JP3967235B2 - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機、プロッター等、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機等の電子写真式画像形成装置にあっては、像担持体たる感光体上に形成された静電潜像を、現像装置から供給される現像剤を用いて現像し、それによって得たトナー像を画像記録材(シート状媒体)上に転写して、しかる後に定着装置によって定着して画像形成を行っている。従来、定着装置として様々な定着様式のものが提案されているが、一般的に広く普及しているのは、内部にヒータを備えた定着ローラの外周に加圧ローラを圧接させ、その状態で両ローラのニップ部に未定着トナーを担持したシート状媒体を通過させ、それによって該トナーを加熱しながら加圧して定着させるような様式のものである(ヒートローラ定着方式)。この様式では、両ローラ共、熱源を備えたものもある。
【0003】
ヒートローラ定着装置における定着ローラとして、アルミニウム、鉄等の芯金の外周に、PFAやPTFE等のフッ素樹脂をコーティングした所謂ハードローラと、芯金の外周にシリコーンゴム、あるいはフッ素ゴム等の弾性ゴムの層を有する所謂ソフトローラが知られている。
【0004】
いずれにせよ、近年、プリンタ等の画像形成装置は低価格化が進み、サービス形態もサービスマンによるメンテナンスからユーザ自身にメンテナンスを実施してもらう形態に変わってきており、その場合、オイルや定着装置等の消耗品をユーザが交換するにあたって、定着装置はかなり熱くなっており、やけどの危険の回避等、操作性の向上が急務とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、コストダウンを図りながら、同時にメンテナンス時の操作性を向上させることができる定着装置を提供することを、本発明の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明により、オフセット防止用オイルを保持するためのユニットを着脱自在に備えた定着装置において、持ち運びのために当該定着装置に取り付けられた取っ手を用いて上記オイルユニットを定着装置に固定可能とすることによって、解決できる。
【0007】
定着装置を画像形成装置へセットする動作に連動してオイルユニットの固定を実現するようになっているのが、好適である。また定着装置を画像形成装置から取り出す動作に連動してオイルユニットの固定を解除できれば、一層好ましい。上記取っ手が定着装置に回動自在に設けられ、画像形成装置からの取り出しの際に所定位置(以下で説明する図4の個所31a)へ自動的に戻ることができるのが、好都合である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を、図に示す例に基づいて説明する。図1は、本発明に係る定着装置を適用したフルカラーレーザプリンタである。
【0009】
上記カラーレーザプリンタは、装置本体1の下部に二段の給紙部2を配置し、その上方に作像部3を配置した構成となっている。このプリンタでは、一般にコピー等に用いられる普通紙(以下、単に普通紙という)と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m2相当以上の厚紙や、封筒等の、普通紙よりも熱容量が大きな所謂特殊シート(以下、単に特殊シートという)との何れをもシート状媒体として用いることが可能である。また作像部3には、給紙側を下に、排紙側を上とするように傾斜して配置された転写ベルト装置が設けられている。転写ベルト装置は、複数のローラ11、本例では4個のローラ11に巻き掛けられたエンドレスの転写ベルト12を有し、その1つのローラ11が不図示の駆動源に駆動されることによって、上記転写ベルト12が回転する。この転写ベルト12の上部走行辺には、下から順にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(Bk)用の4つの作像ユニット4M,4C,4Y,4Bkが並列配置されている。
【0010】
各作像ユニット4M,4C,4Y,4Bkには、像担持体としての感光体5が設けられ、当該感光体5は不図示の駆動手段によって図で見て時計方向へ回転駆動させられるようになっている。感光体5の回りには、帯電手段としての帯電ロール6、光書込み装置8によってレーザ光書込みが行われる光書込み部、現像装置10、クリーニング装置9が設けられている。現像装置10は2成分現像装置であって、消費されたトナー量に応じた後述するトナー補給搬送装置によりトナーを補給される。
【0011】
次に、上記構成のカラープリンタのフルカラープリントを行う作像動作についてマゼンタ用の作像ユニット4Mにより説明する。帯電ロール6によって帯電された感光体5には、不図示のLD(レーザダイオード)を駆動してレーザ光をポリゴンミラー8aに照射し、シリンダーレンズ等を介して反射光を感光体5上に導く光書込み装置8により、マゼンタトナーで現像する光像の光書込みが行われる。この書込みにより感光体5上にはパソコン等のホストマシーンより送られた画像データに基づいた静電潜像が形成され、当該潜像が現像装置10によってトナーの可視像となる。
【0012】
一方、給紙部2からは転写材として指定されたシート状媒体が給紙され、給紙されたシート状媒体は転写ベルト12の搬送方向上流側に設けられたレジストローラ13に一旦突き当てられた後、上記可視像に同期するようにして転写ベルト12上に給送され、当該ベルトの走行により感光体5に対向する転写位置へ到る。この転写位置では、転写ベルト12の裏面側に配置された転写ロール14の作用によりマゼンタトナーの可視像がシート状媒体に転写される。
【0013】
上記と同様にして、他の作像ユニット4C,4Y,4Bkにおいてもそれぞれの感光体5の表面に各トナーによる可視像が形成され、これら可視像は転写ベルト12によって搬送されるシート状媒体が各転写位置に到来する毎に重ね転写される。したがって、本カラープリンタはフルカラーの画像がモノクロとほぼ同様な短時間でシート状媒体に重ね転写される。転写後のシート状媒体は、転写ベルト12から分離されて、定着装置15により定着される。定着を終えたシート状媒体は、通常、そのまま機外に排紙されるが、このときシート状媒体は反転されて装置本体1の上面に設けられた排紙トレイ16に裏面排紙される。
【0014】
上記現像装置10では、装置内のトナーとキャリアの混合比を監視し、トナーが不足するとその不足分を補給するようになっている。かかるトナー補給は、現像装置10から離れた位置、本例では図1の右上に位置したトナー収納容器(剤収納手段)20に収納されたトナーを、トナー補給搬送装置により現像装置10へ補給することで実現する。このトナー収納容器20は1個のみ図示されているが、現像装置の数に合わせて4つあり、その描写が省略されているだけである。
【0015】
定着装置15は図2に示すように、トナーが定着するシート状媒体を搬送するための無端状の定着ベルト22と、定着ベルト22を張架する加熱ローラ23及び定着ローラ24と、定着ベルト22を介し定着ローラ24に対向して配置された加圧ローラ25と、加熱ローラ23、加圧ローラ25の各内部に備えられたヒータ26.27と加熱ローラ23、加圧ローラ25に対向して配置され夫々の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ8とを有している。
【0016】
加熱ローラ23は、バネなど不図示の弾性体により定着ローラ24から離間させられる向きに付勢されることで、定着ベルト22に適当な所定の張力を与えるようになっている。定着ローラ24は、バネなど不図示の弾性体により加圧ローラ25に圧接する向きに付勢されている。また符号R1、R2は、クリーニング後の定着ベルト22へ塗布されるべきオフセット防止用オイルのための塗布ローラ、符号R3はクリーニングローラをそれぞれ示している。符号29は定着されるべきシート状媒体を定着部に向けて案内するガイドを示す。符号30は、塗布ローラR2へ供給されるべきオイルを有するオイル保持装置(以下、オイルユニットという)を定着装置15へセットするためのガイド部材を示す。このガイド部材30における破線で示したU溝に沿ってオイルユニットがセットされる。符号31は定着装置を持ち運ぶための取っ手であり、回動可能である。
【0017】
図3に上記オイルユニットを示す。オイルユニットは上ケース32、下ケース33、オイル保持ケース(袋状体)34、レバー35、板バネ36で構成され、レバー35は上ケース32に回転自在に軸支され、板バネ36によって上方に付勢されている。下ケース33にはレール部33aが設けられ、定着装置のガイド部材30のU溝に挿入され、U溝先端で突き当たって止まるようになっている。
【0018】
図4、図5を用いて、定着装置15の画像形成装置に対するセット及び取り出しの動作を説明する。矢印Aは定着装置15が画像形成装置にセットされる時の移動方向を示している。取っ手ガイド部材37が画像形成装置本体に設けられている。図4に示すように、定着装置15が画像形成装置から取り外された状態では取っ手31は31aの個所に位置するようスプリング38で付勢されている。図5に示すように、定着装置が画像形成装置にセットされると、取っ手31は31bの個所へ回動してレバー35を押し倒す。取っ手31によって押し倒されたレバー35は板バネ36を介してオイルユニットをU溝先端へ押し付けるように作用する。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る定着装置においては、持ち運びのために定着装置に取り付けられた取っ手を用いてオイルユニットを定着装置に固定可能としているので、部品点数を削減でき、コストダウンを図ることができる。また、オイルユニット固定に際してユーザによる操作個所が1個所のみなので、操作性も向上する。
【0020】
定着装置を画像形成装置へセットする動作に連動してオイルユニットの固定を実現すれば、ユーザによるセットミスを防止することが可能である。定着装置を画像形成装置から取り出す動作に連動してオイルユニットの固定を解除できれば、ユニット着脱動作が簡単である。上記取っ手が定着装置に回動自在に設けられ、画像形成装置からの取り出しの際に所定位置へ自動的に戻ることができれば、定着装置の取り出し時の操作性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】オイルユニットを装着していない状態での定着装置の概略構成図である。
【図3】オイルユニットの概略構成図である。
【図4】オイルユニットを備えた定着装置の画像形成装置へのセット直前の状態を説明する図である。
【図5】図4に対応する定着装置の画像形成装置へのセット状態を説明する図である。
【符号の説明】
15 定着装置
22 定着ベルト
23 加熱ローラ
24 定着ローラ
25 加圧ローラ
26 加熱ローラヒータ
27 加圧ローラヒータ
28 サーミスタ
29 入口ガイド板
30 ガイド部材
31 取っ手
34 オイル保持ケース
37 取っ手ガイド部材
Claims (5)
- オフセット防止用オイルを保持するためのユニットを着脱自在に備えた定着装置において、持ち運びのために当該定着装置に取り付けられた取っ手を用いて上記オイルユニットを定着装置に固定可能としたことを特徴とする定着装置。
- 定着装置を画像形成装置へセットする動作に連動してオイルユニットの固定を実現することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 定着装置を画像形成装置から取り出す動作に連動してオイルユニットの固定を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
- 上記取っ手が定着装置に回動自在に設けられ、画像形成装置からの取り出しの際に所定位置へ自動的に戻ることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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