図1の下端部)に設けた接続部に、可撓性を有する図示しない給油ホースの下流端を接続し、上記ロッド62内に設けた潤滑油流路64内に潤滑油を送り込み自在としている。
【0043】
前述した、それぞれが単動型である1対の油圧アクチュエータ54a、54bへの圧油の給排、並びに、それぞれが複動型である上記各油圧アクチュエータ59a、59bへの圧油の給排は、単一の制御弁27(図9参照)により互いに同期させて行なう。そして、上記3個のトラニオン7a、7b、7cを、前記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関して、同方向に、同じ長さだけ変位させる。上記各トラニオン7a、7b、7cの変位は、前述した様に、スタッド52、52により機械的にも同期させられる。又、上記各トラニオン7a、7b、7cを、それぞれに設けた油圧アクチュエータ54a、54b、59a、59bにより駆動するので、変位の為の力を伝達する事で各部材が弾性変形し、上記各トラニオン7a、7b、7cの変位に差が生じる事はない。従って、これら各トラニオン7a、7b、7cの変位量は、厳密に一致させられる。
【0044】
これら各トラニオン7a、7b、7cは、この様にして行なわれる、互いに同期した変位に基づいて、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6を中心に揺動する。即ち、この変位に基づいて、前述した様に、各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記両ディスク2、4の内側面2a、4aとの転がり接触部に接線方向に加わる力の向きが変化する。そして、この変化により上記各トラニオン7a、7b、7cは、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6を中心に揺動変位する。この様にして行なわれる、上記各トラニオン7a、7b、7cの変位は、何れかの(図1の上部左側の)トラニオン7cに結合したロッド62の中間部基端寄り部分の周囲に固定したプリセスカム34により取り出される。そして、このプリセスカム34の変位が、リンク腕35を介して、上記制御弁27(図9)のスプール30に伝達され、この制御弁27の開閉制御が行なわれる。この部分の制御に関しては、前述の図9に示した従来構造の場合と同じである。
【0045】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記制御弁27を含む油圧制御回路及び前記各スタッド52、52による円周方向の同期機構が故障する等により、上記各枢軸6、6を中心とする上記各トラニオン7a、7b、7cの揺動角度に差が生じる傾向になっても、前記各ギヤ歯49、49同士の噛合に基づき、この揺動角度を一致させる。更には、この揺動角度が過大になる傾向になっても、前記平坦面50、50同士の係合に基づき、この揺動角度が過大になる事を防止する。この様に本例の場合には、上記各トラニオン7a、7b、7cの揺動角度を一致させたり、この揺動角度が過大になるのを防止する事を、隣り合うトラニオン7a、7b、7cの端部の肩部22a、22aに直接形成した上記各ギヤ歯49、49及び平坦面50、50同士を互いに直接係合させる事により行なっている。
【0046】
従って、限られた設置空間に、上記各トラニオン7a、7b、7cの傾斜角度に関する規制を行なう、即ち、これら各トラニオン7a、7b、7cの揺動角度を一致させたり、この揺動角度が過大になるのを防止する為の機構を容易に組み付ける事ができる。従って、トロイダル型無段変速機が大型化したり重量が増大する事もない。又、前述した特開平9−287646号公報、特開2000−9199号公報に記載された構造の場合とは異なり、上記各トラニオン7a、7b、7cと別体のギヤやラック等を設ける必要もない為、組み付け作業も容易になる。更には、別体の部品を組み立てる場合の様に、ねじ等の緩みに伴い機能不良を生じる事もなく、長期間に亙って安定した性能を発揮できる。
【0047】
又、図示の例の場合には、図1と、従来構造をこの図1と同方向から見た状態で示す図9とを比較すれば明らかな通り、全体を小型に構成できる。即ち、上記各トラニオン7a、7b、7cを変位させる為の油圧アクチュエータ54a、54b、59a、59bが、入力側、出力側両ディスク2、4の外周縁から径方向に突出する量を少なくできる。言い換えれば、上記各油圧アクチュエータ54a、54b、59a、59bを効率良く配置できて、トロイダル型無段変速機を収納するケーシング5aの外寸をより小さくできる。この結果、トロイダル型無段変速機をより小型・軽量化する事により、このトロイダル型無段変速機を組み込む自動車の設計の自由度を高くする事ができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、小型且つ軽量で、しかも重大な故障を発生しにくくて高度の信頼性を得られるトロイダル型無段変速機を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】トラニオンが中立位置に存在する場合と最も揺動変位した状態とを、隣り合う1対のトラニオンのみを取り出して図1の上方から見た状態で示す図。
【図4】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図6】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図7】図6のB−B断面図。
【図8】ストッパプレートを示す、図7のC−C断面図。
【図9】従来から知られている、伝達可能な動力を大きくする構造の1例を、一部を切断した状態で示す要部正面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5、5a ケーシング
6 枢軸
7、7a、7b、7c トラニオン
8 変位軸
9 パワーローラ
9a 周面
10 ローディングカム装置
11 入力軸
12 出力歯車
13 支持板
14 スラスト玉軸受
15 スラストニードル軸受
16 外輪
17 アクチュエータ
18 同期ケーブル
19 ストッパプレート
20 支持ポスト
21 ノズル
22、22a 肩部
23 衝合縁
24 フレーム
25、25a 支持片
26 油圧シリンダ
27 制御弁
28 ポンプ
29 スリーブ
30 スプール
31 制御モータ
32 駆動ピストン
33 油溜
34 プリセスカム
35 リンク腕
36 取付部
37 取付孔
38 スタッド
39 ナット
40 ギヤハウジング
41 出力スリーブ
42 転がり軸受
43 出力歯車
44 第二の枢軸
45 支持板部
46 円孔
47 ラジアルニードル軸受
48 外輪
49 ギヤ歯
50 平坦面
51 ねじ孔
52 スタッド
53 ロックナット
54a、54b 油圧アクチュエータ
55a、55b リンク腕
56 シリンダ
57 ロッド
58 第三の枢軸
59a、59b 油圧アクチュエータ
60 シリンダ
61 ピストン
62 ロッド
63 ロックナット
64 潤滑油流路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The toroidal type continuously variable transmission according to the present invention is used, for example, as a transmission unit for an automatic transmission of an automobile or as a transmission for various industrial machines.
[0002]
[Prior art]
As automatic transmissions for automobiles, toroidal continuously variable transmissions as schematically shown in FIGS. 4 to 5 are widely known and described in many documents such as patent gazettes, and are partially implemented. . This toroidal continuously variable transmission supports an
[0003]
Each of these
[0004]
The
[0005]
When the toroidal continuously variable transmission configured as described above is used, the
[0006]
When the rotational speeds of the input shaft 1 and the
[0007]
Further, FIGS. 6 to 8 show a more specific toroidal type continuously variable transmission which is also widely known as described in many documents such as patent publications. The
[0008]
The
[0009]
The pair of
[0010]
Further,
[0011]
A
[0012]
In the case of the toroidal continuously variable transmission configured as described above, the rotation of the
[0013]
When the rotational speed ratio between the
[0014]
The inclination angles of the
[0015]
Further, when power is transmitted by the toroidal-type continuously variable transmission, the
[0016]
In the case of the toroidal type continuously variable transmission configured and operated as described above, power is transmitted between the
[0017]
Conventionally, as an example of a structure for increasing the number of
[0018]
These
[0019]
When changing the inclination angle of the
[0020]
On the other hand, the displacement of the
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
As for the structure in which three
[0022]
First, regarding the tilt synchronization mechanism using the
Also, the tilt angle limiting mechanism is difficult to realize because there is no space for installing the
[0023]
On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 9-287646 and 2000-9199 describe structures in which the inclination angles of the trunnions are synchronized by a gear transmission mechanism. However, in the case of the structure described in each of these publications, a gear separate from the trunnion is fixed to the trunnion, or a rack is provided between the gears fixed to the trunnion. It is inevitable that the adjustment work is complicated and the assembly cost increases.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-291996 describes a structure in which a convex portion functioning as a stopper is provided on a support plate for supporting both ends of a trunnion so that the trunnion is not excessively inclined. Yes. However, in the case of such a structure, as shown in FIG. 9, in the case of a structure in which three
The toroidal continuously variable transmission of the present invention has been invented in view of such circumstances.
[0024]
[Means for Solving the Problems]
The toroidal type continuously variable transmission of the present invention includes an input side disk, an output side disk, a trunnion, a displacement shaft, and a power roller, as in the conventional toroidal type continuously variable transmission described above. Prepare.
Of these, the input side disk is rotatably supported in the casing.
The output side disk is arranged concentrically with the input side disk with its inner side faced to the inner side surface of the input side disk, and is relatively rotatable with respect to the input side disk.
The trunnion is provided between the input-side disk and the output-side disk, and is in a twisted position with respect to the central axes of the two disks, each centering on a pair of pivots supported by a support member. Are provided for each pair of input side disk and output side disk.
The displacement shaft projects from the inner surface of each trunnion, and one displacement shaft is provided for each trunnion.
The power roller is sandwiched between the inner side surfaces of the input side disk and the output side disk in a state of being rotatably supported around the displacement shafts on the inner side surfaces of the trunnions. One is provided for each trunnion.
[0025]
In particular, the toroidal type continuously variable transmission of the present invention.In the aboveGear teeth that keep meshing when each trunnion swings and displaces around the pivot at the center of the circumferential edge of the shoulder located at both axial ends of each trunnion about the pivot.Directly for each of these trunnionsForm. The gear teeth are engaged with each other between the trunnions adjacent in the circumferential direction, thereby synchronizing the inclination angles of the trunnions around the pivots. At the same time, flat surfaces that collide with each other when the respective trunnions are swung to the limit centered on the pivot axis at both ends of the peripheral portion of the shoulder portion in the circumferential direction centering on the pivot axis.For each of these trunnions, directly in the tangential direction with respect to the pitch arc of the gear teethForm. And the inclination angle of each said trunnion centering on each said pivot is restrict | limited.
[0026]
[Action]
In the case of the toroidal continuously variable transmission of the present invention configured as described above, the ends of the trunnions adjacent to each other in the circumferential direction of the input side and output side disks are directly engaged with each other, whereby each pivot is It is possible to regulate the inclination angle of each trunnion as the center. Therefore, a mechanism for regulating the inclination angle of each trunnion can be easily assembled in a limited installation space, and the toroidal continuously variable transmission does not increase in size and weight. Further, since it is not necessary to provide a gear, a rack, etc. separately from each trunnion, the assembling work is facilitated. Furthermore, as in the case of assembling separate parts, there is no malfunction due to loosening of screws and the like, and stable performance can be exhibited over a long period of time.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1-3,Claims 1-2One example of an embodiment of the present invention corresponding to all of the above is shown. The structure of this example is a so-called double cavity type in which two
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
As described above, both ends of the
[0031]
That is, in the case of this example, out of the peripheral portions of the
[0032]
The stricter shapes of the
[0033]
In the case of this example, it is configured so that the inclination angles of the
[0034]
In the case of the illustrated example,
[0035]
As described above, the three
[0036]
First, the
[0037]
Each of the link arms 55a and 55b supports a middle portion of the link arms 55a and 55b so as to be swingable and displaceable by a hollow cylindrical
[0038]
In the example shown in the figure, the
[0039]
Also, the lubricating oil fed into the
[0040]
On the other hand, the
[0041]
Each of the
[0042]
Further, in the case of this example, the
[0043]
The supply and discharge of pressure oil to the pair of hydraulic actuators 54a and 54b, each of which is a single-acting type, and the supply and discharge of pressure oil to each of the
[0044]
Each of these
[0045]
In particular, in the case of the toroidal type continuously variable transmission of the present invention, each of the
[0046]
Therefore, restriction on the inclination angle of each
[0047]
In the case of the illustrated example, as shown in FIG. 1 and FIG. 9 showing the conventional structure viewed from the same direction as FIG. In other words, the amount of the
[0048]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured and operates as described above, it is possible to realize a toroidal continuously variable transmission that is small and lightweight, is less likely to cause a serious failure, and has high reliability, at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a first example of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 3 is a diagram showing a case where the trunnion is in a neutral position and a state where the trunnion is most oscillated and displaced when only a pair of adjacent trunnions are taken out and viewed from above in FIG.
FIG. 4 is a side view showing a basic configuration of a conventionally known toroidal type continuously variable transmission in a state of maximum deceleration.
FIG. 5 is a side view showing the state of the maximum speed increase.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an example of a conventional specific structure.
7 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
8 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG. 7, showing the stopper plate.
FIG. 9 is a main part front view showing a conventional example of a structure for increasing the power that can be transmitted, with a part thereof cut off.
[Explanation of symbols]
1 Input shaft
2 Input disk
2a Inner side
3 Output shaft
4 Output disk
4a inner surface
5, 5a Casing
6 Axis
7, 7a, 7b, 7c trunnion
8 Displacement axis
9 Power roller
9a circumference
10 Loading cam device
11 Input shaft
12 Output gear
13 Support plate
14 Thrust ball bearing
15 Thrust needle bearing
16 Outer ring
17 Actuator
18 Sync cable
19 Stopper plate
20 Support post
21 nozzles
22, 22a Shoulder
23 Collision
24 frames
25, 25a Support piece
26 Hydraulic cylinder
27 Control valve
28 Pump
29 sleeve
30 spools
31 Control motor
32 Drive piston
33 Oil sump
34 Precess Come
35 link arm
36 Mounting part
37 Mounting hole
38 stud
39 Nut
40 Gear housing
41 Output sleeve
42 Rolling bearings
43 Output gear
44 Second Axis
45 Support plate
46 hole
47 Radial needle bearings
48 Outer ring
49 Gear teeth
50 flat surface
51 Screw hole
52 Stud
53 Lock nut
54a, 54b Hydraulic actuator
55a, 55b Link arm
56 cylinders
57 Rod
58 Third Axis
59a, 59b Hydraulic actuator
60 cylinders
61 piston
62 Rod
63 Lock nut
64 Lubricating oil passage
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