JP3969826B2 - ダイアフラム破損検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はダイアフラム破損検知装置に関し、さらに詳しくは、単位ダイアフラムを重ね合わせてなるダイアフラムの破損を的確に検出することのできるダイアフラム破損検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、ダイアフラムを用いた装置として、例えば油圧ダイアフラムポンプがある。この油圧ダイアフラムポンプは、二つの流体室をダイアフラムで仕切り、一方の流体室には加圧媒体たとえば加圧オイルをピストンで押圧・吸引することによりダイアフラムを凹状の湾曲及び凸状の湾曲を繰り返すことにより、他方の流体室の体積を増加・減少させることができるようになっている。
【0003】
前記一方の流体室を加圧室と称する。また前記他方の流体室はポンプ室と称する。
【0004】
このポンプ室には、逆止弁の装着された吸引管と逆止弁の装着された吐出管とが装着されている。前記ダイアフラムが加圧室に向けて凹状に湾曲すると、ポンプ室の体積が増大することにより、吐出管における逆止弁がポンプ室への流体の逆流を防止する一方、吸引管から流体がポンプ室に流体が流入する。前記ダイアフラムがポンプ室に向けて凸状に湾曲すると、ポンプ室の体積が減少することにより、吸引管における逆止弁がポンプ室から流体が逆流するのを防止する一方、流体がポンプ室から吐出管へと流出していく。このようにして、ダイアフラムが凹状湾曲及び凸状湾曲を交互に繰り返すことにより、吸引吐出作用が実現される。
【0005】
このダイアフラムは、通常、二枚の単位ダイアフラムが重ね合わされて、円盤状に形成されている。円盤状に形成されたダイアフラムは、ポンプ室と加圧室との間に設けられたフランジ状の取り付け部材に張設される。
【0006】
この取り付け部材50は、図3に示されるように、二枚重ねのダイアフラム51を張設するために開口された円状の開口部を備えた環状体である。この環状体の内周面には環状のフランジ52が突出している。このフランジ52のポンプ室側の表面に一方の単位ダイアフラム53Aの縁辺表面を重ね、またこのフランジ52の加圧室側の表面に他方の単位ダイアフラム53Bの縁辺表面を重ね、図示しない固定部材で単位ダイアフラム53A,Bの縁辺を固定することにより、単位ダイアフラム53A,Bを2枚重ねしてなるダイアフラム51がこの取り付け部材50に装着される。換言すると、重ね合わされた単位ダイアフラム53A,Bの縁辺間に、薄い円環状をした板状の前記フランジ52が介装される。
【0007】
このフランジ52には、図3に示されるように、半径方向に向かって形成された、そのフランジ52の内周面に開口する一端開口部を有し、かつ圧力計に接続された配管に結合される他端開口部(図示せず。)を備えた導圧細管54が開設されている。
【0008】
単位ダイアフラム53A,Bの間隙、前記導圧細管54、その導圧細管54から圧力計に至る管路、及び前記単位ダイアフラム53A,Bの間隙と前記導圧細管54と前記管路との中に存在する圧力伝達媒体を排出するために前記単位ダイアフラム53A,Bの間隙に連通する排出管路(図示せず。)とに、圧力伝達媒体たとえば圧力伝達油が充填されている。もっとも、重ね合わせた単位ダイアフラム53A,Bの間隙に形成された毛細管のような間隙に、圧力伝達媒体が薄く存在している。
【0009】
この圧力伝達媒体は次のように作用する。
【0010】
前記管路に特に設けた油注入孔から管路内に圧力伝達媒体を注入する。このとき、排出管路を開放状態にしておく。油注入孔から管路、導圧細管54、単位ダイアフラム53A,Bの間隙及び導出管路内に圧力伝達油を充填した後に、導出管路を閉鎖する。注入された圧力伝達媒体中に紛れ込んだ気泡を除去するために、導出管路を閉鎖状態にしてから、ダイアフラム51の凹状湾曲及び凸状湾曲を繰り返すことにより、圧力伝達媒体中の気泡を外部に排出する。このように気泡を除いてから、ダイアフラムポンプを駆動する。
【0011】
ダイアフラム51の湾曲変形運動によって、ポンプ室へ流体が吸引され、ポンプ室から流体が吐出されると言うポンプ作用が、行われる。このポンプ作用の過程において、何らかの原因で単位ダイアフラム53A,Bが破損すると、ポンプ室あるいは加圧室内の流体が単位ダイアフラム53A,Bの間隙に流入する。そして加圧室内の圧力あるいはポンプ室内の圧力が、単位ダイアフラム53A,Bの間隙及び導圧細管54内の圧力伝達媒体を通じて圧力計で測定される。圧力計が異常な値を示すときには、単位ダイアフラム53A,Bが破損したものと判断されるので、そのときにはダイアフラムポンプを停止して修理を行う。
【0012】
しかしながら、このような構造のダイアフラム51には、吐出圧力等の運転条件によっては、次のような問題点がある。
【0013】
フランジを挟んでいる二枚の単位ダイアフラムはフランジの内周面近傍においてフランジに向かうわずかの間隙Zを有し、フランジを挟んでいない単位ダイアフラム部分は毛細管程度の間隙を有して相互に接触している。そうすると、単位ダイアフラム53が湾曲変形運動を繰り返す過程で、単位ダイアフラム53A,Bが変形し、図4に示すように、導圧細管54の単位ダイアフラム53A,Bの間隙に向かう一端開口部が閉塞されるという現象を起こすことがあり得る。
【0014】
導圧細管54の一端開口部が単位ダイアフラム53A又は単位ダイアフラムBBで閉塞されてしまうと、単位ダイアフラム53A,Bの間隙に存在する圧力伝達媒体が、導圧細管中の圧力伝達媒体と断絶してしまうので、単位ダイアフラム53A,Bがたとえ破損したとしても、圧力計は検知することができなくなることがある。
【0015】
又、更に、単位ダイアフラム53A,Bが導圧細管54の開口部にめり込む結果、長時間のダイアフラムの湾曲変形運動が繰り替えされるうちに、いずれかあるいは両方の単位ダイアフラムが破損すると言う問題もある。
【0016】
このような問題点を解消するために、次のような工夫がある。すなわち、フランジに設けられた導圧細管の、単位ダイアフラムに向かって開口する一端開口部の出口に織布を配置することである。織布を配置しておくと、たとえ単位ダイアフラムが前記一端開口部の出口に覆い被さるように変形したとしても、単位ダイアフラムの間隙に存在する織布によって単位ダイアフラムの間隙に存在する圧力伝達媒体と導圧細管中に存在する圧力伝達媒体とが常に連通状態になる。つまり、単位ダイアフラムの破損状況を圧力計で常に正確に監視することができる。
【0017】
しかしながら、導圧細管の一端開口部を織布で覆っているので、導圧細管及び単位ダイアフラムの間隙に改めて圧力伝達媒体を注入する場合、前記織布が圧力伝達油注入の抵抗になってしまい、圧力伝達媒体の注入を円滑に行うことができないので、単位ダイアフラムの間隙に気体が残り、ポンプの吐出精度が低下すると言う新たな問題が発生する。
【0018】
また、特開昭60−105936号公報に記載されたダイアフラム破損検知装置は、ダイアフラム破損を検知する装置として非常にすぐれているのであるが、単位ダイアフラムの間隙に中間室を配置しているので、構造が複雑になるという問題を有している。
【0019】
特開昭62−82286号公報に記載されたダイアフラムポンプも、ダイアフラムの破損を検知する装置として非常に優れているのであるが、特殊な導電膜及び絶縁性隔膜を必要とし、これらを重畳しなければならないので、やはり、構造が複雑であると言う問題を内包している。
【0020】
特開平1−155082号公報に記載されたダイアフラムの破損検知装置も、単位ダイアフラムの間隙の圧力伝達油を取り出してその濁度を測定するので、発光手段及び受光手段の組み合わせが必要であり、装置が複雑であるという問題を免れない。
【0021】
この発明は前記事情に基づいて完成された。この発明の目的は前記問題点を解消することにある。この発明の目的は、特別な織布、特別な導電膜あるいは絶縁性隔膜、特別な光電濁度計などを用いることなく、簡単な構造のダイアフラム破損検知装置を提供することにある。この発明の目的は、ダイアフラムの破損を正確に検知することのできるダイアフラム破損検知装置を提供することにある。この発明の目的は、簡単な加工作業により容易に製造することのできる簡単な構造のダイアフラム検知装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明の前記課題を解決するための手段は、
二つの流体室を液密に仕切り、一方の流体室から他方の流体室に圧力伝達を行うように設けられた、複数枚の単位ダイアフラムを重ね合わせてなる円状のダイアフラムと、
重ね合わされた前記単位ダイアフラムの縁辺に挟まれ、固定部材で単位ダイアフラムそれぞれの縁辺を固定し、固定部材で単位ダイアフラムを固定した部分からダイアフラムの中心に向かって縮小する断面形状を有し、内周面から切り込まれて単位ダイアフラムに面する切り込み開口部を有するスリットとそのスリットに連通するとともに単位ダイアフラム間に存在する圧力伝達媒体を圧力計に導通する導通孔とを備えてなる、環状のダイアフラム装着用フランジと
を備えてなることを特徴とするダイアフラム破損検知装置である。
【0023】
この発明のダイアフラム破損検知装置においては、ダイアフラム装着用フランジにダイアフラムが装着される。このダイアフラムは一方の流体室と他方の流体室とを区画するように配置されている。一方の流体室が、例えばピストンにより圧入され、あるいは排出される加圧媒体を収容する部屋(チャンバーとも称される。)であるときには、その流体室は圧力室と称される。また他方の流体室が、前記圧力室における加圧媒体によりダイアフラムが凸状あるいは凹状に湾曲することにより、流体を吸引し、吐出する部屋であるときには、その流体室は、ポンプ室と称される。
【0024】
この発明のダイアフラム破損検知装置においては、内周面から切り込まれて単位ダイアフラムに面する切り込み開口部を有するスリットは、ダイアフラム装着用フランジの加圧室側面及びポンプ室側面の両方に形成される。
【0025】
加圧室における加圧媒体の圧入により加圧室内の圧力が高まると、ダイアフラムがポンプ室側に凸状に湾曲する。このとき、ダイアフラム装着用フランジにおける加圧室側の表面に設けられた導通路(特に、加圧室側導通路と称することがある。)は、加圧室側の単位ダイアフラムにより閉塞されるが、ダイアフラム装着用フランジにおけるポンプ室側の表面に設けられた導通路(特に、吸引吐出側導通路と称することがある。)は、ポンプ室側に位置する単位ダイアフラムにより完全に閉塞されず、前記導通孔と単位ダイアフラム同士の間隙とが導通状態になる。
【0026】
また、加圧室における加圧媒体が吸引されると、ダイアフラムが加圧室側に引っ張られて凹状に湾曲する。このとき、ダイアフラム装着用フランジにおけるポンプ室側導通路は、ポンプ室側の単位ダイアフラムにより閉塞されるが、ダイアフラム装着用フランジにおける吸引吐出側導通路は、ポンプ室側単位ダイアフラムにより完全に閉塞されず、前記導通孔と単位ダイアフラム同士の間隙とが導通状態になる。
【0027】
したがって、ダイアフラムが凸状及び凹状に繰り返して湾曲する運動を繰り返す間中、終始、単位ダイアフラム同士の間隙と導通孔とが連通状態になっている。
【0028】
もし、ダイアフラムにおける単位ダイアフラムが破損して、加圧室側の加圧媒体が単位ダイアフラムの間隙に流入することがあっても、あるいはポンプ室側の流体が単位ダイアフラムの間隙に流入することがあっても、単位ダイアフラムの間隙に流入する加圧媒体または流体が導通孔を通じて圧力計にその圧力を伝達するので、圧力計の指示によりダイアフラムの破損を的確に把握することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、この発明のダイアフラム破損検知装置におけるダイアフラムをダイアフラム装着フランジに装着してなる縦断面部分図である。図2は、この発明のダイアフラム破損検知装置におけるダイアフラム装着フランジを示す正面部分図である。
【0031】
この発明の一実施例であるダイアフラム破損検知装置1は、ダイアフラム2とダイアフラム装着用フランジ3とを有する。また、このダイアフラム破損検知装置1は、ダイアフラムポンプに適用される。
【0032】
ダイアフラム2は、複数の単位ダイアフラム4同士、たとえば2枚の単位ダイアフラム4同士を重ね合わせてなる。このダイアフラム2は二つの流体室を、液密に仕切り、一方の流体室から他方の流体室に圧力伝達を行うように設置される。
【0033】
二つの流体室の内、一方の流体室は、加圧媒体たとえば加圧油が充填されていて、さらに加圧媒体を圧入することによって、ダイアフラム2を他方の流体室に向けて凸状に湾曲させ、加圧媒体を吸引することによって、この一方の流体室側に凹状に湾曲させることができるように形成される。この一方の流体室は加圧媒体により加圧及び減圧されるので、加圧室5とも称される。加圧媒体の圧入及び吸引を実行する機構は、加圧媒体によりこの加圧室5の加圧及び減圧を実現することができる限り様々の装置構成を採用することができ、たとえば、ダイアフラムポンプなどの技術分野で従来から採用されている機構を採用することができる。
【0034】
二つの流体室の内、他方の流体室は、ダイアフラム2の凸状の湾曲及び凹状の湾曲を交互に繰り返すことにより、この流体室内から流体を吐出し(あるいは排出し)、及びこの流体室内に流体を吸引することができるように構成される。よって、この他方の流体室は、ポンプ室6と称される。
【0035】
このポンプ室6は、ダイアフラム2の凸状湾曲及び凹状湾曲を交互に繰り返すことにより、ポンプ室6内に流体を吸引し、またポンプ室6外に流体を吐出することができるように構成される限り様々の装置構成を取り得る。たとえば、このポンプ室6は、逆止弁付きの吸引口及び逆止弁付きの吐出口を備えて形成されることができる。たとえばダイアフラム2がポンプ室6に対して凹状に、換言すると加圧室5側に凸状に湾曲することにより、吐出口に設けられた逆止弁が吐出口を閉鎖状態にし、かつ吸引口に設けられた逆止弁が吸引口を解放状態にする。その結果、前記ダイアフラム2の凹状の湾曲によって、吸引口からポンプ室6内に、流体が吸引される。またダイアフラム2がポンプ室6に対して凸状に湾曲すると、吸引口側の逆止弁が吸引口側を閉鎖状態にし、かつ吐出口に設けられた逆止弁が吐出口を解放状態にする。その結果、前記ダイアフラム2の凸状の湾曲によって、吐出口からポンプ室6内の流体が吐出、排出される。
【0036】
このダイアフラム2は、口述するダイアフラム装着用フランジ3に固定的に張設される。このダイアフラム2は、通常ダイアフラム装着用フランジ3の形状に合わせて、その外形が設計される。多くの場合、ダイアフラム2は円形及び板状をなす。
【0037】
このダイアフラム2の材質は、このダイアフラム2が接する液の種類に応じて適切な材料が選択される。耐薬品性、柔軟性等を保持するためには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テフロンがダイアフラム2の好適な材料として選択される。もちろん、柔軟で耐久性のある材質である限り様々の材料を選択することができ、たとえば、ゴムなどであっても良い。
【0038】
このダイアフラム2は、図1に示されるように、ダイアフラム装着用フランジ3に装着される。
【0039】
このダイアフラム装着用フランジ3は、二つの流体室の間に配置され、円状の開口部を有する基部7と、その基部7の内周面からさらに中心部に向かって突出する環状の装着部8と、その装着部8からさらに中心部に向かって突出するところの、断面が台形をなし、平面が環状をなすフランジ部9とを備える。
【0040】
前記基部7は、二つの流体室を形成する流体室本体の内壁であっても良いが、この実施例においては、図1に示されるように、所定の厚みを備え、ポンプ室6側の平面(ポンプ室側第1平面と称されることがある。)と加圧室5側の平面(加圧室側第1平面と称されることがある。)とが平行に形成され、しかも正面から見て(図1の右側すなわちポンプ室6側から見ること)、円形状の開口部を有する。前記装着部8は、ポンプ室6側の平面(ポンプ室側第2平面と称されることがある。)と加圧室5側の平面(加圧室側第2平面と称されることがある。)とが平行になっていて、正面から見て環状をなす。前記フランジ部9は、ポンプ室6側の平面が加圧室5側に向かって傾斜する環状のテーパ面(第1テーパ面10と称することがある。)と加圧室5側の平面がポンプ室6側に向かって傾斜する環状のテーパ面(第2テーパ面11と称することがある。)とを備え、第1テーパ面10及び第2テーパ面11の下端は環状の内周面に連続する。
【0041】
前記基部7及び装着部8の内部には、圧力計に連続する配管を接続する接続出口を備え、ダイアフラム装着用フランジ3の中心向かって延在する断面円形の導通孔12が形成される。この導通孔12は、通常、その1本が形成されている。もっとも、ダイアフラム2の破損を的確に検知するために、複数の導通孔12が開設されていても良い。
【0042】
図2に示されるように、この実施例では、この導通孔12は、装着部8の下端すなわち装着部8のフランジ部9に至る部位まで延在している。
【0043】
このフランジ部9には、前記第1テーパ面10から第2テーパ面11に貫通し、フランジ部9の内周面から導通孔12にまで切り込まれたスリット13が形成される。このスリット13は、第1テーパ面10及び第2テーパ面11に、フランジ部9の内周面から溝状に開口する導通路14を有する。
【0044】
この導通路14は、たとえばレーザ加工等により簡単に形成することができる。
【0045】
このダイアフラム装着用フランジ3における加圧室側第2平面に向かって、第1固定部材15が配置されている。この第1固定部材15と加圧室側第2平面との間に、加圧室5側の単位ダイアフラム4の縁辺を配置し、第1固定部材15で締め付けることにより加圧室5側の単位ダイアフラム4が張設、固定される。また、ダイアフラム装着用フランジ3におけるポンプ室側第2平面に向かって、第2固定部材16が配置されている。この第2固定部材16とポンプ室側第2平面との間に、ポンプ室6側の単位ダイアフラム4の縁辺を配置し、第2固定部材16で締め付けることによりポンプ室6側の単位ダイアフラム4が張設、固定される。
【0046】
このダイアフラム装着用フランジ3には、前記導通孔12の外に、単位ダイアフラム4の間隙に圧力伝達媒体を装填するのを容易にし、また単位ダイアフラム4の間隙に存在する圧力伝達媒体の排出を容易にするために、圧力伝達媒体導出用の導通穴が形成される。詳述すると、ダイアフラム装着用フランジ3における基部7、装着部8及びフランジ部9を貫通する断面円形の導通穴が開設される。前記基部7には前記導通穴を排出管に接続するための接続開口部が設けられる。この接続開口部には、排出管が装着され、排出管の途中に開閉弁が取り付けられている。
【0047】
以上構成のダイアフラム2検知装置は次のような作用を有する。
【0048】
この実施例においては、ダイアフラム2は2枚の単位ダイアフラム4を重畳して形成されているとする。前述したように、加圧室5側の単位ダイアフラム4はその縁辺を加圧室側第2平面と第1固定部材15とで挟持され、また、ポンプ室6側の単位ダイアフラム4はその縁辺をポンプ室側第2平面と第2固定部材16とで挟持され、全体として、装着部8が、重ね合わされた単位ダイアフラム4の縁辺間に挿入された状態になっている。
【0049】
装着部8に装着されたダイアフラム2における単位ダイアフラム4の間隙への圧力伝達媒体は次のようにして装填する。排出管における開閉弁を解放状態にしたままで、圧力計に連通する配管に設けられた圧力伝達媒体注入口から圧力伝達媒体を注入する。この配管、前記導通孔12、前記スリット13、単位ダイアフラム4の間隙、導通穴及び排出管に圧力伝達媒体を流通させ、排出管の出口から圧力伝達媒体が硫化し始めると、排出管における開閉弁を閉鎖する。注入する圧力伝達媒体が注入口からあふれ始めたところで、圧力伝達媒体の注入を停止する。
【0050】
加圧室5には加圧媒体が充填される。加圧室5における加圧媒体の加圧及び減圧を行うことにより、ダイアフラム2を凹状及び凸状に湾曲させることにより、配管、前記導通孔12、前記スリット13、単位ダイアフラム4の間隙、導通穴及び排出管に充填されている圧力伝達媒体中に存在する気泡を上昇させて、圧力伝達媒体を注入する口あるいは適宜の気泡排出口から気泡を排出する。
【0051】
このようにして、圧力伝達媒体を装填した後に、このダイアフラム2を装填したダイアフラムポンプを運転する。
【0052】
たとえば図示しないピストンにより加圧室5内に加圧媒体を圧入すると、ダイアフラム2がポンプ室6側に凸状に湾曲する。このとき、加圧室5側の単位ダイアフラム4がポンプ室6側に凸状に湾曲することにより、フランジ部9における第2テーパ面11(加圧室5側の斜行面)に設けられたスリット13の開口部が加圧室5側の単位ダイアフラム4により閉塞されてしまうが、ポンプ室6側の単位ダイアフラム4もポンプ室6側に凸状に湾曲することにより、第1テーパ面10に設けられたスリット13の開口部とポンプ室6側の単位ダイアフラム4とがわずかの間隙を有して、前記スリット13の開口部が閉塞されずにいる。
【0053】
したがって、加圧室5内に加圧媒体を圧入しても、単位ダイアフラム4の間隙に存在する圧力伝達媒体は、第1テーパ面10に設けられたスリット13の開口部を通じて、導通孔12内の圧力伝達媒体と遮断されず、連通状態になっている。
【0054】
加圧室5内の加圧媒体を吸引することにより加圧室5内の圧力を減少させると、ダイアフラム2が加圧室5側に凸状に湾曲する。このとき、ポンプ室6側の単位ダイアフラム4が加圧室5側に凸状に湾曲することにより、フランジ部9における第1テーパ面10(ポンプ室6側の斜行面)に設けられたスリット13の開口部がポンプ室6側の単位ダイアフラム4により閉塞されてしまうが、加圧室5側の単位ダイアフラム4も加圧室5側に凸状に湾曲することにより、第2テーパ面11に設けられたスリット13の開口部と加圧室5側の単位ダイアフラム4とがわずかの間隙を有し、前記スリット13の開口部が閉塞されずにいる。したがって、加圧室5内を減圧にしても、単位ダイアフラム4の間隙の間隙に存在する圧力伝達媒体は、第2テーパ面11に設けられたスリット13の開口部を通じて、導通孔12内の圧力伝達媒体と遮断されず、連通状態になっている。
【0055】
以上構成のダイアフラム破損検知装置1においては、単位ダイアフラム4を重ね合わせてなるダイアフラム2を採用し、そのダイアフラム2をダイアフラム装着用フランジ3におけるフランジ部9にスリット13もしくは導通路14を設けているので、ダイアフラム2の湾曲運動中、導通孔12が単位ダイアフラム4により閉塞されることがない。したがって、万一単位ダイアフラム4のいずれかあるいは両方が破損されることによって、加圧室5内の加圧媒体及びポンプ室6内の流体が単位ダイアフラム4の間隙に流入すると、導通孔12内の圧力伝達媒体を通じて圧力計が直ちに圧力上昇を指示する。これによって、ダイアフラム2の破損を直ちに検出することができる。
【0056】
ここで、スリット13を形成することのメリットを強調しておく。すなわち、このような細幅のスリットは、レーザーカッター、ワイヤーカッター等で容易に形成することができる。スリットに代わる手段として、第1テーパ面10に細穴を形成することも考えられるのであるが、細穴は、放電加工等により形成することができるとはいうものの、1mm以下の細穴を形成することは放電加工では現実的には無理である。けだし、放電加工機が高価であり、しかも時間がかかるから、工業的な採算に合わないからである。また、第1テーパ面10に細穴を設けても作動流体例えば作動油の流通に際して大きな抵抗を生じるという点からしても、細穴は不利であり、スリットに勝るものはない。
【0057】
以上構成の実施例はこの発明の一実施例であって、この発明は前記実施例に限定されるものではない。
【0058】
【発明の効果】
この発明によると、ダイヤラムの湾曲動作によっても、また湾曲動作の繰り返しによっても、ダイアフラムの破損状況を的確に、正確に、かつ経年変化による信頼性の低下なく、検出することができるダイアフラム破損検知装置を提供することができる。
【0059】
特にこの発明においては、導通路がダイアフラム装着用フランジにレーザ加工等の簡単な加工により形成されるので、簡単な構造で、容易に製造可能なダイアフラム破損検知装置が提供される。
【0060】
なによりも、この発明にかかるダイアフラム破損検知装置は、構造が簡単である。
【0061】
この発明のダイアフラム破損検知装置は、特にダイアフラムポンプに適用することができ、信頼性の高いダイアフラムポンプの提供に資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のダイアフラム破損検知装置におけるダイアフラムをダイアフラム装着フランジに装着してなる縦断面部分図である。
【図2】図2は、この発明のダイアフラム破損検知装置におけるダイアフラム装着フランジを示す正面部分図である。
【図3】図3は、従来のダイアフラム破損検知装置の一例を示す一部縦断面図である。
【図4】図4は、図3に示されるダイアフラム破損検知装置の問題点を示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・ダイアフラム破損検知装置、2・・・ダイアフラム、3・・・ダイアフラム装着用フランジ、4・・・単位ダイアフラム、5・・・加圧室、6・・・ポンプ室、7・・・基部、8・・・装着部、9・・・フランジ部、10・・・第1テーパ面、11・・・第2テーパ面、12・・・導通孔、13・・・スリット、14・・・導通路、15・・・第1固定部材、16・・・第2固定部材。
Claims (1)
- 二つの流体室を液密に仕切り、一方の流体室から他方の流体室に圧力伝達を行うように設けられた、複数枚の単位ダイアフラムを重ね合わせてなる円状のダイアフラムと、
重ね合わされた前記単位ダイアフラムの縁辺に挟まれ、固定部材で単位ダイアフラムそれぞれの縁辺を固定し、固定部材で単位ダイアフラムを固定した部分からダイアフラムの中心に向かって縮小する断面形状を有し、内周面から切り込まれて単位ダイアフラムに面する切り込み開口部を有するスリットとそのスリットに連通するとともに単位ダイアフラム間に存在する圧力伝達媒体を圧力計に導通する導通孔とを備えてなる、環状のダイアフラム装着用フランジと
を備えてなることを特徴とするダイアフラム破損検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04688198A JP3969826B2 (ja) | 1997-09-01 | 1998-02-27 | ダイアフラム破損検知装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-236333 | 1997-09-01 | ||
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