JP3967795B2 - 2流体ガスタービンシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、2流体ガスタービンシステムに関し、特にその排ガスの白煙が発生することを防止するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からのいわばシンプルサイクルであるガスタービン装置では、新しい空気を圧縮機で圧縮し、これを燃焼室に送って燃料を燃焼し、その排ガスをタービンに送って膨張させた後、大気放散する。このガスタービン装置からの排ガスの水分は、たとえば7〜9%程度であり、したがって気温が低い冬場においても、排ガス中の水分が凝縮することはなく、白煙は発生しない。
【0003】
発電出力および発電効率の向上を図った2流体ガスタービン装置では、ガスタービンからの排ガスをボイラに導き、排ガスの排熱回収によって得られる過熱蒸気を、燃焼器に噴射し、これによって燃焼器で多量の燃料を焚くことができるようにし、熱効率を向上する。この2流体ガスタービン装置では、燃焼器に水蒸気が噴射されるので、ガスタービンからの排ガス中の水分は、たとえば約26〜28%であり、したがって気温が低い冬場では、排ガスが大気放散される際、排ガス中の水分が凝縮し、白煙が生じ、視覚的公害が発生する。
【0004】
この問題を解決する先行技術は図10に示されている。2流体ガスタービン装置1からの排ガスはボイラ2に導かれて排熱回収され、ここで得られた過熱蒸気は、管路3から、前述のようにガスタービン装置1の燃焼器に供給される。ボイラ2からの排ガスは、管路4から煙突5に導かれる。煙突5から排出される排ガスの白煙が生じることを防ぐために、煙突5内にはガスバーナ6に管路7から燃料ガスが供給されるとともに、送風機8から燃焼用空気が供給される。こうして煙突5内で排ガスを加温し、排ガスの温度を上昇する。
【0005】
図10に示される先行技術では、白煙の発生を防止するためにバーナ6を用いており、したがって熱効率が悪い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、排ガスの大気放散時における白煙が発生することを防止するとともに、熱効率を向上した2流体ガスタービンシステムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)ガスタービン装置であって、
空気の圧縮機と、
圧縮機からの空気によって燃料を燃焼する燃焼器と、
燃焼器からのガスが供給され圧縮機を駆動するタービンとを含み、
燃焼器入口からタービン入口までの間に水蒸気が供給されるガスタービン装置と、
(b)タービンからの排ガスの排熱回収をして水蒸気を発生し、ガスタービン装置に供給するボイラと、
(c)ボイラに並列に設けられ、タービンからの排ガスを導くバイパス路と、
(d)ボイラとバイパス路とにおける排ガスの流量比を、ボイラからの排ガスとバイパス路からの排ガスとの混合排ガスが大気に放散されるとき、混合排ガス中の水分が凝縮しない温度になるように、制御する制御手段であって、
(d1)ボイラに流れる排ガスの流量またはバイパス路に流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段と、
(d2)ガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を演算する第1演算手段であって、
ガスタービン装置に供給される水蒸気の流量Gsを検出する手段と、
ガスタービン装置に供給される燃料の流量Gfを検出する手段と、
ガスタービン装置に供給される空気の流量Gaを検出する手段と、
水蒸気流量検出手段と燃料流量検出手段と空気流量検出手段との出力に応答し、燃料の燃焼反応後の排ガス中の水分の分圧を演算する排ガス水分分圧演算手段とを含む第1演算手段と、
(d3)排ガスが大気に放散されるとき、水分が凝縮しない水分の分圧に対応した温度範囲を演算する第2演算手段と、
(d4)第1および第2演算手段の出力に応答し、前記温度範囲のうち、前記混合排ガスの温度を設定する目標排ガス温度設定手段と、
(d5)前記混合排ガスの温度を検出する実ガス温度検出手段と、
(d6)目標排ガス温度設定手段と、実ガス温度検出手段との出力に応答し、検出される実ガス温度が目標排ガス温度になるように、流量制御手段を駆動する駆動制御手段とを含む制御手段とを含むことを特徴とする2流体ガスタービンシステムである。
【0008】
本発明に従えば、ガスタービン装置は圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含み、このタービンによって発電機が駆動され、またはこのタービンからの排ガスが供給される出力タービンをさらに有し、この出力タービンによって発電機を駆動し、こうして発電を行うことができる。このガスタービン装置において、燃焼器の入口からタービン入口までの間、または出力タービンの入口までの間、たとえば燃焼器の入口またはタービンの入口に、水蒸気を噴射して供給する。これによって熱効率が向上し、発電出力が増加する。噴射される水蒸気の温度は、ガスタービン本来の燃焼ガス温度よりも低いので、水蒸気を噴射しない構成に比べて、多量の燃料を焚くことができる。したがってタービンでは、水蒸気の流量の分だけ多く出力が発生し、これに対して圧縮機の負荷は増えない。これによって出力が増大し、熱効率が向上される。水蒸気は燃焼器内に噴射されてもよく、あるいはまた出力タービンの入口に供給されてもよい。
【0009】
排ガスの有している排熱を回収するためにボイラが設けられる。このボイラによって水蒸気が発生されて、上述のように燃焼器入口からタービン入口までの間に供給される。
【0010】
本発明に従えば、タービンからの排ガスを、バイパス路を介して導き、ボイラからの排ガスに混合する。これによって混合ガスの温度を上昇する。したがって混合排ガスが大気に放散されるとき、その混合排ガス中の水分が凝縮する温度にまで低下してしまうおそれはない。したがって混合排ガスが大気放散されたとき、過飽和領域に入ることはなく、その混合排ガス中の水分が凝縮してミスト、すなわち白煙を発生することはない。このことは特に、気温が低い冬場では、有利である。しかも白煙防止のために、前述の図10に関連して述べた燃料を、本発明では必要としないので、熱効率の向上を図ることができる。
第1演算手段によってガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を演算して求め、第2演算手段によって、排ガスが放散される大気の温度および湿度に依存して、水分が凝縮してミストが生じない水分の分圧に対応した温度範囲を演算し、これによってガスタービン装置からの排ガスが大気放散されたときに水分が凝縮しない前記混合排ガスの目標排ガス温度を設定し、実ガス温度検出手段によって検出される混合排ガスの温度が、目標排ガス温度になるように、流量制御手段を駆動制御する。流量制御手段は、たとえばボイラに導かれる排ガスの流量を制御する流量制御弁であってもよく、またはバイパス路に流れる排ガスの流量を制御する流量制御弁であってもよく、またはガスタービン装置からの排ガスをボイラおよびバイパス路に分岐し、その分岐する流量比を変化する三方弁などであってもよく、流量制御弁は、たとえばダンパなどのように羽根が角変位する構成であってもよい。
ガスタービン装置の燃焼器入口またはタービン入口に噴射して供給される水蒸気の流量Gsを検出する。また燃焼器に供給される燃料ガスなどの燃料の流量Gfを検出して、燃料の組成から、燃焼反応によって得られる水分の分圧を演算する。さらに燃焼器に供給される空気の流量Gaを検出して、その空気に含まれる水分の分圧を求める。こうして水蒸気と燃料の燃焼によって生じる水分と燃焼用空気に含まれる水分とを加算することによって、ガスタービン装置からの排ガスの水分の分圧を演算して求めることができる。
本発明は、(a)ガスタービン装置であって、
空気の圧縮機と、
圧縮機からの空気によって燃料を燃焼する燃焼器と、
燃焼器からのガスが供給され圧縮機を駆動するタービンとを含み、
燃焼器入口からタービン入口までの間に水蒸気が供給されるガスタービン装置と、
(b)タービンからの排ガスの排熱回収をして水蒸気を発生し、ガスタービン装置に供給するボイラと、
(c)ボイラに並列に設けられ、タービンからの排ガスを導くバイパス路と、
(d)ボイラとバイパス路とにおける排ガスの流量比を、ボイラからの排ガスとバイパス路からの排ガスとの混合排ガスが大気に放散されるとき、混合排ガス中の水分が凝縮しない温度になるように、制御する制御手段であって、
(d1)ボイラに流れる排ガスの流量またはバイパス路に流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段と、
(d2)ガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を演算する第1演算手段であって、
ガスタービン装置に供給される水蒸気の流量Gsを検出する手段と、
ガスタービン装置に供給される燃料の流量Gfを検出する手段と、
ガスタービン装置に供給される空気の流量Gaを、予め定める演算式に基づいて演算して求める空気流量演算手段と、
水蒸気流量検出手段と燃料流量検出手段と空気流量演算手段との出力に応答し、燃料の燃焼反応後の排ガス中の水分の分圧を演算する排ガス水分分圧演算手段とを含む第1演算手段と、
(d3)排ガスが大気に放散されるとき、水分が凝縮しない水分の分圧に対応した温度範囲を演算する第2演算手段と、
(d4)第1および第2演算手段の出力に応答し、前記温度範囲のうち、前記混合排ガスの温度を設定する目標排ガス温度設定手段と、
(d5)前記混合排ガスの温度を検出する実ガス温度検出手段と、
(d6)目標排ガス温度設定手段と、実ガス温度検出手段との出力に応答し、検出される実ガス温度が目標排ガス温度になるように、流量制御手段を駆動する駆動制御手段とを含む制御手段とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、ガスタービン装置に供給される空気の流量Gaが比較的大流量であることに鑑み、この空気の流量Gaを、たとえば後述のように外気温度Tに依存する実験によって求めた演算式に基づいて得る。これによって空気の流量Gaを求めることが容易になる。
【0011】
また本発明は、ボイラとバイパス路との各排ガスを混合する混合手段が設けられ、この混合手段は、
ボイラまたはバイパス路のいずれか一方からの排ガスが導かれ、ほぼ水平な軸線を有する第1管路と、
ボイラまたはバイパス路のいずれか他方からの排ガスが導かれ、第1管路の上部に接続される縦の軸線を有する第2管路と、
第2管路との接続位置よりも第1管路の下流で立上る第3管路とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、ボイラからの排ガスとバイパス路からの排ガスを充分混合してその混合排ガスの温度を上昇することを確実にするために、後述の図2に関連して説明されるように、ほぼ水平な第1管路の上部に縦の軸線を有する第2管路を接続し、混合排ガスを、第1管路の下流で立上る第3管路に導く。こうして第3管路内では、第1管路および第2管路からの各排ガスが充分混合される。したがって、混合ガスの温度分布が一様であり、温度の低い排ガスが存在することはなく、これによって白煙の発生を確実に防止することができる。
【0013】
また本発明は、ボイラとバイパス路との各排ガスを混合する混合手段が設けられ、この混合手段は、
ボイラまたはバイパス路のいずれか一方からの排ガスが導かれる第1管路と、
第1管路の外周に環状空間を形成して第1管路を外囲し、この環状空間は、第1管路内に供給孔を介して連通するハウジングと、
ボイラまたはバイパス路のいずれか他方からの排ガスを、ハウジングの環状空間に導く第2管路とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、第1管路内の排ガスに、ハウジングに導かれた排ガスが供給孔を介して入り込み、こうして混合排ガスが充分に混合されてたとえば煙突に導かれる。このような構成によってもまた、混合排ガスの温度分布が一様となり、白煙の発生を確実に防止することができる。
【0015】
また本発明は、第1管路は、ほぼ水平な軸線を有し、
ハウジングよりも第1管路の下流で立上る第3管路がさらに設けられることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、後述の図4に関連して述べるように、第1管路はほぼ水平であり、第1管路の下流で立上る第3管路がさらに設けられ、したがって第3管路内で排ガスが充分に混合され、混合性能がさらに向上されることになる。
【0023】
また本発明は、第2演算手段は、
湿り空気の温度・水分モル分率の線図または表に基づき、水分モル分率Yと温度Xとの近似式f(X)を作成する近似式作成手段と、
大気の温度を検出する大気温度検出手段と、
大気の湿度を検出する大気湿度検出手段と、
近似式作成手段と大気温度検出手段と大気湿度検出手段との出力に応答し、検出された大気温度および検出された大気湿度の座標(T,φ)を通りかつ前記近似式f(X)の接線である白煙発生限界線を求める白煙発生限界線作成手段とを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、排ガスが大気に放散されるとき、水分が凝縮しない水分の分圧に対応した温度範囲を演算するために、空気線図である飽和水蒸気曲線などに基づいて、湿り空気の温度・水分モル分率の線図または表に基づいてその近似式f(X)を作成し、その近似式に接しかつ排ガスが放散される大気の温度と湿度座標(T,φ)を通る白煙発生限界線を演算して求める。この白煙発生限界線上の温度よりも高い温度で、白煙の発生が防がれる。
【0027】
また本発明は、駆動制御手段は、流量制御手段の流量を、予め定める値ずつ、予め定める時間毎に変化させることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、駆動制御手段は、ダンパなどの流量制御手段の開度を制御するために、予め定める値、たとえば予め定める開度5%ずつ、予め定める時間毎に、たとえば5分毎に、変化させ、こうして検出される実ガス温度が目標排ガス温度に一致されるまで、流量制御手段の開度が徐々に、変化される。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロック図である。ガスタービン装置11は、空気の圧縮機12と、圧縮機12からの空気によって燃料を燃焼する燃焼器13と、燃焼器13からのガスが供給され、圧縮機12および発電機14を駆動するタービン15とを有する。圧縮機12には、空気が管路16を介して供給され、その空気の質量流量は、流量計17によって検出される。燃焼器13には、管路18を介して燃料ガスが供給され、その燃料ガスの質量流量Gfは、流量計19によって検出される。さらに管路20を介して過熱水蒸気が燃焼器13の入口からタービン15の入口までの間に噴射されて供給される。この実施の形態では、管路20から水蒸気は燃焼器13内に噴射される。
【0030】
本発明の実施の他の形態では、タービン15からの排ガスを、出力タービンに供給し、この出力タービンによって発電機14を駆動するようにしてもよく、水蒸気は出力タービンの入口に噴射して供給するようにしてもよい。
【0031】
噴射される水蒸気の温度は、ガスタービン本来の燃焼ガス温度よりも低いので、水蒸気を噴射しない構成に比べて、多量の燃料を焚くことができる。ガスタービン装置11の各段落では、水蒸気の流量分だけ多く出力が発生し、これに対して圧縮機12の負荷は増えないので、結局、出力が増大し、熱効率が向上する。
【0032】
タービン15からの排ガスは、管路21から、排熱回収ボイラ22の過熱器23、蒸発器24および節炭器25に、この順序で導かれる。節炭器25からの排ガスは、管路26から、バイパス路27からの排ガスとともに混合手段28で混合され、煙突29の上部30から大気放散される。水ポンプなどから圧送される水は、管路31から節炭器で加熱され、蒸発器24で蒸発され、過熱器23で過熱され、前述の管路20からガスタービン装置11に供給される。
【0033】
排熱回収ボイラ22には、前記バイパス路27が並列に接続され、タービン15からの排ガスを導く。このバイパス路27には、排ガスの流量を制御するダンパなどの流量制御弁32が介在される。この流量制御弁32の開度を制御することによって、タービン15から管路21に供給される排ガスは、管路33から排熱回収ボイラ22に導かれるとともに、バイパス路27に導かれ、それらの管路33およびバイパス路27に流れる排ガスの流量比を制御することができる。
【0034】
本発明の実施の他の形態では、管路27に流量制御弁32を設ける代わりに、管路33に流量制御弁を設けてもよい。本発明の実施のさらに他の形態では、管路21からの排ガスを、バイパス路27および管路33に分岐して流し、その流量比を制御することができる三方弁が用いられ、図1における流量制御弁32が省略されてもよい。
【0035】
管路20には、水蒸気の質量流量Gsを検出する流量計34が介在される。
【0036】
煙突29の排ガスを大気放散する上部30の排ガス温度TEは、温度計35によって検出される。さらに排ガスが放散される大気の温度Tは、温度計36によって検出される。この大気の湿度φは、湿度計37によって検出される。本発明の制御手段38は、流量計17,19,34の出力を受信し、さらに温度計35,36および湿度計37の出力を受信し、流量制御弁32の開度を制御し、煙突29の上部30から排ガスが大気放散されるときにおける水分の凝縮を防ぎ、白煙の発生を防止する。
【0037】
図2は、混合手段28の簡略化した断面図である。熱回収ボイラ22からの排ガスが供給される管路26の端部26aは、ほぼ水平な軸線を有する。バイパス路27の管路27aは、管路26aの上部に接続され、縦、たとえば鉛直の軸線を有する。管路26aは、管路27aの接続位置39よりも管路26aの下流(図2の右方)で煙突29の下部である管路29aに接続される。この管路29aは縦、たとえば鉛直の軸線を有し、立上って設けられる。したがってバイパス路27から管路27aに供給される排ガスは、斜線を施して示すように、管路26aからの排ガスとともに混合され、立上って設けられる管路29aで、ほぼ均一な温度分布となるように充分に混合される。したがって管路29aにおける混合排ガスは、上述のように温度分布が均一であり、部分的に低い温度を有する部分が存在しないので、白煙の発生を確実に防止することができる。
【0038】
本発明の実施の他の形態では、管路26aには、バイパス路27からの排ガスが導かれ、管路27aには、排熱回収ボイラ22からの排ガスが導かれるようにしてもよい。
【0039】
図3は本発明の実施のさらに他の形態における混合手段28の簡略化した断面図であり、図4は図3における切断面線IV−IVから見た断面図である。前述の実施の形態に対応する部分には、同一の参照符を付す。管路26aは、ほぼ水平な軸線を有し、筒状、たとえば直円筒状に形成される。
【0040】
ハウジング40は、管路26aを外囲し、管路26aの外周に環状空間41を形成する。このハウジング40は、周壁40aと周壁40aの軸線方向両端部を塞ぐ一対の端壁40b,40cとから成る。管路26aのハウジング40によって外囲された環状空間41に臨む部分には、周方向に等間隔をあけて供給孔42が形成される。供給孔42によって、環状空間41は管路26a内に連通する。管路27aは、縦の軸線を有し、ハウジング40の上部に接続される。
【0041】
したがってバイパス路27から管路27aを介する排ガスは、環状空間41から周方向にほぼ均一な流量で、管路26a内の排ガスに混入される。したがって管路26aの端部に接続される立上った管路29a内では、排熱回収ボイラ22からの排ガスとバイパス路27からの排ガスとが充分に混合され、この混合排ガスの温度分布は均一である。したがって白煙の発生を確実に防止することができる。図3および図4に示される実施の形態では、ハウジング40よりも管路26aの下流側で、管路26a,27aの各混合ガスが充分に混合される。さらにこの混合排ガスは、管路29aに導かれ、上昇することによって、さらに一層充分に、混合される。
【0042】
図5は、本発明の実施のさらに他の形態の断面図である。図2〜図4の実施の形態に対応する部分には同一の参照符を付す。この実施の形態では、管路26a,27aはほぼ水平な軸線を有し、立上って延びる管路29aに上下に間隔をあけて接続される。管路27aからの排ガスは、図5において斜線を施して示される。管路29aおよび煙突29を高く構成することによって、その煙突29の上部30付近では、温度分布が均一である混合排ガスが得られ、したがって温度が低い混合排ガスの部分が存在せず、白煙の発生が防止される。
【0043】
図6は、前述の図1に示される制御手段38の構成と動作を説明するためのフローチャートである。図6のステップa1〜a16によって、煙突29の上部30から排出される混合排ガス、したがって燃焼器13からの排ガスの中に含まれる水分のモル分率W3を求める。
【0044】
ステップa3,a11〜a14,a17によって、排ガスが大気に放散されるとき、水分が凝縮しない水分の分圧に対応した温度範囲を示す白煙防止限界線49を演算して求める。
【0045】
ステップa18,a19では、前記温度範囲のうち、白煙の発生を防止する混合排ガスの温度を、目標排ガス温度として設定する。こうして温度計35によって検出される混合排ガスの温度を表す実ガス温度が、前記目標排ガス温度になるように、ステップa21〜a25において、流量制御弁32を駆動して制御する。
【0046】
図7は、本発明の白煙防止のメカニズムの原理を説明するための温度と排ガスに含まれる水分のモル分率との関係を示すグラフである。図7における状態Aは、流量制御弁32が全閉状態とされ、ボイラ22から煙突29に導かれる排ガスの状態であり、その排ガスが、大気放散される外気状態Jと混合すると、状態Aのガスは大気によって冷却されてライン45を辿って冷却され、温度が下がる。この冷却された排ガスは、湿り空気線図から得られる飽和蒸気曲線46と交点Bで交わり、この交点Bから過飽和領域47に入り、したがって排ガス中の水分が凝縮してミストとなり白煙が発生されることになる。さらに排ガスは冷却され、最終的には、外気と同じ状態Jになる。
【0047】
図8は、図7の一部を拡大して示す図である。図7および図8において、白煙の発生領域48は、点Aと点Jとを結んだ直線45と、飽和蒸気曲線46とが交わる点B,Kとの間の斜線を施して示す領域である。水蒸気を用いない前述の通常のシンプルサイクルのガスタービンでは、その排ガス中の水分は、状態Bで示されるように、7〜9%程度であり、したがってその排ガスが大気放散されるときに白煙が生じることはない。しかしながら本発明では、ガスタービン装置11では水蒸気を用いるチエンサイクルであって、大気放散される排ガス中の水分がたとえば約26〜28%であって、前述の状態Aであり、したがって気温が低い冬場では、従来では、白煙発生領域48において水分が凝縮して白煙が発生している。
【0048】
そこで本発明では、白煙の発生を防止するために、ガスタービン装置11からの排ガス中の水分のモル分率を前述のように演算して求めるとともに、外気条件の状態Jにおける外気条件の温度計36によって検出される温度Tと湿度計37によって検出される湿度φから、飽和蒸気曲線46と接点(X1,f(X1))を通る白煙防止限界線f(X)とを求め、これによって排ガスが大気に放散されるときに水分が凝縮しない温度範囲、すなわち白煙防止限界線f(X)よりも図7および図8における右側の範囲を演算し、これによって目標排ガス温度を、図7および図8から求めることができる。図7の状態Cは、タービン15からのガスの全量をバイバス路27に導いた状態を示す。
【0049】
再び図6を参照して、ステップa1における燃焼器13の管路20からの水蒸気の噴射される質量流量Gsは、流量計34によって検出される。の質量流量Gsの単位はkg/hである。ステップa7では、この質量流量Gsを、体積流量Fs(単位Nm3/h)に換算する。
【0050】
【数1】
Figure 0003967795
【0051】
ここで気体定数は22.4であり、水蒸気の分子量は18である。
ステップa6では、燃焼器13に管路18を介して供給される燃料ガスの流量計19によって検出される燃料ガスの質量流量Gf(kg/h)を、ステップa7において体積流量Ffに換算する。
【0052】
【数2】
Figure 0003967795
【0053】
ここで燃料ガスは、気化した液化天然ガスであって、表1の組成を有し、その燃料ガスの分子量は18.8である。
【0054】
【表1】
Figure 0003967795
【0055】
ステップa5では、燃焼器13に供給される圧縮空気の質量流量Gaとその組成から、ステップa7では、圧縮空気の体積流量Faを演算して求める。燃焼器13に供給される圧縮空気の質量流量Gaは、管路16に介在されている流量計17によって実測することができるけれども、実施の他の形態では、ステップa2,a3,a4によって演算して求めることもできる。水蒸気の燃焼器13への噴射量の質量流量Gsを、圧縮機12の圧縮比に対応して流量制御している構成では、その流量Gsに対応した圧縮機12の圧縮比を、予め定める基準状態、たとえば5℃で演算して求め、その後、ステップa4では、ステップa3で温度計36によって検出された外気温度Tに対応して圧縮空気の質量流量Gaを補正して演算して求める。
【0056】
さらにステップa26では、圧縮空気の組成、すなわちその空気中に含まれる水分のモル分率ys、窒素のモル分率yN2および酸素のモル分率yO2を得る。これによって圧縮空気の分子量Maを求めることができる。
【0057】
Ma = 18ys+28yN2+32yO2 …(3)
これによって圧縮空気の体積流量Faを、ステップa7で演算して求める。
【0058】
【数3】
Figure 0003967795
【0059】
前述の式3から明らかなように、圧縮空気の分子量は、その空気に含まれる水分に依存して異なる。この圧縮空気の組成を計算するために、ステップa15では、空気中の水分を計算し、このためにステップa12において得られる飽和蒸気曲線の近似関数46(前述の図7参照)と、ステップa3で得られる温度計36によって検出される外気温度Tと、ステップa14で得られる湿度計37によって得られる外気湿度φとによって、その空気中の水分を計算する。さらにステップa16では、乾燥空気の組成を表す信号を導出する。こうしてステップa26では、空気中の水分に対応する空気の組成ys,yN2,yO2を計算して求めることができる。
【0060】
ステップa7では、燃焼反応に関する計算を行う。メタンに関して、
CH4 +2O2 → CO2 +2H2O …(5)
したがってメタンの燃焼後の体積変化(単位mol)を計算すると、
0.88×(3−3)= 0 …(6)
であり、体積変化は零である。
【0061】
エタンに関して、
26 + 3.5O2 → 2CO2 +3H2O …(7)
燃焼後の体積変化は、
0.06×(5−4.5) = 0.03 …(8)
から、0.03モルである。
【0062】
プロパンに関して、
38 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O …(9)
燃焼後の体積変化に関して、
0.04×(7−6) = 0.04 …(10)
から、0.04モルである。
【0063】
ブタンに関して、
410 + 6.5O2 → 4CO2 + 5H2O …(11)
燃焼後の体積変化は、
0.02×(9−7.5)= 0.03 …(12)
から、0.03モルである。
【0064】
したがって燃焼後の体積は、式6、式8、式10および式12から、合計の値0.1モルの体積流量が増加することになる。すなわち燃料ガスの体積流量Ffを燃焼することによって、燃焼排ガスは、0.1モル増加することになる。
【0065】
燃焼前の合計の体積流量F1は、
F1 = Fs+Ff+Fa …(13)
であり、燃焼後の合計の体積流量F2は、
F2 = Fs+1.1Ff+Fa …(14)
燃焼器13における燃料ガスの燃焼前の水分のモル分率W1は、
【0066】
【数4】
Figure 0003967795
【0067】
燃料の各成分毎の燃焼後における水分のモルは、メタン、エタン、プロパンおよびブタンに関連して、式16〜式19に示されるとおりとなる。
【0068】
Ff×0.88×2mol = 1.76Ff …(16)
Ff×0.06×3mol = 0.18Ff …(17)
Ff×0.04×4mol = 0.16Ff …(18)
Ff×0.02×5mol = 0.10Ff …(19)
したがって、燃料の燃焼によって生じた水分の体積流量W2は、式16〜式17によって得られた値の合計値であって、
W2 = 2.2Ff …(20)
である。
【0069】
したがって燃料ガスの燃焼後の水分のモル分率W3は、
【0070】
【数5】
Figure 0003967795
【0071】
ステップa8では、上述の式21で示される排ガスの水分のモル分率W3が得られることになる。
【0072】
ステップa17において白煙防止限界線である接線49を算出するために、まずステップa11では、日本機械学会発行の蒸気表から、温度・蒸気圧曲線を求め、これによって温度・水分モル分率に変換して、前述の図7に示される飽和蒸気曲線46を得る。この飽和蒸気曲線46は、図7のようにグラフで求めてもよく、または表で得るようにしてもよい。この飽和蒸気曲線46の回帰分析を行い、3次関数の近似式を求める。温度を変数Xとし、水分のモル分率をYとする。
【0073】
Figure 0003967795
次に外気状態J(T,φ)を通り、式22で示される飽和蒸気曲線46に接点(X1,f(X1))を通る接線49を求める。
【0074】
近似式を、
Y = f(X) …(23)
接点を(X1,f(X1))とすると、接線49の式は、下記のように表される。
Y−f(X1)=f′(X1)(X−X1) …(24)
【0075】
次に接線49の傾きf′(X1)を求める。
3次関数の近似式は、
f(X1) = a・X13+b・X12+c・X1+d …(25)
と表されるので、傾きf′(X1)は、下記のようになる。
f′(X1)= 3a・X12+2b・X1+c …(26)
【0076】
接線49の切片Vを求める。
式24から、切片Vは下記のようになる。
V =f(X1)−f′(X1)・X1=−2a・X13−b・X12+d…(27)
接線49の傾き、切片をT,φの値から、求める。すなわち式24にX=T、Y=φ、式28および式27を代入し、X1の3次方程式を解くことによって、X1を求め、傾き・切片を得る。
【0077】
上記の代入により、3次方程式は、次のようになる。
【0078】
【数6】
Figure 0003967795
【0079】
3次方程式の公式より、
X13 +E・X12 +F・X1+G = 0 …(29)
において、
【0080】
【数7】
Figure 0003967795
【0081】
とすると、
3 +3pZ+2q = 0 …(31)
の形になる。
【0082】
この方程式の実根は、
Z = 3√{−q + √(q2+p3)}+3√{−q−√(q2+p3)}…(32)
である。
ただし、
【0083】
【数8】
Figure 0003967795
【0084】
したがって3次方程式の解X1は、次のようにして求められる。
【0085】
【数9】
Figure 0003967795
【0086】
こうしてステップa18では、前述のステップa8で求めた排ガス中の水分のモル分率に対応する白煙防止限界線49上におけるW3に対応する温度X50を得る。すなわちX1を式24に代入して、接線49の式を得る。この接線49の式に、水分モル分率W3を代入することによって、目標値である温度X50を得ることができる。
【0087】
ステップa19では、この値X50を補正し、たとえば20℃を加算して(=X50+20)を、目標排ガス温度T11として設定する。
【0088】
ステップa20では、温度計35によって煙突29の上部30における大気放散される排ガスの温度である実排ガス温度T2を検出して求める。
【0089】
ステップa21では、
T2 > T11 …(39)
であるかどうかを判断し、そうでなければステップa22に移り、流量制御弁32の開度を、予め定める値、たとえば5%だけ開き、その状態をステップa23においてタイマによって設定した時間、たとえば5分間保ち、その後、ステップa21に戻る。また式39が成立すれば、ステップa24に移り、流量制御弁32の開度を予め定める値たとえば5%だけ閉じ、その状態をステップa25において5分間保ち、その後ステップa21に移る。
【0090】
図9は、本発明の上述の実施の一形態の発電出力と総合効率を、前述の図10に示される先行技術と比較して示すグラフである。図10に示される先行技術では、白煙発生防止のためにバーナを用い、その発電出力は、ライン51で示され、総合効率はライン52で示される。これに対して前述の図1〜図8に関連して説明される本発明の実施の一形態では、発電出力はライン53のように、ライン51に比べて低下するけれども、総合効率がライン54で示されるように、良好であり、結局、本発明が優れていることが理解される。
【0091】
本発明の実施の一形態では、空気の質量流量Gaを、直接に、測定するように構成してもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、温度計36によって検出された外気温度Tを、予め定める演算式40に基づいて演算して求めるようにしてもよい。空気の質量流量Gaに最も大きく影響する因子は外気温度Tであり、この外気温度Tによって近似的に質量流量Gaを求めることができ、本件発明者の実験によれば、式40によって、誤差1%以内で近似することができることが確かめられた。
【0092】
Figure 0003967795
質量流量Gaの単位はkg/h、外気温度Tの単位は℃である。本発明の実施のさらに他の形態では、外気温度Tだけでなく、空気圧縮機12の圧力比をもさらに考慮した演算式を用いて、算出するように構成してもよい。
【0093】
【発明の効果】
請求項1の本発明によれば、排ガスの排熱回収によって得られた過熱水蒸気を噴射して熱効率の向上を図ることができ、このとき排ガス中に比較的多くの水分が含まれているので、特に気温が低い冬場などにその排ガス中の水分が凝縮して白煙化することを防ぐために、ボイラに並列にバイパス路が設けられ、このバイパス路からの高温度の排ガスを混合して、ボイラからの排ガスとの混合ガスの温度を上昇する。こうして混合排ガス中の水分が、混合排ガスの大気放散時に凝縮しない温度になるように制御手段によって制御することが可能になる。したがって大気の気温に拘わらず、熱効率を向上することができ、前述の図10に関連して述べた先行技術における白煙化防止のための燃料を必要とせず、総合効率を高くすることができる。
【0094】
ガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を第1演算手段によって演算し、第2演算手段によって演算して求めた水分が凝縮しない温度範囲になるように、前記混合排ガスの目標排ガス温度を設定し、このような目標排ガス温度に実ガス温度が一致するように、流量制御手段、たとえばダンパなどの流量制御弁などの開度を、駆動制御するので、流量制御手段の制御を正確に行うことができる。
【0095】
ガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を演算するために、燃焼器の入口からタービンの入口に至る間に噴射される水蒸気の流量Gsと、燃焼器に供給される燃料の流量Gfと、燃焼器に供給される圧縮された燃焼用空気の流量Gaとに基づいて、演算するので、その排ガスに含まれる水分の分圧を正確に求めることができる。これによって白煙化防止対策が確実になる。
【0096】
請求項の本発明によれば、ガスタービン装置に供給される空気の流量Gaを、予め定める演算式に基づいて演算して求め、これによって流量Gaを容易に求めることができる。
【0097】
請求項の本発明によれば、第1管路の排ガスと第2管路の排ガスとが、第3管路内で充分に混合されてその混合排ガスの温度が均一になる。したがって混合排ガスの一部が低い温度にはならず、白煙の発生を確実に防止することができる。
【0098】
請求項の本発明によれば、第1管路内の排ガスに、ハウジングの環状空間から供給孔を介してもう1つの排ガスが混合されるので、混合ガスの混合性が良好であり、これによって混合排ガスの温度分布が均一になり、前述と同様に、白煙の発生を防止することができる。
【0099】
請求項の本発明によれば、ハウジングよりも第1管路の下流で第3管路が立上っているので、この第3管路内において混合ガスの混合性がさらに良好になり、白煙化防止を一層確実に達成することができる。
【0100】
請求項の本発明によれば、湿り空気線図などから、温度・水分モル分率の近似式f(X)を作成して、前記混合排ガスが放散される大気の温度Tと湿度φとを検出してその近似式の接線を求めて白煙発生限界線を求めるようにしたので、大気の温度と湿度が変化しても、常に白煙化防止対策を確実に行うことができる。
【0102】
請求項の本発明によれば、駆動制御手段は、流量制御手段の流量を、予め定める値ずつ、段階的に、予め定める時間毎に変化させるので、本件システム全体の動作が急変することはなく、安定した動作を継続しながら、白煙の発生の防止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】混合手段28の簡略化した断面図である。
【図3】本発明の実施のさらに他の形態における混合手段28の簡略化した断面図である。
【図4】図3における切断面線IV−IVから見た断面図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態の断面図である。
【図6】前述の図1に示される制御手段38の構成と動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の白煙防止のメカニズムの原理を説明するための温度と排ガスに含まれる水分のモル分率との関係を示すグラフである。
【図8】図7の一部を拡大して示す図である。
【図9】 本発明の上述の実施の一形態の発電出力と総合効率を、図10に示される先行技術と比較して示すグラフである。
【図10】先行技術の2流体ガスタービン装置である。
【符号の説明】
11 ガスタービン装置
12 圧縮機
13 燃焼器
14 発電機
15 タービン
17,19,34 流量計
22 排熱回収ボイラ
23 過熱器
24 蒸発器
25 節炭器
27 バイパス路
28 混合手段
29 煙突
32 流量制御弁
34 流量計
35,36 温度計
37 湿度計
38 制御手段
40 ハウジング

Claims (7)

  1. (a)ガスタービン装置であって、
    空気の圧縮機と、
    圧縮機からの空気によって燃料を燃焼する燃焼器と、
    燃焼器からのガスが供給され圧縮機を駆動するタービンとを含み、
    燃焼器入口からタービン入口までの間に水蒸気が供給されるガスタービン装置と、
    (b)タービンからの排ガスの排熱回収をして水蒸気を発生し、ガスタービン装置に供給するボイラと、
    (c)ボイラに並列に設けられ、タービンからの排ガスを導くバイパス路と、
    (d)ボイラとバイパス路とにおける排ガスの流量比を、ボイラからの排ガスとバイパス路からの排ガスとの混合排ガスが大気に放散されるとき、混合排ガス中の水分が凝縮しない温度になるように、制御する制御手段であって、
    (d1)ボイラに流れる排ガスの流量またはバイパス路に流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段と、
    (d2)ガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を演算する第1演算手段であって、
    ガスタービン装置に供給される水蒸気の流量Gsを検出する手段と、
    ガスタービン装置に供給される燃料の流量Gfを検出する手段と、
    ガスタービン装置に供給される空気の流量Gaを検出する手段と、
    水蒸気流量検出手段と燃料流量検出手段と空気流量検出手段との出力に応答し、燃料の燃焼反応後の排ガス中の水分の分圧を演算する排ガス水分分圧演算手段とを含む第1演算手段と、
    (d3)排ガスが大気に放散されるとき、水分が凝縮しない水分の分圧に対応した温度範囲を演算する第2演算手段と、
    (d4)第1および第2演算手段の出力に応答し、前記温度範囲のうち、前記混合排ガスの温度を設定する目標排ガス温度設定手段と、
    (d5)前記混合排ガスの温度を検出する実ガス温度検出手段と、
    (d6)目標排ガス温度設定手段と、実ガス温度検出手段との出力に応答し、検出される実ガス温度が目標排ガス温度になるように、流量制御手段を駆動する駆動制御手段とを含む制御手段とを含むことを特徴とする2流体ガスタービンシステム。
  2. (a)ガスタービン装置であって、
    空気の圧縮機と、
    圧縮機からの空気によって燃料を燃焼する燃焼器と、
    燃焼器からのガスが供給され圧縮機を駆動するタービンとを含み、
    燃焼器入口からタービン入口までの間に水蒸気が供給されるガスタービン装置と、
    (b)タービンからの排ガスの排熱回収をして水蒸気を発生し、ガスタービン装置に供給するボイラと、
    (c)ボイラに並列に設けられ、タービンからの排ガスを導くバイパス路と、
    (d)ボイラとバイパス路とにおける排ガスの流量比を、ボイラからの排ガスとバイパス路からの排ガスとの混合排ガスが大気に放散されるとき、混合排ガス中の水分が凝縮しない温度になるように、制御する制御手段であって、
    (d1)ボイラに流れる排ガスの流量またはバイパス路に流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段と、
    (d2)ガスタービン装置からの排ガス中の水分の分圧を演算する第1演算手段であって、
    ガスタービン装置に供給される水蒸気の流量Gsを検出する手段と、
    ガスタービン装置に供給される燃料の流量Gfを検出する手段と、
    ガスタービン装置に供給される空気の流量Gaを、予め定める演算式に基づいて演算して求める空気流量演算手段と、
    水蒸気流量検出手段と燃料流量検出手段と空気流量演算手段との出力に応答し、燃料の燃焼反応後の排ガス中の水分の分圧を演算する排ガス水分分圧演算手段とを含む第1演算手段と、
    (d3)排ガスが大気に放散されるとき、水分が凝縮しない水分の分圧に対応した温度範囲を演算する第2演算手段と、
    (d4)第1および第2演算手段の出力に応答し、前記温度範囲のうち、前記混合排ガスの温度を設定する目標排ガス温度設定手段と、
    (d5)前記混合排ガスの温度を検出する実ガス温度検出手段と、
    (d6)目標排ガス温度設定手段と、実ガス温度検出手段との出力に応答し、検出される実ガス温度が目標排ガス温度になるように、流量制御手段を駆動する駆動制御手段とを含む制御手段とを含むことを特徴とする2流体ガスタービンシステム。
  3. ボイラとバイパス路との各排ガスを混合する混合手段が設けられ、この混合手段は、
    ボイラまたはバイパス路のいずれか一方からの排ガスが導かれ、ほぼ水平な軸線を有する第1管路と、
    ボイラまたはバイパス路のいずれか他方からの排ガスが導かれ、第1管路の上部に接続される縦の軸線を有する第2管路と、
    第2管路との接続位置よりも第1管路の下流で立上る第3管路とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の2流体ガスタービンシステム。
  4. ボイラとバイパス路との各排ガスを混合する混合手段が設けられ、この混合手段は、
    ボイラまたはバイパス路のいずれか一方からの排ガスが導かれる第1管路と、
    第1管路の外周に環状空間を形成して第1管路を外囲し、この環状空間は、第1管路内に供給孔を介して連通するハウジングと、
    ボイラまたはバイパス路のいずれか他方からの排ガスを、ハウジングの環状空間に導く第2管路とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の2流体ガスタービンシステム。
  5. 第1管路は、ほぼ水平な軸線を有し、
    ハウジングよりも第1管路の下流で立上る第3管路がさらに設けられることを特徴とする請求項記載の2流体ガスタービンシステム。
  6. 第2演算手段は、
    湿り空気の温度・水分モル分率の線図または表に基づき、水分モル分率Yと温度Xとの近似式f(X)を作成する近似式作成手段と、
    大気の温度を検出する大気温度検出手段と、
    大気の湿度を検出する大気湿度検出手段と、
    近似式作成手段と大気温度検出手段と大気湿度検出手段との出力に応答し、検出された大気温度および検出された大気湿度の座標(T,φ)を通りかつ前記近似式f(X)の接線である白煙発生限界線を求める白煙発生限界線作成手段とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の2流体ガスタービンシステム。
  7. 駆動制御手段は、流量制御手段の流量を、予め定める値ずつ、予め定める時間毎に変化させることを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の2流体ガスタービンシステム。
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