JP3970438B2 - Atcシステム地上局の送受信装置 - Google Patents

Atcシステム地上局の送受信装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車等の走行車両やリニアモータカー等の移動体に対する交通管制を遠隔地から統轄的に行なうためのATCシステム地上局の送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動列車制御装置(以下、ATCシステムという)地上局を遠隔の管制センター等に設置し、これによって各種車両に配置した移動局と相互に交信し、集中的に車両の安全な運行管制を行なっている。また、最近では、車両の高速化に伴って管制指令の処理手段を一般にコンピュータ化すると共に、各部の多重化やフェールセーフな運行管制によって確実に安全を保証している。
【0003】
図5は、一従来例によるATCシステム地上局の構成図である。
図5に示すATCシステム地上局は、複数区間からなる複数系統の路線を備えた鉄道網において、主系および副系からなる全区間の電子連動装置210M,210Sを備え、それぞれの電子連動装置210M,210Sに構内回線を介して結線させた、主系および副系のインターフェース装置(以下、省略してIF装置という)220M,220Sと、各系統の路線に対する送受信装置SRB1,SRB2,SRB3,…(図にはSRB1を示す)とを付設してある。
【0004】
それぞれの送受信装置(例えばSRB1)には、マイクロコンピュータ化した伝送回路群230M,230Sを設け、それぞれを各区間毎に主系230M,…および副系230S,…から構成してある。そして、それぞれの伝送回路群230M,230Sの入力端には、構内回線を介して各IF装置220M,220Sをリンクさせ、その出力端には、伝送路および整合変成器MTを介してレールを含む各区間の軌道回路を接続する。
【0005】
伝送路としては、従来より一般的に600Ωの通信ケーブルを多用している。また、このように、各装置を2重化構成としたため、信頼性の高いフェールセーフなATCシステム地上局を実現できた。
【0006】
このATCシステムによれば、各電子連動装置210M,210Sによって、路線全体の運行管制を統轄的に連動管理すると共に、図示しない通信ネットワークを介して他の管理システムとも情報交換を行なう。また、各IF装置220M,220Sによって、それぞれの系統の路線に対する伝送制御を行なう。同時に、各送受信装置SRB1,SRB2,SRB3,…によって、進行中の列車に対する制御内容を決定し、AF帯の搬送波を変調させた送信信号を形成する。
【0007】
従って、この送信信号を伝送路を介して軌道回路に向けて送出し、列車に搭載したATC受信機によって受信すれば、その進行速度や制動量を制御内容に基づいて制御でき、遠隔の機器室から多区間の運行管制を行なうことができる。
【0008】
また、ATCシステムによる伝送制御では、列車が特定区間に進入して制御を要する場合にのみ、その区間の軌道回路に送信信号を流すことが許されており、それ以外の列車の居ない区間の軌道回路に対しては、速度制御等の送信信号を流すことが禁止されている。このため、送信信号の伝送回路出力段に専用の切換リレー回路を設け、各区間の軌道回路毎に送信信号の送出をオンオフ制御している。
【0009】
この場合に、軌道回路のインピーダンスは、中間部の配線やレールの敷設長さが異なることや、降雨によって濡れた枕木や敷石の乾き具合等に伴って変化するが、通常運用のAF帯では約2〜10Ω程度と極めて低い。しかし、列車上のATC受信回路の入力レベルも併せて保証しながら送信信号を送出する必要がある。
【0010】
従って、各伝送回路230M,230Sの出力として、各部の伝送損失を考慮した少なくとも10W程度を確保する必要がある。このため600Ω系通信ケーブルの伝送路では、伝送回路のTTLレベルと比べればかなり高い値であるが、送信信号の出力電圧を約77V、その出力電流を約0.13A程度に設定してある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来例のATCシステム地上局の送受信装置には次の様な問題点があった。リレー回路によって、出力数十Vの送信信号をオンオフすると、整合変成器を含む伝送路の誘導性負荷に起因して、その電気接点には、この出力を大きく上回って瞬間的に数倍〜十数倍に達する電圧のサージ波形が生じる。
【0012】
このため、このサージ電圧がマイクロプロセッサの入出力部等に大きな誘導ノイズとして作用する等して、各種管制指令の正しい論理処理を妨げてしまう場合がある。例えば、フェールセーフであるべき2重系論理処理の場合には、その信号同期チェック回路において、両系相互間の同期不一致が検出される場合があり、このときには運行管制を停止してしまう。
【0013】
一般に、このような誘導ノイズ等の抑制には、例えば、重要な信号線等の途中にローパスフィルタを挿入したりするが、前述した入出力部等のように多数の信号線を備えた部分には不向きであった。また、高圧リレー回路の切り換えを他の論理処理と同期させているため、誤動作の防止が極めて避け難いという困難な問題点があって、これらの問題点の除去が重要な課題であった。
【0014】
この発明は上記課題を解決するためになされ、その目的は、交流の送信信号の送出経路を切り換える際に、論理処理を妨げるような誘導ノイズを発生させないATCシステム地上局の送受信装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によるATCシステム地上局の送受信装置は、移動体に対する管制指令の処理手段と、この管制指令に対応させた送信信号の出力手段とからなり、管制指令に基づき該当区間内における移動体の運行管制を行なうATCシステム地上局の送受信装置において、
出力手段には、管制指令に従った送信信号の発生部と、この発生部からの送信信号に対する送出経路の切換部とが設けられ、処理手段には、管制指令が解読されると、送信信号の発生部に対する所定期間の抑制信号の送出を指示しながら、この所定期間内に送信信号の切換部に対する切換信号の送出を指示するシーケンサが設けられ、送信信号を抑制しながら送出経路を切り換えることを特徴とする。
【0016】
このため、処理手段によって、所定の管制指令を解読すると、発生部によって、管制指令に対応させた送信信号が形成されるが、処理手段のシーケンサによって、この送信信号に対する抑制信号の送出を指示するため、発生部による切換部への送信信号の送出を一時的に抑えることができる。続いて、シーケンサによって、抑制信号の送出を所定期間だけ継続させると共に、この所定期間内に切換信号の送出を指示するため、切換部によって、送信信号を導入しないまま送出経路のみを該当区間に切り換える。更に、シーケンサによって、所定期間経過後に抑制信号の送出停止を指示するため、発生部から切換部を介して該当区間に送信信号を送出でき、区間内の移動体を管制指令に基づいて運行管制できる。
【0017】
本発明の請求項2記載の送受信装置の切換部は、交流の送信信号を移動体に向けて送出する一方の電気接点と、所定の疑似負荷に送出する他方の電気接点と、いずれか1つの電気接点を切換信号に従って共通端子と接続させるリレー回路とからなるものであることを特徴とする。
【0018】
これによると、リレー回路からなる一般的な切換部を実現できる。
【0019】
本発明の請求項3記載の送受信装置の出力手段は、少なくとも送信信号の発生部と送出経路の切換部とを多重化構成したものであることを特徴とする。
【0020】
これによると、障害発生に対処し易い多重化構成の出力手段を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、従来例と同じ部分については、同じ符合を付して詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態によるATCシステム地上局の送受信装置の構成図である。
図1に示す実施形態には、列車等に対する管制指令の処理手段1と、この管制指令に対応させた送信信号SOの出力手段2とを、それぞれの主系Mおよび副系Sからなる2重化構成の主要部として複数備えたATCシステム地上局における送受信装置100を構成してある。また、この他にも、単一の主要部を備えたものでも、主系Mのみの簡単な構成であってもよい。
【0022】
送信信号SOとは、いわゆる現示情報を伴うものであって、路線(○○新幹線等のいわゆる線区)の各区間(いわゆる閉そくであって線区の管制単位)毎に列車の現在位置に基づいて、所望の進行速度、制動量等を指示すると共に、所定の伝送形式で情報フレームに形成したものである。この他にも、いわゆる在線情報を求めるTD信号であってもよく、このTD信号は該当区間内の列車を探知する情報フレームを形成したものである。
【0023】
これによって、管制指令に基づき該当区間内における移動体の運行管制を行なうと共に、主系Mおよび副系Sによる2つの処理情報を照合し、例えば、両方が一致した場合だけ、それ以降の運行管制を継続する。また、何らかの障害が生じて不一致の場合には、正しい処理情報の系MまたはSに切り換えるか、あるいは、所定の確実に安全なエラー処理を行なう。つまり、フェールセーフな運行管制を実現できる。
【0024】
そして、例えば、2重化構成の各手段1,2単位でプリント基板に搭載し、それぞれの基板を、独立した1つの筐体内に収納してATCシステム地上局の機器室内に設置する。各基板の処理手段1側入出力端には、LAN等の構内回線を介して、主系および副系のインターフェース装置220M,220S、電子連動装置210M,210Sと順に結線する。また、各基板の出力手段2側出力端には、各区間に対する伝送路を結線する。
【0025】
これによって、区間の増設または縮小に合わせて基板を増減でき、また、いずれかの手段1,2に障害が生じた場合に、各区間毎に基板を交換して保守を行なうことができる。以下、主として主系Mの構成について述べるが、副系Sについても同様である。
【0026】
前記出力手段1には、管制指令に従った送信信号SOの発生部21と、この送信信号SOのための2つの送出経路の切換部22と、一方の送出経路である試験用の待機試験回路23とを設けてある。更に、発生部21は、デジタル信号プロセッサを付設した複合波SSのATCオッシレータ21Aと、この複合波SSのパルス幅変調のための差動出力型のATCアンプ21Bとからなる。このATCアンプ21Bは、信号出力に対する出力禁止ゲートの信号入力端を有する。また、十分なドリフト補償がされていれば単一出力型のものでもよい。
【0027】
切換部22は、切換信号XCの送出のためのフェールセーフ入出力ポート22Aと、この切換信号XCに従う両切り型の並列リレー回路22Bとからなり、フェールセーフ入出力ポート22Aは2つの出力端を有し、一方の出力端をリレー回路22Bの図示しない駆動部に結線し、他方をATCアンプ21Bの信号入力端に接続する。このリレー回路22Bとしては、例えば、電磁ソレノイドによって各接点を切り換えるものでも、電子式の無接点リレーであってもよい。
【0028】
リレー回路22Bの2つの共通端子には、ATCアンプ21Bの2つの差動出力端をそれぞれ接続すると共に、2つのメーク端子を待機試験回路23の疑似負荷23Bを介して結線する。また、リレー回路22Bの2つのブレーク接点を送受信装置100の外部に引き出して軌道回路に対する整合変成器24の両入力端子に接続する。
【0029】
待機試験回路23は、その疑似負荷23Bを伝送路に見立てているため、例えば、従来の一般的の通信ケーブルを伝送路として用いると、その線間インピーダンスが600Ω程度になる。このため、これに揃えて疑似負荷23Bのインピーダンスも同程度の値に設定した純抵抗とする。この他にも、伝送路のインピーダンスを軌道回路に近付けて、150〜200Ω系のもっと低い線間インピーダンスの伝送路を用いてもよく、更に好ましくは、伝送路や整合変成器24を考慮して疑似負荷23Bを誘導性のものとしてもよい。
【0030】
なお、中間部の配線やレールの敷設長さが異なること、降雨によって濡れた枕木や敷石の乾き具合等に伴って、軌道回路の負荷が約2〜10Ω程度に変化する。また、ATC受信回路の入力レベルも保証する必要があるため、ATCアンプ21Bの出力として、各部の電力損失を考慮して少なくとも10W程度を確保する必要がある。従って、この600Ω系の伝送路に加える出力電圧を約77V(10Wに600Ωを掛けた平方根)、その出力電流を約0.13A程度にする必要がある。
【0031】
また、この待機試験回路23を設けない構成としてもよく、また、リレー回路22Bと待機試験回路23とを出力手段2とは別体に配置し、主系Mおよび副系Sの出力手段2,2のための共通部分としてもよく、これによりリレー回路22B等の実装部品の点数を削減して本装置を小型で安価なものにできる。
【0032】
前記処理手段1には、主系M全体の制御処理部11と、副系Sの処理手段1および前述したIF装置220M,220Sとのシリアル通信のための別のフェールセーフ入出力ポート12とを備え、専用のソフトウェアによって、該当区間への送信信号処理、この区間内の列車検知処理等を統轄的に行なう。
【0033】
更に、制御処理部11は、マイクロプロセッサ、運行管制の制御メモリおよびワーキングメモリ、その他の周辺回路をバス接続させて構成したものである。また、このソフトウェアによって、送信信号SOの送出業務を時系列的に管理するためのシーケンサを形成してあり、このシーケンサによって、その送出業務における個々の処理の遂行順序を予め設定し、この遂行順序に従って制御処理部11に各処理の実行を指示できる。なお、シーケンサには複数のソフトタイマーが設けられる。
【0034】
続いて、シーケンサによる送信信号SOの送信業務について説明する。
前提条件として、テンキーや若干の制御キー等からなる図示しない入力パネルを用いて、この送出業務の遂行順序をシーケンサにプログラムしておく。または、前述した電子連動装置210M,210Sによって上位システムから、あるいはIF装置220M,220Sを介して図示しないモニタ装置からプログラムしてもよい。
【0035】
図2は、図1に示す制御処理部の送信信号送出業務のフローチャートで、図3は、送出業務のタイムチャートである。
図2に併せて示すように、IF装置220M,220Sから所定の第1管制指令が着信して割り込み処理が行なわれると、シーケンサによって、この第1管制指令の受信処理ST1を制御処理部11に指示し、送信信号SOの送出業務を開始させる。
【0036】
なお、予めATCアンプ21Bによって、リレー回路22Bを介して待機試験回路23に所定の試験信号を流してある。この試験信号としては、キャリアも含めて送信信号SOに等しい周波数であって、送信信号SOに比べて微弱な振幅のものが望ましく、これによって、疑似負荷23Bによる電力損失を削減しながら、送信信号SOの周波数および出力レベルを試験(照査)できる。
【0037】
第1管制指令は、前述した送信信号SOを形成するための基礎情報であって、隣接する区間や運行管制を連動させる数区間について、送信信号SOの送出内容や接近列車に関する注意等をまとめて情報フレームに形成した指令情報である。
【0038】
受信処理ST1では、制御処理部11によって、第1管制指令を受信して指令内容を解読し、各区間相互の所定の結線論理に基づく現示制御(例えば指示速度の決定)を行ない、複合波SS形成のための各種パラメータを決定する。そして、所定周波数を示すパラメータをデータバス、および発生部21Aのデジタル信号プロセッサを介してATCオッシレータ21Aに、また、所定出力レベルを示すパラメータを同様にATCアンプ21Bにそれぞれ渡す。
【0039】
各パラメータが渡されると、シーケンサによって、複合波SSの形成処理ST2を制御処理部11に指示し、ATCオッシレータ21AとATCアンプ21Bによって、第1管制指令に従った制御内容の送信信号SOを形成する。続いて、管理部によって、送信信号SOの検査処理ST3を制御処理部11に指示する。
【0040】
この送信信号SOの検査処理ST3では、制御処理部11によって、送信信号SOの周波数および出力レベルを各パラメータの期待値と照合(照査)し、その照合結果が誤りを示したときは、所定のエラー処理を行なって障害を回避する。それぞれの期待値は、予めレベル制御処理に所定範囲として設定してある。
【0041】
通常は、この照合結果が正常を示すため、シーケンサによって、制御処理部11に制御指令CCを送出して、送信信号SOに対する抑制信号SCの発生処理ST4を指示する。この抑制信号SCの発生処理ST4では、フェールセーフ入出力ポート22Aによって、抑制信号SCをATCアンプ21Bに送出し、ATCアンプ21Bが抑制信号SCを導入すると、一時的に送信信号SOの送出を休止する。
【0042】
この抑制信号SCは、予め設定した第1所定期間だけ送出を継続させる信号であって、その長さは30〜100m秒が望ましい。また、この第1所定期間が30m秒未満では、制御処理部11の最短システムタイミングに間に合わず、100m秒以上では、列車に搭載した車上装置によって送信信号SOが終了したと判断されるため、それ以降、正常な運行管制を続けることができない。
【0043】
続いて、抑制信号SCの発生から、予め設定した第2所定期間が経過すると、シーケンサによって、リレー回路22Bの切換信号XCの発生処理ST5を制御処理部11に指示し、フェールセーフ入出力ポート22Aによって、リレー回路22Bの駆動部に切換信号XCを送出する。そして、リレー回路22Bによって、送信信号SOの送出経路を伝送路に切り換えることができる。
【0044】
この第2所定期間としては、第1所定期間の中間値程度を選択して設定しておくことが望ましい。これによってATCアンプ21Bが、送信信号SOの送出休止状態を十分に安定させてから切換信号XCを送出する共に、リレー回路22Bが、接点の切り換え状態を十分に安定させてから送信信号SOを送出できる。なお、これら第1および第2所定期間の他、それぞれの所定期間をシーケンサ内蔵のソフトタイマに設定して計数管理する。
【0045】
抑制信号SCのための第1所定期間が経過すると、シーケンサによって、制御処理部11に抑制信号SCの消去処理ST6を指示し、フェールセーフ入出力ポート22Aによって、ATCアンプ21Bへの抑制信号SCの送出を停止する。以上、シーケンサによる送出業務の順序管理を終了する。これによって、特に、待機試験回路23が誘導性であっても、切り換え接点が高圧サージ波形を生じることなく切り換るため、これに伴う誘導ノイズの発生を阻止できる。
【0046】
次に、シーケンサによる送信信号SOの解除業務について説明する。
図4は、図1に示す制御処理部の送信信号解除業務のフローチャートである。
なお、解除業務のタイムチャートでは、図3に示す送信信号SOの代わりに、大きい振幅から小さい振幅に逆に切り換る送信信号SOを用いるが、その他はタイミング等を含めて送出業務の場合と同様である。
【0047】
図4に示す解除業務では、第1管制指令の代わりに送信解除のための第2管制指令を受信して各処理を開始する。この第2管制指令では、第1管制指令と異なって、本区間における各種指示を終了させて、車上のATC受信装置を本装置による管制から開放する。また、必要があれば、併せて本装置100内の誤り回復処理等を指令する。
【0048】
IF装置220M,220Sから第2管制指令が着信して割り込み処理が行なわれると、シーケンサによって、この第2管制指令の受信処理ST11を制御処理部11に指示し、以下、送信信号SOの解除業務を開始する。
この受信処理ST11では、送信業務と同様の現示制御、指令内容の解析を行なうが、複合波SSのための各種パラメータを変更する必要はない。
【0049】
第2管制指令が解読されると、シーケンサによって、送信信号SOの送出完了の検査処理ST22を制御処理部11に指示する、この検査処理ST3を制御処理部11では、制御処理部11によって、送信信号SOの周波数および出力レベルを各パラメータの期待値と再度照合し、送出していた送信信号SOの正しさを確認する。
【0050】
その正常状態が確認できると、シーケンサによって、制御処理部11に前述した抑制信号SCの発生処理ST4を指示する。この抑制信号SCの発生処理ST4では、フェールセーフ入出力ポート22A、ATCアンプ21Bを介して、第1所定期間だけ送信信号SOの送出を休止する。また、誤りを生じていれば所定の別のエラー処理を行なう。
【0051】
抑制信号SCの発生から第2所定期間が経過すると、シーケンサによって、制御処理部11にリレー回路22Bの切換信号XCの消去処理ST51を指示する。この切換信号XCの消去処理ST51では、フェールセーフ入出力ポート22A、リレー回路22Bの駆動部を介して、送信信号SOの送出経路を待機試験回路23に切り換える。このため、送出業務の場合と同様に送出休止状態と接点の切り換え状態の安定を保証できる。
【0052】
第1所定期間が経過すると、シーケンサによって、制御処理部11に抑制信号SCの消去処理ST6を指示する。この抑制信号SCの消去処理ST6では、フェールセーフ入出力ポート22Aを介して、ATCアンプ21Bへの送信信号SOの送出を解除する。以上、シーケンサによる解除業務の順序管理が終了し、特に、誘導性の伝送線路に起因する高圧サージ波形の発生に伴う誘導ノイズの発生も阻止できる。
【0053】
なお、送出業務の前提条件として、予め送信信号SOの継続期間を第3所定期間としてシーケンサに設定しておき、それぞれの管制指令に対応させてテーブルに配列し、このテーブルを制御処理部11にプログラムしてもよい。これによって、着信した管制指令に従ってテーブルを検索し、シーケンサのソフトタイマが第3所定期間を経過してタイムアウトになった時、これを契機として前述した送信信号SOの解除業務を開始する構成にもできる。
【0054】
この構成の場合に、前述した第2管制指令を必要としないため、電子連動装置210M,210S、IF装置220M,220Sの運行管理上の処理負担を軽減できる。また、第1管制指令の着信後、第2管制指令を受信しなくても、制御処理部11のシーケンサのみによって、送信信号SOの送信から送信解除までを一貫して処理できるため、一連の送信処理を連続させて更に素早く遂行できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ATCシステム地上局において、交流の送信信号の送出経路を切り換える場合であっても、一時的に切換部への送信信号SOの送出を休止するため、論理処理を妨げるような誘導ノイズを発生させない送受信装置を提供できる。また、本発明の請求項2記載の装置によれば、一般的な装置に適用でき、本発明の請求項3記載の装置によれば、より信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるATCシステム地上局の送受信装置の構成図
【図2】図1に示す制御処理部の送信信号送出業務のフローチャート
【図3】図1に示す制御処理部の送信信号送出業務のタイムチャート
【図4】図1に示す制御処理部の送信信号解除業務のフローチャート
【図5】一従来例によるATCシステム地上局の構成図である。
【符号の説明】
1…処理手段、2…出力手段、11…制御処理部、12,22A…フェールセーフ入出力ポート、21…発生部、21A…ATCオッシレータ、21B…ATCアンプ、22…切換部、22B…リレー回路、23…待機試験回路、23B…疑似負荷、24…整合変成器、100…送受信装置、M…主系、S…副系。

Claims (3)

  1. 移動体に対する管制指令の処理手段と、この管制指令に対応させた送信信号の出力手段とからなり、管制指令に基づき該当区間内における移動体の運行管制を行なうATCシステム地上局の送受信装置において、
    前記出力手段には、管制指令に従った送信信号の発生部と、この発生部からの送信信号に対する送出経路の切換部とが設けられ、
    前記処理手段には、管制指令が解読されると、送信信号の発生部に対する所定期間の抑制信号の送出を指示しながら、この所定期間内に送信信号の切換部に対する切換信号の送出を指示するシーケンサが設けられ、送信信号を抑制しながら送出経路を切り換えることを特徴とするATCシステム地上局の送受信装置。
  2. 前記切換部は、交流の送信信号を移動体に向けて送出する一方の電気接点と、所定の疑似負荷に送出する他方の電気接点と、いずれか1つの電気接点を切換信号に従って共通端子と接続させるリレー回路とからなるものであることを特徴とする請求項1記載のATCシステム地上局の送受信装置。
  3. 前記出力手段は、少なくとも送信信号の発生部と送出経路の切換部とを多重化構成したものであることを特徴とする請求項1または2記載のATCシステム地上局の送受信装置。
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