JP3970969B2 - 放射線検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線検出器に関するものであり、より詳しくは、外部の電源を不要とし得るようにした放射線検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所や各種研究開発機関などのような放射線を取り扱う施設では、γ線などの放射線を検出できるようにする必要がある。
【0003】
このような、放射線を取り扱う施設における需要に対し、現在、各種の放射線検出器が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在開発されている各種の放射線検出器は、どれも高圧電源などの大型の外部電源を必要とするという問題があり、装置の大型化やコスト増を避けることができず、簡便、且つ、安価な装置構成とすることができなかった。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑み、外部の電源を不要とし得るようにした簡便な放射線検出器を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、太陽電池1の光入射面をヨウ化セシウムの波長シフト部材2へ向けて、波長シフト部材2の全体を覆うように太陽電池1を取付けて成る放射線検出器本体3を備え、
前記太陽電池1を貫通した放射線10は、波長シフト部材2で波長をシフトされて可視光となり、該可視光は、太陽電池1の光入射面で受光され、
前記放射線検出器本体3は、自己発電を行うように構成されたことを特徴とする放射線検出器にかかるものである。
【0007】
【0008】
【0009】
更に、太陽電池1の光入射面に波長シフト部材2を取付けて成る放射線検出器本体3を多層化して相互に接続するようにしても良い。
【0010】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0011】
太陽電池1の光入射面に波長シフト部材2を取付けることにより、波長シフト部材2を透過するγ線などの放射線10は、波長シフト部材2で可視光の領域にまでシフトされて太陽電池1へ到達され、太陽電池1が可視光によって起電されることとなる。
【0012】
波長シフト部材2としては、ヨウ化セシウムが最適である。ヨウ化セシウムは、耐熱性があるため、崩壊熱を発生している放射線10に対して有効である。
【0013】
そして、電流計又は電圧計などを用いて太陽電池1が起電した電流値又は電圧値を見ることにより、γ線などの放射線10の有無や、放射線10の強弱を簡単に検知又は測定することができるようになる。
【0014】
このように、本発明によれば、太陽電池1の光入射面に波長シフト部材2を取付けるという簡単且つ安価な構成で、γ線などの放射線10を検出させることができ、しかも、放射線検出器本体3は自己発電を行うので、従来の検出器に必要とされていた外部の電源を不要化することができる。又、太陽電池1の光入射面を波長シフト部材2へ向けて、波長シフト部材2の全体を覆うように太陽電池1を取付けたので、波長シフト部材2の片面にのみ太陽電池1を取付けた場合に比べて高い電流値を発生することができる。
【0015】
又、放射線検出器本体3を、多層化して、直列又は並列に接続することにより、より大きな起電力を得ることができるので、検出感度及び検出精度を上げることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0017】
図1〜図3は、本発明の実施の形態の一例である。
【0018】
本発明では、単結晶シリコン太陽電池などの太陽電池1の光入射面に波長シフト部材2を取付けて放射線検出器本体3を形成し、放射線検出器本体3の太陽電池1から延びる電流取出用ケーブル端子4,5に電流計や電圧計などの放射線測定部6を接続する。
【0019】
波長シフト部材2としては、ヨウ化セシウムを用いる。
【0020】
又、太陽電池1は、一般に、片面が光入射面となっているので、光入射面を波長シフト部材2へ向けて、波長シフト部材2全体を覆うようにして太陽電池1を取付けるようにする。
【0021】
具体的には、太陽電池1の光入射面に対して、波長シフト部材2を接着する(或いは、波長シフト部材2に対して太陽電池1を貼り付けるようにしても良い)とか、太陽電池1を枠状に組合せて、枠の内部に波長シフト部材2を収容するなどする。
【0022】
尚、図中、7は放射線源8が置かれたセル、9はセル7内に設けられたマニプレータ、10は放射線源8から放射されるγ線などの放射線である。
【0023】
次に、作動について説明する。
【0024】
太陽電池1を放射線環境下に置いてみたところ、γ線などの放射線10下でも太陽電池1が機能を維持し、且つ、γ線などの放射線10によって僅かに起電することが確認された。
【0025】
そこで、太陽電池1を、γ線などの放射線10の検出に利用する可能性が検討されることとなり、結果として、γ線などの放射線10を可視光の領域にまで波長をシフトさせてから太陽電池1へ当てるようにすれば、太陽電池1が最も効率良く起電を行うことがわかった。
【0026】
上記を実現するために、本発明では、太陽電池1の光入射面に波長シフト部材2を取付けるようにし、波長シフト部材2を透過するγ線などの放射線10を波長シフト部材2で可視光の領域にまでシフトさせてから太陽電池1へ到達させるようにする構造を採用した。
【0027】
このように、太陽電池1の光入射面に波長シフト部材2を取付けることにより、波長シフト部材2を透過するγ線などの放射線10は、波長シフト部材2で可視光の領域にまでシフトされて太陽電池1へ到達され、太陽電池1は可視光によって起電されることとなる。
【0028】
ここで、波長シフト部材2の材質が問題となるが、検討の結果、波長シフト部材2としては、ヨウ化セシウムが最適であることがわかった。ヨウ化セシウムは、耐熱性があるため、崩壊熱を発生している放射線10に対して有効である。
【0029】
こうして、製作された放射線検出器本体3を、図2に示すように、放射線源8が置かれたセル7内に設けられたマニプレータ9に把持させて動かしてみたところ、図3に示すように、放射線検出器本体3を放射線源8に近付けた時に、検出に利用できる程度の大きさの電流が発生されるのが確認された。この時起電した電力はおよそ10−9W程度であった。
【0030】
又、マニプレータ9によって放射線検出器本体3の角度を変えてみた所、角度によっては電流の大きさは変化されないことが確認された。
【0031】
更に、放射線検出器本体3を放射線源8から離した所、γ線などの放射線10の減衰特性(距離の2乗に反比例して弱くなる)に対応して電流値が減衰されるのが確認された。
【0032】
更に又、太陽電池1は、一般に、片面が光入射面となっているので、光入射面を波長シフト部材2へ向けて、波長シフト部材2の両面を挟むように太陽電池1を取付けたところ、波長シフト部材2の片面にのみ太陽電池1を取付けた場合に比べて高い電流値が発生された。これは、γ線などの放射線10は貫通力が高いので、太陽電池1を貫通した放射線10が波長シフト部材2で波長をシフトされて可視光となり、該可視光が太陽電池1の光入射面で受光されるという作用が、両面の太陽電池1で同時に起こることによるものと考えられる。
【0033】
加えて、波長シフト部材2を、厚くすると波長シフト能力が上がり、薄くすると波長シフト能力が下がる傾向にあるので、波長シフト部材2は、ある程度厚目とした方が、高い電流値を得易くなる。
【0034】
更に加えて、上記放射線検出器本体3は、多層化して、直列又は並列に接続するような使用法が可能であり、このようにすることにより、より大きな起電力を得ることができるようになる。
【0035】
尚、γ線などの放射線10の貫通力などを考慮すると、放射線検出器本体3は、多層化して相互に接続するような使い方をすることが可能である。
【0036】
以上により、電流計や電圧計などの放射線測定部6の表示を見ることにより、γ線などの放射線10の有無や、放射線10の強弱を簡単に検知又は測定することができるようになる。
【0037】
このように、本発明によれば、太陽電池1の起電面に波長シフト部材2を取付けるという簡単且つ安価な構成で、γ線などの放射線10を検出させることができ、しかも、放射線検出器本体3は自己発電を行うので、従来の検出器に必要とされていた外部の電源を不要化することができる。
【0038】
尚、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射線検出器によれば、従来の検出器に必要とされていた外部の電源を不要とすることができる。又、波長シフト部材の片面にのみ太陽電池を取付けた場合に比べて高い電流値を発生することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の概略系統図である。
【図2】 放射線源が置かれたセル内に、本発明にかかる放射線検出器本体を配置した状態を示す図である。
【図3】 本発明にかかる放射線検出器本体が起電を行う様子を示すグラフである。
【符号の説明】
1 太陽電池
2 波長シフト部材
3 放射線検出器本体
Claims (2)
- 太陽電池(1)の光入射面をヨウ化セシウムの波長シフト部材(2)へ向けて、波長シフト部材(2)の全体を覆うように太陽電池(1)を取付けて成る放射線検出器本体(3)を備え、
前記太陽電池(1)を貫通した放射線(10)は、波長シフト部材 ( 2 ) で波長をシフトされて可視光となり、該可視光は、太陽電池(1)の光入射面で受光され、
前記放射線検出器本体(3)は、自己発電を行うように構成されたことを特徴とする放射線検出器。 - 太陽電池(1)の光入射面に波長シフト部材(2)を取付けて成る放射線検出器本体(3)を多層化して相互に接続した請求項1記載の放射線検出器。
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