JP3965472B2 - 埋設ライン被覆損傷部の特定方法 - Google Patents

埋設ライン被覆損傷部の特定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、埋設管や埋設線等の埋設ラインに交流電流を流し、地上に設置したサーチコイルに流れる誘導電流を測定することで、埋設ラインの被覆損傷部を探査する技術に係り、特に、検査対象の埋設ライン近傍に誘導電流が誘起される物体(周辺構造物と称する)が存在する場合でも、精度良く被覆損傷部を探査可能な埋設ライン被覆損傷部の特定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガス管、水道管、電線管等の埋設管や埋設線は、土中の水分等により腐食損傷を受けることを防止する目的で、表面に塗装等の防食被覆を施している。しかし、完全ではなく、埋設工事中の衝撃や、地震や埋設管上方の交通振動等の影響による埋設後の地盤変位等によって、表面の被覆が損傷を受ける場合がある。この場合、損傷部から腐食が進行し、ガス管、水道管等の場合は、内容物の漏洩といった問題が生じるため、埋設ラインの被覆損傷を定期的に探査する必要がある。
【0003】
このため、被覆膜の損傷点を、地上で電磁気的に探査する方法が提案されており、例えば、針電極法等の電位法(特開昭61−210935参照)や、埋設ラインへの通電電気量が作る磁界の変化を計測する磁界法(特開昭64−481、特開平10−206390参照)による探査方法が開示されている。
【0004】
しかし、従来の探査方法、例えば埋設管に電流を流し、地上部において電位の変化を測定して埋設管の被覆損傷箇所を検出する電位法では、路面との電気的導通を確保する必要があり、それが問題となって、探査が困難になる場合がある。
【0005】
一方、磁界法によって探査する場合は、対象埋設ラインへ交流の基準電流を流すと共に、対象埋設ラインに沿って上部地上においてサーチコイルを移動させることで、埋設ラインに被覆損傷があった箇所に生じる漏洩電流によって、サーチコイルに発生する誘導電流を検知するようにされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、埋設ラインは、道路網に沿って延設される場合が多く、周辺に種々の金属製埋設物が存在する場合がある。又、埋設ラインに沿った所定の場所には点検孔が設けられ、鉄製のマンホール蓋が置かれている。こうした埋設物やマンホール蓋等の周辺構造物には、被覆損傷探査の対象埋設ラインへ基準信号を流したときに、それら物体の中に誘導電流のループが発生する。
【0007】
このような誘導電流ループには、前記したサーチコイルの軸心と直交する方向に流れる電流が含まれるため、サーチコイルによる被覆損傷探査において、この誘導電流ループに起因する誘導電流が検知されてしまうことになる。従って、この場合、対象の埋設ラインには、実際には被覆損傷がないにも拘らず、サーチコイルによる探査において、被覆損傷と同様な誘導電流を検知し、これを被覆損傷と誤認する可能性があった。
【0008】
このように、従来のサーチコイルを用いた埋設ライン被覆損傷探査では、探査対象の埋設ラインに近接して誘導電流ループを発生させるような構造物があった場合でも、この影響による誤認を防ぐ方法が必要とされていた。
【0009】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、検査対象の埋設ライン近傍に、誘導電流を発生する物体が存在する場合でも、精度良く被覆損傷部を探査可能とすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、サーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法において、前記サーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインからの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、明らかに誘導電流のない個所において採取したデータを基準として、通常探査時の波形を比較評価し、基準信号に対してその位相差の符号が+から−、又は−から+に変化する個所を周辺構造物による誘導電流の存在点として判別するようにして、前記課題を解決したものである。
【0011】
あるいは、埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、所定間隔で互いのコイル軸の向きを揃えて配置された少くとも一対のサーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを前記一対のサーチコイルの出力差により検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法において、一つ以上のサーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインの被覆損傷部からの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、明らかに誘導電流のない個所において採取したデータを基準として、通常探査時の波形を比較評価し、基準信号に対してその位相差の符号が+から−、又は−から+に変化する個所を周辺構造物による誘導電流の存在点として判別するようにして、同じく前記課題を解決したものである。
【0012】
又、埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、サーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法であって、前記サーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインからの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、明らかに誘導電流がない場合のサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差を予め求めておき、探査時にサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差が、前記の差から45°以上大きく外れるものを周辺構造物による誘導電流として区別するようにして、同じく前記課題を解決したものである。
【0013】
あるいは、埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、所定間隔で互いのコイル軸の向きを揃えて配置された少くとも一対のサーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを前記一対のサーチコイルの出力差により検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法であって、一つ以上のサーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインの被覆損傷部からの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、明らかに誘導電流がない場合のサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差を予め求めておき、探査時にサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差が、前記の差から45°以上大きく外れるものを周辺構造物による誘導電流として区別するようにして、同じく前記課題を解決したものである。
【0016】
探査装置は、基準信号の入力地点から離れた地点の探査を実施する必要がある。このためには、埋設ラインの電流が、コイルに誘起する電流の位相が、誘導電流が無いときにサーチコイルに誘起する電流の位相と等しいことを利用し、探査装置に埋設ラインの電流を検出するコイルを搭載して、これより誘導電流が無いときにサーチコイルに誘起する電流の位相を求めるか、あるいは、基準信号と同周波数の発信器を搭載して、基準信号の位相と同期させて、探査時にサーチコイルに誘起する信号の位相と比較する方法を採用し、探査装置に組み込めばよい。
【0017】
又、前記サーチコイルに誘起する信号の位相検出に、直交同期検波、ロックインアンプ又はオシロスコープを用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
本実施形態は、図1に示す如く、埋設管(例えば鋼管)10に、探査装置20の基準信号発生器22から交流の基準信号を送信する一方、サーチコイル30を地上において移動させて、前記埋設管10の周囲に発生している磁界の場所的乱れを検出し、埋設管10の被覆探傷位置を探査する磁場法による埋設管被覆損傷探査において、埋設管10の付近にマンホール等の構築物12が存在する場合や、埋設管10の周辺構造物に配置された鉄筋がループ状になっている場合、こうしたループを貫く磁束Bが存在すると、ループに誘導電流Iが流れる。そして、探査用の信号電流が大きくなると、この誘導電流の影響が無視できなくなる。
【0020】
本発明は、この誘導電流Iを区別し、探査への影響を除去することを目的とする。
【0021】
前記誘導電流の区別は、位相差により行なう。即ち、埋設管10を流れる信号電流が漏れ出したときにサーチコイル30に誘起される電流と、埋設管を流れる電流が構造物にループ状の鉄筋等に誘起した電流が、更にサーチコイル30に誘起する電流とでは、90°の位相差がある。
【0022】
又、埋設管10を流れる電流がサーチコイル30に誘起する電流と、漏洩電流がサーチコイル30に誘起する電流の位相はほぼ同じ(位相差は0°に近い)である。よって、漏洩電流がサーチコイル30に誘起する電流の位相は容易に決定できる。
【0023】
埋設管10を流れる信号電流が、サーチコイル30に誘起する電流と同位相以外のものを誘導電流起因のものと考えて、削除することができれば、誘導電流の影響を除去できることになる。
【0024】
今、サーチコイル30に発生する信号Ecoilを次式で表わす。
【0025】
Ecoil=Acosωt+Bsinωt …(1)
【0026】
ここで、Acosωtは、漏洩(リーク)又は埋設管を流れる電流を代表し、Bsinωtは、誘導電流起因の電流を代表する。
【0027】
このときに、右辺第2項を削除できればよい。
【0028】
まず、(1)式の信号Ecoilに、次式に示す如く、右辺第1項と同じ位相の信号(参照信号と称する)cosωtを掛け合わせる。
【0029】
Ecoil・cosωt=Acosωt・cosωt+Bsinωt・cosωt …(2)
【0030】
このとき、参照信号cosωtの振幅は、既知であるので、後で割り戻すことによって、結局振幅の影響はキャンセルできるので、ここでは振幅を1としている。
【0031】
(2)式の右辺は、次のように書き換えることができる。
【0032】
=(1/2)・A・(cos2ωt+cos0)+(1/2)・B・sin2ωt…(3)
【0033】
ここで、遮断周波数が十分小さなローパスフィルタを通すと、この出力は次式のようになる。
【0034】
≒(1/2)・A …(4)
【0035】
この出力は、誘導電流起因の信号が除去された検波出力となっている。
【0036】
以上の方法を用いて、サーチコイル30に誘導電流がないときに現われる電流と位相が同じで周波数が同じ信号(参照信号)をサーチコイル出力に掛け合わせ、ローパスフィルタを通すことで誘導電流起因のノイズを除去することができる。
【0037】
具体的な回路としては、図2に示す如く、サーチコイル30に誘導電流が無いときに現われる電流と位相が同じで周波数が同じ信号(参照信号)を、乗算器31、32によりサーチコイル30の出力に掛け合わせ、ローパスフィルタ(LPF)33、34を通す回路を用いるとよい。図において、36は、参照信号の位相をずらすための移相器、38は直交位相分配器、E0は、誘導電流を除去した出力信号の振幅、E90は、E0と位相が90°異なる誘導電流の振幅である。
【0038】
基準信号として正弦波を送信しているときに、誘導電流のない場合には図2のサーチコイル出力30として、図3(i)に示すような基準信号と同位相の正弦波が検出される。参照信号として基準信号と同位相、同周波数の信号を与え、これを直交位相分配器38により参照信号と同位相の0°信号(図3(ii))と位相が90°ずれた90°信号(図3(iii))とに分けて、乗算器32、31によってそれぞれサーチコイル出力30へ掛けあわせてローパスフィルタ(LPF)34、33を通すことにより、E90、E0を得ることができる。
【0039】
ここで、サーチコイル出力30が誘導電流のない場合であると、図4(a)に示すように、E0は一定値となり、E90は0となる。又、サーチコイル出力30が誘導電流のみである場合には、参照電流に対して位相が90°ずれた信号となるため、図4(b)に示すように、E0は0となり、E90は一定値となる。
【0040】
このことを、実際に誘導電流と漏洩(リーク)電流を発生させて比較し、これらの理論を確認した。実験場の概略を図5に示し、漏洩電流の場合の検出波形を図6(振幅)及び図7(位相)に、誘導電流の場合の波形を図8(振幅)及び図9(位相)に示す。
【0041】
図5(a)において、検査対象ケーブル40は、土壌に構造物のない場所を選択してあり、土壌の表面には、芝生が植えられている。漏洩を模擬するために、ケーブル40の途中の被覆を破り、その付近に埋めた金属棒42と接続した。又、マンホールの蓋等を模擬するために、必要に応じて、誘導電流発生用ループ44を近接配置した(図5(b))。アンプ46からは特定の周波数信号を送るが、それと同一位相の参照信号を取り出せるようにしてある。位相検出は、ロックインアンプ48によった。
【0042】
これらの結果から、図5(b)の条件のような誘導電流の場合に、図9に示した如く、大きく位相が動いていることが分かる。又、ループの中心において180°急激に変化していることも分かる。これは、進行方向右と左に向かう誘導電流の影響の強さが、中央を境に変化するからである。
【0043】
なお、図8に示した振幅波形においても、明らかな違いが観察できるが、誘導であるのか、連続した2箇所のリークなのかが判別できない。
【0044】
前記のようにサーチコイルに誘起する信号の位相検出には、ロックインアンプの他に、オシロスコープを用いてもよい。又、アナログ乗算器を用いて、直交検波器を構成することもできる。
【0045】
ここで参照信号としては、図1に示しているように、パイプ10へ送信している基準信号を分波して使用することができる。
【0046】
本発明で使用する参照信号としては基準信号と同期した信号を使用することができるので、図10に示すような、計測対象とする埋設ラインの周辺に誘導電流を発生させるものがないことが判っている場所(例えば、基準信号を送信するために埋設ライン周辺を掘削したり、あるいは埋設物の事前調査等で周辺に異物のないことを確認できる場所等)でのサーチコイル50の出力を用いることができる。この場合、サーチコイル50は誘導電流のないことが判っている場所に固定しておき、計測対象の埋設ライン10へ送信した基準信号によって発生するサーチコイル50の出力信号と、埋設ライン10に沿って移動するサーチコイル30の出力信号と掛け合わせることで、前記したように、誘導電流の影響を検知することができる。
【0047】
なお、サーチコイル50を用いずに、計測対象とする埋設ラインの周辺に誘導電流を発生させるものがないことが判っている場所におけるサーチコイル30からの出力信号を基に、この信号に同期する同周波数の信号を発信器により発信させ、これを参照信号として使用することもできる。この場合は、固定したサーチコイル50を使用する必要がないので、サーチコイル30を搭載した探査装置を自由に動かすことができ、作業能率が向上する。
【0048】
同様に、基準信号発信器の基準信号と同位相、同周期の信号を発生させる発信器を用いて、これから発信される信号を参照信号として用いることも可能である。このような発信器を用いて参照信号を発信させる方法では、最初に基準信号やサーチコイルからの出力信号と同期させた参照信号が、時間の経過とともに位相がずれていく可能性があるが、現状使用される発信器の精度でも、1日に1回程度信号の同期をとれば、実用上問題のない程度の位相のずれしか生じないので、問題はない。
【0049】
なお、前記実施形態においては、本発明が、埋設管の被覆損傷部の特定に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、埋設線の被覆損傷部の特定にも同様に適用できることは明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、埋設ラインの周辺構造物による誘導電流に起因するノイズを埋設ラインからの漏洩電流による磁界の乱れと区別し、更に、必要に応じて、誘導電流に起因するノイズを除去することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す模式図
【図2】前記実施形態における誘導弁別及び除去回路のブロック図
【図3】図2各部の信号波形の例を示すタイムチャート
【図4】同じく検波後のLPF出力の例を示すタイムチャート
【図5】本発明の原理を確認するために行った実験の概要を示す模式図
【図6】前記実験におけるリーク電流の振幅を示す線図
【図7】同じく位相を示す線図
【図8】同じく誘導電流の振幅を示す線図
【図9】同じく位相を示す線図
【図10】同じく変形例の構成を示すブロック図
【符号の説明】
10…埋設管
12…構築物
14…周辺構造物
16…鉄筋
20…探査装置
22…基準信号発生器
30…サーチコイル
31、32…乗算器
33、34…ローパスフィルタ(LPF)
36…移相器
38…直交位相分配器

Claims (4)

  1. 埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、サーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法であって、
    前記サーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインからの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、
    明らかに誘導電流のない個所において採取したデータを基準として、通常探査時の波形を比較評価し、基準信号に対してその位相差の符号が+から−、又は−から+に変化する個所を周辺構造物による誘導電流の存在点として判別することを特徴とする埋設ライン被覆損傷部の特定方法。
  2. 埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、所定間隔で互いのコイル軸の向きを揃えて配置された少くとも一対のサーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを前記一対のサーチコイルの出力差により検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法であって、
    一つ以上のサーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインの被覆損傷部からの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、
    明らかに誘導電流のない個所において採取したデータを基準として、通常探査時の波形を比較評価し、基準信号に対してその位相差の符号が+から−、又は−から+に変化する個所を周辺構造物による誘導電流の存在点として判別することを特徴とする埋設ライン被覆損傷部の特定方法。
  3. 埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、サーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法であって、
    前記サーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインからの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、
    明らかに誘導電流がない場合のサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差を予め求めておき、探査時にサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差が、前記の差から45°以上大きく外れるものを周辺構造物による誘導電流として区別することを特徴とする埋設ライン被覆損傷部の特定方法。
  4. 埋設ラインに交流の基準信号を送信する一方、所定間隔で互いのコイル軸の向きを揃えて配置された少くとも一対のサーチコイルを地上において移動させて、前記埋設ラインの周囲に発生している磁界の場所的乱れを前記一対のサーチコイルの出力差により検出し、埋設ラインの被覆損傷位置を探査する埋設ライン被覆損傷部の特定方法であって、
    一つ以上のサーチコイルに誘起する信号の位相を検出し、該位相の変化量を測定することによって、埋設ラインの被覆損傷部からの漏洩電流と埋設ラインの周辺構造物による誘導電流を区別する際に、
    明らかに誘導電流がない場合のサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差を予め求めておき、探査時にサーチコイルに誘起する信号の位相と基準信号の位相との差が、前記の差から45°以上大きく外れるものを周辺構造物による誘導電流として区別することを特徴とする埋設ライン被覆損傷部の特定方法。
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