JP3969477B2 - Multilayer wiring board and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱放散性に優れ高密度実装が可能な積層配線基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高機能化および高速性の要求に伴い、実装部品は多ピン化の傾向にあり、CBGA(Ceramic Ball Grid Array)、FBGA(Fine pitch Ball Grid Array)等において実装部品が搭載される積層配線基板および多層配線組立は、その性能および接続信頼性において重要な役割を担っている。積層配線基板としては、有機絶縁材料を芯材とするもの、セラミックなどの無機絶縁材料を芯材とするもの、および金属材料を芯材とする金属芯基板が知られている。
金属芯基板は、貫通孔を有する金属芯材の両側に絶縁層を有し、さらにその外側に配線層を有するものであり、熱放散性や機械的強度に優れている。軽量で機械的強度や放熱性に優れていることからアルミニウム(Al)が金属芯材として広く用いられている。従来の金属芯基板は、アルミニウム芯材にスルーホール径より大きい下穴の貫通穴を開け、孔埋め樹脂との密着力を付与する為、表面をバフ研磨等の物理的な方法により粗化したり、あるいは硫酸アルマイト処理を施した後、その両面にガラス織布に樹脂が含浸されたプリプレグを絶縁層として重ね合わせ、さらにその表面に銅箔等の導体層を重ね合わせて加熱加圧成形し、プリプレグシートの樹脂を金属孔部に充填して硬化させることにより埋設成形される。以降は、一般のプリント配線板の製造工程と同様の工程を経て製造される。このようにして製造された金属芯基板は、一般のガラスエポキシ多層プリント配線板と比較すると、基板の機械的強度および弾性率が極めて高いため寸法安定性に優れ、重量部品の搭載に十分に耐え得る。また、熱伝導率が230w/mkと大きいため熱放散性に優れており、熱を大量に発生する電子回路を搭載する際に用いられる。
【0003】
また、アルミニウム芯材と有機絶縁層との接着力を強化するために、例えば特開平6−152089号公報では、図13に示すような金属芯基板構造が提案されている。すなわち、アルミニウムよりなる金属芯材20上に、この金属芯材20を保護するための保護用金属めっき層であるニッケル層21、さらに接着力強化用金属酸化物層である黒化処理された銅層22を介して、有機絶縁層であるエポキシプリプレグ層23を形成した構造である。なお、図中、24はエポキシプリプレグ層23上に形成された銅配線層、25は銅配線層24上に形成され銅配線層24の酸化を防止するはんだ層、26はエポキシプリプレグ上23上に形成されたソルダーレジスト層、27はスルーホールをそれぞれ示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアルミニウム芯材を用いた金属芯基板では、アルミニウムの熱膨張係数が24ppm/℃と大きいが、基板上に搭載されるシリコン半導体素子またはセラミックスからなる電子回路は熱膨張率が小さい。また、金属芯基板は高弾性率であるため、熱膨張率の異なる材料を接合する場合、接合面に大きな熱応力がかかる。このため、プリント配線板の信頼性試験規格MIL(Military Specifications and Standards)の冷熱衝撃試験(−65℃の低温下に15分間、125℃の高温下に15分間放置する操作を1サイクルとする)を実施すると、金属芯基板と表面実装部品のはんだ接合部にストレスを生じ、基板のパットとはんだ間、または実装部品とはんだ間にクラックが生じるという問題があった。例えば、熱膨張係数が7ppm/℃のCBGA表面実装部品をアルミニウムを芯材とする金属芯基板に実装し、上記の冷熱衝撃試験を実施した結果、はんだ接合信頼性は22サイクルと非常に低く、CBGAの金属芯基板への実装は現状ではほとんど不可能である。また、プラスチック表面実装部品を実装する場合も同様に、上記の冷熱衝撃試験において、ピン数の増加に伴い、はんだ接合信頼性が著しく低下するため、プラスチック表面実装部品の使用が大幅に限定されていた。
【0005】
さらに、アルミニウム芯材を用いた金属芯基板は、前述の熱膨張係数の不整合、高弾性率であるために生じる熱歪の増加の理由により、アルミニウムと有機絶縁層、あるいはアルミニウム孔部におけるアルミニウムと充填樹脂との剥離等が発生し、基板の絶縁性低下を招くという問題があった。特に、金属芯材の厚さが厚くなると、スルーホールと孔部充填樹脂の剥離が生じたり、スルーホール部分にバレルクラックが発生し、スルーホール接続信頼性が低下するという問題があった。スルーホール部のバレルクラックの改善策として、スルーホール内の銅めっきを厚く施すことが有効であるが、銅めっき厚を増加すると基板重量の増加やファインパターンの形成が困難になるという問題が生じる。
一方、芯材としてセラミックスを用いた基板の場合、セラミックスの熱膨張係数が7ppm/℃と小さい為、急激な熱膨張は起こらないが、セラミックス材料はドリル加工等の機械加工性に欠け、基板製造時に直接、貫通穴を明けることができず、機械加工時にクラック、破断を生じるという問題がある。さらに、セラミックスは表面が硬く、有機絶縁層との密着性向上のための適切な表面処理が施し難いという問題があった。
【0006】
また、特開平6−152089号公報にて提示された構造では、ニッケルの抗張力が3%と低いため、製造時のソルダーコート工程の熱ストレスおよびプリント配線板の試験規格のJISまたはMILのはんだ耐熱試験(JIS:はんだ260℃20秒フロート試験/MIL:はんだ288℃10秒フロート試験)において、熱ストレスによりニッケル層にクラックまたは剥離を生じるという欠点がある。さらに、金属酸化物層(黒化処理された銅層)は急激な熱ストレスにおいて、有機絶縁層との密着力が低下し、部分的に剥離を生じるという欠点がある。また、同様の理由により、金属芯基板の芯材として銅を用いた金属芯基板においても、熱歪により金属酸化物層と有機絶縁層間に部分的剥離が発生するという問題点がある。また、熱膨張率の小さなタングステン、モリブデンと銅からなる複合材料基板も考案されているが、この複合材料基板は重量が大きく加工が難しいという問題点がある。このように、従来提案されてきた基板材料は、熱伝導性と熱膨張率両者の条件を満たしたとしても加工性が良くない等の欠点があり、いずれも実用性に乏しいものであった。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、熱放散性に優れ、表面実装部品とのはんだ接合信頼性およびスルーホール接続信頼性が高く、高密度実装が可能な積層配線基板とその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる積層配線基板は、溶融金属を含浸させた炭素成形体からなり相対する一対の主面を有する平板状の芯材と、この芯材の全表面上に設けられ、芯材からの炭素粉末飛散を防止する保護層と、この芯材の両方の主面上に保護層を介して設けられた接着用樹脂層と、少なくとも一方の接着用樹脂層上に設けられ所定の配線パターンが形成された配線層とを備え、芯材表面に凹凸処理が施されているものである。
また、保護層は、エポキシ樹脂からなるものである。
【0009】
また、本発明に係わる積層配線基板の製造方法は、溶融金属を含浸させた炭素成形体からなり相対する一対の主面を有する平板状の芯材を備え、芯材の少なくとも一方の主面上に保護層と接着用樹脂層とを介して所定の配線パターンを有する配線層が形成された積層配線基板の製造方法であって、芯材にスルーホール用の貫通孔を開け、芯材表面に凹凸処理を施す第1の工程、芯材の両主面、側面および貫通孔内面上にエポキシ樹脂からなる保護層を形成する第2の工程、芯材の貫通孔内部に孔部充填用樹脂を充填する第3の工程、芯材の両主面上に保護層を介して接着用樹脂層となる接着用プリプレグと銅箔を重ねて加熱加圧成形する第4の工程、芯材の少なくとも一方の主面上の銅箔をパターニングして所定の配線パターンを有する配線層を形成する第5の工程を含んで製造するものである。
【0010】
また、第1の工程において、凹凸処理としてサンドブラスト処理を施すものである。
さらに、第3の工程において、孔部充填用樹脂として、エポキシ樹脂をタルク、シリカおよびマイカのいずれかを含有するガラスクロスに塗布含浸させた高耐熱/低熱膨張のエポキシプリプレグを用い、エポキシプリプレグを芯材の両方の主面上に重ねて真空プレスにて加熱加圧成形し、貫通孔内部にエポキシ樹脂を充填するものである。
また、第3の工程において、孔部充填用樹脂として、アルミナまたは窒化アルミニウムの粉末が混入された高熱伝導/低熱膨張のエポキシ樹脂を用い、貫通孔径と同径の開口部を有するメタルマスクを印刷機に取り付け、スクリーン印刷により貫通孔内部にエポキシ樹脂を充填するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における多層配線組立であるカーボンアルミニウム多層プリント配線板を示す断面図、図2は図1に示すカーボンアルミニウム多層プリント配線板を構成している積層配線基板を示す断面図である。
本実施の形態における積層配線基板10は、図2に示すように、その中心にカーボンアルミニウムからなる芯材1が埋め込まれている。カーボンアルミニウムは、炭素成形体に溶融アルミニウムを含浸させたもので、軽量、低熱膨張(熱膨張係数5〜8ppm/℃)、高熱伝導というカーボンとアルミニウムの両方の特長を併せ持っている。また、芯材1は、相対する一対の主面1a、1bとこれらの主面1a、1bを繋ぐ側面1cとを有する平板状である。さらに、芯材1には、スルーホール径よりも径の大きいスルーホール用の貫通孔1dが形成されている。この芯材1の全表面上、すなわち両主面1a、1b、側面1cおよび貫通孔1d内面上は、保護層である厚さ10〜20μmのポリマーコート2で覆われている。このポリマーコート2は、マスキング用エポキシ樹脂よりなり、孔部充填用樹脂3との接着力強化および芯材1からの炭素粉末飛散防止の役目を担っている。炭素の黒鉛は導電性であり、飛散することにより絶縁低下を引き起こす可能性があるため、ポリマーコート2により覆う必要がある。さらに、芯材1の貫通孔1dには孔部充填用樹脂3が充填され、本実施の形態では芯材1の全表面が孔部充填用樹脂3にて埋設されている。本実施の形態では、孔部充填用樹脂3として、エポキシ樹脂をタルク、シリカおよびマイカのいずれかを含有するガラスクロスに塗布含浸させた高耐熱/低熱膨張のエポキシプリプレグを用いている。また、孔部充填樹脂3上には、接着用樹脂層である低熱膨張の接着用プリプレグ4が配置されている。さらに、芯材1の少なくとも一方の主面、図2では主面1b上に、保護層2、孔部充填用樹脂3および接着用プリプレグ4を介して、銅箔に所定の配線パターン5aが形成された配線層5が配置され、片面配線層の積層配線基板10を構成している。
【0012】
次に、本実施の形態におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板100(以下、カーボンアルミ多層板100と略す)の構造について図1を用いて説明する。カーボンアルミ多層板100は、片面配線層の積層配線基板10(図2)を2枚準備し、各積層配線基板10の各配線層(第1配線層)5が互いに対向するようにして配置し、それら2枚の間に少なくとも1枚の両面銅張積層板6と、積層配線基板10と両面銅張積層板6間または両面銅張積層板6相互間を接着する第2の接着用樹脂層である接着用プリプレグ4を配置したものである。なお、本実施の形態では、両面銅張積層板6を2枚、接着用プリプレグ4を3枚用いているが、これらの枚数はカーボンアルミ多層板100の用途や目的、基板厚さおよび重量等の制限に応じて適宜決定すればよい。また、銅張積層板は、プリント配線板用基板として一般的に用いられるもので、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を合成繊維布やガラス布等の基材に塗布含浸、乾燥させたプリプレグを積み重ね、銅箔を片面あるいは両面に配置してプレスで加工・加熱して製造されるもので、広く市販されている。本実施の形態では、低熱膨張/高耐熱樹脂からなる市販の両面銅張積層板にパターニングを行い、積層板6bの両面に所定の配線層(第2配線層)6aを有する両面銅張積層板6を形成した。また、カーボンアルミ多層板100の外層には、銅箔に所定の配線パターン9aが形成された配線層(第3配線層)9が配置され、両面配線層のカーボンアルミ多層板100を構成している。さらに、カーボンアルミ多層板100には、積層配線基板10の第1、第3配線層5、9および両面銅張積層板6の第2配線層6aを電気的に接続するスルーホール7が設けられており、その内面には銅めっき層8が形成されている。なお、芯材1には、スルーホール7部にスルーホール径よりも径の大きいスルーホール用の貫通孔1dが設けられており、この貫通孔1dの内面にポリマーコート2および孔部充填用樹脂3を介してスルーホール7内面となる銅めっき層8が形成されている。
【0013】
次に、本実施の形態における積層配線基板10を含むカーボンアルミ多層板100の製造方法について、図3を用いて説明する。まず、図3(a)に示すように、カーボンアルミニウムからなる平板状の芯材1にスルーホール用の貫通孔1dを開ける。芯材1としては、例えば先端材料(株)製のSZ200またはSZ300を用い、NC穴開け機で超鋼ドリルを用い、スルーホール径より大きい指定の孔径に準じ穴開けを行う。次に、ポリマーコート2との接着力強化のために芯材1表面に凹凸処理であるサンドブラスト処理を施し、表面粗さを約20μmとする。表面粗さが10μm以下の場合は、接着力が低下するため好ましくなく、また、サンドブラストをかけすぎると貫通孔1d部の欠け、破損を生じるため、表面粗さが20μmの状態が適当である。
次に、超音波洗浄を5分行い、芯材1に付着した炭素粉末を除去する。乾燥器にて130℃で30分間乾燥させ、室温冷却後、図3(b)に示すように、芯材1の全表面上、すなわち両方の主面1a、1b、側面1cおよび貫通孔1d内面上にマスキング用エポキシ樹脂(品名FR−4)をコーティングして、孔部充填用樹脂3との接着力強化および芯材1からの炭素粉末飛散防止のための保護層である厚さ10〜20μmのポリマーコート2を形成する。ポリマーコート2の厚さは、20μm以上になると貫通孔1dにポリマーコート樹脂が詰まる可能性があり好ましくない。また、膜厚内にボイド発生の傾向もあり、好ましくない。その後130℃〜140℃の乾燥器にて1時間硬化させる。この硬化条件ではポリマーコート2がアンダー硬化状態となり、これより高温で硬化した場合、成形歪みが大きくなり孔部充填用樹脂3との接着力が低下するため好ましくない。
【0014】
続いて、図3(c)に示すように、芯材1の貫通孔1d内部に孔部充填用樹脂3を充填するために、芯材1の両主面1a、1b上に孔部充填用のエポキシプリプレグ(例えば三菱ガス化製フィラー入りプリプレグGEPL−190LOH)と銅箔17を重ね、真空プレスで180℃の加熱加圧成形を行い、貫通孔1d内部に孔部充填用樹脂3を充填し硬化する。なお、孔部充填用樹脂3としては、エポキシ樹脂をタルク、シリカおよびマイカのいずれかを含有するガラスクロスに塗布含浸させた高耐熱/低熱膨張のエポキシプリプレグを用いる。ガラスクロスは、ガラス糸を平織、あや織、しゅす織等にしたもので、プリント配線板材料や耐熱薄膜絶縁材料として広く用いられている。また、本実施の形態のように、エポキシプリプレグを用いて加熱加圧成形を行い貫通孔1dに孔部充填用樹脂3を充填する場合には、貫通孔1d部のみならず、芯材1の主面1a、1dおよび側面1c上にも孔部充填用樹脂3が形成され、芯材1全体が埋設された状態となる。その後、貫通孔1d部の凹みを平滑化するために、銅箔17をエッチングし、乾燥器にて130℃で30分間乾燥させ、室温で冷却する。
【0015】
次に、図3(d)に示すように、芯材1の両方の主面1a、1b上にポリマーコート2および孔部充填用樹脂3を介して低熱膨張の接着用プリプレグ4(例えば日立化成製679LD)と銅箔5bを重ね合わせ、真空プレスで180℃の加熱加圧成形を行う。なお、これにより貫通孔1d部は平滑化され、凹みは10μm以下となる。さらに、マスクフィルムの位置合わせの為のフィルム合せ穴(図示せず)をNC穴明け機にて形成する。その後、バブ研磨または化学研磨を行った両側の銅箔5b表面をレジスト(例えばデュポンMRC製38μmドライフィルムレジスト)でラミネートする。カーボンアルミ多層板100の内層側となる主面1b側の銅箔5bには、所定のネガマスクフィルムを先のフィルム位置合わせ穴にて位置合わせし露光する。また、外層側となる主面1a側の銅箔5bには透明フィルムを載せ全面露光をする。その後、現像、銅エッチングを行い、所定の配線パターン5aを有する第1配線層5を片側のみに形成する。以上の工程により、図2に示す片面配線層の積層配線基板10が得られる。
【0016】
続いて、上記の工程で得られた片面配線層の積層配線基板10を2枚準備し、これらの2枚の積層配線基板10の各第1配線層5が互いに対向するようにして配置する。これら2枚の積層配線基板10の間に低熱膨張の両面銅張積層板6と接着用プリプレグ4を交互に所定の枚数重ねて金型に設置した後、基準穴とピンで位置決めし、さらに積層配線基板10の両方の外層側に銅箔を重ね、真空プレスで180℃の加熱加圧成形を行う。なお、2枚の積層配線基板10としては、必要とされる強度や全体としての基板の厚さに制限がある場合、それらを考慮して芯材1の厚さの異なるものを用いてもよい。例えば図1では、芯材1の厚さが1.0mmのもの(上側)と0.8mmのもの(下側)を用いている。両面銅張積層板6(例えば日立化成製679LD)には、バブ研磨または化学研磨を実施した後、前述の38μmドライフィルムレジストでラミネートし、所定のマスクフィルムを合せ、露光、現像、銅エッチングを行い、積層板6bの両面に所定の配線パターンの第2配線層6aが形成されている。なお、本実施の形態では両面銅張積層板6を用いているが、場合によっては片面のみに配線パターンが形成された片面銅張積層板を用いてもよい。また、接着用プリプレグ4としては、芯材埋設成形体10に用いたものと同じ低熱膨張の接着用プリプレグ(例えば日立化成製679LD)が用いられる。
次に、貫通孔1dの中心部に、NC穴開け機で貫通孔1dより小径のスルーホール用貫通孔を開けスルーホール7を形成し、スルーホール7内面に銅めっきを施す。最後に、積層配線基板10の外層に配置された銅箔を研磨後、ドライフィルムレジストをラミネートし、マスクフィルムを位置合わせして露光、現像、銅エッチングによるパターニングを行い所定の配線パターン9aを有する第3配線層9を形成する。以上の工程を経て、図1に示すカーボンアルミ多層板100が完成する。
【0017】
本実施の形態によれば、芯材1として低熱膨張(熱膨張係数5〜8ppm/℃)で高熱伝導のカーボンアルミニウムを用いたことにより、低熱膨張で熱放散性に優れた積層配線基板10およびカーボンアルミ多層板100が得られる。なお、一般の多層プリント配線板の熱膨張係数は15〜17ppm、従来の金属芯基板の芯材として広く用いられているアルミニウムの熱膨張係数は24ppmである。
本実施の形態にて製造されたカーボンアルミ多層板100と、従来のアルミニウムを芯材とする金属芯基板に、それぞれセラミック表面実装部品の304ピンCBGAおよびプラスチック表面実装部品の352ピンPBGAを実装し、プリント配線板試験規格の冷熱衝撃試験(−65℃の低温下に15分間、125℃の高温下に15分間放置する操作を1サイクルとする)を実施し導通抵抗の連続測定を行った。その結果、従来の金属芯基板に実装されたCBGAのはんだ接合部は22サイクルで破断し、はんだ接合信頼性が非常に低いことが明らかになった。一方、本実施の形態によるカーボンアルミ多層板100に実装されたCBGAおよびPBGAは1000サイクル後でも導通抵抗に異常はなく、表面実装部品のはんだ接合信頼性が極めて高いことが検証された。また、本実施の形態におけるカーボンアルミ多層板100は、孔部充填用樹脂3として、エポキシ樹脂をタルク、シリカおよびマイカのいずれかを含有するガラスクロスに塗布含浸させた高耐熱/低熱膨張のエポキシプリプレグを用いているので、低熱膨張で強度に優れており、高いスルーホール接続信頼性が得られた。
【0018】
また、本実施の形態では、芯材1であるカーボンアルミニウムを埋設成形しているため、複合材となり、カーボンアルミニウムの強度強化が図られる。さらに、芯材1であるカーボンアルミニウム表面に凹凸処理としてサンドブラスト処理を施すことにより、芯材1を適度な表面粗さに加工することが容易かつ低コストで行え、ポリマーコート2との接着力が強化される。例えば、引張試験機で接着強度を測定した結果、未処理の場合100g/cmであるのに対し、処理品は700g/cmであり、接着強度の大幅な向上が得られた。また、芯材1をポリマーコート2でコーティングすることにより、芯材1からの炭素粉末飛散による絶縁性低下を防止するとともに孔部充填用樹脂3との接着力が強化される。これにより、積層配線基板10の熱膨張係数がカーボンアルミニウムの熱膨張係数に近づくため、基板全体としての低熱膨張化が図られる。また、2枚の積層配線基板10の間に両面銅張積層板6と接着用プリプレグ4を挟み込むように配置して多層化することにより、全体としての熱膨張係数が積層配線基板10の熱膨張係数に近づいて整合化され熱歪みの少ないカーボンアルミ多層板100が得られる。さらに、機械的強度が増し、クラックが発生し難く耐振動性も向上する。また、第6の工程における加熱加圧成形の際に積層配線基板10の外層に配置された銅箔をパターニングして配線層9を得ることにより、後述の実施の形態5に記す銅めっきにより配線層を得る方法よりも工程が簡略であり、製造コストの低いカーボンアルミ多層板100が得られる。
【0019】
実施の形態2.
前記実施の形態1では、2枚の積層配線基板10の間に所定枚数の両面銅張積層板6を配置し、積層配線基板10と両面銅張積層板6間または両面銅張積層板6相互間を接着用プリプレグ4で接着したカーボンアルミ多層板100(図1)を示した。しかしながら、積層配線基板10、両面銅張積層板6の配置の組み合わせはこれに限定されるものではなく、他にも様々なものが考えられる。本実施の形態では、1枚の積層配線基板10を用い、その片側に少なくとも1枚の銅張積層板を重ねて配置し、積層配線基板と銅張積層板間または銅張積層板相互間を接着用プリプレグで接着したカーボンアルミ多層板(図示せず)について説明する。
本実施の形態におけるカーボンアルミ多層板の製造方法について簡単に説明する。なお、積層配線基板の製造方法については、前記実施の形態1と同様であるので省略する。片面配線層の積層配線基板を1枚準備し、この積層配線基板の第1配線層側に低熱膨張の接着用プリプレグと第2配線層を有する両面銅張積層板を交互に所定の枚数重ね最上層に接着用プリプレグを配置して金型に設置した後、基準穴とピンで位置決めし、さらに積層配線基板の外層側および最上層の接着用プリプレグの外層側に銅箔を重ね、真空プレスで180℃の加熱加圧成形を行う。次に、貫通孔の中心部に、NC穴開け機で貫通孔より小径のスルーホール用貫通孔を開けスルーホールを形成し、スルーホール内面に銅めっきを施す。最後に、外層に配置された銅箔を研磨後、ドライフィルムレジストをラミネートし、マスクフィルムを位置合わせして露光、現像、銅エッチングによるパターニングを行い所定の配線パターンを有する第3配線層を形成する。以上の工程を経て、1枚の積層配線基板と所定枚数の両面銅張積層板が重ね合わされたカーボンアルミ多層板が完成する。
本実施の形態によれば、低熱膨張で熱放散性に優れ、前記実施の形態1よりも薄型のカーボンアルミ多層板が容易に得られる。なお、本実施の形態では、積層配線板の片面のみに銅張積層板を配置したが両面に配置することも可能である。
【0020】
参考例1.
前述の実施の形態1では、カーボンアルミ多層板100の製造方法の第2の工程において、カーボンアルミニウムよりなる芯材1の全表面上に、保護層としてマスキング用エポキシ樹脂をコーティングし、厚さ10〜20μmのポリマーコート2を形成した(図3(b))。本参考例では、芯材1の保護層として、ポリマーコート2の代わりに、パラジウムを触媒とした無電解銅めっきにより、厚さ10〜20μmの銅めっき層11を形成した(図4)。さらに、銅めっき層11表面に凹凸処理であるサンドブラスト処理を施すことにより、銅めっき層11を適度な表面粗さに加工した。一般に、銅めっき層11の下地めっきとしてニッケルめっきを施すことが考えられるが、ニッケルめっきは抗張力が3%と低い為、プリント配線板の製造工程(ソルダーコート時)や、はんだ耐熱試験において、熱ストレスによりクラックが発生することがあり好ましくない。よって、本参考例ではニッケルめっきは施さない。一方、銅の抗張力は15%あり、上記のプリント配線板製造工程およびはんだ耐熱試験においてクラック等の問題は生じない。なお、その他の構造および製造工程については前記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
本参考例によれば、芯材1の保護層として銅めっき層11を採用することにより、芯材1からの炭素粉末飛散防止および芯材1の強度強化が図られる。さらに、銅めっき層11表面にサンドブラスト処理を施すことにより、銅めっき層11を適度な表面粗さに加工することが容易に且つ低コストで行え、孔部充填用樹脂3との接着力強化が図られる。また、銅めっき層11が導電性であることから、芯材1であるカーボンアルミニウムへの電気的接続が可能となる。
【0021】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3における積層配線基板の製造方法を示す断面図である。図中、同一、相当部分には同一符号を付している。
本実施の形態における積層配線基板10aの製造方法について、図5を用いて説明する。なお、芯材1にスルーホール用の貫通孔を開け、芯材1表面に凹凸処理を施した後、芯材1の両主面1a、1bおよび貫通孔1d内面上に保護層を形成する工程までは前記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。芯材1の保護層としては、ポリマーコート2を用いる。
まず、孔部充填用樹脂3aとして、アルミナまたは窒化アルミニウムの粉末(あるいは粉砕品)が混入された高熱伝導/低熱膨張のエポキシ樹脂を用意する。続いて、貫通孔1d形成後、表面処理が施されたカーボンアルミニウムよりなる芯材1を離型フィルム12の上に設置する。また、貫通孔1d径と同径の開口部13aを有するメタルマスク13を印刷機(図示せず)に取り付ける(図5(a))。次に、スクリーン印刷により貫通孔1d内部に孔部充填用樹脂3aを充填する(図5(b))。その後、芯材1の両主面1a、1b上に保護層2(または11)を介して低熱膨張の接着用プリプレグ4(例えば日立化成製679LD)と銅箔5bを重ねて真空プレスで180℃の加熱加圧成形を行う(図5(c))。その後の工程については、前記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0022】
なお、本実施の形態において、メタルマスク13の代わりにテトロン製版を使用すると、印刷後、製版を引き離す際に、芯材1の貫通孔1dに充填されていた孔部埋設用樹脂3aが製版に再度付着し、貫通孔1dから除去されてしまうため好ましくない。また、孔部充填用樹脂3aとしてアルミナまたは窒化アルミニウムの粉末(あるいは粉砕品)を重量比で80〜90%含有するワニスを調整して用いるが、これらの含有比率が低いと熱伝導性が低くなるため好ましくない。また、孔部充填用樹脂3aの粘度は500〜1000ポイズが適当であり、これより粘度が低いと芯材1の貫通孔1dから流れ出てしまい、これより粘度が高いと貫通孔1d内部に充填塗布できない。また、メタルマスク13の開口部13aの径は芯材1の貫通孔1dの径と同径にすることが望ましい。メタルマスク13の開口部13a径が小さいと貫通孔1dに孔部充填用樹脂3aが十分に充填できない。一方、開口部13a径が貫通孔1dの径より大きい場合は、孔部充填用樹脂3aが芯材1の主面1a側の表面に付着してしまうため、好ましくない。
本実施の形態において得られる積層配線基板10a(図5(c))は、孔部充填用樹脂3aをメタルマスク13を用いたスクリーン印刷により貫通孔1d内部のみに充填しているため、前記実施の形態1で得られる積層配線基板10(図3(d))と比較して板厚の薄型化が図られる。このため、基板製造工程時における銅めっき付きまわり性が向上する。また孔部充填用樹脂3aとして高熱伝導樹脂を用いているため熱伝導性、熱放散性に優れている。
【0023】
参考例2.
前記実施の形態1では、カーボンアルミ多層板100の外層の第3配線層9は銅箔より形成されていた。本参考例では、外層の第3配線層18をスルーホール7内面と同様に銅めっきにより形成するものである。スルーホール接続信頼性を確保するためにはスルーホール7内面の銅めっきは十分な厚みが必要であるが、一方、外層の配線パターンのファイン化のためには、第3配線層18の銅めっきは薄い方が望ましい。また、カーボンアルミ多層板100の基板厚は3〜4mmと厚く、スルーホール7内面への銅めっき付きまわり性が悪いため、特に十分な銅めっきを施す必要がある。そこで、本参考例では、まずスルーホール7内面のみに銅めっきを施し、その後、外層の第3配線層18を必要最小限のめっき厚で形成することにより、外層の配線パターンのファイン化を実現するものである。
【0024】
本参考例におけるカーボンアルミ多層配線板100aの製造方法を図6〜図12を用いて説明する。図6〜図11において、それぞれ(a)は各製造工程におけるカーボンアルミ多層板100aの一部を示す上面図、(b)は(a)中のB−Bで切断した部分断面図である。なお、図中、14aはカーボンアルミ多層板100aとして有効な基板製造加工領域、14bは製造の過程で切断される捨て板領域を示している。
まず、前記実施の形態1で説明したものと同様な片面配線層の積層配線基板を2枚準備し、各配線層(第1配線層)が互いに対向するようにして配置する。これら2枚の積層配線基板の間に、第2配線層を有する低熱膨張の両面銅張積層板と接着用プリプレグを交互に所定の枚数重ねて金型に設置して位置決めし、真空プレスで180℃の加熱加圧成形を行う。前記実施の形態1と異なるのは、積層配線基板の外層側に銅箔を重ねていないことである。なお、図6〜図11では省略しているが、芯材1表面にはポリマーコートからなる保護層が形成されている。また、孔部充填用樹脂としては、前記実施の形態1で用いられたエポキシプリプレグまたは前記実施の形態3で用いられたエポキシ樹脂のどちらを用いてもよい。
【0025】
このようにして得られたカーボンアルミ多層板100aにスルーホール用貫通孔7aを開けた後、下地形成のために薄付けのパネル銅めっきを施し、全体に薄い銅めっき層(図示せず)を形成する(図6)。表面を研磨後、基板両面に50μmドライフィルムレジスト15をラミネートし、マスクフィルム(図示せず)としてスルーホール用貫通孔7a部と捨て板領域14bに開口部を有するポジフィルムを使用し、ドライフィルムレジスト15を露光、現像する(図7)。次に、スルーホール銅めっきを施し、スルーホール7内面に銅めっき層16を形成し、同時に捨て板領域14bにも銅めっき層16bを形成する(図8)。その後、ドライフィルムレジスト15を剥離工程にて除去する(図9)。続いて、薄付けの銅めっきを施し、基板製造加工領域14aおよびスルーホール7入り口部を銅めっきで被う。これにより、導体層となる銅めっき層16aが形成される(図10)。最後に、捨て板領域14bを切断除去する(図11)。その後、基板両面の基板製造加工領域14aに形成された銅めっき層16a上にドライフィルムレジストをラミネートし、マスクフィルム(図示せず)を位置合わせして露光、現像、銅エッチングによるパターニングを行い所定の配線パターンを形成することにより、両側の外層に銅めっき層16aよりなる第3配線層18を有するカーボンアルミ多層板100aが完成する(図12)。
【0026】
以上の製造工程において、例えばスルーホール用貫通孔7a内面のみにスルーホール銅めっきを施すようにすると、銅めっき面積が極度に少ないため、銅めっき時に電流集中が起こり、銅めっき焼けを生じるという問題が発生する。この銅めっき焼けを防止するために、本参考例では、基板製造加工領域14a外の捨て板領域14bにも銅めっきを施した。これにより、銅めっき焼けが発生せず、良好な銅めっき層16が得られた。また、スルーホール銅めっきを施す際に用いられるマスクフィルムの開口部径は、スルーホール径と同径にすることが望ましい。スルーホール径より大きい場合、スルーホール7以外に銅めっきが析出し、スルーホール径より小さい場合、銅めっきの析出効率が低下するため、いずれも好ましくない。
本参考例にて製造されたカーボンアルミ多層板100aに前述のプリント配線板規格の冷熱衝撃試験を実施した結果、1000サイクル後においても異常が発生しなかった。以上のことから、本参考例においても、表面実装部品とのはんだ接合信頼性、スルーホール接続信頼性が高く、さらに薄付けの銅めっき層16aからなる配線層18を有するため配線パターンのファイン化が図られ、高密度実装が可能なカーボンアルミ多層板100aが得られる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、芯材として溶融金属を含浸させた炭素成形体を用い、芯材表面に凹凸処理を施し、この芯材の全表面上に芯材からの炭素粉末飛散を防止する保護層を設けたので、芯材と保護層との接着力強化が図られ、従来の金属芯よりも低熱膨張であり、表面実装部品との熱膨張係数の不整合により生じる熱歪みが小さく、表面実装部品とのはんだ接合信頼性、熱放散性およびスルーホール接続信頼性に優れ、高密度実装が可能な積層配線基板が得られる。
【0028】
また、凹凸処理としてサンドブラスト処理を行うことにより、芯材を適度な表面粗さに加工することが容易に且つ低コストで行える。
【0029】
また、孔部充填用樹脂として、エポキシ樹脂をタルク、シリカおよびマイカのいずれかを含有するガラスクロスに塗布含浸させた高耐熱/低熱膨張のエポキシプリプレグを用いることにより、低熱膨張で強度に優れ、スルーホール接続信頼性の高い積層配線基板が得られる。
【0030】
また、孔部充填用樹脂として、アルミナまたは窒化アルミニウムの粉末が混入された高熱伝導/低熱膨張のエポキシ樹脂を用い、スクリーン印刷により貫通孔内部にエポキシ樹脂を充填することにより、板厚が薄く、低熱膨張で熱伝導性、熱放散性に優れた積層配線基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1であるカーボンアルミニウム多層プリント配線板を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1である芯材埋設成形体を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における芯材埋設成形体の製造方法を示す断面図である。
【図4】 本発明の参考例1における芯材埋設成形体の製造方法を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態3における芯材埋設成形体の製造方法を示す断面図である。
【図6】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す上面図および部分断面図である。
【図7】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す上面図および部分断面図である。
【図8】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す上面図および部分断面図である。
【図9】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す上面図および部分断面図である。
【図10】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す上面図および部分断面図である。
【図11】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す上面図および部分断面図である。
【図12】 本発明の参考例2におけるカーボンアルミニウム多層プリント配線板の製造方法を示す部分断面図である。
【図13】 従来の金属芯基板の構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カーボンアルミニウム芯材、1a、1b 主面、1c 側面、1d 貫通孔、2 ポリマーコート、3、3a 孔部充填用樹脂、4 接着用プリプレグ、5 第1配線層、5a 配線パターン、5b 銅箔、6 両面銅張積層板、
6a 第2配線層、6b 積層板、7 スルーホール、7a スルーホール用貫通孔、8 銅めっき層、9、18 第3配線層、9a 配線パターン、
10、10a 芯材埋設成型体、11 銅めっき層、12 離型フィルム、
13 メタルマスク、13a 開口部、14a 基板製造加工領域、14b 捨て板領域、15 ドライフィルムレジスト、16、16a、16b 銅めっき層、17 銅箔、20 アルミニウム芯材、21 ニッケル層、22 黒化処理された銅層、23 エポキシプリプレグ層、24 銅配線層、25 はんだ層、
26 ソルダーレジスト層、27 スルーホール、100、100a カーボンアルミニウム多層プリント配線板。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a multilayer wiring board having excellent heat dissipation and high-density mounting, andThatIt relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the demand for higher functionality and higher speed of electronic devices, mounting components have been trending to have more pins, and mounting components are mounted in CBGA (Ceramic Ball Grid Array), FBGA (Fine pitch Ball Grid Array), etc. Multilayer wiring boards and multilayer wiring assemblies that play an important role in their performance and connection reliability. As the multilayer wiring board, there are known those having an organic insulating material as a core material, those having an inorganic insulating material such as ceramic as a core material, and metal core substrates having a metal material as a core material.
The metal core substrate has an insulating layer on both sides of a metal core material having a through hole, and further has a wiring layer on the outer side thereof, and is excellent in heat dissipation and mechanical strength. Aluminum (Al) is widely used as a metal core because it is lightweight and excellent in mechanical strength and heat dissipation. The conventional metal core substrate is roughened by a physical method such as buffing in order to make a through hole with a hole larger than the through hole diameter in the aluminum core material and to provide adhesion with the hole filling resin. Alternatively, after the alumite sulfate treatment, a prepreg impregnated with a glass woven fabric with resin is impregnated on both sides as an insulating layer, and a conductor layer such as copper foil is further superimposed on the surface and heat-press molded, The prepreg sheet is embedded and molded by filling the resin into the metal holes and curing. Thereafter, it is manufactured through the same process as that of a general printed wiring board. Compared to general glass epoxy multilayer printed wiring boards, the metal core substrate manufactured in this way has excellent dimensional stability due to the extremely high mechanical strength and elastic modulus of the substrate, and is sufficiently resistant to mounting heavy components. obtain. Moreover, since heat conductivity is as large as 230 w / mk, it is excellent in heat dissipation, and is used when mounting an electronic circuit that generates a large amount of heat.
[0003]
In order to reinforce the adhesive force between the aluminum core material and the organic insulating layer, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 6-152089 proposes a metal core substrate structure as shown in FIG. That is, on the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in a metal core substrate using a conventional aluminum core material, the thermal expansion coefficient of aluminum is as high as 24 ppm / ° C., but an electronic circuit made of silicon semiconductor elements or ceramics mounted on the substrate has a small coefficient of thermal expansion. Further, since the metal core substrate has a high elastic modulus, when joining materials having different thermal expansion coefficients, a large thermal stress is applied to the joining surfaces. For this reason, the thermal shock test of the reliability test standard MIL (Military Specifications and Standards) of printed wiring boards (the operation of leaving it at a low temperature of −65 ° C. for 15 minutes and a high temperature of 125 ° C. for 15 minutes is one cycle) However, there is a problem that a stress is generated in the solder joint between the metal core substrate and the surface mounting component, and a crack is generated between the pad and the solder of the substrate or between the mounting component and the solder. For example, as a result of mounting a CBGA surface mount component with a thermal expansion coefficient of 7 ppm / ° C. on a metal core substrate with aluminum as a core material and performing the above thermal shock test, the solder joint reliability is very low at 22 cycles. Mounting CBGA onto a metal core substrate is almost impossible at present. Similarly, when mounting plastic surface-mounted components, the use of plastic surface-mounted components is greatly limited in the above thermal shock test, as the number of pins increases and solder joint reliability decreases significantly. It was.
[0005]
Furthermore, the metal core substrate using the aluminum core material has aluminum and an organic insulating layer or aluminum in the aluminum hole due to the above-described mismatch of thermal expansion coefficients and the increase in thermal strain caused by the high elastic modulus. There is a problem in that peeling between the resin and the filling resin occurs and the insulating property of the substrate is lowered. In particular, when the thickness of the metal core is increased, there is a problem in that the through hole and the hole filling resin are peeled off, or a barrel crack is generated in the through hole, thereby reducing the through hole connection reliability. As a measure to improve barrel cracks in the through hole, it is effective to apply a thick copper plating in the through hole. However, increasing the copper plating thickness causes the problem that the substrate weight increases and the formation of fine patterns becomes difficult. .
On the other hand, in the case of a substrate using ceramics as a core material, since the thermal expansion coefficient of ceramics is as small as 7 ppm / ° C, rapid thermal expansion does not occur, but ceramic materials lack mechanical workability such as drilling, and substrate manufacturing Sometimes there is a problem that the through-hole cannot be directly drilled and cracks and breaks occur during machining. Furthermore, ceramics have a hard surface, and there is a problem that it is difficult to perform an appropriate surface treatment for improving adhesion to the organic insulating layer.
[0006]
Further, in the structure presented in Japanese Patent Laid-Open No. 6-152089, the tensile strength of nickel is as low as 3%. Therefore, the heat stress in the solder coating process at the time of manufacture and the soldering heat resistance of JIS or MIL as a test standard for printed wiring boards. In the test (JIS: solder 260 ° C., 20 seconds float test / MIL: solder 288 ° C., 10 seconds float test), there is a defect that cracks or peeling occurs in the nickel layer due to thermal stress. Furthermore, the metal oxide layer (blackened copper layer) has a drawback in that the adhesion with the organic insulating layer is reduced due to a rapid thermal stress, resulting in partial peeling. For the same reason, a metal core substrate using copper as the core material of the metal core substrate also has a problem that partial peeling occurs between the metal oxide layer and the organic insulating layer due to thermal strain. Also, a composite material substrate made of tungsten, molybdenum and copper having a small coefficient of thermal expansion has been devised, but this composite material substrate has a problem that it is heavy and difficult to process. Thus, the conventionally proposed substrate materials have drawbacks such as poor workability even if both the thermal conductivity and the coefficient of thermal expansion are satisfied, all of which have poor practicality.
[0007]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and has excellent heat dissipation, high reliability of solder joints with surface mount components and high reliability of through-hole connection, and enables high-density mounting. With multilayer wiring boardThatAn object is to provide a manufacturing method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The multilayer wiring board according to the present invention is, MeltA flat core material having a pair of opposed main surfaces made of a carbon molded body impregnated with molten metal, and a protective layer provided on the entire surface of the core material to prevent carbon powder from scattering from the core material. An adhesive resin layer provided on both main surfaces of the core member via a protective layer, and a wiring layer provided on at least one adhesive resin layer and having a predetermined wiring pattern formed thereon, The surface of the core material is subjected to an unevenness treatment.
The protective layer is made of an epoxy resin.The
[0009]
In addition, a method for manufacturing a laminated wiring board according to the present invention includes a flat core material having a pair of opposing main surfaces made of a carbon molded body impregnated with a molten metal, on at least one main surface of the core material. A method of manufacturing a laminated wiring board in which a wiring layer having a predetermined wiring pattern is formed via a protective layer and an adhesive resin layer, wherein a through hole for a through hole is formed in a core material, and the core material surface is formed. A first step of performing unevenness processing, a second step of forming a protective layer made of an epoxy resin on both main surfaces, side surfaces, and inner surfaces of the through holes of the core material, and a hole filling resin inside the through holes of the core material A third step of filling, a fourth step of heating and press-molding an adhesive prepreg and a copper foil, which are to be an adhesive resin layer, on both main surfaces of the core material via a protective layer, and at least one of the core materials A wiring having a predetermined wiring pattern by patterning the copper foil on the main surface of It is intended to produce comprising a fifth step of forming a.
[0010]
In the first step, a sandblast treatment is performed as the unevenness treatment.
Further, in the third step, as the hole filling resin, a high heat resistance / low thermal expansion epoxy prepreg obtained by coating and impregnating a glass cloth containing any of talc, silica and mica with an epoxy resin is used. They are stacked on both main surfaces of the core material and heat-press molded with a vacuum press, and the inside of the through hole is filled with an epoxy resin.
In the third step, a high-heat conductive / low-thermal expansion epoxy resin mixed with alumina or aluminum nitride powder is used as the hole filling resin, and a metal mask having an opening having the same diameter as the through hole is printed. Attached to the machine and filled with epoxy resin inside the through hole by screen printing.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 is a cross-sectional view showing a carbon aluminum multilayer printed wiring board which is a multilayer wiring assembly in
As shown in FIG. 2, the
[0012]
Next, the structure of carbon aluminum multilayer printed wiring board 100 (hereinafter abbreviated as carbon aluminum multilayer board 100) in the present embodiment will be described with reference to FIG. The carbon-
[0013]
Next, the manufacturing method of the carbon
Next, ultrasonic cleaning is performed for 5 minutes, and the carbon powder adhering to the
[0014]
Subsequently, as shown in FIG. 3C, in order to fill the
[0015]
Next, as shown in FIG. 3 (d), a low thermal expansion adhesive prepreg 4 (for example, Hitachi Chemical Co., Ltd.) is disposed on both
[0016]
Subsequently, two
Next, a through
[0017]
According to the present embodiment, by using carbon aluminum having a low thermal expansion (thermal expansion coefficient of 5 to 8 ppm / ° C.) and a high thermal conductivity as the
The ceramic surface mount component 304 pin CBGA and the plastic surface mount component 352 pin PBGA are mounted on the carbon
[0018]
Moreover, in this Embodiment, since the carbon aluminum which is the
[0019]
In the first embodiment, a predetermined number of double-sided copper-clad
A method for manufacturing the carbon aluminum multilayer plate in the present embodiment will be briefly described. The method for manufacturing the multilayer wiring board is the same as that in the first embodiment, and will not be described. A single-layer wiring board having a single-sided wiring layer is prepared, and a predetermined number of double-sided copper-clad laminates having a low thermal expansion adhesive prepreg and a second wiring layer are alternately stacked on the first wiring layer side of the laminated wiring board. After placing the adhesive prepreg on the upper layer and placing it on the mold, position it with the reference holes and pins, and then stack the copper foil on the outer layer side of the laminated wiring board and the outer layer side of the uppermost bonding prepreg, 180 degreeC heat press molding is performed. Next, a through hole for a through hole having a diameter smaller than that of the through hole is formed in the central portion of the through hole with an NC punch, and a through hole is formed on the inner surface of the through hole. Finally, after polishing the copper foil placed on the outer layer, laminating a dry film resist, aligning the mask film, patterning by exposure, development and copper etching to form a third wiring layer having a predetermined wiring pattern To do. Through the above steps, a carbon aluminum multilayer board in which one laminated wiring board and a predetermined number of double-sided copper-clad laminates are overlaid is completed.
According to the present embodiment, it is possible to easily obtain a carbon / aluminum multilayer board that is low in thermal expansion and excellent in heat dissipation and thinner than that in the first embodiment. In the present embodiment, the copper clad laminate is arranged on only one side of the laminated wiring board, but it can be arranged on both sides.
[0020]
Reference Example 1
In the first embodiment described above, in the second step of the method for manufacturing the carbon
According to this reference example, by adopting the
[0021]
FIG. 5 shows an embodiment of the present invention.3It is sectional drawing which shows the manufacturing method of the laminated wiring board in. In the figure, the same and corresponding parts are denoted by the same reference numerals.
A method for manufacturing laminated wiring board 10a in the present embodiment will be described with reference to FIG. In addition, the process of forming the through-hole for through-holes in the
First, a high thermal conductivity / low thermal expansion epoxy resin mixed with alumina or aluminum nitride powder (or pulverized product) is prepared as the hole filling resin 3a. Subsequently, after forming the through
[0022]
In this embodiment, when Tetron plate making is used instead of the
In the multilayer wiring board 10a (FIG. 5C) obtained in the present embodiment, the hole filling resin 3a is filled only into the through-
[0023]
Reference Example 2
In the first embodiment, the
[0024]
BookReference exampleA method for manufacturing the carbon aluminum
First, two laminated wiring boards having a single-sided wiring layer similar to those described in the first embodiment are prepared and arranged so that the wiring layers (first wiring layers) face each other. Between these two laminated wiring boards, a low thermal expansion double-sided copper-clad laminate having a second wiring layer and an adhesive prepreg are alternately placed in a mold and positioned, and positioned by a vacuum press. Perform heat-press molding at ℃. The difference from the first embodiment is that no copper foil is stacked on the outer layer side of the multilayer wiring board. Although omitted in FIGS. 6 to 11, a protective layer made of a polymer coat is formed on the surface of the
[0025]
After the through-hole 7a for the through hole is formed in the carbon
[0026]
In the above manufacturing process, for example, if through-hole copper plating is applied only to the inner surface of the through-hole 7a for through-holes, the copper plating area is extremely small, so that current concentration occurs during copper plating, resulting in copper plating burning. Will occur. In order to prevent this copper plating burn,Reference exampleThen, the copper plating was also applied to the discarded
BookReference exampleAs a result of conducting the thermal shock test of the above-mentioned printed wiring board standard on the carbon
[0027]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a carbon molded body impregnated with molten metal is used as a core material.In addition, the surface of the core material is subjected to uneven treatment, and a protective layer for preventing carbon powder scattering from the core material is provided on the entire surface of the core material, so that the adhesive strength between the core material and the protective layer is enhanced,Lower thermal expansion than conventional metal cores, less thermal distortion caused by mismatch of thermal expansion coefficient with surface mount components, excellent solder joint reliability, heat dissipation and through-hole connection reliability with surface mount components To obtain a multilayer wiring board capable of high-density mountingThe
[0028]
Further, by performing sandblasting as the unevenness treatment, the core material can be easily processed at an appropriate surface roughness at low cost.
[0029]
Moreover, by using a high heat / low thermal expansion epoxy prepreg in which a glass cloth containing any of talc, silica and mica is coated and impregnated with epoxy resin as a hole filling resin, low thermal expansion and excellent strength are obtained. A laminated wiring board with high through-hole connection reliability can be obtained.
[0030]
In addition, by using an epoxy resin with high thermal conductivity / low thermal expansion mixed with alumina or aluminum nitride powder as the hole filling resin, and filling the through hole with an epoxy resin by screen printing, the plate thickness is thin, A laminated wiring board having low thermal expansion and excellent thermal conductivity and heat dissipation can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a carbon aluminum multilayer printed wiring board according to
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a core material embedded molded body according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a method of manufacturing a core material embedded molded body in
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a method of manufacturing a core material embedded molded body in Reference Example 1 of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a method for manufacturing a core material embedded molded body according to
FIG. 6 of the present inventionReference example 2It is the top view and partial sectional view which show the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
[Fig. 7] of the present invention.Reference example 2It is the top view and partial sectional view which show the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
[Fig. 8] of the present inventionReference example 2It is the top view and partial sectional view which show the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
FIG. 9 shows the present invention.Reference example 2It is the top view and partial sectional view which show the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
FIG. 10 shows the present invention.Reference example 2It is the top view and partial sectional view which show the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
FIG. 11 shows the present invention.Reference example 2It is the top view and partial sectional view which show the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
FIG. 12 shows the present invention.Reference example 2It is a fragmentary sectional view which shows the manufacturing method of the carbon aluminum multilayer printed wiring board in.
FIG. 13 is a cross-sectional view showing an example of the structure of a conventional metal core substrate.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
6a 2nd wiring layer, 6b laminated board, 7 through hole, 7a through hole for through hole, 8 copper plating layer, 9, 18 3rd wiring layer, 9a wiring pattern,
10, 10a core material embedded molding, 11 copper plating layer, 12 release film,
13 Metal mask, 13a opening, 14a Substrate manufacturing area, 14b Discard plate area, 15 Dry film resist, 16, 16a, 16b Copper plating layer, 17 Copper foil, 20 Aluminum core material, 21 Nickel layer, 22 Blackening treatment Copper layer, 23 epoxy prepreg layer, 24 copper wiring layer, 25 solder layer,
26 Solder resist layer, 27 Through hole, 100, 100a Carbon aluminum multilayer printed wiring board.
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