JP3966669B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の処理室を備えたプラズマ処理装置に係り、特に1台の高周波電源から複数の処理室へ高周波電力を分配するようにしたプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
処理室内でプラズマを発生するためには高周波電源、およびインピーダンス整合を行なう高周波整合器が必要である。複数の処理室を備えたプラズマ処理装置では、1つの処理室に対して、1つの高周波電源、1つの高周波整合器を必要としているものがほとんどである。各処理室毎に高周波電源と高周波整合器を設けると、各処理室に均等に高周波電力を供給することはできるが、制御対象が多くなり、制御上難しくなる傾向にある。また、経済的にも問題である。
【0003】
そこで、1台の高周波電源から複数の処理室へ高周波電力を分配する技術が提案されている(例えば、特許番号第2673571号)。これは、基本的には給電線にインダクタンスを挿入して、各処理室へ均等に高周波電力を供給しようとするものである。処理室に至る給電線のインダクタンスよりも、大きなインダクタンスを挿入し、給電線のインダクタンスの影響を、相対的に小さくすることを狙いとしている。
【0004】
また、上記技術には、1つの高周波電源の給電線を分割して、可変コンデンサや可変インダクタンスを挿入することも提案されている。これは、処理室までに至る各給電線に着目し、各給電線のインピーダンスを等しくしようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の技術では次のような問題があった。
【0006】
(1)処理室までに至る給電線に着目したものでは、電流等のモニタ機構が備っていないため、可変コンデンサや可変インダクタンスの適正値を見出すことは困難である。実際には、基板処理室の構造のバラツキや、プラズマの電気的なバラツキもあり、これらを含めて、均等に電力分配を行なおうとすることは困難である。
【0007】
(2)基板処理室までに至る給電線のインダクタンスより、大きなインダクタンス素子を挿入し、給電線のインダクタンスの影響を、相対的に小さくするものでは、インダクタンス成分が大きくなりすぎ、高周波電流の通りが悪くなることが考えられる。また、素子を挿入することにより、給電線のインピーダンスを大きくしてしまい、系全体の整合状態を大きく変え、プラズマ生成に影響を与えかねない。特に、3つ以上の処理室を備える場合は、困難が予想される。
【0008】
(3)基本的には、2分割方法を基礎とし、偶数分割方法を提案しているが、奇数分割方法には適用が困難である。
【0009】
(4)また、均等に分配することを狙いとしているので、任意の電力を分配することができない。
【0010】
本発明の課題は、任意数の処理室に対して、処理室の構造的、電気的なバラツキにかかわらず、1つの高周波電源から均等に電力を分配することが可能なプラズマ処理装置を提供することにある。また、本発明の他の課題は、複数の処理室に対して、系全体の整合状態を大きく変えることなく、1つの高周波電源から高周波電力を任意の分配率で分配することが可能なプラズマ処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、1台の高周波電源から複数のプラズマ処理室に高周波電力を分配する分配線路に挿入される可変リアクタンスと、前記分配線路に流れる電流を測定する測定系と、前記測定電流に応じて前記可変リアクタンスを制御する制御系とを備えたプラズマ処理装置である。分配線路に挿入する可変リアクタンスは、可変コンデンサまたは可変インダクタンス単独の場合も含まれる。
【0012】
分配線路に挿入した各可変リアクタンスを制御して、分配線路に流れる各電流の大きさ及び位相が同じになるようにする。すると、各可変リアクタンスの両端に生じる各電位差も同相となり、分配点での電圧が共通であるので、各基板処理室に供給される高周波電力が均等になる。その結果、簡単な回路構成でありながら、処理室の構造的、電気的なバラツキにかかわらず、1つの高周波電源から任意数の基板処理室に均等に電力を分配することが可能になる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御系が、一方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがインダクティブになり、他方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがキャパシティブになるように前記可変リアクタンスを制御するものであるプラズマ処理装置である。
【0014】
一方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがインダクティブになり、他方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがキャパシティブになるように制御すると、系全体の整合状態を大きく変えることなく、複数の処理室に分配供給する高周波電力を任意の分配率で分配可能となる。
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、2つの処理室を備えたプラズマ処理装置に適用した場合について説明する。基板は半導体ウェハまたは液晶表示装置を構成するガラス基板などである。
【0015】
図1に示すように、プラズマ処理装置は、基板をプラズマ処理する2つの基板処理室1、2と、2つの基板処理室1、2の高周波電極11、12にプラズマ発生用の高周波電力を同一の供給源から供給するための1台の高周波電源5と、1台の高周波電源5から2つの基板処理室1、2に高周波電力を供給する給電線10を備えている。給電線10は高周波電源5から分配点Aまでの給電線路6と、分配点Aから2つの処理室1、2に高周波電力を2分配する分配線路7、8とから構成される。
【0016】
給電線路6にはインピーダンス整合を行なうマッチングボックスと呼ばれる高周波整合器15が挿入されている。高周波整合器15は電気的定数を決める可変コンデンサとインダクタンスとから主に構成される。高周波電源5が1台だから高周波整合器15も1台でよく、1台の高周波電源5及び1台の高周波整合器15を共通使用するので電源の個数が削減でき経済的である。
【0017】
分配線路7、8には可変コンデンサC1、C2と、分配線路7、8に流れる電流を測定する電流測定系としての電流検出器CT1、CT2がそれぞれ挿入されている。そして、CT1、CT2の電流測定結果に応じて、各基板処理室1、2に高周波電力が均等に供給されるように、分配線路7、8に挿入した可変コンデンサC1、C2を制御する制御部16が設けられる。
【0018】
可変コンデンサC1、C2は、給電線10のインダクタンスの影響を少なくするために、それぞれの高周波電極11、12への高周波給電点B1、B2の上部に挿入する。可変コンデンサC1、C2に流れる電流はCT1、CT2によってモニタする。2つのCT1、CT2の出力は減算されるように接続され、減算値がゼロ(電流の大きさが同じでかつ同相)になるように制御部16から可変コンデンサC1、C2に制御出力を加えて、可変コンデンサC1、C2の容量を変える。
【0019】
それぞれのCT1、CT2の減算値がゼロになった場合、図2のベクトル図に示すように、各分配線路7、8にそれぞれ流れる電流I1、I2を、大きさが同じで、位相差ゼロとなるように、制御部16によって可変コンデンサC1、C2を制御する。可変コンデンサC1、C2の両端に生じる電位差をVc1、Vc2とすると、ベクトルI1とベクトルVc1とは直交し、ベクトルI2とベクトルVc2とは直交する関係になる。したがって、分配点Aの電圧をV0、給電点B1、B2の電圧をそれぞれV1、V2とすれば、
1=V0−Vc1 (1)
2=V0−Vc2 (2)
となる。V1とI1の位相差をθ、V2とI2の位相差をφとすると、
|V1|cosθ=|V2|cosθ (3)
となり、高周波電極11、12への供給電力は、
|I1||V1|cosθ=|I2||V2|cosφ (4)
となり、均等に供給されることになる。
【0020】
上述したように実施の形態によれば、つぎのような効果がある。
(1)分配線路7、8に可変コンデンサを挿入し、可変コンデンサに流れる電流に応じて可変コンデンサを制御するという簡便な構成で、高周波電力を複数の処理室に均等に分配できる。
(2)分配線路7、8に挿入する素子はインダクタンスではなく、コンデンサなので、インダクタンス成分が大きくなりすぎて高周波電流の通りが悪くなるということがない。
【0021】
(3)電流モニタ機構を給電線に備えているため、基板処理室の構造のバラツキや、プラズマの電気的なバラツキがあっても、可変コンデンサの適正値を容易に見い出すことができ、均等に電力分配を行うことができる。
【0022】
なお、実施の形態では分配線路7、8の両方に可変コンデンサを挿入したが、その内の、一方を固定コンデンサとし、他方を可変コンデンサとして、他方の可変コンデンサのみを制御するようにしてもよい。また、図3に示すように、コンデンサの代りに、可変インダクタンスL1、L2を挿入して、これらに流れる電流に応じてインダクタンス値を制御するようにしてもよい。さらに図4に示すように、可変リアクタンスjX1、jX2を挿入して、これらに流れる電流に応じてリアクタンス値を制御するようにしてもよい。いずれも、各素子に流れる電流を測定するようにしたので、電力均等分配のための各素子の適正値を容易に決定できる。
【0023】
また、基板処理室が3室以上の場合も同様である。その一例として、図5に3室(処理室1〜3)の場合を挙げる。この場合、各分配線路7、8、9に流れる電流をモニタするCT1〜CT3の出力に位相シフタ17〜19を接続して、CT1〜CT3の出力を、それぞれ0度、120度、240度位相を変え、各出力を加算器20で加算する。加算した値がゼロとなるように、制御部16により可変コンデンサC1〜C3を制御して容量値を変え、電力が均等に分配されるようにする。
【0024】
このように分配後の電流をモニタして、その大きさ及び位相差が等しくなるように各可変コンデンサを制御しているので、偶数分割、奇数分割に係わらず、均等な電力分配が可能となる。また、3つ以上の処理室を備える場合でも、電力の均等分配が容易になる。
【0025】
上述した実施の形態では複数の基板処理室に均等に電力を分配する場合について説明したが、処理室の処理内容によっては、均等ではなく、任意の分配率で高周波電力を分配することが要求される場合がある。そこで、次の実施の形態では、複数の基板処理室に任意の分配率で高周波電力を分配することが可能なプラズマ処理装置について説明する。ここでは、処理室が2つの場合について説明する。
【0026】
図6に示すように、1台の高周波電源5から給電線10を通じて2つの基板処理室1、2の高周波電極11、12にプラズマ発生用の高周波電力を供給し、給電線路6に高周波整合器15が挿入されている点は、図1のものと同じである。異なる点は、分配線路7、8に可変コンデンサC1、C2、およびCT1、CT2に加えて、更にインダクタンスL1、L2を挿入した点である。すなわち、分配線路7、8の各電極11、12の高周波給電点B1、B2の上部に、可変コンデンサC1、C2とインダクタンスL1、L2をそれぞれ直列に挿入する。ここで、可変コンデンサC1、C2の中央値CCと、インダクタンスL1、L2のインピーダンスの絶対値が等しくなるように選定する。なお、可変コンデンサの中央値ではなく、可変範囲内の1つの値としてもよい。図6のものは、分配線路にリアクタンスを挿入するという点で、図4の構成をさらに一歩進めたものといえる。
【0027】
下式のように可変コンデンサの中央値とインダクタンスのインピーダンスの絶対値が等しいとき、
|ωL|=|1/(ωCC)| (5)
分配線路7、8に挿入された素子のインピーダンスが0Ωになり、素子を挿入したにもかかわらず、抵抗がなくなるので電力供給効率が上がる。また、可変コンデンサC1、C2を中央値CCより変化させることにより、挿入された素子は、インダクティブにもキャパシティブにも変化し、各処理室に流れる通過電力を制御できることになる。
【0028】
上記実施の形態によれば、分配線路にインダクタンスをさらに直列に挿入し、可変コンデンサの値を変えることにより、各処理室に流れる通過電力を制御できるようにしたので、複数の処理室に供給する高周波電力を任意の分配率で分配できる。加えて、インピーダンスが0Ωとなる動作点をもつので、分配線路への素子挿入によるインピーダンスの過大な増加がない。また、素子を挿入しても、給電線のインピーダンスが大きくならないので、系全体の整合状態の変化を最低限に抑えることができ、プラズマ生成に与える影響を少なくすることができる。
【0029】
なお、上述した実施の形態ではコンデンサを可変にしてインダクタンスを固定にしたが、図7に示すように、インダクタンスを可変にし、コンデンサの方を固定にするようにしてもよい。
【0030】
ここに、上述した可変コンデンサの容量を変えることにより通過電力を制御できる理由を説明する。基板処理室内に発生しているプラズマを、電気定数としてモデル化すると、エネルギーが消費される抵抗分Rと、プラズマシースの容量分CSの直列回路として表現される。このRとCsの値は、投入電力により、それほど大きく変化しないことが実験的に確認されている。
【0031】
図8に、そのような1処理室分(1電極分)の線路に可変コンデンサC1及びインダクタンスL1を挿入した等価回路図を示す。A点の印加電圧V0は一定であるとする。図9にベクトル図を示す。同図において、
可変コンデンサ変更前のベクトル式は、
ベクトルOA(V0)=ベクトルB1A+ベクトルOB1
可変コンデンサ変更後のベクトル式は、
ベクトルOA(V0)=ベクトルB2A+ベクトルOB2
である。
可変コンデンサC1の容量を変えると、回路全体のリアクタンスXが変化し、結果的に、分配線路に流れる電流Iも変化する。抵抗Rは、先に述べたように、ほぼ一定と考えられるので、電流Iが変れば、図9のベクトルOB1の長さが、円弧に沿って変化する。プラズマに供給される電力は、I2Rとなるので、投入電力は、おおむね、このベクトルOB1、OB2の長さの二乗に比例することになる。したがって可変コンデンサの容量を変えると通過電力を制御できることになる。
【0032】
ここまでの説明では、印加電圧V0を一定と仮定したが、高周波電源は電力一定で制御しているため、可変コンデンサを変化させることにより、印加電圧V0も変化する。しかしながら、一方の処理室の高周波電極に接続されている可変コンデンサをキャパシティブになる方向に変化させ、他方の電極に接続される可変コンデンサをインダクティブになるようにすれば、電圧の変化の度合いも軽減される。したがって上記に説明した状況、すなわちV0一定の仮定を大きく崩すことなく、高周波電力を任意の分配率で分配することができる。
【0033】
ここに電圧の変化の度合いが軽減される点について、図10〜図15を用いて、具体的に説明する。まず仮定として図10に示す単純モデルを考える。2つの処理室1、2のインピーダンスは同じとし、したがって2つの分配線路に流れる電流I1、I2も同じとする。一般的にプラズマは処理室内壁でシースを作るため、容量性(キャパシティブ)と考え、電圧V0よりも電流I0(I1,I2)が進んでいるものとする(図11)。
【0034】
電力を調整するために、図12に示すように一方の分配線路7にインダクタンスLを、他方の分配線路8にコンデンサCをそれぞれ挿入した場合を考える。各処理室1、2の両端に生じる電圧をV1、V2とする。そのときのベクトル図を図13に示す。コンデンサCの両端に生じる電圧をVC、インダクタンスLの両端に生じる電圧をVLとすると、ベクトルI1とベクトルVLとは直交し、ベクトルI2とベクトルVCとは直交する関係になる。VLに対してI1は90°位相が遅れるのに対して、I2はVCに対して90°位相が進む。このため印加電圧V0に対して、コイルLを挿入した側の処理室1の電圧V1は遅れ側に位置し、コンデンサCを挿入した側の処理室2の電圧V2は進み側に位置する。
【0035】
これに対して、図14に示すように両分配線路7、8に共にコンデンサC1、C2を挿入した場合を考える。それぞれの両端に生じる電圧をV1C、V2Cとする。そのときのベクトル図を図15に示す。ベクトルI1とベクトルV1Cとは直交し、ベクトルI2とベクトルV2Cとは直交する関係になる。V1Cに対してI1は90°位相が進むが、I2もV2Cに対して90°位相が進むことになる。このため印加電圧V0に対して、分配線路7側の処理室1の電圧V1も、分配線路8側の処理室の電圧V2も共に進み側に位置することになる。
【0036】
ここで図13および図15の印加電圧V0と合成電流I0の位相角φを比較すると、位相角φは共にコンデンサを挿入した図15の方が大きくなっていることが解る。これに対して、一方にインダクタンス、他方にコンデンサを挿入した図13の方が、両インピーダンスを同じとした図11のそれに近いことが解る。このことは、図13の方が図15に比べて、インピーダンス変化が小さいということを意味する。したがって、一方の処理室の高周波電極に接続されている可変コンデンサをキャパシティブになる方向に変化させ、他方の電極に接続される可変コンデンサをインダクティブになるようにすれば(図12)、電圧変動の度合いも軽減されて、電力分配が任意に行なえるということになる。
【0037】
見方を変えて説明する。分配線路に形成された処理室を含む分配回路の合成インピーダンスをr+jxとすると、
【数1】
Figure 0003966669
とも表現できる。
【0038】
印加電圧V0の電圧変動が大きいということは、合成インピーダンスの変動が大きいということであり、逆に電圧変動が比較的少ないということは、合成インピーダンスの変動が少ないということである。先に述べた図15に示すように、印加電圧V0と合成電流I0との位相角φが大きく変化するものは、インピーダンスが大きく変化することを意味する。これに対して図13に示すように、進み電流I2と遅れ電流I1とで合成された合成電流I0の進み遅れの度合が比較的少なく、位相角φの変化が小さいものは、インピーダンスの変化が小さいことを意味する。したがって、分配回路の可変素子を制御する際、合成インピーダンスの変化が少ないため、高周波整合器内の電気的定数を大きく変更しなくて済む。すなわち、可変素子の値を変えても、系全体の整合状態が大きく変わらず、プラズマ生成に影響をおよぼさない。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、可変コンデンサなどのリアクタンス成分に流れる電流を測定する測定系を備えたので、リアクタンス成分の適正値を見い出すことが容易となり、その結果、処理室の構造的、電気的なバラツキにかかわらず、複数の処理室に均等に高周波電力を分配できる。
【0040】
また、一方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがインダクティブになり、他方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがキャパシティブになるように可変リアクタンスを制御するようにしたので、系全体の整合状態を大きく変えることなく、複数の処理室に高周波電力を任意の分配率で分配できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による基板処理室が2室で、給電線に可変コンデンサを用いた場合のプラズマ処理装置の構成図である。
【図2】実施の形態における電力の均等分配を説明するベクトル図である。
【図3】実施の形態による基板処理室が2室で、給電線に可変インダクタンスを用いた場合のプラズマ処理装置の構成図である。
【図4】実施の形態による基板処理室が2室で、給電線に可変リアクタンスを用いた場合のプラズマ処理装置の構成図である。
【図5】実施の形態による基板処理室が3室で、給電線に可変コンデンサを用いた場合のプラズマ処理装置の構成図である。
【図6】実施の形態による基板処理室が2室で、給電線に可変コンデンサとインダクタンスとを用いた場合のプラズマ処理装置の構成図である。
【図7】実施の形態による基板処理室が2室で、給電線に可変インダクタンスとコンデンサとを用いた場合のプラズマ処理装置の構成図である。
【図8】実施の形態による電力を任意の分配率で分配できることを説明するための回路図である。
【図9】実施の形態による電力を任意の分配率で分配できることを説明するためのベクトル図である。
【図10】インピーダンスを同じとした2つの処理室に流れる電流と、そのときの電圧の説明図である。
【図11】図10に示した電圧、電流のベクトル図である。
【図12】給電線にコイルとコンデンサとをそれぞれ挿入したときに流れる電流と、そのときの各部の電圧の説明図である。
【図13】図12に示した電圧、電流のベクトル図である。
【図14】給電線に共にコンデンサを挿入したときに流れる電流と、そのときの各部の電圧の説明図である。
【図15】図14に示した電圧、電流のベクトル図である。
【符号の説明】
1、2 基板処理室
5 高周波電源
7、8 分配線路
10 給電線
1、C2 可変コンデンサ
CT1、CT2 電流検出器
16 制御部

Claims (1)

  1. 1台の高周波電源から複数のプラズマ処理室に高周波電力を分配する分配線路に挿入される可変リアクタンスと、
    前記分配線路に流れる電流を測定する測定系と、
    前記測定電流に応じて前記可変リアクタンスを制御する制御系とを備え、
    前記制御系は、一方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがインダクティブになり、他方の分配線路に挿入した可変リアクタンスがキャパシティブになるように前記可変リアクタンスを制御するものであるプラズマ処理装置。
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