JP3967521B2 - 伝熱装置及びその製造方法並びに伝熱装置を備えたガスタービン燃焼器 - Google Patents

伝熱装置及びその製造方法並びに伝熱装置を備えたガスタービン燃焼器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は伝熱装置及び伝熱装置を備えたガスタービン燃焼器に係わり、特に強制対流による流体と固体の間の伝熱を促進する装置,すなわち、部材の表面に、この部材表面に沿って伝熱媒体を流通させ、部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンなどの燃焼器ライナ、タービン翼、熱交換器、フィン、ボイラ、加熱炉など、冷却、加熱、熱交換等における流体と固体の間の伝熱促進に対しては、各機器に要求される仕様に基づいて様々な構造が考えられている。
【0003】
例えば、発電用ガスタービンなどの燃焼器においては、環境問題への配慮から、燃焼器内に生じる窒素酸化物(NOx)の排出量を低減することが求められている。NOxの低減は、燃料と空気を燃焼前に混合して燃焼する予混合燃焼を利用し、かつ燃料と空気の混合比(燃空比)が理論混合比よりも小さい状態で燃焼させることによって図られる。
【0004】
一方、高温雰囲気にさらされる燃焼器ライナ保護のために、燃焼器ライナ内壁に沿わせて冷却媒体(冷却空気)を流す,いわゆる膜冷却構造が採用されているが、この構成ではこの冷却空気の分、燃焼用空気が減少するためにNOx増加の原因となる。このことから、対流冷却のみで所定の冷却性能を得るために、例えば特開昭62−131927号公報では、衝突噴流冷却と突起フィンによる冷却を組み合わせた冷却法が示されている。
【0005】
また、特開平4−116315号公報には、フィンの熱伝達率を変化させることにより、特開平6−221562号公報には流路高さ、かつ/または、燃焼器ライナ壁表面粗さを変化させることにより、それぞれ燃焼器ライナの温度分布を均一にする方法が示されている。さらに、特開平9−196377号公報には、ライナの外周部に螺旋状のリブを設けることにより、ガスタービン全体の効率を損なうことの無い程度の少ない圧力損失で必要な冷却性能を維持し、同時に燃焼振動応力を低減できる燃焼器ライナ構造が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
強制対流伝熱においては、効率向上やポンプ動力節減のため、伝熱促進に対して圧力損失の増大を抑制することが必要である。例えばガスタービンの効率向上のためには燃焼ガス温度を高くする必要があり、それに伴ないライナ冷却強化が求められるが、さらなる冷却促進法は圧力損失増大を招かないものでなくてはならない。その点、衝突噴流冷却においては噴流速度の増加に伴ない圧損が大きくなることがある。また、フィン冷却では、フィンの増加とともに圧損が大きくなる嫌いがあり、またリブによる乱流促進は圧損増加が少ないが、リブ間隔を狭くしても冷却性能は頭打ちになるため、リブを増やすことによる冷却促進には限界があった。
【0007】
本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、圧力損失の増大を抑制しつつ伝熱性能の向上が必要な機器の伝熱装置を提供することにある。例えば、その一つであるガスタービン燃焼器においては、ガスタービン効率を損なうことの無い程度の少ない圧力損失で必要な冷却性能を維持し、構造強度の信頼性を維持するとともに、予混合燃焼空気を増加させて低NOx化を図ることを可能にする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、部材の表面に、この部材表面に沿って伝熱媒体を流通させ、部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置において、前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体に流れ方向に回転の中心軸を持つ渦(縦渦)を発生させる渦発生手段と伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進手段とを設けるようにし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0009】
また本発明は、部材の表面に、この部材表面に沿って伝熱媒体を流通させ、部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置において、前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体に流れ方向に回転の中心軸を持つ渦(縦渦),すなわち中心軸を持つ螺旋状の渦を発生させる渦発生手段を設けるとともに、この渦発生手段を前記伝熱媒体の流通方向に並設し、かつこの並設された渦発生手段の間に、前記伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進手段を設けるようにしたものである。
【0010】
また本発明は、部材の表面に、この部材表面に沿って伝熱媒体を流通させ、部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置において、前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体に流れ方向に回転の中心軸を持つ渦(縦渦)を発生させる渦発生手段を設けるとともに、この渦発生手段を前記伝熱媒体の流通方向及び直角方向に並設し、かつ渦発生手段の伝熱媒体の流通方向に直角な方向に隣接している渦発生手段の渦の回転方向が互いに逆向きとなるように形成し、かつ伝熱媒体の流通方向に並設された渦発生手段の間に、伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進手段を設けるようにしたものである。
【0011】
また、この場合、前記渦発生手段の媒体流通方向の間隔を、前段の渦発生手段で生じた渦が消えない間隔となるようにしたものである。また、前記渦発生手段を、前記部材の伝熱媒体の流通側表面から伝熱媒体の流通側へ突出した突出部にて形成し、かつ前記乱流促進手段をリブ状の部材で、かつその長軸方向が前記伝熱媒体の流通方向と交差するように形成したものである。
【0012】
また、前記渦発生手段の突出部を、前記伝熱媒体の流通方向に対し、仰角が10°〜20°を持ち、かつその高さが前記伝熱媒体の流通する流路の1/4〜1/2に形成したものである。
【0013】
また本発明は、部材の表面に伝熱媒体を流通させて部材と伝熱媒体間で熱授受を行なわせる際し、前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体に流れ方向に回転の中心軸を持つ渦(縦渦)を発生させる渦発生手段と伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進手段とを備えている伝熱装置の製造方法において、前記部材の表面に渦発生手段を形成するに際し、前記部材の一部に切り込みを入れるとともに、その切り込み部分を前記伝熱媒体が流通する側に折曲げて起立させ、かつこの折曲げ起立により生じた部材の開放部を塞いで形成するようにしたものである。
【0014】
また本発明は、ガスタービン燃焼器の燃焼器ライナに、前述した伝熱装置を設けるようにしたものである。
【0015】
すなわちこのように形成された伝熱装置であると、部材の伝熱媒体が流通する側の面に、中心軸を持つ螺旋状の渦を発生させる渦発生手段が、伝熱媒体の流通方向に並設されて設けられ、また、この並設された渦発生手段の間に、伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進手段が設けられていることから、渦発生手段によって発生した伝熱媒体の流通方向に回転軸を持つ縦渦によって、冷却(加熱)流路内が大きく撹拌される結果、伝熱面からの伝熱によって温度が上がった(下がった)伝熱媒体が流路内部へ運ばれ、流路内部の伝熱面から遠いために比較的低温(高温)の伝熱媒体が伝熱面近傍に運ばれることによって、伝熱性能が向上し、このとき併せて乱流促進手段が伝熱媒体に発達した境界層を乱すことにより、伝熱性能が著しく向上し、したがって、圧力損失の増大が抑制され、かつさらなる伝熱性能の向上が図られるのである。これが、例えばガスタービンの燃焼器ライナに適用された場合には、ガスタービンの効率を損なうことのない少ない圧力損失で必要な冷却性能を維持し、構造強度の信頼性を維持するとともに、燃焼空気を増加させて低NOx化を図ることが可能となるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は伝熱が必要な機器や部材であればいかなるものにも適用可能であるが、ここでは、最も好適と思われるガスタービン燃焼器の場合を例にとり説明する。図2は、そのガスタービン燃焼器の断面を示したものである。発電用ガスタービンは、主として圧縮機1、燃焼器2、タービン3から構成され、そしてタービンの出力により発電機4を回転させ電力を得るようにしている。
【0017】
燃焼器2は、ガスタービンケーシング5、燃焼器外筒6および燃焼器カバー7内に格納されている。燃焼器2の上流端中央部には拡散パイロットバーナ8が配置され、その外周には環状の予混合バーナ9が配置されている。この予混合バーナ9は、複数の予混合用ノズル10および保炎器11を備えている。
【0018】
拡散パイロットバーナ8の燃焼に用いられる拡散パイロットバーナ用空気101の流路には、第2予混合燃料ノズル17が配置され、予混合バーナの下流には、未燃の空気と既燃の燃焼ガスを隔てる概略円筒状の燃焼器ライナ12が配置されている。また、燃焼器ライナの外周面には冷却性能を高めるための縦渦発生器13および乱流促進体14が備えられている。なお、この縦渦発生器および乱流促進体の構造については後に詳細に述べる。
【0019】
燃焼器ライナ(部材)12の外周には、この燃焼器ライナ12と所定の間隔をもって配置された外周壁,すなわち空気流路(媒体流通路)を形成し、流れを制御するための外周壁(以下、フロースリーブと称す。)15が設けられている。このフロースリーブ15は燃焼器ライナ12よりも直径の大きな円筒状体に形成され、かつ、燃焼器ライナとほぼ同心円状に配置されている。
【0020】
圧縮機1からの高圧空気(伝熱媒体)100は、フロースリーブ15と燃焼器ライナ12の間の概して環状の空間を通り、燃焼器ライナ12の軸とほぼ平行に流れ、燃焼器ライナ12の対流冷却に使用される。その後、拡散パイロットバーナ用空気101および予混合バーナ用空気102に分かれて燃焼器内へ供給され、それぞれ燃焼用空気として用いられる。既燃の燃焼ガス103は燃焼器ライナ12内側を通り、尾筒16を経てタービン3に供給される。
【0021】
燃料系統は、主燃料系統200と、そこから分岐する拡散パイロットバーナ用燃料系統201、予混合バーナ用燃料系統202、第2予混合燃料系統203より成り立っている。ここで燃焼器ライナ12は、外側の未燃焼高圧空気100と内側の既燃燃焼ガス103を隔て、燃焼を安定に行わせる役割を果たしている。この際、燃焼器ライナ12は、内側の燃焼ガス103からの伝熱により加熱され、外側の比較的低温の高圧空気100によって冷却されるため、両者の入・出熱量が釣り合う温度となる。したがって、燃焼ガスの入熱量を減らし、外側の冷却を強化して燃焼器ライナの温度を低減させることにより、燃焼器ライナの素材の強度を向上させることができる。
【0022】
コンバインド発電プラントで用いられるガスタービン用超低NOx燃焼器では、NOxの低減目標達成のため、ライナの冷却専用に使用できる空気はほとんどなくなる傾向にある。
【0023】
次に、図1に本発明の一実施例である燃焼器ライナを示し説明する。本実施例では一例として直径が230mm、長さが524mm、板厚tが1mmの燃焼器ライナを用いた。また、本実施例では一例として、フロースリーブ直径は274mmとし、この場合の空気流路の高さHは22mmである。このフロースリーブ直径を小さくすると流路高さHも小さくなり、冷却空気の流速が増加して冷却は促進するが圧力損失は大きくなる。そのためこの流路高さHが、冷却と圧力損失の両面から最適な値となるよう、フロースリーブ直径を選定している。
【0024】
また、フロースリーブを設置することで、耐圧強度を受け持つ燃焼器外筒6の直径を変えることなく最適な流路高さを選定できる。また、ライナ内部の燃焼ガスによる加熱熱流速に偏りがある場合などには、フロースリーブ径を局所的に変化させることで冷却空気流速を調節し、燃焼器ライナの温度分布が一様となるようにすることも可能である。
【0025】
縦渦発生器(渦発生手段)13は、燃焼器ライナの冷却空気の流通側表面から冷却空気の流通側へ突出した突出部より形成されている。すなわち、この突出部は、長さ20mm、高さh10mm、厚さ1mmの三角板状で、冷却空気の主流方向に対して、α=15°の仰角を持って燃焼器ライナ外周面に取り付けられている。このとき縦渦発生器の下流には、図3に示されているように流れ方向に回転軸を持つ縦渦が発生し、流路の上側(外側、すなわちフロースリーブ側)と下側(内側、すなわちライナ側)の冷却空気を大きく撹拌しながら下流に向かって流れる。
【0026】
この冷却空気が大きく撹拌しながら流れるということは、流路の下側に常に新鮮な低温空気が供給され、ライナ壁面で暖められた空気は流路上側へ運ばれ、ライナの対流冷却を効率良く行うことができる。
【0027】
この場合、この縦渦発生器の高さhは、実験の結果では、流路高さHに対して1/2弱が最も良好で、この比が大きすぎると圧力損失が増大する恐れがあり、この比が小さすぎると発生する縦渦も小さいものとなり、流路全体を撹拌するに至らず、冷却促進に対して効果が小さい。そこで、この比(h/H)は1/4から1/2程度にするのが望ましいようである。
【0028】
また、仰角αが大きすぎると縦渦は強くなるが、縦渦発生器下流にはく離渦を生じやすくなるため、圧力損失が増大する恐れがあり、αが小さすぎると縦渦が弱くなって冷却促進に対して効果が小さい。そこで仰角αは10°から20°程度にするのが良い。
【0029】
本実施例では、流路の高さに対して幅(流路周長)が大きいので、縦渦発生器をライナの周方向に40枚設置し、縦渦がライナ周方向に万遍なく生じるようにしてある。このとき隣り合う縦渦発生器からの縦渦が互いに逆回転となるように、仰角の向きを交互に変えて設置してある。このようにすることで隣り合う渦同士が回転を打ち消しあわないようにし、縦渦の効果を主流方向により長く持続させている。
【0030】
さらに、縦渦発生器はライナの軸方向に4列設置され、前段の縦渦発生器によって生じた縦渦が消滅しないうちに、次段の縦渦発生器から新たな縦渦が生じるようになっている。縦渦発生器による縦渦が主流方向に持続する長さは、縦渦発生器の高さhに関連し、実験によれば、この場合の軸方向の間隔Lは100mm程度が適当であった。
【0031】
なお、本実施例においては、縦渦発生器は三角板形状をしているが、冷却空気流に対して仰角を持つような四角板でもよいし、三角すい、四角すい等の厚みを持ったブロック状の部材でもよい。また、縦渦発生器はライナ部材と一体化されていると、縦渦による冷却促進効果に加えて、フィン効果による冷却促進効果も生じるので尚良い。この場合、後述するプレス加工による製作方法のほかに、機械加工による削り出し、溶接、ロー付け等による一体化、精密鋳造などの製作方法が考えられる。
【0032】
乱流促進体(乱流促進手段)14は、高さ2mmの正方形断面をしており、ライナ周長に沿ってリブ状に取り付けられている。このときライナ壁近傍の流れは乱流促進体によってはく離し、下流で再付着する。再付着点下流では境界層が薄くなるため、冷却が促進される。この場合乱流促進体の高さeは、境界層厚さ程度が良く、本実施例の場合は1〜3mm程度にするのが良い。
【0033】
さらに、乱流発生体はライナの軸方向に複数列設置され、前段の乱流促進体による冷却促進効果が消滅しないうちに、次段の乱流促進体から新たな乱れが生じるようになっている。乱流促進体による乱れが主流方向に持続し、冷却促進が効果的な長さは、乱流発生体の高さeに関連し、実験によれば、この場合の軸方向の間隔は、50mm程度が適当であった。乱流促進体の高さは境界層厚さ程度、縦渦発生器の高さは流路高さの1/4から1/2程度であるため、乱流促進体の高さよりも縦渦発生器の高さの方が高い。そのため乱流発生体は、縦渦発生器の各列と列の間に複数列設置することが望ましく、本実施例では2列ずつ設置してある。
【0034】
また、乱流促進体14は、冷却性能を高めるとともに燃焼器ライナの剛性を高める効果をもたらす。そのためライナの板厚を小さくすることができるので、さらに冷却性能が向上し、燃焼器ライナ12の温度が低くなり、素材の強度が増加する。
【0035】
本実施例においては、乱流促進体の断面は、正方形をしているが、このほかに長方形、円、三角形、台形など様々な形状が考えられる。また、乱流促進体はライナ部材と一体化されていると、乱流促進体による冷却促進効果に加えて、フィン効果による冷却促進効果も生じるので尚良い。この場合、後述する遠心鋳造による製作方法のほかに、機械加工による削り出し、溶接、ロー付け等による一体化、塑性加工などの製作方法が考えられる。
【0036】
また、乱流促進体の長軸方向が、前記流路を流れる冷却媒体の主流方向と直角な方向に対して傾斜角を有して交差していると、ライナ壁近傍に小さな縦渦成分を含む複雑な渦が発生する。この渦は、前記縦渦発生器のような流路全体を大きく撹拌するような効果は持たないものの、流れに直交するリブに比べて、境界層を乱す効果が大きいため、縦渦発生器と併用すると冷却促進に対してより大きな効果がある。
【0037】
また、乱流促進体として、前記縦渦発生器を小型にした構造物を設置することも考えられる。この場合、大きな縦渦発生器は流路全体を大きく撹拌する作用を受け持ち、小さな縦渦発生器は前記乱流促進体としてライナ壁近傍を撹拌することで境界層を乱す働きをする。ここに、さらに小さな乱流促進体を設置して、大きな縦渦発生器、小さな縦渦発生器、乱流促進体の順に大きな渦から小さな渦へと低温空気を輸送し、逆に小さな渦から大きな渦へと高温空気を輸送して、流路全体での熱輸送を効果的に行うことも考えられる。
【0038】
なお、図2においては、尾筒16の冷却については何も記載していないが、本実施例における燃焼器ライナの冷却と同様に、縦渦発生器や乱流促進体による冷却を施すことも可能であり、この場合尾筒の冷却空気も燃焼に利用できるため、さらにNOx低減が図れる。または、尾筒については膜冷却、衝突噴流冷却、フィン冷却、あるいはそれらの組み合わせによる冷却方法を採用し、NOxや圧力損失の増加を犠牲にしても尾筒の信頼性を確保することもできる。
【0039】
本実施例においては、ライナ内部の燃焼ガス流による加熱が一様であることを考えている。このような一様性は、ライナ上流に設置した予混合燃焼器を注意深く設計することで実現できるが、燃焼器設計の都合上、ライナ内部の燃焼ガス流による熱流束分布に偏りがある場合は、それに対応して、縦渦発生器および乱流促進体の形状、寸法、配置間隔を変化させて、燃焼器ライナの温度分布が一様となるように設置することもできる。それにより、燃焼器ライナに発生する熱応力が低下し、熱疲労に対する燃焼器ライナの強度信頼性も向上させることができる。また、燃焼器ライナの温度分布の均一化により、熱応力が低減し、その分だけ燃焼器ライナの使用温度を高くすることができる。これにより、燃焼ガスの高温化が可能となり、燃焼器をガスタービンに利用すればガスタービン全体の高温、高効率化が図れる。
【0040】
図4は、平板モデルを用いた熱伝達率測定試験結果である。図4の横軸はモデル試験時に測定された圧力損失で、縦軸は熱伝達率である。データ記号の白抜きは縦渦発生器を設置しない場合であり、黒塗りは縦渦発生器を設置した場合である。縦渦発生器の形状、寸法、配置間隔は同一である。データ記号の白丸は乱流促進体がない場合、白三角は乱流促進体を50mm間隔で設置した場合、白四角は乱流促進体を25mm間隔で設置した場合である。それぞれの冷却デバイスについて、冷却空気の流速を変化させたときの圧力損失と熱伝達率を調べた。試験結果から、どの冷却デバイスについても熱伝達率は圧力損失の約4/9乗にほぼ比例していることがわかる。また、同じ圧力損失であれば熱伝達率が大きい方が性能が良く、同じ熱伝達であれば圧力損失が小さいほうが性能が良いので、デバイスごとの線が左上にあるほうが望ましいことになる。そこでここでは、各デバイスが、縦渦発生器なし/乱流促進体なしの場合(白丸)に比べて、同一圧力損失条件下で熱伝達率が何倍良いか、ということを総合評価の指標とした。
【0041】
縦渦発生器がない場合(白抜き)は、乱流促進体なしの場合(白丸)に対して、乱流促進体を設置する(白三角)と熱伝達率も圧力損失も大きくなり、総合した効果をデータから求めると1.06倍とやや良くなった。これに対して乱流促進体の設置間隔を密にしても(白四角)、効果はほとんど変わらず、乱流促進体の数を増やしても冷却促進効果は頭打ちになることが分かった。
【0042】
一方、白丸に対して、縦渦発生器のみを設置した場合(黒丸)は、圧力損失の増加よりも熱伝達率の増加のほうが大きく、総合した効果をデータから求めると1.17倍となり、グラフ上も効果がはっきりと現れている。ここに乱流促進体を設置する(黒三角)と、圧力損失の増加よりも熱伝達率の増加のほうがさらに大きくなり、総合した効果をデータから求めると1.31倍となった。また、縦渦発生器を設置した場合における乱流促進体による冷却促進効果(黒丸→黒三角)は、縦渦発生器のない場合(白丸→白三角)の冷却促進効果に比べても、グラフ上明らかに大きくなっており、縦渦発生器と乱流促進体の相乗効果があることがわかる。ここからさらに乱流促進体の設置間隔を密にしても(黒四角)、効果はほとんど変わらず、縦渦発生器のない場合と同様の結果となった。
【0043】
以上の試験結果からも、縦渦発生器と乱流促進体を併用した冷却促進法は、各々の冷却促進効果に相乗効果を加えて、冷却がより促進され、縦渦発生器および乱流促進体のみを用いた冷却促進法よりも、圧力損失の増加を抑制することが可能であることが分かる。または、圧力損失が同じであれば、燃焼器ライナの温度をより低くできることが分かる。
【0044】
次に、縦渦発生器の製作方法について説明する。燃焼器ライナ12を構成する部材は加工性を考えて板材を用いる。その厚みは燃焼器ライナの構造強度、加工性、冷却性能、軽量化、縦渦発生器の厚み等を考慮すると1〜3mm程度が望ましい。
【0045】
この材料を曲げた後、継ぎ目部分を溶接等で接合して、円筒状にする。このとき、後工程での重ね合わせを考慮して、若干のテーパを持った円筒状にしておくとよい。この円筒材に、ワイヤーカッターなどの通常の手段で図5の実線のような切り込みを入れる。
【0046】
その後、図6のように凹台18の上に板材を置いて、図5中の点線が折り目となるよう凸台19でプレスするなどの曲げ加工を施して所定の形状の縦渦発生器を作成する。同様にして所定の数の渦発生器を順次加工し、図7のような部品を例えば4つ製作する。ここで、型を変更することによって任意の形状、曲げ角度の縦渦発生器を製作することができる。このようなプレス加工を用いることにより、縦渦発生器の大量生産が可能となり加工コストの削減が図れる。また、ライナと縦渦発生器は一体であるので、縦渦による冷却促進効果に加えて、縦渦発生器のフィン効果も生じる。
【0047】
このようにして作成した部品のテーパを利用して図8のように重ね合わせる。このとき、重ね合わせた部分20で、縦渦発生器を切り起こした後の切り欠きを塞ぐようにする。その後、重ね合わせ部分20を溶接およびロー付けにより一体化する。切り欠きを塞いだことで、切り欠き穴を通って燃焼器ライナ内に流入する空気はなくなり、縦渦の発生を効果的にすることができる。また、冷却空気を燃焼用空気に利用できるため、燃焼器から排出されるNOxを抑制することができる。さらに、重ね合わせ部分を一体化したことで、ライナ部材内の熱伝導によってライナの温度分布が一様になる効果も生じる。また、重ね合わせ部分を一体化したことで、ライナの板厚が増し構造強度が増加する。
【0048】
なお、本実施例では、重ね合わせのためライナ部材にテーパを持たせるようにしたが、例えば、図9のように段を生じさせて重ね合わせるようにしても良い。
【0049】
こうして製作した縦渦発生器付き燃焼器ライナの外周面に、別に製作したリブ状の乱流促進体を溶接およびロー付けにより一体化して設置する。一体化により、燃焼器ライナおよび乱流促進体の構想強度の信頼性を向上させるとともに、乱流促進体のフィン効果も生じて、冷却も促進される。
【0050】
また、乱流促進体は、遠心鋳造法によってライナ壁材と一体に製造することもできる。乱流促進体の長軸方向が、冷却媒体の主流方向と直角な方向に対して傾斜角を有して交差している場合など、複雑な形状の乱流促進体を設置する場合であっても、遠心鋳造法によって容易に加工することができる。遠心鋳造法によって製作した乱流促進体付きライナ部材に、上述したプレス加工によって縦渦発生器を加工することができる。燃焼器ライナ12は、苛酷条件で用いられる消耗品であり、プレス加工、遠心鋳造を用いることにより大量生産が可能となり加工コストの削減が図れる。また、遠心鋳造法により燃焼器ライナ12を加工することにより、内面は平滑となり、内面を流れる燃焼ガス103によって飛散する欠落物がなくなり、欠落物によるタービン3等の破損防止を図れる。また、遠心鋳造法により内面が平滑でスムーズであることにより、内面の検査性を向上することができる。さらに、内面が平滑でスムーズであることにより、内面に熱遮蔽コーティングを施工しやすい。
【0051】
このようにして製作した、縦渦発生器付き燃焼器ライナを備えたガスタービンの運転は、次のように行なわれる。すなわち、起動から定格回転数までと、ガスタービン負荷の小さい範囲では、拡散パイロットバーナ用燃料系統201に燃料を流すことにより、拡散パイロットバーナ8で運転を行う。そして予め定められた負荷において、拡散パイロットバーナ用燃料系統201の燃料流量を減少させながら、予混合バーナ用燃料系統202の燃料流量を増加させ、拡散パイロットバーナ8と予混合バーナ9とで運転を行う。
【0052】
予混合バーナは、保炎器11後流の循環流によって火炎が保炎され、安定な燃焼が可能となる。また拡散燃焼の大部分を予混合燃焼に変えることで、燃焼器から排出するNOxを抑制することが可能となる。このとき、縦渦発生器付き燃焼器ライナの冷却に用いられた空気の大部分が燃焼に用いられるので、予混合器の燃空比を小さくできるため、予混合バーナから排出されるNOxはほとんどゼロに近くなる。すなわち燃焼器から排出されるNOxは、そのほとんどが拡散バーナから排出されるNOxであり、拡散バーナは予混合バーナに比べて小さいので、全体のNOx量を抑制することができる。
【0053】
その後、拡散パイロットバーナ用燃料系統201および予混合バーナ用燃料系統202の燃料流量を増加して負荷上昇させた後、予め定められた負荷において、拡散パイロットバーナ用燃料系統201の燃料流量を減少させて0(ゼロ)にし、予混合バーナ9のみで運転を行う。このとき、拡散バーナ8は全く着火していないため予混合燃焼のみの運転となり、燃焼器から発生するNOxは極めて少なくできる。
【0054】
拡散空気101は燃焼器内で予混合気の燃焼ガスと混合し、所定の温度となってタービンに送られる。このとき拡散空気101内に、第2予混合燃料ノズル17から第2予混合燃料203を適量投入すると、拡散パイロットバーナ用空気101と混合した後燃焼室内に流入し、そこで予混合バーナ9の燃焼ガスと混合して、約1100℃以上の高温となるため、投入した燃料は燃焼器内で十分に反応し、その燃空比が極めて小さくとも高い燃焼効率を得ることができる。
【0055】
また、このため発生するNOxを増加させることなくガスタービンの出力を増加させることもできる。あるいは負荷一定制御の場合には、その分予混合気の燃空比を下げることができるため、ライナ等の高温部品の寿命向上、逆火に対する余裕確保等の効果が得られる。
【0056】
このとき拡散パイロットバーナ用燃料系統201には、拡散火炎が保炎せず、かつ該拡散燃料系統内の流れが停滞しない流量となるように制御した流量の燃料を流すようにすると、燃料配管内の燃料が空気によって置換されることを防止できるので、負荷遮断時などの緊急時に直ちに拡散バーナに着火できるのでさらに良い。
【0057】
以上、ガスタービン燃焼器ライナの冷却促進を例に、縦渦発生器と乱流促進体の組み合わせによる伝熱促進構造を説明したが、燃焼器ライナ以外であっても、タービン翼、熱交換器、フィン、ボイラ、加熱炉など、冷却、加熱、熱交換等における流体と固体の間の伝熱促進に対して、縦渦発生器と乱流促進体の組み合わせは有効である。熱交換器等のフィン間やタービン翼内部の冷却においては冷却流路の両面が伝熱面であり、縦渦発生器によって流路中央の比較的低温の流体を伝熱面近傍に供給し、乱流促進体によって境界層を乱して伝熱を促進する。
【0058】
一方、ライナ冷却の場合はライナ壁面側のみが伝熱面であり、冷却流路内においてライナ壁面側では冷却媒体の温度上昇があるが、ライナ壁から遠い部分では低温のままである。このような特有な状況に着目し、このライナ壁から遠い部分の低温媒体を利用して冷却促進を行うという点で、燃焼器ライナは、縦渦発生器と乱流促進体の組み合わせによる伝熱促進構造が、より効果を発揮する対象物である。
【0059】
以上説明してきたようにこのように形成された伝熱装置であると、縦渦発生器によって発生した伝熱媒体の主流方向に回転軸を持つ縦渦によって、冷却(加熱)流路内が大きく撹拌される結果、伝熱面からの伝熱によって温度が上がった(下がった)伝熱媒体が流路内部へ運ばれ、流路内部の伝熱面から遠いために比較的低温(高温)の伝熱媒体が伝熱面近傍に運ばれることによって、伝熱性能を向上することができる。このとき併せて乱流促進体を伝熱面に設置し、伝熱媒体に発達した境界層を乱すことにより、伝熱性能が向上するのである。
【0060】
また、この伝熱装置が燃焼器ライナに適用された場合には、縦渦発生器によって発生した冷却媒体の主流方向に回転軸を持つ縦渦によって、冷却流路内が大きく撹拌される結果、燃焼器ライナ壁からの伝熱によって温度が上がった冷却媒体が流路外周部へ運ばれ、流路外周部の燃焼器ライナ壁から遠いために比較的低温の冷却媒体が燃焼器ライナ壁近傍に運ばれることによって、燃焼器ライナの対流冷却効率を向上することができる。このとき併せて乱流促進体を燃焼器ライナ外壁に設置されていることから、冷却媒体に発達した境界層が乱され、これにより、対流冷却性能が向上し、メタル温度が低減する。そのため、燃焼器ライナの素材の強度特性が向上するとともに燃焼器ライナに発生する熱応力が低下し、熱疲労に対する燃焼器ライナの強度信頼性も向上させることができる。このような、燃焼器ライナを備えた燃焼器は、冷却空気をすべて燃焼用空気として利用できるためNOx低減が可能である。燃焼器をガスタービンシステムに利用すれば、低NOxかつ高効率で信頼性の高いガスタービンシステムになる。
【0061】
また、縦渦発生器を具備した燃焼器ライナはプレス加工によって成形することで、また、乱流促進体を具備した燃焼器ライナは遠心鋳造によって成形することで、複雑な形状の縦渦発生器や乱流促進体でも容易に加工することができる。プレス加工、遠心鋳造は、縦渦発生器及び乱流促進体の大量生産が可能であり加工コストの削減が図れるのである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、圧力損失の増大を抑制しつつ、伝熱媒体が流通する流路全体を攪拌するように構成した縦渦発生器と、縦渦発生器により攪拌される伝熱媒体に生ずる境界層を破壊することによって伝熱性能の向上を図ることが可能なこの種の伝熱装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝熱装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の伝熱装置を備えた燃焼器を示す集団側面図である。
【図3】縦渦発生器の一実施例を示す斜視図である。
【図4】縦渦発生器および乱流促進体の効果を示した実験結果図である。
【図5】縦渦発生器製作時の切り欠きの一例を示す図である。
【図6】縦渦発生器製作時のプレス加工の一例を示す図である。
【図7】縦渦発生器製作時のライナ部品の一例を示す図である。
【図8】縦渦発生器製作時の重ね合わせ方の一例を示す図である。
【図9】縦渦発生器製作時の重ね合わせ方の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…燃焼器、3…タービン、4…発電機、5…ガスタービンケーシング、6…燃焼器外筒、7…燃焼器カバー、8…拡散パイロットバーナ、9…予混合バーナ、10…予混合燃料ノズル、11…保炎器、12…燃焼器ライナ(部材)、13…縦渦発生器(渦発生手段)、14…乱流促進体(乱流促進手段)、15…フロースリーブ、16…尾筒、17…第2予混合燃料ノズル、18…凹台、19…凸台、20…重ね合わせ部分、100…燃焼器流入空気、101…拡散燃焼用空気、102…予混合燃焼用空気、103…燃焼ガス、200…全燃料、201…拡散燃料、202…予混合燃料、203…第2予混合燃料、210…燃料流量調節弁、211…拡散燃料流量調節弁、212…予混合燃料流量調節弁、213…第2予混合燃料流量調節弁。

Claims (6)

  1. 部材の表面に沿って伝熱媒体を流通させ、前記部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置において、
    前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体の流れ方向に回転の中心軸を持つ縦渦を発生させ、前記伝熱媒体が流通する流路全体を攪拌するように構成した縦渦発生器を設け、この縦渦発生器を前記伝熱媒体の流れ方向に並設し、かつ、この並設された縦渦発生器の間に、前記縦渦発生器により攪拌される伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進体を複数設け、この乱流促進体の高さよりも前記縦渦発生器の高さの方が高いことを特徴とする伝熱装置。
  2. 部材の表面に沿って伝熱媒体を流通させ、前記部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置において、
    前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体の流れ方向に回転の中心軸を持つ縦渦を発生させ、前記伝熱媒体が流通する流路全体を攪拌するように構成した縦渦発生器を設け、この縦渦発生器を前記伝熱媒体の流れ方向に並設し、かつ、この並設された縦渦発生器の間に、前記縦渦発生器により攪拌される伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進体を複数設け、この乱流促進体の高さよりも前記縦渦発生器の高さの方が高く、前記縦渦発生器の高さが前記伝熱媒体の流通する流路の1/4〜1/2であることを特徴とする伝熱装置。
  3. 部材の表面に沿って伝熱媒体を流通させ、前記部材と伝熱媒体間で熱授受を行うようにした伝熱装置において、
    前記部材の伝熱媒体が流通する側の面に、伝熱媒体の流れ方向に回転の中心軸を持つ縦渦を発生させ、前記伝熱媒体が流通する流路全体を攪拌するように構成した縦渦発生器を設け、この渦発生器を前記伝熱媒体の流通方向及び直角方向に並設し、かつ縦渦発生器の伝熱媒体の流通方向に直角な方向に隣接している縦渦発生器の渦の回転方向が互いに逆向きとなるように形成し、かつ伝熱媒体の流通方向に並設された縦渦発生器の間に、前記縦渦発生器により攪拌される伝熱媒体に生ずる境界層を破壊する乱流促進体を複数設け、この乱流促進体の高さよりも前記縦渦発生器の高さの方が高く、前記縦渦発生器の高さが前記伝熱媒体の流通する流路の1/4〜1/2であり、前記乱流促進体の高さが前記境界層の厚さ程度であることを特徴とする伝熱装置。
  4. 前記縦渦発生器が、前記部材の伝熱媒体の流通側表面から伝熱媒体の流通側へ突出した突出部より形成され、かつ前記乱流促進体がリブ状の部材で、かつその長軸方向が前記伝熱媒体の流通方向と交差するように形成されたものである請求項1,2または3記載の伝熱装置。
  5. 前記縦渦発生器の突出部が、前記伝熱媒体の流通方向に対し、仰角が10°〜20°を持つものである請求項4記載の伝熱装置。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の伝熱装置が燃焼器ライナに設けられているガスタービン燃焼器。
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