JP3966214B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中にエンジンを停止させ得る車両を制御する車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
[特許文献1]には、エンジン出力を車輪に伝達させて走行し得ると共に、走行によって生じる車輪の回転によって回生発電して発電した電力を利用し得るハイブリッド車両が記載されている。[特許文献1]に記載の車両は、回生発電(=回生制動)時に、エンジンを駆動力伝達経路(エンジン出力を車輪に伝達させる経路)から切り離すことで、発電を効率よく行うと共にエンジン耐久性の低下を抑止している。ここで、エンジンの駆動力伝達経路からの切り離しはエンジン回転数に基づいて行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−339334号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、[特許文献1]に記載の車両においては、車輪の車軸駆動力とは関係なく、回転数に基づいてエンジンを駆動力伝達経路から切り離すのでドライバビリティが悪化することがあった。従って、本発明の目的は、回生発電時に発電を効率よく行うと共にエンジン停止/再始動時の違和感を防止しつつ、再始動時の加速性を向上することのできる車両制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両制御装置は、エンジン、該エンジンの出力を車輪に伝達させるパワートレーン、走行によって生じる車輪の回転によって発電を行う発電手段、及び、発電手段による発電時に、パワートレーン上の何れかの箇所で、発電に寄与する車輪とエンジンとの接続を切り離してエンジンを停止させるエンジン制御手段を備えた車両を制御するもので、エンジン制御手段が、車輪の車軸に作用する車両を推進させるための車軸駆動力又は車軸駆動エネルギーに応じて、エンジンの停止及び再始動を行うことを特徴としている。
【0006】
なお、エンジンの出力が伝達される車輪と発電に寄与する車輪とが構造的に完全に分離されている場合は、常に「発電に寄与する車輪とエンジンとの接続が切り離されて」いる。この場合も、「パワートレーン上の何れかの箇所で、発電に寄与する車輪とエンジンとの接続が切り離されて」いるものとみなせる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置において、エンジン制御手段は、車輪の車軸駆動力又は車軸駆動エネルギーが所定値以下の場合にエンジンを停止させることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置において、エンジン制御手段が、所定値を車速に応じて変更することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の車両制御装置の一実施形態について、以下に説明する。図1に本実施形態の制御装置を搭載した車両の構成図を示す。
【0010】
図1に示される車両0は、一対の前輪1をエンジン2の出力で駆動し、一対の後輪3を一つのモータ・ジェネレータ(以下、M/Gと呼ぶ)4で駆動するものである。エンジン2の出力は、オートマチック・トランスミッション(以下、A/Tと呼ぶ)5を介して前輪に伝達されている。このA/T5は、エンジン2及びA/T5を統括制御する電子制御ユニット(メインECU)6によって、走行中であってもエンジン2の出力を前輪1に伝達させないようにギアニュートラル状態に設定され得る。メインECU6は、A/T5のみでなくエンジン2も制御しており、燃料噴射量制御(空燃比制御)や点火時期制御なども制御している。
【0011】
エンジン2及びその補機類などは、通常のバッテリ7によって電力を供給されている。一方、M/G4は、通常のバッテリ7よりも高電圧のバッテリ8からインバータ9を介して電力を供給されている。M/G4は、車両0の走行による後輪3の回転によって回生発電を行うことが可能である。この場合、発電された電力はインバータ9を介して交流から直流に変換された後にバッテリ8に充電される。回生発電時は車両走行の抵抗となるので、車両0は制動(回生制動)される。M/G4の制御やバッテリ8の状態監視は、ハイブリッドECU10によって行われている。ハイブリッドECU10とメインECU6とは協調して制御を行っている。
【0012】
また、図示されないが、メインECU6には、エンジン2の吸入空気量を検出するエアフロセンサ(又は吸気管内圧力センサ)、回転数を検出するクランクポジショニングセンサ、エンジンオイルの温度を検出する油温センサも接続されている。さらに、メインECU6には、ブレーキマスターシリンダのマスターシリンダ圧を検出するM/C圧センサの検出結果も入力される。
【0013】
なお、本実施形態の車両0においては、基本的に回生発電を行う場合にはエンジン2の出力が前輪1に伝達されないようにパワートレーン上の何れかの場所(本実施形態の場合はトランスミッション5)で駆動力が伝達されないようにその接続が切断される。そして、この場合、車両加速度に段差がでない様に回生量でコントロールする。このようにすることで、エンジンブレーキによる回生発電量の目減りを抑止し、より多くのエネルギーを回収できる。しかしながら、この効果を高めるために不用意にエンジン2の停止及び動力伝達経路の接続切断を行ってしまうと再始動の機会が増え、ドライバーに違和感を与えてしまう。
【0014】
そこで、本実施形態では、車輪1,3の車軸駆動エネルギーに応じて適時エンジン2を停止させることで違和感が生じないようにしている。また、エンジン停止での回生発電量も車軸駆動エネルギーに応じて調整し、その後の再始動時にも、車輪1,3の車軸駆動エネルギーに応じてエンジン2を再始動させることでスムーズな再加速を実現し、ドライバビリティの悪化を抑止することができる。本実施形態では、車軸駆動エネルギー(車軸に作用する車両0を推進させるためのエネルギー)を以下の各エネルギーA〜Fの和として求めている。ただし、各エネルギーは加速側に働くエネルギーを正と定義する。
【0015】
空力損失エネルギーA (A≦0)
転がり損失エネルギーB (B≦0)
加減速エネルギーC (C>0;加速,C<0;減速)
勾配発生エネルギーD (D>0;下り勾配,D<0;上り勾配)
パワートレーン駆動エネルギーE
タイヤ制動損失エネルギーF (F≦0)
【0016】
空力損失エネルギーAは、走行時に空気抵抗によって損失するエネルギーである。転がり損失エネルギーBは、タイヤ−路面間に作用する転がり抵抗によって損失するエネルギーである。加減速エネルギーCは、車両を加速又は減速させるエネルギーである(ここでは、後述する勾配発生エネルギーDを求めるために算出される)。勾配発生エネルギーDは、勾配θと重力加速度gによって生じる力mg・sinθ(m:車両重量)から求まるエネルギーで、下り勾配では正、上り勾配では負の値となる。パワートレーン駆動エネルギーEは、パワートレーンによって車輪軸である前輪1に対して出力される駆動エネルギーの総和である。タイヤ制動損失エネルギーFは、液圧ブレーキによる制動によって熱として放出されるエネルギーである。
【0017】
このように定義すると、車両の加減速エネルギーCは、その他の総和とつりあうためC=A+B+D+E+F… (1)となる。このため、加速時は、加減速エネルギーC>0より、パワートレーン駆動エネルギーE>−(A+B+D+F)となる。一方、減速時は、加減速エネルギーC<0より、パワートレーン駆動エネルギーE<−(A+B+D+F)となる。また、燃料カットによる場合、減速時のパワートレーン駆動エネルギーEは、エンジンブレーキ・回生ブレーキ・トランスミッション損失(トランスミッション内部の抵抗などによる)の合計となり、負の値となる。
【0018】
本実施形態では、空力損失エネルギーA及び転がり損失エネルギーBは、車速より決定される。加減速エネルギーCは、車速の微分値から求められる。パワートレーン駆動エネルギーEは、エンジン出力×トランスミッション伝達効率とM/G作動状態により求められる。タイヤ制動損失エネルギーFは、ブレーキマスターシリンダ内の圧力(M/C圧)から求められる。勾配発生エネルギーDは、上記A〜C,E,Fが求まることで上記(1)式から決定される。
【0019】
車両0の運転状態の違いによる上記エネルギーの状態を図2〜図7に示す。図2は、上り勾配(勾配>0)路におけるブレーキペダルが踏まれていない減速時を示している。ブレーキペダルが踏まれていないので、タイヤ制動損失エネルギーF=0である。そして、加減速エネルギーCは減速時であるので負の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーEの和(和全体でも負の値)と等しくなる。
【0020】
図3は、下り勾配(勾配<0)路におけるブレーキペダルが踏まれていない減速時を示している。ブレーキペダルが踏まれていないので、タイヤ制動損失エネルギーF=0である。また、下り勾配であるため、図2の場合とは逆に勾配発生エネルギーDが正の値となる。そして、加減速エネルギーCは減速時であるので負の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーEの和(和全体としては負の値)と等しくなる。
【0021】
図4は、上り勾配(勾配>0)路におけるブレーキペダルが踏まれている減速時を示している。ブレーキペダルが踏まれているので、タイヤ制動損失エネルギーFは負の値である。そして、加減速エネルギーCも減速時であるので負の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーE・タイヤ制動損失エネルギーFの和(和全体でも負の値)と等しくなり、この値がドライバが要求する減速エネルギーに等しい。
【0022】
図5は、下り勾配(勾配<0)路におけるブレーキペダルが踏まれている減速時を示している。ブレーキペダルが踏まれているので、タイヤ制動損失エネルギーFは負の値である。また、下り勾配であるため、図4の場合とは逆に勾配発生エネルギーDが正の値となる。そして、加減速エネルギーCは減速時であるので負の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーE・タイヤ制動損失エネルギーFの和(和全体としては負の値)と等しくなり、この値がドライバが要求する減速エネルギーに等しい。
【0023】
図6は、上り勾配(勾配>0)路においてアクセルペダルが踏まれて加速している場合を示している。ブレーキペダルは踏まれていないので、タイヤ制動損失エネルギーF=0である。加減速エネルギーCは加速中であるので正の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーE(和全体としては正の値)と等しくなり、この値がドライバが要求する加速エネルギーに等しい。
【0024】
図7は、下り勾配(勾配>0)路においてアクセルペダル及びブレーキペダルが踏まれていないで加速している場合を示している。ブレーキペダルが踏まれていないので、タイヤ制動損失エネルギーF=0である。アクセルペダルが踏まれていないのでエンジンブレーキが作用しており、パワートレーン駆動エネルギーEは負の値である。また、下り勾配であるため、図6の場合とは逆に勾配発生エネルギーDが正の値となる。加減速エネルギーCは加速中であるので正の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーE(和全体としては正の値)と等しくなる。
【0025】
図8は、下り勾配(勾配>0)路においてブレーキペダルが踏まれているが加速している場合を示している。ブレーキペダルが踏まれているので、アクセルペダルが踏まれずにエンジンブレーキが作用しており、パワートレーン駆動エネルギーEは負の値である。下り勾配であるため、図6の場合と同様に勾配発生エネルギーDが正の値となる。加減速エネルギーCは加速中であるので正の値となる。この加減速エネルギーCが、空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーB・勾配発生エネルギーD・パワートレーン駆動エネルギーE(和全体としては正の値)と等しくなり、この値がドライバが要求する加速エネルギーに等しい。
【0026】
本実施形態においては、アクセルペダルの開度が0(即ち、アクセルオフによってドライバの要求駆動力が0)で、かつ、車軸駆動エネルギーが所定値以下となったときにエンジン2を停止(及び再始動)させる。さらに、この所定値は、車速に応じて可変制御される。この所定値は、減速時の上述した各エネルギーに対して、その後の再加速を想定して(エンジン2の再始動時の遅れが生じないように)余裕を設けた値として設定される。
【0027】
このときの制御について、図9及び図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、吸入空気量とエンジン回転数などからエンジン出力を算出する(ステップ10)。次に、A/T5の潤滑オイル温度やA/T5のギア回転状態などからトランスミッション損失を算出する(ステップ20)。算出したエンジン出力・トランスミッション損失と回生発電量とからパワートレーン駆動エネルギーEを算出する(ステップ30)。次に、車速から空力損失エネルギーA・転がり損失エネルギーBを、車速の微分値から加減速エネルギーCを算出する(ステップ40)。
【0028】
さらに、液圧ブレーキのM/C圧からタイヤ制動損失エネルギーFを算出する(ステップ50)。次いで、算出された上記A〜C,E,Fと車両0の前後方向の加速度とから路面の勾配を推定し、勾配発生エネルギーDを算出する(ステップ60)。一方、車速に基づいて、エンジン2を停止させる基準となる停止判定値、及び、再始動させる基準となる再始動判定値を決定する(ステップ70)。これらの判定値は、予め車速と関連づけられたマップとしてメインECU6内に格納されている。
【0029】
また、本実施形態においては停止判定値と再始動判定値とは別々のマップとして作成されており、ステップ70では車速に基づいて読み出しがされる。ステップ70の後、ステップ70によって読み出した判定値と比較する比較値=A+B+D+E+Fを算出する(ステップ80)。まず、停止判定値と比較値とを比較し、比較値≦停止判定値であるか否かを判定する(ステップ90)。このときの車速と停止判定値との関係を図11のマップに示す。
【0030】
図11中のハッチングを示した範囲が停止可能領域である。算出した比較値がこの範囲内であれば、原則としてエンジン2を停止させる。なお、図11のマップの縦軸の単位はエネルギーの単位(例えば、Wh[ワット時]やJ[ジュール])であるが、単位時間あたりのエネルギー(=仕事率:W[ワット])で表現することも可能である。停止判定値曲線が右下がりである(車速が高いほど駆動エネルギーが小さくないと停止させなくなる)のは、車速が高いほど再加速時の要求出力が大きくなるので、再加速時を考慮してエンジン2をより停止されにくくしているからである。
【0031】
また、平坦路では図11の判定値曲線を用い、勾配路では図11の判定値曲線を平行移動させた補正判定値を用いるようにしてもよい。この場合、上り勾配では判定値曲線を上側に移動させることでエンジン2の停止が生じにくくして再加速などに対応しやすくし、下り勾配では判定値曲線を下側に移動させることでエンジン2の停止をより促進してエネルギー回収を促進すればよい。
【0032】
算出した比較値が停止可能領域内にある場合、即ち、ステップ90が肯定される場合は、エンジン停止要求フラグをONにする(ステップ100)。一方、算出した比較値が停止可能領域外にある場合、即ち、ステップ90が否定される場合は、エンジン停止要求フラグをOFF(ステップ110)にした後、比較値を始動判定値と比較し、比較値>始動判定値であるか否かを判定する(ステップ120)。このときの車速と始動判定値との関係を図12のマップに示す。図12中のハッチングを示した範囲が再始動可能領域である。算出した比較値がこの範囲内であれば、原則としてエンジン2を再始動させる。なお、図12のマップの縦軸についても図11と同様である。
【0033】
図12に示されるように、エンジン始動判定値(図12中実線)は、エンジン停止判定値(図12中点線)に対して上側にオフセットされている。エンジン停止判定値とエンジン始動判定値とを完全に一致させると、判定値近傍で比較値が変動するような場合に停止と再始動とが頻繁に繰り返されてしまう。そこで、上述したように、ヒステリシスに相当するオフセット分を設けることでこれを回避することができる。
【0034】
算出した比較値が再始動可能領域内にある場合、即ち、ステップ120が肯定される場合は、エンジン始動要求フラグをONにする(ステップ130)。一方、算出した比較値が始動可能領域外にある場合、即ち、ステップ120が否定される場合は、エンジン始動要求フラグをOFF(ステップ140)にする。
【0035】
ステップ100,130,140の後、エンジン2の停止や再始動を行うための基本的条件(=許可条件)が成立しているか否かを判定する(ステップ150)。この許可条件としては、例えば、エンジン2の停止と共に回生発電が開始される(構成によってはエンジンと駆動輪との間の接続も切り離される)ため、発電した電力をバッテリ8に充電できるか否か、即ち、バッテリ8のSOCが満充電状態(あるいはそれに近い状態)でないことが挙げられる。あるいは、エンジン2が暖気中でないか否かも許可条件としてあげられる。エンジン2が冷間始動されて十分に暖まっていない(暖気が終了していない)場合は、エンジン2の安定化や燃費性能・排気浄化性能の観点から暖気を優先する必要がある。
【0036】
ステップ150の許可条件が成立していなければ、エンジン2の停止/再始動実施処理は行われず、図9及び図10に記載のフローチャートの制御を抜ける。一方、ステップ150の許可条件が成立している場合は、次にアクセルペダルが踏まれいるか否かを判定する(ステップ160)。アクセルペダルが踏まれている場合、即ち、ステップ160が否定される場合は、再加速が予測される状況であるので、エンジン2の停止/再始動実施処理は行われず、図9及び図10に記載のフローチャートの制御を抜ける。
【0037】
一方、アクセルペダルが踏まれていない場合、即ち、ステップ160が肯定される場合は、目標回生制動力を算出し(エンジン2の停止時:ステップ170)、これに応じたモータトルクを決定し(エンジン2の再始動時:ステップ180)、これらに基づいてエンジン2が実際に停止又は再始動される(ステップ190)。エンジン2が停止される場合は、同時にA/T5において駆動力伝達経路が切断される。また、このときの回生量は通常エンジンブレーキ相当量とするが、ブレーキペダルが踏まれた場合は増加させる。エンジン2が再始動される場合は、同時にA/T5において駆動力伝達経路が接続される。
【0038】
なお、ステップ160において、高速走行時はアクセルオフだけでなくブレーキペダルが踏まれていることも条件に加えてもよい。高速走行時は、積極的な減速が必要なのではなく単に加速を行いたくないだけの場合も多い。このような場合は、再加速も予測されるし、回生制動によって積極的に制動が必要という状況ではない場合が多い。そこで、高速走行時はブレーキが踏まれたことも条件に入れてもよい。
【0039】
また、ステップ70〜ステップ140(及びステップ170,180)に関しては、エンジン2が停止状態にあるか運転状態にあるかで条件を分け、停止状態の時は停止判定値のみを読み出して停止判定値についてのみ比較値と比較する、あるいは、運転状態の時は再始動判定値のみを読み出して再始動判定値についてのみ比較値と比較するようにしてもよい。さらに、上述した説明では、A〜Fを求め、さらに、車速に応じて判定値を求めた。しかし、本実施形態では、空力損失エネルギーA及び転がり損失エネルギーBは車速によってそれぞれ一義的に決定されることとしているため、判定値に含めてしまうことも可能である。
【0040】
このようにすることで、走行中にエンジンを停止させて回生発電を行う際に、エンジン停止によるエネルギー回収効率のさらなる向上と、エンジン停止/再始動に伴う違和感の解消を実現できる。ここで、エンジン停止/再始動を駆動エネルギー(ここでは比較値=A+B+D+E+Fとして求めている)に応じて行うので、車両の駆動状況と適合した制御を行うことになるので違和感を解消できる。特に、ここで、判定値を車速に応じて変更するようにすれば、低速域から高速域までの広い範囲において違和感を解消できる。
【0041】
なお、本発明の車両制御装置は、上述した実施形態のものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態においては、回生発電時のエンジン2の停止及び再始動を車軸の駆動エネルギーに応じて行ったが、駆動エネルギーではなく駆動力(例えば、図11や図12のマップにおける縦軸が駆動力[単位:N・m])に応じて行ってもよい。また、上記実施形態では、一対の後輪3が一つのM/G4(ディファレンシャル機能内蔵)によって駆動されたが、各後輪3毎に一つずつM/Gが配設されるようであってもよい。また、前輪がモータ駆動で後輪がエンジン駆動であってもよい。
【0042】
あるいは、本発明は、エンジン出力で車輪を駆動して走行することが可能であると共に、走行による車輪の回転で発電を行うことができる車両に対して適用することができるので、図13に示されるような車両に対しても適用が可能である。図13に記載の車両100は、前輪駆動車であり、後輪3は従動輪である。また、車両100は、近年の車載電装品の増加に対応すべく、通常のバッテリ7に加えて高電圧のバッテリ8を有している。そして、この高電圧のバッテリ8は駆動輪である前輪1の車軸上に配設された発電機(オルタネータ)11によって発電された電力によって充電される。
【0043】
オルタネータ11は、A/T5と前輪1の車軸との間に位置している。その他の構成は、上述した図1に示される車両0とほぼ同様であるので、同様の構成部位には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。なお、この車両100では、エンジン2によって駆動される車輪もオルタネータ11による発電に寄与する車輪も前輪1である。このため、エンジン2を停止させてオルタネータ11で発電を行う場合は、A/T5の内部においてエンジン2と前輪1との接続が切断される。
【0044】
このような場合も、上述した実施形態と同様の制御を行うことで同様の効果が得られる。なお、このように回生発電のみを行う(オルタネータ11は車両100を駆動させない)場合は、始動判定値に基づく再始動判定に加えて、アクセルペダルが踏まれた場合は即座にエンジン2を始動させるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の車両制御装置によれば、走行中にエンジンを停止させて回生発電を行う際に、エンジン停止によるエネルギー回収効率のさらなる向上と、エンジン停止/再始動に伴う違和感の解消を実現できる。ここで、エンジン停止/再始動を駆動エネルギーに応じて行うので、車両の駆動状況と適合した制御を行うことになるので違和感を解消できる。
【0046】
請求項2に記載の車両制御装置によれば、上述した駆動エネルギーが所定値以下となった場合にエンジンを停止させる。即ち、駆動エネルギーが少ない、再加速時(エンジンは再始動される)に要求される駆動力が少ないときにエンジンを停止させるようにしており、再加速時の応答性を良好にすることができる。請求項3に記載の車両制御装置によれば、上述した所定値を車速に応じて変更するので、低速域から高速域までの広い範囲において違和感を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の一実施形態を搭載した車両の構成図である。
【図2】各エネルギーの状態(減速:上り勾配:ブレーキオフ時)を示す説明図である。
【図3】各エネルギーの状態(減速:下り勾配:ブレーキオフ時)を示す説明図である。
【図4】各エネルギーの状態(減速:上り勾配:ブレーキオン時)を示す説明図である。
【図5】各エネルギーの状態(減速:下り勾配:ブレーキオン時)を示す説明図である。
【図6】各エネルギーの状態(加速:上り勾配:アクセルオン時)を示す説明図である。
【図7】各エネルギーの状態(加速:下り勾配:アクセルオフ:ブレーキオフ時)を示す説明図である。
【図8】各エネルギーの状態(加速:下り勾配:アクセルオフ:ブレーキオン時)を示す説明図である。
【図9】本発明の車両制御装置の一実施形態を搭載した車両におけるエンジン停止/再始動制御を示すフローチャート(前半)である。
【図10】本発明の車両制御装置の一実施形態を搭載した車両におけるエンジン停止/再始動制御を示すフローチャート(後半)である。
【図11】駆動エネルギーと停止判定値との関係を示すマップである。
【図12】駆動エネルギーと始動判定値との関係を示すマップである。
【図13】本発明の車両制御装置の他の実施形態を搭載した車両の構成図である。
【符号の説明】
0,100…車両、1…前輪、2…エンジン、3…後輪、4…モータジェネレータ(M/G)、5…トランスミッション、6…メインECU、7…バッテリ、8…バッテリ、9…インバータ、10…ハイブリッドECU、11…オルタネータ。

Claims (3)

  1. エンジン、該エンジンの出力を車輪に伝達させるパワートレーン、走行によって生じる車輪の回転によって発電を行う発電手段、及び、前記発電手段による発電時に、前記パワートレーン上の何れかの箇所で発電に寄与する前記車輪と前記エンジンとの接続を切り離しつつ前記エンジンを停止させるエンジン制御手段を備えた車両を制御する車両制御装置において、
    前記エンジン制御手段が、前記車輪の車軸に作用する車両を推進させるための車軸駆動力又は車軸駆動エネルギーに応じて、前記エンジンの停止及び再始動を行うことを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記エンジン制御手段は、前記車輪の車軸駆動力又は車軸駆動エネルギーが所定値以下の場合に前記エンジンを停止させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記エンジン制御手段が、前記所定値を車速に応じて変更することを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
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