JP3975133B2 - タグ書込装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、検査に用いる検体を識別するための検体識別情報をICタグに書き込んで記録するタグ書込装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、検査に用いる検体、即ち、人体から採取された組織、血液や病理標本等は、医療機関等において採取され、検査を依頼されている検査機関へと搬送される。即ち、採取された検体は、検査の依頼内容を記載した検査依頼書と共に、医療機関等から集荷されて検査機関に搬入され、検査機関において検査依頼書に記載された検査が行われる。そのため、医療機関等においては、採取した検体と検査依頼書とを結びつけるために、同一の検体識別情報を検体及び検査依頼書に付している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、検査機関は、複数の医療機関等から検査の依頼を受け付けているため、複数の医療機関等において採取された検体及び検査依頼書が搬入される。この時、適正な検査を行うためには、搬入された検体と検査依頼書とをそれぞれ正しく対応させていることが必要となるが、搬入される検体及び検査依頼書には、それぞれの医療機関等において用いられている検体識別情報が付されている。そのため、搬入された検体及び検査依頼書を管理するために、検査機関において新たに検査機関用識別情報を付与しなければならず、検査機関における管理の負担が大きくなっていた。
【0004】
この発明の課題は、検査機関における検体管理の管理負担を軽減すべく、ICタグに必要な情報を書き込んで記録するタグ書込装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のタグ書込装置は、ハンディタイプのハウジングを有するタグ書込装置であって、検査に用いる検体を採取した各機関において用いられている検体識別情報を、前記検体の検査を依頼された検査機関において用いられる検査機関用検体識別情報に変換するための変換パターンを記憶する変換パターンテーブルと、前記検体に付されたバーコードに記録されている前記検体識別情報を読み取るバーコードリーダと、前記変換パターンテーブルを参照して、前記バーコードリーダにより読み取られた前記検体識別情報を前記検査機関用検体識別情報に変換する検体識別情報変換手段と、前記検体識別情報変換手段により変換された前記検査機関用検体識別情報を前記検体に付されているICタグに書き込むICタグライタとを備えることを特徴とする。
【0006】
この請求項1記載のタグ書込装置によれば、検体に付されたバーコードに記録されている検体識別情報をバーコードリーダを介して読み取り、変換パターンテーブルを参照して変換された検査機関用検体識別情報を検体に付されたICタグに書き込んでいる。従って、複数の医療機関のそれぞれにおいて採取された検体を検査機関に搬入している場合であっても、統一的な検査機関用検体識別情報に基づいて容易に検体の管理を行うことができる。
【0007】
また、請求項2記載のタグ書込装置は、ハンディタイプのハウジングを有するタグ書込装置であって、検査に用いる検体を採取した各機関において用いられている検体識別情報を、前記検体の検査を依頼された検査機関において用いられる検査機関用検体識別情報に変換するための変換パターンを記憶する変換パターンテーブルと、前記検体の検査依頼書に付されたバーコードに記録されている前記検体識別情報を読み取るバーコードリーダと、前記変換パターンテーブルを参照して、前記バーコードリーダにより読み取られた前記検体識別情報を前記検査機関用検体識別情報に変換する検体識別情報変換手段と、前記検体識別情報変換手段により変換された前記検査機関用検体識別情報を前記検査依頼書に付されているICタグに書き込むICタグライタとを備えることを特徴とする。
【0008】
この請求項2記載のタグ書込装置によれば、検体の検査依頼書に付されたバーコードに記録されている検体識別情報をバーコードリーダを介して読み取り、変換パターンテーブルを参照して変換された検査機関用検体識別情報を検査依頼書に付されたICタグに書き込んでいる。従って、複数の医療機関のそれぞれにおいて採取された検体の検査依頼書を検査機関に搬入している場合であっても、統一的な検査機関用検体識別情報に基づいて容易に検査依頼書の管理を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係るタグ書込装置について説明する。
【0022】
図1(a)は、第1の実施の形態に係るタグ書込装置の平面図である。この図1(a)に示すように、タグ書込装置2は、ハンディタイプのハウジング4を備えている。このハウジング4は、細長いハンドル部6と先端を下方に湾曲させた検体情報読取部8とにより構成されている。また、検体情報読取部8の先端には、矩形状の開口部10が形成されている。
【0023】
ハンドル部6の上面には、タグ書込装置2の電源を入れるONボタン12a及び電源を切るOFFボタン12bが配設されている。また、検体情報読取部8の上面にはTFD(Thin Film Diode)液晶等により構成される表示部14が配設されている。更に、ハウジング4の下面には、ICタグに情報を非接触で書き込むICタグライタ16が配設されている。このICタグライタ16は、開口部10よりもハンドル部6側に寄った位置に設けられている。ここで、ICタグには、非接触で情報の読み取り及び書き込みを行うことができるもの、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)等が用いられる。
【0024】
図1(b)は、タグ書込装置2の縦断面の概略図である。この図1(b)に示すように、ハウジング4には、開口部10に対して所定の角度で配設された反射ミラー18が内蔵されている。また、半導体レーザ光源、スキャニングミラー及び受光素子等を備えるバーコードリーダ20が配設されている。バーコードリーダ20から射出されるレーザ光は、反射ミラー18を介して開口部10から射出されバーコード22を照射する。バーコード22により反射された反射光は、反射ミラー18を介してバーコードリーダ20に入射し、バーコードリーダ20においてバーコード22に記録されている情報が読み取られる。また、ICタグライタ16は、電磁波等を利用してバーコードリーダ20により読み取られた情報をICタグ24に送信して書き込みを行う。
【0025】
図2は、第1の実施の形態に係るタグ書込装置2のブロック構成図である。この図2に示すように、タグ書込装置2は、このタグ書込装置2におけるデータの制御を行うデータ制御部30を備えている。このデータ制御部30には、バーコードに記録されている情報を読み取るバーコードリーダ20、バーコードリーダ20を介して読み取られた情報等を表示する表示部14及びバーコードリーダ20を介して読み取られた情報をICタグに書き込むICタグライタ16が接続されている。また、データ制御部30には、院内検体ID(検体識別情報)を検査センタ用検体ID(検査機関用検体識別情報)に変換するためのID変換パターンを記憶したID変換テーブル32及びバーコードリーダ20を介して読み取られた情報等を記憶するデータ記憶部34が接続されている。
【0026】
ID変換テーブル32には、各医療機関において用いられている院内検体IDを検査センタにおいて用いられる検査センタ用検体IDに変換するためのID変換パターンが記憶されている。即ち、検体は医療機関において採取され、各医療機関において用いられている院内検体IDが付されて検査センタへ搬送される。従って、検査を依頼された検体が複数の医療機関から搬入される検査センタにおいては、搬入された検体を検査依頼書と対応させて適切に管理するために、院内検体IDに代えて検査機関において用いられる検査センタ用検体IDを付与する必要がある。そのため、院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換するためのID変換パターンがID変換テーブル32に記憶されている。
【0027】
ここで、ID変換テーブル32に記憶される変換パターンには、院内検体IDに医療機関毎に付与されている施設番号を付加する変換パターンや、院内検体IDに日付を付加する変換パターンが含まれている。
【0028】
次に、図3のフローチャートを参照して、第1の実施の形態に係るタグ書込装置を介してICタグに検査センタ用検体IDを書き込む処理について説明する。なお、以下においては、医療機関において採取された検体及び検査依頼書を、集荷人が医療機関から集荷し、集荷した検体及び検査依頼書を検査センタに搬入する場合を例として説明する。
【0029】
まず、医療機関から検体を集荷する際に、採取された検体を収容した試験管等の検体容器に貼り付けられているバーコードに記録されている院内検体IDを、バーコードリーダ20を介して読み取る(ステップS10)。ここで、検体容器にICタグが貼り付け等されていない場合には、検体容器にICタグを貼り付けた後に、バーコードに記録されている院内検体IDを読み取る。また、検体容器の中にICタグを投入した後に、バーコードに記録されている院内検体IDを読み取るようにしてもよい。
【0030】
次に、バーコードリーダ20を介して読み取られた院内検体IDをデータ記憶部34に記憶すると共に、読み取られた院内検体IDを表示部14に表示する(ステップS11)。なお、院内検体IDが表示部14に表示されることにより、集荷人は院内検体IDが読み取られたことを確認することができる。
【0031】
次に、院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換するために、ID変換テーブル32に記憶されている変換パターンを参照する(ステップS12)。例えば、医療機関Aにおいては院内検体IDとして、患者毎に付与されているA123のような4桁のコードからなる患者IDを用いており、検査センタ用検体IDとして、医療機関毎に付与されている施設番号及び検体の受付日を含む12桁のコードを用いているとする。従って、このような場合には、ID変換テーブル32に記憶されている変換パターンの中で、4桁のコードからなる院内検体IDを12桁のコードからなる検査センタ用検体IDに変換する変換パターンを参照する。
【0032】
次に、ステップS12において参照された変換パターンに基づいて、データ記憶部34に記憶されている院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換し、変換された検査センタ用検体IDを表示する(ステップS13)。即ち、参照されたID変換パターンに基づいて、例えば、医療機関Aの4桁のコードからなる院内検体IDに医療機関Aを4桁のコードで表される施設番号及び4桁のコードで表される検体の受付日を付加し、12桁のコードからなる検査センタ用検体IDに変換する。そして、変換された検査センタ用検体IDを表示部14に表示する。なお、表示部14に検査センタ用検体IDが表示されることにより、集荷人は、読み取られた院内検体IDが検査センタ用検体IDに変換されたことを確認することができる。
【0033】
次に、表示部14に表示されている検査センタ用検体IDをICタグに書き込む(ステップS14)。即ち、ICタグライタ16を介して検体容器に貼り付けられているICタグに検査センタ用検体IDを書き込むことによって、ICタグに検査センタ用検体IDを記録させる。
【0034】
なお、検査依頼書に貼り付けられているバーコードに記録されている院内検体IDもバーコードリーダ20を介して読み取り(ステップS10)、検査センタ用検体IDに変換した後に(ステップS13)、変換された検査センタ用検体IDを検査依頼書に貼り付けられているICタグに書き込み(ステップS14)、ICタグに検査センタ用検体IDを記録させる。
【0035】
ここで、図4は、第1の実施の形態に係るタグ書込装置を介して検体容器に貼り付けられているICタグに検査センタ用検体IDを書き込む状態の一例を示す図である。まず、タグ書込装置2のハンドル部6を保持し、図4に示すように検体容器36に貼り付けられているバーコード22にタグ書込装置2の開口部10を近づけ、バーコードリーダ20を介してバーコード22に記録されている院内検体IDを読み取る。次に、読み取った院内検体IDを直ちに検査センタ用検体IDに変換し、ICタグライタ16を介して変換された検査センタ用検体IDを検体容器36に貼り付けられているICタグ24に書き込む。従って、読み取られた院内検体IDから変換された検査センタ用検体IDは、必ずその院内検体IDが付されている検体を収容した検体容器に貼り付けられたICタグに書き込まれる。
【0036】
また、検査依頼書に貼り付けられたバーコードに記録された院内検体IDの読み取り、読み取られた院内検体IDから検査センタ用検体IDへの変換及びICタグへの書き込みも、図4に示す状態と同様にして行われる。
【0037】
なお、その医療機関における全ての集荷予定の検体に付されたICタグ及び検査依頼書に貼り付けられたICタグのそれぞれに、検査センタ用検体IDが書き込まれた場合には、集荷人は、集荷した検体を検査センタへと搬送する。
【0038】
この第1の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、検体容器に貼り付けられているバーコードに記録されている院内検体IDを読み取り、読み取った院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換して検体容器に貼り付けられているICタグに書き込んでいる。従って、複数の医療機関から集荷された検体が検査センタに搬入された場合であっても、検査センタ用検体IDに基づいて容易に検体の管理を行うことができる。
【0039】
また、この第1の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、ハンディタイプのハウジングを有しているため、検体の集荷作業を行う際に、容易にタグ書込装置を保持することができ、検体容器に付されているICタグへ検査センタ用検体IDを容易に書き込むことができる。
【0040】
また、検体容器に貼り付けられているICタグに検査センタ用検体IDを書き込む場合と同様にして、検査依頼書に貼り付けられているICタグに検査センタ用検体IDを書き込んでいる。従って、検査センタに検体及び検査依頼書が搬入された際に、非接触でICタグに記録されている検査センタ用検体IDを読み取り、対応する検体及び検査依頼書が存在するか否かを容易、かつ、迅速に確認することができる。
【0041】
また、検体を集荷する際にバーコードに記録されている院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換してICタグに書き込んでいる。そのため、医療機関においてバーコードを用いて検体の管理を行っており、検査センタにおいてICタグを用いて検体の管理を行っている場合であっても、搬入された検体の管理をICタグを用いて円滑に行うことができる。
【0042】
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態に係るタグ書込装置について説明する。
【0043】
図5は、第2の実施の形態に係るタグ書込装置の外観の概略を示す図である。図5に示すように、タグ書込装置40は、検査依頼書の画像データを読み取るイメージスキャナ等により構成される画像データ読取部42及びカバー部44により構成されている。カバー部44は、図中右端部分が画像データ読取部42と蝶番等により繋がれており、図中左端部分を上方に持ち上げて開閉することができるようになっている。また、カバー部44の上面にはキーボード等により構成される入力部46が配置されており、画像データ読取部42の側面(図中手前部分)には、非接触でICタグに情報の書き込みを行うICタグライタ48が配設されている。
【0044】
図6は、第2の実施の形態に係るタグ書込装置のブロック構成図である。図6に示すように、タグ書込装置40は、タグ書込装置40におけるデータの制御を行うデータ制御部50を備えている。このデータ制御部50には、検査依頼書の画像データを読み取る画像データ読取部42、検査依頼書に記載されている院内検体ID等を入力する入力部46及びICタグに非接触で情報を書き込むICタグライタ48が接続されている。また、データ制御部50には、院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換するためのID変換パターンを記憶したID変換テーブル52及び画像データ読取部42を介して読み取られた検査依頼書の画像データ等を記憶するデータ記憶部54が接続されている。
【0045】
なお、ID変換テーブル52に記憶されているID変換パターンは、第1の実施の形態に係るタグ書込装置2のID変換テーブル32に記憶されているID変換パターンと同様であるため説明を省略する。
【0046】
次に、図7のフローチャートを参照して、第2の実施の形態に係るタグ書込装置を介してICタグに検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDを書き込む処理について説明する。
【0047】
まず、カバー部44を上方に持ち上げ、画像データ読取部42の上面に検査依頼内容を記載した面を下にして検査依頼書を配置し、検査依頼書の画像データを読み取る(ステップS20)。なお、検査依頼書の画像データを読み取る場合には、対応する検体を収容した試験管等の検体容器をICタグリーダ48と対向する位置に配置する。また、検体容器にICタグが貼り付け等されていない場合には、ICタグを検体容器に貼り付けた後又は検体容器内にICタグを投入した後に、検体容器を配置する。
【0048】
次に、画像データ読取部42を介して読み取られた検査依頼書の画像データを、データ記憶部54に記憶する(ステップS21)。
【0049】
次に、検査依頼書に記載されている院内検体IDをキーボード等により構成される入力部46を介して入力し(ステップS22)、入力された院内検体IDをデータ記憶部54に記憶する(ステップS23)。なお、院内検体IDは、検査依頼書の画像データと対応させてデータ記憶部54に記憶する。
【0050】
次に、ID変換テーブル52に記憶されているID変換パターンを参照して(ステップS24)、データ記憶部54に記憶されている院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換する(ステップS25)。なお、ステップS24及びステップS25における処理は、図3のフローチャートのステップS12及びステップS13と同様の処理であるため詳細な説明を省略する。
【0051】
次に、データ記憶部54に記憶されている検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDをICタグライタ48を介して検体容器に付されているICタグに書き込む(ステップS26)。
【0052】
そして、その医療機関における全ての集荷予定の検体に付されたICタグに、対応する検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDが書き込まれた場合には、集荷人は、集荷した検体を検査センタへと搬送する。
【0053】
この第2の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、検査依頼書の画像データが対応する検体に付されているICタグに書き込まれている。従って、検体とその検体の検査依頼書とを一体として管理することができ、検査センタにおける管理負担を軽減することができる。
【0054】
また、この第2の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、検査依頼書の画像データと共に検査センタ用検体IDが検体容器に付されたICタグに書き込まれている。従って、複数の医療機関から集荷された検体と検査依頼書とが検査センタに搬入された場合であっても、統一された検査センタ用検体IDに基づいて容易に搬入された検体及び検査依頼書の管理を行うことができる。
【0055】
また、この第2の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、検体に付されたICタグに検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDが書き込まれている。従って、複数の医療機関からそれぞれ複数の検体が検査センタに搬入された場合であっても、非接触でICタグに記録されている検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDを読み取ることができ、多量に搬入された検体の確認を容易、かつ、迅速に行うことができる。
【0056】
なお、上述の第2の実施の形態に係るタグ書込装置においては、キーボード等により構成される入力部を介して院内検体IDを入力しているが、読み取られた画像データの中から院内検体IDを識別し、認識するようにしてもよい。即ち、読み取った画像データの中から院内検体IDを識別し、認識する院内検体ID認識部を更に備え、画像データ読取部を介して読み取られた検査依頼書の画像データの中から院内検体IDを識別し、認識するようにしてもよい。この場合には、まず、院内検体ID認識部において認識された院内検体IDを、ID変換テーブルに記憶されているID変換パターンを参照して検査センタ用検体IDに変換する。次に、検査依頼書の画像データと共に検査センタ用検体IDをICタグライタを介して検体に付されているICタグに書き込むことができる。
【0057】
また、検体に付されているバーコードに記録されている院内検体IDをバーコードリーダを介して読み取るようにしてもよい。即ち、検査依頼書に院内検体IDを記録したバーコードが貼り付けられている場合には、バーコードに記録されている院内検体IDをバーコードリーダを介して読み取るようにしてもよい。この場合には、まず、バーコードリーダを介して読み取られた院内検体IDを、ID変換テーブルに記憶されているID変換パターンを参照して検査センタ用検体IDに変換する。次に、検査依頼書の画像データと共に検査センタ用検体IDをICタグライタを介して検体に付されているICタグに書き込むことができる。
【0058】
また、上述の第2の実施の形態に係るタグ書込装置においては、読み取った検査依頼書の画像データ等を表示する表示部を備えていないが、表示部を更に備えるようにしてもよい。この場合には、読み取られた検査依頼書の画像データ、入力された院内検体ID及び変換された検査センタ用検体IDを表示部に表示して、画像データの読み取り等が適切に行われたことを確認することができる。
【0059】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態に係るタグ書込装置について説明する。
【0060】
図8は、この第3の実施の形態に係るタグ書込装置の外観の概略を示す図である。図8に示すように、タグ書込装置60の上面には、タブレット装置により構成されている画像データ認識部62が配設されている。また、タグ書込装置60の側面(図中手前部分)には、非接触でICタグに情報の書き込みを行うICタグライタ64が配設されている。なお、画像データ認識部62は、この画像データ認識部62上に配置された検査依頼書にペン等で記載された記載内容を認識する。
【0061】
図9は、第3の実施の形態に係るタグ書込装置のブロック構成図である。図9に示すように、タグ書込装置60は、タグ書込装置60におけるデータの制御を行うデータ制御部70を備えている。このデータ制御部70には、検査依頼書の画像データを認識する画像データ認識部62及び検査依頼書の画像データ等をICタグに書き込むICタグライタ64が接続されている。また、データ制御部70には、画像データ認識部62を介して認識された画像データの中から院内検体IDを識別する院内検体ID識別部72が接続されている。また、院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換するためのID変換パターンを記憶したID変換テーブル74及び画像データ認識部62を介して認識された検査依頼書の画像データ等を記憶するデータ記憶部76が接続されている。
【0062】
なお、ID変換テーブル74に記憶されているID変換パターンは、第1の実施の形態に係るタグ書込装置2のID変換テーブル32に記憶されているものと同様であるため、説明を省略する。
【0063】
次に、図10のフローチャートを参照してこの第3の実施の形態に係るタグ書込装置を介してICタグに検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDを書き込む処理について説明する。
【0064】
まず、画像データ認識部62上に検査依頼書を配置し、配置された検査依頼書にペン等を用いて検査依頼内容が記載されることによって、検査依頼書に記載された内容を画像データとして認識する(ステップS30)。なお、画像データ認識部62上に検査依頼書を配置した場合には、対応する検体を収容した試験管等の検体容器をICタグライタ64と対向する位置に配置する。また、検体容器にICタグが貼り付け等されていない場合には、検体容器にICタグを貼り付け又は検体容器内にICタグを投入した後に、検体容器を配置する。
【0065】
次に、ステップS30において画像データ認識部62を介して認識された検査依頼書の画像データをデータ記憶部76に記憶する(ステップS31)。次に、データ記憶部76に記憶されている検査依頼書の画像データの中から、院内検体ID識別部72において院内検体IDを識別する(ステップS32)。即ち、検査依頼書の画像データの中から、院内検体IDの画像を特定し、特定された院内検体IDの画像データから文字として院内検体IDコードを識別することによって、院内検体IDを識別する。
【0066】
次に、ステップS32において識別された院内検体IDをデータ記憶部76に記憶する(ステップS33)。なお、院内検体IDは、検査依頼書の画像データと対応させて記憶される。
【0067】
次に、ID変換テーブル74に記憶されているID変換パターンを参照して(ステップS34)、データ記憶部74に記憶されている院内検体IDを検査センタ用検体IDに変換する(ステップS35)。なお、ステップS34及びステップS35における処理は、第1の実施の形態に係る処理を説明する図3のフローチャートのステップS12及びステップS13と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0068】
次に、ステップS35において変換された検査センタ用検体IDとデータ記憶部76に記憶されている検査依頼書の画像データとを、検体容器に貼り付けられているICタグに書き込む(ステップS36)。
【0069】
そして、その医療機関における全ての集荷予定の検体に付されたICタグに、対応する検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDが書き込まれた場合には、集荷人は、集荷した検体を検査センタへと搬送する。
【0070】
この第3の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、タブレット装置等により構成される画像データ認識部を介して認識された検査依頼書の画像データが、対応する検体に付されたICタグに書き込まれている。従って、検体とその検体の検査依頼書とを一体として管理することができ、検査センタにおける管理負担を軽減することができる。
【0071】
また、この第3の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、検査依頼書の画像データと共に検査センタ用検体IDが検体容器に付されたICタグに書き込まれている。従って、複数の医療機関から集荷された検体及び検査依頼書を検査センタに搬入した場合であっても、統一された検査センタ用検体IDに基づいて検体の管理を容易に行うことができる。
【0072】
また、この第3の実施の形態に係るタグ書込装置によれば、検体容器に付されたICタグに検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDが書き込まれている。従って、複数の医療機関からそれぞれ複数の検体が検査センタに搬入された場合であっても、非接触でICタグに記録されている検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDを読み取ることができ、搬入された検体の確認等、検体の管理を容易に行うことができる。
【0073】
なお、上述の第3の実施の形態に係るタグ書込装置においては、画像データ認識部を介して認識された画像データの中から院内検体IDを識別しているが、キーボード等により構成される入力部を介して院内検体IDを入力するようにしてもよい。即ち、キーボード等により構成される入力部を更に備え、検査依頼書に記載されている院内検体IDを入力部を介して入力するようにしてもよい。この場合には、まず、入力部を介して入力された院内検体IDを、ID変換テーブルに記憶されているID変換パターンを参照して検査センタ用検体IDに変換する。次に、検査依頼書の画像データと共に検査センタ用検体IDをICタグライタを介して検体に付されているICタグに書き込むことができる。
【0074】
また、検体に付されたバーコードに記録されている院内検体IDをバーコードリーダを介して読み取るようにしてもよい。即ち、検査依頼書に院内検体IDを記録したバーコードが貼り付けられている場合には、バーコードに記録されている院内検体IDをバーコードリーダを介して読み取るようにしてもよい。この場合には、まず、バーコードリーダを介して読み取られた院内検体IDを、ID変換テーブルに記憶されているID変換パターンを参照して検査センタ用検体IDに変換する。次に、検査依頼書の画像データと共に検査センタ用検体IDをICタグライタを介して検体に付されているICタグに書き込むことができる。
【0075】
また、上述の第3の実施の形態に係るタグ書込装置においては、検査依頼書の画像データの中から、院内検体IDのみを識別しているが、検査依頼書の内容もテキスト情報として識別するようにしてもよい。
【0076】
また、上述の第3の実施の形態に係るタグ書込装置においては、読み取った検査依頼書の画像データ等を表示する表示部を備えていないが、表示部を更に備えるようにしてもよい。この場合には、認識された検査依頼書の画像データ、識別された院内検体ID及び変換された検査センタ用検体IDを表示部に表示し、画像データの認識等が適切に行われたことを確認することができる。
【0077】
なお、上述の各実施の形態に係るタグ書込装置は、外部との通信を制御する通信制御部を備えていないが、例えば、無線LAN等によるネットワークを介して外部との通信を制御する通信制御部を備えるようにしてもよい。この場合には、医療機関において検体を集荷する際にICタグに書き込まれた情報を、例えば、検査センタに設置されている管理システムに送信することができる。
【0078】
【発明の効果】
この発明によれば、検体に付されたバーコードに記録されている検体識別情報をバーコードリーダを介して読み取り、変換パターンテーブルを参照して変換された検査機関用検体識別情報を検体に付されたICタグに書き込んでいる。従って、複数の医療機関のそれぞれにおいて採取された検体を検査機関に搬入している場合であっても、統一的な検査機関用検体識別情報に基づいて容易に検体の管理を行うようにすることができ、搬入された検体を管理するための負担を軽減することができる。
【0079】
また、非接触で記録されている情報を読み取ることができるICタグに検査機関用検体識別情報を記録している。そのため、多量の検体が検査機関に搬送された場合であっても、搬入された検体に付されている検査機関用検体識別情報を迅速に読み取ることができ、搬入された検体の確認を容易、かつ、迅速に行い、検体の管理負担を軽減させることができる。
【0080】
また、検査依頼書の画像データを検体に付されたICタグに書き込んでいる。従って、多量の検体が搬入された場合であっても、検体に付されたICタグに検査依頼書の画像データが記録されているため、検体とその検体の検査依頼書とを一体として管理することができ、検査機関における管理負担を軽減することができる。
【0081】
また、検査依頼書の画像データに加えて、検体識別情報から変換パターンテーブルを参照して変換された検査機関用検体識別情報を検体に付されたICタグに書き込んでいる。従って、検体と検査依頼書とを確実に対応させることができると共に、複数の医療機関のそれぞれにおいて採取された検体を統一的な検査機関用検体識別情報に基づいて容易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るハンディタイプのハウジングを有するタグ書込装置を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態に係るタグ書込装置のブロック構成図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態に係るタグ書込装置によるICタグに対する検査センタ用検体IDの書き込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の第1の実施の形態に係るタグ書込装置によるICタグに対する検査センタ用検体IDの書き込みの状態を説明するための図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態に係るタグ書込装置の外観の概略を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態に係るタグ書込装置のブロック構成図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態に係るタグ書込装置によるICタグに対する検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDの書き込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の第3の実施の形態に係るタグ書込装置の外観の概略を示す図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態に係るタグ書込装置のブロック構成図である。
【図10】この発明の第3の実施の形態に係るタグ書込装置によるICタグに対する検査依頼書の画像データ及び検査センタ用検体IDの書き込み処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2…タグ書込装置、4…ハウジング、6…ハンドル部、8…検体情報読取部、10…開口部、12a…ONボタン、12b…OFFボタン、14…表示部、16…ICタグライタ、18…反射ミラー、20…バーコードリーダ、22…バーコード、24…ICタグ、30…データ制御部、32…ID変換テーブル、34…データ記憶部、36…検体容器、40…タグ書込装置、42…画像データ読取部、44…カバー部、46…入力部、48…ICタグライタ、50…データ制御部、52…ID変換テーブル、54…データ記憶部、60…タグ書込装置、62…画像データ認識部、64…ICタグライタ、70…データ制御部、72…院内検体ID識別部、74…ID変換テーブル、76…データ記憶部。
Claims (2)
- ハンディタイプのハウジングを有するタグ書込装置であって、検査に用いる検体を採取した各機関において用いられている検体識別情報を、前記検体の検査を依頼された検査機関において用いられる検査機関用検体識別情報に変換するための変換パターンを記憶する変換パターンテーブルと、
前記検体に付されたバーコードに記録されている前記検体識別情報を読み取るバーコードリーダと、
前記変換パターンテーブルを参照して、前記バーコードリーダにより読み取られた前記検体識別情報を前記検査機関用検体識別情報に変換する検体識別情報変換手段と、
前記検体識別情報変換手段により変換された前記検査機関用検体識別情報を前記検体に付されているICタグに書き込むICタグライタと
を備えることを特徴とするタグ書込装置。 - ハンディタイプのハウジングを有するタグ書込装置であって、検査に用いる検体を採取した各機関において用いられている検体識別情報を、前記検体の検査を依頼された検査機関において用いられる検査機関用検体識別情報に変換するための変換パターンを記憶する変換パターンテーブルと、
前記検体の検査依頼書に付されたバーコードに記録されている前記検体識別情報を読み取るバーコードリーダと、
前記変換パターンテーブルを参照して、前記バーコードリーダにより読み取られた前記検体識別情報を前記検査機関用検体識別情報に変換する検体識別情報変換手段と、
前記検体識別情報変換手段により変換された前記検査機関用検体識別情報を前記検査依頼書に付されているICタグに書き込むICタグライタと
を備えることを特徴とするタグ書込装置。
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