以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体の構成を説明する。図1はこの発明の実施の形態1による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体の構成を機能的に示す説明図である。この画像付ドキュメント作成システムは、図1に機能的に示したように、入力部101と、加工部102と、出力部103とから構成される画像処理装置100と、ホストコンピュータシステム105とがLAN等のネットワークで接続されている。
入力部101は、画像の取込み処理をおこなうものであり、たとえば、スキャナやICカード、あるいはデジタルスチルカメラ、フォトCD読取装置等を含むものである。入力部101は画像を取込み、取込んだ画像を所定のファイル形式に変換した後、加工部102へ送信する。
加工部102は、入力部101により取込まれた画像を登録、削除、変更等の加工処理をするものであり、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)等をもちいておこなうものである。また、加工部102内に設けられた、あるいは、加工部102に外付けされた画像データ記憶部104は、たとえば、PCに内蔵のハードディスクや、フロッピー(R)ディスク、書き換え可能なCD−ROM、MO、DVD等、加工部102において加工された画像データを記憶するものである。
さらに加工部102は、画像データ記憶部104に記憶された画像データを検索し、検索した画像データを他のドキュメントに貼付け、そのドキュメントをディスプレイに表示するように表示制御をおこなったり、出力部103に印刷するように印刷制御をおこなったりする。
出力部103は、加工部102により印刷制御された画像データおよび画像データを含むドキュメントを印刷処理するものである。たとえば、白黒およびフルカラーの印刷が可能なレーザープリンタやデジタル複写機等が含まれる。また、出力部103には、名刺を印刷したり、IDカード等のカードを印刷した後そのカードをラミネート加工する機能等を有するプリンタ等も含まれる。
ホストコンピュータシステム105は、加工部102であるPCとLAN等のネットワークで接続されており、ホストコンピュータ106と、ホストコンピュータ106とネットワークで接続された複数の端末装置107とからなる。ホストコンピュータ106には、たとえば社内の人事情報の関する人事情報ファイル108が記憶されており、各端末装置107からはその人事情報ファイル108にアクセルすることができる。
また、加工部102と人事情報ファイル108とはその情報を互いにリンクできるようになっており、端末装置107から社員番号等の人事情報を入力することにより、人事情報ファイル108を介して加工部102の画像データ記憶部104に記憶された画像データを検索することも可能である。
画像付ドキュメント作成システムの具体的な応用例としては、たとえば、顔写真付の名刺を作成する名刺作成システムや、商品写真やスタッフの顔写真を掲載した案内状等の葉書を作成する葉書作成システムや、写真付きの身分証明書(IDカード)を作成するIDカード作成システムや、企画書や広告チラシやカタログ等のリーフレットを作成するリーフレット作成システムや、写真付きのカードを作成するカード作成システム等が含まれる。
また、社員の写真や履歴書、自己申告書等の顔写真付人事台帳、住所、地図等を作成、管理する人事情報システムや、中古車の写真付き情報を検索する中古車検索システムや、仕入れ情報を管理する仕入れ情報企画購入システムや、工程管理、工事台帳との合成による土木建設業向けシステムや、三次元CADとの合成による建設完成予想図システム等が含まれる。
これらのシステムは当然、カラー写真等のカラー画像をもちいて作成管理するカラーシステムとしてももちいることができる。
つぎに、画像処理装置100のハードウエア構成ついて説明する。図2は、実施の形態1による画像処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。図2において、201はシステム全体を制御するCPUを、202はブートプログラム等を記憶したROMを、203はCPUのワークエリアとして使用されるRAMを、204はCPU201の制御にしたがってHD(ハードディスク)205に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、205はHDD204の制御で書き込まれたデータを記憶するHDをそれぞれ示している。
また、206はCPU201の制御にしたがってFD(フロッピー(R)ディスク)207に対するデータのリード/ライトを制御するFDD(フロッピー(R)ディスクドライブ)を、207はFDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する着脱自在のFDを、208は文字、画像等を含むドキュメントや機能情報等を表示するディスプレイをそれぞれ示している。
また、209は通信回線210を介してネットワークNETに接続され、そのネットワークNETと内部のインターフェイスを司るインターフェイス(I/F)を、211は文字、数値、各種指示等の入力のためのキーを備えたキーボードを、212はカーソルの移動や範囲選択等をおこなうマウスを、213は画像を光学的に読み取るスキャナを、214はドキュメント等を印刷するプリンタを、215は上記各部を接続するためのバスをそれぞれ示している。
また、図3は、実施の形態1による画像処理装置100の構成を機能的に示すブロック図である。図3において、加工部102は、画像データ記憶部104のほか、操作指示部301と、画像登録部302と、画像削除部303と、画像変更部304と、画像検索部305と、画像貼付部306と、表示制御部307と、表示部308と、印刷制御部309等を含む構成である。
操作指示部301は、表示部308の表示内容にしたがって、画像登録部302、画像削除部303、画像変更部304、画像検索部305、画像貼付部306、表示制御部307、印刷制御部309の各部に操作の指示をおこなうものである。たとえば、キーボード211や、マウス212等のポインティングデバイスを含むものである。
画像登録部302は、入力部101から送信された画像データを、ファイル名等の所定のデータを付加することにより画像データファイルとして登録し、画像データ記憶部104へ記憶するものである。
画像削除部303は、操作指示部301からの削除指示にしたがって、画像データ記憶部104にすでに記憶されている画像データを画像データ記憶部104から削除するものである。
画像変更部304は、操作指示部301からの変更指示にしたがって、画像データ記憶部104にすでに記憶されている画像データファイルの画像データに変更を加え、変更後の画像データを再度画像データ記憶部104に記憶するものである。
画像検索部305は、操作指示部301からの検索指示にしたがって、画像データ記憶部104にすでに記憶されている画像データファイルのうち、所望の画像データファイルを検索するものである。
画像貼付部306は、操作指示部301からの画像貼付指示にしたがって、画像データ記憶部104にすでに記憶されている画像データをドキュメントに貼付け処理をおこなうものである。
表示制御部307は、操作指示部301からの表示指示にしたがって、画像データ記憶部104に記憶された画像データファイルの画像や当該画像を縮小した縮小画像等を表示部308の表示画面上に表示させるように制御するものである。表示制御部の制御についての詳細は、後述する。
印刷制御部309は、操作指示部301からの印刷指示にしたがって、画像データあるいは画像付ドキュメント等の印刷データを出力部103へ送信する。また、出力部の操作制御、たとえば印刷枚数の設定等も操作指示部301からの操作指示にしたがっておこなう。
画像登録部302、画像削除部303、画像変更部304、画像検索部305、画像貼付部306、表示制御部307、印刷制御部309はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
また、表示部308は、表示制御部307による表示制御に基づき、画像や文字列を含むドキュメント等を表示するものである。たとえばディスプレイ208であり、ディスプレイ208にはCRTや液晶ディスプレイ等を含むものである。
つぎに、表示制御部307の構成についてより詳細に説明する。図4は実施の形態1による画像処理装置の表示制御部およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。図4に示すように、表示制御部307は、基準画像抽出部401と、パラメータ管理部402と、パラメータ設定部403と、周辺画像作成部404と、画像表示制御部405とを含む構成となっている。
基準画像抽出部401は、編集加工等をおこなおうとする基準となる画像(基準画像)を抽出する抽出部である。具体的には、表示部308に表示されている等倍画像あるいは縮小画像等の画像を操作指示部301におけるマウス212等でクリックすることにより当該画像を抽出したり、あるいは画像のファイル名をマウス212やキーボード211等から指定し、該当する画像を画像記憶部104から読み出すことにより抽出することができる。
パラメータ管理部402は、基準画像に関する複数のパラメータを管理する管理部である。パラメータには、たとえば画像の明度、彩度、色相をあらわすパラメータのほか、コントラストをあらわすパラメータ、明るさをあらわすパラメータ、色の三原色である赤色(R)、緑色(G)、青(B)等の表色系のそれぞれのパラメータ等、画像を構成するために必要なあらゆるパラメータを含むものである。
また、パラメータ管理部402は、前述の複数のパラメータのパラメータ値についてもあわせて管理をする。すなわち、基準画像の各パラメータにおける値を基準パラメータ値として保持するものである。
パラメータ設定部403は、操作指示部301からの指示信号にもとづいてパラメータ管理部402に管理された複数のパラメータの中から任意の2つのパラメータを選択する。なお、操作指示部301がおこなう選択処理についての詳細は後述する。
また、パラメータ設定部403は、選択された2つのパラメータについて、操作指示部301からの指示信号に基づいて縦軸および横軸のスケールとしての設定もあわせておこなう。たとえば色相パラメータを縦軸のスケールに設定し、明度パラメータを横軸のスケールに設定するといったものである。縦軸および横軸のスケールの設定処理およびスケールの内容についても後述する。
周辺画像作成部404は、基準画像に対しパラメータ設定部403により選択された2つのパラメータのパラメータ値を所定の変化量だけ変化させた画像(周辺画像)を作成する画像作成部である。たとえば色相パラメータを縦軸のスケールに設定し、彩度パラメータを横軸のスケールに設定した場合、基準画像の色相パラメータ値を所定の変化量(たとえば10レベル)だけ増加/減少させた画像を作成する。
同様に彩度パラメータについても同様に作成する。さらに、両パラメータ値を所定の変化量だけともに増加させた画像、減少させた画像、どちらか一方だけを増加/減少させた画像もそれぞれ個別に作成する。
画像表示制御部405は、表示部308の表示画面上の所定位置に基準画面を表示するように表示制御する制御部である。所定位置については、あらかめ基準画面および周辺画面が確認しやすい位置である場合があり、また、操作者が操作指示部301から表示部308の表示画面上を指定した位置とすることもできる。
具体的には、通常、表示画面の中央が望ましく、また、周辺画像が隠れないような位置へマウス212等をもちいてドラッグ等をすることにより移動することも可能である。
また、画像表示制御部405は、周辺画像を周辺画像のパラメータ値を設定された縦軸および横軸のスケールに対応させて基準画像を中心として基準画像の周辺に基準画像をn層に取り囲む状態で配置するように表示制御する。
具体的には、たとえば色相に関するパラメータを縦軸のスケールに設定し、明度に関するパラメータを横軸のスケールに設定した場合、基準画像の色相に関するパラメータ値を所定の変化量だけ増加させた周辺画像は、基準画像の上側に配置するように表示制御し、色相に関するパラメータ値を所定の変化量だけ減少させた周辺画像は、基準画像の下側に配置するよう表示制御する。同様に、明度に関するパラメータ値を所定の変化量だけ増加させた周辺画像は基準画像の右側に、減少させた周辺画像は基準画像の左側にそれぞれ配置するように表示制御する。
また、基準画像を中心として基準画像の周辺に基準画像をn層に取り囲む状態で配置するので、結果的には、周辺画像が1層の場合は3×3のマトリックス状に9個の画像(基準画像も含む)が配置される。また、周辺画像が2層の場合は5×5のマトリックス状に25個の画像が配置される。以後同様であり、これらの画像の個数は、表示画面の解像度により、また、表示される画像の内容や用途に応じて変更することが可能である。周辺画像の表示制御についての詳細は後述する。
基準画像抽出部401、パラメータ管理部402、パラメータ設定部403、周辺画像作成部404、画像表示制御部405はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
つぎに、具体的な表示例をもちいて画像処理装置の操作の内容および表示画面の内容について説明する。図5は実施の形態1による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図5に示される表示画面は実施の形態1による画像処理装置の基本表示画面であり、図5において、表示画面は、画面の略左半分の上側を占めるファイル名表示領域501と、ファイル名表示領域501の下側を占める縮小画像表示領域502と、画面の略右半分を占める選択画像表示領域503の3つの領域から構成される。
これらの領域はマルチウインドウにより表示をするのではなく、あえて固定領域としてあり、これらの領域の位置および大きさは変更できないような構成になっている。そのため、常に同一構成の画面が表示されるため、操作者はこれらの領域を一枚の画面としてとらえることができる。したがって、操作者は操作時に困惑することなく、また複雑な操作手順を覚える必要もなく、画像処理装置を直感的に使いこなしていくことができ、効率よく画像の編集加工作業等をおこなうことができる。
ファイル名表示領域501は、画像データ記憶部104、具体的にはたとえばハードディスク205やフロッピー(R)ディスク207に記憶されているファイル名が階層的に表示される。ファイル名表示領域501に表示されている画像データファイルのファイル名を見てその中から所望の画像データファイルを検索し指定することにより、所望の画像データファイルを選択することができる。
縮小画像表示領域502は、複数の縮小画像から構成されている。縮小画像はいわゆるサムネイルとよばれ、実際の画像データを所定倍率で縮小し、その縮小された画像を見ることにより、当該画像データファイルがどのファイルであったかを瞬時に認識するものである。サムネイルの下側には、当該サムネイルの画像データファイルのファイル名があわせて表示されている。
ファイル名表示領域501のファイル名を指定する代わりに、図5に示したように、ファイル名表示領域501には、ファイルを格納するフォルダのみを表示し、フォルダを指定することにより、指定されたフォルダに格納されたファイルのサムネイルを縮小画像表示領域502に表示し、表示されたサムネイルのうちからサムネイルの画面自体をマウス212等でクリックすることにより、所望の画像を選択することができる。
この場合、操作者はファイル名を正確に記憶していなくてもサムネイルの画像を手がかりに所望の画像データファイルを高速にかつ容易に選択することが可能である。
また、各画像データファイルに所定のキーワード、たとえば「人物」、「風景」あるいは「業務用」、「個人用」等のキーワードを付加して登録しておけば、そのキーワードに基づいてサムネイルの表示順序を並べ替えて表示することができる。これにより、登録画像データファイル数が増加しても、キーワードによる並べ替えをおこなうことにより、所望の画像データファイルの高速で検索することが可能である。
サムネイルの表示数は図5の表示例では8個×3行で24個表示されるように設定されているが、表示装置の解像度や表示画像の内容、あるいは検索方法の違いによってサムネイルの表示配列や表示個数を変更することが可能である。
選択画像表示領域503は、ファイル名表示領域501においてファイル名から選択された画像データファイルあるいは縮小画像表示領域502においてサムネイルから選択された画像データファイルの画像を表示する領域である。表示形式としては、標準サイズで表示をする標準表示と、画像全体を表示するために拡大または縮小して表示する全体表示と、操作者が所望する倍率で表示する変倍表示とが考えられる。
変倍指定は変倍のパーセントを入力することにおこなわれ、100パーセントで等倍となり、それより少ない数値を入力した場合は縮小、大きい数値を入力した場合は拡大されることになる。
また、選択画像表示領域503は、所定のメニューからコマンドを指定することにより、またはその画像自体をダブルクリックすることにより、表示画面全体にファイル名表示領域501および縮小画像表示領域502を隠蔽するように現在表示中の画像を表示することができる。これにより、編集加工作業をより効率よくおこなうことができる。特に、大きな画像の場合には有効である。
編集加工処理が終了した場合は、所定のメニューからコマンドを指定することにより、または再度画像自体をダブルクリックすることにより元の画像領域に戻すことができ、その際、ファイル名表示領域501および縮小画像表示領域502が再表示される。
つぎに、色調整の操作の内容および表示画面の内容について説明する。図6〜図8は実施の形態1による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図6は図5の基本表示画面において色調整メニューを選択した場合に表示される画面である。
図6の画面において、選択画像表示領域503はそのまま変更せず、ファイル名表示領域501と縮小画像表示領域502の代わりに、色調整メニュー601が表示される。色表示メニュー601は、上側に表示されるパラメータ選択ボタン表示領域602とその下側に表示されるパラメータ調整バー表示領域603とから構成される。
パラメータ選択ボタン表示領域602は、「明るさ・コントラスト」ボタン604と、「カラーバランス」ボタン605と、「RGB補正」ボタン606と、「色相・彩度」ボタン607と、調整が終了した際に押下されることにより基本表示画面に戻るための「調整終了」ボタン608から構成される。
パラメータ調整バー表示領域603には、「明るさ・コントラスト」ボタン604が押下された場合の表示画面が表示されており、明るさに関する調整バー609と、コントラストに関する調整バー610が表示されている。さらに、パラメータを調整する際に、基準画面のほかに周辺画面を表示して調整をおこなうためのカタログビュア(Catalog Viewer)を表示させるか否かを選択するためのチェックボックス611が表示されている。カタログビュアについての詳細は後述する。
調整バー609および610にはレベルつまみ612が備えられており、レベルつまみ612をマウス212をもちいてドラッグして左右に移動させることにより、それぞれのパラメータ値を変更することができる。
つぎに、「RGB補正」ボタン606を押下した場合の表示画面を図7に示す。パラメータ調整バー表示領域603に赤色(R)に関する調整バー701と、緑色(G)に関する調整バー702と、青色(B)に関する調整バー703が表示されている。調整バー701,702,703については調整バー609と同一の構成であるので、その説明は省略する。
さらに、「色相・彩度」ボタン607を押下した場合の表示画面を図8に示す。パラメータ調整バー表示領域603に色相に関する調整バー801と、明度に関する調整バー802と、彩度に関する調整バー803が表示されている。調整バー801,802,803についても調整バー609と同一の構成であるので、その説明は省略する。
つぎに、カタログビュアについて説明する。図9は、カタログビュアを表示させるか否かを選択するためのチェックボックス611をチェックした場合の画面表示の一例である。図9において、カタログビュア900がウインドウ形式でポップアップして表示されているのがわかる。
カタログビュア900には、3×3のマトリックス状に9個の画像が表示されている。その中央に配置されるように表示されている画像が基準画像901であり、基準画像901の周辺には8個の周辺画像902〜909が表示されている。
また、ウインドウ900には、横軸のパラメータを設定するための横軸パラメータ枠910と縦軸のパラメータを設定するための縦軸パラメータ枠911が設定されている。図9にあっては、横軸に彩度のパラメータが、また縦軸に色相のパラメータがそれぞれ設定されている。
それらのパラメータの設定にあわせて、9個の画像の横(上側)には彩度のパラメータ値に関するスケール(横スクロールバー)912が設定され、9個の画像の縦(左側)には色相のパラメータ値に関するスケール(縦スクロールバー)913が設定されてる。
横スクロールバー912は、右へ行くほど彩度のパラメータ値が高くなり、左に行くほど彩度のパラメータ値が低くなることを意味している。縦スクロールバーも同様に、上へ行くほど色相のパラメータ値が高くなり、下へ行くほどパラメータ値が低くなることを意味している。
さらに、カタログビュア900には、カタログビュア900のウインドウを閉じるための「閉じる」ボタン914が設定されている。
基準画像901は、選択画像表示領域503に表示された画像と同一の画像を縮小して表示したものである。したがって、画像に関する彩度および色相に関するパラメータ値も選択画像表示領域503に表示された画像のパラメータ値と同一である。
つぎに、周辺画像902〜909について説明する。周辺画像902〜909は、基準画像901と同一画像であって、基準画像901の彩度または色相あるいはその両方のパラメータ値を所定の変化量だけ変化させて作成した画像である。
基準画像901のパラメータ値を(0,0)として、パラメータ値の所定の変化量をプラス・マイナス10とした場合、周辺画像902のパラメータ値は(−10,0)となり、周辺画像903のパラメータ値は(0,10)となり、周辺画像904のパラメータ値は(10,10)となり、周辺画像905のパラメータ値は(−10,0)となり、周辺画像906のパラメータ値は(10,0)となり、周辺画像907のパラメータ値は(−10,−10)となり、周辺画像908のパラメータ値は(0,−10)となり、周辺画像909のパラメータ値は(10,−10)となる。
周辺画像902のパラメータ値を例にとると、横軸の彩度のパラメータ値については基準画像901と比較して−10となっており、縦軸の色相のパラメータ値については基準画像901と比較して+10となっている。したがって、周辺画像902は、彩度に関しては基準画像901よりも左側に配置され、かつ、色相に関しては基準画像901よりも上側に配置される。結果として、周辺画像902は基準画像901の左上側の位置に配置されることになる。
他の周辺画像903〜909も同様に、周辺画像903が基準画像901の上側に、周辺画像904が基準画像901の右上側に、周辺画像905が基準画像901の左側に、周辺画像906が基準画像901の右側に、周辺画像907が基準画像901の左下側に、周辺画像908が基準画像901の下側に、周辺画像909が基準画像901の右下側に、それぞれ配置される。
これにより、周辺画像902〜909はパラメータ値を横軸のスケールである横スクロールバー912および縦軸のスケールである縦スクロールバー913に対応させて基準画像901を中心として基準画像901の周辺に基準画像901を取り囲む状態で配置されるようになる。
画像を変更するには、横スクロールバー912または縦スクロールバー913をマウス212等によりドラッグ操作等する。これによりスクロールバーに対応するパラメータ値に応じてパラメータ値が変更された画像が表示されることになる。
つぎに、実施の形態1において表示制御部307がおこなう基準画像901と周辺画像902〜909の表示制御処理の手順について説明する。図10は実施の形態1による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、まず、カタログビュア900を表示すべき旨の指示があったか否か、すなわちチェックボックス611がチェックされたか否かを判断し(ステップS1001)、指示があった場合(ステップS1001肯定)、つぎに、横軸と縦軸のパラメータの指定があったか否かを判断する(ステップS1002)。
ステップS1002において、パラメータ指定があった場合(ステップS1002肯定)は、当該指定されたパラメータを設定する(ステップS1003)。
一方、ステップS1002において、パラメータの指定がなかった場合(ステップS1002否定)は、デフォルト値として設定されているパラメータを指定されたパラメータとして設定する(ステップS1004)。
つぎに、ステップS1003またはS1004において設定された横軸および縦軸のパラメータについて基準画像901のパラメータ値をパラメータ管理部402から取得する(ステップS1005)。
つぎに、周辺画像902、すなわち基準画像901の左上側に配置される周辺画像を作成する(ステップS1006)。具体的には、基準画像の横軸のパラメータのパラメータ値をx=0として、x−10を周辺画像902の横軸のパラメータのパラメータ値とする。縦軸についても同様に、基準画像のパラメータ値をy=0として、y+10を縦軸のパラメータとする。したがって、周辺画像902のパラメータ値は(x−10,y+10)となる。
ステップS1006と同様の手順で、ステップS1007〜ステップS10013まで処理をおこなう。ただしステップS1006乃至ステップS1013までの処理の順序はこの順序にとらわれることはない。また、各ステップともすべて基準画像のパラメータ値を基準にパラメータ値を算出したが、この限りではなく、たとえば8個の周辺画像の内のすでに作成済みの他の周辺画像のパラメータ値を基準として算出するようにしてもよい。
つぎに、すべての周辺画像902乃至909の作成が終了した後、基準画像901を表示画面上に表示し(ステップS1014)、それに引き続き、周辺画像902乃至909を同じく表示画面上に表示する(ステップS1015)。
なお、ここでもすべての周辺画像902乃至909の作成が終了した後、基準画像901を表示することとしたが、基準画像901の表示時期は周辺画像902乃至909の作成前でも構わない。また周辺画像902乃至909もすべての周辺画像の作成終了後に表示するようにしたが、作成された周辺画像から順次表示をおこなうようにしてもよい。
つぎに、現在設定されているパラメータを変更するためのパラメータの再指定があったか否かを判断する(ステップS1016)。ステップS1016において、パラメータの再指定があった場合(ステップS1016肯定)は、ステップS1003へ移行し、以下同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS1016において、パラメータの再指定がなかった場合、カタログビュア900を閉じるための「閉じる」ボタン914が押下されたか否かを判断する(ステップS1017)。
ステップS1017において、「閉じる」ボタン914が押下された場合(ステップS1017肯定)は、カタログビュア900を閉じて(ステップS9018)、すべての処理を終了する。
一方、ステップS1017において、「閉じる」ボタン914が押下されない場合(ステップS1017否定)は、ステップS1016へ移行し、以下同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、この実施の形態1によれば、基準画像のパラメータ値を変更する際に周辺画像を参照しながらおこなうことができる。特に、基準画像の近傍に縦横のパラメータに対応させて周辺画像を配置するようにしたので、パラメータ値の変化量と画像の変化の具合および他のパラメータとのバランスを直感的に認識することができ、また、パラメータ値の変更を高速かつ効率的におこなうことができる。
(実施の形態2)
さて、上述した実施の形態1では、パラメータ設定部403については横軸パラメータ設定枠911と縦軸パラメータ設定枠912へパラメータを入力することにより縦・横軸のパラメータを設定するようにしたが、以下に説明する実施の形態2のように、あらかじめ設定されている複数のパラメータの中から選択することによりパラメータを設定するようにしてもよい。
この発明の実施の形態2による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、表示制御部307について説明する。図11はこの発明の実施の形態2による画像処理装置の表示制御部およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。パラメータ設定部1101をのぞく他の各部は実施の形態1と同様の構成であるので、その説明は省略する。
パラメータ設定部1101は、縦軸および横軸のパラメータとして設定可能なパラメータをあらかじめ用意しておき、それらのパラメータの候補を表示画面に表示するとともに、操作指示部301からの指示信号にもとづいてそれらのパラメータ候補の中から各軸に対して1つずつのパラメータを設定する。
この際、いずれかの軸ですでに設定されたパラメータと同一のパラメータについては、他の軸では設定できないように制御する。両軸に同一のパラメータを設定することは全く意味のないことであり、操作者の誤操作により設定されてしまった場合に、基準画像の左上側の画像および右下側の画像においてパラメータ値の矛盾が生じる等の問題が発生してしまうからである。
つぎに縦軸および横軸のスケールの設定処理について説明する。図12はこの発明の実施の形態2による画像処理装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図12において、横軸パラメータ設定枠1201には現在彩度に関するパラメータが設定されており、縦軸パラメータ設定枠1202には色相に関するパラメータが設定されている。
横軸パラメータ設定枠1201の右端のボタン1203を押下することにより、選択可能なパラメータ候補がブルダウンメニューとして表示されている。選択可能なパラメータ候補としては、現在設定されている彩度も含め、色相および明度が表示されていることがわかる。縦軸パラメータ設定枠1202も横軸パラメータ設定枠1201と同様に、右端部のボタン1203を押下することにより、選択可能なパラメータ候補として色相、彩度、明度が表示される。
図12の状態で、横軸パラメータ設定枠1201に色相に関するパラメータを選択して設定しようとした場合、パラメータ設定部1101は、縦軸パラメータ設定枠1202に色相に関するパラメータがすでに設定されていることを認識し、その旨を操作者に報知し、横軸パラメータ設定枠1201に色相に関するパラメータの入力を無効にすることにより、色相に関するパラメータが設定されることを禁止する。
また、パラメータ設定部1101は、同様の場合に、その旨を操作者に報知するとともにあるいは報知する代わりに、横軸パラメータ設定部1201には色相に関するパラメータの設定を許可し、そのかわり、縦軸パラメータ設定部1202にすでに設定されている色相に関するパラメータを色相の代わりに選択可能な別のパラメータ、この場合、彩度あるいは明度に関するパラメータを自動的に設定するようにしてもよい。
こうすることで、軸だけを縦軸から横軸へ変更したい場合などに、直接横軸への設定だけをおこなえば、縦軸は自動的に別のパラメータが設定されるので、縦軸のパラメータを変更してから横軸への設定をするといった作業の手間を省略することができる。
つぎに、実施の形態2においてパラメータ設定部1101がおこなうパラメータ設定処理の手順について説明する。図13は実施の形態2によるパラメータ設定処理の手順を示すフローチャートである。
図13のフローチャートにおいて、まず、パラメータ設定部1101はデフォルト値として設定されているパラメータを横軸パラメータ設定枠910および縦軸パラメータ設定枠911に設定する(ステップS1301)。
つぎに、横軸パラメータ設定枠910または縦軸パラメータ設定枠911のいずれかのパラメータの変更があったか否かを判断し(ステップS1302)、変更があった場合(ステップS1302肯定)に、つぎに、変更があったパラメータと他軸のパラメータ設定枠のパラメータとが同一であるか否かを判断する(ステップS1303)。
ステップS1303において、パラメータが同一でない場合(ステップS1303否定)は、ステップS1302へ移行する。一方、ステップS1303において、パラメータが同一である場合(ステップS1303肯定)は、つぎに、報知することについて設定されているか否かを判断する(ステップS1304)。
ステップS1304において、報知することについて設定されている場合(ステップS1304肯定)は、その旨を報知する(ステップS1305)。つぎに、ステップS1302におけるパラメータの変更を無効とし(ステップS1306)、その後、報知を解除して(ステップS1307)、ステップS1302へ移行する。
一方、ステップS1304において、報知することについて設定されていない場合(ステップS1304否定肯定)は、パラメータの変更があったパラメータ設定枠ではない他方のパラメータ設定枠のパラメータを現時点で設定されているパラメータ以外のパラメータへ変更する(ステップS1308)。その後、ステップS1302へ移行し、以下同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、この実施の形態2によれば、同一のパラメータを縦軸と横軸に同時に設定してしまうことを回避できるので、操作者が誤って同一パラメータを設定してしまうことを未然に防止することができる。
(実施の形態3)
さて、この発明は、前述した実施の形態1および2において、以下に説明する実施の形態3のごとく周辺画像の中から1の周辺画像を指定し、指定された周辺画像を基準画像として抽出する機能を付加するように適用してもよい。以下、この発明の実施の形態3について説明する。
この発明の実施の形態3による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、表示制御部307について説明する。図14はこの発明の実施の形態3による画像処理装置の表示制御部およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。周辺画像指定部1401および基準画像抽出部1402をのぞく他の各部は実施の形態1と同様の構成であるので、その説明は省略する。
つぎに、周辺画像指定部1401について説明する。周辺画像指定部1401は、表示画面上に表示された周辺画像の中から1の周辺画像を指定する指定部である。具体的には、周辺画像指定部1401は操作指示部301からの指示信号に基づいて周辺画像の中の1の周辺画像を指定する。
たとえば、マウス212をもちいてマウスカーソルを指定しようとする周辺画像が表示されている領域内移動させ、そこでクリックすることにより、1の周辺画像を指定する。そのほか、キーボード211の矢印キーをもちいて1の周辺画像を指定するようにしてもよい。
また、基準画像抽出部1402は、周辺画像指定部1401によって指定された周辺画像を基準画像として抽出する。したがって、周辺画像指定部1401によって指定された周辺画像は、基準画像抽出部1402によって、それまで基準画像であった画像に代わり基準画像として扱われることになる。
周辺画像指定部1401および基準画像抽出部1402はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
以下、パラメータ管理部402、パラメータ設定部403、周辺画像作成部404、画像表示制御部405は、実施の形態1と同様の処理を実施するので、その説明は省略する。
つぎに、具体的な表示画面をもちいて周辺画像の指定処理および基準画像の抽出処理の内容について説明する。図15は実施の形態3による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一部(カタログビュア900)の一例を示す説明図である。図15(a)において、3×3のマトリックス状に基準画像と周辺画像とが表示されている。これらの画像に、説明の便宜上、A1からC3までの番号を付加した。したがって、基準画像はB1である。
また、マウスカーソル1501は、マウス212の操作により表示画面上を移動する。マウスカーソル1501は移動した位置によってその形状を変化させる。図15(a)にあっては周辺画像A3の位置にあり、周辺画像A3は指定されることにより左斜め下方向へ移動するため、マウスカーソル1501の形状もその移動方向を表すように左斜め下方向と右斜め上方向の矢印を備える形状となっている。
周辺画像C1の位置に移動した場合も同一形状のマウスカーソルとなる。同様に、マウスカーソル1501を周辺画像B1またはB2の位置に移動した場合は、左右方向の矢印を備える形状のマウスカーソルとなり、周辺画像A2またはC2の位置に移動した場合は、上下方向の矢印を備える形状のマウスカーソルとなり、周辺画像A1またはC3の位置に移動した場合は、右斜め下方向と左斜め上方向の矢印を備える形状のマウスカーソルとなる。
ここで、マウスカーソル1501を基準画像の右上側に配置された周辺画像A3の表示領域内でクリックする。クリックした後の表示画面の表示状態が図15(b)である。周辺画像であったA3が基準画像が配置される位置に移動していることがわかる。この移動にともない、基準画像であったB2が左下側へ移動している。すなわち、右上側の周辺画像を指定したことにともない、画像全体が左下へ1画像分だけ移動したことになる。このように、指定した周辺画像が基準画像の位置に移動するように、画像全体が移動する。
また、パラメータ値が(10,10)であった周辺画像A3が移動したことにともない、元々周辺画像A3が配置され位置には、あらたにパラメータ値が(x+10,y+10)の画像が周辺画像作成部404によって作成されるので、(10+10,10+10)すなわち(20,20)のパラメータ値の周辺画像が表示されることになる。このようにして、結果的には選択画像の2つのパラメータのパラメータ値を同時に変更することもできる。
つぎに、実施の形態3において周辺画像指定部1401および基準画像抽出部1402がおこなう周辺画像の指定処理および基準画像の抽出処理の手順について説明する。図16は実施の形態3による周辺画像の指定処理および基準画像の抽出処理の手順を示すフローチャートである。
図16のフローチャートにおいて、まず、周辺画像指定部1401は画像の指定があったか否かを判断する(ステップS1601)。ここで、画像の指定を待って(ステップS1601肯定)、指定があった場合にその画像が周辺画像であるか否かを判断する(ステップS1602)。
ステップS1602において、指定された画像が周辺画像である場合(ステップS1602肯定)は、基準画像抽出手段は当該周辺画像を基準画像として抽出し、当該周辺画像のパラメータ値を取得する(ステップS1603)。その後、実施の形態1の図10のステップS1006へ移行する。以下実施の形態1の処理手順であるので、その説明は省略する。
一方、ステップS1602において、指定された画像が周辺画像ではなく基準画像である場合(ステップS1602否定)、パラメータ値の変更が終了したとみなし、カタログビュア900によるパラメータ値を確定させ(ステップS1604)、カタログビュア900を閉じた(ステップS1605)のち、すべての処理を終了させる。
以上説明したように、この実施の形態3によれば、複数の周辺画像の中から1の周辺画像を指定し、指定された周辺画像を基準画像として抽出するので、操作者は表示されている複数の周辺画像の中からもっとも所望するパラメータ値の画像を指定するだけの簡易な操作で2つの異なるパラメータのパラメータ値を変更することができ、より視覚的にかつ直感的に複数のパラメータ値を変更することが可能である。
(実施の形態4)
さて、この発明は、前述した実施の形態1乃至3において、以下に説明する実施の形態4のごとく表示された画像の内にあるいはその近傍にパラメータ値の情報を表示させる機能を付加するように適用してもよい。以下、この発明の実施の形態4について説明する。
この発明の実施の形態4による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、表示制御部307について説明する。図17はこの発明の実施の形態4による画像処理装置の表示制御部およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。パラメータ表示制御部1701をのぞく他の各部は実施の形態1と同様の構成であるので、その説明は省略する。
つぎに、パラメータ値情報表示制御部1701について説明する。パラメータ表示制御部1701は、表示画面上に表示された基準画像および/または周辺画像の内あるいは基準画像および/または周辺画像の近傍の所定位置にパラメータ値に関する情報を表示させるように制御させる制御部である。
パラメータ値情報表示制御部1701は、操作指示部301からのパラメータ値情報を表示すべき旨の表示指示信号にしたがって、基準画像抽出部401、周辺画像作成部404からそれぞれの画像の各軸のパラメータのパラメータ値に関する情報を取得し、取得した情報を所定の表示形式(表示色も含む)で所定の位置に表示する。
また、パラメータ値情報表示制御部1701は、操作指示部301からのパラメータ値情報を消去すべき旨の表示指示信号にしたがって、すでに表示しているパラメータ値に関する情報を表示画面上から消去する。
パラメータ値情報表示制御部1701は、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより機能を実現するものである。
また、パラメータ値に関する情報とは、実施の形態1においても説明したとおり、基準画像のパラメータ値を0として、周辺画像のパラメータ値を基準画像とのパラメータ値の変化量の差分の値とするものである。
そのほか、パラメータ値に関する別の基準値を設け、基準画像も周辺画像もその基準値をもとにパラメータ値を算出して、その算出したパラメータ値をパラメータ値に関する情報として表示することにしてもよい。要するに、パラメータ値に関する情報とは、基準画像のパラメータ値と周辺画像のパラメータ値が比較可能となる情報であればそれらのすべての情報を含むものである。
また、パラメータ値に関する情報の表示方法の代表的なものとしては、(x,y)をもちいて示すものが簡潔かつ認識しやすい表示方法として考えられる。ここで、xは横軸のパラメータのパラメータ値を、yは縦軸のパラメータのパラメータ値をそれぞれ示している。表示方法はこの方法に限らず、横軸のパラメータのパラメータ値および縦軸のパラメータのパラメータ値が認識できるすべての表示方法を含むものである。
つぎに、表示画面をもちいてパラメータ値に関する情報の表示制御手順の内容について説明する。図18および図19は実施の形態4による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一部(カタログビュア900)の一例を示す説明図である。
図18は、パラメータ値に関する情報を基準画像および周辺画像の画像内に表示するものである。表示の内容については上述において説明したとおりである。また、図18では、パラメータ値に関する情報1801を画像の右下側に表示したが、この位置に限ることはなく、また、画像の内容等その他の条件によっては表示の位置を任意に変更することも可能である。さらに、画像ごとに表示の位置を変更するようにしてもよい。
また、パラメータ値に関する情報を表示する際は、画像に近い色をもちいることにより表示が認識が困難にならないよう、画像の色とは別の区別が可能な色をもちいる。特に、パラメータ値を変更することにより画像の状態が変化する場合には、その変化の状態に応じて表示の色も変化させるようにする。
さらに、画像のうち、パラメータに関する情報を表示する位置のみ画像を消去し、消去した部分に識別可能な色をもちいてパラメータに関する情報を表示することで、表示の色をその都度変化させることなく確実にパラメータに関する情報を画像内に表示することができる。
図19は、パラメータ値に関する情報を基準画像および周辺画像の画像近傍に表示するものである。図19において、各画像の下側にパラメータに関する情報を表示するために専用に設けた専用領域1901が配置されており、その専用領域1901内にパラメータ値に関する情報を表示している。これにより、画像の内容がパラメータ値に関する情報の表示によって隠蔽されてしまう領域を作ることなく、前記情報表示を確実におこなうことができる。
つぎに、実施の形態4においてパラメータ値情報表示制御部1701がおこなうパラメータ値に関する情報の表示制御処理の手順について説明する。図20は実施の形態4によるパラメータ値に関する情報の表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
図20のフローチャートにおいて、まず、パラメータ値情報表示制御部1701はパラメータ値に関する情報を表示する旨の指示があったか否かを判断する(ステップS2001)。ここで、ステップS2001において表示の指示を待って(ステップS2001肯定)、指示があった場合に、表示の対象となる画像のパラメータ値を取得する(ステップS2002)。
つぎに、ステップS2002において取得したパラメータ値を所定の表示形式で表示画面の所定の位置に表示させる(ステップS2003)。その後、パラメータ値に関する情報を消去する旨の指示があったか否かを判断する(ステップS2004)。
ステップS2004において消去の指示を待って(ステップS2004肯定)、指示があった場合に、表示されているパラメータ値に関する情報を消去する。
その後、ステップS2001へ移行し、以下同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、この実施の形態4によれば、パラメータ値に関する情報を基準画像および周辺画像の内あるいは近傍の所定位置に数値をもちいて表示させるので、パラメータ値を変更する際に、その数値を参考にすることができる。
特に、周辺画像を指定して、周辺画像を基準画像を変更することによりパラメータ値を変更する場合に、どの周辺画像をどのように指定することによりどのくらいパラメータ値を変更したか、その変更量を数値で認識することできる。また、最初の基準画像が(0,0)で表示されるので、最初の基準画像がどこであるかも、画像だけを見ただけでは判断するのは困難であるが、数値により表示されているので、容易にかつ迅速に最初の基準画像を発見することができる。
(実施の形態5)
以下に説明する実施の形態5においては、回転処理を施した画像の全体を縮小画像として表示するようにしたので、縮小画像上で画像の傾き等を容易に把握することができる。
この発明の実施の形態5による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち画像変更部304と表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、画像変更部304および表示制御部307の構成についてより詳細に説明する。図21は実施の形態5による画像処理装置の画像変更部304、表示制御部307およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。図21に示すように、画像変更部304は、編集加工部2101と、長方形算出部2102と、縮小画像作成部2103とを含む構成となっている。また表示制御部307は、縮小画像表示制御部2104を含む構成となっている。さらに編集加工部2101は画像回転処理部2105を含んでいる。
編集加工部2101は、画像データ記憶部104に記憶され、表示制御部307により表示部308に表示された画像を編集加工処理をするものである。編集加工処理には、画像回転処理部2105による表示された画像を所定角度だけ回転させる処理を含め、画像の反転処理、画像の画素数の変更処理、カラー画像の場合の色調整処理、画像合成処理等、画像に関するあらゆる編集加工処理が含まれる。
なお、画像回転処理部2105による画像の回転処理については公知の技術を用いる。画像の回転処理についての詳細は後述する。さらに、編集加工部2101により編集加工処理された画像はファイル名が付されて画像データ記憶部104により記憶される。
長方形算出部2102は、回転処理された画像を包含するような長方形のうち最小のサイズとなるような長方形を算出するものである。画像回転処理部2105により所定角度だけ回転させた長方形画像の場合、最小サイズとなる長方形は、当然、当該回転させた長方形画像よりも大きな長方形となる。長方形の算出方法については後述する。
縮小画像作成部2103は、検索用の縮小画像いわゆるサムネイルを作成する作成部であり、長方形算出部2102により算出された長方形の形状(縦横比)および大きさに基づいて縮小画像を作成する。
また、縮小画像表示制御部2104は、縮小画像作成部2103により作成された縮小画像を表示部308の表示画面上の所定の位置に表示制御する制御部である。表示する位置および表示方法については後述する。
編集加工部2101、長方形算出部2102、縮小画像作成部2103、縮小画像表示制御部2104、画像回転処理部2105はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
つぎに画像の回転処理の内容について説明する。図22は実施の形態5による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図22において選択画像表示領域503には図5において選択された画像を時計回りに45度回転させた選択画像2201が表示されている。
図形の回転指示の方法としては、たとえば所望の回転角度と回転方向をキーボード211等から入力することにより画像の中心点を中心として画像を回転させるものである。また、マウス212等を用いて、画像をドラッグすることにより所望の角度まで画像を回転させるものでもよい。画像の回転処理の方法については特に限定しない。
選択画像2201は、図5において選択画像表示領域503に表示されている画像と同一サイズである。しかしながら45度回転させたことにより、画像全体が選択画像表示領域503には表示されていないことがわかる。
つぎに、長方形算出部2102による長方形の算出方法について説明する。図23は実施の形態5による画像処理装置の長方形算出部2102の長方形算出方法についての簡略化した説明図である。
図23において、回転処理された長方形の画像2300は4つの頂点、頂点2301(x1,y1)、頂点2302(x2,y2)、頂点2303(x3,y3)、頂点2304(x4,y4)を有する。これらの頂点のうちで、xの座標値がもっとも大きいものと小さいもの、およびyの座標値がもっとも大きいものと小さいものをそれぞれ抽出する。xの座標値がもっとも大きいのはx4であり、小さいのはx1である。また、yの座標値がもっとも大きいのはy3であり、小さいのはy2である。
つぎに、求めようとする長方形2305を点線で示す。その対角線上の頂点2点を求めることにより、画像2300を包含する最小のサイズの長方形を求めることができる。対角線上の頂点2306(X1,Y2)および頂点2307(X2,Y2)はそれぞれX1=x1、Y1=y4、X2=x2、Y2=y3となる。
すなわち、算出しようとする長方形2305の頂点は、回転処理された長方形の各頂点のうち、x方向の座標値の最大値とy方向の座標値の最小値、およびx方向の座標値の最小値とy方向の座標値の最大値の座標であることがわかる。また、長方形2305の各辺の長さは、長方形2305の2つの頂点のx方向の座標値同士、y方向の座標値の座標値同士を比較し大きい値から小さい値を引いた差分の長さである。このようにして、長方形2305を算出する。
つぎに、縮小画像の表示例を示しながら縮小画像の作成処理および縮小画像の表示制御処理について説明する。図24は実施の形態5による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一部(縮小画像表示領域502)の一例を示す説明図である。図24にあっては、縮小画像の表示個数を8個にしてあるが、これは説明の便宜上であって、縮小画像の表示個数が図5のように24個であっても処理の内容に変更はない。
図24においては、原画像が同一であり、回転角度が異なる4つの画像を縮小画像として表示している。縮小画像2401は回転処理をおこなっておらず、回転角度は0度である。縮小画像2402は回転角度が時計回りに45度、縮小画像2403は90度、縮小画像は135度にそれぞれ回転処理を施してある。
縮小画像2401にあっては、画像を包含する長方形のうち最小のサイズの長方形2305は画像2401と同一サイズであるから、縮小画像の表示枠の縦横のサイズと比較して、画像2401全体が表示可能な最大の画像となるような倍率によって原画像を縮小され、表示枠に表示される。
縮小画像2402にあっては、上述した方法により長方形2305を算出し、その長方形2305と表示枠の縦横サイズとを比較して、長方形2305全体が最大のサイズで表示可能な倍率により原画像が縮小され、表示枠に表示される。
図24を比較すればわかるとおり、原画像より長方形2305の方が大きいサイズとなるため、原画像の縮小率が大きくなり、画像自体が縮小画像2401と比較して小さくなっていることがわかる。しかしながら、画像の回転の状況が明確となっているため、所望の画像を検索する速度および効率はきわめて向上する。縮小画像2403および2404についても同様である。
つぎに、実施の形態5において縮小画像を表示するための一連の処理の手順について説明する。図25は実施の形態5による画像処理装置の縮小画像を表示するための一連の処理の手順を示すフローチャートである。図25のフローチャートにおいて、まず、選択された画像について種々の編集加工処理をおこなう(ステップS2501)。
つぎに、ステップS2501において編集加工処理された画像について回転処理がされたか否かを判断する(ステップS2502)。ステップS2502において、回転処理がされていない場合(ステップS2502否定)は、ステップS2504へ移行する。一方、ステップS2502において、回転処理がされている場合(ステップS2502肯定)は、回転処理されている画像を包含する最小の長方形を算出する(ステップS2503)。
つぎに、ステップS2504において、回転処理されていない画像または回転処理されている画像を包含する最小の長方形に基づいて縮小画像を作成する。そして、ステップS2504において作成された縮小画像を表示部308の所定の位置に表示した(ステップS2505)後、すべての処理を終了する。
以上説明したように、この実施の形態5によれば、回転処理を施した画像の全体を縮小画像として表示するようにしたので、縮小画像上で画像の傾き等を容易に把握することができ、それにより画像の検索を高速にかつ効率的におこなうことができる。
(実施の形態6)
さて、上述した実施の形態5では、編集加工部2101により編集加工された画像が長方形の画像を所定角度回転させた画像としたが、以下に説明する実施の形態6のように、編集加工部により編集加工された画像が長方形以外の形状により切り出された画像としてもよい。
この発明の実施の形態6による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち画像変更部304と表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、画像変更部304および表示制御部307について説明する。図26はこの発明の実施の形態6による画像処理装置の画像変更部304、表示制御部307およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。図26に示すように、画像変更部304は、編集加工部2601と、長方形算出部2602と、縮小画像作成部2603とを含む構成となっている。また表示制御部307は、縮小画像表示制御部2604を含む構成となっている。さらに編集加工部2601は画像切出処理部2605を含んでいる。
編集加工部2601は、画像データ記憶部104に記憶され、表示制御部307により表示部308に表示された画像を編集加工処理をするものである。編集加工処理には、画像切出処理部2605による表示された画像を所定の形状で切り出す画像切出処理を含め、画像の反転処理、画像の画素数の変更処理、カラー画像の場合の色調整処理、画像合成処理等、画像に関するあらゆる編集加工処理が含まれる。
なお、画像切出処理部2605による画像の切出処理については公知の技術を用いる。画像の切出処理についての詳細は後述する。さらに、編集加工部2601により編集加工処理された画像はファイル名が付されて画像データ記憶部104により記憶される。
長方形算出部2602は、編集加工された画像、特に切出処理をすることにより画像のサイズが変更された画像を包含する長方形のうち最小のサイズとなる長方形を算出するものである。切り出された画像の切り口の軌跡の座標値に基づいて、実施の形態1の長方形算出部2102と同様に、x方向の座標値の最大値と最小値、y軸方向の座標値の最大値と最小値を求め、その値から長方形を算出する。
また、縮小画像作成部2603および縮小画像表示制御部2604は実施の形態1の縮小画像作成部2103および縮小画像表示制御部2104と同様の構成であるので、その説明は省略する。
編集加工部2601、長方形算出部2602、縮小画像作成部2603、縮小画像表示制御部1004、画像切出処理部2605はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
実施の形態6による画像処理装置の操作の内容および表示画面の内容については実施の形態1の特に図5により説明された内容と同様なので、その説明は省略する。
つぎに、画像の切出処理について説明する。図27は実施の形態6による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図27において、楕円の点線で示したのが画像の切出線2701である。楕円による切出処理をおこなうには、まず、範囲指定するための種類を選定する。
範囲指定をするための種類には、楕円のほかに、多角形、フリーハンド、テンプレート等の種類が用意されている。楕円の場合は、マウス212等をもちいて、所望の位置でマウスボタン等を押下し、押下した状態のまま所望のサイズ・形状になるまでマウス212等を移動させ、所望のサイズ・形状になった際にマウスボタン等の押下を解除すると点線による楕円の切出線2701が画面上に表示される。
また、多角形の場合は、マウス212等をもちいて、所定の位置でシングル・クリックをした位置が多角形の頂点となる。最後にダブル・クリックをすることにより最初にシングル・クリックをした位置に戻り、それにより多角形が完成し、点線による多角形の切出線が画面上に表示される。
また、フリーハンドの場合は、マウス212等をもちいて、所望の位置でマウスボタン等を押下し、押下した状態のまま所望の形状をフリーハンドで描き、マウスボタン等の押下を解除した時点でその位置から最初の起点となった位置まで自動的に線を結ぶことにより閉領域が完成する、その閉領域が切出範囲として確定し、点線による切出範囲の切出線が画面上に表示される。
つぎに、テンプレートによる範囲指定処理について説明する。図28は実施の形態6による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図28において、複数のテンプレート(ハート形のテンプレート2801、スペード形のテンプレート2802、ダイヤ形のテンプレート2803、クローバー形のテンプレート2804、星形のテンプレート2805)が表示されている。これらのテンプレートは上記5個に限定されるわけではなく、また、任意の形状を自ら作成し、それをテンプレートとして登録することも可能である。
図29は実施の形態6による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図29においてはハート形のテンプレート2802をもちいて画像の切出処理をおこなったものであり、画像上にはハート形の切出線2901が表示されている。テンプレートによる切出処理は楕円の切出処理と同様であるので、その説明は省略する。
つぎに、縮小画像の表示例を示しながら縮小画像の作成処理および作成された縮小画像の表示制御処理について説明する。図30は実施の形態6による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一部(縮小画像表示領域502)の一例を示す説明図である。図30にあっても実施の形態1の図8と同様に、縮小画像の表示個数を8個にしてあるが、これは説明の便宜上であって、縮小画像の表示個数が図27のように24個であっても処理の内容に変更はない。
図30においては、原画像が同一であり、原画像と切出処理の指定範囲が異なる3つの画像を縮小画像として表示している。縮小画像3001は原画像をそのまま縮小画像にしたものである。縮小画像3002は顔のサイズに合わせて楕円により切り出した縮小画像であり、縮小画像3003は同じく顔のサイズに合わせてハート形のテンプレート2801をもちいて切り出した縮小画像であり、縮小画像3004は同じく星形のテンプレート2805をもちいて切り出した縮小画像である。
縮小画像3001にあっては、画像を包含する長方形のうち最小のサイズの長方形は画像3001と同一サイズであるから、縮小画像の表示枠の縦横のサイズと比較して、画像3001全体が表示可能な最大の画像となるような倍率によって原画像を縮小し、表示枠に表示するよう制御する。
縮小画像3002にあっては、楕円に切り出された画像を包含する最小のサイズの長方形を算出し、その長方形と表示枠の縦横サイズとを比較して、長方形全体が最大のサイズで表示可能な倍率で原画像を拡大し、表示枠に表示するように制御する。
図30を比較すればわかるとおり、原画像より長方形の方が小さいサイズとなるため、原画像の縮小率が小さくなり、画像自体(顔の部分)が縮小画像3001と比較して大きくなっていることがわかる。縮小画像3003および3004についても同様である。
つぎに、実施の形態6において縮小画像を表示するための一連の処理の手順について説明する。図31は実施の形態6による画像処理装置の縮小画像を表示するための一連の処理の手順を示すフローチャートである。図31のフローチャートにおいて、まず、選択された画像について種々の編集加工処理をおこなう(ステップS3101)。
つぎに、ステップS3101において編集加工処理された画像について切出処理がされたか否かを判断する(ステップS3102)。ステップS3102において、切出処理がされていない場合(ステップS3102否定)は、ステップS3104へ移行する。一方、ステップS3102において、切出処理がされている場合(ステップS3102肯定)は、切出処理されている画像を包含する最小の長方形を算出する(ステップS3103)。
つぎに、ステップS3104において、切出処理されていない画像または切出回転処理されている画像を包含する最小の長方形に基づいて縮小画像を作成する。そして、ステップS3104において作成された縮小画像を表示部308の所定の位置に表示した(ステップS3105)後、すべての処理を終了する。
以上説明したように、この実施の形態6によれば、切出処理を施した画像の全体を縮小画像として表示するようにしたので、縮小画像上で切り出した部分の特徴がわかるように原画像と比較して大きく表示されるので、画像の特徴等を容易に把握することができ、また、縮小画像上で画像の切り出しの形状や大きさ等の状況を容易に把握することができ、それにより画像の検索を効率的におこなうことができる。
(実施の形態7)
以下に説明する実施の形態7においては、透明色となる色を指定することにより、透明処理をすべき部分に着色する色を任意に選択できるようにしたので、透明処理をすべきでない部分が透明処理されてしまうことを回避することができる。
この発明の実施の形態7による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち画像変更部304と表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、画像変更部304の構成についてより詳細に説明する。図32は実施の形態7による画像処理装置の画像変更部304およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。図32に示すように、画像変更部304は、編集加工部3201と、長方形算出部3202と、余白抽出部3203と、色指定部3204と、透明処理部3205とを含む構成となっている。さらに編集加工部3201は画像回転処理部3206および画像切出処理部3207を含んでいる。
編集加工部3201は、画像データ記憶部104に記憶され、表示制御部307により表示部308に表示された画像を編集加工処理をするものである。編集加工処理には、画像回転処理部3206による表示された画像を所定角度だけ回転させる処理および画像切出処理部3207による表示された画像を所定の形状で切り出す画像切出処理を含め、画像の反転処理、画像の画素数の変更処理、カラー画像の場合の色調整処理、画像合成処理等、画像に関するあらゆる編集加工処理が含まれる。
なお、画像回転処理部3206による画像の回転処理および画像切出処理部3207による画像の切出処理については公知の技術を用いる。また、画像の回転処理および画像の切出処理についての詳細は後述する。さらに、編集加工部3201により編集加工処理された画像はファイル名が付されて画像データ記憶部104により記憶される。
長方形算出部3202は、編集加工された画像を包含するような長方形のうち最小のサイズとなる長方形を算出するものである。また、余白抽出部3203は長方形算出部3202より算出された長方形のうち編集された画像を除いた余白部分を抽出するものである。また、色指定部3204は、余白抽出部3203により抽出された余白部分を着色するための色を指定するものである。
具体的には、編集加工された画像を画像データ記憶部104に保存する際に、後述する透明色設定画面から色を指定する。また、透明処理部3205は色指定部3204により指定された色により着色された部分を透明にするものである。長方形の算出処理、余白の抽出処理、色指定処理および透明処理についての詳細は後述する。
編集加工部3201、長方形算出部3202、余白抽出部3203,色指定部3204、透明処理部3205、画像回転処理部3206、画像切出処理部3207はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
つぎに画像の回転処理の内容について説明する。図33は実施の形態7による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図33において選択画像表示領域503には図5において選択された画像を時計回りに45度回転させた選択画像3301が表示されている。
図形の回転指示の方法としては、たとえば所望の回転角度と回転方向をキーボード211等から入力することにより画像の中心点を中心として画像を回転させるものである。また、マウス212等を用いて、画像をドラッグすることにより所望の角度まで画像を回転させるものでもよい。画像の回転処理の方法については特に限定しない。
選択画像3301は、図5において選択画像表示領域503に表示されている画像と同一サイズである。しかしながら45度回転させたことにより、画像全体が選択画像表示領域503には表示されていないことがわかる。
つぎに、画像の切出処理について説明する。図34は実施の形態7による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図34において、楕円の点線で示したのが画像の切出線3401である。楕円による切出処理をおこなうには、まず、範囲指定するための種類を選定する。範囲指定をするための種類には、楕円のほかに、多角形、フリーハンド、テンプレート等の種類が用意されている。
楕円の場合は、マウス212等を用いて、所望の位置でマウスボタン等を押下し、押下した状態のまま所望のサイズ・形状になるまでマウス212等を移動させ、所望のサイズ・形状になった際にマウスボタン等の押下を解除すると点線による楕円の切出線3401が画面上に表示される。
また、多角形の場合は、マウス212等を用いて、所定の位置でシングル・クリックをした位置が多角形の頂点となる。最後にダブル・クリックをすることにより最初にシングル・クリックをした位置に戻り、それにより多角形が完成し、点線による多角形の切出線が画面上に表示される。
また、フリーハンドの場合は、マウス212等を用いて、所望の位置でマウスボタン等を押下し、押下した状態のまま所望の形状をフリーハンドで描き、マウスボタン等の押下を解除した時点でその位置から最初の起点となった位置まで自動的に線を結ぶことにより閉領域が完成する。その閉領域が切出範囲として確定し、点線による切出範囲の切出線が画面上に表示される。
つぎに、テンプレートによる範囲指定処理について説明する。図35は実施の形態7による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図35において、複数のテンプレート(ハート形のテンプレート3501、スペード形のテンプレート3502、ダイヤ形のテンプレート3503、クローバー形のテンプレート3504、星形のテンプレート3505)が表示されている。これらのテンプレートは上記5個に限定されるわけではなく、また、任意の形状を自ら作成し、それをテンプレートとして登録することも可能である。
図36は実施の形態7による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図36においてはハート形のテンプレート3501を用いて画像の切出処理をおこなったものであり、画像上にはハート形の切出線3601が表示されている。テンプレートによる切出処理は楕円の切出処理と同様であるので、その説明は省略する。
つぎに、長方形算出部3202による長方形の算出処理について説明する。図37は実施の形態7による画像処理装置の長方形算出部3202の長方形算出処理についての簡略化した説明図である。図37において、回転処理された長方形の画像3700は4つの頂点、頂点3701(x1,y1)、頂点3702(x2,y2)、頂点3703(x3,y3)、頂点3704(x4,y4)を有する。
これらの頂点のうちで、xの座標値がもっとも大きいものと小さいもの、およびyの座標値がもっとも大きいものと小さいものをそれぞれ抽出する。xの座標値がもっとも大きいのはx4であり、小さいのはx1である。また、yの座標値がもっとも大きいのはy3であり、小さいのはy2である。
つぎに、求めようとする長方形3705を点線で示す。その対角線上の頂点2点を求めることにより、画像3700を包含する最小のサイズの長方形を求めることができる。対角線上の頂点3706(X1,Y2)および頂点3707(X2,Y2)はそれぞれX1=x1、Y1=y4、X2=x2、Y2=y3となる。
すなわち、算出しようとする長方形3705の頂点は、回転処理された長方形の各頂点のうち、x方向の座標値の最大値とy方向の座標値の最小値、およびx方向の座標値の最小値とy方向の座標値の最大値の座標であることがわかる。また、長方形3705の各辺の長さは、長方形3705の2つの頂点のx方向の座標値同士、y方向の座標値の座標値同士を比較し大きい値から小さい値を引いた差分の長さである。このようにして、長方形3705を算出する。
また、編集加工された画像、特に画像切出処理部3207により切出処理がされることにより画像のサイズが変更された画像を包含する長方形のうち最小のサイズとなる長方形を算出方法としては、上述の回転処理された長方形画像の場合と同様に、切り出された画像の切り口の軌跡の座標値に基づいて、x方向の座標値の最大値と最小値、y軸方向の座標値の最大値と最小値を求め、その値から長方形を算出する。
つぎに、余白抽出部3203による余白の抽出処理について説明する。図38は実施の形態7による画像処理装置の余白抽出部3203の余白抽出処理についての簡略化した説明図である。図38において、切出処理された画像3801とその画像3801を包含する長方形3802を示している。画像3801と長方形3802とは接点a,b,c,d,eにより接している。
余白部分とは長方形3802から画像3801の部分を除いた残りの部分であり、余白部分3803は接点aとbにより、余白部分3804は接点bとcにより、余白部分3805は接点cとdにより、余白部分3806は接点dとeにより、余白部分3807は接点eとaにより、それぞれできた領域である。これらの余白部分3803〜3807は画像3801の領域を示す座標と長方形3802の領域を示す座標および接点a〜eの座標をもとに差分を算出することにより求めることができる。このようにして余白抽出部3203は余白の抽出をおこなう。
つぎに、色指定部3204による色指定処理について説明する。図39は実施の形態7による画像処理装置の表示部308に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図39において、メニューバーにおいて「オプション(O)」−「環境設定」−「透明色設定」を選択すると、透明色設定画面3900が表示される。透明色設定画面3900には透明色の選択のための8色の色があらかじめ用意されている。
「透明色の選択」と記載された下側に表示された8個の透明色の選択ボックス3901〜3908には、白色の選択ボックス3901と、赤色の選択ボックス3902と、緑色の選択ボックス3903と、青色の選択ボックス3904と、ピンク色の選択ボックス3905と、水色の選択ボックス3906と、黄色の選択ボックス3907と、黒色の選択ボックス3908とが表示されている。これらの選択ボックス3901〜3908のうちから、余白部分を着色するのに所望の一色を指定する。
指定の方法としては、マウス212等によってマウスカーソルを所望の選択ボックスの領域へ移動させ、マウスボタン等をクリックすることにより指定をする方法が一般的である。透明色を使用しない場合は、「透明色を使用しない」と記載された下側に表示されたグレー色の不使用ボックス3909を同様の方法で指定する。
マウス212等のクリックにより指定された色は、「現在選択されている透明色」と記載された下側の表示ボックス3910に表示される。不使用ボックス1209が指定された場合は、表示ボックス3910にはグレー色が表示される。色の指定が確定したら、「OK」ボタン3911を押下することにより色指定処理が完了し、透明色設定画面3900はクローズする。これにより、色指定処理が完了する。色の変更をおこなう場合は、同様の処理を繰り返すことにより何度でも色の変更をおこなうことができる。
色の指定は通常は白色でおこなう。したがって、デフォルト値も白色としてある。しかしながら、画像が全体的に白色を基調としているような場合、たとえば雪景色の写真の画像等の場合、白色を指定すると、余白部分が透明になるだけでなく、画像自体の白色で表現されている部分まで透明になってしまう。そのような場合に別の色を指定することにより上記問題点を回避するものである。
色指定処理をおこなった後、画像の編集加工、たとえば画像の一部を切出処理をして、その画像を画像データ記憶部104に保存する際、切り出した形状を包含するような最小の長方形との余白部分の色が色指定処理時に指定した色に着色される。色指定処理をおこなわずに同様の処理をおこなうと、デフォルト値である白色が着色される。また、不使用ボックス3909を指定した後、同様の切出処理をおこなうと、この場合も同様にデフォルト値である白色が着色されることになる。
つぎに、透明処理部3205による透明処理について説明する。図40および図41は実施の形態7による画像処理装置の表示部に表示される表示画面の別の一例を示す説明図である。図40は画像を合成する際、透明処理を施した場合であり、一方、図41は透明処理を施していない場合である。
透明処理部3205による透明処理とは、点線で示した余白部分4001を含む編集加工の対象となっている画像4000に透明処理すべき色が存在する場合、当該色の部分の画像を透明として、画像の下側にある画像を当該編集加工の対象となっている画像に透過させて表示する処理である。図40にあっては、余白部分4001が透明処理すべき色で着色されていたため、当該部分を透明として、画像の下側にあった画像を透過させて表示したものである。
一方、図41にあっては、余白部分4101が透明処理すべき色で着色されていなかったため、当該部分は透明処理されず、余白部分がそのまま表示された状態となっている。余白部分4101が透明処理すべき色で着色されていない場合とは、たとえば、上述の色指定部3204において、画像を保存した後に、透明処理すべき色を余白部分を着色した色とは別の色に変更した場合や、画像を保存した後に、余白部分を着色した色とは別の色に変更した場合が考えられる。
つぎに、実施の形態7において画像変更部304および表示制御部307の一連の処理の手順について説明する。図42は実施の形態7による画像変更部および表示制御部の一連の処理の手順を示すフローチャートである。図42のフローチャートにおいて、まず、選択された画像について種々の編集加工処理をおこなう(ステップS4201)。
つぎに、ステップS4201において編集加工処理された画像について回転処理がされたか否かを判断する(ステップS4202)。また、ステップS4201において編集加工処理された画像について切出処理がされたか否かを判断する(ステップS4203)。
ステップS4202またはステップS4203のいずれかの処理がされている場合(ステップS4202肯定、またはステップS4202否定で、ステップS4203肯定)は、編集加工された画像を包含する長方形のうち最小のサイズとなる長方形を算出する(ステップS4204)。
一方、ステップS4202およびステップS4203のいずれもされていない場合(ステップS4202否定・ステップS4203否定)は、ステップS4211へ移行する。ステップS4204において長方形を抽出した後、長方形と編集加工処理された画像との差分である余白部分を抽出する(ステップS4205)。
つぎに、余白部分を着色するための色指定があったか否かを判断する(ステップS4206)。ステップS4206において、色指定があった場合は、指定された色にて余白部分を着色する(ステップS4207)。一方、ステップS4206において、色指定がなかった場合は、デフォルト値である白色にて余白部分を着色する(ステップS4208)。
つぎに、余白部分も含めた編集加工された画像内において透明の設定色と同一の色があるか否かを判断する(ステップS4209)。ステップS4209において、同一の色がある場合(ステップS4209肯定)は、その色の部分を透明処理する(ステップS4210)。一方ステップS4209において、同一色がない場合(ステップS4209否定)は、ステップS4211へ移行する。その後、画像を表示し(ステップS4211)、すべての処理を終了する。
以上説明したように、この実施の形態7によれば、透明色となる色を指定することにより、透明処理をすべき部分に着色する色を任意に選択できるようにしたので、透明処理をすべきでない部分が透明処理されてしまうことを回避することができる。
(実施の形態8)
さて、上述した実施の形態7では、色指定部3204により透明色となる色を指定したが、以下に説明する実施の形態8のように、画像内において使用されている用いられている色に基づいて透明色となる色を設定されるようにしてもよい。
この発明の実施の形態8による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100のうち画像変更部304をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、画像変更部304について説明する。図43はこの発明の実施の形態8による画像処理装置の画像変更部304およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。
図43に示すように、画像変更部304は、編集加工部4301と、長方形算出部4302と、余白抽出部4303と、色設定部4304と、透明処理部4305とを含む構成となっている。さらに編集加工部4301は画像回転処理部4306および画像切出部4307を含んでいる。なお、色設定部4304以外の各部は実施の形態7と同様の構成であるので、その説明は省略する。
編集加工部4301、長方形算出部4302、余白抽出部4303、色設定部4304、透明処理部4305、画像回転処理部4306、画像切出部4307はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
つぎに、色設定部4304による色設定処理について説明する。図44は実施の形態8による色設定部の色設定処理の手順を示すフローチャートである。図44のフローチャートにおいて、まず、編集加工された画像において用いられている色について分析をする(ステップS4401)。分析の結果、あらかじめ定められた複数の色、たとえば実施の形態7において色指定の候補とした8色のうち、編集加工された画像において用いられていない色があるか否かを判断する(ステップS4402)。
ステップS4402において、用いられていない色がある場合は、その色が複数あるか否かを判断する(ステップS4403)。複数ある場合(ステップS4403肯定)は、その中から任意の一色を抽出した(ステップS4404)後、ステップS4406へ移行する。一方、ステップS4403において、複数ない場合、すなわち一色のみある場合(ステップS4403否定)は、そのままステップS4406へ移行する。
ステップS4402において、用いられていない色がない場合(ステップS4402否定)は、複数の色の中でもっとも少なく用いられている一色を抽出する(ステップS4405)。
ステップS4406においては、それぞれ抽出された一色を透明色として設定し、その後すべての処理を終了する。
つぎに、実施の形態8において画像変更部304および表示制御部307の一連の処理の手順について説明する。図45は実施の形態8による画像変更部および表示制御部の一連の処理の手順を示すフローチャートである。図45のフローチャートは、ステップS4501〜ステップS4507までは、実施の形態7の図42のステップS4201〜ステップS4207までと同様のステップであるので、その説明は省略する。
ステップS4506において、色指定がなかった場合は、図44のフローチャートに示した手順により透明色を設定し、その色にて余白部分を着色する(ステップS4508)。また。ステップS4509〜ステップS4511までは、実施の形態7の図42のステップS4209〜ステップS4211までと同様のステップであるので、その説明も省略する。
以上説明したように、この実施の形態8によれば、透明色となる色を画像に用いられているもっとも少ない色を設定するようにしたので、透明処理をすべきでない部分が透明処理されてしまうことを最小限にすることができる。
(実施の形態9)
さて、上述した実施の形態9では、編集加工された画像の編集加工履歴を表示するので、画像が編集加工された状況を容易に把握することができ、表示された編集加工履歴に基づいて画像の編集加工をすることができる。
この発明の実施の形態9による画像処理装置を含む画像付ドキュメント作成システム全体および画像処理装置100のハードウエア構成については実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。また、画像処理装置100の加工部102うち、画像データ記憶部104と画像変更部304と表示制御部307をのぞく他の各部についても実施の形態1と同様の構成であるので、その説明も省略する。
つぎに、画像データ記憶部104、画像変更部304および表示制御部307について説明する。図46はこの発明の実施の形態9による画像処理装置の画像データ記憶部104、画像変更部304、表示制御部307およびその周辺部の構成を機能的に示すブロック図である。
図46に示すように、画像データ記憶部104は、編集加工履歴記憶部4602を含む構成となっている。また、画像変更部304は、編集加工部4601を含む構成となっている。また、表示制御部307は、編集加工履歴表示制御部4604を含む構成となっている。
編集加工部4601は、表示画面上に表示された画像を編集加工する。編集加工処理には、画像の切り出し処理、画像の反転処理、画像の画素数の変更処理、カラー画像の場合の色調整処理、画像合成処理等、画像に関するあらゆる編集加工処理が含まれる。編集加工部4601により編集加工処理された画像はファイル名が付されて画像データ記憶部104により記憶される。
編集加工履歴記憶部4602は、編集加工部4601により編集加工された画像の編集加工履歴を記憶する。その際、編集加工部4601において加工された画像と関連付けして記憶する。また、編集加工履歴記憶部4602は、編集加工の対象となった元の画像に関する情報を記憶する。
編集加工履歴表示制御部4603は、編集加工履歴記憶部4602により記憶された編集加工履歴を表示画面上に画像とともに表示する。また、編集加工履歴表示制御部4603は、編集加工履歴記憶部4602により記憶された編集加工の対象となった元の画像に関する情報を表示する。
編集加工部4601、編集加工履歴記憶部4602、編集加工履歴表示制御部4603はそれぞれ、ROM202、RAM203またはハードディスク205、フロッピー(R)ディスク207等の記録媒体に記録されたOS、アプリケーションプログラム等のプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するものである。
つぎに、編集加工履歴の内容について説明する。図47は、実施の形態9による画像処理装置の表示部308に表示される編集加工履歴の一例を示す説明図である。図5の表示画面上において、画像を選択画像表示領域503に表示させた状態で、その画像の表示領域にカーソルを移動させ、マウスの右ボタン等をクリックすることにより、図47に示す編集加工履歴表示画面4700を表示する。
図47において、編集加工履歴情報には、上記画像のファイル名、このファイルが格納されているフォルダ、編集加工の対象となったオリジナル画像、編集加工者の名前、編集加工の日時と、編集加工の内容が表示される。オリジナル画像には、その所在を示すパスが表示される。さらに、ハイパーリンクさせることにより、表示されたパスの部分をマウス等でクリックすることにより、当該オリジナル画像を選択画像表示領域503に直接表示させることもできる。
編集加工の内容としては、たとえば、色相、明度、彩度をどのレベル変更したのか、RGB補正をどのくらいのレベルでおこなったのか、また、画像回転した場合の角度等、編集加工に関する内容が表示される。
編集加工履歴情報は、必要なものだけ、操作者が選択することにより、選択された編集加工履歴のみを表示されるようにしてもよい。また、編集加工の対象となった内容だけを表示させてもよい。
さらに、「履歴複写」ボタン4702を押下することにより、表示された履歴情報のみを複写することができ、複写された履歴情報に基づいて、他の画像に対して編集加工を自動的におこなうこともできる。
以上説明したように、この実施の形態9によれば、編集加工された画像の編集加工履歴を表示するので、画像が編集加工された状況を容易に把握することができ、表示された編集加工履歴に基づいて、容易にかつ効率的に画像の編集加工をすることができる。
また、編集加工の対象となった元の画像に関する情報を表示するので、容易に元の画像を特定することができ、これにより、容易にかつ効率的に画像の編集加工をすることができる。
なお、実施の形態1〜9で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現される。このプログラムは、ハードディスク、フロッピー(R)ディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、ネットワークを介して配布することができる。