JP3974779B2

JP3974779B2 - 肌状態観察用装置および肌状態撮像用装置

Info

Publication number: JP3974779B2
Application number: JP2001397311A
Authority: JP
Inventors: 利行高橋; 豊丹呉; 浩一新本
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 2001-12-27
Filing date: 2001-12-27
Publication date: 2007-09-12
Anticipated expiration: 2021-12-27
Also published as: JP2003190103A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌状態観察用装置および肌状態撮像用装置に関し、更に詳細には、肌に紫外線を照射することにより、肌上の紫外線反応物質を検出し、これにより肌の状態を観察、撮像し、診断する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ニキビの原因となるプロピオニバクテリウム・アクネ（Propionibacterium acnes；アクネ菌）がポルフィリンを産生することは公知であり、皮膚上のポルフィリンを検出し、これからアクネ菌の存在や肌の状態を調べることも報告されている（香粧会誌、Vol.19, No.1, 1-6）。
【０００３】
上記のポルフィリンの検出は、紫外光を照射した時に、これにより励起されたポルフィリンが発する赤橙色の蛍光を観察することにより行われているが、従来の方法では、紫外線の照射により励起された蛍光を検出するための装置は、それ全体が大がかりになるという問題があった。また、蛍光を検出するためには、他の光を遮光しなければならず、従来の装置によりポルフィリンを検出するためには、暗室等特別な施設が必要であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このように、皮膚の状態を紫外光の照射により診断するためには、大がかりな装置と特別な施設が必要とされており、軽量で移動可能な簡単な装置により、どこでも手軽に肌上のポルフィリンの存在を検出できる手段の提供が強く求められていた。本発明は、このような手段の提供をその課題とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行っていたところ、状態を調べるべき肌の部分をカバーするフード中に、紫外光発光ダイオードを取り付け、この紫外光により励起されたポルフィリンが発する蛍光を、フード中に設けられた窓部から観察ないしは撮像カメラで撮影することにより、簡単に肌上のポルフィリンを検出できることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
【０００６】
すなわち本発明は、一方の側が開放されたフード中に、紫外光発光ダイオードと観察用窓部を設けたことを特徴とする肌状態観察用装置である。
【０００７】
また本発明は、一方の側が開放されたフード中に、紫外光発光ダイオードと撮像用カメラを設けたことを特徴とする肌状態撮像用装置である。
【０００８】
更に、本発明は、フードの一部または全部が弾性材料で形成されている上記の肌状態観察用ないし肌状態撮像用装置である。
【０００９】
更にまた、本発明は、フード中に可視光発光ダイオードを設けた上記肌状態観察用ないしは肌状態撮像用装置である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を示す図面と共に、本発明を更に詳しく説明する。
【００１１】
図１は、本発明の肌状態観察用装置の一態様を模式的に示した断面図、図２はその正面図である。図中、１は肌状態観察用装置、２はフード、３は観察用窓部、４は窓筒、５は開放部、６は紫外光発光ダイオード（紫外ＬＥＤ）、７は可視光ダイオード（可視ＬＥＤ）、８は紫外線カットフィルター、９は切換スイッチをそれぞれ示す。
【００１２】
図１に示す肌状態観察用装置は、半球型のフード２の内側に、１個ないし複数個の紫外ＬＥＤ６および可視ＬＥＤ７が設置され、また、その上部に観察用窓部３が設けられている。この観察用窓部３は、フード２に取り付けられた窓筒４で形成されており、その下部には、紫外線カットフィルター（カットフィルター）８が取り付けられている。
【００１３】
上記肌状態観察用装置に取り付けられた紫外ＬＥＤ６および可視ＬＥＤ７は、肌が接する中央部に光軸が合わせられており、観察用窓部３は、この中央部が観察されやすい位置に設けられる。また、カットフィルター８は、肌状態観察に当たり、不要な紫外光を遮断するためのものであり、観察者あるいは観察機器に問題となる紫外線が発生しない場合は、省略することもできる。
【００１４】
また、観察用窓部３を構成する窓筒４は、カメラ等の観察機器を取り付けたり、目視で観察する場合は、外部からの光を遮断する働きを有するものである。この窓筒４は、必要により、フード２の内側に延ばすこともできる。このように、することにより、観察窓に入る紫外光を減少させることが可能となる。
【００１５】
上記肌状態観察用装置１においては、紫外ＬＥＤ６だけでもよいが、図１および２に示すように、紫外ＬＥＤと可視ＬＥＤをフード２内に設け、例えば、最初に可視ＬＥＤを照射して皮膚の状態を観察し、次いで、紫外ＬＥＤを照射してポルフィリン由来の蛍光を観察すれば、皮膚のどの部分にポルフィリンが存在するか、ひいてはどこにアクネ菌がいるかが容易に観察できる。
【００１６】
図１および図２の肌状態観察用装置により、肌状態の観察、すなわち、ポルフィリンの有無からのアクネ菌の検出を行うには、次のようにすればよい。すなわち、まず開放部５の中心を肌状態を観察すべき部分と合わせる。次いで、切換スイッチ９を操作して可視ＬＥＤを点灯し、皮膚の外観を観察する。次いで、切換スイッチにより、紫外ＬＥＤ６を点灯させ、上記部分に照射する。その後、照射部分から発せられるポルフィリン由来の蛍光を、観察窓３から観察する。この観察方法としては、直接目視による方法を使用しても良いし、例えば、カメラ、ビデオカメラ等観察機器を用いて記録する方法を使用しても良い。
【００１７】
なお、上記肌状態観察用装置１のフード２は、観察すべき皮膚面を十分に覆い、外光が入ることを避けるために、その一部または全部が、ゴム、ポリウレタン等の弾性材料で形成されていることが好ましい。また、フードは、均一の厚みでなく、図１に示すように上部は厚く、下部にいくほど薄くなっていれば、自然に下部の弾性があがるのでより好ましい。更に、フードが遮光性材料で構成されていれば、外光をほぼ完全に遮るので、蛍光が観察しやすく、好ましい。
【００１８】
更に、図１の肌状態観察用装置１は、広い範囲の肌状態の観察に適するように、フード２がお椀を伏せたような半球形状であったが、このような形状に限られるものではない。例えば、図３に示すような、先端部がつぼまった形状であっても良く、このような形状のものであれば、限られた部分についての肌状態の観察が可能となる。
【００１９】
更にまた、観察用窓部３は必ずしもフード２の中央に設ける必要はなく、例えば図４および図５に示すように偏心させても良い。このような場合は、紫外ＬＥＤ６を一方側にのみ取り付けても良い。なお、図４および図５においては、フードの一部が、前記したように弾性材料２ａで形成されている。
【００２０】
次に、上記肌状態観察用装置の原理を応用した肌状態撮像用装置について説明する。図６は、肌状態撮像用装置を模式的に示した断面図、図７は、肌状態撮像用装置のブロック図である。図中、２はフード、５は開放部、６は紫外ＬＥＤ、７は可視ＬＥＤ、８はカットフィルター、９は切換スイッチ、１０は肌状態撮像用装置、１１は撮像用カメラ、１２はカメラコントロールユニット、１３は電源、１４はモニターをそれぞれ示す。
【００２１】
図６に示す肌状態撮像用装置１０は、基本的に図１の肌状態観察用装置の観察用窓部３および窓筒４が、撮像用カメラ１１に代わったものである。もちろん、撮像用カメラとしては、他のカメラであっても良いが、小型であることや、すぐに画像が見られることから、ＣＣＤカメラやＣＭＯＳカメラ等が好ましい。
【００２２】
またこの装置は、図７に示すように紫外ＬＥＤ６、可視ＬＥＤ７の切換スイッチ９の操作により、可視光で見た肌の状態と、紫外光により発光したポルフィリン由来の蛍光を簡単に切り換えて撮像することができる。更に、カメラコントロールユニット１２により、撮像の明るさや、解像度を適当に変えることができる。
【００２３】
上記の肌状態撮像用装置１０は、この装置自体に撮像用カメラ１１が入っているので、直接モニター１４と結合して画像を見ることができ、撮像と同時に被験者にその結果を示すことが可能となるものである。
【００２４】
【発明の効果】
本発明の肌状態観察用装置および肌状態撮像用装置は、フード中に紫外ＬＥＤと観察用窓またはＣＣＤカメラを設けたものであるため、暗室や、特別のバック等を使用せず、簡単に紫外光を照射されたポルフィリンが発する蛍光を観察することができるものである。
【００２５】
そして、紫外ＬＥＤと可視ＬＥＤを併用した場合は、可視光で見た状態と、ポルフィリンが発する蛍光を対比して観察ないし撮像することができるので、どの部分にポルフィリン、ひいてはアクネ菌が存在するか、簡単に判断することができる。また、フードの一部または全部を弾性材料で形成した場合は、凹凸のある肌部であってもフードで形成される空間に外光の侵入を防ぐことができ、よりポルフィリンの存在を明確とすることができる。
【００２６】
従って、本発明の肌状態観察用装置および肌状態撮像用装置は、店頭やデパートの売り場等で、簡単に被験者の肌の状態、すなわち、アクネ菌の存在等を明らかにすることができるものであり、化粧品や外用剤の選択等に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明肌状態観察用装置の一態様の断面図
【図２】本発明肌状態観察用装置の一態様の正面図
【図３】フード形状の異なる態様の肌状態観察用装置を示した断面図
【図４】本発明肌状態観察用装置の別の態様の断面図
【図５】本発明肌状態観察用装置の別の態様の正面図
【図６】本発明肌状態撮像用装置の一態様の断面図
【図７】本発明肌状態撮像用装置のブロック図
【符号の説明】
１ … … 肌状態観察用装置８ … … カットフィルター
２ … … フード９ … … ＬＥＤ切換スイッチ
２ａ … … 弾性材料１０ … … 肌状態撮像用装置
３ … … 観察用窓部１１ … … 撮像用カメラ
４ … … 窓筒１２ … … カメラコントロールユニット
５ … … 開放部１３ … … 電源
６ … … 紫外ＬＥＤ１４ … … モニター
７ … … 可視ＬＥＤ
以上

Claims

一方の側が開放され、かつ、その一部または全部が弾性材料で形成されているフード中に、紫外光発光ダイオードと観察用窓部および可視光発光ダイオードを設けた肌状態観察用装置。
前記フードの開放部側端部を、観察する皮膚に密接させて使用することを特徴とする請求項第１項記載の肌状態観察用装置。
紫外光発光ダイオードの発光領域が、３００ｎｍないし４２０ｎｍである請求項第１項または第２項の何れかに記載の肌状態観察用装置。
フードが遮光性材料で形成されている請求項第１項ないし第３項のいずれかの項に記載の肌状態観察用装置。
観察用窓部に紫外線カットフィルターが設けられた請求項第１項ないし第４項の何れかの項記載の肌状態観察用装置。
プロピオニバクテリウム・アクネ由来のポルフィリンを観察するものである請求項第１項ないし第５項の何れかの項記載の肌状態観察用装置。
一方の側が開放され、かつ、その一部または全部が弾性材料で形成されているフード中に、紫外光発光ダイオードと撮像用カメラおよび可視光発光ダイオードを設けた肌状態撮像用装置。
前記フードの開放部側端部を、観察する皮膚に密接させて使用することを特徴とする請求項第７項記載の肌状態観察用装置。
紫外光発光ダイオードの発光領域が、３００ｎｍないし４２０ｎｍである請求項第７項または第８項のいずれかに記載の肌状態観察用装置。
フードが遮光性材料で形成されている請求項第７項ないし第９項の何れかの項記載の肌状態撮像用装置。
撮像用カメラがＣＣＤカメラまたはＣＭＯＳカメラである請求項第７項ないし第１０項のいずれかの項記載の肌状態撮像用装置。
撮像用窓部に紫外線カットフィルターが設けられた請求項第７項ないし第１１項の何れかの項記載の肌状態撮像用装置。
プロピオニバクテリウム・アクネ由来のポルフィリンが発する蛍光を撮像するものである請求項第７項ないし第１２項の何れかの項記載の肌状態撮像用装置。