JP3966596B2 - 雪上車のスライドレール構造 - Google Patents

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    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M27/00Propulsion devices for sledges or the like
    • B62M27/02Propulsion devices for sledges or the like power driven
    • B62M2027/026Snow mobiles characterised by the suspension means

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無限軌道帯により走行駆動される雪上車において、無限軌道帯の下部(接地面)を案内するための左右一対のスライドレールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
無限軌道帯を駆動することで雪面上を走行する雪上車では、無限軌道帯の下部(接地面)を案内するために、前端部が上方に屈曲した左右一対のスライドレールが、その上方に位置する車体フレームに対し、前側の懸架部と後側の懸架部によって、車体の前後方向で揺動自在に懸架されていて、それによって、無限軌道帯の接地面が雪面の起伏に応じて、車体の前後方向で上下方向に揺動可能なものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような雪上車のスライドレールについては、上方に屈曲した前端部から後方の直線部の長さが長くなる程、無限軌道帯の接地面が大きくなるため、特に新雪や深雪において走行が安定する一方、旋回走行するときには、スライドレールの直線部が長いことで旋回半径が大きくなって、小回りがきかないものとなるため、通常は、新雪や深雪での安定性と旋回性能とは両立し難いものとなっている。
【0004】
また、スライドレールは、通常、その前端部のみが上方に屈曲していることで(すなわち、後端部も上方に屈曲させると、無限軌道帯の接地面が必要以上に小さくなってしまう)、前進時には雪面の起伏をスムーズに乗り越えられるものの、後進が可能な機種では、後進時にスライドレールの後端が雪面の起伏と衝突して、その衝撃が大きなものになるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、雪上車のスライドレールについて、新雪や深雪での安定性と旋回性能とを両立させると共に、後進時にも雪面の起伏をスムーズに乗り越えることができるようにすることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、無限軌道帯の下部内側面を案内する左右一対のスライドレールが、その上方に位置する車体フレームに対して、前側懸架部と後側懸架部によって懸架されていると共に、後側懸架部の動きの範囲を規制するためのコントロールロッドが、車体の前後方向に沿って斜め前上がりに配置された状態で、車体フレームとスライドレールとに渡って連結されているような雪上車において、スライドレールの後端部分が、スライドレールの本体に対して別体に形成されていると共に、スライドレールの本体とコントロールロッドとの連結部の近傍で、スライドレールの本体に対して、元に戻るように付勢された状態で、上方へ回動可能なように連結されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の雪上車のスライドレール構造の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は、本発明のスライドレール構造が適用されている雪上車の概略を示すもので、雪上車1では、樹脂製のカウリング2により覆われた状態で車体フレーム3の前部にエンジン4が搭載されており、カウリング2の後方で車体フレーム3の上方にシート5が設けられていて、シート5の前方には操向ハンドル6が設けられ、この操向ハンドル6によって操作される操向スキー7が車体の前端近傍に設けられていると共に、エンジン4によって駆動される駆動トラック部8が、操向スキー7よりも後方で車体フレーム3の下側に設けられている。
【0009】
駆動トラック部8は、エンジン4の回転に連動して回転駆動される駆動輪(ドライブプロケット)10と、駆動輪10によって動かされる無限軌道帯(トラックベルト)11と、無限軌道帯11の下部内側面(接地面の裏側)を案内する左右一対のスライドレール12と、駆動輪10の後方で無限軌道帯11の上部を案内する案内輪(ガイドホイール)13と、スライドレール12の後端部で無限軌道帯11の下部後端を案内する案内輪(ガイドホイール)14と、スライドレール12を車体フレーム3に懸架するための各懸架部(サスペンション)15,16とを備えたものである。
【0010】
この駆動トラック部8において、駆動輪10と案内輪13は車体フレーム3の側に軸支されており、案内輪14はスライドレール12の側に軸支されていて、さらに、スライドレール12には、無限軌道帯11とスライドレール12の間を部分的に非接触状態とすることで両者の接触面における摩擦を少なくするために、遊転輪(アイドラーホイール)17が複数の適当箇所にそれぞれ軸支されている。
【0011】
図2および図3は、図1に示した雪上車1の駆動トラック部8におけるスライドレール12とその懸架部15,16を詳しく示すもので、図2は、左側方から見た状態を示し、図3は、上方から見た車体左半分の側を示すものであって、スライドレール12は、車体フレーム3に対して、雪面の起伏に対応して全体が上下方向で揺動可能なように、前側の懸架部(フロントサスペンション)15と後側の懸架部(リヤサスペンション)16によって支持されている。
【0012】
前側懸架部15については、左右一対のトルクアーム20が、車体の幅方向中央部の両側で、車体の前後方向に沿ってそれぞれ設けられており、トルクアーム20の前端は、車体フレーム3に回動可能に支持された軸部材21を介して、車体フレーム3に対して回動可能に固定されていて、トルクアーム20の他端は、左右のスライドレール12にわたって回動可能に支持された軸部材22を介して、スライドレール12に対して回動可能に固定されている。
【0013】
また、軸部材22の前方には、更に、軸部材23が左右のスライドレール12にわたって支持されていると共に、車体フレーム側の軸部材21とスライドレール側の軸部材23にわたって、コイルスプリングと油圧緩衝器とからなるクッションユニット24が、車体の幅方向中央で、車体の前後方向に沿って設けられている。
【0014】
すなわち、クッションユニット24の一端部は、車体フレーム側の軸部材21の幅方向中央部で、該軸部材21に一端が固着された左右一対の取付ブラケット25の他端側に軸支され、クッションユニット24の他端部は、スライドレール側の軸部材23の幅方向中央部に固着された左右一対の取付ブラケット26に軸支されている。
【0015】
さらに、スライドレール12に対するトルクアーム20の上方回動を所定の範囲に規制するために、一端にネジ部材28を連結したストッパーバンド27が、左右のトルクアーム20のそれぞれに対して設けられており、各ストッパーバンド27の他端は、スライドレール側の軸部材23に取り付けられている。
【0016】
そして、各ストッパーバンド27の一端に連結されたネジ部材28が、トルクアーム20の途中に固着されたブラケット29に進退可能に螺合されていることで、該ブラケット29に対してネジ部材28を進退させることによって、スライドレール12に対するトルクアーム20の上方回動の範囲、すなわち、車体フレーム3に対するスライドレール12の下方への動きの規制の程度を調整することができる。
【0017】
後側懸架部16については、それぞれリンク部材31,32,33,34,35からなる左右一対のリンク機構が、車体の幅方向中央部の両側で、車体の前後方向に沿ってそれぞれ設けられており、このリンク機構に対して、コイルスプリングと油圧緩衝器とからなるクッションユニット44が、車体の幅方向中央部で、無限軌道帯11の上部内側面の近傍に設けられていると共に、所定量だけ伸縮する左右一対のコントロールロッド42が、車体の幅方向両端部にそれぞれ設けられている。
【0018】
後側懸架部16のリンク機構では、リンク機構の前端に位置するリンク部材31の上端が、車体フレーム3に回動可能に支持された軸部材36に固着されることで、車体フレーム3に対して回動可能に固定されており、該リンク部材31の下端は、軸部材37を介してリンク部材32の前端部に連結されていて、このリンク部材32の後端部は、車体フレーム3に回動可能に支持された軸部材38に固着されたリンク部材33の下端に、軸部材39を介して回動可能に連結されている。
【0019】
リンク部材33が固着された軸部材38には、更に、後方に向かって延びるリンク部材34の前端が固着されており、該リンク部材34の後端には、該リンク部材34の左右にわたって架けられた軸部材40を介して、リンク部材35の上端が連結されていて、該リンク部材35の下端は、左右のスライドレール12に回動可能に支持された軸部材41を介して、スライドレール12に対して回動可能に固定されている。
【0020】
後側懸架部16のクッションユニット44は、車体の幅方向中央部で、無限軌道帯11の上部内側面の近傍に、車体の前後方向に沿って前下がりに傾斜した状態で設けられており、クッションユニット44の前端部は、車体フレーム側の軸36部材に固着された左右一対の取付ブラケット45に軸支され、クッションユニット44の後端部は、車体フレーム側の軸部材38とリンク部材34とにわたって固着された左右一対の取付ブラケット46に軸支されている。
【0021】
なお、クッションユニット44の前端部は、図示していないが、該前端部を軸支する軸部材を固定するボルト軸58を、取付ブラケット45に開設された調整ガイド孔内で移動させて、該調整ガイド孔内の適宜の位置で固定することにより、取付ブラケット45に対する取付位置が調整可能なものとなっている。
【0022】
後側懸架部16のコントロールロッド42は、所定量だけ伸縮可能であり、且つ、その伸縮量が調整可能なものであって、その前端部が車体フレーム側の軸部材38に対して回動可能に固定され、その後端部が軸(ボルトとナット)43によりスライドレール12に回動可能に固定されることで、車体の前後方向に沿って前上がりに傾斜した状態で設けられており、このコントロールロッド42の伸縮量に応じてリンク機構の動きを所定の範囲に規制することで、車体フレーム3に対するスライドレール12の下方への動きを所定の範囲に規制することができる。
【0023】
コントロールロッド42の具体的な構造については、図4に示すように、後端にスリーブ51を固着した半割パイプ状の支持部材52の前端に、円柱状のガイド部材53を一体的に固着し、該ガイド部材53にロッド54を摺動自在に挿通し、ロッド54のガイド部材53を挟む両側の部分にそれぞれストッパー55,56を設けたものであって、ロッド54の前端が車体フレーム側の軸部材38に回動可能に連結され、支持部材52の後端のスリーブ51が軸43(ボルトとナット)によりスライドレール12に連結される。
【0024】
このコントロールロッド42は、各ストッパー55,56とガイド部材53との隙間の分だけ伸縮可能となるものであって、ストッパー55,56は、それぞれ複数枚のワッシャーによって構成されており、ロッド54の後端に螺合されたナット57を外してから、各ストッパー55,56においてワッシャーの枚数を増減することで、コントロールロッド42の伸縮量を調整することができる。
【0025】
上記のようなスライドレール12の懸架部15,16によれば、雪上車1の走行中において、無限軌道帯11の接地面を案内するスライドレール12は、雪面の起伏に追従して上下に揺動させられ、その結果、車体フレーム3に対し、前側懸架部15のトルクアーム20と、後側懸架部16のリンク機構31,32,33,34,35を介して、車体フレーム側の軸部材21と軸部材38を回動中心として揺動する。
【0026】
その場合、前側の懸架部15では、トルクアーム20の軸部材21を中心とする揺動により、該軸部材21とこれに固着された取付ブラケット25が回動し、この取付ブラケット25の回動によってクッションユニット24が伸縮することで、該クッションユニット24において発生する減衰力によって、スライドレール12が雪面から受ける衝撃の一部が吸収される。
【0027】
一方、後側の懸架部16では、リンク機構のリンク部材34,35の軸部材38を中心とする回動により、該軸部材38に固着された取付ブラケット46が軸部材38を中心に回動すると共に、軸部材38の回動に連れて、リンク部材33とリンク部材32を介し、リンク部材31が軸部材36を中心に回動することで、取付ブラケット45と取付ブラケット46にその両端部を連結されたクッションユニット44が伸縮することとなり、該クッションユニット44において発生する減衰力によって、スライドレール12が雪面から受ける衝撃の一部が吸収される。
【0028】
また、雪上車1がなだらかな起伏の雪面上を走行する場合には、スライドレール12は、コントロールロッド42が伸縮する範囲内で、車体フレーム3に対して適度にピッチングするため、車体フレーム3自体はピッチングすることなく、しかも、無限軌道帯11に高い接地性が確保される。
【0029】
これに対し、雪上車1が雪面上の局所的な突起部を通過する場合には、スライドレール12のピッチングは、コントロールロッド42が伸縮する範囲でのみ許容されて小さく抑えられ、それ以上のスライドレール12のピッチングはコントロールロッド42によって阻止されるため、雪上車1が雪面上の局所的な突起部を高速で通過する場合であっても、スライドレール12の大きなピッチングの反動による車体フレーム3のピッチングが規制される。
【0030】
ところで、上記のような雪上車1において、左右一対のスライドレール12のそれぞれでは、案内輪14を軸支するスライドレールの後端部分12aが、スライドレール12の本体とは別体に形成されており、後進時に駆動トラック部8の後端が雪面の突起をスムーズに乗り越えられるように、常に元に戻る(即ち、後端部分12aの前端が本体の後端に近接すると共に、本体の下面と後端部分12aの下面とが略同一平面を形成する状態に戻る)ように付勢された状態で、スライドレール12の本体に対して後述のボルト軸65を中心に上方へ回動可能なように連結されている。
【0031】
図5〜図7は、上記のような雪上車1のスライドレール12における後端部分12aの連結部を示すもので、図5は、連結部を左側方から見たものであり、図6は、連結部におけるピボットシャフトの支持部をスライドレールの一部を切り欠いて見たものであり、図7は、連結部におけるピボットシャフトの支持部の横断面を上方から見たものである。
【0032】
スライドレールの後端部分12aは、スライドレール12の本体の後端部に立設された取付部分12bに対し、ピボットアーム61とピボットシャフト62の両方を介して、上方へ回動可能に連結されているものであって、図5に示すように、ピボットアーム61は、ボルト軸63(およびナット)とボルト軸64(およびナット)によって二箇所で後端部分12aに固定されていると共に、ピボットアーム61の前端部は、ボルト軸65(およびナット)によって取付部分12bの上部に回動可能に連結されている。
【0033】
また、ピボットシャフト62は、図6および図7に示すように、スライドレールの取付部分12bの下部に回転自在に支持された遊転輪17の軸66に対して、該軸66が貫通される軸部材(カラー)67を介して、ピボットシャフト62の前端に固着されたスリーブ68により回動自在に連結されていると共に、ピボットシャフト62の中央部付近は、シャフト支持部材71に対して摺動自在に嵌挿され、このシャフト支持部材71は、軸部材(カラー)69を介してボルト軸64に回動可能に支持されることで、スライドレールの後端部分12aに対して回動可能に固定されている。
【0034】
そして、シャフト支持部材71から後方に突出したピボットシャフト62の後部には、コイルスプリング72が、ピボットシャフト62の後端に螺合されたナット73により抜け止めされ、且つ、バネ力の調整が可能とされた状態で、各座板74、75を介して、シャフト支持部材71とナット73の間に介装されていると共に、シャフト支持部材71から前方に突出したピボットシャフト62の前部には、ストッパー76が所定位置に固着されていて、該ストッパー76とシャフト支持部材71の間には、ゴム等の弾性材からなる緩衝部材77が介装されている。
【0035】
上記のようなピボットアーム61とピボットシャフト62によりスライドレール12の本体側の取付部分12bに後端部分12aが連結されていることで、通常は、コイルスプリング72の付勢力により、ボルト軸64に支持されたシャフト支持部材71が、緩衝部材77を介して、ピボットシャフト62に固着されたストッパー76に当接している状態で、スライドレールの取付部分12bに対し、ピボットアーム61のボルト軸65を回動中心とした後端部分12aの下方への回動は阻止されている。
【0036】
そのような通常の状態から、後進時に駆動トラック部8の後端が雪面の突起に衝突するなどして、スライドレールの後端部分12aに対し、ピボットアーム61のボルト軸65を回動中心として上方に回動させようとする力が働くと、該後端部分12aの上方への回動に連れて、ボルト軸64に支持されたシャフト支持部材71が、ボルト軸65を回動中心として上方に回動すると同時に、該シャフト支持部材71に挿通されているピボットシャフト62は、軸66を回動中心として上方に回動するため、シャフト支持部材71は、ピボットシャフト62に沿って後方に摺動し、シャフト支持部材71の後側に設けられたコイルスプリング72は、その付勢力に抗して圧縮されることとなる。
【0037】
すなわち、スライドレールの本体側の取付部分12bに対して、スライドレールの後端部分12aは、通常の状態(後端部分12aの前端が本体の後端に近接すると共に、本体の下面と後端部分12aの下面とが略同一平面を形成する状態)から下方には回動できないように固定されていると共に、ボルト軸65を中心に上方に回動させるような力が働いた時には、コイルスプリング72の付勢力に抗して、コイルスプリング72の圧縮限界まで上方に回動することとなり、そのような力が解除された時には、直ちに、コイルスプリング72の付勢力によって、通常の状態に戻るようになっている。
【0038】
なお、スライドレール12の本体側の取付部分12bには、ピボットアーム61とピボットシャフト62がボルト軸65と軸66によりそれぞれ取り付けられていると共に、後側懸架部16のコントロールロッド42が軸43により取り付けられている。
【0039】
そして、ピボットアーム61とピボットシャフト62の取付箇所(ボルト軸65と軸66)に対して、それらの間の前方にコントロールロッド42の取付箇所(軸43)が位置し、それらが略三角形をなすように配置されていることで、スライドレールの後端部分12aの上方への回動によりボルト軸65と軸66を介して取付部分12bに作用する力を、コントロールロッド42が効果的にサポートするようになっている。
【0040】
上記のようにスライドレール12の本体側の取付部分12bに対して後端部分12aが上方へ回動可能に連結されているような本実施形態の雪上車1のスライドレール12によれば、後端部分12aを含むスライドレール12の全体を比較的長くすることで、無限軌道帯11の接地面を大きくして、新雪や深雪における走行を安定させることができると共に、旋回走行するときには、旋回方向の内側でスライドレール12の後端部分12aが雪面の抵抗を受けて上方に回動することで、スライドレール12の接地部の長さが実質的に短くなるため、小回りがきくものとなる。
【0041】
また、雪上車の後進時において、スライドレール12の後端が雪面の起伏と衝突しても、その抵抗力によりスライドレールの後端部分12aが上方に回動するため、大きな衝撃を受けることなく、雪面の起伏をスムーズに乗り越えることができる。
【0042】
さらに、そのように雪面の抵抗を受けて後端部分12aが上方に回動したり元の状態に戻るときには、後端部分12aが連結されているスライドレールの本体側の取付部分12bに大きな力が作用することとなるが、そのような力に抗するような方向で取付部分12bにコントロールロッド42が連結されていることで、そのような取付部分12bにかかる力を、コントロールロッド42によって効果的にサポートすることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の雪上車のスライドレール構造によれば、スライドレールの後端部分を上方へ回動可能とすることで、新雪や深雪での安定性と旋回性能とを両立させることができ、また、後進時にも雪面の起伏をスムーズに乗り越えることができると共に、スライドレールの後端部分が上方に回動したり元の状態に戻るときに、該後端部分の取付部分にかかる力を、スライドレールの後側懸架部に設けられたコントロールロッドによって効果的にサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライドレール構造が適用されている雪上車の一例を示す側面図。
【図2】図1に示した雪上車の駆動トラック部におけるスライドレールとその懸架部を示す側面図。
【図3】図2に示したスライドレールとその懸架部について、車体の左半分の側を示す上面図。
【図4】図2および図3に示した懸架部の後側懸架部に設けられているコントロールロッドを示す斜視図。
【図5】図2に示したスライドレールにおけるスライドレール本体とスライドレール後端部分の連結部を示す左側方から見た側面図。
【図6】図5に示した連結部におけるピボットシャフトの支持部をスライドレールの一部を切り欠いて見た側面図。
【図7】図5および図6に示した連結部におけるにピボットシャフトの支持部の横断面を上方から見た一部断面上面図。
【符号の説明】
1 雪上車
3 車体フレーム
11 無限軌道帯
12 スライドレール
12a スライドレールの後端部分
15 前側懸架部
16 後側懸架部
42 コントロールロッド

Claims (1)

  1. 無限軌道帯の下部内側面を案内する左右一対のスライドレールが、その上方に位置する車体フレームに対して、前側懸架部と後側懸架部によって懸架されていると共に、後側懸架部の動きの範囲を規制するためのコントロールロッドが、車体の前後方向に沿って斜め前上がりに配置された状態で、車体フレームとスライドレールとにわたって連結されているような雪上車において、スライドレールの後端部分が、スライドレールの本体に対して別体に形成されていると共に、スライドレールの本体とコントロールロッドとの連結部の近傍で、スライドレールの本体に対して、元に戻るように付勢された状態で、上方へ回動可能なように連結されていることを特徴とする雪上車のスライドレール構造。
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