請求項1に記載の発明は、蒸発器の除霜水を内部空間に貯留して蒸発を促進させる除霜水蒸発装置を機械室内に収容し、前記除霜水蒸発装置には、少なくとも2つの開口部を備え、上面を略密閉化して一方の開口部より前記内部空間に吸気され前記内部空間に貯留される除霜水面上を通過して他方の開口部より排気される単独の風洞のような風路を形成し、前記風路に対して前記機械室内の空気を吸入して除霜水面に吐出するように強制送風させる送風手段を前記機械室内に備えたものであり、除霜水蒸発装置内の除霜水面の風速を大幅に向上させることにより、蒸発性能が向上し、除霜水蒸発装置をコンパクト化することができるため機械室の占有体積が減り、貯蔵室の容積効率が大幅に向上することによって、食品の収納効率を大幅に改善できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記除霜水蒸発装置の前記一方の開口部と前記他方の開口部間を機械室空間で仕切る仕切りを設けたことを特徴とするものであり、蒸発皿吐出開口部から排気される湿の空気を再度吸入する、いわゆるショートサーキット現象を防止し、蒸発皿に流入する空気をフレッシュな状態とし蒸発性能が向上させることが出来る。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記送風手段を、前記開口部のいずれかに面して取り付けて、前記除霜水蒸発装置と一体化構成としたものであり、除霜水面と送風手段との距離を近接させることにより、水面の風速がさらに大幅に向上して蒸発性能が向上し、除霜水蒸発装置をさらにコンパクト化することができ、貯蔵室の容積効率をさらに高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記送風手段から前記開口部のいずれかに連通するダクトを設けたものであり、除霜水面の風速を大幅に向上させることができるとともに、送風手段への水掛かり,振動による共振音発生の懸念が少なく、冷蔵庫容量の相違による送風能力調整(送風機大きさを変えたい場合等)等への対応のしやすさにおいて有効である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記機械室を冷蔵庫本体の後方に配置して開口し、吸排気口を有するカバー部材で機械室の前記後方開口部を覆い、除霜水蒸発装置の前記吸排気の開口部をカバー部材の前記吸排気口に対応させて、前記除霜水蒸発装置内に前記機械室外の空気を流通させるものであり、機械室内自体が除霜水蒸発装置を強制的な空気流通路に包み込む一つの風洞となり、冷蔵庫の左右方向に除霜水蒸発促進のための外気を導入した一層効果的な強制対流ダクトを形成できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記機械室内には圧縮機を設けず、前記圧縮機を冷蔵庫本体の上部に配置したものであり、機械室から大きな収容容積を占める圧縮機が排除されることによって、使用者が使いやすく、目につきやすい最下部貯蔵室の貯蔵容積を大きく増量でき、併せてコンパクトで高効率の除霜水蒸発装置を用いるとさらなる貯蔵容積の増量が図れ、消費者の食品の収納効率を大幅に改善することができる。
また、このように大きく増量する冷蔵庫本体最下部の貯蔵室の貯蔵容積の少なくとも一部を冷蔵庫本体最上部の貯蔵室の貯蔵容積に移せば、冷蔵庫本体最上部の貯蔵室の室内底面高さはさらに下げられ、使用者の負担をさらに軽減した、使い勝手に優れた冷蔵庫のプロポーションレイアウトを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に示した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の中央断面図である。
図1において、冷蔵庫本体101の最下部後方の庫外に機械室102を配置している。機械室102には、除霜水蒸発装置103と冷凍サイクルの高圧側の機器であるコンデンサ104と圧縮機105を収容構成している。なお、コンデンサ104については、機械室102内に構成している場合、冷蔵庫本体101内に構成している場合、機械室102内と冷蔵庫本体101内の両方に構成している場合、機械室102内または冷蔵庫本体101内以外に構成される場合もある。機械室102内の除霜水蒸発装置103の上方位置へ冷凍サイクルの低圧側の機器である蒸発器106と蒸発器106のドレン水107を導く排水経路108とドレン水107を下方の機械室102内に導く排水管109が配置構成されている。
図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。除霜水蒸発装置103は、排水管109の下方にドレン水107を受けて貯水する蒸発皿110と、蒸発皿110の上面は、上部をふた部材110aにより略密閉化し少なくとも2個の開口部201を備え、内部空間に風路202を形成し、風路202に空気を強制対流させる送風手段203を備えている。通風量を確保するため2個の開口部201の大きさを相当に大きくする場合が十分に考えられ、この場合はふた部材110aは蒸発皿110の上面全体を覆うというより、開口部201を除いて部分的に覆っているような外観構成になる。
排水管109は、本実施の形態においては、2つの開口部201のうち一方の開口部201を介して蒸発皿110内に除霜水を落下させる構成としており、図2のような送風手段203が吸い込み側,吐出側のいずれの開口部201にも直接係合していない場合は、排水口109は、いずれの開口部201に対向して設けられても構わないが、送風手段203がいずれかの開口部201に係合、もしくは近接したり、機械室102内に別途置かれた送風手段203からのダクト等がいずれかの開口部201に係合、もしくは近接する場合は、その係合、もしくは近接関係のない、これらの部材で開口部の全部または一部が塞がれない他方の開口部201に排水管109を対向させるのが望ましい。
なお、本実施の形態においては、除霜水蒸発装置103は機械室102内に固定された取り付け構造となっている。たとえば、機械室102内の一画を構成する部材や外郭(たとえば、圧縮機105を載置する載置板など)にビス止めや爪固定などで工具を用いなければ簡単には外れない取り付け構造としている。これは、送風手段203や、貯留水の加熱源としてコンデンサ104の一部を除霜水蒸発装置103に固定する場合などに、安定した取り付け品質を保証するために特に有効な配慮であるが、送風手段203を別離構成としたり、加熱手段の構成に工夫を凝らせば着脱可能な簡易的な係合構成とすることも可能であり、除霜水蒸発装置103の洗浄などのメンテナンスを使用者にしてもらえるよう着脱可能な構造にする際の要求に応えられる。
次に図1及び図2を用いて除霜水蒸発装置103の蒸発作用について説明する。冷凍サイクルについては従来と同一構成に付き詳細説明を省略するが、蒸発器106は低温であるため貯蔵室庫内111の空気と熱交換する際に蒸発器106表面へ霜として形成されていく。圧縮機105の運転時間が経過するにつれ霜は蓄積されるため、適宜蒸発器106表面の霜を取り除くため熱源手段112が加熱され、霜を除霜しドレン水107は排水管109を経て蒸発皿110に供給貯水される。蒸発皿110の上部を開口部201を除いて密閉化することにより風路202はドレン水107の水面上を通る単独の風洞のような風路構成となり、従来と比較し大幅な風速アップとなる。この風速アップによりドレン水107の蒸発性能は大幅に向上する。
また、風速は蒸発皿110内の水位が上がると上昇し、蒸発性能も合わせて向上する。したがい、ドレン水107は、送風手段203の風速により蒸発皿110から蒸発していく。
蒸発性能と蒸発皿110の上面の面積は一般的に比例関係にあることが知られている。したがって、風速アップにより蒸発皿110の上面の面積は大幅に削減可能となる。
また、この蒸発は送風手段203の風速の設定により蒸発量を調整可能であり、送風手段203の動作は例えば圧縮機105の動作と同期した動作を行う。
なお、送風手段203の動作は圧縮機105と同期した動作ばかりに限定されるものではない。これに限らず送風手段203を任意のタイミングで運転してもよいし、能力を必要とする場合には連続的に運転しても構わない。また、外気温度環境の変化等に合わせて、モーターをインバーター化する等の回転数可変手段を組み合わせて能力を調整しても合理的である。
機械室102内全体の風の流れとしては、例えば冷蔵庫前面下部からフレッシュな外気温度と同じ温度の空気を吸い込み、コンデンサ104を通り熱交換し温められた空気はさらに圧縮機105と熱交換し温められた空気が蒸発皿110の上部開口部の一つに入る。入った空気は蒸発皿110内のドレン水107の水面を通り、蒸発作用をしながら送風手段202を通り蒸発皿110のもう一つの開口部から冷蔵庫本体1の外部へ出て行く。
また、機械室102内の発熱部品である圧縮機105及びコンデンサ104の放熱による空気の温度上昇を受けるためドレン水107の水温が上昇するためドレン水107の飽和水上気圧は上昇し、さらに蒸発を促進する。
なお、コンデンサ104と圧縮機105の配置は本図の図1に示されている配置を逆としてもよく、このことにより圧縮機105にフレッシュな周囲温度と同程度の空気によりまず最初に熱交換が出来るため圧縮機内部温度の低減となる効果がある。また、除霜水蒸発装置103の吸い込み側と吐出側は空気のバイパスが起こらないように仕切り112が成されている。つまり、仕切り112は機械室102内において、除霜水蒸発装置103と機械室102の内面壁との間に形成される空間を空気吸い込み側の開口部201と空気吐出側の開口部201との間で略シールするような壁状に設けられている。
このような仕切りを機械室102内に設けることによって、カバー部材で機械室102の後方開口部を覆い、このカバー部材に除霜水蒸発装置103の吸排気の開口部201にそれぞれ対応する吸排気口を機械室102内の仕切りを境に幅方向に分離して設ければ、機械室102内自体が除霜水蒸発装置103を包み込む一つの風洞となり、冷蔵庫の左右方向に除霜水蒸発促進のための効果的な強制対流ダクトを形成できる。
また、送風手段202の配置は本図の図2に示されている配置では、除霜水蒸発装置103の内部、すなわち風路202内に一体的に設けて、除霜水蒸発装置として一層のコンパクト化を図る構成になっているが、これに限定されず種々の組み合わせ構成が可能である。
たとえば、送風手段202を除霜水蒸発装置103に一体的に固定するものとしては、吸い込み側,吐出側二つの開口部201のうちのいずれかに面して取り付けることにより、除霜水蒸発装置としてのコンパクト化は大きく阻害はされずに一体化が可能であり、送風手段202の水掛かりなどの懸念が少なくなり、貯留水面への通風効果も高まる。
さらに、送風手段202は除霜水蒸発装置103と必ずしも一体的に固定するものでなくてもよい。たとえば、機械室102内の一画に適切な箇所があれば固定し、除霜水蒸発装置の開口部201までは、別途極力通風抵抗が少なくなるような簡易なダクトを設けて送風を導けば送風ロスを抑えながら除霜水蒸発装置103と離別構成することも可能であり、除霜水蒸発装置103に一体固定することによる水掛かり,振動による共振音の品質問題、冷蔵庫容量の相違による送風能力調整(送風機大きさを変えたい場合等)等への対応のしやすさから、その選択も有効な一面がある。
つまり、除霜水蒸発装置103の開口部201に対して、送風手段203からの強制通風の空気流を効果的に効率よく導ける構成であれば除霜水蒸発装置103と送風手段との一体化の要否は問わないものである。
また、排水管109から蒸発皿110への排水に関しては、開口部201のいずれでもないふた部材110a上の任意の箇所に、排水口を別途設けて排水管109と対向させ、通風口としての開口部201と蒸発皿110への給水部としての排水口の役割を分離させて設計の自由度を高めたり、排水管109に対する送風手段203の強制対流の影響要因(排水管109内を通じての庫内冷却ゾーンとの強制吸排気の影響等)を排除することも有効な手段である。この場合、新たに設けた排水口から除霜水蒸発装置103内の強制対流の空気が外部に漏れて、再び送風手段203に吸入されるショートサーキットを引き起こさないような配慮が構造的に必要である。すなわち、除霜水蒸発装置103内を流れる空気流が排水口にすくい込まれないような開口の方向やエアガイダーなどの邪魔板の工夫が有効である。
機械室102は図示しないカバー部材で後方の開口部を覆われていることが外観上の美観や強制対流の風路構成上は一般的であり、カバー部材にも機械室風路内への空気吸入口,吐出口などが同時に形成されることが多いが、カバー部材を設けない構成の機械室102に対しても、採用して一定の効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵庫本体下部の機械室に除霜水蒸発装置を設け、除霜水蒸発装置の上方位置へ蒸発器と蒸発器のドレン水を導く排水経路と、ドレン水を庫外に導く排水管と、除霜水蒸発装置は、排水管の下方にドレン水を受ける蒸発皿と、蒸発皿は上面を密閉化した皿形状に、少なくとも2つの開口部を備え、内部空間に風路を形成し、風路に空気を強制対流させる送風手段を備えたことにより、水面の風速を大幅に向上し、蒸発性能は向上する。また風速は蒸発皿内の水位が上がると上昇し、蒸発性能も合わせて向上する。このため、蒸発皿の開口面積を小さくしコンパクト化することが出来、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の中央断面図である。
実施の形態1と異なる点は、図3の除霜水蒸発装置301の蒸発皿302の冷蔵庫本体303奥行き方向の幅W1寸法を冷却ユニットの幅W2寸法ほぼ同一長さとし、冷却ユニット304は蒸発器305と蒸発器305の前面に構成する風路ダクト306を構成している。蒸発皿302の幅W2を冷却ユニットの幅W1にすることで貯蔵室奥面の内箱が貯蔵室底面の内箱に対しほぼ垂直に構成出来るため、貯蔵室の食品収納ケース307の奥面は底面に対し垂直に構成出来、貯蔵効率を最大限あげることが可能になり、収納効率が向上する。
以上のように、本実施の形態においては、除霜水蒸発装置の蒸発皿の冷蔵庫本体奥行き方向の幅寸法を冷却ユニットの幅寸法とほぼ同一長さとし、冷却ユニットは蒸発器と蒸発器の前面に構成する風路ダクトを構成することにより、貯蔵室の食品収納ケースの奥面は底面に対し垂直に構成出来、貯蔵効率を最大限あげることが可能になり、収納効率を向上させることが出来る。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態1と異なる点は、図4の除霜水蒸発装置401の蒸発皿402の上部開口部403の1つに送風手段404の吐出側へダクト405等で接続する。吐出側へ送風手段404を配設すると蒸発皿402から蒸発する高湿な湿気が直接送風手段404へあたらないため送風手段404の信頼性が向上する。なお、送風手段404の吐出側へのダクト405の接続形態ならびに送風手段404の配置については本図の図4に示されている配置に限定されるものではない。
以上のように、本実施の形態においては、蒸発皿から蒸発する高湿な空気が直接送風手段へあたらないため送風手段の信頼性が向上し、水面の風速を大幅に向上させることが出来ると共に、送風手段の風速によっては水面を波うたせることにより蒸発性能が向上し、蒸発皿の開口面積を小さくしコンパクト化することが出来、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態1と異なる点は、図5の除霜水蒸発装置501の蒸発皿502の上部開口部503の1つに送風手段504の吸い込み側へダクト505等で接続する。なお、送風手段504の吸い込み側へのダクト505の接続形態ならびに送風手段504の配置については本図の図5に示されている配置に限定されるものではない。
以上のように、本実施の形態において、吸い込み側の風速特性が良いものについては送風手段の吸い込み側を除霜水蒸発装置の蒸発皿上部開口部の1つに接続することによって、水面の風速を大幅に向上させることが出来ると共に、送風手段の風速によっては水面を波うたせることにより蒸発性能が向上し、蒸発皿の開口面積を小さくしコンパクト化することが出来、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態1と異なる点は、図6の除霜水蒸発装置601の蒸発皿602の上部開口部603の1つに第一送風手段604の吐出側へ接続し、開口部603のもう1つに第二送風手段605の吸い込み側を接続する。このことにより送風手段604及び605の小型化が出来るためレイアウト性が向上する。なお、第一送風手段604及び第二送風手段605の開口部603へのダクト606の接続形態ならびに第一送風手段604及び第二送風手段605の配置については本図の図6に示されている配置に限定されるものではない。
以上のように、本実施の形態において、水面の風速をさらに大幅に向上させることにより蒸発性能が向上し、蒸発皿の開口面積をさらに小さくしコンパクト化し、送風手段の小型化によりレイアウト性が向上し、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態1と異なる点は、図7の除霜水蒸発装置701の蒸発皿702の上部に、開口部703を2つ設け、第一開口部704の上部に送風手段705を構成し、送風手段705の吐出側へ接続する。送風手段705は例えば直流電源で駆動するプロップファンとし、ケーシング、羽、モーターが一体化された小型の汎用的なファンで、外形のケーシング寸法が80mm×80mmを用いる。蒸発皿702の第一開口部704の奥行き寸法Xを例えば80mmとし、蒸発皿702の第一開口部704側に送風手段705の取り付け構造を持たせることにより、蒸発皿702と送風手段705を一体化出来、非常にコンパクト化が可能となる。また、送風手段705とドレン水708との距離が短いため、水面を通過する風速は非常に高くなる。風速アップによりドレン水708の水面は若干波打つこともあるため、なおいっそう蒸発性能は向上する。さらに、蒸発皿702内のドレン水708の水位が高い場合(水位Y1)と低い場合(水位Y2)においては、蒸発性能が異なる。ドレン水708の水位Y1の水面風速V1と水位Y2の水面風速V2では水面風速はV1>V2となるため、水位が上昇してきて蒸発が必要な場合には、水面風速があがるため蒸発性能はアップする仕組みとなる。なお、送風手段705の種類、寸法及び蒸発皿702の寸法は本例に挙げたものが一意に限定されるものではない。また、送風手段705の取り付けは、蒸発皿702とは別部品で取り付ける構成としても良い。また、例えば水管706は、第二開口部707の上部へ構成するが排水管706の配置はこれに限定されるものではない。
以上のように、本実施形態において、除霜水蒸発装置の蒸発皿の上部に、開口部を2つ設け、第一開口部の上部に前記送風手段を構成し、送風手段の吐出側へ接続することにより、水面と送風手段との距離を近接させることにより水面の風速をさらに大幅に向上させることにより蒸発性能が向上し、蒸発皿の開口面積をさらに小さくしコンパクト化することが出来、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態5と異なる点は、図8の除霜水蒸発装置801の送風手段802を蒸発皿803の第一開口部804の上部に第二開口部805側へ傾斜し配設する。
以上のように、本実施形態において、除霜水蒸発装置の送風手段を蒸発皿の第二開口部側へ傾斜し配設することにより、静圧を下げ風を送ることが出来るため、水面の風速がさらに向上し、蒸発性能を向上させることが出来るため、蒸発皿の開口面積をさらに小さくしコンパクト化することが出来、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態8)
図9は、本発明の実施の形態8における冷蔵庫の除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態5と異なる点は、図9の除霜水蒸発装置901の蒸発皿902内を発熱する手段例えばコンデンサパイプ903を配設する。コンデンサパイプ903の配設位置は送風手段904と反対側の第二開口部905から挿入する。コンデンサパイプ903は冷凍サイクルにおいて凝縮温度相当に発熱するものである。このことにより、水温を効率よく大幅に上昇させることにより水の飽和水上気圧を上昇させることが出来るため、蒸発性能を大幅に向上させることが出来る。また、従来冷蔵庫の機械室に配設する一般的なアウター型コンデンサの通過風速は非常に弱いものであり、蒸発皿902内の風速はこれに比べ非常に高いためコンデンサパイプ903の放熱能力も大幅に向上させることが出来るため、冷蔵庫のシステム温度の抑制並びに電気代低減にもつながる。なお、発熱手段により水を水蒸気化する手段は他にも様々な手段があり、例えば発熱手段を電気ヒータとすることにより、冷凍サイクル経路のコンデンサパイプをレイアウトする必要がないため、組立性が大幅に改善できる。また、例えば発熱手段を電極式ヒータとすることで冷凍サイクル経路のコンデンサパイプをレイアウトする必要がないため、組立性が大幅に改善できる。本実施例に限定されるものではない。
なお、コンデンサパイプ903は、冷却システムの一部を構成する高圧配管を用いた浸漬パイプでUターン構成とし、浸漬パイプ入口部と出口部を揃えて第二開口部より蒸発皿内部へ配設している。また、浸漬パイプは蒸発皿の底面近傍に配置し、蒸発皿の底面に形成された保持部で固定することで、さらに蒸発能力、組立性の向上、防振、防音を図ることができる。
また、コンデンサパイプ903は螺旋形状としてもよいし、圧縮機吐出配管から直接コンデンサパイプ903に接続せず、一端放熱パイプを経由して接続することが望ましい。これにより、スペースの有効利用と異常高温パイプによる蒸発皿への悪影響(穴あき等)を抑えることができる。また、蒸発皿の材質の選択肢が広がり安価な材料で蒸発皿と保持機構を設計出来る。
以上のように、本実施の形態において、除霜水蒸発装置の蒸発皿内を発熱する手段を備えたことにより、水温を効率よく大幅に上昇させることにより水の飽和水上気圧を上昇させることが出来るため、蒸発性能が大幅に向上し、蒸発皿の開口面積をさらに小さくしコンパクト化することが出来、貯蔵室の容積効率を大幅に上げることが出来、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態9)
図10は、本発明の実施の形態9における冷蔵庫の中央断面図である。
実施の形態8と異なる点は、図10の冷蔵庫本体1001の最下部の貯蔵室1002の後方の第一機械室1003以外例えば冷蔵庫本体1001の最上部貯蔵室1004の後方部第二機械室1005に圧縮機1006を配設する。冷蔵庫本体1001の最下部の第一機械室1003は、除霜水蒸発装置901とコンデンサ1007を構成することにより、最下部貯蔵室1002の貯蔵効率を大幅に向上させることが出来る。
以上のように、本実施形態において、冷蔵庫最下部の貯蔵室後方以外に圧縮機を配設し、冷蔵庫の最下部の第一機械室1003内に除霜水蒸発装置を設けたことにより、圧縮機1006が収容されず、高温の熱源がないために、本来ならば除霜水の蒸発促進を図る構成としては極めて不利な構成にも関わらず、除霜水蒸発装置の大型化を必要とせずコンパクトな容量で十分な除霜水蒸発能力を発揮できるため、第一機械室1003の必要収容容積も小容積で足り、この種の冷蔵庫の構成においては、大きな課題となる除霜水の蒸発促進の課題を解決しながら、さらに最下部貯蔵室1002の貯蔵容積を増量することが可能となる。
圧縮機1006をたとえば本体上部の一画に移すことによる最大のメリットは、機械室から大きな収容容積を占める圧縮機1006が排除されることによって、使用者が使いやすく、目につきやすい最下部貯蔵室1002の貯蔵容積を大きく増量できることであるが、除霜水蒸発装置901に限らず、先の各実施の形態で示したコンパクトで高効率の除霜水蒸発装置を用いるとさらなる貯蔵容積の増量が図れ、消費者の食品の収納効率を大幅に改善することが出来る。なお、コンデンサ1007を除霜水蒸発装置901内へ一体化することで最下部の貯蔵室の貯蔵効率をさらに大幅に向上させることが出来るため、消費者の食品の収納効率をさらに大幅に改善出来る。
また、このように除霜水蒸発装置のコンパクト化による第一機械室1003のコンパクト化で最下部貯蔵室1002の内容積が増えるが、最下部貯蔵室1002の容量は圧縮機1006の移設化で十分に確保しているので、除霜水蒸発装置による容積増加分を最上部貯蔵室1004に転化すれば、最下部貯蔵室1002の室内高さは除霜水蒸発装置による容積増加分だけ下がり、同時に最上部貯蔵室1004の内容積は除霜水蒸発装置による容積増加分だけ増えて、かつ最上部貯蔵室1004の室内底面の冷蔵設置面からの高さはその分だけ低くなる。
これにより、使用頻度の高い冷蔵室を配置することの多い最上部貯蔵室1004の収納容積が増加して収納性が高まると共に、室内底面高さラインが下がって、使用者が肘を上げて出し入れするケースが軽減されるので、たとえばボトル類などの重量物を含めた出し入れの負担や、持ちにくい収納物の出し入れの煩わしさが軽減され、使い勝手の改善を図った冷蔵庫のプロポーションレイアウトを提供することができる。
(実施の形態10)
図11は、本発明の実施の形態10における冷蔵庫の中央断面図である。
実施の形態9に加えて圧縮機を最下部から移設した形態の冷蔵庫において、使い勝手に関わる貯蔵室の高さラインの具体例を示す。
図11の冷蔵庫本体1101の最下部貯蔵室1102の後方の第一機械室1103以外例えば冷蔵庫本体1101の最上部貯蔵室1104の後方部第二機械室1105に圧縮機1106を配設する。冷蔵庫本体1101の最上部貯蔵室1104を冷蔵室1104とし、冷蔵室1104と冷蔵室1104の下方貯蔵室1107との仕切り部1108の中心ライン(ウエストライン)から床面までの距離hを800mm以上1000mm以下とし、ウエストラインから下の貯蔵室の容量を実施の形態9と合わせる。
特に最下部の貯蔵室1103後方の第一機械室1103の省スペース設計が重要となる。したがい、第一機械室1103内に、除霜水蒸発装置901を配設することにより実現する。また、除霜水蒸発装置901の風路構成は例えば第一機械室背面に吐出と吸い込み風路を設け、常にフレッシュな外気温度とほぼ同一の温度を吸い込むことが可能な風路構造とする。
以上のように、本実施形態において、冷蔵庫最下部の貯蔵室後方以外に圧縮機を配設し、冷蔵庫の最上部の貯蔵室を冷蔵室とし、冷蔵室と冷蔵室の下方貯蔵室との仕切り部の中心ラインから床面までの距離を800mm以上1000mm以下の冷蔵庫において、冷蔵庫の最下部の機械室内に除霜水蒸発装置を設けたことにより、最下部の貯蔵室は実施の形態8の最下部貯蔵室以上の貯蔵効率を確保し、消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来かつ冷蔵室の使い勝手を大幅に向上させることが出来る。
なお、さらに好ましくは、冷蔵室1104の室内底面の冷蔵庫設置面からの高さ寸法を、970mm以下とすれば、日本人成人女性の標準的な身長(1570mm)の使用者の肘高さである970mm(図説エルゴノミクス,日本規格協会編,1990年発行)以下となり、冷蔵室1104の下部に収納された比較的重量の重い収納物の出し入れの負担や、持ちにくい収納物の出し入れの煩わしさが軽減され、より一層、使い勝手の改善を図った冷蔵庫のプロポーションレイアウトを提供することができる。
なお、この冷蔵室1104の室内底面の冷蔵庫設置面からの高さ寸法970mm以下という寸法は、上述の冷蔵室1104と冷蔵室の下方貯蔵室1107との仕切り部1108の中心ライン(ウエストライン)から床面までの距離hで言い換えると、950mm以下という寸法に相当するので、換言すれば、好ましくは冷蔵室1104と冷蔵室の下方貯蔵室1107との仕切り部1108の中心ライン(ウエストライン)から床面までの距離hを800mm以上950mm以下とすれば、人間工学的にも使用者にとって使い勝手のよいプロポーションレイアウトが得られるということになる。
(実施の形態11)
図12は、本発明の実施の形態11における冷蔵庫の中央断面図である。
実施の形態10と異なる点は、図12の冷蔵庫において、最下部から2番目の貯蔵室101の仕切り部1202より上部に、蒸発器1203と第一機械室1204を構成し、第一機械室1204内は、除霜水蒸発装置901を構成する。このことにより、最下部の貯蔵室1205の後方及び下方方向へ可能な限り庫内容積を広げることが可能となる。
以上のように、本実施形態において、最下部から2番目の貯蔵室の仕切り部より上部に、蒸発器と除霜水蒸発装置を設けたことにより、最下部の貯蔵室の貯蔵効率を極限まで向上させることが出来るため消費者の食品の収納効率を大幅に改善出来る。
(実施の形態12)
図13は、本発明の実施の形態12における除霜水蒸発装置の説明図である。
実施の形態7と異なる点は、送風手段802を配置した第一開口部と第二開口部805との間に仕切り板1301を設けている。
以上のように、本実施形態において、送風手段802を配置した第一開口部と第二開口部805との間に仕切り板1301を設けているので、蒸発皿吐出開口部から排気される湿の空気を再度吸入する、いわゆるショートサーキット現象を防止し、蒸発皿に流入する空気をフレッシュな状態とし蒸発性能が向上させることが出来る。また、前記送風手段の運転時間を必要最低限にすることにより前記送風手段の寿命を延ばすことが出来る。
なお、仕切り板1301は、除霜水蒸発装置801と一体に成形して機械室内を区画してもよいし、別体に成形して、除霜水蒸発装置801に組み込んでもよい。
また、仕切り板1301は第一開口部と第二開口部805との間の略中央部に配置してもよいし、第二開口部805の近傍、あるいは第一開口部近傍に配置してもよい。これにより、ショートサーキット現象を効率的に防止できるとともに、機械室内での各機能部品の設計自由度を高めることができる。
(実施の形態13)
図14は、本発明の実施の形態13における除霜水蒸発装置の斜視図であり、図15は本発明の実施の形態13における除霜水蒸発装置の背面図であり、図16は本発明の実施の形態13における除霜水蒸発装置の中央断面図である。
図14から図16において、冷蔵庫本体1402の最下部に機械室1403を配置している。機械室1403には、除霜水蒸発装置1401を構成している。機械室1403内の除霜水蒸発装置1401の上方には、蒸発器1404と、蒸発器1404の除霜水1405を導く排水経路1406が構成されている。
除霜水蒸発装置1401は除霜水1405を集水する蒸発皿1407と、蒸発皿1407を密閉化するふた部材1408と、ふた部材1408で構成される第一の開口部1409と、第二の開口部1410と、第一の開口部1409に送風手段1411と、第二の開口部1410の上部に吐出方向にガイダー1412と、第一の開口部1409と第二の開口部1410の間に送風手段1411の流れのショートサーキットを防止する仕切り板1413を構成している。
排水経路1406は庫内から機械室1403内に突き出した排水管を形成しており、排水経路1406から落下する除霜水は、第一の開口部1409と第二の開口部1410の間であって、仕切り板1413より空気吸入側のふた部材1408の上面に形成された排水口1415から蒸発皿1407内に排水されるように構成されている。
なお、機械室背面は送風手段1411の吸込孔と吐出孔を設けたカバー部材1414で構成されている。吸込孔と吐出孔は図示しないが、機械室1403内を吸込側と吐出側に区画する仕切り板1413を境にして吸込側と吐出側に分離配置されている。
次に除霜水蒸発装置401の蒸発作用について説明する。蒸発器1404表面に蓄積された霜が蒸発器1404の下方に配設された熱源手段により蒸発器1404が加熱され、霜を除霜し除霜水1405は排水経路1406を経て蒸発皿1407に供給される。蒸発皿1407の上部はふた部材1408により密閉化さていることから送風手段1411から送り出される流れは除霜水1405の水面上を通る単独の流れとなり、従来と比較し大幅な風速アップとなる。この風速アップにより除霜水1405の蒸発性能は大幅に向上する。
除霜水1405は、背面のカバー部材1414に設けられた吸込孔から空気を吸入した送風手段1411による強制通風作用により蒸発皿1407の第二の開口部1410を通り機械室1403背面のカバー部材1414に設けられた吐出孔から蒸発していく。また、蒸発皿1407の仕切り板1413により送風手段1411の流れのショートサーキットを防止することから蒸発皿1407に流入する空気を常にフレッシュな状態とし、蒸発性能は大幅に向上する。
また、除霜水蒸発装置1401には第一の開口部1409と第二の開口部1410以外に排水口1415が開口しているが、除霜水蒸発装置1401内を流れる空気流に対して、これをすくい込まないような配置や開口の構造、エアガイダーなどの邪魔板によるすくい込みの防止等の工夫を施せば除霜水蒸発装置1401外へのショートサーキットが発生することや排水経路1406内へ水蒸気を含んだ空気が逆流することを防止できる。排水口1415を仕切り板1413より吸込側に配置することによっても同様の逆流防止効果がある。
更に、蒸発皿1407の第二の開口部1410の上部のガイダー1412により送風手段1411から送り出される空気がよどむのを防止し、第二の開口部1410近傍が結露するのを防止する。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵庫本体下部の機械室に除霜水蒸発装置を設け、除霜水蒸発装置の上方に蒸発器と蒸発器の除霜水を導く排水経路とを設け、除霜水蒸発装置は、除霜水を集水する蒸発皿と、蒸発皿を密閉化するふた部材と、ふた部材で構成される第一の開口部と、第二の開口部とを設け、第一の開口部に送風手段と、第二の開口部の上部に吐出方向にガイダーと、第一の開口部と第二の開口部の間に送風手段の流れのショートサーキットを防止する仕切り板を構成することにより、除霜水表面の風速を大幅に向上し、また仕切り板により送風手段の流れのショートサーキットを防止することから蒸発皿に流入する空気を常にフレッシュな状態とし、蒸発性能は大幅に向上する。更に第二の開口部の上部のガイダーにより送風手段から送り出される空気がよどむのを防止し、第二の開口部近傍が結露するのを防止する。このため、送風手段の運転時間を必要最低限にすることにより送風手段の寿命を延ばすことが出来、冷蔵庫の結露を防止することが出来る。
なお、ガイダー1412は、除霜水蒸発装置1401の上面に一体成形してもよく、別体に成形し除霜水蒸発装置1401に組み込んでもよい。また、仕切り板1413に一体にガイダー1412を成形してもよいし、仕切り板1413にガイダー機能を持たせてもよい。