JP3973037B2 - 親水性基材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材表面に、硫酸化またはリン酸化されたキトサンのアンモニウム塩が化学的に結合した親水性基材およびその製造方法に関する。
医療現場で利用されている器具は、それぞれに必要な機能を持ち合わせているが、長期間の留置や手技に応え得る持続性については不充分なものが多い。たとえば、体腔内部を観察する機器である内視鏡や腹腔鏡はさまざまな手技に用いられ、場合によっては30分以上も生体内に挿入されたまま使用される。しかし、体内が高温多湿であるうえに、レーザーメスなどにより発生する様々な飛沫や油煙などが存在し、内視鏡や腹腔鏡のレンズは曇りやすく、また、胃液などによっても汚れやすい。このため、手技を中断して体外に取り出すこともあり、医師や患者に負担が生じている。
医療機器用などの材料に化学的な修飾を行なうことにより、材料の表面特性を向上させる方法がこれまでに提案されている。しかし、とくに、材料表面の親水性については必ずしも充分なレベルに達してはいない。たとえば、医療機器用材料がガラス、シリカなどの無機材料、フッ素樹脂、ポリビニルアルコールなどの有機材料の場合には、超親水性(水との接触角が5度以下)を達成することが実質的にできず、医療機器としてかなりの問題があった。
たとえば、親水基−撥水基−接合基−の順に並んだコーティング物質を含むコーティング膜を表面に有するガラス製品が開示されている(特許文献1参照)。しかし、親水化処理剤として、(RO)2PO−で示されるリン化合物が開示されているものの、Rとしてエチル基しか用いられておらず、親水化処理後のガラス製品表面の構造は、生体適合性が少なく医療機器に用いられる基材の親水性処理方法としては好ましくないものであった。
また、リン酸および/またはその塩、溶解性のアルミニウム化合物、水溶性ケイ酸塩、ノニオン系界面活性剤ならびに溶媒からなる表面処理剤が塗布され、次いで300〜700℃で熱処理されて成形された親水性膜が開示されている(特許文献2参照)。さらに、リン酸、溶解性のアルミニウム化合物、水溶性ケイ酸塩および溶媒からなる表面処理剤を塗布し、その後200〜600℃で熱処理する親水性被膜も開示されている(特許文献3参照)。しかし、いずれも、親水化処理剤として、リン酸アンモニウム塩を使用することが記載されているが、アルミニウム化合物とケイ酸塩とを併用して物品表面に塗布、その後焼成して物品表面にフォスフォアルミナシリケートの三次元架橋構造を形成させたものであり、親水化処理後のガラス製品表面の構造は、生体適合性が少なく医療機器に用いられる基材の親水性処理方法としては好ましくないものであった。
一方、キトサンを、親水性コート剤として用いる方法も検討されている。たとえば、ガラス、合成樹脂などの非導電性物質表面にめっき層を密着させるために、非導電性物質の表面に、キトサン、カルボキシメチルキトサン、グリコールキトサンなどのキトサン誘導体溶液を塗布、乾燥させて親水性皮膜を形成させる方法が開示されている(特許文献4参照)。また、フィルム表面にキトサン有機酸塩溶液を塗布、乾燥させて、抗菌性および親水性を有する医療用、食品用フィルムを製造する方法についても開示されている(特許文献5参照)。キトサンは生体適合性に優れた物質であるが、これら従来のキトサンからなる親水性コート剤を医療機器用基材に用いても、充分な親水性を得ることができなかった。
特開2002−12450号公報 特開平9−278431号公報 特開平9−194234号公報 特開平3−271375号公報 特開平10−306167号公報
本発明は、医療機器用に用いることのできる親水性基材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材表面にスペーサーを介してキトサンを導入する工程、キトサンを濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理する工程、もしくはキトサンをオキシ塩化リンまたはリン酸で処理する工程、ならびに該処理基材をアンモニアまたはアミン化合物で中和する工程からなる親水性基材の製造方法であって、前記スペーサーがジイソシアナートである親水性基材の製造方法に関する。
また、本発明は、キトサンを濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理する工程、もしくはキトサンをオキシ塩化リンまたはリン酸で処理する工程、基材表面にスペーサーを介して該キトサンを導入する工程、ならびに該処理基材をアンモニアまたはアミン化合物で中和する工程からなる親水性基材の製造方法であって、前記スペーサーがジイソシアナートである親水性基材の製造方法に関する。
前記製造方法において、スペーサーはジイソシアネートである。
また、本発明は、基材表面にスペーサーとしてイソシアナートを介して硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩またはリン酸化されたキトサンのアンモニウム塩が導入されてなる親水性基材に関する。
さらに、本発明は、前記親水性基材からなる医療機器。
本発明の製造方法によれば、基材表面に硫酸化またはリン酸化されたキトサンのアンモニウム塩が化学的に結合した親水性基材を、容易に確実に製造することができる。得られる基材は、内視鏡、腹腔鏡、カテーテルおよびステントなどの医療機器、人工血管、人工臓器、人工皮膚、人工器官などの医療機器用材料として用いることができる。
本発明の第1の親水性基材の製造方法は、基材表面にスペーサーを介してキトサンを導入する工程、キトサンを濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理する工程、もしくはキトサンをオキシ塩化リンまたはリン酸で処理する工程、ならびに該処理基材をアンモニアまたはアミン化合物で中和する工程からなる。
基材としては、ガラス、シリカ;キチン、キトサンなどの多糖;四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)などのフッ素樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステルなどの汎用ポリマーやエンプラなどを用いることが可能である。この中でも、基材を医療機器用に用いる場合には、とくにガラス、フッ素樹脂が好ましい。
基材は、表面をエッチングしておくことが好ましい。エッチングすることにより、基材表面に活性基が存在することになる。基材表面のエッチング方法は、とくに限定されないが、たとえば、基材がフッ素樹脂の場合には、ナトリウムナフタレンのテトラヒドロフラン(THF)溶液を、また、基材がガラスの場合には、フッ化水素酸を用いて処理することができる。
スペーサーとしては、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートなどのジイソシアナート化合物やグルタルアルデヒドなどのジアルデヒドなどを用いることができる。なかでも、生体内で安全性が高い点で、ヘキサメチレンジイソシアナートが好ましい。
キトサンとしては、重量平均分子量が10000〜300000であるものが好ましく、20000〜200000であるものがより好ましく、100000〜150000であるものがさらに好ましい。重量平均分子量が10000未満では親水性がやや低下し、300000をこえると硫酸基またはリン酸基などの親水性基の導入が不均一となる。また、キトサンの脱アセチル化度は65〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましく、80〜100%であることがさらに好ましい。脱アセチル化度が65%未満では硫酸基またはリン酸基などの親水性基の導入が不均一となる。
基材表面にスペーサーを導入させるときの反応条件は、基材の種類やスペーサーの種類によって、適宜選択することができる。通常、反応溶媒としては、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、THF、アセトンなどが用いられるが、とくに、極性の大きさや溶解度などの点より、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることが好ましい。反応温度は、10〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。反応温度が低い場合には基材表面にスペーサーを導入するのに時間がかかりすぎ、反応温度が高い場合には、スペーサーの両末端が基材表面と反応してしまう可能性が高くなる。反応時間は1〜4時間であることが好ましく、2〜3時間であることがより好ましい。反応時間が短い場合には基材表面へのスペーサーの導入が不充分となり、反応時間が長い場合にはスペーサーの両末端が基材表面と反応してしまう可能性が高くなる。
基材表面に導入したスペーサーとキトサンとの反応条件は、スペーサーの種類によって、適宜選択することができる。通常、反応溶媒としては、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、THF、アセトンなどが用いられる。とくに極性の大きさや溶解度などの点より、ホルムアミドを用いることが好ましい。反応温度は、10〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることが、より好ましい。反応温度が低い場合には、反応に時間がかかりすぎ、反応温度が高い場合には、溶媒の蒸発や分解が心配される。反応時間は、5〜10時間であることが好ましく、6〜8時間であることが、より好ましい。反応時間が短い場合にはスペーサーとキトサンとの反応が不充分で、未反応のスペーサーが存在し、反応時間が長い場合には処理工程に不便が生じる可能性がある。
スペーサーを介して基材表面に導入されたキトサンの導入量は、基材1cm2あたり0.01〜200μgであることが好ましい。導入量が0.01μg未満では基材をカバーする量が不足し、親水性が現れなかったり、持続性が不足する傾向がある。200μgをこえると表面の滑らかさが不充分で透明性が不充分となる傾向がある。
キトサンの導入量は、スペーサーを介してキトサンを導入した基材を、飽和ヨウ素水に30分間浸漬させ、その後、ヨウ素水の吸光度(452nm)を測定して、予め作成した検量線と照らし合わせることにより、定量することができる。
スペーサーを介して基材表面に導入されたキトサンは、硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物、または無水硫酸を用いて処理されるか、あるいは、オキシ塩化リンまたはリン酸を用いて処理される。
硫酸化処理をする際には、キトサンを処理液に浸漬してもよいし、キトサンに処理液をスプレーまたは塗布してもよい。硫酸化処理時間は、0.5〜3時間であることが好ましく、1〜2時間であることがより好ましい。また、処理温度は、−20〜30℃であることが好ましく、−10〜20℃であることがより好ましい。処理時間が短い場合や処理温度が低い場合には、未反応部分が多くなり、生成物の親水性が不充分となる傾向がある。一方、処理時間が長い場合や処理温度が高い場合には、キトサンの腐食や分解により、強度が低下したり、分子量が小さくなったり、処理表面が凹凸となる傾向がある。
リン酸化処理に用いるリン酸やオキシ塩化リンは、濃度が20重量%以上の水溶液として用いることが好ましい。濃度が低い場合には、反応時間が長くなったり、生成物の親水性が不充分となる傾向がある。リン酸化処理をする際には、キトサンを処理液に浸漬してもよいし、キトサンに処理液をスプレーまたは塗布してもよい。リン酸化処理時間は、0.1〜10時間であることが好ましい。また、処理温度は、室温〜170℃であることが好ましい。処理時間が短い場合や処理温度が低い場合には、未反応部分が多くなり、生成物の親水性が不充分となる傾向がある。一方、処理時間が長い場合や処理温度が高い場合には、キトサンの腐食や分解により、強度が低下したり、分子量が小さくなったり、処理表面が凹凸となる傾向がある。
硫酸化またはリン酸化処理後の中和反応には、アンモニアやアミン化合物が用いられる。アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなどの炭素数が1〜10の脂肪族一級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミンなどの炭素数1〜10の脂肪族二級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどの炭素数1〜10の脂肪族アミン;アニリン、ジエチルアニリンなどの芳香族アミン類;グリシン、アラニン、セリン、グルタミン酸、リジン、アルギニンなどのアミノ酸があげられる。アンモニアやアミン化合物は、濃度が10重量%以上の水溶液として用いることが好ましい。濃度が低い場合には、処理に用いるアンモニア水溶液やアミン化合物水溶液の量が多くなり、また、生成物の親水性や収量が不充分となる傾向がある。中和処理時間は、0.1分〜10時間が好ましい。処理時間が0.1分より短いと反応が不充分で、得られるキトサンの親水性や親水性の持続性が不充分となる傾向がある。一方、10時間をこえると処理工程に不便が生じる可能性がある。また、中和処理温度は、−5〜50℃であることが好ましい。処理温度が−5℃未満では溶液が固化する傾向があり、50℃をこえると沸点の低いアンモニアまたはアミン化合物が気化する傾向がある。
キトサン分子中、硫酸化またはリン酸化反応の反応点になるのは、C2位のアミノ基、ならびにC3位およびC6位の水酸基である。本発明では、これら3カ所のいずれの官能基が硫酸化またはリン酸化されてもよいが、とくにC6位のみが硫酸化された場合に、高い親水性を得ることができる。硫酸とクロロスルホン酸の2:1混合物を用いて、C2位のアミノ基およびC3位の水酸基を保護しながら硫酸化することにより、C6位のみで選択的に硫酸化反応が起こるようにすることができる。
キトサン中の硫酸化またはリン酸化が可能な官能基全数に対する、実際に硫酸化またはリン酸化されたのち中和された官能基数の割合(導入率)は、10〜100%であることが好ましい。導入率が10%未満では、生成物の親水性および親水性の持続性が不充分となる傾向がある。
本発明の第2の親水性基材の製造方法は、キトサンを濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理する工程、もしくはキトサンをオキシ塩化リンまたはリン酸で処理する工程、基材表面にスペーサーを介して該キトサンを導入する工程、ならびに該処理基材をアンモニアまたはアミン化合物で中和する工程からなる。
基材、スペーサーおよびキトサンは、いずれも第1の親水性基材の製造方法と同様のものを用いることができる。また、基材表面へのスペーサーの導入も、第1の親水性基材の製造方法と同様に行なうことができる。
キトサンは、硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物、または無水硫酸を用いて処理されるか、あるいは、オキシ塩化リンまたはリン酸を用いて処理される。
硫酸化処理をする際には、キトサンを処理液に浸漬してもよいし、キトサンに処理液をスプレーまたは塗布してもよい。硫酸化処理時間は、0.5〜3時間であることが好ましく、1〜2時間であることがより好ましい。また、処理温度は、−20〜30℃であることが好ましく、−10〜20℃であることがより好ましい。処理時間が短い場合や処理温度が低い場合には、未反応部分が多くなり、生成物の親水性が不充分となる傾向がある。一方、処理時間が長い場合や処理温度が高い場合には、キトサンの腐食や分解により、強度が低下したり、分子量が小さくなったり、処理表面が凹凸となる傾向がある。
リン酸化処理に用いるリン酸やオキシ塩化リンは、濃度が20重量%以上の水溶液として用いることが好ましい。濃度が低い場合には、反応時間が長くなったり、生成物の親水性が不充分となる傾向がある。リン酸化処理をする際には、キトサンを処理液に浸漬してもよいし、キトサンに処理液をスプレーまたは塗布してもよい。リン酸化処理時間は、0.1〜10時間であることが好ましい。また、処理温度は、室温〜170℃であることが好ましい。処理時間が短い場合や処理温度が低い場合には、未反応部分が多くなり、生成物の親水性が不充分となる傾向がある。一方、処理時間が長い場合や処理温度が高い場合には、キトサンの腐食や分解により、強度が低下したり、分子量が小さくなったり、処理表面が凹凸となる傾向がある。
キトサン分子中、硫酸化またはリン酸化反応の反応点になるのは、C2位およびC6位の水酸基、ならびにC3位のアミノ基である。本発明では、これら3カ所のいずれの官能基が硫酸化またはリン酸化されてもよいが、とくに、C6位のみが硫酸化された場合に、高い親水性を得ることができる。硫酸とクロロスルホン酸の2:1混合物を用いて、C2位のアミノ基およびC3位の水酸基を保護しながら硫酸化することにより、C6位のみで選択的に硫酸化反応が起こるようにすることができる。
キトサン中の硫酸化またはリン酸化が可能なキトサン中の官能基全数に対する、実際に硫酸化またはリン酸化されたのち中和された官能基数の割合(導入率)は、20〜100%であることが好ましい。導入率が20%未満では、生成物の親水性および親水性の持続性が不充分となる傾向がある。
基材表面に導入されたスペーサーと、濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理されたキトサン、もしくはリン酸やオキシ塩化リンで処理されたキトサンとの反応条件は、スペーサーの種類によって、適宜選択することができる。通常、反応溶媒としては、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、THF、アセトンなどが用いられる。とくに極性の大きさや溶解度などの点より、ホルムアミドを用いることが好ましい。反応温度は、10〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることが、より好ましい。反応温度が低い場合には、反応に時間がかかりすぎ、反応温度が高い場合には、溶媒の蒸発や分解が心配される。反応時間は、5〜10時間であることが好ましく、6〜8時間であることが、より好ましい。反応時間が短い場合にはスペーサーとキトサン誘導体の反応が不充分で、未反応のスペーサーが存在し、反応時間が長い場合には処理工程に不便が生じる可能性がある。
スペーサーを介して基材表面に導入された硫酸化またはリン酸化されたキトサンの導入量は、基材1cm2あたり0.01〜200μgであることが好ましい。導入量が0.01μg未満では機材をカバーする量が不足し、親水性が現れなかったり、持続性が不足する傾向がある。200μgをこえると表面の滑らかさが不充分で透明性が不充分となる傾向がある。
スペーサーを介して基材表面に導入された硫酸化またはリン酸化されたキトサンの中和反応は、第1の親水性基材の製造方法と同様に行なうことができる。
第1および第2の製造方法で得られる本発明の親水性基材は、基材表面に硫酸化またはリン酸化処理されたキトサンのアンモニウム塩が化学的に結合しており、高い親水性を示す。本発明の親水性基材表面に水滴を滴下した場合、水滴と親水性基材表面との接触角は5℃以下となることが好ましい。接触角が5度をこえると、親水性基材を医療機器などに用いる場合、親水性や曇り止め防止性が不充分となる傾向がある。
基材表面に硫酸化またはリン酸化されたキトサンのアンモニウム塩が化学的に結合した本発明の親水性基材は、血管内皮(生体膜)と類似した構造を有し、血液適合性があるために、内視鏡、腹腔鏡、カテーテル、ステントなどの医療機器、人工血管、人工臓器、人工皮膚、人工器官などの医療材料に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
<ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムの活性化>
テトラエッチ(商品名、(株)潤工社製、ナトリウムナフタレンのテトロヒドロフラン溶液)に、PTFEフィルム(サイズ:厚さ1mm、15mm×15mm角)を120秒間漬した。エタノールで2回、イオン交換水で1回洗浄したのち、乾燥させて、活性化PTFEフィルムを得た。
<ヘキサメチレンジイソシアナートの導入>
活性化PTFEフィルムをヘキサメチレンジイソシアナート(98%)10mlに入れ、50℃で2時間撹拌し、反応させた。反応液中のフィルムを取り出し、ジエチルエーテル20mlで洗浄することにより、ヘキサメチレンジイソシアナートが導入されたPTFEフィルムを得た。
<キトサンの導入>
ヘキサメチレンジイソシアナートが導入されたPTFEフィルムを、水溶性キトサン(重量平均分子量30000、脱アセチル化度95%)0.05gを溶かしたホルムアミド10mlに入れ、50℃で一晩撹拌して反応させた。反応液中のフィルムを取り出し、イオン交換水で洗浄することにより、キトサンが導入されたPTFEフィルムを得た。
得られたフィルムを、飽和ヨウ素水に30分間浸漬させ、その後、ヨウ素水の吸光度(452nm)を測定して、予め作成した検量線と照らし合わせることにより、キトサンの導入量を測定した。キトサンの導入量は、7.04μg/cm2であった。
<硫酸化反応および中和反応>
18mlの氷冷ピリジン中にクロロスルホン酸4.2mlを滴下して、クロロスルホン酸ピリジン塩を生成させた。生成したクロロスルホン酸ピリジン塩を65℃に加熱して溶解させ、キトサンが導入されたPTFEフィルムを入れて、2時間、65℃で反応させた。フィルムを取り出してイオン交換水で洗浄したのち、アンモニア水10ml中、25℃で撹拌し、反応させることにより、硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩が導入されたPTFEフィルムが得られた。
得られたフィルムに導入されたキトサンのC2位、C3位およびC6位において、硫酸化反応および中和反応が起きていることを、FT−IR測定や元素分析などにより確認した。また、キトサン中の硫酸化可能な官能基全数に対する、硫酸化および中和された官能基数の割合(導入率)を試料に硝酸を加えて完全に分解したのち、硫酸バリウム(BaSo4)とする方法により求めたところ、導入率は15%であった。
水の滴下後、横からデジタルカメラで撮影し、接触角を測定することにより、得られたフィルムの親水性を、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:5°以下
○:10°以下
×:15°以下
実施例2
<キトサンの硫酸化>
粉末キトサン(重量平均分子量150000、脱アセチル化度85%)0.4gを濃硫酸8mlに加え、−20℃で2時間撹拌したところ、混合物はゼラチン状になった。−20℃で撹拌しながら、冷エーテル10mlを加えた。沈殿物を遠心分離により回収し、数回エーテルで洗浄したのち、真空乾燥して硫酸化されたキトサンを得た。
<硫酸化されたキトサンの導入>
硫酸化されたキトサン0.1gをホルムアミド10mlに溶解させ、実施例1と同様にして得られたヘキサメチレンジイソシアナートを導入したPTFEフィルムを入れ、室温で一晩撹拌して反応させた。反応液中のフィルムを取り出し、イオン交換水で洗浄することにより、硫酸化されたキトサンが導入されたフィルムが得られた。
フィルムへのキトサンの導入量は、2.32μg/cm2であった。
<中和反応>
得られたフィルム0.56gをアンモニア水10ml中に入れて25℃で撹拌し、反応させることにより、硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩構造が導入されたPTFEフィルムを得た。
キトサンのC2位、C3位およびC6位において、硫酸化反応および中和反応が起きていることが確認された。また、キトサン中の硫酸化可能な官能基全数に対する、硫酸化および中和された官能基数の割合(導入率)は15%であった。
得られたフィルムの親水性を、実施例1と同様にして評価した。結果を、表1に示す。
実施例3
<キトサンの硫酸化>
粉末キトサン(重量平均分子量150000、脱アセチル化度85%)0.2gを0〜4℃で、濃硫酸8mlとクロロスルホン酸4mlとの混合溶液に加え、溶液を60分間、室温に戻しながら撹拌した。冷エーテルを滴下することにより、生成物を沈殿させ、沈殿物を遠心分離により回収したのち、数回エーテルで洗浄し、真空乾燥させた。
<硫酸化キトサンの導入>
硫酸化されたキトサン0.1gをホルムアミド10mlに溶解させ、実施例1と同様にして得られたヘキサメチレンジイソシアナートを導入したPTFEフィルムを入れ、室温で一晩撹拌して反応させた。反応液中のフィルムを取り出し、イオン交換水で洗浄することにより、硫酸化されたキトサンが導入されたフィルムが得られた。
フィルムへのキトサンの導入量は、4.68μg/cm2であった。
<中和反応>
得られたフィルム0.56gをアンモニア水10ml中に入れて25℃で撹拌し、反応させることにより、硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩構造が導入されたPTFEフィルムを得た。
キトサンのC6位において、硫酸化反応および中和反応が起きていることが確認された。また、キトサン中の硫酸化可能な官能基全数に対する、硫酸化および中和された官能基数の割合(導入率)は15%であった。
得られた親水性基材の親水性を、実施例1と同様にして評価した。結果を、表1に示す。
実施例4
<ガラスの活性化>
5%のフッ化水素酸20mlにガラス(サイズ:厚さ1mm、15mm×15mm角)を60秒間漬した。イオン交換水で2回洗浄したのち、乾燥させて、表面活性化ガラスを得た。
<ヘキサメチレンジイソシアナートの導入>
表面活性化ガラスをヘキサメチレンジイソシアナート(98%)10mlに入れ、室温で2時間撹拌し、反応させた。反応液中のガラスを取り出し、ジエチルエーテル20mlで洗浄し、ヘキサメチレンジイソシアナートが導入されたガラスを得た。
<キトサンの導入>
ヘキサメチレンジイソシアナートが導入されたガラスを、水溶性キトサン(重量平均分子量30000、脱アセチル化度95%)0.05gを溶解したホルムアミド10mlに入れ、室温で一晩撹拌して反応させた。反応液中のガラスを取り出し、イオン交換水で洗浄して、キトサンが導入されたガラスを得た。
ガラスへのキトサンの導入量は、6.84μg/cm2であった。
<硫酸化反応および中和反応>
18mlの氷冷ピリジン中にクロロスルホン酸4.2mlを滴下して、クロロスルホン酸ピリジン塩を生成させた。生成したクロロスルホン酸ピリジン塩を65℃に加熱して溶解させ、キトサンが導入されたガラスを入れて、2時間、65℃で反応させた。ガラスを取り出してイオン交換水で洗浄したのち、アンモニア水10ml中、25℃で撹拌し、反応させることにより、硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩構造が導入されたガラスが得られた。
得られたガラスに導入されたキトサンのC2位、C3位およびC6位において、硫酸化反応および中和反応が起きていることを、FT−IR測定や元素分析などにより確認した。また、キトサン中の硫酸化可能な官能基全数に対する、硫酸化および中和された官能基数の割合(導入率)は15%であった。
得られたフィルムの親水性を、実施例1と同様にして評価した。評価結果を、表1に示す。
実施例5
<キトサンの硫酸化>
粉末キトサン(重量平均分子量150000、脱アセチル化度85%)0.4gを濃硫酸8mlに加え、−20℃で2時間撹拌したところ、混合物はゼラチン状になった。−20℃で撹拌しながら、冷エーテル10mlを加えた。沈殿物を遠心分離により回収し、数回エーテルで洗浄したのち、真空乾燥させた。
<硫酸化キトサンの導入>
硫酸化されたキトサン0.1gをホルムアミド10mlに溶解させ、実施例4と同様にして得られたヘキサメチレンジイソシアナートを導入したガラスを入れ、室温で一晩撹拌して反応させた。反応液中のガラスを取り出し、イオン交換水で洗浄することにより、硫酸化されたキトサンが導入されたガラスが得られた。
ガラスへのキトサンの導入量は、2.12μg/cm2であった。
<中和反応>
得られたガラスをアンモニア水10ml中に入れて25℃で撹拌し、反応させることにより、硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩構造を導入したガラスを得た。
キトサンのC2位、C3位およびC6位において、硫酸化反応および中和反応が起きていることが確認された。また、キトサン中の硫酸化可能な官能基全数に対する、硫酸化および中和された官能基数の割合(導入率)は15%であった。
得られたフィルムの親水性を、実施例1と同様にして評価した。結果を、表1に示す。
実施例6
<キトサンの硫酸化>
粉末キトサン(重量平均分子量150000、脱アセチル化度85%)0.2gを0〜4℃で、濃硫酸8mlとクロロスルホン酸4mlとの混合溶液に加え、溶液を60分間、室温に戻しながら撹拌した。冷エーテルを滴下することにより、生成物を沈殿させ、沈殿物を遠心分離により回収したのち、数回エーテルで洗浄し、真空乾燥させた。
<硫酸化キトサンの導入>
硫酸化されたキトサン0.1gをホルムアミド10mlに溶解させ、実施例4と同様にして得られたヘキサメチレンジイソシアナートを導入したガラスを入れ、室温で一晩撹拌して反応させた。反応液中のガラスを取り出し、イオン交換水で洗浄することにより、硫酸化されたキトサンが導入されたガラスが得られた。
ガラスへのキトサンの導入量は、4.48μg/cm2であった。
<中和反応>
得られたガラスをアンモニア水10ml中に入れて25℃で撹拌し、反応させることにより、硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩構造を導入したガラスを得た。
キトサンのC6位において、硫酸化反応および中和反応が起きていることが確認された。また、キトサン中の硫酸化可能な官能基全数に対する、硫酸化および中和された官能基数の割合(導入率)は15%であった。
得られたフィルムの親水性を、実施例1と同様にして評価した。結果を、表1に示す。
Figure 0003973037

Claims (4)

  1. 基材表面にスペーサーを介してキトサンを導入する工程、キトサンを濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理する工程、もしくはキトサンをオキシ塩化リンまたはリン酸で処理する工程、ならびに該処理基材をアンモニアまたはアミン化合物で中和する工程からなる親水性基材の製造方法であって、前記スペーサーがジイソシアナートである親水性基材の製造方法
  2. キトサンを濃硫酸、クロロスルホン酸、濃硫酸およびクロロスルホン酸の混合物または無水硫酸で処理する工程、もしくはキトサンをオキシ塩化リンまたはリン酸で処理する工程、基材表面にスペーサーを介して該キトサンを導入する工程、ならびに該処理基材をアンモニアまたはアミン化合物で中和する工程からなる親水性基材の製造方法であって、前記スペーサーがジイソシアナートである親水性基材の製造方法
  3. 基材表面にスペーサーとしてジイソシアナートを介して硫酸化されたキトサンのアンモニウム塩またはリン酸化されたキトサンのアンモニウム塩が導入されてなる親水性基材。
  4. 請求項記載の親水性基材からなる医療機器。
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