JP3972555B2 - 特定エリアデータ伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、付加価値の高い電車のグリーン車や飛行機のファーストクラス等における付加価値の高いサービスエリアを利用するユーザーに特定のデータ伝送サービスを行うことができる特定エリアデータ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の特定エリアデータ伝送装置としては、例えば特開平8−98227号公報(以下、第1従来例と称す)及び特開平10−94057号公報(以下、第2従来例と称す)に記載されたものが知られている。
【0003】
第1従来例には、ある広い範囲の建物や、イベント会場又はレース場等のプライベートエリア内にいる各種の作業者や勤務者に対して本部から呼出しをかける場合や、エリア内に特定の人にメッセージを転送する場合に、プライベートエリア内に小電力無線送受機からなる多数の中継局を配置しておき、このうちの1つの中継局にデータ端末装置から小電力で情報が送信され、この情報を受信した中継局がその周辺の中継局に小電力で情報を送信することにより、これら中継局間で移動する子局に情報を転送するようにしたプライベート領域内情報転送方式が開示されている。
【0004】
また、第2従来例には、複数のエリア毎に、これらをカバーする複数の無線基地局を設け、ある無線基地局のエリア内で、その無線基地局により管理される複数の無線端末とを有する無線通信システムであって、ある無線基地局のエリア内に移動した無線端末に対して、無線基地局から無線端末に送信される報知信号に音通知禁止情報や通知音レベル情報を含ませることで、無線基地局の設置場所に応じたエリア内通知サービスを行うようにした無線通信システムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1従来例にあっては、広い範囲のプライベート領域内でのデータ伝送を行うことを目的としているが、例えば鉄道車両の一般車の利用者にはインターネット接続サービスを提供せず、グリーン車の利用客にはインターネットの接続サービスを行うように、特定エリアで他のエリアとは異なる付加価値を与えるサービスを行うことはできないという未解決の課題がある。
【0006】
また、上記第2の従来例でも、無線端末の位置によってベル鳴動等の通知音を自動的に制御することはできるが、上記した第1従来例と同様に、特定エリアで他のエリアより付加価値の高いサービスを与えることはできないという未解決の課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、特定エリアで他のエリアより付加価値の高いサービスを提供することができる特定エリアデータ伝送装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る特定エリアデータ伝送装置は、個室内に配設されたアクセスポイントと、該アクセスポイントに対してアクセスする携帯型情報端末と、前記アクセスポイントと前記携帯型情報端末とを接続する交信範囲が前記個室内に制限された近距離無線通信手段と、前記個室の外側に設けられた使用状態表示手段とを備え、前記携帯型情報端末は前記個室内で前記アクセスポイントに対して交信可能状態となったときに両者間でデータ伝送を行うよう構成され、前記前記アクセスポイントは前記携帯型情報端末との交信終了している状態であるときに、前記使用状態表示手段を使用可能状態の表示を行うように制御することを特徴としている。
【0009】
この請求項1に係る発明では、個室内に配設された登録された携帯型情報端末とアクセスが可能なアクセスポイントと、これに対してアクセス可能な携帯型情報端末とを交信範囲が個室内に限定された近距離無線通信手段で接続するので、携帯型情報端末では個室内でのみアクセスポイントとの交信が可能であり、アクセスポイントを利用したデータ伝送サービスを受けることができる。
また、個室の外側に使用状態表示手段が設けられているので、この使用状態表示手段が、アクセスポイントが携帯型情報端末と交信中であるとき即ち携帯型情報端末を所持したユーザーが個室内に存在するときには使用状態表示手段で使用中であることを表示し、携帯型情報端末との交信が終了したときには使用可能状態を表示して、個室内でのユーザーの存在を報知する。
【0010】
また、請求項2に係る特定エリアデータ伝送装置は、請求項1に係る発明において、前記アクセスポイントはインターネットに接続可能に構成され、前記携帯型情報端末から前記近距離無線通信手段を介してインターネットへのアクセスが可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
この請求項2に係る発明では、携帯型情報端末からアクセスポイントを介してインターネットへのアクセスが可能であるので、特定エリア内でインターネット接続サービスを提供することができる。
【0014】
さらにまた、請求項3に係る特定エリアデータ伝送装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記個室は、鉄道車両のグリーン車、飛行機のファーストクラス、ホテルのスイートルーム、VIPルーム、有料トイレ及び有料電話ボックスの何れかでなるサービスエリア内に設けられていることを特徴としている。
【0015】
この請求項3に係る発明では、個室が例えば鉄道車両のグリーン車や飛行機のファーストクラス等における付加価値の高いサービスエリア内に設けられているので、他の付加価値の低いサービスエリアに対して付加価値の高い情報提供サービスを提供することができる。
【0016】
なおさらに、請求項4に係る特定エリアデータ伝送装置は、請求項1乃至3の何れかに係る発明において、前記個室は、入出用ドアを有することを特徴としている。
【0017】
この請求項5に係る発明では、個室が入出用ドアを有することにより、個室外からの近距離無線通信手段を介するアクセスポイントへのアクセスを確実に遮断することができ、個室内でのみアクセスポイントへのアクセスが可能となる。
【0018】
また、請求項6に係る特定エリアデータ伝送装置は、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記近距離無線通信手段は、前記アクセスポイント及び前記携帯型情報端末に設けた交信範囲が限定された近距離無線通信インタフェースを備えており、前記アクセスポイント及び前記携帯型情報端末間で、前記アクセスポイントをマスタとし、前記携帯型情報端末をスレーブとする小規模無線ネットワークを構築可能に構成されていることを特徴としている。
【0019】
この請求項6に係る発明では、アクセスポイント及び携帯型情報端末間でアクセスポイントがマスタとなり、携帯型情報端末がスレーブとなる小規模無線ネットワークを構築するので、接続制御等をアクセスポイントが行うので、設定された携帯型情報端末以外のアクセスを制限することができると共に、携帯型情報端末側での負担を少なくして省電力化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を伴って説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態を示す構成図であり、鉄道車両のグリーン車や飛行機のファーストクラス等の付加価値の高いサービスエリア内に設けられた個室1を備えており、この個室1には、通路側に開閉ドア2が設けられ、この開閉ドア2の外側に使用中及び使用可能状態を表す使用状態表示手段を構成する使用状態表示灯3が設けられている。
【0022】
また、個室1内には、開閉ドア2と対面する位置にアクセスポイント4が設けられ、このアクセスポイント4と付加価値の高いサービスエリアの乗客に貸与する携帯型情報端末PDAとが交信範囲が10m程度に制限された例えば2.4GHzのISM(Industrial Scientific Medical)帯を搬送波周波数に使用する近距離無線通信インターフェースを備えており、例えば8ノード程度の小規模無線ネットワークを形成可能に構成されている。
【0023】
アクセスポイント4は、図2に示すように、システムバス10に中央処理装置11、この中央処理装置11で実行するプログラム等を格納すると共に、演算結果等を記憶するRAM12及びROM13が接続され、さらにハードディスク14や拡張RAM等のメモリアクセスを制御するメモリコントローラ15、車内の通信ネットワークに接続されるルーター16及び小規模無線ネットワークを形成するための前述した近距離無線通信インタフェース17が接続されている。
【0024】
ここで、近距離無線通信インタフェース17は、周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散技術を使用して、交信範囲が例えば10m程度に制限された低送信出力に設定されていると共に、予め乗客に貸与する携帯型情報端末PDAのMAC(Media Access Control) アドレスが設定されており、自己がマスターとなって、周辺機器の認識動作を行い、該当するMACアドレスの携帯型情報端末PDAを認識したときに、認証を行ってから携帯型情報端末PDAと小規模ネットワークを構築して、携帯型情報端末PDAをスレーブとして設定する。
【0025】
同様に、携帯型情報端末PDAは、図3に示すように、システムバス30に中央処理装置31、この中央処理装置31で実行するプログラム等を格納すると共に、演算結果等を記憶するRAM32及びROM33、入力キー34の入力データを処理するキーコントローラ35、液晶ディスプレイ36の表示を制御する表示コントローラ37、液晶ディスプレイ36の表面に形成されたタッチパネル38からの入力を制御するタッチパネルコントローラ39、カード型のフラッシュメモリ40のメモリアクセスを制御するメモリコントローラ41及びアクセスポイント4の近距離無線通信インタフェース17と同様の近距離無線通信インタフェース42を備えていると共に、インターネットにアクセスするためのWWW(World Wide Web) ブラウザソフトを備えている。
【0026】
そして、アクセスポイント4では、常時一定周期で自己のMACアドレス、通信可能な携帯型情報端末を選択するポーリング情報、ビーコン周期等の管理情報を含むビーコンを送信し、携帯型情報端末PDAから送信先アドレスを通信相手のMACアドレスとし、送信元アドレスを自己のMACアドレスとしたヘッダを先頭に付加した接続要求フレームを受信すると、該当する携帯型情報端末PDAを接続リストに登録してから送信先アドレスを自己のMACアドレスとし、送信元アドレスを携帯型情報端末PDAのMACアドレスとしたヘッダを先頭に付加した確認フレームを送信して、携帯型情報端末PDAとの間で小規模無線ネットワークを構築する。
【0027】
次に、上記実施形態の動作をアクセスポイント4で実行する制御処理を示す図4のフローチャート及び携帯型情報端末PDAで実行する制御処理を示す図5のフローチャートを伴って説明する。
【0028】
アクセスポイント4の制御処理は、アクセスポイント4に電源が投入されたときに処理を開始し、先ず、ステップS1で、小規模無線ネットワークに参加する携帯型情報端末PDAが存在するか否かを判定する。この判定は、携帯型情報端末PDAから送信された接続要求フレームを受信したか否かによって判定し、接続要求フレームを受信したときには、ステップS2に移行して、接続要求フレームに付加されている携帯型情報端末PDAのMACアドレスが予め登録されたMACアドレスであるか否かを判定し、登録されたMACアドレスであるときには、ステップS3に移行して、携帯型情報端末PDAのMACアドレスを接続リストに登録し、次いでステップS4に移行して、携帯型情報端末PDAのMACアドレスを送信先アドレスとし、自己のMACアドレスを送信元アドレスとするヘッダを先頭に付加した確認フレームを接続要求をした携帯型情報端末PDAに送信して、この携帯型情報端末PDAとの間で小規模無線ネットワークを構築してからステップS5に移行する。
【0029】
このステップS5では、使用状態表示灯3を点灯制御してからステップS6に移行し、小規模無線ネットワークに接続された携帯型情報端末PDAから所望のWWWサーバーにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator) を含む接続要求データを受信したか否かを判定し、接続要求データを受信していないときには前記ステップS1に戻り、接続要求データを受信したときには、ステップS7に移行して、インターネットに接続された公衆回線網等の所定のネットワークに接続されているか否かを判定し、所定のネットワークに接続されていないときにはステップS8に移行して、所定のネットワークに対してダイヤルアップIP接続を行ってからステップS9に移行し、所定のネットワークに接続されているときには直接ステップS9に移行する。
【0030】
このステップS9では、所望のWWWサーバーにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator) を含む接続要求データを送信し、次いでステップS10に移行して、該当するWWWサーバーからホームページのHTML(Hypertext Markup Language)ソースを受信したか否かを判定し、HTMLソースを受信していないときには受信するまで待機し、HTMLソースを受信したときには、ステップS11に移行して、受信したHTMLソースを携帯型情報端末PDAに送信し、次いで、ステップS12に移行して、携帯型情報端末PDAから他の要求があるか否かを判定し、この要求があるときにはステップS13に移行して、要求に応じたデータ等をWWWサーバーに転送し、次いでステップS14に移行して、転送した要求に対する応答があったか否かを判定し、応答がないときには応答があるまで待機し、応答があったときにはステップS15に移行して、インターネットのアクセスを終了するか否かを判定し、インターネットのアクセスを終了する場合には、ステップS16に移行して、所定のネットワークのダイヤルアップIP接続を切断してから前記ステップS1に戻り、インターネットのアクセスを継続する場合にはステップS17に移行して、前記ステップS6と同様に接続要求データを受信したか否かを判定し、接続要求データを受信していないときには前記ステップS12に戻り、接続要求データを受信したときには前記ステップS9に移行する。
【0031】
また、前記ステップS1の判定結果が携帯型情報端末PDAが存在しない場合又はステップS2の判定結果が、登録された携帯型情報端末PDAではない場合には、ステップS18に移行して、使用状態表示灯3を消灯制御してからステップS1に戻る。
【0032】
また、携帯型情報端末PDAで実行する制御処理は、携帯型情報端末PDAの電源が投入されたときに実行開始され、図5に示すように、先ず、ステップS21で、予めMACアドレスと名前とを対応させて登録した通信相手が存在するか否かを判定する。この判定は、通信の相手先から一定周期毎に自己のMACアドレスを含むビーコンが送信されており、このビーコンを受信することにより、登録した通信相手であるか否かを判定し、登録された通信相手が存在しないときには、ステップS22に移行して、予め設定した所定時間が経過した否かを判定し、所定時間が経過していないときには前記ステップS21に戻り、所定時間が経過したときには、通信相手が存在しないことが確実であると判断してステップS23に移行し、通信相手不在である旨を表すメッセージを液晶ディスプレイ36に表示し、次いでステップS24に移行して、所定時間に一回メッセージを受信する動作を行うだけで、小規模ネットワークに参加しないスタンバイモードに設定してから前記ステップS21に戻る。
【0033】
一方、前記ステップS21の判定結果が、登録した通信相手が存在する場合には、ステップS25に移行して、登録した通信相手が複数存在するか否かを判定し、登録した通信相手が1つであるときには直接後述するステップS28に移行し、複数存在する場合には、ステップS26に移行して、通信相手の名前を液晶ディスプレイ36に表示すると共に、このうちの1つを選択する旨のメッセージを表示し、次いでステップS27に移行して、1つの通信相手が選択されたか否かを判定し、選択されていないときには選択されるまで待機し、選択されたときにはステップS28に移行する。
【0034】
このステップS28では、通信相手との接続処理を行う。この接続処理は、送信先アドレスを通信相手のMACアドレスとし、送信元アドレスを自己のMACアドレスとしたヘッダを先頭に付加した接続要求フレームを通信相手に送信し、通信相手から送信先アドレスを自己のMACアドレスとし、送信元アドレスを通信相手のMACアドレスとしたヘッダを先頭に付加した確認フレームを受信することにより行う。この接続の際に、暗号キーなどによる認証を行うようにしてもよい。
【0035】
次いで、ステップS29に移行して、接続が完了したか否かを判定し、完了していないときには完了するまで待機し、完了したときにはステップS30に移行し、送信データが有るか否かを判定し、送信データが有るときにはステップS31に移行して、通信相手に対するデータ送信処理を行ってから前記ステップS21に戻り、送信データがないときにはステップS32に移行する。
【0036】
このステップS32では、受信データが有るか否かを判定し、受信データがあるときにはステップS33に移行して、受信したデータに応じた表示処理等のデータ受信処理を行ってから前記ステップS21に戻り、受信データがないときには、ステップS34に移行して、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには前記ステップS30に戻り、所定時間が経過したときにはステップS35に移行して、接続確認処理を行う。この送達確認処理は、接続相手からのビーコンを受信したときに接続確認用の送達確認フレームを送信して、接続確認を行い、次いでステップS36に移行して、接続確認が正常に終了して接続相手が存在するか否かを判定し、接続確認が正常に終了して接続相手が存在する場合には前記ステップS30に移行し、接続確認を行うことができないときには接続相手が存在しないものと判断して前記ステップS22に移行する。
【0037】
この図4及び図5の処理において、図4のステップS1の処理、図5のステップS21〜S28の処理と近距離無線通信インタフェース17,42とが近距離無線通信手段に対応している。
【0038】
したがって、今、個室1内に携帯型情報端末PDAを所持した乗客がいない場合には、アクセスポイント4で一定周期でビーコンを送信しているが、携帯型情報端末PDAから接続要求フレームを受信することがないので、ステップS1からステップS17に移行して、使用状態表示灯3を消灯状態とする。
【0039】
この状態で、インターネットを利用したい乗客がいる場合には、携帯型情報端末PDAを所持して個室1内に入り、その後携帯型情報端末PDAの電源をオン状態とする。
【0040】
このように、個室1内で携帯型情報端末PDAの電源がオン状態となると、図5の制御処理が実行開始されることにより、先ず、ステップS21で登録されたアクセスポイント4が存在し、図1の実施形態ではアクセスポイント4が1つであるので、直接ステップS28に移行して、アクセスポイント4に対して接続要求フレームを送信し、アクセスポイント4からの確認フレームを受信すると、ステップS29からステップS30に移行し、WWWブラウザソフトを起動して、接続要求データが生成されることにより、送信データが有るか否かを判定し、送信データがないときには、ステップS32に移行し、アクセスポイント4から受信データがあるか否かを判定し、受信データがないので、ステップS34に移行して、所定時間が経過していないので、前記ステップS30に戻る。
【0041】
この間に、WWWブラウザソフトによって液晶ディスプレイ36に表示された表示画面に基づいてURLを入力するか、検索処理を行うことにより、インターネットにアクセスするための接続要求データが生成されると、ステップS30からステップS31に移行し、この接続要求データがアクセスポイント4に小規模無線ネットワークを介して送信される。
【0042】
この接続要求データをアクセスポイント4で受信すると、インターネットに接続するためにダイヤルアップIP接続を行ってから接続要求データを送信し、該当するWWWサーバーからHTMLソースを受信すると、このHTMLソースを携帯型情報端末PDAに送信する。このため、携帯型情報端末PDAではHTMLソースを解析することにより、所望とするホームページを液晶ディスプレイ36に表示する。その後、乗客が表示されたホームページに基づいてタッチパネル38を操作するか入力キーによってカーソルを移動させて選択することによりリンク先等を指示すると、この指示情報がアクセスポイント4を介してWWWサーバーに送信され、該当するリンク先等の表示データをアクセスポイント4で受信すると、これが携帯型情報端末PDAに転送されて液晶ディスプレイ36に表示される。
【0043】
この状態で、他のホームページを参照するために、新たなURLを入力すると、接続要求データがアクセスポイント4に送信されて、新たなWWWサーバーのホームページに接続される。
【0044】
その後、乗客がWWWブラウザソフトを終了することにより、インターネットのアクセスを終了すると、この終了データがアクセスポイント4に送信されて、このアクセスポイント4で所定のネットワークとの接続を切断する(ステップS16)。
【0045】
この状態で、携帯型情報端末PDAの電源をオフとするか、携帯型情報端末PDAの電源をオン状態としたまま個室1から退室すると、アクセスポイント4との交信が遮断されることにより、アクセスポイント4で携帯型情報端末PDAを認識することができなくなり,ステップS1からステップS18に移行して、使用状態表示灯を消灯する(ステップS18)。
【0046】
また、個室1に入って、携帯型情報端末PDAとアクセスポイント4との間で小規模無線ネットワークが形成されている状態で、乗客が携帯型情報端末PDAを操作せず、接続要求データが生成されない状態を継続した場合には、所定時間が経過するまでの間はステップS30、ステップS32を経てステップS34に移行し、このステップS34からステップS30に戻って、操作待ち状態となるが、所定時間が経過すると、ステップS34からステップS35に移行する。このため、乗客が携帯型情報端末PDAを所持したまま個室1外に退出した場合には、接続確認が行われない状態となるので、ステップS36からステップS22に移行して、所定時間の間接続確認を継続し、所定時間が経過したときには接続相手がいないものと判断して、その旨を液晶ディスプレイ36に表示してからステップS24に移行して、スタンバイモードに設定して、所定時間毎にメッセージを聞くだけの省電力モードに移行する。
【0047】
このように、上記実施形態によると、グリーン車やファーストクラスの乗客には、携帯型情報端末PDAを使用したインターネットの接続サービスを受けることができるが、他の乗客については、たとえ個人所有の携帯型情報端末を所持していても、MACアドレスが登録されていないので、インターネット接続サービスを受けることができず、グリーン車やファーストクラスの乗客に付加価値の高いサービスを提供することができる。しかも、アクセスポイント4と携帯型情報端末PDAとの間を交信範囲が限定された近距離無線通信インタフェースを介して小規模無線ネットワークを形成することにより交信するようにしたので、特定エリアでのみサービスを受けることができ、特に個室1にアクセスポイント4を設定すると、特定範囲外でのアクセスポイント4へのアクセスを防止することができる。
【0048】
なお、上記実施形態においては、グリーン車やファーストクラスに個室1を設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、グリーン車やファーストクラスそのものを特定エリアとして設定するようにしてもよく、この場合にはアクセスポイント4を複数設置するようにすればよく、この場合には携帯型情報端末PDAの図5の制御処理におけるステップS26で複数の通信相手を表示するので、これらの何れかを選択することにより、選択したアクセスポイント4と交信することができる。
【0049】
また、上記実施形態においては、付加価値の高いサービスエリアとして、鉄道車両のグリーン車や飛行機のファーストクラスを設定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ホテルのスイートルーム、VIPルーム等や有料トイレ、有料電話ボックス等に本発明を適用することができる。
【0050】
さらに、上記実施形態においては、提供するサービスがインターネット接続である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アクセスポイント4をデータベースに接続して、データベースに格納された読書データ、音楽データ、到着地の観光案内データ等にアクセスできるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば個室内に配設されたアクセスポイントと、これに対してアクセス可能な携帯型情報端末とを交信範囲が個室内に制限された近距離無線通信手段で接続するので、携帯型情報端末では個室内でのみアクセスポイントとの交信が可能であり、個室内でのみアクセスポイントを利用したデータ伝送サービスを受けることができるという効果が得られる。
また、個室の外側に使用状態表示手段が設けられているので、この使用状態表示手段が、アクセスポイントが携帯型情報端末と交信中であるとき即ち携帯型情報端末を所持したユーザーが特定エリア内に存在するときには使用状態表示手段で使用中であることを表示し、携帯型情報端末との交信が終了したときには使用可能状態を表示して、特定エリア内での使用状態を確実に報知することができるという効果が得られる。
【0052】
また、請求項2に係る発明によれば、携帯型情報端末からアクセスポイントを介してインターネットへのアクセスが可能であるので、特定エリア内でインターネット接続サービスを提供することができるという効果が得られる。
【0054】
さらにまた、請求項3に係る発明によれば、個室が例えば鉄道車両のグリーン車や飛行機のファーストクラス等における付加価値の高いサービスエリア内に設けられているので、他の付加価値の低いサービスエリアに対して付加価値の高い情報提供サービスを提供することができるという効果が得られる。
【0055】
なおさらに、請求項4に係る発明によれば、個室が入出用ドアを有することにより、個室外からの近距離無線通信手段を介するアクセスポイントへのアクセスを確実に遮断することができ、個室内でのみアクセスポイントへのアクセスが可能となるという効果が得られる。
【0056】
また、請求項5に係る発明によれば、アクセスポイント及び携帯型情報端末間でアクセスポイントがマスタとなり、携帯型情報端末がスレーブとなる小規模無線ネットワークを構築するので、接続制御等をアクセスポイントが行うので、設定された携帯型情報端末以外のアクセスを制限することができると共に、携帯型情報端末側での負担を少なくして省電力化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の実施形態におけるデジタル機器の具体例を示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態における携帯型情報端末の具体例を示す示すブロック図である。
【図4】図2に示すデジタル機器における制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図3に示す携帯型情報端末における制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 個室
2 開閉ドア
3 使用状態表示灯
4 アクセスポイント
17 近距離無線通信インタフェース
PDA 携帯型情報端末
34 入力キー
36 液晶ディスプレイ
40 近距離無線通信インタフェース
Claims (5)
- 個室内に配設されたアクセスポイントと、該アクセスポイントに対してアクセスする携帯型情報端末と、前記アクセスポイントと前記携帯型情報端末とを接続する交信範囲が前記個室内に制限された近距離無線通信手段と、前記個室の外側に設けられた使用状態表示手段とを備え、前記携帯型情報端末は前記個室内で前記アクセスポイントに対して交信可能状態となったときに両者間でデータ伝送を行うよう構成され、前記前記アクセスポイントは前記携帯型情報端末との交信終了している状態であるときに、前記使用状態表示手段を使用可能状態の表示を行うように制御することを特徴とする特定エリアデータ伝送装置。
- 前記アクセスポイントはインターネットに接続可能に構成され、前記携帯型情報端末から前記近距離無線通信手段を介してインターネットへのアクセスが可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の特定エリアデータ伝送装置。
- 前記個室は、鉄道車両のグリーン車、飛行機のファーストクラス、ホテルのスイートルーム、VIPルーム、有料トイレ及び有料電話ボックスの何れかでなるサービスエリア内に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の特定エリアデータ伝送装置。
- 前記個室は、入出用ドアを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の特定エリアデータ伝送装置。
- 前記近距離無線通信手段は、前記アクセスポイント及び前記携帯型情報端末に設けた交信範囲が限定された近距離無線通信インタフェースを備えており、前記アクセスポイント及び前記携帯型情報端末間で、前記アクセスポイントをマスタとし、前記携帯型情報端末をスレーブとする小規模無線ネットワークを構築可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の特定エリアデータ伝送装置。
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