JP3972198B2 - セル情報設定方法、無線アクセスネットワークおよび無線制御装置 - Google Patents
セル情報設定方法、無線アクセスネットワークおよび無線制御装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線アクセスネットワークに関し、特に、無線アクセスネットワークへの情報の設定に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話の世界標準として3GPP(3rd Generation Partnership Project)がW−CDMA通信システムの規格を定めている。そして、W−CDMA通信システムの構成および機能が様々に規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図4は、3GPPで定められたW−CDMA通信システムの構成を示す図である。
【0004】
W−CDMA通信システムは、回線交換またはパケット交換を行うコアネットワーク(CN)93に無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)91が接続された構成である。
【0005】
RAN91は、少なくとも1つ(図4では2つ)の無線制御装置(RNC:Radio Network Contoroller)94,95、少なくとも1つ(図4では4つ)の無線基地局(NodeB)96〜99を有している。
【0006】
RNC94,95はIuインタフェースでCN93に接続されている。また、RNC94,95同士は互いにIurインタフェースで相互接続されている。また、NodeB96〜99は、IubインタフェースでいずれかのRNCに接続されている。
【0007】
NodeB96〜99は、少なくとも1つのセル910をカバーしており、無線インタフェースを介して移動機(UE:User Equipment)92と接続される。そして、NodeB96〜99は無線インタフェースを終端し、ユーザデータをRNCに伝達する。
【0008】
RNC94,95は、いずれかのNodeBを介して、シグナリング制御の制御信号をUE92と送受信し、呼の設定や解除を行う。また、RNC94,95は、配下のnodeBを制御してUE92とユーザデータを送受信する。
【0009】
図4に示された3GPPのW−CDMA通信システムでは、RNC94、95が、制御信号を処理するコントロールプレーン(C−plane)の機能と、ユーザデータを処理するユーザプレーンの機能(U−plance)の両方を有している。そのため、U−planeの処理能力を拡張する必要があるとき、C−planeの処理能力を拡張する必要がなくとも、新たにRNCを増設する必要があり、システムコストが増大する場合があった。
【0010】
これに対して、C−PlaneとU−planeの処理能力を適切に設定し、システム要求に最適な構成を提供するために、C−planeの処理と、U−planeの処理を互いに別の装置に分離し、システム構成の自由度を上げた無線アクセスネットワークが考えられている。このシステムによれば、必要に応じてC−plane処理装置またはU−plane処理装置を増設することにより、要求に最適な構成で対応することができ、システムコストが低減される。
【0011】
【非特許文献1】
Mobile Wireless Internet Forum,OpenRAN Architecture in 3rd Generation Mobile Systems Technical Report MTR−007 Release v1.0.0(12 June 2001)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
RNCをコントロールプレーン(C−plane)を処理する装置(以下、C−plane処理装置と称す)とユーザプレーン(U−plane)を処理する装置(U−plane処理装置)とに分離する場合には、それまで1つのRNCで保持しておけば良かった情報の中に、C−plane処理装置とU−plane処理装置の双方に共通に設定され、保持されるべきセル情報がある。セル情報は、セルを識別するために各セル毎に設定される情報を含む。セル情報には、例えば、Cell IDや、Local Cell IDなどセル毎に設定される情報や、Mobile Country Code(MCC)、Mobile Network Code(MNC)、Location Area Code(LAC)などがある。
【0013】
そして、セルを新設あるいは増設する場合、これらのセル情報をC−plane処理装置とU−plane処理装置の双方に設定する必要があり、作業が煩雑であった。また、C−plane処理装置に設定した情報とU−plane処理装置に設定した情報とが不一致となる可能性があり、その場合、システムは正常に動作しない。また、その不一致を発見するのに多大な労力が費やされることも考えられる。
【0014】
本発明の目的は、3GPPに規定された無線制御装置をC−plane処理装置およびU−plane処理装置に分離した場合に、セルの増設や新設に伴って追加修正されるセル情報を容易かつ確実に設定することのできる無線アクセスネットワークを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のセル情報設定方法は、少なくとも1つの無線基地局を収容する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行うコントロールプレーン処理装置と、コントロールプレーン処理装置の配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つのユーザプレーン処理装置とに物理的に分割された無線アクセスネットワークにおいてセル情報を設定するためのセル情報設定方法であって、
配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め前記コントロールプレーン処理装置において保持する第1のステップと、
前記ユーザプレーン処理装置から前記コントロールプレーン処理装置にセル情報を要求する第2のステップと、
前記コントロールプレーン処理装置から、セル情報を要求した前記ユーザプレーン処理装置に、該コントロールプレーン処理装置と該ユーザプレーン処理装置で共有すべきセル情報を通知する第3のステップとを有している。
【0016】
したがって、本発明によれば、コントロールプレーン処理装置と少なくとも1つのユーザプレーン処理装置とに物理的に分離されたことにより、それら双方に共通に設定されることが必要となったセル情報を、ユーザプレーン処理装置からの要求により、コントロールプレーン処理装置からそのユーザプレーン処理装置に転送する。
【0017】
また、前記第2のステップにおいて、前記ユーザプレーン処理装置は起動処理が完了したときにセル情報を要求することとしてもよい。
【0018】
したがって、ユーザプレーン処理装置の起動時にコントロール処理装置からユーザプレーン処理装置にセル情報を通知する。
【0019】
本発明の他のセル情報設定方法は、少なくとも1つの無線基地局を収容する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行うコントロールプレーン処理装置と、前記コントロールプレーン処理装置の配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つのユーザプレーン処理装置とに物理的に分割された無線アクセスネットワークにおいてセル情報を設定するためのセル情報設定方法であって、
配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め前記コントロールプレーン処理装置において保持する第1のステップと、
前記コントロールプレーン処理装置において、セル情報を通知すべきユーザプレーン処理装置を決定する第2のステップと、
前記コントロールプレーン処理装置からセル情報を通知すべき前記ユーザプレーン処理装置に、該コントロールプレーン処理装置と該ユーザプレーン処理装置で共有すべきセル情報を通知する第3のステップとを有している。
【0020】
したがって、セル情報を更新する場合に、コントロール処理装置から各ユーザプレーン処理装置のセル情報を更新できるので、各ユーザプレーン処理装置にセル情報を個別に設定しにいく必要がない。
【0021】
また、前記セル情報は、前記無線基地局にカバーされる各セル毎に設定される情報を含んでもよい。
【0022】
さらに、前記第3のステップにて通知された前記セル情報は、前記ユーザプレーン処理装置に前記各セル毎に展開されるものであってもよい。
【0023】
本発明の無線アクセスネットワークは、無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークであって、前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、いずれかの前記ユーザプレーン処理装置からセル情報を要求されると、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有している。
【0024】
また、前記ユーザプレーン処理装置は起動処理が完了したときにセル情報を要求することとしてもよい。
【0025】
本発明の無線アクセスネットワークは、無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークであって、前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、セル情報を通知すべきユーザプレーン処理装置を決定し、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有している。
【0026】
また、前記セル情報は、前記無線基地局にカバーされる各セル毎に設定される情報であってもよい。
【0027】
さらに、前記ユーザプレーン処理装置は、前記コントロールプレーン処理装置から通知された前記セル情報を前記各セル毎に展開することとしてもよい。
【0028】
本発明の無線制御装置は、コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離され、無線基地局を制御する無線制御装置であって、
前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、いずれかの前記ユーザプレーン処理装置からセル情報を要求されると、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有している。
【0029】
また、前記ユーザプレーン処理装置は起動処理が完了したときにセル情報を要求することとしてもよい。
【0030】
本発明の他の無線制御装置は、コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離され、無線基地局を制御する無線制御装置であって、
前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、セル情報を通知すべきユーザプレーン処理装置を決定し、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有している。
【0031】
また、前記セル情報は、前記無線基地局にカバーされる各セル毎に設定される情報を含んでもよい。
【0032】
また、前記ユーザプレーン処理装置は、前記コントロールプレーン処理装置から通知された前記セル情報を前記各セル毎に展開することとしてもよい。
【0033】
本発明のコントロールプレーン処理装置は、無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、その配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークにあり、コントロールプレーンの処理を分担するコントロールプレーン処理装置において、
自身の配下にあり、ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、前記ユーザプレーンの処理を分担する装置からセル情報を要求されると、該ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を通知することを特徴としている。
【0034】
本発明の他のコントロールプレーン処理装置は、無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、その配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークにあり、コントロールプレーンの処理を分担するコントロールプレーン処理装置において、
自身の配下にあり、ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、セル情報を通知すべき、前記ユーザプレーンの処理を分担する装置を決定し、該ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を通知することを特徴としている。
【0035】
本発明のユーザプレーン処理装置は、無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、その配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークにあり、ユーザプレーンの処理を分担するユーザプレーン処理装置において、
前記コントロールプレーンの処理を分担する装置からセル情報を取得することを特徴としている。
【0036】
また、起動処理が完了したときにセル情報を要求することとしてもよい。さらに、前記コントロールプレーンの処理を分担する装置から通知された前記セル情報を前記各セル毎に展開することとしてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図1は、本実施形態のRAN(無線アクセスネットワーク)の構成を示す図である。図1を参照すると、本実施形態のRANは、C−plane処理装置11、U−plane処理装置121〜12NおよびNodeB(無線基地局)131〜13Mを有している。ここで、N,Mは自然数である。
【0039】
C−plane処理装置11およびU−plane処理装置121〜12Nはルータ14を介して相互接続されており、さらにCN(コアネットワーク)15に接続されている。
【0040】
ここではC−plane処理装置11を1つだけ示したが、複数のC−plane処理装置11がCN15に接続されてもよい。各U−plane処理装置には少なくとも1つのNodeBが接続されている。
【0041】
本実施形態では、3GPPで規定されたRNC(Radio NetworkContoroller)がC−plane処理装置11とU−plane処理装置121〜12Nに分離されている。
【0042】
C−plane処理装置11は、3GPPで規定されたRNCにおけるC−planeの処理を行う。具体的には、C−plane処理装置11は、シグナリング制御の制御信号を移動機(不図示)と送受信し、呼の設定や解除を行う。
【0043】
U−plane処理装置121〜12Nは、3GPPで規定されたRNCにおけるU−planeの処理を行う。
【0044】
具体的には、U−plane処理装置121〜12Nは、配下のnodeBを制御して移動機(不図示)とユーザデータを送受信する。また、U−plane処理装置121〜12Nは、NBAP(NodeB Application Part)を実装している。また、U−plane処理装置121〜12Nは、ページングを行う際に、ページング信号を送るNodeBを決定する。
【0045】
NBAPの処理をするため、あるいはページング信号を送るNodeBを決定するために、U−plane処理装置121〜12Nは、各種のセル情報を保持する必要がある。U−plane処理装置121〜12Nが保持する必要のあるセル情報は、Cell ID、Local Cell IDなどセル毎に設定されるものの他、Mobile Country Code(MCC)やMobileNetwork Code(MNC)、Location Area Code(LAC)を含む。これらのセル情報はC−plane処理装置11にも保持される必要がある。
【0046】
したがって、C−plane処理装置11は、配下の全てのU−plane処理装置121〜12Nと共有すべきセル情報を全て保持する必要がある。そして、C−plane処理装置11は、配下のU−plane処理装置121〜12Nが起動すると、起動したU−plane処理装置12に必要なセル情報を送信する。Uplane処理装置121〜12Nは、起動時に、C−plane処理装置11からセル情報を取得し、それ以降、そのセル情報を用いて動作する。
【0047】
NodeB131〜13Mは、少なくとも1つのセルをカバーしており、無線インタフェースを介して移動機と接続される。そして、NodeB131〜13Mは無線インタフェースを終端し、ユーザデータをU−plane処理装置に伝達する。
【0048】
ルータ14は、C−plane処理装置11、U−plane処理装置121〜12N、CN15を相互に接続し、ユーザデータや制御信号をルーチングする。
【0049】
CN15は、回線交換またはパケット交換を行うネットワークである。
【0050】
図2は、本実施形態によるRANにおいてU−plane処理装置が起動するときの動作を示すシーケンス図である。図2を参照すると、U−plane処理装置12が装置単体の起動を完了すると(ステップ101)、起動完了通知をC−plane処理装置11に送る(ステップ102)。起動完了通知を受信すると、C−plane処理装置11は、そのU−plane処理装置12に必要なセル情報を送信する(ステップ103)。
【0051】
セル情報を受信すると、U−plane処理装置12は、C−plane処理装置11に応答を返す(ステップ104)。そして、U−plane処理装置12は、C−plane処理装置11から受信したセル情報を自身内部のメモリテーブルに展開する(ステップ105)。メモリテーブルは、例えば不揮発性メモリ上に構成されている。
【0052】
図3は、セル情報が展開されたメモリテーブルの様子を示す表である。図3(a)を参照すると、C−plane処理装置11から受信したセル情報が展開される以前、メモリテーブルにセル#1とセル#2の分のセル情報が設定されていた。ここで、C−plane処理装置11から受信したセル情報が展開されると、図3(b)に示しように、セル#3のセル情報が追加され、セル#2のLACがE′からEに変更されている。これで、U−plane処理装置12は、自身の配下に存在すべき、NodeBおよびセルの情報を正しく把握し、NBAPの処理やページング先セルの決定を行うことが可能な状態となる。ただし、この状態では、まだ、NodeB13が起動していないので、RANとしては呼処理が可能な状態ではない。
【0053】
それ以降に、配下のNodeB13が起動すると(ステップ106)、Uplane処理装置12はセル情報を参照し、そのNodeB13とレイヤ2リンクを確立する(ステップ107)。
【0054】
そして、NodeB13、U−plane処理装置12、C−plane処理装置11において、セル構成が確立され(ステップ108)、共通チャネルのリンクが確立され(ステップ109)、報知情報が設定されて(ステップ110)、RAN全体として呼処理可能な状態となる(ステップ111)。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、3GPPに規定されたRNCがC−plane処理装置11と複数のU−plane処理装置121〜12Nとに物理的に分離されたことにより、C−plane処理装置11とU−plane処理装置12の双方に共通に設定されることが必要となったセル情報を、予めC−plane処理装置11で全て保持しており、U−plane処理装置121〜12Nの起動時に、C−plane処理装置11からU−plane処理装置121〜12Nに通知するので、セルの新設や増設に伴って各U−plane処理装置121〜12Nに個別にセル情報を設定する必要がなく、またC−plane処理装置11とU−plane処理装置121〜12Nとで設定が不一致となることがなく、セル情報を容易かつ確実に設定することができる。これにより、無線アクセスネットワークの立ち上げ時や、無線基地局やセルの増設、ネットワーク構成の変更、セル情報の変更など、セル情報に変更の生じる作業を行う場合に、C−plane処理装置11に比べて装置数の多いU−plane処理装置121〜12Nに個々にセル情報を設定する必要がなくなり、作業の効率化が図れ、短時間で確実に作業を完了させることができる。また、U−plane処理装置121〜12Nは起動時に、個別に必要なセル情報をC−plane処理装置11から取得するので、初期設置において、起動に必要な最低限の情報が設定されていればよく、製造時あるいは設置前に個別の設定を行う必要がなく、作業が効率化される。
【0056】
なお、呼処理可能な状態では、U−plane処理装置12は、C−plane処理装置11からページング送信要求を受けると、ページング送信要求に含まれるLAI(Location Area Identity)を基に、図3に示したメモリテーブルを参照し、ページングを送信するNodeBおよびセルを決定する。その際、図3のメモリテーブルでは、MCC、MNCおよびLACによってLAIが示されているので、U−plane処理装置12はLAIが一致したセルにページングを送ることを決定する。LAIは、ページングを行う範囲、すなわち一斉にページングが行われるエリアの識別情報である。
【0057】
また、本実施形態では、U−plane処理装置12から起動完了の通知を受けると、C−plane処理装置11がセル情報をU−plane処理装置12に通知することとしたが、起動完了と関係なく、U−plane処理装置12が必要に応じてC−plane処理装置11にセル情報を要求することとしてもよい。
【0058】
したがって、U−plane処理装置12は必要なときに、C−plane処理装置11から情報を取得できるので、いちいちU−plane処理装置12に情報を設定し直さなくとも適切な情報が設定された状態が確保される。
【0059】
また、本実施形態のRANでは、U−plane処理装置12が起動したことを条件に、C−plane処理装置11からセル情報を通知することとしたが、U−plane処理装置12の起動の有無に関わらず、C−plane処理装置11が主体的に判断してセル情報を通知できることとしてもよい。また、それを複数あるいは全てのU−plane処理装置121〜12Nに対して同時に行えるとしてもよく、また個々に行えることとしてもよい。
【0060】
したがって、例えばオペレータの要求などにより、セル情報を更新する場合に、各U−plane処理装置121〜12Nにセル情報を個別に設定しにいく必要がないので、容易にセル情報を更新することができる。
【0061】
また、本実施形態では、U−plane処理装置12が起動したときに、C−plane処理装置11から必ずセル情報を通知することとしたが、本発明はそれに限定されない。セル情報がU−plane処理装置12上の不揮発なメモリに展開されていれば、起動時に必ずしもセル情報を取得する必要がない。その場合、U−plane処理装置12が起動要因により、セル情報をC−plane処理装置11に要求するか否かを選択してもよい。例えば、セル情報がメモリテーブル上に存在しない状態で起動すると、セル情報をC−plane処理装置11に要求する。また、セル情報がメモリテーブル上に存在する状態で起動すると、セル情報をC−plane処理装置11に要求しない。また、セル情報がメモリテーブル上に存在しても、重大な障害により再起動した場合には、セル情報をC−plane処理装置11に要求する。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、コントロールプレーン処理装置と少なくとも1つのユーザプレーン処理装置とに物理的に分離されたことにより、それら双方に共通に設定されることが必要となったセル情報を、ユーザプレーン処理装置からの要求により、コントロールプレーン処理装置からそのユーザプレーン処理装置に転送するので、各ユーザプレーン処理装置に個別にセル情報を設定する必要がなく、またコントロールプレーン処理装置とユーザプレーン処理装置とで設定が不一致となることがなく、セルの増設や新設など無線アクセスネットワークの構成を変更などする際などにセル情報を容易かつ確実に設定することができる。
【0063】
また、ユーザプレーン処理装置の起動時にコントロール処理装置からユーザプレーン処理装置にセル情報を通知するので、ユーザプレーン処理装置は起動後、適切なセル情報を用いて動作することができる。
【0064】
また、セル情報を更新する場合に、、コントロール処理装置から各ユーザプレーン処理装置の情報を更新できるので、各ユーザプレーン処理装置にセル情報を個別に設定しにいく必要がなく、無線アクセスネットワークのセル情報を容易に更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の無線アクセスネットワークの構成を示す図である。
【図2】本実施形態によるRANにおいてU−plane処理装置が起動するときの動作を示すシーケンス図である。
【図3】セル情報が展開されたメモリテーブルの様子を示す表である。
【図4】3GPPで定められたW−CDMA通信システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
11 C−plane処理装置
121〜12N U−plane処理装置
131〜13M NodeB(無線基地局)
14 ルータ
15 CN(コアネットワーク)
101〜111 ステップ
Claims (20)
- 少なくとも1つの無線基地局を収容する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行うコントロールプレーン処理装置と、前記コントロールプレーン処理装置の配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つのユーザプレーン処理装置とに物理的に分割された無線アクセスネットワークにおいてセル情報を設定するためのセル情報設定方法であって、
配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め前記コントロールプレーン処理装置において保持する第1のステップと、
前記ユーザプレーン処理装置から前記コントロールプレーン処理装置にセル情報を要求する第2のステップと、
前記コントロールプレーン処理装置から、セル情報を要求した前記ユーザプレーン処理装置に、該コントロールプレーン処理装置と該ユーザプレーン処理装置で共有すべきセル情報を通知する第3のステップとを有する情報設定方法。 - 前記第2のステップにおいて、前記ユーザプレーン処理装置は起動処理が完了したときにセル情報を要求する、請求項1記載の情報設定方法。
- 少なくとも1つの無線基地局を収容する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行うコントロールプレーン処理装置と、前記コントロールプレーン処理装置の配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つのユーザプレーン処理装置とに物理的に分割された無線アクセスネットワークにおいてセル情報を設定するためのセル情報設定方法であって、
配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め前記コントロールプレーン処理装置において保持する第1のステップと、
前記コントロールプレーン処理装置において、セル情報を通知すべきユーザプレーン処理装置を決定する第2のステップと、
前記コントロールプレーン処理装置からセル情報を通知すべき前記ユーザプレーン処理装置に、該コントロールプレーン処理装置と該ユーザプレーン処理装置で共有すべきセル情報を通知する第3のステップとを有する情報設定方法。 - 前記セル情報は、前記無線基地局にカバーされる各セル毎に設定される情報を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報設定情報。
- 前記第3のステップにて通知された前記セル情報は、前記ユーザプレーン処理装置に前記各セル毎に展開される、請求項4記載の情報設定方法。
- 無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークであって、
前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、いずれかの前記ユーザプレーン処理装置からセル情報を要求されると、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有する無線アクセスネットワーク。 - 前記ユーザプレーン処理装置は起動処理が完了したときにセル情報を要求する、請求項6記載の無線アクセスネットワーク。
- 無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークであって、
前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、セル情報を通知すべきユーザプレーン処理装置を決定し、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有する無線アクセスネットワーク。 - 前記セル情報は、前記無線基地局にカバーされる各セル毎に設定される情報である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワーク。
- 前記ユーザプレーン処理装置は、前記コントロールプレーン処理装置から通知された前記セル情報を前記各セル毎に展開する、請求項9記載の無線アクセスネットワーク。
- コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離され、無線基地局を制御する無線制御装置であって、
前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、いずれかの前記ユーザプレーン処理装置からセル情報を要求されると、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有する無線制御装置。 - 前記ユーザプレーン処理装置は起動処理が完了したときにセル情報を要求する、請求項11記載の無線制御装置。
- コントロールプレーンの処理を行う装置と、ユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離され、無線基地局を制御する無線制御装置であって、
前記コントロールプレーンの処理を行う装置の配下で前記ユーザプレーンの処理を分担する少なくとも1つのユーザプレーン処理装置と、
前記コントロールプレーンの処理を分担し、配下の前記各ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、セル情報を通知すべきユーザプレーン処理装置を決定し、該ユーザプレーン処理装置と共有すべきセル情報を該ユーザプレーン処理装置に通知するコントロールプレーン処理装置とを有する無線制御装置。 - 前記セル情報は、前記無線基地局にカバーされる各セル毎に設定される情報を含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の無線制御装置。
- 前記ユーザプレーン処理装置は、前記コントロールプレーン処理装置から通知された前記セル情報を前記各セル毎に展開する、請求項14記載の無線制御装置。
- 無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、その配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークにあり、コントロールプレーンの処理を分担するコントロールプレーン処理装置において、
自身の配下にあり、ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、前記ユーザプレーンの処理を分担する装置からセル情報を要求されると、該ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を通知することを特徴とするコントロールプレーン処理装置。 - 無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、その配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークにあり、コントロールプレーンの処理を分担するコントロールプレーン処理装置において、
自身の配下にあり、ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を予め保持しており、セル情報を通知すべき、前記ユーザプレーンの処理を分担する装置を決定し、該ユーザプレーンの処理を分担する装置と共有すべきセル情報を通知することを特徴とするコントロールプレーン処理装置。 - 無線基地局を制御する無線制御装置が、コントロールプレーンの処理を行う装置と、その配下でユーザプレーンの処理を行う少なくとも1つの装置とに物理的に分離された無線アクセスネットワークにあり、ユーザプレーンの処理を分担するユーザプレーン処理装置において、
前記コントロールプレーンの処理を分担する装置からセル情報を取得することを特徴とするユーザプレーン処理装置。 - 起動処理が完了したときにセル情報を要求する、請求項18記載のユーザプレーン処理装置。
- 前記コントロールプレーンの処理を分担する装置から通知された前記セル情報を前記各セル毎に展開する、請求項19記載のユーザプレーン処理装置。
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