JP3972704B2 - 対処方法、対処システム、対処処理プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
対処方法、対処システム、対処処理プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ある事態が発生したときに、発生した事態に対応する対処を、通信ネットワークを用いて実行する対処方法、対処システム、対処処理プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、個人、家庭、企業などのセキュリティ意識が高まっており、セキュリティ向上のため、事態の発生に対処する様々な対処システムが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような対処システムとしては、特許第3067363号に開示された端末ロボットを有する移動監視装置が挙げられる。該移動監視装置における端末ロボットは、検知機能、判断機能および警報機能を備えており、判断機能を端末ロボットの上位の処理サーバで処理したとしても、端末ロボットが備えるべき機能は多い。したがって、従来の端末ロボットは、監視システムにほぼ専用の端末となっており、装置の大型化および高額化を招いていた。
【0004】
また、監視などのセキュリティ対策は、何か異常な事態の発生に備えるものである。このため、何も起こらない日常では、監視システムにほぼ専用の装置となっている端末ロボットは無用の長物となっている。
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、専用の端末を用いることなく、事態の発生に対処可能な対処方法、対処システム、対処処理プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の対処方法は、発生した事態に対応する対処を複数の端末に実行させる対処方法であって、事態の発生を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された事態に対応する単数または複数の対処を判定する事態判定ステップと、判定された対処の一部または全てを実行可能な前記端末を探索する探索ステップと、前記探索ステップにおいて前記対処の全てを実行可能な端末が見出せない場合に、該対処の一部を実行可能な端末を複数組み合わせて該対処を実行できるように、該対処の一部を実行させる複数の端末とその対処内容とを判定する探索結果判定ステップと、判定された複数の端末に対し、該複数の端末に対応する対処の実行を指示する端末指示ステップとを含むことを特徴としている。
【0007】
上記の方法によると、事態に対応する対処を完全に実行できる端末が存在しなくても、対処の一部を実行できる端末を複数個組み合わせて対処させるように指示することにより、事態に対応する対処を完全に実行することができる。
【0008】
したがって、本発明の対処方法は、事態に対応する対処を完全に実行できる専用の端末を用いる必要はないから、端末の大型化および高額化を軽減することができる。また、本発明の対処方法において用いられる端末は、対処の一部を実行できればよいから、事態の発生していない日常では、他の用途に容易に利用することができ、端末を備えることによる無駄を軽減することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の対処方法は、請求項1に記載の方法において、前記探索結果判定ステップにより判定された端末が、対処の実行に必要な対処プログラムを有していない場合には、前記端末指示ステップは、対応する対処プログラムを前記端末にダウンロードしてから前記端末に対応する対処の実行を指示することを特徴としている。
【0010】
上記の方法によると、対処を実行する端末は、対処の実行に必要なハードウェアのみを備えていればよく、各種の対処の実行に必要なプログラム等のソフトウェアの全てを備える必要はないから、各種の対処を実行させるために端末が大型化することを防止できる。
【0011】
また、請求項3に記載の対処方法は、請求項1または2に記載の方法において、前記ステップの幾つかまたは全てにおいて取得される情報を他の端末に通報する情報仲介ステップをさらに含むことを特徴としている。
【0012】
上記の方法によると、事態の発生および経過を関係者などの端末に通報するから、事態の収束を迅速かつ確実に行なうことができる。
【0013】
また、請求項4に記載の対処方法は、請求項3に記載の方法において、前記情報仲介ステップにより通報された端末から操作指示を受け取ると、操作可能な端末を探索して、操作を指示する操作仲介ステップをさらに含むことを特徴としている。
【0014】
上記の方法によると、関係者などが、事態の発生に対処しうる端末を遠隔操作することができるから、事態の収束をさらに迅速かつ確実に行なうことができる。
【0015】
また、請求項5に記載の対処システムは、発生した事態に対応する対処を実行する対処システムであって、単数または複数の対処の実行が可能な複数の端末と、発生した事態に対応する単数または複数の対処を判定し、判定された対処の実行を前記端末に通信ネットワークを介して指示する管理手段とを備えており、該管理手段は、事態の発生を検出する検出手段と、該検出手段により検出された事態に対応する単数または複数の対処を判定する事態判定手段と、事態判定手段により判定された対処の一部または全てを実行可能な前記端末を探索する探索手段と、探索手段によって前記対処の全てを実行可能な端末が存在しないと判定された場合に、該対処の一部を実行可能な端末を複数組み合わせて該対処を実行できるように、該対処の一部を実行させる複数の端末とその対処内容とを判定する探索結果判定手段と、探索結果判定手段により判定された複数の端末に対し、該複数の端末に対応する対処の実行を指示する端末指示手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によると、事態に対応する対処を完全に実行できる端末が存在しなくても、探索手段が、対処の一部を実行できる端末を探索し、探索した複数個の端末を組み合わせて対処させるように端末指示手段が指示することにより、事態に対応する対処を完全に実行することができる。
【0017】
したがって、本発明の対処システムは、事態に対応する対処を完全に実行できる専用の端末を用いる必要はないから、端末の大型化および高額化を軽減することができる。また、本発明の対処システムにおいて用いられる端末は、対処の一部を実行できればよいから、事態の発生していない日常では、他の用途に容易に利用することができ、端末を備えることによる無駄を軽減することができる。
【0018】
また請求項6に記載の対処システムは、請求項5に記載の構成において、前記探索結果判定手段により判定された端末が、対処の実行に必要な対処プログラムを有していない場合には、前記端末指示手段は、対応する対処プログラムを前記端末にダウンロードすることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によると、対処を実行する端末は、対処の実行に必要なハードウェアのみを備えていればよく、各種の対処の実行に必要なプログラム等のソフトウェアの全てを備える必要はないから、各種の対処を実行させるために端末が大型化することを防止できる。
【0020】
また、請求項7に記載の対処システムは、請求項5または6に記載の構成において、前記管理手段から前記事態に関する情報を受け取り、受け取った情報を他の端末に通報する情報仲介手段をさらに備えることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によると、情報仲介手段により、事態の発生および経過が関係者などの端末に通報されるから、事態の収束を迅速かつ確実に行なうことができる。
【0022】
また、請求項8に記載の対処システムは、請求項7に記載の構成において、前記情報仲介手段により通報された端末から操作指示を受け取ると、操作可能な端末を探索して、操作を指示する操作仲介手段をさらに備えることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によると、操作仲介手段を用いて、関係者などが、事態の発生に対処しうる端末を遠隔操作することができるから、事態の収束をさらに迅速かつ確実に行なうことができる。
【0024】
また、請求項9に記載の対処システムは、請求項5から8の何れか1項に記載の構成において、前記管理手段は、前記検出手段となる検出装置と、前記事態判定手段、前記探索手段、前記探索結果判定手段、および前記端末指示手段となる判定装置とを備えることを特徴としている。
【0025】
通常、検出装置は、ある領域に多数配備されるものである。したがって、上記の構成のように、管理手段を検出装置と判定装置とに分離することにより、判定装置を多数配備する必要が無くなり、構成上の無駄を防止できる。
【0026】
また、請求項10に記載の対処システムは、請求項9に記載の構成において、前記検出装置は、固定センサであり、対処の実行が可能な複数の前記端末の少なくとも1つは、移動ロボットであることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によると、固定センサからの情報を、判定装置を介して移動ロボットに利用することができる。したがって、移動ロボットは、自身の情報取得能力を低下させても、固定センサからの情報で補うことにより、実際の情報取得能力を維持することができる。その結果、移動ロボットの部品点数を減少させることができ、小型化、低コスト化を実現できる。
【0028】
なお、請求項1から4の何れか1項に記載の対処方法における各ステップを対処処理プログラムとしてコンピュータに実行させることができる。さらに、前記対処処理プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で前記対処方法における各ステップを実行させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。図1は、本実施形態の対処システムの概要を示している。本実施形態の対処システム10は、対処すべき領域(以下、「対処領域」と称する。)にて発生した事態に対して対処を行なう、すなわち発生した事態を収束させるための適切な措置をとるシステムである。
【0030】
発生する事態には、例えば、不審者の侵入、災害の発生などがある。また、発生した事態に対する対処には、種々のものが考えられる。例えば、不審者の侵入に対しては、不審者への警告や、不審者の監視などがあり、災害の発生に対しては、被災者の避難誘導や、災害状況の監視などがある。
【0031】
対処システム10は、管理装置11と単数または複数の端末12とを備える。管理装置11は、前記対処領域における事態の発生を検出し、検出した事態Xに対応する対処を判断し、判断した対処を実行するように端末12に通知(指示)する。
【0032】
端末12は、単一の装置または機器であり、管理装置11と通信を行なう通信機能と、単数または複数の対処を実行する実行機能13とを有している。端末12は、管理装置11からの通知を受け取るまでは、その端末12本来の機能を実現している。管理装置11からの通知を受け取ると、端末12は、該通知に基づく対処を実行し、管理装置11に適宜報告を行なう。
【0033】
以下、本来の機能を実現している端末12を、「無関与モードの端末12a」と称し、管理装置11からの通知に基づく対処を実行している端末12を「実行モードの端末12b」と称する。また、両モードを区別しない場合には、単に「端末12」と称する。
【0034】
実行モードの端末12bは、管理装置11から通知された対処(すなわち、システムにより与えられた役割)の実行が完了すると、基本的に無関与モードの端末12aに戻る。これは、事態の収束に段階的な対処も必要となる場合もあるからである。当然、事態が収束すれば、全ての実行モードの端末12bは、無関与モードの端末12aに戻る。
【0035】
次に、端末12が行なう対処に関して、図5に基づいてさらに詳述する。実行モードの端末12bが行なう対処としては、おもに、発生している事態の原因である事態の対象物14に向かって移動する「接近」と、事態の対象物14について確認情報を取得する「確認」と、取得された確認情報を、対処の通知元である管理装置11や、その上位に位置する中央管理装置に送信する「報告」との動作が行なわれる。
【0036】
接近動作において、実行モードの端末12bは、管理装置11からの指示による確認動作などを実行できる距離まで、事態の対象物14に移動する。但し、移動しなくとも確認動作などを実行できる場合には、実行モードの端末12bに移動機能は不要である。すなわち、管理装置11は、対処を通知する端末12として非移動体の端末12を選択することができる。
【0037】
また、報告動作により実行モードの端末12bから報告される情報は、管理装置11や中央管理装置におけるその後の処理の判断材料となる。
【0038】
さらに可能であれば、実行モードの端末12bは、事態の対象物14に対して事態を収束させる「収束措置」の対処を行なうこともできる。この場合、実行モードの端末12bは、収束措置の実行結果を取得して前記管理装置11や中央管理装置に報告することが望ましい。なお、この収束措置で事態が収束することもあるが、収束するまでに至らないことが多い。このため、実行モードの端末12bによる収束措置は、応急処置的な意味合いが強い。
【0039】
上記構成の対処システム10における対処処理について、図3に基づいて説明する。まず、管理装置11は、対処領域に事態が発生しているか否かを判断する(ステップS10。以下単に「S10」と記載する。他のステップについても同様である。)。事態が発生していない場合には、他の処理を行なって(S11)、ステップS10に戻る。
【0040】
一方、事態が発生している場合には、発生した事態に対応する対処の実行が可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S12)、該当する無関与モードの端末12aが存在するか否かを判断する(S13)。前記探索は、対処領域以外に存在する端末12に対しても行なうことができる。なぜなら、移動可能な端末12であれば、対処領域内に移動することができるからである。また、発生した事態が移動する場合には、対処領域外に存在し、かつ発生した事態の移動が予測される方向に存在する端末12に管理装置11が対処の通知を行なうことが望ましいからである。
【0041】
該当する無関与モードの端末12aが存在しない場合には、対処領域における対処が不可であることを後記の中央管理装置に通知して(S14)、対処システム10の対処処理を終了する。一方、該当する無関与モードの端末12aが存在する場合には、該当する無関与モードの端末12aに、発生した事態に対応する対処を実行するように通知する(S15)。
【0042】
管理装置11から通知を受け取った無関与モードの端末12aは、実行モードの端末12bとなり、該通知に基づく対処を実行する(S20)。このとき、対処の経過を管理装置11に逐次報告してもよい。次に、前記対処が完了したか否かを判断し(S21)、完了していない場合には、ステップS20に戻って処理が繰り返される。前記対処が完了している場合には、実行モードの端末12bは、対処結果の報告を管理装置11に行なった後(S22)、無関与モードの端末12aに戻って対処処理を終了する。
【0043】
実行モードの端末12bから対処結果の報告を受け取った管理装置11は、発生した事態が収束したか否かを判断し(S16)、収束していない場合には、ステップS12に戻って処理が繰り返される。そして、収束している場合には、発生した事態の対処処理を終了する。
【0044】
なお、図3では、対処を実行する端末12を1つのみしか記載していないが、管理装置11は、対処の実行が可能な複数の端末12…に通知を行なうことができる。このとき、管理装置11は、複数の端末12…に同一の対処を通知することもできるし、必要に応じて異なる対処をそれぞれ通知することもできる。
【0045】
また、対処の実行が可能な実行機能13を有する端末12には、対処を実行するための対処プログラムを、管理装置11を含めた他の装置からダウンロードすることにより対処の実行が可能となる端末12を含めることができる。この場合、該当する無関与モードの端末12aに管理装置11が通知する前記ステップS15(図3を参照。)は、図4に示すような以下のステップを含むことが望ましい。
【0046】
まず、該当する無関与モードの端末12aが、対処を実行するための対処プログラムを有しているか否かを判断する(S30)。該対処プログラムを有している場合には、ステップS33に進む。一方、該対処プログラムを有していない場合には、管理装置11は、内部または外部のデータベースから前記対処プログラムを読み込み(S31)、読み込んだ対処プログラムを、該当する無関与モードの端末12aに送信(ダウンロード)する(S32)。そして、対処の実行を、該当する無関与モードの端末12aに通知して(S33)、前記ステップS15の処理を終了する。
【0047】
このとき、対処プログラムがダウンロードされた端末12は、該対処プログラムを実行することにより、所望の対処を実行することができる。なお、管理装置11は、外部のデータベースから前記対処プログラムを読み込んで、端末12aにダウンロードする処理(S31、S32)を他の装置に実行させることができる。
【0048】
また、対処プログラムをダウンロードすることにより、多種多様な実行機能13を実現できる端末12の場合、対処が完了して対処結果の報告を管理装置11に行なった後(S22)、図5に示すような以下のステップを行なうことが望ましい。
【0049】
まず、端末12は、管理装置11などのシステムから対処プログラムをダウンロードしたか否かを判断し(S23)、ダウンロードした場合には、ダウンロードした対処プログラムを消去する(S24)。そして、端末12の対処処理を終了する。このとき、端末12は、種々の対処を行なうために、多数の対処プログラムを備える必要がなく、少なくとも1つの対処プログラムを格納するだけのメモリを備えればよいことになる。したがって、種々の対処を行なわせるために、端末12が大型化することを防止できる。
【0050】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の他の実施形態について図6〜図9に基づいて説明する。図6は、本実施形態の対処システムの概要を示している。本実施形態の対処システム20は、第1実施形態の対処システム10の構成に、関係者、機関などへの通報を仲介する情報仲介処理と、関係者、機関などからの操作指示を装置・機器に仲介する操作仲介処理とを行なう中央管理装置21を追加した構成となっている。なお、前記した実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
中央管理装置21は、現場15で発生している事態を収束させるための情報を管理装置11から受け取ると、情報仲介処理として、まず、人の判断が不要である対処を実行させるために、現場に関与している装置・機器22に通知(指示)をする。この装置・機器22は、前記情報の発信元である端末12でもよい。
【0052】
人の判断が必要な場合や、現場に関与している装置・機器22に通知した上でなおかつ必要な場合には、人の判断を仰ぐことのできる端末、すなわち、関係者の端末23や、機関の端末24などへ情報を通報する。ここで、機関の端末24としては、現場15で発生している事態を収束させるための公共のサービス機関(例えば、病院、消防署、警察署など)や、民間のサービス機関(例えば警備会社など)が挙げられる。
【0053】
このとき、情報の通報は、機関の端末24よりも関係者の端末23が優先され、関係者の端末23の中でも現場15にいる関係者の端末23aが優先されることとする。なぜなら、機関の人間よりも関係者の方が、関係者の中でも現場15にいる関係者が、発生した事態の把握と対処とを迅速かつ適切に行ない得ると考えられるからである。なお、現場の関係者が有する権限や対処能力などを勘案して、優先されるべき関係者を選択してもよい。
【0054】
そして、中央管理装置21は、現場15にいる関係者では完全に対応できない場合や、対応できないと判断した場合には、他の関係者の端末23へ情報を通報し、関係者では完全に対応できない場合や、対応できないと判断した場合には、機関の端末24に情報を通報する。
【0055】
また、人の判断を仰ぐ場合に、人、すなわち関係者の端末23や機関の端末24の操作者が判断するための情報が不足している場合には、中央管理装置21は、操作仲介処理として、現場15において遠隔端末となり得る機能を有する装置・機器の機能を一時的に借用しで情報を収集し、場合によっては端末23・24の操作者のサービスを伝える仲介を行なう。このサービスとは、詳しくは後述するが、例えば、現場15で発生した事態が災害の場合、現場15に残る被災者への呼びかけなどのことを言う。
【0056】
次に、中央管理装置21における情報仲介処理を図7に基づいて説明する。まず、現場15からの情報を受信しているか否かを判断する(S40)。情報を受信していない場合には、他の処理を行なって(S41)、ステップS40に戻る。
【0057】
一方、情報を受信している場合には、該情報の仲介が必要であるか否かを判断する(S42)。仲介が必要ではない場合には、受信した情報をデータベースに記憶した後(S43)、ステップS40に戻る。一方、仲介が必要である場合には、人の判断が不要な処置が存在するか否かを判断し(S44)、存在する場合には、対象となる装置・機器22に処置の内容を通知(指示)する(S45)。
【0058】
次に、人の判断が必要な処置が存在するか否かを判断する(S46)。存在しない場合には、情報仲介処理を終了する。一方、存在する場合には、関係者への通報が必要であるか否かを判断し(S47)、必要である場合には、対象となる関係者の端末23に情報を通報する(S48)。このとき、優先されるべき関係者(例えば、現場15にいる関係者、権限を有する関係者、対処能力を有する関係者など)を選択し、選択した関係者に情報を優先的に通報することもできる。
【0059】
次に、機関への通報が必要であるか否かを判断し(S49)、必要である場合には、対象となる機関の端末24に情報を通報する(S50)。その後、情報仲介処理を終了する
次に、中央管理装置21における操作仲介処理を、関係者の端末23や機関の端末24(以下、これらを「操作端末23・24」と総称する。)における操作処理と併せて、図8および図9に基づいて説明する。まず、操作端末23・24から操作仲介が依頼されたか否かを判断する(S60)。依頼されていない場合には、他の処理を行なって(S61)、ステップS60に戻る。
【0060】
一方、依頼されている場合には、操作端末23・24から操作されることが可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S62)、該当する無関与モードの端末12aが現場15に存在するか否かを判断する(S63)。該当する端末12aが存在する場合には、ステップS66に進む。
【0061】
一方、該当する端末12aが存在しない場合には、該当する端末であって現場15に移動可能な無関与モードの端末12aが存在するか否かを判断する(S64)。該当する端末12aが存在する場合には、ステップS66に進む。一方、該当する端末12aが存在しない場合には、現場15において操作され得る端末12が存在しないことを操作仲介の依頼先の操作端末23・24に通知して(S65)、操作仲介処理を終了する。
【0062】
次に、ステップS66では、該当する無関与モードの端末12aが、所望の被操作プログラムを有しているか否かを判断する。被操作プログラムを有している場合には、ステップS69に進む。一方、被操作プログラムを有していない場合には、中央管理装置21は、内部または外部のデータベースから被操作プログラムを読み込み(S67)、読み込んだ被操作プログラムを、該当する無関与モードの端末12aに送信(ダウンロード)して(S68)、ステップS69に進む。
【0063】
そして、ステップS69では、操作され得る無関与モードの端末12a(以下、「被操作端末12a」と称する。)が現場15に存在している、または現場15に移動可能であることを依頼先の操作端末23・24に通知する。
【0064】
一方、操作端末23・24では、中央管理装置21から前記通知を受け取るまでは、他の処理を行なって待機する(S70・S71)。前記通知を受け取ると、操作用の表示画面を操作端末23・24の表示部(図示せず)に表示して(S72)、操作端末23・24の入力部(図示せず)から操作の入力が行なわれるまで、他の処理を行なって待機する(S73・S74)。該入力部から操作の入力が行なわれると、入力された操作情報を中央管理装置21に送信する(S75)。
【0065】
中央管理装置21は、操作端末23・24から操作情報を受信すると、受信した操作情報に基づいて被操作端末12を操作する(S80)。そして、被操作端末12にて取得された取得情報を受け取っているか否かを判断し(S81)、受け取っている場合には、該取得情報を操作端末23・24に送信して、中央管理装置21における操作仲介処理を終了する。
【0066】
一方、操作端末23・24は、中央管理装置21から取得情報を受信すると、受信した取得情報を出力部(図示せず)に出力する(S76)。このとき、受信した取得情報を表示部に表示してもよい。その後、操作端末23・24における操作処理を終了する。なお、操作処理を終了する代わりに、ステップS73に戻って、被操作端末12の操作を繰り返し行なってもよい。
【0067】
また、被操作端末12の操作が終了すると、被操作端末は、実行モードから無関与モードに移行して、該端末本来の機能を実行する。このとき、図5に示す処理と同様の処理を行なうことにより、中央管理装置21からダウンロードされた被操作プログラムを消去してもよい。
【0068】
したがって、本実施形態の対処システム20は、第1実施形態の対処システム10による効果に加えて、事態の収束を確実に行なうことができる。
【0069】
なお、上記の実施形態の対処システム10・20では、ともに、対処を実行する端末12が複数個存在し、その中の幾つかまたは全てに、対処を指示することが望ましい。複数の端末12…に対処を指示することによる効果を図10〜図14に基づいて説明する。
【0070】
図10に示す場合では、同一の現場15で発生している事態に対して、1個体である単一の端末12は、管理装置11および中央管理装置21の何れか一方または両方(以下、「システム30」と称する。)で要求される機能の一部分のみを備えており、その他の部分は、元々備わっていなかったり、備わっていても、部品の寿命、破損などにより使用不能になっていたりすることが多い。
【0071】
このような場合でも、システム30は、不足している機能を互いに補うように、複数の端末12…を組み合わせて(連携させて)、対処の指示を行なうことにより、あたかも、現場15で発生している事態に対処するために要求される全ての機能を有する1つの端末31として、発生している事態に対処することができる。これにより、多種多様な機能を有する高価かつ大型の端末の代わりに、特定の機能を有する廉価かつ小型の端末を複数個用いて、廉価な対処システムを構築することができる。
【0072】
上記の点に関して図11に示す具体例に基づいて詳述する。図示の例では、移動機能は有しているが、階段などの段差を昇降する段差昇降機能を有していない端末32を考える。このような端末32を上の階と下の階とにそれぞれ配備し、現場サーバ(管理装置の判定部(後述))11が、2台の端末32・32に対して、事態に対処させるために連携させて指示することにより、あたかも、移動機能と段差昇降機能とを有する端末33として、事態に対処することができる。
【0073】
次に、図12に示す場合では、事態の対象物14aが移動しているとする。事態の対象物14aが移動する場合としては、不審者が移動している場合や、火災が燃え広がる場合などがある。このような場合、事態に対処するために用いられる端末は、移動する事態の対象物14aを追尾するように移動体の端末であることが望ましい。
【0074】
しかしながら、管理装置11が、事態の対象物14aの移動進路を予測することができるならば、予測される移動進路上に存在する非移動体の端末34a〜34dに対して同一の対処を順次指示することにより、移動する事態の対象物14aを追尾することができる。すなわち、管理装置11は、同一の役割を担う複数の非移動体の端末34a〜34dを用いて役割の受渡しを順次行なわせることにより、移動体の端末と同じような機能を実行させることができる。なお、言うまでもないが、移動体の端末を組み合わせて、移動する事態の対象物14aを追尾することもできる。
【0075】
上記の点に関して図13に示す具体例に基づいて詳述する。図示の例では、まず、現場サーバ11は、移動する事態の対象物14aの移動進路を予測する。次に、予測された移動進路(予測進路)35a〜35cおよびその周囲に端末の存在を探索する。
【0076】
このとき、図示のように、事態の対象物14aが最初に到達すると予測される第1の予測進路35aには、2台の端末36・37が存在し、事態の対象物14aが2番目に到達すると予測される第2の予測進路35bには、端末が存在しないが、その付近に1台の端末38が存在し、事態の対象物14aが3番目に到達すると予測される第3の予測進路35cには、1台の端末39が存在することを現場サーバ11が検出したとする。
【0077】
次に、現場サーバ11は、予測進路35aから35cの状況に応じて、種々の対処を端末に指示する。すなわち、現場サーバ11は、第1の予測進路35aに存在する端末36・37には、事態の対象物14aが接近しているから、対処を指示して実行モードに移行させる。また、現場サーバ11は、第2の予測進路35bの付近に存在する端末38に先回りを指示する。これにより、端末38は、第2の予測進路35bに移動して待機する。また、現場サーバ11は、第3の予測進路35cに存在する端末39に先回りを指示する。これにより、端末39は、その場で待機する。
【0078】
以上のように、現場サーバ11は、複数の端末36〜39にそれぞれの役割を指示することにより、事態の対象物14aが移動する場合であっても、柔軟に対処することができる。なお、進路の予測が不十分である場合には、可能性のある予測進路の全てに端末を先回りさせればよい。
【0079】
次に、図14に示す場合では、対処を実行する端末40・41が事態の対象物14の近くに密集し過ぎないように配置している。すなわち、複数の端末を、所定の距離内に配置する前方担当の端末40と、所定の距離外に配置する後方担当の端末41・41とに分け、さらに、後方担当の端末41・41を所定の間隔で配置するように、管理装置11が端末を選択して移動させている。
【0080】
このとき、管理装置11は、前方担当の端末40には、事態の対象物14に対し密接した対処を、後方担当の端末41・41には、事態の対象物14に対し遠隔の対処をそれぞれ行なうように指示することになる。
【0081】
端末40・41を密集させないようにすることにより、例えば、不審者に気づかれ難いことや破壊され難くなる効果や、二次災害で端末が全滅することなどの、不慮の事態が回避できる効果が生じる。
【0082】
なお、前方担当の端末40どうしでも密集しないことが好ましい場合があり、その場合には、所定の間隔で端末40どうしを配置するように管理装置11が指示すればよい。また、例えば事態の対処が不審者の監視の場合には、不審者に気づかれないために、前方担当の端末40を省略して、後方担当の端末41・41のみで対処してもよい。
【0083】
〔実施の形態3〕
次に、本発明のさらに他の実施形態について図15〜図20に基づいて説明する。本実施形態の対処システムは、第2実施形態の対処システム20に比べて、各構成をより具体的にしたものである。なお、前記した実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0084】
図15は、本実施形態の対処システムの概略構成を示している。本実施形態の対処システム50では、管理装置11が対処領域51ごとに設置され、発生した事態に対処する実行機能を有する複数の端末12…が対処領域51ごとに配備されている。管理装置11と端末12…とは通信可能となっている。
【0085】
管理装置11は、事態の発生を検出する検出部52と、検出された事態に対する対処を決定し、決定した対処を実行するように端末12…に指示する判定部53とを備える。なお、検出部52は、対処領域51を細分化した小領域54ごとに配備され、検出部52…のそれぞれと判定部53とが通信可能となっていることが望ましい。
【0086】
また、管理装置11…のそれぞれは、中央管理サーバ(中央管理装置)21と通信可能となっている。中央管理サーバ21は、その他の装置・機器22、関係者端末23および機関端末24と外部ネットワーク56を介して通信可能となっている。
【0087】
図16は、管理装置11の概略構成を示している。管理装置11は、前記検出部52、演算部60、メモリ部61、ネットワーク認証部62、通信部63、DB(データベース)管理部64、処理プログラム65、取得情報DB66、およびダウンロード用プログラムDB67を備えている。前記検出部52、演算部60、メモリ部61、ネットワーク認証部62、通信部63、およびDB管理部64は、バスを介して互いに接続されており、処理プログラム65、取得情報DB66、およびダウンロード用プログラムDB67は、DB管理部64に接続されている。
【0088】
演算部60は、プログラムを実行することにより、各種処理を実行する演算機能を有しており、一般にCPU(中央演算装置)で構成されている。メモリ部61は、演算部60が実行する各種プログラムや各種データを格納しており、一般にRAM(random access memory)およびROM(random access memory)で構成されている。
【0089】
ネットワーク認証部62は、通信ネットワークを介して受け取った情報がどの装置・機器からの情報であるかを認証している。通信部63は、管理装置11外部との通信ネットワークを介しての通信を制御する機能を有している。
【0090】
DB管理部64は、各種データベースのデータ構造およびデータ実体を管理する機能を有している。処理プログラム65、取得情報DB66、ダウンロード用プログラムDB67などの各種データベースは、ハードディスクドライブなどの外部記憶装置に記憶されている。
【0091】
処理プログラム65は、演算部60にて実行される各種のプログラムのことである。処理プログラム65には、OS(オペレーティングシステム)も含まれる。すなわち、所望のプログラムを実行する際には、処理プログラム65の中から所望のプログラムをメモリ部61に転送して、演算部60にて実行することになる。
【0092】
取得情報DB66は、管理装置11の各種機能によって取得した情報を記憶するデータベースである。また、ダウンロード用プログラムDB67は、端末12を事態に対処させるために端末12に送信する対処プログラムを記憶するデータベースである。
【0093】
なお、図16に示す管理装置11では、検出部52と判定部53とが一体に備えているが、図15に示すように、検出部52と判定部53とを分離することもできる。この場合、検出部52が複数個配備されることが一般的である。
【0094】
また、この場合、検出部52として機能する検出装置70と、判定部53として機能する判定装置71とは、図17に示すような構成とすればよい。すなわち、検出装置70は、図16に示す管理装置11の構成と比べて、ネットワーク認証部62と、データベース関係の構成64〜67とを省略し、通信部63を、送信のみ行なう送信部72に変更した構成とすればよい。また、判定装置71は、図16に示す管理装置11の構成と比べて、検出部52を、検出装置70からの信号を受信する受信部73に変更した構成とすればよい。なお、検出装置70の送信部72と、判定装置71の受信部73との間の通信媒体は、有線でも無線でもよい。
【0095】
図18は、上記構成の管理装置11における検出部52および判定部53の各機能を示している。なお、判定部53は、演算部60にて各種プログラムを実行することにより機能するものである。
【0096】
検出部52は、対処領域51において発生した事態の対象物14を物理情報として取得する物理情報取得機能(いわゆるセンシング機能)80を有している。また、判定部53は、事態発生判定機能81、端末探索機能82、探索結果判定機能83、端末指示機能84、および報告結果判定機能85を有している。
【0097】
事態発生判定機能81は、検出部52の物理情報取得機能80から得られた物理情報に基づいてその意味を解釈し、対処領域51において対処すべき事態が発生したか否かを判断する機能である。対処すべき事態が発生したと判断した場合には、事態発生判定機能81は、どのような対処をなすべきかの情報(指示)を端末探索機能82に出力する。
【0098】
端末探索機能82は、処理プログラム65から機能チェックプログラムを読み出して実行することにより、判断された対処に適した実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索する。このとき、どのような対処を実行できる端末12aを探索したかという情報は、先の取得した物理情報に基づく解釈結果とともに必要に応じて取得情報DB66に記憶される。無関与モードの端末12aは、端末探索機能82から探索に関する信号を受け取ると、その実行機能13に応じた応答信号を送信することにより、その存在を管理装置11に通知する。
【0099】
この無関与モードの端末12aによる応答について、図19に示す具体例で説明する。同図(a)に示すように、管理装置11の端末探索機能82は、5つ以上の実行機能について、それぞれ有しているか否かを探索している。このとき、無関与モードの端末12aは、第1、第3および第4の実行機能を有しているとすると、それぞれの実行機能を実行する。
【0100】
このとき、同図(b)に示すように、第3の実行機能のみが機能しなかった場合には、第1の実行機能による第1の実行結果と、第4の実行機能による第4の実行結果とを、位置情報タグ86から取得した自らの位置情報と、端末12の装置・機器識別コードとともに管理装置(現場サーバ)11に送信する。
【0101】
図18に戻ると、探索結果判定機能83は、端末探索機能82から取得情報DB66に記憶された情報と、無関与モードの端末12aからの応答信号とに基づいて、現場15で対処が可能な無関与モードの端末12aが揃っているか否かを判定し、現場15で完結できる対処については、その指示を端末指示機能84に出力する。
【0102】
このとき、現場15で完結できない対処については、探索結果判定機能83は、中央管理サーバ21に応援依頼としての情報が送信される。なお探索結果判定機能83が取得した情報およびその判定結果は、必要に応じて取得情報DB66に記憶される。
【0103】
端末指示機能84は、処理プログラム65から実行端末割当てプログラムを読み出して実行することにより、探索結果判定機能83から出力された対処の指示を無関与モードの端末12aに送信する。対処の指示を受信した無関与モードの端末12aは、実行モードの端末12bとなって、指示された対処を実行する。
【0104】
この実行端末割り当てプログラムの具体的な処理について、図20に示す具体例で説明する。同図に示すように、端末探索機能82が第1の実行機能を有する無関与モードの端末12aの探索を行なった結果、多数の端末12aから実行結果、位置情報および装置・機器識別コードを受け取ったとする。このとき、端末指示機能84は、受け取った実行結果から、位置情報および装置・機器識別コードを考慮して、対処させる端末12aを選択し、選択した端末12aに対処の指示を送信する。
【0105】
なお、無関与モードの端末12aにおいて、対処の実行機能を有していても、その実行プログラムを有しない場合には、端末指示機能84は、その対処を実行できる対処プログラムをダウンロード用プログラムDB67から読み込んで、無関与モードの端末12aに送信する。
【0106】
さらに、ダウンロード用プログラムDB67に適切な対処プログラムが存在しない場合には、管理装置11は、中央管理装置21が有する後述のダウンロード用プログラムDB98から適切な対処プログラムをダウンロードして無関与モードの端末12aに送信するか、或いは、中央管理装置21のダウンロード用プログラムDB98から無関与モードの端末12aに適切な対処プログラムを直接ダウンロードするように指示すればよい。
【0107】
実行モードの端末12bは、発生した事態に対処した結果情報を管理装置11に報告(送信)する。管理装置11が実行モードの端末12bから報告された報告情報を受信すると、管理装置11の報告結果判定機能85は、端末指示機能84から指示された指示内容を取得情報DB66から読み出して、前記報告情報と照合する。次に、報告結果判定機能85は、中央管理装置21にその後の応援を依頼すべきか否かが判定され、その判定結果は取得された情報と共に必要に応じて取得情報DB66に記憶される。
【0108】
また、報告結果判定機能85は、実行モードの端末12bから報告された報告情報によっては、その実行モードの端末12bまたはその他の実行モードの端末12bに対して、実行すべき新たな対処を端末指示機能84に指示することもできるし、新たな無関与モードの端末12aを探索するように端末探索機能82に指示することもできる。
【0109】
図21および図22は、上記構成の管理装置11における判定部53の処理動作を示している。まず、発生した事態に対し、対処の実行を端末12に指示するまでの処理動作を図21に基づいて説明する。
【0110】
まず、検出部52から物理情報を受信しているか否かを判断する(S90)。受信していない場合には、他の処理を行なって(S91)、ステップS90に戻る。一方、受信している場合には、受信した物理情報の意味を解釈して(S92)、対処すべき事態が発生したか否かを判断する(S93)。対処すべき事態が発生していないと判定した場合には、ステップS90に戻って上記処理を繰り返す。
【0111】
一方、対処すべき事態が発生していると判定した場合には、発生した事態に対してなすべき対処を選定し(S94)、なすべき対処の選定結果を、発生した事態の解釈結果(ステップS92を参照)とともに取得情報DB66に記憶する(S95)。
【0112】
次に、選定した対処を実行できる実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索して(S96)、無関与モードの端末12aからの応答があったか否かを判断する(S97)。応答がない場合には、応答があるまで所定期間待機し(S98)、所定期間が経過しても応答がない場合には、発生した事態に対処可能な無関与モードの端末12aが存在しないと判定して(S99)、ステップS105に進む。
【0113】
一方、無関与モードの端末12aからの応答があった場合には、応答してきた無関与モードの端末12aが、どの対処を実行できるかを判定し(S100)、該判定結果を取得情報DB66に記憶する(S101)。
【0114】
次に、対処を実行できる対処プログラムを無関与モードの端末12aが有しているか否かを判断し(S102)、有していない場合には、該対処プログラムをダウンロード用プログラムDB67から読み込んで無関与モードの端末12aに送信する(S103)。
【0115】
次に、なすべき対処の指示を、対象となる無関与モードの端末12aに送信する(S104)。これにより、対象となる無関与モードの端末12aは、実行モードの端末12bとなって、指示された対処を実行する。そして、ステップS105では、発生した事態および判定結果を必要に応じて中央管理装置21に送信して、端末に対処を指示するまでの処理動作が終了する。
【0116】
次に、実行モードの端末12bが対処を実行しているまたは実行した後における判定部53の処理動作について図22に基づいて説明する。まず、実行モードの端末12bから報告を受信しているか否かを判断する(S110)。報告を受信していない場合には、他の処理を行なって(S111)、ステップS110に戻る。一方、報告を受信した場合には、受信した報告情報を判定する(S112)。
【0117】
次に、追加の指示を無関与モードの端末12aに送信する必要があるか否かを判断する(S113)。追加の指示が不要な場合には、ステップS117に進む。一方、追加の指示が必要な場合には、対処の実行が可能な無関与モードの端末12aが探索済みであるか否かを判断し(S114)、探索済みではない場合には、対処の実行が可能な無関与モードの端末12aを探索する(S115)。
【0118】
次に、なすべき対処の追加指示を、対象となる無関与モードの端末12aに送信する(S116)。これにより、対象となる無関与モードの端末12aは、実行モードの端末12bとなって、追加指示された対処を実行する。
【0119】
そして、ステップS117では、結果を必要に応じて中央管理装置21に送信すると共に、結果を取得情報DB66に記憶して(S118)、判定部53における処理動作を終了する。
【0120】
図23は、中央管理装置(中央管理サーバ)21の概略構成を示している。中央管理装置21は、入出力部90、演算部91、メモリ部92、ネットワーク認証部93、通信部94、DB管理部95、処理プログラム96、仲介情報DB97、ダウンロード用プログラムDB98、およびその他のプログラム・データ99を備えている。入出力部90、演算部91、メモリ部92、ネットワーク認証部93、通信部94、およびDB管理部95は、バスを介して互いに接続されており、処理プログラム96、仲介情報DB97、ダウンロード用プログラムDB98、およびその他のプログラム・データ99は、DB管理部95に接続されている。
【0121】
なお、演算部91、メモリ部92、ネットワーク認証部93、通信部94、DB管理部95、および処理プログラム96の機能は、図16に示す管理装置11の演算部60、メモリ部61、ネットワーク認証部62、通信部63、DB管理部64、および処理プログラム65の機能と同様であるので、その説明を省略する。
【0122】
入出力部90は、中央管理装置21が操作者(サーバ操作者)と種々のやりとりをするための入出力機能を有している。入力機能を有する入力デバイスには、例えば、キーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどがあるが、操作者の入力により中央管理装置21に情報が伝達されるものであれば、任意の入力デバイスが利用できる。また、出力機能を有する出力デバイスには、例えば、ディスプレイ、プリンタなどがあるが、中央管理装置21からの情報を操作者に伝達できるものであれば、任意の出力デバイスが利用できる。
【0123】
仲介情報DB97は、中央管理装置21の各種機能によって取得した情報を記憶するデータベースである。また、ダウンロード用プログラムDB98は、端末12を事態に対処させるために端末12に送信する対処プログラムを記憶するデータベースである。なお、図17における探索指示機能74に関して説明したように、無関与モードの端末12aにダウンロードすべき適切な対処プログラムが管理装置11にない場合には、このダウンロード用プログラムDB98から適切な対処プログラムが送信されることになる。
【0124】
また、その他のプログラム・データ99は、前記以外の各種プログラムや各種データのことであり、例えば操作者が使用するワード・プロセッサや表計算ソフトなどのアプリケーションソフトや、それらに付随するデータが該当する。
【0125】
図24は、上記構成の中央管理装置21の情報仲介機能に相当する情報仲介部100の各機能を示している。情報仲介部100は、情報受信機能101、情報仲介判定機能102、仲介対象判定機能103、および情報送信機能104を有している。
【0126】
情報受信機能101は、現場15における管理装置11または実行モードの端末12bから中央管理装置21へ送信された情報を受信する機能である。受信した情報は、情報仲介判定機能102にて情報の仲介が必要か否かが判定され、情報の仲介が必要と判定された場合には、その情報の仲介先を仲介対象判定機能103にて判定される。
【0127】
仲介対象判定機能103における判定基準は、まず第1に「人の判断が不要な処理があるか否か」であり、次に「現場関係者への情報送信(通報)が必要か否か」であり、最後に「機関への情報送信(通報)が必要か否か」である。なお、受信した情報や判定結果は、必要に応じて仲介情報DB97に記憶される。
【0128】
仲介対象判定機能103にて情報の仲介先が判定されると、情報送信機能104は、判定された情報の仲介先へ情報を送信する。なお、上記構成の情報仲介部100の処理動作は、図7に示す処理動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0129】
図25は、中央管理装置21の操作仲介機能に相当する操作仲介部110の各機能を示している。操作仲介部110は、操作依頼受信機能111、端末探索機能112、探索結果判定機能113、および操作仲介機能114を有している。
【0130】
操作依頼受信機能111は、操作端末115となり得る現場関係者端末23aまたは機関端末24から操作依頼を受信する。操作依頼を受信すると、操作依頼受信機能111は、どのような操作を行なうかの情報を端末探索機能112に出力する。
【0131】
端末探索機能112は、操作依頼受信機能111からの情報と、仲介情報DB97に記憶されている情報とに基づいて、操作に適した実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索する。このとき、どのような操作を実行できる端末12aを探索したかという情報は、操作依頼受信機能111からの情報とともに必要に応じて仲介情報DB97に記憶される。無関与モードの端末12aは、端末探索機能112から探索に関する信号を受け取ると、その実行機能13に応じた応答信号を送信することにより、その存在を中央管理装置21に通知する。
【0132】
探索結果判定機能113は、操作が可能な無関与モードの端末12aが存在するか否かを判定する。存在しないと判定した場合には、その旨を依頼元の操作端末115へ送信する。一方、存在しすると判定した場合には、操作仲介機能114は、操作端末115からの操作の指示を該当する端末12aに仲介する。操作の指示を受信した無関与モードの端末12aは、実行モードの端末12bとなって、指示された操作を実行する。
【0133】
なお、無関与モードの端末12aにおいて、操作の実行機能を有していても、その実行プログラムを有しない場合には、操作仲介機能114は、その操作を実行できる操作プログラムをダウンロード用プログラムDB98から読み込んで、無関与モードの端末12aに送信する。
【0134】
実行モードの端末12bは、操作指示によって取得された情報や操作結果の情報を中央管理装置21に報告(送信)する。中央管理装置21が実行モードの端末12bから報告された報告情報を受信すると、中央管理装置21の操作仲介機能114は、該報告情報を操作端末115に送信する。また、操作仲介機能114は、操作の仲介により取得した情報を必要に応じて仲介情報DB97に記憶する。なお、上記構成の操作仲介部110の処理動作は、図8および図9に示す処理動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0135】
【実施例】
〔実施例1〕
次に、第3実施形態の対処システムを用いて、具体的な事態に対して端末12が実行する対処について図26〜図37に基づいて説明する。本実施例では、事態の対象物14は、外部から侵入した不審者14aであり、実行する対処は、不審者14aによる犯罪行為を防止する防犯行為である。
【0136】
図26は、本実施例の対処システムである防犯システムの概要を示している。管理装置11は、外部から対処領域に不審者14aが侵入したことを検出すると、防犯行為を実行するように無関与モードの端末12aに通知(指示)する。このとき、現場15に存在する無関与モードの端末12aに優先的に通知することにする。無関与モードの端末12aは、管理装置11から防犯行為の指示を受け取ると、実行モードの端末12bとなって、防犯行為を実行する。
【0137】
本実施例では、管理装置11は、以下の対処を行なう。まず、現場15で事態の収束が可能であると判断した場合には、警告と、警告に続く措置とを実行する。これらの実行によっても事態を収束できなかったとき、または収束できないと予測されるときには、その時点で応援を中央管理装置21に要請する。一方、事態の収束が不可能であると判断した場合には、対処を監視に留め、応援を中央管理装置21に要請する。
【0138】
この対処処理について、図27に基づいて説明する。まず、対処領域に不審者が存在するか否かを判断する(S120)。存在しない場合には、他の処理を行なって(S121)、ステップS120に戻る。一方、存在する場合には、対処の実行が可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S122)、該当する無関与モードの端末12aが現場15に存在するか否かを判断する(S123)。該当する端末12aが存在する場合には、ステップS126に進む。
【0139】
一方、該当する端末12aが存在しない場合には、該当する端末であって現場15に移動可能な無関与モードの端末12aが存在するか否かを判断する(S124)。該当する端末12aが存在する場合には、ステップS126に進む。一方、該当する端末12aが存在しない場合には、現場15における対処が不可能であることを中央管理装置21に通知して(S125)、対処処理を終了する。
【0140】
次に、ステップS126では、該当する端末12aで事態の収束が可能であるか否かを判断する(S126)。事態の収束が不可能であると判断した場合には、対処として監視を選択し、該当する端末12aに監視の指示を通知し(S127)、現場15における対処の応援を中央管理装置21に通知して(S128)、対処処理を終了する。一方、事態の収束が可能であると判断した場合には、対処として警告を選択し、該当する端末12aに警告の指示を通知して(S129)、対処処理を終了する。
【0141】
図28は、現場で事態の収束が可能であると判断し、警告による対処をした場合の具体例を示している。検出装置に相当する侵入検知センサ70aが不審者14aを検出すると、侵入検知センサ70aは、判定装置に相当する現場サーバ71aに侵入検知情報(センシング情報)を送信する。侵入検知情報を受信した現場サーバ71aは、現場で事態の収束が可能であると判断すると、不審者14aの顔画像の取得と、取得後の警告による威嚇行為との少なくとも一方が実行可能な端末を探索する。
【0142】
したがって、顔画像の取得を実行する顔画像取得用端末120は、少なくとも、実行機能として撮像機能を含む必要がある。また、顔画像取得用端末120は、不審者14aの前方に回り込んで不審者14aの顔を撮影できるように、移動機能を含むことが望ましい。しかしながら、移動しなくても不審者14aの顔を撮影できるのであれば、顔画像取得用端末120が移動機能を含む必要はない。
【0143】
また、例えば警告を音声で行なうとすると、警告による威嚇行為を実行する端末121は、音声出力機能を備える任意の装置・機器を使用できる。具体的には、スピーカを持つテレビ、ラジオ、ラジカセ、CD(compact disk)プレーヤ、電話(携帯電話、固定電話)などの音声出力装置が、威嚇行為出力用端末121となり得る。
【0144】
なお、これらの対処によって例えば不審者14aが顔画像取得用端末120を破壊するおそれがあるが、顔画像取得後であれば、現場サーバ71aは、新たな顔画像取得用端末120を探索する必要はない。また、不審者14aが現場15から立ち去る前に威嚇行為出力用端末121が破壊された場合には、現場サーバ71aは、他の音声出力機能が備わる無関与モードの端末12aにその役割を引き継がせればよい。
【0145】
図29は、現場で事態の収束が不可能であると判断し、警告をせずに、監視と、中央管理サーバ21への応援依頼の対処をした場合の具体例を示している。この場合、現場サーバ71aは、不審者14aの顔画像の取得が実行可能な端末を探索するとともに、中央管理サーバ21へ取得情報と応援依頼とを送信する。
【0146】
中央管理サーバ21は、現場サーバ71aから応援依頼を受け取ると、顔画像取得用端末120により取得された顔画像情報を含む通報情報を作成して、現場関係者の端末23aである携帯電話122と、機関端末である警察署サーバ24aとに通報する。
【0147】
現場関係者の端末に通報することにより、現場関係者が現場に近づくことにより傷害などの被害を被ることを防止することができる。また、警察署サーバ24aに通報することにより、警察官が現場に急行できるから、事態を迅速に収束させることができる。
【0148】
図30は、不審者14aの侵入に対応して行なわれる別の対処を示している。ここでは、現場15に取り残された現場関係者を避難誘導する対処と、不審者14aを撹乱する対処とを行なうものである。
【0149】
不審者14aに気づかれないように現場関係者を現場15から逃がすには、音声による誘導よりも表示による誘導の方が好ましい。したがって、現場サーバ71aは、対処を実行させる端末として表示機能を有する端末を探索する。
【0150】
次に、現場サーバ71aは、表示機能を有する端末123に対して以下の対処を行なうように指示する。図30(a)に示すように、現場関係者124の近くに位置する端末123は、矢印などの図形記号を用いて、避難誘導用の表示を行なう。このとき、音声機能を有する端末から音声メッセージを示してもよい。
【0151】
現場関係者124の避難誘導が完了した後には、同図(b)に示すように、避難誘導の方向と反対方向の矢印を表示するなど、不審者14aを撹乱するような表示を行なう。これにより、現場関係者124と不審者14aとの遭遇を避けることができる。
【0152】
このように、現場15での収束が不可能な場合であっても、現場15に残る現場関係者124を危険な状態にしないような、現場15で出来る限り実行可能な措置を最低限実行することが望ましい。
【0153】
以上のように、不審者14aが侵入した場合の対処について具体的に説明してきたが、その他にも図31に示すように様々な対処を取ることができる。
【0154】
図32および図33は、不審者14aが侵入したときに現場サーバ71aが行なう対処処理を具体的に示している。不審者14aが侵入すると、図32(a)に示すように、対処領域を分割した小領域54ごとに固定配備された固定センサ(検出装置)70aが不審者の侵入を検出(検知)して現場サーバ(判定装置)71aに通知する。
【0155】
次に、現場サーバ71aは、不審者14aに対処するために、同図(b)に示すように、無関与モードの移動ロボット(端末)12aの存在を検出(検知)する。次に、検出された無関与モードの移動ロボット12aが所望の実行機能を有するか否かを確認するため、図33(a)に示すように、現場サーバ71aは、所望の対処の試行を無関与モードの移動ロボット12aに指示する。
【0156】
具体的には、例えば撮像機能であれば、その場で撮像機能を実行させて撮像画像を実行結果として送信させることで実行機能の有無が判定できる。なお、単一の実行機能のみを確認するのではなく、必要とされる複数の実行機能を同時に確認複数した方が効率がよい。
【0157】
図示の場合では、無関与モードの移動ロボットAは実行結果を送信しないから、移動ロボットAは所望の実行機能を有していないと現場サーバ71aは判定する。一方、無関与モードの移動ロボットBは実行結果を送信するから、移動ロボットBは所望の実行機能を有していると現場サーバ71aは判定する。なお、例えば不審者14aの顔画像を効率よく撮像するために、撮像角度を変更できる方が好ましい場合には、現場サーバ71aは、角度を変えた画像の撮像を無関与モードの移動ロボット12aに指示すればよい。
【0158】
次に、図33(b)に示すように、現場サーバ71aは、指示した実行機能に対し、所望の実行結果を送信した移動ロボットBに、実行すべき対処(役割)を指示する。これにより、移動ロボットBは、実行モードの移動ロボット12bとなって、例えば、不審者14aの前に回り込んで撮像することにより不審者14aの顔画像を取得するなどの所望の対処を行なう。
【0159】
なお、移動ロボットBが、所望の対処を実行するための対処プログラムを有していない場合には、現場サーバ71aは、ダウンロード用プログラムDB67から移動ロボットBへ所望の対処プログラムをダウンロードすればよい。この場合、ダウンロードされた対処プログラムは、対処の実行が終了した後には、移動ロボットBにとって不要であるから消去してもよい。
【0160】
図34は、不審者14aが侵入したときに現場サーバ71aが行なう別の対処処理を具体的に示している。図示の場合では、不審者14aの侵入を検出する固定センサ(検出装置)70aは、現場サーバ71aへ直接情報を送信する機能がなく、検出した不審者侵入情報を周囲に出力するのみである。
【0161】
この場合、固定センサ70aが受信先を特定せずに情報発信(出力)された不審者侵入情報は、固定センサ70aの周囲に存在する無関与モードの移動ロボット12a(図示の場合では移動ロボットB)の有する通信手段を一時的に借用して、現場サーバ71aに送信される。
【0162】
これにより、固定センサ70aは、通信機能を限定することができるから、小型化および低価格化を実現できる。このことは、固定センサ70aを小領域54ごとに多数配備する場合に特に有効である。また、現場サーバ71aで多数の固定センサ70aを常時管理する必要がなくなるから、現場サーバ71aの負担を大幅に軽減することができる。このことは、現場15に配備される固定センサ70aが増えれば増えるほど有効である。
【0163】
図35は、不審者14aが侵入したときに現場サーバ71aが行なう別の対処処理を具体的に示している。図32(b)および図33(a)に示す場合では、現場サーバ71aは、無関与モードの移動ロボット12aの存在を検出した後に、検出した無関与モードの移動ロボット12aに所望の対処の試行を指示している。一方、図34に示す場合では、受信先を特定することなく所望の対処の試行を指示している。
【0164】
図35に示す端末探索方法の方が、図32(b)および図33(a)に示す端末探索方法よりも、システム(図示の場合では、現場サーバ71a)にかかる負担が少なくなる。
【0165】
以上のように、固定センサ70aと移動ロボット12aとを協調して動作させることにより、例えば、固定センサ70aにて不審者検知機能を実行し、移動ロボット12aにて顔画像取得機能を実行するといったように、検出の機能を分担することができる。また、固定センサ70aが撮像機能を有し、かつ、移動ロボット12aが人体検知機能を有する場合には、移動ロボットを検出装置に、固定センサを、対処を実行する端末に、それぞれの役割を変更することができる。
【0166】
また、固定センサ70aが人体検知機能の他に撮像機能を有する場合には、固定センサ70aを、検出装置と、対処(顔画像の取得)を実行する端末との両方の機能を実行することができる。この場合、移動ロボットは、固定センサからでは取得できない最適の位置やアングルからの顔画像を取得したり、固定センサによる撮像を可能にするために障害物を取り除いたりするなど、アクティブなセンサとして機能させることができる。
【0167】
なお、固定センサ70aと移動ロボット12aとを協調動作させることは、本実施例のような防犯システムだけでなく、後記の防災・救難システムなど、その他の対処システムにも適用することができる。したがって、その適用により、その他の対処システムにおいても、前記の効果を得ることができる。
【0168】
図36は、不審者14aが現場15に侵入していることが確認された後に、現場サーバ71aがとるべき措置に関わる判定内容をより具体的に示している。不審者14aの侵入を検出すると、次に、現場サーバ71aは、不審者14aの人数や個別的特徴の確認などを行なう。
【0169】
同図において、「不審者の個別の特徴」とは、個人を特定するための情報のことであり、例えば不審者14aの顔を撮像した顔画像や声を録音した音声などである。
【0170】
また、「不審者特定の物的痕跡」とは、現場15に残された、個人を特定するための物品のことであり、不審者14aの残した指紋や、足跡や、DNAを採取できる毛髪・皮膚・爪・唾液などのDNA採取サンプルや、衣服類・道具類などの遺留品となり得る物品など、現場15で不審者14aから採取しておくことが好ましいもののことである。
【0171】
これらの採取は、不審者14aから現場15で採取することを基本とし、現場15の状況をそのまま維持した方が好ましい場合には、その場所を特定するための情報取得(例えばそれらの物品が残る状況を撮像するなど)に留めておくとよい。
【0172】
また、「低優先度」とは、高優先度で起動される他のプログラムの実行を優先するという意味であり、具体的には例えば無関与モードの端末12aの割り当てがされなかった場合や、他のプログラムの実行完了が確保されてから実行される場合などのことである。
【0173】
図37は、図14に対応する具体例を示している。図示の場合では、現場サーバ71aは、不審者14aの周囲一定範囲を実行モードの端末12bの不可侵エリア124に設定し、不審者14aの移動に伴い、実行モードの端末12bを前もって範囲外に移動させている。これにより、実行モードの端末12bは、移動する不審者14aに感づかれ難くなる。
【0174】
なお、端末12bがエリア124外へ移動すること自体によって、不審者14aが感づくおそれがある場合には、現場サーバ71aは、エリア124外に存在する他の無関与モードの端末12aに指示することにより、対処の役割を受け継げばよい。
【0175】
〔実施例2〕
次に、第3実施形態の対処システムを用いて、第1実施例とは異なる具体的な事態に対して端末12が実行する対処について図38〜図48に基づいて説明する。本実施例では、事態は災害であり、事態の対象物14は、被災者や被災物14bと災害源14cとであり、実行する対処は、救難行為と防災行為とである。
【0176】
図38は、本実施例の対処システムである防災・救難システムの概要を示している。管理装置11は、対処領域にて災害が発生したことを検出すると、防災・救難行為を実行するように無関与モードの端末12aに通知(指示)する。このとき、現場15に存在する無関与モードの端末12aに優先的に通知することにする。無関与モードの端末12aは、管理装置11から防犯行為の指示を受け取ると、実行モードの端末12bとなって、防災・救難行為を実行する。
【0177】
図39および図40は、管理装置11が行なう対処処理としての救難処理を示している。以下、この救難処理について説明する。まず、対処領域に災害が発生しているか否かを判断する(S130)。発生していない場合には、他の処理を行なって(S131)、ステップS130に戻る。一方、発生している場合には、現場15での被災者14bの存在が確認済みであるか否かを判断する(S132)。確認済の場合には、ステップS138に進む。
【0178】
一方、未確認の場合は、現場サーバ71aは、対処の実行が可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S133)、該当する無関与モードの端末12aのほぼ全てに、被災者14bの存在を確認する対処、すなわち、被災書14bの捜索を指示する(S134)。この捜索は、急を要するので出来るだけ広範囲に動員できるように無関与モードの端末12aを選択する。
【0179】
次に、該当する端末12から捜索結果を取得したか否かを判断する(S135)。捜索結果を取得していない場合には、他の処理を行なって(S136)、ステップS135に戻る。一方、捜索結果を取得した場合には、捜索結果の情報を中央管理装置21に送信した後(S137)、ステップS138に進む。
【0180】
ステップS138では、現場15内の被災者14bの安否が確認済みであるか否かを判断する。安否が確認済である場合には、救難処理を終了する。すなわち、ステップS134において、被災者14bを捜索する際に、被災者14bの存在確認と合わせて安否が確認できれば、ステップS138では安否が確認済みとなって、被災者14bの安否確認を改めて行なうことなく、救難処理を終了する。例えば、撮像装置によって被災者14bを捜索したときに、被災者14bに少しでも動きがあれば、同時に安否確認できたと判断することができる。
【0181】
一方、安否が未確認の場合には、現場サーバ71aは、対処の実行が可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S139)、該当する無関与モードの端末12aのほぼ全てに、被災者14bの安否を確認する対処を指示する(S140)。この安否確認も、ステップS134と同様に急を要するので出来るだけ動員できるように無関与モードの端末12aを選択する。なお、被災者14bの安否確認は、生命の確認を意味することもあり、このような場合には、被災者14bに直接呼びかけてその反応を見ることも必要となる。
【0182】
次に、該当する端末12から安否の確認結果を取得したか否かを判断する(S141)。安否の確認結果を取得していない場合には、他の処理を行なって(S142)、ステップS141に戻る。一方、安否の確認結果を取得した場合には、該結果の情報を中央管理装置21に送信した後(S143)、救難処理を終了する。
【0183】
図41および図42は、管理装置11が行なう対処処理としての防災処理を示している。以下、この防災処理について説明する。まず、対処すべき現場15に存在する被災者14bの安否が確認済であるか否かを判断する(S150)。未確認の場合には、他の処理を行なって(S151)、ステップS150に戻る。
【0184】
一方、発生している場合には、現場15での災害源14cが確認済みであるか否かを判断する(S152)。確認済の場合には、ステップS158に進む。すなわち、被災者に関する対処実行(図39および図40を参照)の際に、災害源14cが確認できていれば、ステップS152では災害源14cが確認済みとなって、災害源14cの確認を改めて行なうことなく、ステップS158に進む。
【0185】
一方、未確認の場合は、現場サーバ71aは、対処の実行が可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S153)、該当する無関与モードの端末12aのほぼ全てに、災害源14cを特定する対処、すなわち、被災書14bの捜索を指示する(S154)。この捜索は、急を要するので出来るだけ広範囲に動員できるように無関与モードの端末12aを選択する。なお、災害源14cを特定する理由は、その後の対応(判断)を容易にするためである。
【0186】
次に、該当する端末12から捜索結果を取得したか否かを判断する(S155)。捜索結果を取得していない場合には、他の処理を行なって(S156)、ステップS155に戻る。一方、捜索結果を取得した場合には、捜索結果の情報を中央管理装置21に送信した後(S157)、ステップS158に進む。
【0187】
ステップS158では、災害源14cは収束済みであるか否かを判断する。収束済みである場合には、防災処理を終了する。一方、収束していない場合には、現場サーバ71aは、対処の実行が可能な実行機能13を有する無関与モードの端末12aを探索し(S159)、該当する無関与モードの端末12aで、事態(災害)の収束が可能であるか否かを判断する(S160)。
【0188】
収束が可能であると判断した場合には、該当する無関与モードの端末12aに、災害源14cを収束させる対処、すなわち、災害源14cの収束措置を指示して(S163)、防災処理を終了する。このとき、災害源14cを収束できなかった場合、または収束できないと予測した場合には、その時点で中央管理装置21に応援を要請する。
【0189】
一方、収束が不可能であると判断した場合には、現場サーバ71aは、該当する無関与モードの端末12aに、災害源14cを監視する対処を指示し(S161)、現場15における対処の応援依頼を中央管理装置21に通知した後(S162)、防災処理を終了する。
【0190】
図43は、救難行為において、被災者14bの安否を確認する対処(図40におけるステップS140)を行なう場合の具体例を示している。検出装置に相当する人体検知センサ70bが被災者14bを検出すると、人体検知センサ70bは、判定装置に相当する現場サーバ71bに被災者検知情報(センシング情報)を送信する。
【0191】
被災者検知情報を受信した現場サーバ71bは、人体検知センサ70bから取得した情報によって被災者14bの存在は分かっても、その安否が確認できない場合が多い。すなわち、人体のシルエットや体温などにより被災者14bの存在が分かっても、現場の照度や煙などの視覚的障害物の影響で、被災者14bの安否までは確認できない場合は意外に多い。
【0192】
この場合、現場サーバ71bは、被災者14bに刺激(図中の例では音声と直接的な接触)を与えるように移動ロボット(端末)130に指示することで安否を確認する。この安否確認行為によって被災者14bの生存を確認し、さらに自力による避難が可能であると判断した場合には、現場サーバ71bは、音声と表示灯とを用いて被災者14bを避難誘導する対処を移動ロボット130に指示する。
【0193】
したがって、本実施例では、被災者安否確認・誘導用ロボット130は、少なくとも、移動機能、音声出力機能、および点灯機能を実行機能として含む必要がある。なお、音声による安否確認および避難誘導のみを行なう場合であれば、被災者安否確認・誘導用端末131は、音声出力機能のみを実行機能として含めばよい。
【0194】
図44は、被災者14bを避難誘導する別の対処を示している。図示の場合では、避難経路の分岐点にあらかじめ配置された表示装置(床面埋め込み式ディスプレイ)が被災者誘導用端末132…となる。この具体的な実現手段は、本願出願人が以前に出願した特許出願(特願平9-5682号)に開示されている。
【0195】
なお、この避難経路は、現場サーバ71bからの指示により、災害源14cや周囲の状況(例えば通路における風向きなど)による変更に対応することができる。また、矢印などの図形記号以外に避難経路に関するメッセージを同時に示すこともできる。さらに、音声メッセージによる避難誘導を同時に行なうことが望ましい。なお、緊急度合が高いほど、被災者14bがメッセージを見たり聞いたりする余裕がなくなるので、メッセージは短い方がよい。この具体的な実現手段は本願出願人が以前に出願した特許出願(特願平4-70132号)に開示されている。
【0196】
図45は、防災行為において、現場15で発生した災害の災害源14cを継続的に監視する場合(図42のステップS161)の具体例を示している。図示の場合では、被害を最小限に抑えるため、災害元(災害源の元)よりも現状(災害の拡大防止)を重視しており、災害源監視用端末133は、災害源14cである火災の拡大を監視している。このため、災害源監視用端末133は、少なくとも、移動機能および熱感知機能を実行機能として有することが望ましい。
【0197】
なお、災害源監視用端末133が不慮の事態(例えば延焼による消失など)により災害源14cの監視が出来なくなった場合には、現場サーバ71bは、監視機能を有する他の無関与モードの端末12aにその役割を引き継がせればよい。
【0198】
このように災害源14cを監視することで得られた情報は、現場関係者の避難はもとより、中央管理装置21を介して現場関係者の端末23aや機関の端末24へ送信されて、それらの人が判断するための判断材料として活用される。
【0199】
図46は、防災行為において、現場15で災害を収束させることが不可能であると判断して、応援依頼を中央管理サーバ21に通知した場合(図42のステップS162)の具体例を示している。
【0200】
中央管理サーバ21は、現場サーバ71bから応援依頼を受け取ると、災害源監視用端末133などから現場サーバ71aを介して取得された現場情報を含む通報情報を作成して、関係者端末である家族の携帯電話135と、機関端末である消防署サーバ24bとに通報する。
【0201】
家族の携帯電話135に通報することにより、家族が現場に近づくことにより被害を被ることを防止することができる。また、消防署サーバ24bに通報することにより、消防車と、必要が有れば救急車が現場に急行できるから、事態を迅速に収束させることができ、その結果、被害を最小限に抑えることができる。
【0202】
また、中央管理サーバ21は、現状を認識させることで、家族を安心させたり、応援依頼を受けた消防署員が的確な対処を実行したりできるように情報支援を行なう。なお、現場15に残された無関与モードの端末12aを、消防署サーバ24bから遠隔操作させることで、変化する現場の状況や現場に残された人の誘導を人の操作によって実行することができる。
【0203】
すなわち、図47に示すように、消防署員137が、消防署サーバ24bの操作機能136を用いて、図48に示すような表示画面を見ながら操作することにより、消防署サーバ24bから操作情報を受信すると、中央管理サーバ21は、受信した操作情報に基づいて、実行モードの端末12bの遠隔操作を行なう。
【0204】
また、中央管理サーバ21は、実行モードの端末12bから取得された取得情報(周囲の状況など)を、消防署サーバ24bに送信する。消防署サーバ24bは、受信した取得情報を活用して、消防車などに指令を行なう。これにより、現場15で活動している実行モードの端末12bを、消防車などと連携活動させることができる。なお、現場15に生存者が残っている場合などには、音声出力機能を有した実行モードの端末12bを介して消防署サーバ24bから呼びかけを行なうとよい。
【0205】
なお、上記の実施形態および実施例で説明した各種の処理ステップをプログラムとしてコンピュータ上で機能させることができる。また、プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納することができる。これにより、任意のコンピュータ上で各種の処理ステップを実行することができる。
【0206】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の対処方法は、発生した事態に対応する対処を複数の端末に実行させる対処方法であって、事態の発生を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された事態に対応する単数または複数の対処を判定する事態判定ステップと、判定された対処の一部または全てを実行可能な前記端末を探索する探索ステップと、前記探索ステップにおいて前記対処の全てを実行可能な端末が見出せない場合に、該対処の一部を実行可能な端末を複数組み合わせて該対処を実行できるように、該対処の一部を実行させる複数の端末とその対処内容とを判定する探索結果判定ステップと、判定された複数の端末に対し、該複数の端末に対応する対処の実行を指示する端末指示ステップとを含む方法である。
【0207】
これにより、事態に対応する対処を完全に実行できる専用の端末を用いる必要はないから、端末の大型化および高額化を軽減できるという効果を奏する。また、事態の発生していない日常では、端末を他の用途に容易に利用できるから、端末を備えることによる無駄を軽減できるという効果を奏する。
【0208】
また、請求項2に記載の対処方法は、以上のように、請求項1に記載の方法において、前記探索結果判定ステップにより判定された端末が、対処の実行に必要な対処プログラムを有していない場合には、前記端末指示ステップは、対応する対処プログラムを前記端末にダウンロードしてから前記端末に対応する対処の実行を指示する方法である。
【0209】
これにより、各種の対処の実行に必要なプログラム等のソフトウェアの全てを備える必要はないから、各種の対処を実行させるために端末が大型化することを防止できるという効果を奏する。
【0210】
また、請求項3に記載の対処方法は、以上のように、請求項1または2に記載の方法において、前記ステップの幾つかまたは全てにおいて取得される情報を他の端末に通報する情報仲介ステップをさらに含む方法である。
【0211】
これにより、事態の発生および経過を関係者などの端末に通報するから、事態の収束を迅速かつ確実に行なうことができるという効果を奏する。
【0212】
また、請求項4に記載の対処方法は、以上のように、請求項3に記載の方法において、前記情報仲介ステップにより通報された端末から操作指示を受け取ると、操作可能な端末を探索して、操作を指示する操作仲介ステップをさらに含む方法である。
【0213】
これにより、関係者などが、事態の発生に対処しうる端末を遠隔操作することができるから、事態の収束をさらに迅速かつ確実に行なうことができるという効果を奏する。
【0214】
また、請求項5に記載の対処システムは、以上のように、発生した事態に対応する対処を実行する対処システムであって、単数または複数の対処の実行が可能な複数の端末と、発生した事態に対応する単数または複数の対処を判定し、判定された対処の実行を前記端末に通信ネットワークを介して指示する管理手段とを備えており、該管理手段は、事態の発生を検出する検出手段と、該検出手段により検出された事態に対応する単数または複数の対処を判定する事態判定手段と、事態判定手段により判定された対処の一部または全てを実行可能な前記端末を探索する探索手段と、探索手段によって前記対処の全てを実行可能な端末が存在しないと判定された場合に、該対処の一部を実行可能な端末を複数組み合わせて該対処を実行できるように、該対処の一部を実行させる複数の端末とその対処内容とを判定する探索結果判定手段と、探索結果判定手段により判定された複数の端末に対し、該複数の端末に対応する対処の実行を指示する端末指示手段とを備える構成である。
【0215】
これにより、事態に対応する対処を完全に実行できる専用の端末を用いる必要はないから、端末の大型化および高額化を軽減できるという効果を奏する。また、事態の発生していない日常では、端末を他の用途に容易に利用できるから、端末を備えることによる無駄を軽減できるという効果を奏する。
【0216】
また請求項6に記載の対処システムは、以上のように、請求項5に記載の構成において、前記探索結果判定手段により判定された端末が、対処の実行に必要な対処プログラムを有していない場合には、前記端末指示手段は、対応する対処プログラムを前記端末にダウンロードする構成である。
【0217】
これにより、各種の対処の実行に必要なプログラム等のソフトウェアの全てを備える必要はないから、各種の対処を実行させるために端末が大型化することを防止できるという効果を奏する。
【0218】
また、請求項7に記載の対処システムは、以上のように、請求項5または6に記載の構成において、前記管理手段から前記事態に関する情報を受け取り、受け取った情報を他の端末に通報する情報仲介手段をさらに備える構成である。
【0219】
これにより、情報仲介手段が、事態の発生および経過を関係者などの端末に通報するから、事態の収束を迅速かつ確実に行なうことができるという効果を奏する。
【0220】
また、請求項8に記載の対処システムは、以上のように、請求項7に記載の構成において、前記情報仲介手段により通報された端末から操作指示を受け取ると、操作可能な端末を探索して、操作を指示する操作仲介手段をさらに備える構成である。
【0221】
これにより、操作仲介手段を用いて、関係者などが、事態の発生に対処しうる端末を遠隔操作することができるから、事態の収束をさらに迅速かつ確実に行なうことができるという効果を奏する。
【0222】
また、請求項9に記載の対処システムは、以上のように、請求項5から8の何れか1項に記載の構成において、前記管理手段は、前記検出手段となる検出装置と、前記事態判定手段、前記探索手段、前記探索結果判定手段、および前記端末指示手段となる判定装置とを備える構成である。
【0223】
これにより、管理手段を検出装置と判定装置とに分離できるから、判定装置を多数配備する必要が無くなり、構成上の無駄を防止できるという効果を奏する。
【0224】
また、請求項10に記載の対処システムは、以上のように、請求項9に記載の構成において、前記検出装置は、固定センサであり、対処の実行が可能な複数の前記端末の少なくとも1つは、移動ロボットである構成である。
【0225】
これにより、移動ロボットは、自身の情報取得能力を低下させても、固定センサからの情報で補うことにより、実際の情報取得能力を維持できるから、移動ロボットの部品点数を減少させることができ、小型化、低コスト化を実現できるという効果を奏する。
【0226】
なお、請求項1から4の何れか1項に記載の対処方法における各ステップを対処処理プログラムとしてコンピュータに実行させることができる。さらに、前記対処処理プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で前記対処方法における各ステップを実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である対処システムの概要を示すブロック図である。
【図2】 本実施形態における対処の概要を示すブロック図である。
【図3】 本実施形態における管理装置の対処処理を示すフローチャートである。
【図4】 本実施形態における管理装置の端末への通知処理を示すフローチャートである。
【図5】 本実施形態における端末の対処処理を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の他の実施形態である対処システムの概要を示すブロック図である。
【図7】 本実施形態における中央管理装置の情報仲介処理を示すフローチャートである。
【図8】 本実施形態における中央管理装置の操作仲介処理を示すフローチャートである。
【図9】 本実施形態における操作端末の操作処理を示すフローチャートである。
【図10】 本実施形態による効果の1つを示すブロック図である。
【図11】 図10に示す効果の具体例を示すブロック図である。
【図12】 本実施形態による効果の1つを示すブロック図である。
【図13】 図12に示す効果の具体例を示すブロック図である。
【図14】 本実施形態による効果の1つを示すブロック図である。
【図15】 本発明のさらに他の実施形態である対処システムの概略構成を示すブロック図である。
【図16】 本実施形態における管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図17】 図16に示す管理装置を分離した構成である検出装置および判定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図18】 図16に示す管理装置における検出部および判定部の各機能を示すブロック図である。
【図19】 図18に示す判定部における端末の探索の具体例を示すブロック図であり、同図(a)は探索による端末の実行結果を示しており、同図(b)は端末から判定部への応答を示している。
【図20】 図18に示す判定部における端末への指示の具体例を示すブロック図である。
【図21】 本実施形態における管理装置の判定部の処理動作を示すフローチャートである。
【図22】 本実施形態における管理装置の判定部の処理動作を示すフローチャートである。
【図23】 本実施形態における中央管理サーバの概略構成を示すフローチャートである。
【図24】 図23に示す中央管理サーバにおける情報仲介部の各機能を示すブロック図である。
【図25】 図23に示す中央管理サーバにおける操作仲介部の各機能を示すブロック図である。
【図26】 本発明の一実施例である防犯システムの概要を示すブロック図である。
【図27】 本実施例における管理装置の対処処理を示すフローチャートである。
【図28】 本実施例において、現場で事態の収束が可能であると判断し、警告による対処をした場合の具体例を示すブロック図である。
【図29】 本実施例において、現場で事態の収束が不可能であると判断し、監視および応援依頼の対処をした場合の具体例を示すブロック図である。
【図30】 本実施例において、不審者の侵入に対応して行なわれる別の対処を示す概要図であり、同図(a)は、現場に取り残された現場関係者を避難誘導する対処を示しており、同図(b)は、不審者を撹乱する対処を示している。
【図31】 不審者が侵入した場合に取りうる種々の対処を示すブロック図である。
【図32】 不審者の侵入時に現場サーバが行なう対処処理を具体的に示す概要図であり、同図(a)は、不審者を検出する処理を示しており、同図(b)は、移動ロボットの存在を検出する処理を示している。
【図33】 不審者の侵入時に現場サーバが行なう対処処理を具体的に示す概要図であり、同図(a)は、移動ロボットを探索する処理を示しており、同図(b)は、移動ロボットに指示する処理を示している。
【図34】 不審者を検出する別の処理を具体的に示す概要図である。
【図35】 移動ロボットを探索する別の処理を具体的に示す概要図である。
【図36】 現場サーバが不審者に対してとるべき措置に関わる判定内容をより具体的に示すブロック図である。
【図37】 本実施例において、図14に対応する具体例を示すブロック図である。
【図38】 本発明の他の実施例である防災・救難システムの概要を示すブロック図である。
【図39】 本実施例における管理装置の救難処理を示すフローチャートである。
【図40】 本実施例における管理装置の救難処理を示すフローチャートである。
【図41】 本実施例における管理装置の防災処理を示すフローチャートである。
【図42】 本実施例における管理装置の防災処理を示すフローチャートである。
【図43】 本実施例において、被災者の安否が確認できなかった場合の具体例を示すブロック図である。
【図44】 本実施例において、被災者を避難誘導する別の対処を示す概要図である。
【図45】 本実施例において、発生した災害を継続的に監視する場合の具体例を示すブロック図である。
【図46】 本実施例において、現場で災害を収束させることが不可能であると判断して、応援依頼を中央管理サーバに通知した場合の具体例を示すブロック図である。
【図47】 本実施例において、操作端末から遠隔操作を行なう具体例を示すブロック図である。
【図48】 本実施例において、操作端末に表示される表示画面の具体例を示す概要図である。
【符号の説明】
10,20,50 対処システム
11 管理装置(管理手段)
12 端末
52 検出部(検出手段)
67 ダウンロード用プログラムDB
70 検出装置(検出手段)
81 事態発生判定機能(事態発生判定手段)
82 端末探索機能(探索手段)
83 探索結果判定機能(探索結果判定手段)
84 端末指示機能(端末指示手段)
100 情報仲介部(情報仲介手段)
110 操作仲介部(操作仲介手段)
Claims (12)
- 発生した事態に対応する対処を複数の端末に実行させる対処方法であって、
事態の発生を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された事態に対応する単数または複数の対処を判定する事態判定ステップと、
判定された対処の一部または全てを実行可能な前記端末を探索する探索ステップと、
前記探索ステップにおいて前記対処の全てを実行可能な端末が見出せない場合に、該対処の一部を実行可能な端末を複数組み合わせて該対処を実行できるように、該対処の一部を実行させる複数の端末とその対処内容とを判定する探索結果判定ステップと、
判定された複数の端末に対し、該複数の端末に対応する対処の実行を指示する端末指示ステップとを含むことを特徴とする対処方法。 - 前記探索結果判定ステップにより判定された端末が、対処の実行に必要な対処プログラムを有していない場合には、前記端末指示ステップは、対応する対処プログラムを前記端末にダウンロードしてから前記端末に対応する対処の実行を指示することを特徴とする請求項1に記載の対処方法。
- 前記ステップの幾つかまたは全てにおいて取得される情報を他の端末に通報する情報仲介ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の対処方法。
- 前記情報仲介ステップにより通報された端末から操作指示を受け取ると、操作可能な端末を探索して、操作を指示する操作仲介ステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の対処方法。
- 発生した事態に対応する対処を実行する対処システムであって、
単数または複数の対処の実行が可能な複数の端末と、
発生した事態に対応する単数または複数の対処を判定し、判定された対処の実行を前記端末に通信ネットワークを介して指示する管理手段とを備えており、該管理手段は、
事態の発生を検出する検出手段と、
該検出手段により検出された事態に対応する単数または複数の対処を判定する事態判定手段と、
事態判定手段により判定された対処の一部または全てを実行可能な前記端末を探索する探索手段と、
探索手段によって前記対処の全てを実行可能な端末が存在しないと判定された場合に、該対処の一部を実行可能な端末を複数組み合わせて該対処を実行できるように、該対処の一部を実行させる複数の端末とその対処内容とを判定する探索結果判定手段と、
探索結果判定手段により判定された複数の端末に対し、該複数の端末に対応する対処の実行を指示する端末指示手段とを備えることを特徴とする対処システム。 - 前記探索結果判定手段により判定された端末が、対処の実行に必要な対処プログラムを有していない場合には、前記端末指示手段は、対応する対処プログラムを前記端末にダウンロードすることを特徴とする請求項5に記載の対処システム。
- 前記管理手段から前記事態に関する情報を受け取り、受け取った情報を他の端末に通報する情報仲介手段をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の対処システム。
- 前記情報仲介手段により通報された端末から操作指示を受け取ると、操作可能な端末を探索して、操作を指示する操作仲介手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の対処システム。
- 前記管理手段は、前記検出手段となる検出装置と、前記事態判定手段、前記探索手段、前記探索結果判定手段、および前記端末指示手段となる判定装置とを備えることを特徴とする請求項5から8の何れか1項に記載の対処システム。
- 前記検出装置は、固定センサであり、
対処の実行が可能な複数の前記端末の少なくとも1つは、移動ロボットであることを特徴とする請求項9に記載の対処システム。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の対処方法における各ステップをコンピュータに実行させるための対処処理プログラム。
- 請求項11に記載した対処処理プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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