JP3965870B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、より詳細には、内燃機関の吸入負圧を倍力源とするブレーキブースタを備えた車両に搭載される内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関においては、排気ガスを浄化すべく排気通路に設けられた触媒の暖機性を向上させるための点火時期遅角制御が導入されつつある。これは、点火時期を遅角すると、燃焼終了時期及び燃焼速度が遅れて排気熱損失が増大し、その結果、高温の排気ガスが触媒に供給されて、触媒の早期暖機が実現されることに基づくものである。そして、点火時期の遅角は、エンジントルクの低下を伴うため、かかる点火時期遅角制御の実行時には、一般に、エンジントルクの低下を防止するために吸入空気量を増加させる制御が同時に実行される(例えば、特開平11−107822号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、車両においては、制動時にブレーキペダルの操作力を軽くするためにブレーキブースタが広く採用されている。ブレーキブースタは、一般に、エンジンの吸入負圧を倍力源としている。したがって、触媒暖機のための点火時期遅角制御に対応して吸入空気量を増加させた場合には、スロットルバルブが開かれて吸気管負圧の絶対値が低下(大気圧に近づく)するためにブレーキ性能が低下する可能性がある。
【0004】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒暖機性の向上とブレーキ性能の確保との間の均衡を図った制御を実現しうる、内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、内燃機関の吸入負圧を倍力源とするブレーキブースタを備えた車両に搭載されるとともに、所定の運転状態にあるときに内燃機関の点火時期の遅角制御を実行する制御装置であって、点火時期遅角制御実行中においてブレーキブースタの状態を監視するブースタ状態監視手段と、前記ブースタ状態監視手段によって負圧の不足が検出されるときに、内燃機関の運転状態を変化させる制御パラメータを制御して負圧の不足を解消する負圧回復制御手段と、を具備する、内燃機関の制御装置が提供される。
【0006】
また、本発明の第2の態様によれば、前記第1の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御するものである。
【0007】
また、本発明の第3の態様によれば、前記第2の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、要求負圧を達成するスロットル開度を算出し、該スロットル開度から吸入空気量を推定し、該吸入空気量とアイドル回転を維持するのに必要なトルクとから点火時期遅角量を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御する。
【0008】
また、本発明の第4の態様によれば、前記第3の態様に係る装置において、該要求負圧が、ブースタ作動時間に応じて決定される。
【0009】
また、本発明の第5の態様によれば、前記第2の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、ブースタ作動時間が所定時間以上となるときに、点火時期遅角制御を中止し、アイドル回転を維持するのに必要なトルクを実現しうるスロットル開度を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御する。
【0010】
また、本発明の第6の態様によれば、前記第1の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、内燃機関の電気負荷の作動を一時的に停止させるものである。
【0011】
また、本発明の第7の態様によれば、前記第6の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、電気負荷の作動の停止によっても負圧の不足が解消されない場合に、更なる負圧回復制御として、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御する。
【0012】
また、本発明の第8の態様によれば、前記第1の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、内燃機関の吸気バルブタイミングが最遅角位置に設定されている場合に吸気バルブタイミングを所定量だけ進角させるものである。
【0013】
また、本発明の第9の態様によれば、前記第8の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、吸気バルブタイミングの進角によっても負圧の不足が解消されない場合に、更なる負圧回復制御として、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御する。
【0014】
また、本発明の第10の態様によれば、前記第1の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、車両の駆動系に変速機を有する場合に該変速機を低速段側にシフトさせるものである。
【0015】
また、本発明の第11の態様によれば、前記第10の態様に係る装置において、前記負圧回復制御手段は、変速機の低速段側へのシフトによっても負圧の不足が解消されない場合に、更なる負圧回復制御として、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御する。
【0016】
また、本発明の第12の態様によれば、前記第7、第9又は第11の態様に係る装置において、前記更なる負圧回復制御は、要求負圧を達成するスロットル開度を算出し、該スロットル開度から吸入空気量を推定し、該吸入空気量とアイドル回転を維持するのに必要なトルクとから点火時期遅角量を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御するものである。
【0017】
また、本発明の第13の態様によれば、前記第2の態様に係る装置において、前記ブースタ状態監視手段は、ブースタの作動量と作動速度をも監視するものであり、前記負圧回復制御手段は、該作動量と該作動速度とから要求負圧を算出し、該要求負圧を達成するスロットル開度を算出し、該スロットル開度から吸入空気量を推定し、該吸入空気量とアイドル回転を維持するのに必要なトルクとから点火時期遅角量を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御する。
【0018】
また、本発明の第14の態様によれば、内燃機関の吸入負圧を倍力源とするブレーキブースタを備えた車両に搭載される内燃機関の制御装置であって、ブレーキブースタの作動状況から目標制動力を算出する目標制動力算出手段と、前記目標制動力算出手段によって算出される目標制動力に基づいて制動力が不足しているか否かを判定する制動力判定手段と、前記制動力判定手段によって制動力が不足していると判定されるときに、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを変化させて内燃機関の吸入負圧を増大させることで制動力の不足を解消する制動力回復制御手段と、を具備する、内燃機関の制御装置が提供される。
【0019】
また、本発明の第15の態様によれば、前記第14の態様に係る装置において、前記制動力判定手段は、前記目標制動力算出手段によって算出される目標制動力と、ブレーキブースタの負圧から推定される実現可能制動力と、の偏差に基づいて制動力の不足を判定するものである。
【0020】
また、本発明の第16の態様によれば、前記第14の態様に係る装置において、前記制動力判定手段は、前記目標制動力算出手段によって算出される目標制動力と、車速の変化状況から推定される実制動力と、の偏差に基づいて制動力の不足を判定するものである。
【0021】
また、本発明の第17の態様によれば、前記第15又は第16の態様に係る装置において、前記制動力回復制御手段は、前記偏差から要求負圧を算出し、該要求負圧を達成するスロットル開度を算出し、該スロットル開度から吸入空気量を推定し、該吸入空気量とアイドル回転を維持するのに必要なトルクとから点火時期遅角量を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御するものである。
【0022】
また、本発明の第18の態様によれば、前記第15又は第16の態様に係る装置において、前記制動力回復制御手段は、前記偏差から点火時期遅角量を算出して点火時期を制御するものである。
【0023】
また、本発明の第19の態様によれば、前記第15の態様に係る装置において、前記実現可能制動力が、ブレーキブースタの負圧に加え駆動トルクをも考慮して推定される。
【0024】
また、本発明の第20の態様によれば、前記各態様に係る装置において、センサ系の異常を検出するとともに、異常が検出された場合に吸入空気量及び/又は点火時期の制御を通常の制御に復帰させる異常処理手段が更に具備される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る制御装置を備えた内燃機関(エンジン)の全体概要図である。エンジン10は、車両搭載用の直列多気筒4ストロークサイクルレシプロガソリンエンジンである。エンジン10の吸気ポートには吸気通路12が接続され、吸気通路12にはエアクリーナ14、スロットルバルブ16、サージタンク18、吸気マニホルド20等が設けられている。なお、本実施形態におけるスロットルバルブ16は、いわゆる電子スロットルであり、運転席のアクセルペダルと直接機械的に結合されることなく、スロットルモータ17によって駆動せしめられる。
【0027】
エンジン10の外部の空気(外気)は、シリンダ内の燃焼室へ向けて吸気通路12の各部14,16,18及び20を順に通過する。吸気マニホルド20には、各吸気ポートへ向けて燃料を噴射するインジェクタ22が取り付けられている。シリンダ内の混合気に着火するために、シリンダヘッドには点火プラグ24が取り付けられている。燃焼した混合気は、排気ポートから、排気マニホルド28、触媒コンバータ30等を備えた排気通路26を経て、大気中に排出される。
【0028】
ブレーキブースタ32は、ブレーキペダル34を操作するのに必要な力を軽減するための装置であり、その倍力源をサージタンク18内の吸入負圧から得ている。なお、ブレーキペダル34が操作されたときには、ブレーキスイッチ(ストップスイッチ)36が閉成せしめられ、ストップランプ38が点灯する。
【0029】
車両には各種のセンサが取り付けられている。そのうち各実施形態に関連するセンサについて説明する。まず、クランクシャフトの回転速度(回転数)を検出するために回転速度検出用パルスを発生させるクランク角センサ40が設けられている。また、変速機(トランスミッション)42の出力軸の回転速度すなわち車速SPDに比例した数の出力パルスを単位時間当たりに発生する車速センサ44が取り付けられている。
【0030】
サージタンク18には、その内部の圧力を検出するための吸気圧センサ46が取付けられている。吸気通路12において、スロットルバルブ16の近傍には、その軸の回動角度を検出するスロットル開度センサ48とアクセル踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ50とが設けられている。
【0031】
また、ブレーキブースタ32には、サージタンク18に連通する部分の圧力を検出するブレーキブースタ圧センサ52が取り付けられている。また、後述する一部の実施形態では、ブレーキペダル34の近傍に、ブレーキ踏み込み量を検出するブレーキセンサ54が設けられることを前提としている。
【0032】
また、後述する一部の実施形態は、内燃機関の電気負荷としてのエアコン(エアコンディショナ)56が搭載された車両を前提にしている。エアコンには冷媒ガスを圧縮するためのコンプレッサが備えられており、コンプレッサはエンジンのクランクシャフトプーリとベルトを介して連結されている。したがって、エアコンをONにすれば、エンジンの負荷が増大することとなる。また、別の実施形態では、吸気弁の開閉タイミングを変更するための可変バルブタイミング(VVT)機構58が設けられたエンジンを前提としている。さらに他の実施形態では、変速機(トランスミッション)42が電子制御式の自動変速機であることを前提としている。
【0033】
制御装置60は、燃料噴射制御、点火時期制御等を実行するマイクロコンピュータシステムであり、各種センサからの信号を入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実行し、その演算結果に基づきインジェクタ22、点火プラグ24等に対する制御信号を出力する。さらに、制御装置60は、内燃機関の運転状態を変化させるその他の制御パラメータを制御する。
【0034】
以下、触媒暖機性の向上とブレーキ性能の確保との間の均衡を図った制御装置60による制御に関する各実施形態について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートであり、図3は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。両ルーチンとも、制御装置60において所定時間周期で実行される。
【0035】
図2のブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンにおいては、まず、ステップ102で、排気ガスを浄化すべく排気通路26に設けられた触媒コンバータ30の暖機性を向上させるための点火時期遅角制御の実行中であるか否かが判定される。かかる触媒暖機遅角制御は、前述のように、冷間時における触媒の暖機性を向上させるために点火時期を遅角するものであり、アイドル回転数を維持するために遅角量に応じて吸入空気量を増大させる制御が同時に行われるため、ブレーキブースタ32の負圧の絶対値が低下する可能性がある。遅角制御実行中であればステップ104に進む一方、遅角制御実行中でなければステップ114に進む。
【0036】
ステップ104では、ブレーキブースタ圧センサ52によって検出される負圧PBKを基準値P0 (例えば、−26.6kPa(=−200mmHg))と比較し、PBK>P0 のとき即ち負圧が不足していると判断されるときにはステップ106に進む一方、PBK≦P0 のとき即ち負圧が充分であると判断されるときにはステップ114に進む。
【0037】
ステップ106では、ブレーキスイッチ36からの信号BKSWがONであるか否かが判定され、ONであるときにはステップ108に進む一方、OFFであるときにはステップ114に進む。ステップ108では、車速センサ44の出力に基づいて算出される車速SPDを基準値S0 (例えば、40km/h)と比較し、SPD>S0 のときにはステップ110に進む一方、SPD≦S0 のときにはステップ114に進む。
【0038】
ステップ110では、アイドルONフラグEXIDL(アクセル開度センサ50の出力に基づいてアイドル状態にあると判定されるときにONに設定される)がONであるか否かが判定され、ONであるときにはステップ112に進む一方、OFFであるときにはステップ114に進む。
【0039】
ステップ102、104、106、108及び110の判定結果が全てYESのときに実行されるステップ112では、ブレーキ性能を考慮したエンジン制御を実行すべき状態にあることを示すブレーキ制御実行条件フラグEXBKに1がセットされる。一方、ステップ102、104、106、108又は110のいずれかの判定結果がNOとなるときに実行されるステップ114では、ブレーキ性能を考慮したエンジン制御を実行する必要がない状態にあると判断されるため、ブレーキ制御実行条件フラグEXBKに0がセットされる。
【0040】
図3に示される触媒暖機遅角量算出ルーチンでは、まず、ステップ152においてブレーキ制御実行条件フラグEXBKが1であるか否かが判定され、EXBK=1のときにはステップ154に進む一方、EXBK=0のときには本ルーチンを終了する。
【0041】
ステップ154では、現在のエンジン回転数の下で要求負圧(例えば、−39.9kPa(=−300mmHg))を達成するスロットル開度が算出される。この算出のために、エンジン回転数と要求負圧とからスロットル開度を求めるためのマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。そして、スロットル開度センサ48によって検出されるスロットルバルブ16の開度が、算出されたスロットル開度となるように、別の制御ルーチンによってスロットルモータ17が制御される。
【0042】
次いで、ステップ156では、ステップ154で算出されたスロットル開度から吸入空気量が推定される。この推定のために、スロットル開度から吸入空気量を求めるためのマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。
【0043】
最後のステップ158では、ステップ156で推定された吸入空気量と、別途求められているアイドル回転維持トルク(アイドル回転を維持するのに必要なトルク)と、から触媒暖機遅角量が算出される。この算出のために、吸入空気量とアイドル回転維持トルクとに応じて触媒暖機遅角量を定めたマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。この触媒暖機遅角量は、エンジン回転数とエンジン負荷(例えば吸気圧センサ46によって検出される吸気管圧力)とから決定される基本点火時期(圧縮上死点から進角方向にクランク角で数えた値(点火進角値))に対する減算量として使用される。
【0044】
上述の制御により、触媒暖機のためのエンジントルクの低下を抑えつつ、吸気管負圧を利用したブースタの性能をも充分に確保することができる。なお、過渡運転時のトルク制御を点火時期によって可能にするためにアイドル状態における点火時期を一旦遅角設定する制御(過渡補正アイドル遅角制御)が行われることがあるが、この場合にも、アイドル回転数を維持するために遅角量に応じて吸入空気量を増大させる制御が同時に行われるため、ブレーキブースタ32の負圧が低下する可能性がある。この過渡補正アイドル遅角制御に対しても、前述の触媒暖機遅角制御に対するブレーキ制御と全く同一の制御を適用することが可能である。また、以下に説明する実施形態についても同様である。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態におけるブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチン(図2)と同一のルーチンが実行されるとともに、図4に示される触媒暖機遅角量算出ルーチンが実行される。図4におけるステップ252、256、258及び260の内容は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチン(図3)におけるステップ152、154、156及び158の内容とそれぞれ同一である。
【0046】
そして、第1実施形態においては要求負圧が一定値とされたのに対し、第2実施形態では、ブレーキスイッチ36からの信号BKSWのON時間が求められ、そのON時間に応じた要求負圧が算出される(ステップ254)。この算出のために、図5(A)又は(B)に示されるようなマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。BKSWのON時間が長いほどブースタ内の負圧が大きく消費されるため、これらのマップにおいては、BKSWのON時間が長いほど要求負圧が低くなるように設定されている。かくして、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、エンジントルクの低下をより小さく抑えることが可能となる。
【0047】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図6は、第3実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートであり、図7は、第3実施形態に係るスロットル開度算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図6におけるステップ302、304、308、310、312及び314の内容は、第1実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチン(図2)のステップ102、104、108、110、112及び114の内容とそれぞれ同一である。
【0048】
一方、図2のステップ106では、ブレーキスイッチ36からの信号BKSWがONであるか否かが判定されたのに対し、図6の対応するステップ306では、ブレーキスイッチ36からの信号BKSWがONである時間(即ち、ブースタ作動時間)が一定時間経過したか否かが判定される。そのため、図6のブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンによれば、確実なブレーキ操作がなされたときのみ、ブレーキ制御実行条件フラグEXBKが1にセットされることとなる。
【0049】
そして、図7のスロットル開度算出ルーチンでは、まず、ステップ352においてブレーキ制御実行条件フラグEXBKが1であるか否かを判定し、EXBK=1のときにはステップ354に進む一方、EXBK=0のときには本ルーチンを終了する。ステップ354では、触媒暖機遅角制御の実行を中止するとともに、触媒暖機遅角制御がなされない状態での通常の要求点火時期を算出する。次いで、ステップ356では、アイドル回転維持トルクを実現しうるスロットル開度を設定してスロットルバルブ16を制御する。かくして、確実なブレーキ操作がなされたときに、ブレーキ性能の確保が重視されて触媒暖機遅角制御が中止されるとともにアイドル回転が維持される。
【0050】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態においては、第1実施形態におけるブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチン(図2)と同一のルーチンが実行されるとともに、図8に示されるエアコン操作ルーチンが実行される。エアコン56等の内燃機関の電気負荷がオンにされた状態ではオフの状態よりも吸入空気量が増加している。そこで、この第4実施形態においては、エアコン56の作動を一時的に停止することにより、負圧の不足を解消させる。
【0051】
すなわち、図8のエアコン操作ルーチンでは、まず、ステップ452においてエアコン56が作動中のときにONとなるフラグEXACがONであるか否かを判定し、EXAC=ONのときにはステップ454に進む一方、EXAC=OFFのときには本ルーチンを終了する。ステップ454では、ブレーキ制御実行条件フラグEXBKが1であるか否かを判定し、EXBK=1のときにはステップ456に進む一方、EXBK=0のときにはステップ458に進む。そして、ステップ456ではエアコンをカットする一方、ステップ458ではエアコンの作動を復帰させる。なお、エアコン以外の電気負荷についても同様の制御が可能である。
【0052】
次に、前述の第4実施形態を改造した第5実施形態について説明する。この第5実施形態は、エアコンの作動を停止しても負圧の不足が解消されない場合に、更なる負圧回復制御として、第1実施形態と同様の制御を行おうというものである。第5実施形態では、図2のブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンが実行されるとともに、図9に示される触媒暖機遅角量算出ルーチンが実行される。
【0053】
そして、図9におけるステップ552、554、556及び558の内容は、第4実施形態に係るエアコン操作ルーチン(図8)のステップ452、454、456及び458の内容とそれぞれ同一である。そして、ステップ556におけるエアコンのカット後に実行されるステップ560では、ブレーキブースタ圧センサ52によって検出される負圧PBKを基準値P0 と比較し、PBK>P0 のとき即ち負圧がなお不足していると判断されるときにはステップ562以降に進む一方、PBK≦P0 のとき即ち負圧が回復したと判断されるときには本ルーチンを終了する。ステップ562、564及び566の内容は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチン(図3)のステップ154、156及び158の内容とそれぞれ同一である。
【0054】
次に、本発明の第6実施形態について説明する。この第6実施形態では、可変バルブタイミング(VVT)機構58が利用される。図10は、吸気バルブ及び排気バルブの開閉時期をクランク角により表したバルブタイミング図である。この図に示されるように、排気バルブは、固定の開弁時期EVOにて開弁せしめられるとともに、固定の閉弁時期EVCにて閉弁せしめられる。一方、吸気バルブについては、その開弁期間は一定であるが、その開弁時期IVO及び閉弁時期IVCは可変であり、最も遅角側の開閉時期(同図のIVOr及びIVCr)を基準位置として、ともに進角方向へ任意の量だけ変位したタイミングに設定することができる。そして、この基準位置からのバルブタイミング変位量VTDが制御量とされる。
【0055】
第6実施形態においては、第1実施形態におけるブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチン(図2)と同一のルーチンが実行されるとともに、図11に示されるVVT機構操作ルーチンが実行される。一般に、吸気バルブタイミングを進角させると、空気がシリンダ内に吸気されやすくなる結果、吸気管負圧の絶対値が増大する。そこで、この第6実施形態においては、吸気バルブタイミングを進角させることで負圧の不足を解消させる。
【0056】
すなわち、図11のVVT機構操作ルーチンでは、まず、ステップ652において吸気バルブタイミング変位量VTDが0であるか否かを判定し、VTD=0のときにはステップ654に進む一方、VTD≠0のときには本ルーチンを終了する。ステップ654では、ブレーキ制御実行条件フラグEXBKが1であるか否かを判定し、EXBK=1のときにはステップ656に進む一方、EXBK=0のときにはステップ658に進む。そして、ステップ656では吸気バルブタイミングを所定角度だけ進角する一方、ステップ658では吸気バルブタイミングを最遅角位置に復帰させる。
【0057】
次に、前述の第6実施形態を改造した第7実施形態について説明する。この第7実施形態は、吸気バルブタイミングを進角させても負圧の不足が解消されない場合に、更なる負圧回復制御として、第1実施形態と同様の制御を行おうというものである。第7実施形態では、図2のブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンが実行されるとともに、図12に示される触媒暖機遅角量算出ルーチンが実行される。
【0058】
そして、図12におけるステップ752、754、756及び758の内容は、第6実施形態に係るVVT機構操作ルーチン(図11)のステップ652、654、656及び658の内容とそれぞれ同一である。そして、ステップ756における吸気バルブタイミングの進角操作後に実行されるステップ760では、ブレーキブースタ圧センサ52によって検出される負圧PBKを基準値P0 と比較し、PBK>P0 のとき即ち負圧がなお不足していると判断されるときにはステップ762以降に進む一方、PBK≦P0 のとき即ち負圧が回復したと判断されるときには本ルーチンを終了する。ステップ762、764及び766の内容は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチン(図3)のステップ154、156及び158の内容とそれぞれ同一である。
【0059】
次に、本発明の第8実施形態について説明する。第8実施形態においては、第1実施形態におけるブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチン(図2)と同一のルーチンが実行されるとともに、図13に示される変速機操作ルーチンが実行される。一般に、変速機を低速段側へ切り替える(シフトダウン)ことで回転数を上昇させて負圧の絶対値を増大させることができる。そこで、この第8実施形態においては、変速機42が利用され、シフトダウンにより負圧の不足の解消が図られる。
【0060】
すなわち、図13の変速機操作ルーチンでは、まず、ステップ852において変速機が1速以外の変速段にあるか否かを判定し、1速以外のときにはステップ854に進む一方、1速のときには本ルーチンを終了する。ステップ854では、ブレーキ制御実行条件フラグEXBKが1であるか否かを判定し、EXBK=1のときにはステップ856に進む一方、EXBK=0のときにはステップ858に進む。そして、ステップ856ではシフトダウンを実施する一方、ステップ858では変速機を通常状態に復帰させる。
【0061】
次に、前述の第8実施形態を改造した第9実施形態について説明する。この第8実施形態は、シフトダウンを実施しても負圧の不足が解消されない場合に、更なる負圧回復制御として、第1実施形態と同様の制御を行おうというものである。第9実施形態では、図2のブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンが実行されるとともに、図14に示される触媒暖機遅角量算出ルーチンが実行される。
【0062】
そして、図14におけるステップ952、954、956及び958の内容は、第8実施形態に係る変速機操作ルーチン(図13)のステップ852、854、856及び858の内容とそれぞれ同一である。そして、ステップ856におけるシフトダウンの実施後に実行されるステップ960では、ブレーキブースタ圧センサ52によって検出される負圧PBKを基準値P0 と比較し、PBK>P0 のとき即ち負圧がなお不足していると判断されるときにはステップ962以降に進む一方、PBK≦P0 のとき即ち負圧が回復したと判断されるときには本ルーチンを終了する。ステップ962、964及び966の内容は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチン(図3)のステップ152、154、156及び158の内容とそれぞれ同一である。
【0063】
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図15は、第10実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートであり、図16は、第10実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図15におけるステップ1002、1004、1006、1008、1010及び1012の内容は、第1実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチン(図2)のステップ102、104、108、110、112及び114の内容とそれぞれ同一である。また、図16におけるステップ1052、1056、1058及び1060の内容は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチン(図3)のステップ152、154、156及び158の内容とそれぞれ同一である。
【0064】
すなわち、第1実施形態と比較して、ブレーキスイッチ36からの信号BKSWがONであるか否かを判定するステップ(図2のステップ106)が削除される一方、ステップ1054(図16)が追加されている。このステップ1054では、ブレーキセンサ54によってブレーキ踏み込み量(即ち、ブースタの作動量)を検出するとともに、その踏み込み量の時間的変化から踏み込み速度(即ち、ブースタの作動速度)を算出する。そして、予め制御装置60内のメモリに格納された、図17に示される如きマップを参照することにより、ブレーキ踏み込み量と踏み込み速度とに応じた要求負圧を算出する。かくして、この第10実施形態では、要求負圧の算出精度の向上が図られる。
【0065】
次に、本発明の第11実施形態について説明する。この第11実施形態は、目標制動力及び実現可能制動力を求め、実現可能制動力が目標制動力を下回る場合に、触媒暖機遅角量を減少させ、そのときのアイドル回転維持トルクを実現するためのスロットル開度を減少させることにより、負圧の絶対値を高め、制動力を向上させようというものである。図18は、第11実施形態に係る目標制動力算出及び実現可能制動力推定ルーチンの処理手順を示すフローチャート、図19は、図18の処理で参照されるマップであってブレーキ踏み込み量と踏み込み速度とから目標制動力を求めるためのマップ、図20は、第11実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャート、をそれぞれ示している。
【0066】
図18の目標制動力算出及び実現可能制動力推定ルーチンでは、まず、ステップ1102において、車速センサ44の出力に基づいて算出される車速SPDを基準値S0 と比較し、SPD>S0 のときにはステップ1104に進む一方、SPD≦S0 のときには本ルーチンを終了する。ステップ1104では、アイドルONフラグEXIDLがONであるか否かを判定し、ONであるときにはステップ1106に進む一方、OFFであるときには本ルーチンを終了する。
【0067】
ステップ1106では、ブレーキセンサ54によってブレーキ踏み込み量を検出するとともに、その踏み込み量の時間的変化から踏み込み速度を算出し、そして、予め制御装置60内のメモリに格納された、図19に示される如きマップを参照することにより、ブレーキ踏み込み量と踏み込み速度とに応じた目標制動力TTBKPを算出する。次いで、ステップ1108では、ブレーキブースタ圧センサ52によって検出される負圧PBKに基づいて実現可能制動力TBKPを算出する。この算出のために、負圧PBKから実現可能制動力TBKPを求めるためのマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。
【0068】
次いで、図20の触媒暖機遅角量算出ルーチンでは、まず、ステップ1152において、目標制動力TTBKPと実現可能制動力TBKPとを比較し、TTBKP>TBKPのときにはステップ1154に進む一方、TTBKP≦TBKPのときには本ルーチンを終了する。ステップ1154では、TTBKPとTBKPとの偏差から要求負圧を算出する。この算出のために、その偏差から要求負圧を求めるためのマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。以降のステップ1156、1158及び1160の内容は、第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチン(図3)のステップ154、156及び158の内容とそれぞれ同一である。
【0069】
なお、図20のルーチンに代えて、図21に示されるような触媒暖機遅角量算出ルーチンにしてもよい。このルーチンでは、目標制動力TTBKPと実現可能制動力TBKPとの偏差DTBKPを算出し(ステップ1184)、この偏差DTBKPから直接に触媒暖機遅角量を算出する(ステップ1186)。なお、この算出のために、偏差DTBKPから触媒暖機遅角量を求めるためのマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。
【0070】
次に、本発明の第12実施形態について説明する。この第12実施形態は、目標制動力及び実制動力を求め、実制動力が目標制動力を下回る場合に、触媒暖機遅角量を減少させ、そのときのアイドル回転維持トルクを実現するためのスロットル開度を減少させることにより、負圧の絶対値を高め、制動力を向上させようというものである。図22は、第12実施形態に係る目標制動力算出及び実制動力推定ルーチンの処理手順を示すフローチャート、図23は、図22の処理で参照されるマップであって減速度から実制動力を求めるためのマップ、図24は、第12実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャート、をそれぞれ示している。
【0071】
図22の目標制動力算出及び実制動力推定ルーチンにおけるステップ1202、1204及び1206の内容は、前述した図18におけるステップ1102、1104及び1106の内容とそれぞれ同一である。ステップ1208では、車速センサ44によって検出される車速の時間的変化から減速度を算出し、そして、予め制御装置60内のメモリに格納された、図23に示される如きマップを参照することにより、減速度に応じた実制動力TBKPNを算出する。また、図24の触媒暖機遅角量算出ルーチンは、前述した図20のルーチンに対し、その中の実現可能制動力TBKPを実制動力TBKPNに置き換えたものである。
【0072】
なお、図24のルーチンに代えて、図25に示されるような触媒暖機遅角量算出ルーチンにしてもよい。このルーチンでは、目標制動力TTBKPと実制動力TBKPNとの偏差DTBKPNを算出し(ステップ1284)、この偏差DTBKPNから直接に触媒暖機遅角量を算出する(ステップ1286)。なお、この算出のために、偏差DTBKPNから触媒暖機遅角量を求めるためのマップが予め制御装置60内のメモリに格納されている。
【0073】
次に、本発明の第13実施形態について説明する。この第13実施形態は、前述した第11実施形態を改造したものであり、第11実施形態に係る目標制動力算出及び実現可能制動力推定ルーチン(図18)のステップ1108が、図26に示されるステップ1308に変更される。すなわち、ステップ1308では、ブレーキブースタ圧センサ52によって検出される負圧PBKに加えて駆動トルクにも基づいて実現可能制動力TBKPを算出する。
【0074】
この駆動トルクの算出のための処理ルーチンが図27のフローチャートに示される。このルーチンでは、まず、ステップ1302において、実空気量、点火時期及び空燃比(A/F)からエンジン図示トルクを算出する。次いで、ステップ1304では、エンジン図示トルクから、補機損失、ポンプ損失、機械損失を減算することにより、エンジン出力軸トルクを算出する。そして、最後のステップ1306では、エンジン出力軸トルク、トルク比、変速比、駆動系伝達効率から駆動トルクを算出する。こうして算出された駆動トルクをも考慮して実現可能制動力TBKPを算出することにより、実現可能制動力TBKPの算出精度の向上が図られる。
【0075】
ところで、ブレーキブースタ圧センサ52やブレーキセンサ54が故障している場合には、上述の制御を実施しても所望の効果をえることができず、却って悪影響を与えるおそれがある。そこで、かかるセンサ系の故障を検出しうるようにしておくことが好ましい。そこで、例えば、図28に示されるセンサ系異常処理ルーチンが定期的に実行される。
【0076】
まず、ステップ1402では、吸気圧センサ46の出力が示す吸気管圧力PMとブレーキブースタ圧センサ52の出力が示す圧力PBKとを一定時間モニタする。そして、ステップ1404では、PBKが、PMの値からみて想定し難い異常な値をとる場合には、ブレーキブースタ圧センサ52に異常があるとみなしてステップ1410に進む一方、特に異常が認められない場合には、ステップ1406に進む。
【0077】
ステップ1406では、PBKの変化とブレーキセンサ54の出力が示すブレーキ踏み込み量の変化とを一定時間モニタする。そして、ステップ1408では、踏み込み量の変化がPBKの変化に対応していないと認められる場合には、ブレーキセンサ54に異常があるとみなしてステップ1410に進む一方、特に異常が認められない場合には、本ルーチンを終了する。ステップ1410では、触媒暖機遅角制御の実行を禁止する処置をとり、吸入空気量及び点火時期の制御を通常の制御に復帰させる。
【0078】
以上、述べてきた実施形態はポート噴射式エンジンに関するものであるが、筒内直接噴射方式の希薄燃焼エンジンにおいては、触媒暖機性向上のためにリーン制御が実施されることがある。その場合にも、やはり、吸気管負圧の絶対値が低下し、ブレーキ性能が低下する可能性がある。そこで、希薄燃焼エンジンでは、リーン制御を中止することにより負圧を回復させることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、触媒暖機性の向上とブレーキ性能の確保との間の均衡を図った制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置を備えた内燃機関の全体概要図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】(A)及び(B)ともに、ブレーキスイッチON時間から要求負圧を求めるためのマップを示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係るスロットル開度算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4実施形態に係るエアコン操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第5実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】吸気バルブ及び排気バルブの開閉時期をクランク角により表したバルブタイミング図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係るVVT機構操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第7実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第8実施形態に係る変速機操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第9実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第10実施形態に係るブレーキ制御実行条件フラグ操作ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】第10実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】ブレーキ踏み込み量と踏み込み速度とから要求負圧を算出するためのマップを示す図である。
【図18】本発明の第11実施形態に係る目標制動力算出及び実現可能制動力推定ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図19】ブレーキ踏み込み量と踏み込み速度とから目標制動力を求めるためのマップを示す図である。
【図20】第11実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図21】第11実施形態の変形例に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第12実施形態に係る目標制動力算出及び実制動力推定ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図23】減速度から実制動力を求めるためのマップを示す図である。
【図24】第12実施形態に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図25】第12実施形態の変形例に係る触媒暖機遅角量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第13実施形態に係る目標制動力算出及び実現可能制動力推定ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図27】駆動トルク算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図28】センサ系異常処理ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン
12…吸気通路
14…エアクリーナ
16…スロットルバルブ
17…スロットルモータ
18…サージタンク
20…吸気マニホルド
22…インジェクタ
24…点火プラグ
26…排気通路
28…排気マニホルド
30…触媒コンバータ
32…ブレーキブースタ
34…ブレーキペダル
36…ブレーキスイッチ
38…ストップランプ
40…クランク角センサ
42…変速機(トランスミッション)
44…車速センサ
46…吸気圧センサ
48…スロットル開度センサ
50…アクセル開度センサ
52…ブレーキブースタ圧センサ
54…ブレーキセンサ
56…エアコン(エアコンディショナ)
58…可変バルブタイミング(VVT)機構
60…制御装置
Claims (5)
- 内燃機関の吸入負圧を倍力源とするブレーキブースタを備えた車両に搭載されるとともに、所定の運転状態にあるときに内燃機関の点火時期の遅角制御を実行する制御装置であって、
点火時期遅角制御実行中においてブレーキブースタの状態を監視するブースタ状態監視手段と、
前記ブースタ状態監視手段によって負圧の不足が検出されるときに、内燃機関の運転状態を変化させる制御パラメータを制御して負圧の不足を解消する負圧回復制御手段と、
を具備し、前記負圧回復制御手段は、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御するものであり、さらに、
前記負圧回復制御手段は、要求負圧を達成するスロットル開度を算出し、該スロットル開度から吸入空気量を推定し、該吸入空気量とアイドル回転を維持するのに必要なトルクとから点火時期遅角量を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御する、内燃機関の制御装置。 - 該要求負圧が、ブースタ作動時間に応じて決定される、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の吸入負圧を倍力源とするブレーキブースタを備えた車両に搭載されるとともに、所定の運転状態にあるときに内燃機関の点火時期の遅角制御を実行する制御装置であって、
点火時期遅角制御実行中においてブレーキブースタの状態を監視するブースタ状態監視手段と、
前記ブースタ状態監視手段によって負圧の不足が検出されるときに、内燃機関の運転状態を変化させる制御パラメータを制御して負圧の不足を解消する負圧回復制御手段と、
を具備し、前記負圧回復制御手段は、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御するものであり、さらに、
前記負圧回復制御手段は、ブースタ作動時間が所定時間以上となるときに、点火時期遅角制御を中止し、アイドル回転を維持するのに必要なトルクを実現しうるスロットル開度を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御する、内燃機関の制御装置。 - 内燃機関の吸入負圧を倍力源とするブレーキブースタを備えた車両に搭載されるとともに、所定の運転状態にあるときに内燃機関の点火時期の遅角制御を実行する制御装置であって、
点火時期遅角制御実行中においてブレーキブースタの状態を監視するブースタ状態監視手段と、
前記ブースタ状態監視手段によって負圧の不足が検出されるときに、内燃機関の運転状態を変化させる制御パラメータを制御して負圧の不足を解消する負圧回復制御手段と、
を具備し、前記負圧回復制御手段は、内燃機関の吸入空気量又は点火時期のうちの少なくとも一つを制御するものであり、さらに、
前記ブースタ状態監視手段は、ブースタの作動量と作動速度をも監視するものであり、前記負圧回復制御手段は、該作動量と該作動速度とから要求負圧を算出し、該要求負圧を達成するスロットル開度を算出し、該スロットル開度から吸入空気量を推定し、該吸入空気量とアイドル回転を維持するのに必要なトルクとから点火時期遅角量を算出して、吸入空気量及び点火時期を制御する、内燃機関の制御装置。 - センサ系の異常を検出するとともに、異常が検出された場合に吸入空気量及び/又は点火時期の制御を通常の制御に復帰させる異常処理手段を更に具備する、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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