JP3967126B2 - シュレッダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄用紙,フィルム,テープ等のような不要のシート状被裁断物(以下、単に裁断物という)をカッターで裁断すると共に、裁断により生じた裁断屑を該カッターの下方に収容するための空間を備えたシュレッダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述したような不要の裁断物は、通常、シュレッダー内のカッターにより裁断されるが、裁断により裁断屑が大量に発生するため、一時的に、カッター下方に配置された大容量の収容箱内に集め、裁断屑が満杯になる都度、或いは定期的に収容箱を取り出して、内部の裁断屑だけを処分している。
【0003】
シュレッダーのハウジング内で裁断を行うたびに紙屑や紙粉に代表される裁断屑が発生し、それがある程度シュレッダー内に蓄積してくると、上述したような裁断屑の取出し方式を採用したシュレッダーでは、軽い裁断屑が、収容箱を取り出す際に発生する空気の流れに乗って舞い上がってしまうことがある。また、カッター等に付着し溜まっていた裁断屑の塊がシュレッダーの底板上に自然落下することがある。
【0004】
従って、上述したシュレッダーでは、収容箱の取出し時に裁断屑がシュレッダー内部及び外部の床面上に飛散することがあるので、収容箱を取り出してその内部の裁断屑を廃棄するだけでなく、飛散した裁断屑を集めて周辺を清掃するという作業も加わり、非常に廃棄作業に手間がかかるのが実情である。従って、この問題の解決のために様々な工夫が凝らされてきた。
【0005】
例えば、特開平05−24647号公報「紙片処理装置」に記載の紙片処理装置は、連続用紙から切断除去されたマージナル部等の紙片を、連続用紙処理装置から他の場所に移送して短片状に切断し、圧縮処理すると共に、圧縮した紙片を紙粉等を飛散させずに廃棄処理するために、吸引フードで受けたマージナル部等の紙片をシュレッドブロア内に吸引して短片状に切断し、サイクロンに導いて空気及び紙粉と分離した紙片を、圧縮函内に落下させて圧縮ラムで順次圧縮し、所定量堆積したところで排出するようになっており、一方、上述のサイクロンで紙片と分離した空気及び紙粉については、集塵機に導いてフィルターで紙粉を除去し、清浄化した空気を排気筒から排気するようになっている。
【0006】
また、特開平09−168749号公報「シュレッダー」には、シュレッダー稼働時の屑収容箱外への屑飛散や、こぼれを防止すると共に、屑及び屑収容箱取り出し時の屑のこぼれを防止するために、屑収容箱が昇降可能で、かつ、上昇時、下降時の両状態で位置固定できる機構を具備したことを特徴とするシュレッダーが開示されている。即ち、裁断する際には収容箱を裁断機に近い位置に上昇させ、取り出す際には仕切板を裁断機から離れた位置に下降させている。
【0007】
更に、特開平09−141117号公報「シュレッダーの屑受板」に記載された発明は、フレームで構成された引出し式キャビネットの最上段に細断機を設けると共に該細断機の直下の引出しを屑箱としたシュレッダーにおいて、屑箱の出し入れに伴い不可避的に舞上がる細断屑が床面や屑箱次段の収納箱内へ落下するのを防止すると共に、こぼれ落ちた細断屑を容易に回収、清掃し得るようにした屑受板を提供することを目的とするもので、この屑受板は、フレームの水平枠縁部に平板を着脱自在に載置して水平枠中央の開放部を閉止するようにしている。具体的には、屑受板は、フレームの水平枠縁部に、その中央に形成された開放部を閉止する平板を着脱自在に載置すると共に、該平板と上記屑箱の底板との間に空間部を形成するようにしており、更に具体的には、上記平板をフレームの水平枠の中央に形成された開放部に嵌合する凹部を有する平板とし、或いは、平板上面に屑箱の引出し方向の平行突条を有する平板としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平05−24647号公報及び特開平09−168749号公報に記載の技術によれば、特別な機構の設置を要するために機器が大型となり、必然的に高製作コストにならざるを得ないので、小型・低価格を目指す機種に特開平05−24647号公報及び特開平09−168749号公報の技術を適用することは、現実的ではない。また、特開平09−141117号公報に記載の技術は、屑受板の作用により裁断屑が外部に流出することを防止できるが、屑受板を取り出し裁断屑を廃棄するという作業が必要である。
【0009】
この発明は上記に鑑みてなされたものであって、裁断屑の舞い上がりによる飛散・外部への流出を防止した上で、小型・低価格を目指すシュレッダーにも適用できる技術を実現することを目的とする。
【0010】
また、上述したシュレッダーにおいて、カッターに残存して付着している裁断屑がシュレッダー底板上に落下するのを防止しうる技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、上方部にカッターを設置するための設置スペースを画成すると共に、下方部に裁断屑の収容容器を収容するための収容スペースを画成するハウジングを有するシュレッダーにおいて、前記ハウジングは、前記上方部及び前記下方部間に前記裁断屑の収集スペースを画成しており、前記収容容器は、前記収集スペースに着脱自在に接続しうる開口部を有する可撓性の袋状体であり、前記ハウジングは、さらに、前記収容スペースに対する前記袋状体の装入・装出を許容する大きさの袋通路と、該袋通路を選択的に開閉するための扉とを備え、前記扉は、前記袋通路の開状態において前記カッターと前記袋状体との間に位置決めされることを特徴とするシュレッダーを提供している。
【0012】
請求項2に記載の本発明のように、上述のシュレッダーにおいて、前記収集スペースには前記裁断屑の収集手段が設けられており、前記袋状体は、袋設置器を介して前記収集手段に着脱自在に設置されることが好ましい。
【0013】
また、請求項3に記載の本発明のように、前記収集手段は、中央に開口を有する上下2段のすり鉢状屑受けであり、下段の屑受けにある開口は上段の屑受けにある開口よりも直径が小さく形成されており、前記袋設置器は、前記下段の屑受けにある前記開口よりも直径の大きい開口を中央に有する環状構造であることが好ましい。
【0014】
また、請求項4に記載の本発明のように、前記扉は、前記開状態において前記上下2段の屑受け間に、前記下段の屑受けの開口を遮蔽するように位置決めされるようになっていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明するが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。また、本発明は、以下の説明から分かるように、この実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0016】
本発明の一実施例にかかるシュレッダーを概念的に示す図1において、廃棄用紙,フィルム,テープ等のような不要のシート状被裁断物を裁断するためのシュレッダー1は、底板2a,図において左右にある前板2b及び裏板2c,上部蓋板もしくは天板2d並びに図示しない相対する側板とを有する箱状のハウジング2を備えている。前板2bの下半部には開口(袋通路)が形成されており、該開口を選択的に開閉しうるように扉3がその上端部で前板2bの上半部に周知の手段で支持されている。
【0017】
ハウジング2の内部空間の上方部は、裁断機もしくはカッター4の設置スペースとなっており、下方部は、作動中にこのカッター4等から落下してくる裁断屑4aを収容するための収容容器(袋状体)7の収容スペースとなっており、また、上方部及び下方部間は、裁断屑4aの収集スペースとなっており、そこに後述する収集手段が設置されている。
【0018】
この実施例において、上述した収容スペースには、中心に向かい下方に傾斜したすり鉢状の屑受け5,6(収集手段)が2段になって上下方向に互いに離間して設けられている。各屑受け5,6は、中央に開口5a,6aを有しており、その直径は、上部の屑受け5の開口5aの方が下部の屑受け6の開口6aよりも大きくなっている。そして、下部の屑受け6の開口6aは収容容器7の上部にある開口よりも小さい。従って、カッター4から落下する裁断屑4aは大部分が収容容器7に入り、飛散した一部の裁断屑や紙粉は上部及び下部の屑受け5,6上に溜まるかも知れないが、そこから落下すれば確実に収容容器7に入る。
【0019】
前述した扉3は、前板2bに形成された開口(袋通路)9を閉じた状態では図1に示すように前板2bの上半部から垂下しており、開口を開くときには、図3及び図4から分かるように、扉3の上端部を中心として図3において反時計方向に枢回しつつほぼ水平状態まで枢回され、しかる後、図4において矢印で示されるように上部及び下部の屑受け5,6の間に移動され、好ましくは下部の屑受け6上に支持される。従って、この扉3は、図4に示す開状態にあるとき、カッター4と収容容器7との間の隔壁として機能する。
【0020】
収容容器7は、例えば、収容した裁断屑と共に使い捨てしうる安価な紙製,樹脂製,或いは不織布製のような袋でよく、一方、下部の屑受け6の下面には開口6a周りに袋設置器8が取り付けられており、この袋設置器8が樹脂製の収容容器7をしっかり保持しうるようになっている。袋設置器8は、周知の形式のものでよく、例えば図2に最も良く示すように、内側の袋引掛けリング8aと、下部の屑受け6に着脱自在に取り付けられる外側の袋保持リング8bとから構成することができる。収容容器7をこの袋設置器8にセットするには、外側の袋保持リング8bとは別体の内側の袋引掛けリング8aの中に収容容器7の開口縁部7aを入れてから、同開口縁部7aを袋引掛けリング8aの周縁に引っ掛けるようにして外に折り返し、次いで開口縁部7aが引っ掛けられている袋引掛けリング8aを外側の袋保持リング8bに嵌め込んでから、袋保持リング8bを袋引掛けリング及び袋状体と共に下部の屑受け6に取り付ければよい。
【0021】
裁断屑4aの入った収容容器7をハウジング2から取り出す場合は、先ず、扉3をその上端部を中心として図3において反時計方向に枢回しつつほぼ水平状態まで回し、しかる後、図4において矢印で示されるように上部及び下部の屑受け5,6の間に滑動させる。これによりカッター4と収容容器7との間に隔壁が形成されるので、収容容器7をハウジング2の外部に取り出した後に、裁断屑4aが収容容器7のあったスペースに落下飛散するようなことがなくなる。
【0022】
次いで、袋設置器8を下部の屑受け6から取り外し、この袋設置器8ごと収容容器7をハウジング2の外部に取り出す。しかる後、取り出された収容容器7から前述とは逆の手順で袋設置器8を取り外せば、裁断屑を収容容器7ごと廃棄することができる。言うまでもなく、収容容器7は廃棄することなく繰り返し使用してもよい。
【0023】
上述の好適な実施例において、収集手段を構成する上部及び下部の屑受け5,6は実質的に同じ角度で傾斜しているが、傾斜角度は異なっていてもよい。その場合、扉3が開状態のときに、その上に裁断屑が落ちることのないように、上部の屑受け5の傾斜角度を下部の屑受け6よりも大きくして、扉3が開位置に達する前に、上部の屑受け5上に溜まっていた裁断屑を落下させことが好ましい。また、実施例では、上部の屑受け5が設けられていたが、これは省略してもよい。更に、袋設置器8は、下部の屑受け6に磁気的に結合できれば、単にリングのみから構成しうる。この場合、袋状体7を装着するには、その開口縁部をリングの内側に入れてから外側に折り返し、その後、該リングを下部の屑受け6に磁気的に結合すればよい。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、シュレッダーのハウジングは、その上方部及び下方部間に裁断屑の収集スペースを画成しており、収容容器は、この収集スペースに着脱自在に接続しうる開口部を有する可撓性の袋状体であるため、裁断屑の舞い上がりによる飛散・外部への流出を防止した上で、小型・低価格を目指すシュレッダーにも適用できるだけでなく、袋状体として例えばゴミ出し用の市販のプラスチック袋を利用することができるので、裁断屑を廃棄する場合に、袋ごと簡単に廃棄することができる。また、前記ハウジングは、前記収容スペースに対する前記袋状体の装入・装出を許容する大きさの袋通路と、該袋通路を選択的に開閉するための扉とを備え、該扉は、前記袋通路の開状態において前記カッターと前記袋状体との間に位置決めされるようになっていれば、袋状体の装出の際にカッターから裁断屑が剥離してもハウジングの底板上に落下することがなくなるので、後からの清掃作業が容易である。
【0025】
また、請求項2に記載の本発明によると、収集スペースには裁断屑の収集手段が設けられており、前記袋状体は、袋設置器を介して前記収集手段に着脱自在に設置されるので、裁断屑を袋状体内に効率的に収容すると共に、袋状体をこの収集手段に簡単に装着することができる。
【0026】
請求項3に記載の本発明によると、収集手段は、中央に開口を有する上下2段のすり鉢状屑受けであり、下段の屑受けにある開口は上段の屑受けにある開口よりも直径が小さく形成されており、袋設置器は、前記下段の屑受けにある前記開口よりも直径の大きい開口を中央に有する環状構造であるので、裁断屑を袋状体内に更に効率的に収容することができ、また、袋設置器は単純な構造のため、部品コストも低くすることができる。
【0028】
更に、請求項に記載の本発明のように、前記扉は、前記開状態において前記上下2段の屑受け間に、前記下段の屑受けの開口を遮蔽するように位置決めされるようになっていると、裁断屑の落下防止効果が更に高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例によるシュレッダーを概念的に示す概略側面図である。
【図2】図1のシュレッダーにおける袋設置器の一例をやや詳細に拡大して示す説明図である。
【図3】図1のシュレッダーにおける扉を開いて袋状体を取り出す過程を示す説明図である。
【図4】図1のシュレッダーにおける扉を開いて開状態とした場合の概略側面図である。
【符号の説明】
1 シュレッダー
2 ハウジング
3 扉
4 カッター
4a 裁断屑
5 屑受け(裁断屑の収集手段)
5a 開口
6 屑受け(裁断屑の収集手段)
6a 開口
7 収容容器(袋状体)
7a 開口縁部
8 袋設置器
8a 袋引掛けリング(環状構造)
8b 袋保持リング(環状構造)
9 袋通路

Claims (4)

  1. 上方部にカッターを設置するための設置スペースを画成すると共に、下方部に裁断屑の収容容器を収容するための収容スペースを画成するハウジングを有するシュレッダーにおいて、
    前記ハウジングは、前記上方部及び前記下方部間に前記裁断屑の収集スペースを画成しており、
    前記収容容器は、前記収集スペースに着脱自在に接続しうる開口部を有する可撓性の袋状体であり、
    前記ハウジングは、さらに、前記収容スペースに対する前記袋状体の装入・装出を許容する大きさの袋通路と、該袋通路を選択的に開閉するための扉とを備え、
    前記扉は、前記袋通路の開状態において前記カッターと前記袋状体との間に位置決めされることを特徴とするシュレッダー。
  2. 前記収集スペースには前記裁断屑の収集手段が設けられており、前記袋状体は、袋設置器を介して前記収集手段に着脱自在に設置されることを特徴とする請求項1に記載のシュレッダー。
  3. 前記収集手段は、中央に開口を有する上下2段のすり鉢状屑受けであり、下段の屑受けにある開口は上段の屑受けにある開口よりも直径が小さく形成されており、前記袋設置器は、前記下段の屑受けにある前記開口よりも直径の大きい開口を中央に有する環状構造であることを特徴とする請求項2に記載のシュレッダー。
  4. 前記扉は、前記開状態において前記上下2段の屑受け間に、前記下段の屑受けの開口を遮蔽するように位置決めされることを特徴とする請求項に記載のシュレッダー。
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