JP3972654B2 - 固体撮像素子カメラおよびカメラ付きドアホン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光領域から赤外光領域までの感度を有する固体撮像素子の前方の位置に配置される赤外光カットフィルタを備えた固定焦点の固体撮像素子カメラおよびカメラ付きドアホンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、侵入者を監視する用途や来訪者を確認する用途に露光などの電子制御が可能なCCDなどの固体撮像素子を用いた固定焦点の固体撮像素子カメラが提供されている。
【0003】
ここで、固体撮像素子のうち例えばCCDは赤外光領域までの感度を有しているので、固体撮像素子に可視光領域だけでなく赤外光領域をも含む光が入射するとカメラを通して得られる映像は肉眼で見た映像と見え方が異なる。そこで、赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い赤外光カットフィルタを固体撮像素子の前方の位置に配置し、赤外光を減光している。
【0004】
一方、夜間など撮像範囲が暗い状態のときに鮮明な映像を得るには補助照明が必要である。可視光源を補助照明に用いた場合、侵入者確認の用途であれば侵入者に気づかれやすく、来訪者確認の用途であれば補助照明が来訪者に不快感を与えることがある。そこで、一般に固体撮像素子として用いられるCCDが赤外光領域まで感度を有することを利用し、補助照明として赤外光源を用いた固体撮像素子カメラが提供されている。
【0005】
ところで、赤外光源を補助照明として使用する際には赤外光を有効に利用するために前述の赤外光カットフィルタを固体撮像素子の前方の位置から取り外さなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、固体撮像素子の前方の位置に配置される撮影用のレンズの光軸上に図8(a)に示すように赤外光カットフィルタ1が配置された状態では、赤外光カットフィルタ1がなかった場合に破線で示すように形成される光線が赤外光カットフィルタ1において実線で示すように屈折することによりレンズの焦点距離は長くなる。従って、固定焦点の固体撮像素子カメラにおいて赤外光カットフィルタ1を固体撮像素子の前方の位置に配置した状態でピントが合うようにレンズと固体撮像素子とを配置すると、赤外光カットフィルタ1を取り外した際にピントがずれてしまう。
【0007】
そこで、実開平2−13364号公報には、上述したピントのずれを補正するための補正レンズ(以下、ダミーフィルタ)を赤外光カットフィルタ1と入れ替える形で固体撮像素子の前方の位置に配置する技術が示されている。しかし、ダミーフィルタを用いるとダミーフィルタを別途用意する必要があるため、コストが高くなる。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、固体撮像素子の前方の位置への配置と取り外しとが可能な赤外光カットフィルタを備えながらもダミーフィルタを不要とする固定焦点の固体撮像素子カメラおよびこの固体撮像素子カメラを用いたカメラ付きドアホンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、可視光領域から赤外光領域まで感度を有する固体撮像素子と、前記固体撮像素子の前方の位置に配置された固定焦点の撮影用のレンズと、赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い赤外光カットフィルタと、前記赤外光カットフィルタを前記固体撮像素子の前方の位置と前記固体撮像素子の視野外の位置との間で移動可能とするフィルタ駆動機構と、前記固体撮像素子の撮像範囲に赤外光を照射する照明用赤外光源と、前記固体撮像素子の出力から映像信号を生成する映像信号処理部とを備え、前記赤外光カットフィルタの肉厚dと、前記赤外光カットフィルタの可視光に対する屈折率ndfと、前記レンズの可視光に対する焦点距離fdと、前記レンズの可視光に対する屈折率ndlと、前記照明用赤外光源の放射する赤外光に対する前記レンズの屈折率nalとが0.5d(1−1/ndf)≦fd(ndl−nal)/(nal−1)≦2d(1−1/ndf)を満たすことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記赤外光カットフィルタの肉厚dが0.3mmであり、前記赤外光カットフィルタの可視光に対する屈折率ndfが1.51であり、前記レンズの可視光での焦点距離fdが2.15mmであり、前記レンズの可視光に対する屈折率ndlが1.492であり、前記照明用赤外光源の放射する赤外光の波長が950nmであり、前記照明用赤外光源の放射する赤外光に対する前記レンズの屈折率nalが1.475であることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記赤外光カットフィルタには可視光の反射を防止する反射防止コーティングが施されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記赤外光カットフィルタは透光性部材からなるフィルタ基板と前記フィルタ基板の表面に形成され赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い薄膜とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記照明用赤外光源として固体発光素子を用いることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記赤外光カットフィルタは前記レンズと前記固体撮像素子との間の位置に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記照明用赤外光源を点灯・消灯させる照明制御部と、前記固体撮像素子の撮像範囲の照度を検出する照度検出手段とを備え、前記照明制御部は、前記照度検出手段によって検出された前記固体撮像素子の撮像範囲の照度が既定の基準値未満であるときに前記照明用赤外光源を点灯させ、前記照度検出手段によって検出された前記固体撮像素子の撮像範囲の照度が前記基準値以上であるときに前記照明用赤外光源を消灯させることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発明の固体撮像素子カメラを備える子機と、前記映像信号処理部から映像信号を受信して前記固体撮像素子カメラで撮影された画像を表示するカラーモニタが設けられた親機とを備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施形態1)
本実施形態における固体撮像素子カメラは、図1および図2に示すように、可視光領域から赤外光領域までの感度を有するCCDからなる固体撮像素子3を備える。
【0019】
固体撮像素子3の前方の位置には、ある範囲の被写体Tにピントが合うように固体撮像素子3との位置関係が設定された固定焦点の撮影用のレンズ2が配置される。そして、赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い赤外光カットフィルタ1が、フィルタ駆動機構6によってレンズ2の前方の位置と固体撮像素子3の視野外の位置との間で移動可能とされている。
【0020】
フィルタ駆動機構6は回転軸がレンズ2の光軸に沿うように配置されたロータリーソレノイドであって、赤外光カットフィルタ1が装着されるアームが回転軸に交差して設けられていて、アームの回転によって赤外光カットフィルタ1を移動させる。
【0021】
また、固体撮像素子カメラは、固体発光素子としての発光ダイオードからなり撮像範囲に波長950nmの赤外光を照射する照明用赤外光源5と、固体撮像素子3の出力から映像信号を生成する映像信号処理部4とを備える。
【0022】
照明用赤外光源5とフィルタ駆動機構6とは制御部7によって制御される。詳しく説明すると、制御部7は、撮像に可視光を用いる可視光使用状態においては図1に示すように照明用赤外光源5を消灯させるとともに赤外光カットフィルタ1をレンズ2の前方の位置に配置し、撮像に赤外光を用いる赤外光使用状態においては図2に示すように照明用赤外光源5を点灯させるとともに赤外光カットフィルタ1を固体撮像素子3の視野外の位置に配置する。なお、制御部7は省略してもよい。
【0023】
照明用赤外光源5が発光ダイオードからなるので、電球を用いる場合に比べてより少ない電力で必要な光量を得ることができる。また、寿命が長いので照射用赤外光源5を交換可能とするためのソケットやカバーを設ける必要がなく、かつ小さいので照明用赤外光源5を固体撮像素子3と共にプリント基板に実装したりレンズ2の側に搭載したりすることができ、固体撮像素子カメラの小型化が可能である。さらに、赤外光を放射する発光ダイオードはリモコンなどにも用いられるため、市場に大量に出まわっており容易に入手することができる。
【0024】
また、赤外光カットフィルタ1はガラスからなるフィルタ基板の表面に赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い薄膜が設けられたものである。この薄膜は一層あたり数十〜数百nmの厚さを有する層を屈折率と厚さとが異なる層同士を重ねて数十層に亘って蒸着することにより形成されている。従ってフィルタ基板の肉厚を薄くしても赤外光カットフィルタ1の赤外光に対する透過率を薄膜によって低く抑えることができる。
【0025】
また、赤外光カットフィルタ1の表面には可視光の反射を防止する反射防止コーティングが施されている。一般に赤外光カットフィルタ1のような光学フィルタの基材として用いられるガラスの表面は4%程度の反射率を有しており、赤外光カットフィルタ1の表面における反射光が固体撮像素子3に入射すると、フレアやゴーストといった現象を引き起こし、赤外光カットフィルタ1がレンズ2の前方の位置に配置された状態において映像の質が低下する。しかし、本実施形態においては、赤外光カットフィルタ1の表面に反射防止コーティングが施されているので、フレアやゴーストの輝度が抑えられ、赤外光カットフィルタ1がレンズ2の前方の位置に配置された状態において映像の質が低下することを防ぐことができる。例えば反射率が4%の面に反射防止コーティングを施すことで反射率が1%に抑えられる場合、反射防止コーティングを片面のみに施せば1/4、両面に施せば1/16にフレアやゴーストの輝度を抑え、映像の質を向上させることができる。
【0026】
ここで、本発明者は、図8(b)に示すようにレンズ2において赤外光に対する焦点距離が可視光に対する焦点距離よりも長く、この焦点距離の差と、赤外光カットフィルタ1が取り外されてレンズ2の焦点距離が短くなる幅との比が一定の範囲内であればダミーフィルタがなくとも必要な解像力が得られるという点に着目した。以下に詳しく説明する。
【0027】
上述したように、レンズ2の赤外光に対する屈折率nalは可視光に対する屈折率ndlよりも小さいので、破線で示す赤外光に対する焦点距離は実線で示す可視光に対する焦点距離fdよりもレンズ2の屈折率の差による焦点ずれfcだけ長い。
【0028】
つまり、赤外光カットフィルタ1による焦点ずれffとレンズ2の屈折率の差による焦点ずれfcとがある程度近ければ、可視光使用状態においてピントが合うように設定されていても赤外光使用状態において必要な解像力を得ることができるから、ダミーフィルタは不要である。以下で詳しい条件を導出する。
【0029】
レンズ2の厚みが無視できる程度とし、被写体までの距離が無限とみなせるとすると、レンズ2の屈折率の差による焦点ずれfcはfc=fd(ndl−nal)/(nal−1)と表される。また、赤外光カットフィルタ1による焦点ずれffは、赤外光カットフィルタ1の肉厚がdであって可視光に対する屈折率がndfであるとすると、ff=d(1−1/ndf)と表される。
【0030】
可視光使用状態においてピントが合うようにレンズ2と固体撮像素子3との位置関係が設定されていても赤外光使用状態において必要な解像力を得るために、レンズ2の屈折率の差による焦点ずれfcと赤外光カットフィルタ1による焦点ずれffとが満たすべき条件を求めるにあたって、図10を用いる。図10に示されたグラフは、赤外光として波長950nmの赤外光を用い、可視光としてHeのd線(波長587.6nm)を用いて、赤外光に対するレンズ2の焦点距離と可視光に対するレンズ2の焦点距離との差fcと、赤外光カットフィルタ1による焦点のずれffとの比fc/ffを横軸にとり、幅1mmあたり100対の白黒縞が描かれレンズ2の光軸上に配置されたチャートを用いて求めたコントラスト(すなわちMTF)を縦軸にとったグラフである。このようにして求めたMTFは解像力を反映しているといえる。可視光使用状態において破線イで示されるMTFになるようにレンズ2と固体撮像素子3との位置関係を調整して赤外光使用状態において得られたMTFを実線ロで示す。一般に固体撮像素子カメラを不審者の監視や来訪者の確認等の用途に使用する場合にはMTFが0.3以上であれば実用可能であることが知られている。図10によると、fc/ffが0.5以上2以下の範囲に収まっておればMTFが0.3以上に保たれ、すなわち必要な解像力が得られる。この条件を式で表すと、0.5d(1−1/ndf)≦fd(ndl−nal)/(nal−1)≦2d(1−1/ndf)である。
【0031】
本実施形態においては、赤外光カットフィルタ1は赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い薄膜をフィルタ基板の表面に備えるので、薄膜を多層膜として赤外光に対する減光効果を確保しても薄膜の厚さは十数μm程度に抑えることができ薄膜における屈折を考慮する必要もなく、またフィルタ基板の肉厚とフィルタ基板に用いる部材とをどのように選んでも赤外光カットフィルタ1の赤外光を減光する性能は確保されるから、肉厚dと可視光に対する屈折率ndfとを上記の式の条件を満たすように設定することが容易である。
【0032】
因みに、赤外光カットフィルタとしてはガラスなどの基材に赤外光吸収剤を混入したものを用いることも考えられるが、本実施形態においては以下の理由によって採用しない。赤外光吸収剤は一般に高温において水と反応しやすく、赤外光カットフィルタは赤外光吸収剤の濃度が高いほど環境試験等において高温での赤外光吸収剤と水との反応によって白濁しやすい。従って白濁を防ぐには赤外光吸収剤の濃度を低く抑えなければならず、また赤外光カットフィルタにおける赤外光の透過率は赤外光吸収剤の濃度と赤外光カットフィルタの肉厚とで決定されるから、赤外光に対する透過率を十分に低くするためには赤外光カットフィルタの肉厚を確保する必要がある。従って屈折率と肉厚とを上記の式を満たすように調整することが難しいから、本実施形態においては採用しない。
【0033】
ここで、本実施形態における赤外光カットフィルタ1の肉厚dは0.3mmであり、可視光に対する屈折率ndfは1.51である。また、レンズ2の可視光での焦点距離は2.15mmであり、可視光に対する屈折率ndlは1.492、照明用赤外光源の照射する赤外光に対する屈折率nalは1.475である。従って、0.76d(1−1/ndf)=fd(ndl−nal)/(nal−1)であるから上記の式の条件を満たし、つまり必要な解像力を得ることができる。因みに図10によれば、赤外光カットフィルタ1をレンズ2の前方の位置に配置した可視光使用状態においてMTFが0.99となるようにレンズ2と固体撮像素子3との位置関係を調整してから、赤外光カットフィルタ1を取り外した赤外光使用状態において測定したMTFは本実施形態のfc/ffでは0.76である。
【0034】
上記のように赤外光カットフィルタ1の肉厚dと、可視光に対する赤外光カットフィルタ1の屈折率ndfと、可視光でのレンズ2の焦点距離fdと、可視光に対するレンズ2の屈折率ndlと、照明用赤外光源5が照射する赤外光に対するレンズ2の屈折率nalとを設定することにより、赤外光カットフィルタ1がレンズ2の前方の位置に配置された可視光使用状態においてピントが合うようにレンズ2と固体撮像素子3との位置関係が設定されていても、赤外光カットフィルタ1が固体撮像素子3の視野外の位置に配置された赤外光使用状態において必要な解像力が得られ、従ってダミーフィルタを必要としないので、ダミーフィルタを用いる場合と比べて部品点数が減少することによりコストを下げることができる。
【0035】
(実施形態2)
本実施形態において、可視光使用状態では図3に示すように赤外光カットフィルタ1はレンズ2と固体撮像素子3との間の位置に配置される。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0036】
ここで、画像のケラレをなくすためには、図4に示すように、赤外光カットフィルタ1には、レンズ2の有効径と、レンズ2にかけられることのある絞り12の開口径と、固体撮像素子3において像が結ばれる範囲の寸法とによって規定される固体撮像素子3の視野を覆う程度の面積が必要である。赤外光カットフィルタ1をレンズ2の前方の位置に配置した場合は図4の2点鎖線で示すように少なくともレンズ2の画角を覆う面積が必要である。一方、本実施形態において赤外光カットフィルタ1はレンズ2と固体撮像素子3との間の位置に配置され、前述した固体撮像素子3の視野を覆うために必要な面積はレンズ2の前方よりもレンズ2と固体撮像素子3との間の方が狭いから、赤外光カットフィルタ1の面積はレンズ2の前方の位置に配置する場合よりも狭い面積でよい。また、赤外光カットフィルタ1がレンズ2の前方の位置に配置される場合に比べてレンズ2と固体撮像素子3との間の空間が有効に利用され、赤外光カットフィルタ1とレンズ2と固体撮像素子3とからなる光学系の全長が短縮されることにより固体撮像素子カメラの小型化が可能になる。
【0037】
(実施形態3)
本実施形態における固体撮像素子カメラは、図5および図6に示すように、照度検出手段として撮像範囲の照度を検出し制御部7に出力する照度センサ8を備え、制御部7は照度センサ8の出力した照度が既定の基準値以上であるときに図5に示すように可視光使用状態に切りかえ、照度センサ8の出力した照度が既定の基準値未満であるときに図6に示すように赤外光使用状態に切りかえる。すなわち制御部7が照明制御部として機能する。照度センサ8としてはCdSやフォトダイオードなどを用いることができる。その他の構成は実施形態2と同様である。
【0038】
上記構成によれば、撮像範囲の照度に応じて自動的に照明用赤外光源5が点灯・消灯されるので、基準値を固体撮像素子の感度に応じて適宜設定することにより照明用赤外光源を必要なときのみ自動的に点灯させることができ、照明用赤外光源を常に点灯させる場合と比べて電力を節約することができる。
【0039】
(実施形態4)
上の実施形態で述べた固体撮像素子カメラの使用例の1つとしてのカメラ付きドアホンを図7に示す。このカメラ付きドアホンは、実施形態3の固体撮像素子カメラ9aを備え屋外に配置される子機9と、映像信号処理部4からケーブル10を介して受信した映像信号をもとに固体撮像素子カメラ9aで撮影された画像を表示するカラーモニタ11aを備え屋内に配置される親機11とを備える。子機9には固体撮像素子カメラ9aの他に、呼び出し音を鳴らすための呼出釦9bと、来訪者の声が入力されるマイク9cと、使用者の声が出力されるスピーカ9dとが設けられ、親機11にはマイク9cおよびスピーカ9dとの間で通話を可能とする送受話装置11bが設けられている。
【0040】
カラーモニタ11aにカラー映像を表示させる色信号を得るため、本実施形態における固体撮像素子3の各画素にはR(赤),G(緑),B(青)の原色フィルタが設けられていて、各画素の出力からR,G,Bの3つの色信号を得ることができる。ここで、これら原色フィルタおよび補色フィルタは赤外光を各色それぞれ異なった透過率で透過させ、固体撮像素子3は赤外光領域までの感度を有するので、固体撮像素子3に可視光領域だけでなく赤外光領域をも含む光が入射すると、色バランスが崩れた映像をカラーモニタ11aに表示させる色信号が出力される。本実施形態における赤外光カットフィルタ1は前述のような色バランスの崩れを防ぐために、可視光使用状態において固体撮像素子3の前方の位置に配置され、赤外光を減光する。
【0041】
本実施形態によれば、赤外光領域まで感度を有する固体撮像素子3と照明赤外光源5とを有する固体撮像素子カメラ9aを子機9に備えるので、撮像範囲の照度が低い場合でも照明用赤外光源5を用いることにより鮮明な画像を得ることができ、赤外光を用いるから来訪者に不快感を与えることもない。また、ダミーフィルタを必要としない固体撮像素子カメラ9aを用いるのでダミーフィルタを用いる固体撮像素子カメラを用いる場合よりも固体撮像素子カメラのコストが下がることによりコストが低減される。
【0042】
ここで、画素に設ける色フィルタは、原色フィルタの代わりにCy(シアン),Mg(マゼンタ),Ye(イエロー)などの補色フィルタでもよい。
【0043】
他の使用例としては、上の実施形態において述べた固体撮像素子カメラを監視カメラとして用いてもよい。この場合、可視光の照度が低いときの補助照明として照明用赤外光源を用いることから、補助照明として可視光源を用いる場合に比べて監視カメラの存在に気づかれにくい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明は、赤外光カットフィルタの肉厚dと、赤外光カットフィルタの可視光に対する屈折率ndfと、レンズの可視光に対する焦点距離fdと、レンズの可視光に対する屈折率ndlと、照明用赤外光源の放射する赤外光に対する前記レンズの屈折率nalとが0.5d(1−1/ndf)≦fd(ndl−nal)/(nal−1)≦2d(1−1/ndf)を満たすことにより、赤外光使用状態であっても十分な解像力を得ることができ、かつダミーフィルタが不要であるので、ダミーフィルタを用いる場合に比して部品点数が減少することによりコストを下げることができる。
【0045】
請求項3の発明は、赤外光カットフィルタの表面に反射防止コーティングを施すことによりフレアやゴーストの輝度を抑えることができる。
【0046】
請求項4の発明は、赤外光カットフィルタが、透光性部材からなるフィルタ基板と、フィルタ基板の表面に形成され赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い薄膜とを備えるので、フィルタ基板の材料と肉厚とは赤外光に対する減光効果に影響せず、また請求項1の式のうち赤外光カットフィルタに関係するのは赤外光カットフィルタの肉厚と可視光に対する屈折率とであって、これらはフィルタ基板の材料と肉厚とによって決まるから、請求項1の条件を満たすように赤外光カットフィルタの肉厚と可視光に対する屈折率とを設定することが容易である。
【0047】
請求項5の発明は、照明用赤外光源として固体発光素子を用いるので、電球を用いる場合に比べて消費電力の低減と小型化とが可能である。
【0048】
請求項6の発明は、赤外光カットフィルタがレンズと固体撮像素子との間の位置に配置され、つまり撮像範囲からの光が収束される部位に配置されることになるから赤外光カットフィルタをレンズの前方の位置に配置する場合よりも赤外光カットフィルタが小さくてすみ、また、レンズと固体撮像素子との間のスペースが有効に利用されるので固体撮像素子カメラの小型化が可能である。
【0049】
請求項7の発明は、照明用赤外光源を点灯・消灯させる照明制御部と、固体撮像素子の撮像範囲の照度を検出する照度検出手段とを備え、照明制御部は、照度検出手段によって検出された固体撮像素子の撮像範囲の照度が既定の基準値未満であるときに照明用赤外光源を点灯させ、照度検出手段によって検出された固体撮像素子の撮像範囲の照度が前記基準値以上であるときに照明用赤外光源を消灯させるので、基準値を固体撮像素子の感度に応じて適宜設定することにより照明用赤外光源を必要なときのみ自動的に点灯させることができ、照明用赤外光源を常に点灯させる場合と比べて電力を節約することができる。
【0050】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の固体撮像素子カメラを子機に備えるので、ダミーフィルタを必要とする固体撮像素子カメラを用いる場合と比べて固体撮像素子カメラのコストを下げることができるから、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の可視光使用状態を示すブロック図である。
【図2】同上の赤外光使用状態を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図4】同上の原理説明図である。
【図5】本発明の実施形態3の可視光使用状態を示すブロック図である。
【図6】同上の赤外光使用状態を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態4を示す概略構成図である。
【図8】本発明の原理説明図である。
【図9】本発明の原理説明図である。
【符号の説明】
1 赤外光カットフィルタ
2 レンズ
3 固体撮像素子
4 映像信号処理部
5 照明用赤外光源
6 フィルタ駆動機構
7 制御部
8 照度センサ
9 子機
9a 固体撮像素子カメラ
11 親機
11a カラーモニタ
Claims (8)
- 可視光領域から赤外光領域まで感度を有する固体撮像素子と、前記固体撮像素子の前方の位置に配置された固定焦点の撮影用のレンズと、赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い赤外光カットフィルタと、前記赤外光カットフィルタを前記固体撮像素子の前方の位置と前記固体撮像素子の視野外の位置との間で移動可能とするフィルタ駆動機構と、前記固体撮像素子の撮像範囲に赤外光を照射する照明用赤外光源と、前記固体撮像素子の出力から映像信号を生成する映像信号処理部とを備え、前記赤外光カットフィルタの肉厚dと、前記赤外光カットフィルタの可視光に対する屈折率ndfと、前記レンズの可視光に対する焦点距離fdと、前記レンズの可視光に対する屈折率ndlと、前記照明用赤外光源の放射する赤外光に対する前記レンズの屈折率nalとが0.5d(1−1/ndf)≦fd(ndl−nal)/(nal−1)≦2d(1−1/ndf)を満たすことを特徴とする固体撮像素子カメラ。
- 前記赤外光カットフィルタの肉厚dが0.3mmであり、前記赤外光カットフィルタの可視光に対する屈折率ndfが1.51であり、前記レンズの可視光での焦点距離fdが2.15mmであり、前記レンズの可視光に対する屈折率ndlが1.492であり、前記照明用赤外光源の放射する赤外光の波長が950nmであり、前記照明用赤外光源の放射する赤外光に対する前記レンズの屈折率nalが1.475であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子カメラ。
- 前記赤外光カットフィルタには可視光の反射を防止する反射防止コーティングが施されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の固体撮像素子カメラ。
- 前記赤外光カットフィルタは透光性部材からなるフィルタ基板と前記フィルタ基板の表面に形成され赤外光に対する透過率が可視光に対する透過率よりも低い薄膜とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体撮像素子カメラ。
- 前記照明用赤外光源として固体発光素子を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の固体撮像素子カメラ。
- 前記赤外光カットフィルタは前記レンズと前記固体撮像素子との間の位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の固体撮像素子カメラ。
- 前記照明用赤外光源を点灯・消灯させる照明制御部と、前記固体撮像素子の撮像範囲の照度を検出する照度検出手段とを備え、前記照明制御部は、前記照度検出手段によって検出された前記固体撮像素子の撮像範囲の照度が既定の基準値未満であるときに前記照明用赤外光源を点灯させ、前記照度検出手段によって検出された前記固体撮像素子の撮像範囲の照度が前記基準値以上であるときに前記照明用赤外光源を消灯させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の固体撮像素子カメラ。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の固体撮像素子カメラを備える子機と、前記映像信号処理部から映像信号を受信して前記固体撮像素子カメラで撮影された画像を表示するカラーモニタが設けられた親機とを備えることを特徴とするカメラ付きドアホン。
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