JP3965318B2 - 回折格子の調整方法及び回折格子の調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回折格子の調整方法及び回折格子の調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク装置としては、CD(コンパクトディスク)、CD‐ROM(読み出し専用のコンパクトディスク)及びDVD‐ROM(読み出し専用のデジタル万能ディスク)等の再生専用の光ディスクからの反射光を、回折格子により受光素子に向けて回折するものがある。上記光ディスク装置では、光ディスクのエンボスピット信号から得られるRF(ディスク読み取り)信号や、RF信号に基づいて検出されるジッターやFE(フォーカスエラー)信号及びTE(トラッキングエラー)信号をモニターすることで、フォーカスオフセットが最適となるように回折格子の位置の調整を行うことが多い。
【0003】
また、光ディスク装置としては、MD(ミニディスク)やCD系,DVD系の書き換え可能な光ディスクからの反射光を、回折格子により受光素子に向けて回折するものがある。この光ディスク装置では、エンボスピットを有する再生専用のMDである高反射型光ディスク、CD系のCD‐ROM、DVD系のDVD‐ROMも使用されるため、再生専用のディスクと同じようにフォーカスオフセットが最適となるように回折格子の位置の調整が行われている。また、エンボスピットが無い光ディスクでも、TE信号を観測することができ、そのTE信号の信号振幅等をモニターしてフォーカスオフセットが最適となるように回折格子の位置を調整することもできる。
【0004】
エンボスピットが形成されていない光ディスクの一つに光磁気ディスクがある。光磁気ディスク用の光ディスク装置は、サーボ検出用の受光素子と光磁気信号検出用の受光素子とが独立している構成となっていることが多い。また、光磁気ディスク用の光ディスク装置では、偏光ビームスプリッタが無ければ、光磁気信号検出用の受光素子からRF信号を再生できず、ジッターもモニターできない。このため、光磁気ディスク用の光ディスク装置は、サーボ検出用の受光素子の位置調整の際にFE信号やTE信号をモニターすることでフォーカスオフセットが最適となるように回折格子の位置の調整を行う。その後、光磁気信号検出用の受光素子の位置調整を行うことで、さらにフォーカスオフセット、ジッター及びビットエラーレートの評価を行うことになる。
【0005】
また、半導体レーザと、光ディスクからの反射光を受光する受光素子と、光ディスクからの反射光を受光素子に向けて回折する回折格子とを一体化して構成した光集積ユニットでは、RF信号、RF信号によるジッター、FE信号またはTE信号等をモニターして、回折格子を有するホログラム素子の位置を移動調整することで、最適なフォーカスオフセットとなるように調整を行っている。光集積ユニットは、光集積ユニットから出射されたレーザ光を、対物レンズを介して光ディスクに集光し、光ディスクで反射された反射光を再度光集積ユニット内部の受光素子で受けてサーボ信号及び再生信号を検出するように光ディスク装置内に構成されている。または、光集積ユニットは、光ディスクからの反射光をビームスプリッタ等で分離して、反射光の一部を光集積ユニット内部の受光素子で受けてサーボ信号を検出すると共に、反射光の他の一部を光集積ユニット外部の受光素子に入射させて再生信号を検出するように光ディスク装置内に構成されている。
【0006】
上記後者の光集積ユニットと同様の構成をとる光磁気ディスク用の光ディスク装置は、偏光ビームスプリッタを光路中に配置し、光磁気ディスクからの反射光を偏光ビームスプリッタで分離する。この偏光ビームスプリッタで分離された反射光の一部に基づき、光集積ユニット内部の受光素子にてサーボ信号のみを検出すると共に、偏光ビームスプリッタで分離された反射光の他の一部に基づき、光磁気信号検出用の受光素子にてRF信号を検出する。そして、光集積ユニットとしては、上記に示した種類の光ディスクに対応したものが開発されている。
【0007】
さらに、上記光集積ユニットとは異なり、半導体レーザと、光ディスクからの反射光を受光する受光素子と、光ディスクからの反射光を受光素子に向けて回折する回折格子とが光ディスク装置内で独立しているものもあり、この場合でも上記に示した種類の光ディスクに対応したものが開発されている。
【0008】
近年では、大容量化、高密度化を図るために、ランドとグルーブとの両方にデータを記録する相変化型光ディスクや光磁気ディスク等が書き込み型光ディスクに登場し、クロック情報やアドレス情報等をピットやウォブルで登録されているものがある。さらに、光ディスクに集光される光スポット径を小さくするために光学系の開口数も大きくなる傾向にあり、そのため光学系の位置調整精度により精度の高い技術が必要とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、光磁気ディスクのようなエンボスピットの無い光ディスク用の光ディスク装置では、RF信号と、RF信号に基づいて検出されるジッターとをモニターすることが出来ないので、FE信号やTE信号をモニターすることで受光素子または回折格子の位置調整を行って、フォーカスオフセットの最適化調整を行っている。その後で、光磁気信号検出用の受光素子の位置をジッターやエラーレートが最良となるように位置調整を行っている。
【0010】
TE信号を使用してフォーカスオフセット調整を行う場合は、フォーカスサーボを掛けた状態でトラッキングエラー信号振幅の増減をモニターして受光素子または回折格子の位置調整を行う方法、または、光磁気ディスクを面振れ、偏心するように設置したときのFE信号に対するTE信号のずれ量を、モニターしてそのずれ量をキャンセルするように受光素子または回折格子の位置調整を行う等の方法が採用されている。しかし、これらの方法では、再生専用の光ディスクの場合のようなトラッキングサーボを掛けてRF信号振幅やRF信号によるジッター等のピット情報を直接モニターしながら受光素子または回折格子の位置調整を行う方法と比べて、精度よく調整することが難しいという問題がある。
【0011】
近年のように、高密度化が進み、トラック間の狭い光ディスクを使用し、高NA(開口数)化の進んだ光学系では、FE信号や、TE信号の感度が非常に高くなるため、それぞれの信号をモニターして受光素子または回折格子の位置調整を行うのは非常に困難になっている。そのため、近年の高密度化された光ディスク用の光ディスク装置において、フォーカスオフセットの最適化のために、回折格子の位置をより精度よく調整する方法が必要となっている。
【0012】
そこで、本発明の目的は、フォーカスオフセットが最適となるように、回折格子の位置を精度よく簡単に調整できる回折格子の調整方法及び調整装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の回折格子の調整方法は、
トラックの接線方向に前後で光の反射が異なるピットからなるクロック領域と、データが記録されるデータ領域とを有した光ディスクの表面上に、半導体レーザのレーザ光を対物レンズにて集光し、
上記光ディスクからの反射光を回折格子で受光素子に向けて回折し、
上記反射光を受光した上記受光素子が出力する電気信号からタンジェンシャルプッシュプル信号を生成し、
上記レーザ光の光軸に垂直な面内において上記回折格子を回転させて、上記タンジェンシャルプッシュプル信号が得られた上記回折格子の回転方向の位置の情報を検出し、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅の情報、または、上記タンジェンシャルプッシュプル信号によるクロック信号のジッターの情報と、上記回折格子の回転方向の位置の情報とを含むサンプル情報に基づいて上記回折格子の回転方向の位置を調整することを特徴としている。
【0014】
上記構成の回折格子の調整方法によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号は安定に再生される場合、フォーカスオフセットが最適となる。したがって、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の情報を含むサンプル情報に基づいて回折格子の位置を調整することにより、データ領域に記録されたデータに関係無く、フォーカスオフセットが最適となるように、回折格子の位置を精度よく簡単に調整できる。
【0015】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記タンジェンシャルプッシュプル信号は、上記クロック領域からの上記反射光を受光した上記受光素子が出力する上記電気信号から得る。
【0016】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記クロック領域からの反射光に基づいてタンジェンシャルプッシュプル信号を得るので、タンジェンシャルプッシュプル信号の検出が容易である。
【0017】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記サンプル情報は、上記回折格子の位置で測定されるフォーカスオフセットの情報を含む。
【0018】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記サンプル情報は、回折格子の位置で測定されるフォーカスオフセットの情報を含むので、このフォーカスオフセットの情報を用いることにより、設定した回折格子の位置でフォーカスオフセットが最適化されているか否かを確認することができる。
【0019】
一実施形態の回折格子の調整方法において、上記フォーカスオフセットは、フォーカスエラー信号にオフセット信号を加えることで測定する。
【0020】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記フォーカスオフセットは、上記受光素子が出力する電気信号から検出されるフォーカスエラー信号にオフセット信号を加えることで測定でき、オフセット信号の情報を用いることによりフォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0021】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記オフセット信号を同じ変化量で複数回変化させて、上記オフセット信号のそれぞれにおいて上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得る。
【0022】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記オフセット信号を同じ変化量で複数回変化させて、各オフセット信号に対応するタンジェンシャルプッシュプル信号を検出するので、所望のタンジェンシャルプッシュプル信号に対応するオフセット信号を容易に特定することができる。
【0023】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記オフセット信号を互いに異なる変化量で複数回変化させて、上記オフセット信号のそれぞれにおいて上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得る。
【0024】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記オフセット信号を互いに異なる変化量で複数回変化させて、各オフセット信号に対応するタンジェンシャルプッシュプル信号を検出するので、所望のタンジェンシャルプッシュプル信号に対応するオフセット信号を正確に特定することができる。
【0025】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記回折格子を同じ変化量で複数回動かして、上記回折格子の各位置において上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得る。
【0026】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記回折格子を同じ変化量で複数回動かして、回折格子の各位置に対応するタンジェンシャルプッシュプル信号を検出するので、所望のタンジェンシャルプッシュプル信号に対応する回折格子の位置を容易に特定することができる。
【0027】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記回折格子を互いに異なる変化量で複数回動かして、上記回折格子の各位置において上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得る。
【0028】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記回折格子を互いに異なる変化量で複数回動かして、回折格子の各位置に対応するタンジェンシャルプッシュプル信号を検出するので、所望のタンジェンシャルプッシュプル信号に対応するオフセット信号を正確に特定することができる。
【0029】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記トラックは、上記ランドおよびグルーブ、または、グルーブのみからなり、
上記サンプル情報は、上記ランドからなる上記トラックと、上記グルーブからなる上記トラックとの少なくとも一方を用いて得る。
【0030】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報に基づいて上記回折格子の回転方向の位置を調整する。
【0031】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記複数個のサンプル情報基づいて回折格子の位置を調整するので、最良のフォーカスオフセットを得ることができる。
【0032】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報の中から、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が極値となる上記回折格子の回転方向の位置を数値演算処理にて算出し、この算出された位置に上記回折格子を合わせる。
【0033】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号が極値となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0034】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報の中から、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅の変化率が最小となる上記回折格子の回転方向の位置を検出し、この位置に上記回折格子を合わせる。
【0035】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅の変化率が最小となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0036】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が極値となる上記回折格子の回転方向の位置を検出し、この回折格子の回転方向の位置を挟み、且つ、予め設定された上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅に近い2つの上記サンプル情報における上記回折格子の回転方向の位置の平均値に、上記回折格子の回転方向の位置を合わせる。
【0037】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記2つのサンプル情報における折格子の位置の平均値に、回折格子の位置を合わせるので、フォーカスオフセットをより確実に最適化することができる。
【0038】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が最大となる上記回折格子の回転方向の位置を検出し、この位置に上記回折格子の回転方向の位置を合わせる。
【0039】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が最大となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0040】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の正成分の振幅が最大となる上記回折格子の回転方向の位置と、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の負成分の振幅が最大となる上記回折格子の回転方向の位置との中間位置を算出し、この中間位置に上記回折格子の回転方向の位置を合わせる。
【0041】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の正成分の振幅が最大となる回折格子の位置と、タンジェンシャルプッシュプル信号の負成分の振幅が最大となる回折格子の位置との中間位置に、回折格子の位置を合わせるので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0042】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の正成分と、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の負成分との比率が所定の値となるように、上記回折格子の回転方向の位置を調整する。
【0043】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の正成分と、タンジェンシャルプッシュプル信号の負成分との比率が所定の値となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0044】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記タンジェンシャルプッシュプル信号からクロック信号を生成し、このクロック信号のジッターを検出し、このジッターが最小となるように、上記回折格子の回転方向の位置を調整する。
【0045】
上記実施形態の回折格子の調整方法によれば、上記クロック信号のジッターが最小となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0046】
本発明の回折格子の調整装置は、
光ディスクからの反射光を受光した受光素子が出力する電気信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成手段と、
上記電気信号に基づいてトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、
上記電気信号に基づいてタンジェンシャルプッシュプル信号を生成するタンジェンシャルプッシュプル信号生成手段と、
上記光ディスクからの反射光を上記受光素子に向けて回折する回折格子を、上記レーザ光の光軸に垂直な面内において回転させて、上記回折格子の回転方向の位置を調整する位置調整手段と、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号から調整値情報を算出する調整値情報算出手段と、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅、または、上記タンジェンシャルプッシュプル信号によるクロック信号のジッターと、このタンジェンシャルプッシュプル信号が得られた上記回折格子の回転方向の位置とを含むサンプル情報を記憶するサンプル情報メモリ手段と、
上記サンプル情報メモリ手段に記憶された上記サンプル情報に基づいて上記回折格子の回転方向の位置を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0047】
上記構成の回折格子の調整装置によれば、上記タンジェンシャルプッシュプル信号が安定に再生される場合、フォーカスオフセットが最適となる。したがって、上記サンプル情報メモリ手段に記憶されたサンプル情報に基づいて回折格子の位置を制御することにより、フォーカスオフセットが最適となるように、回折格子の位置を精度よく簡単に調整できる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、フォーカスオフセットを調整する調整手段を光ディスク装置に設けている。この光ディスク装置は、光ピックアップ装置を搭載し、所定の光ディスクに対して記録及び再生を行う。光ディスク装置の構成は多種多様であるが、半導体レーザと、受光素子と、回折格子を有するホログラム素子とを一体化した光集積ユニットを、実施の一形態の光ディスク装置に採用している。
【0049】
また、本発明に適用できる光ディスクは多種あるが、実施の一形態の光ディスクとして光磁気ディスクを採用している。具体的には、本実施の形態では、光ディスクの一例として、トラックの接線方向に前後で光の反射が異なるピットからなるクロック領域と、データが記録されるデータ領域とを有した光ディスクを採用している。この光ディスクはランド及びグルーブからなるトラックを有している。
【0050】
まず、本実施の形態の光ディスク装置内における光ピックアップ装置の構造について説明する。
【0051】
図1に、上記光ピックアップ装置の構造を示す。図1では、分かりやすいようにホログラム素子3,キャップ12を断面で示し、キャップ12の内部を見ることが出来るように示している。
【0052】
上記光ピックアップ装置によれば、図1に示すように、光集積ユニット11内の半導体レーザ1から出射された出射光は、回折格子14を有するホログラム素子3を通過する。その後、上記半導体レーザ1からの出射光は、コリメートレンズ4、偏光ビームスプリッター7及び対物レンズ5を順次通り、光磁気ディスク6に照射される。そして、上記光磁気ディスク6に反射された反射光の一部は偏光ビームスプリッタ7で反射された後、反射光信号がウォーラストンプリズム8を通り、集光レンズ9により集光されて光磁気信号検出用の受光素子10に入射して、光磁気信号が検出される。一方、上記光磁気ディスク6からの反射光のうち偏光ビームスプリッタ7で反射されなかった光は、ホログラム素子3の回折格子14で回折され、サーボ信号検出用の受光素子2に入射して、サーボ信号が検出される。
【0053】
上記半導体レーザ1、サーボ信号検出用の受光素子2及びホログラム素子3の配置については様々設定できるが、本実施の形態の光集積ユニット11の場合は、半導体レーザ1と、サーボ信号検出用の受光素子2とがステム13に搭載されており、さらにステム13上にキャップ12が溶接されており、そのキャップ12上にホログラム素子3が搭載されている構造となっている。このホログラム素子3は、そのキャップ12上のXY方向を含む平面内でのみ移動可能となっている。
【0054】
また、上記半導体レーザ1、サーボ信号検出用の受光素子2及びホログラム素子3の配置設定手法は、まず、半導体レーザ1をステム13の半導体レーザ搭載部に固定する。そして、上記半導体レーザ1のレーザ発光点に対して、サーボ信号検出用の受光素子2が決定された配置関係になるように、サーボ信号検出用の受光素子2をステム13のサーボ信号検出用の受光素子固定部に固定する。その後、上記半導体レーザ1と、サーボ信号検出用の受光素子2とにキャップ12を被せ、キャップ12とステム13とを溶接する。次に、上記サーボ信号検出用の受光素子2により取得した出力信号をモニターしながら、ホログラム素子3の配置を調整し、ホログラム素子3の配置を決定する。その結果、上記サーボ信号検出用の受光素子2は、半導体レーザ1に対して光磁気ディスク6のトラックの半径方向に離された位置に配置され、さらにホログラム素子3は、半導体レーザ1の発光点から伸びる光軸16上に回折格子14の中心がほぼくるように配置される。
【0055】
図2(a)に、上記光集積ユニット11のホログラム素子3上の回折格子14の形状を示し、図2(b)に、上記サーボ信号検出用の受光素子2の回路図を示す。
【0056】
図2(a)に示すように、上記回折格子14の形状は円状であり、回折格子14をトラックの半径方向に分割する分割線14aと、回折格子14をトラックの接線方向に分割する分割線14bとが回折格子14の中心をそれぞれ通っている。上記分割線14a,14bによって分割された領域A,B,Cの各々には、光ディスク6からの反射光の一部がサーボ信号検出用の受光素子2の4つの受光部のそれぞれに向かって回折するように細かい溝が形成されている。上記領域A,B,Cにより回折された光がサーボ信号検出用の受光素子2で受光される。より詳しくは、図2(b)に示すように、上記サーボ信号検出用の受光素子2の4つの受光部a〜dが回折格子14からの回折光を受光する。
【0057】
また、フォーカスサーボは、フーコー法を利用したFE信号の検出方法を採用する。FE信号の検出には、サーボ信号検出用の受光素子2の受光部a,bを使用する。この受光部a,bは、回折格子14の領域Aで回折された回折光15aを受光するように配置されている。上記受光部aから得られる出力信号Oaと、受光部bから得られる出力信号Obとの差分Ob−OaにてFE信号を取得し、FE信号のゼロクロス点にてフォーカスサーボを掛ける構造がとられている。
【0058】
上記構成のフォーカスサーボによれば、回折格子14の領域Aからの回折光15aが受光部aと受光部bとの中心位置に入射し、且つ、サーボ信号検出用の受光素子2上に点像として結像する理想的な条件で、フォーカスオフセットは0となる。この理想的な条件からずれるとFE信号にオフセットが生じ、デフォーカスすることになる。
【0059】
また、トラッキングサーボは、プッシュプル法を利用したTE信号の検出方法を採用する。TE信号の検出には、サーボ信号検出用の受光素子2の受光部c,dを使用する。上記受光部c,dは、回折格子14の領域B,Cで回折された回折光15b,15cを受光するように配置されている。上記受光部cから得られる出力信号OCと、受光部dから得られる出力信号をOdとの差分Oc−Odにてプッシュプル信号となるTE信号を取得し、TE信号のゼロクロス点にてトラッキングサーボを掛ける構造がとられている。
【0060】
上記構成のトラッキングサーボによれば、光磁気ディスク6のトラック上に集光されているレーザ光の位置が、トラックの中心線からずれると、トラッキングオフセットが発生し、その状態でトラッキングサーボを掛けると、トラックの中心線からずれた位置でトラックを追従することになる。このため、トラッキングサーボを掛ける前または掛けた直後にトラッキングオフセットを除去する必要がある。
【0061】
図3(a)に上記光磁気ディスク6のトラック形状を、図3(b)にタンジェンシャルプッシュプル(以下、「TPP」と言う)信号21を、図3(c)にクロック信号を、図3(d)にクロック信号の時間軸方向の分布をそれぞれ示す。
【0062】
上記光磁気ディスク6は、図3(a)に示すように、トラックがランド18とグルーブ19とからなり、ランド18及びグルーブ19にデータが記録されるデータ領域16と、クロック領域17とを有している。このクロック領域17には、トラックの接線方向にある所定の長さを持つランド18に形成されて凹部となるピットP1と、グルーブ19に形成されて凸部となるピットP2とからなっている。上記ピットP1,P2はデータ領域16間にそれぞれ位置し、ピットP1とピットP2がトラックの半径方向に交互に配置されている。なお、上記ピットP1とピットP2とは、トラックの接線方向に周期的に並んでいればよく、半径方向に隣接していない場合でも本発明は実施可能である。
【0063】
上記光磁気ディスク6に対して行うTPP信号の検出では、フォーカスサーボとトラッキングサーボとを掛けた状態にて、サーボ信号検出用の受光素子2から検出される電気信号を使用する。上記光磁気ディスク6の表面の光スポット20がトラックの接線方向に移動したとき、その光スポット20の反射光量が変化するようになっているため、図1(b)に示すTPP信号21は、
TPP=(Oa+Ob)−(Oc+Od) ……(式1)
で検出される。このTPP信号21はS字カーブとなり、TPP信号21のゼロクロス点22にて図3(c)のクロック信号23が生成される。
【0064】
図3(a)に示すよう、ランド18をトラッキングしているときは、データ領域16とクロック領域17との境界で、データ領域16からの光スポット20の反射光量は最大となり、そして、クロック領域17の中心部で光スポット20の反射光量は最小となり、TPP信号21は、図3(b)に示すようなS字カーブとなる。
【0065】
また、図示しないが、グルーブ19をトラッキングしているときは、データ領域16とクロック領域17との境界で、データ領域16からの光スポット20の反射光量は最小となり、そして、クロック領域17の中心部では光スポット20の反射光量は最大となり、TPP信号21のS字カーブの極性は逆になる。そして、TPP信号21のS字カーブのゼロクロス点22にてクロック信号23を再生する。詳細は後述するが、クロック信号23は、デフォーカスやディスクチルト等あらゆる諸条件により時間軸方向で値が変動する。このようなクロック信号23の変動を表したものが、図3(d)に示す分布の外形線24で、その分布の幅がクロック信号23のジッター25となる。
【0066】
以下に、上記ホログラム素子3の位置とTPP信号21との関係を説明する。
【0067】
理想的な条件として、トラックの中央に集光されトラックオフセットもなく、且つ、回折格子の14中心が半導体レーザ1の発光点から伸びる光軸を通り、且つ、光磁気ディスク6からの反射光の光軸が回折格子14の中心を通り、且つ、回折格子14の領域A,B,Cの回折効率が等しく、且つ、受光素子2の各受光部a〜dの感度のばらつきが無く、且つ、回折格子14の領域Aからの回折光が受光部aと受光部bとの中央部に点として集光される場合、各受光部a〜dから出力される電気信号は等しくなり、TPP信号21において正成分と負成分とが等しく、且つ、TPP信号21の正成分,負成分が最大となり、さらにフォーカスオフセット及びクロック信号23のジッター25(詳細は後述する)が最適となる。しかし、生産上では上記のような条件が全て満たされるようなことはありえない。例えば、上記回折格子14の中心と回折格子14の回転中心とが一致することは物理的に難しい。本発明は、この点を利用することで、回折格子14の位置をTPP信号の情報により決定する手段を提供するものである。
【0068】
例えば、上記ランド18の中央に集光されており、且つ、回折格子14の中心26と回折格子14の回転中心27とがずれており、さらに上記の他の条件は理想条件である場合について説明する。
【0069】
上記回折格子14の性質上、フォーカスオフセットが最適となる回折格子14の位置は、フォーカスサーボが掛けられた状態で受光部aの出力Oaと受光部bの出力Obとが等しくなり、フォーカスオフセットが発生していない時である。この時、上記受光部cの出力Oc及び受光部dの出力Odも、出力Oa,出力Obと等しく、且つ、Oa+Ob+Oc+Odが最大となり、旦つ、TPP信号21が最も安定に再生される。詳細は後述するが、TPP信号21により発生させたクロック信号23も最も安定して、ジッター25は最小となる。このような状態を状態1として図4(a)に示している。また、図4(b)に、上記状態1で測定されるTPP信号21を示す。
【0070】
図5(a)に、上記状態1から回折格子14が反時計周りに回転させた状態2を示す。また、図5(b)に、上記状態2で測定されるTPP信号21を示す。
【0071】
上記状態2では、回折格子14上の反射光スポット15に対して回折格子14の分割線14a,14bが傾き、さらに分割線14aが状態1の分割線14aの位置より下方向に移動するため、受光部a,bに入射する回折光15aに比べて受光部c,dに入射する回折光15bの光量が小さくなり、受光素子2から出力される電気信号は
(Oa+Ob)>(O c +O d )
の関係となり、上記(式1)よりTPP信号21は(正成分t+)>(負成分t−)となる。さらに、上記受光部aと受光部bとに入射させるべき回折光15aが、受光部a側にずれる。このため、上記受光部aと受光部bから出力される電気信号はO a >O b の関係となって、フォーカスオフセットが発生する。その結果、デフォーカスしたところでフォーカスサーボが掛けられるため、TPP信号21は安定せず、クロック信号23のジッター25も大きくなる。
【0072】
図6(a)に、上記状態1から回折格子14が時計周りに回転させた状態3を示す。また、図6(b)に、上記状態3で測定されるTPP信号21を示す。
【0073】
上記状態3では、回折格子14の反射光スポット15に対する回折格子の分割線14aの傾きと方向も状態2の場合と逆になるため、受光部a〜dから出力される電気信号は
(Oa+Ob)<(O c +O d )
の関係となり、TPP信号21は(正成分t+)<(負成分t−)になる。さらに、上記受光部a及び受光部bから出力される電気信号はOa<Obの関係となるため、状態2と同様にデフォーカスする。その結果、上記クロック信号23のジッター25が大きくなる。
【0074】
以上のように、上記回折格子14の回転により、TPP信号振幅、TPP信号21における正成分と負成分とのバランス、及びクロック信号23のジッター25が可変し、最適なフォーカスオフセットとなる回折格子14の位置(状態1)で、TPP信号振幅は最大となり、且つ、TPP信号の正成分と負成分のバランスも等しくなり、且つ、クロック信号23のジッター25も最小となる。本発明はこの現象を利用したものである。
【0075】
以下に、本実施の形態の光ディスク装置内の回折格子の調整方法及び調整装置について説明する。
【0076】
上記回折格子の調整装置の基本構成としては、例えば図7のブロック図に示すものがある。図7に示すように、光磁気ディスク28はスピンドルモータ29によって、CLV(線速度一定)やCAV(角速度一定)等の所定の方式の回転駆動で制御されている。上記スピンドルモータ29には、スピンドルモータ駆動回路30からの信号が入力される。また、上記光磁気ディスク28からの反射光は光ピックアップ装置31にて検出される。その反射光により生成された信号が、サーボ信号生成回路32に供給される。このサーボ信号生成回路32は、フォーカスエラー信号生成手段、トラッキングエラー信号生成手段及びタンジェンシャルプッシュプル信号生成手段の一例に相当し、図2(b)に示すように差動アンプで構成されている。上記反射光により生成された信号がサーボ信号生成回路32に供給されると、サーボ信号生成回路32が、FE信号,TE信号等のサーボ信号と、TPP信号とを生成する。上記FE信号は、サーボ信号処理回路33が含むフォーカスサーボ回路33aに供給される一方、TE信号は、サーボ信号処理回路33が含むトラッキングサーボ回路33bに供給される。これにより、上記サーボ信号処理回路33は、FE信号及びTE信号に基づいて、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボの制御を行える。
【0077】
上記サーボ信号生成回路32が生成したTPP信号は、同期クロック信号を生成するPLL(Phase Locked Loop)回路34に供給される(詳細は後述する)。また、上記サーボ信号生成回路32で生成されたTPP信号は、フォーカスオフセット最小サーチ回路35にも供給される。このフォーカスオフセット最小サーチ回路35は、TPP信号振幅検出回路35a、制御回路35b及びサンプル情報記憶回路35cで構成されている。また、上記フォーカスオフセット最小サーチ回路35は、ホログラム素子3の位置を位置調整手段としてのホログラム素子位置制御メカ37で調整して、最適なフォーカスオフセットとなるホログラム素子3の位置を特定し、その位置にホログラム素子3の位置を設定する。
【0078】
上記TPP信号振幅検出回路35aは、調整値情報算出手段の一例に相当し、サーボ信号生成回路32からのTPP信号よりTPP信号振幅情報を検出する。そして、上記サンプル情報記憶回路35cは、サンプル情報メモリ手段、フォーカスオフセットメモリ手段及びオフセット電圧メモリ手段の一例に相当し、TPP信号振幅情報と回折格子14の位置とを対応して記憶すると共に、TPP信号振幅情報と、測定したトラックとを対応して記憶する。また、上記制御回路35bは、制御手段の一例に相当し、サンプル情報記憶回路35cに記憶されたTPP信号振幅情報と、回折格子14の位置とから、最適なフォーカスオフセットとなる回折格子14の位置を判定して、その位置を制御する。なお、36はデコーダ/エンコーダである。
【0079】
このように、上記回折格子の調整装置は、TPP信号振幅情報により最適なフォーカスオフセットとなる回折格子14の位置を求めるフォーカスオフセット最小サーチ回路35を備えて、TPP信号振幅が最大になる回折格子14の位置を特定し設定すること、または、TPP信号振幅の正成分t+と負成分t−とのそれぞれが最大になる回折格子14の位置を特定し、正成分t+で特定した回折格子14の位置と、負成分t−で特定した回折格子14の位置との中間位置を特定し設定することで、フォーカスオフセットを最適化することができる。
【0080】
以下に、図8のフローチャートを用いて、本実施の形態の回折格子の調整方法を説明する。
【0081】
まず、図8に示すように処理をスタートさせ、ステップS1でフォーカス揺動を行う。具体的には、ステップS1にて、対物レンズ5がフォーカス方向に上下運動を繰り返すように、図示しないアクチュエータ部のフォーカスコイルを制御する。
【0082】
次に、ステップS2でホログラム素子回転調整(FE信号バランス調整)を行う。具体的には、ステップS2にて、FE信号にS字型信号が現れるようにホログラム素子3を回転させ、回折格子14により回折された光を受光素子2の受光部aと受光部bとの間上にくるようにホログラム素子3の位置を決める。上記FE信号にS字型信号が現れない場合は、FE信号にS字型信号が現れるまで、ホログラム素子3の回転方向を変えたり回転角を変えたりすることで、ホログラム素子3の回転調整を継続する。これにより発生したS字型信号となるFE信号のゼロクロス点にてフォーカスサーボが掛けられる状態となる。
【0083】
次に、ステップS3にて、フォーカスサーボをON(オン)とした後、ステップS4でホログラム素子XY調整を行う。具体的には、ステップS4にて、サーボ信号検出用の受光素子2の各受光部a〜dから出力される電気信号Oa〜Odがそれぞれ所定の範囲になるように、ホログラム素子3をX,Y方向に移動調整を行う。この時、上記各受光部a〜dの感度が等しい場合、回折格子14の領域A,B,Cの回折効率が全て同じであれば、出力信号Oa〜Odの全てが等しくなるように、または、出力信号Oa〜Odが互いに近い値になるように、ホログラム素子3をX,Y方向に移動調整する。また、上記回折格子14の領域A,B,Cの回折効率が異なるように設定していれば、その回折効率に合わせた比率になるように、または、その比率に近い値になるように、電気信号Oa〜Odのバランスを調整する。
【0084】
上記電気信号Oa〜Odのバランスの調整が終わった後、ステップS5にて、トラッキングサーボをONとし、光スポット20にトラックを追従させることで、TPP信号を検出することができる。
【0085】
次に、ステップS6〜S9の処理を行う。ステップS6〜S9の処理は、最後の微調整となるフォーカスオフセットの調整(ステップS10)前に、ホログラム素子3の位置を粗調整することを目的としている。また、ステップS6〜S9の処理は、TPP信号振幅を検出するTPP信号振幅検出回路35a(図7参照)で、ある所定のTPP信号振幅を決め、TPP信号振幅がその所定の振幅以上になるようにする。詳細に説明すると、TPP信号振幅検出回路35aでTPP信号振幅の正成分t+及び負成分t−を検出し、それぞれの所定量(A0とする)を超えるように、且つ、回折格子14の中心26と回折格子14の回転調整の中心27がずれる場合には正成分t+と負成分t−とのアンバランスが生じるため、正成分t+と負成分t−との比率t+/t−がある所定の範囲(以下、k1<t+/t−<k2、理想的な場合は「1」となる)内に収まるようにすることで、A0が小さすぎず、且つ、t+/t−=1からかけ離れた値とならないように、ホログラム素子3の位置を粗調整することで、フォーカスオフセット調整を容易することができると共に、フォーカスオフセット調整時間を短縮することができる。
【0086】
ステップS6〜S9をより詳細に説明すると、ステップS6にて、TPP信号振幅の正成分t+または負成分t−のどちらか一方が所定の振幅A0以上、且つ、t+/t−>k1という条件を満たしているか否かを判定する。このステップ6で、上記条件を満たしていると判定すると、ステップS8に進む一方、上記条件を満たしていないと判定すると、ステップS7に進む。このステップS7では、ホログラム素子回転調整を+α°行う。具体的には、ステップS7で、TPP信号が大きくなる方向に、ホログラム素子3を+α°回転させる。このホログラム素子3の回転調整が終了すると、再度ステップS6に戻る。このように、ステップS6,S7を繰り返すことでホログラム素子3の位置を絞り込み、ステップS8に進むようになっている。
【0087】
次に、ステップS8にて、TPP信号振幅の正成分t+または負成分t−のどちらか一方が所定の振幅A0以上、且つ、t+/t−<k2という条件を満たしているか否かを判定する。このステップS8で、上記条件を満たしていると判定すると、ステップS10に進む一方、上記条件を満たしていないと判定すると、ステップS9に進む。このステップS9では、ホログラム素子回転調整を−α°行う。具体的には、ステップS9で、TPP信号21が大きくなる方向にホログラム素子3を−α°回転させる。このホログラム素子3を回転調整が終了すると、再度ステップS8に戻る。このように、ステップS8,S9を繰り返すことでホログラム素子3の位置をさらに絞り込み、ステップS10に進むようになっている。
【0088】
次に、ステップS10にて、フォーカスオフセット調整を行う(詳細については後述する)。
【0089】
次に、ステップS11にて、フォーカスオフセットの測定を行い、フォーカスオフセットの測定結果が所定のフォーカスオフセットの範囲内であると、処理を終了とする。一方、上記フォーカスオフセットの測定結果が所定のフォーカスオフセットの範囲外であると、ステップS4に戻り、ステップS4〜S11の処理を再度行う。但し、ステップS11及び再度ステップS4に戻る工程を削除することもできる。ステップS11及び再度ステップS4に戻る工程を削除した場合、調整時間の短縮化が図れる。
【0090】
以下に、図9,図10を用いて、図8のステップS10のフォーカスオフセット調整の実施例1について説明する。
【0091】
この実施例1は、図10に示すように、TPP信号振幅が最大になるホログラム素子3の位置hnをサーチし、その位置hnにより最適なフォーカスオフセットを得る方法の一例である。
【0092】
以下では、上記ホログラム素子3の初期位置h0にて測定したTPP信号振幅をt0とし、ホログラム素子3の初期位置h0からホログラム素子3を任意方向にn回だけα゜回転させた位置をhn、この位置でのTPP信号振幅をtnとし、TPP信号振幅の正成分をt+nとし、TPP信号振幅の負成分をt−nとする。また、上記ホログラム素子の回転量α゜は、TPP信号振幅の変化量を十分観察できる値とする。
【0093】
まず、図9に示すように、ステップS101にて、ホログラム素子3の位置hnにおけるTPP信号振幅tnを測定し、サンプル情報として(hn,tn)と記憶する。
【0094】
次に、ステップS102にて、ホログラム素子3の位置hnからホログラム素子3を−α゜回転させた後、ホログラム素子3の位置hn−1におけるTPP信号振幅tn−1を測定し、サンプル情報として(hn−1,tn−1)と記憶する。
【0095】
さらに、ステップS103にて、ホログラム素子3の位置hn−1からホログラム素子3を+2α゜回転させた後、ホログラム素子3の位置hn+1におけるTPP信号振幅tn+1を測定し、サンプル情報として(hn+1,tn+1)と記憶する。
【0096】
次に、ステップS104にて、上記3点のサンプル情報が、tn>tn−1且つtn>tn+1という条件を満たしているか否かを判定する。そのステップS104にて、上記条件を満たしていると判定するとステップS108に進む一方、上記条件を満たしていないと判定するとステップS105に進む。
【0097】
次に、ステップS105にて、上記3点のサンプル情報が、tn<tn+1という条件を満たしているか否かを判定する。ステップS105で、上記条件を満たしていると判定されるとステップS106に進む一方、上記条件を満たしていないと判定するとステップS107に進む。
【0098】
そして、ステップS106ではn=n+1とする一方、ステップS107ではn=n−1とする。その後、ステップS14に戻り、ステップS101以降の処理を再度行う。
【0099】
このように、上記ホログラム素子3の回転調整のルーチンを繰り返して最終的にステップS108に到達する。このステップS108にて、TPP信号振幅tnが最大と判定されて、ホログラム素子3の位置hnの位置が決定される。
【0100】
以下に、図11〜13を用いて、図8のステップS10のフォーカスオフセット調整の実施例2について説明する。
【0101】
この実施例2は、図13に示すように、TPP信号振幅の正成分が最大となるホログラム素子3の位置h+nと、TPP信号振幅の負成分が最大となるホログラム素子3の位置h−nとをサーチし、その位置h+nと位置h−nとの中点位置hnを求め、その中点位置hnで最適なフォーカスオフセットを得るという方法の一例である。即ち、上記フォーカスオフセットの調整例2は、ホログラム素子3の回転時にTPP信号振幅が最大となる点を挟むように、TPP信号振幅の正成分が最大になる点と、負成分が最大になる点とが存在することを利用したものである。
【0102】
まず、図11に示すように、ステップS201〜S207にて、TPP信号振幅の正成分t+nが最大となるホログラム素子3の位置h+nを、図9のステップS101〜S107と同一の方法で特定し、ステップS208にてホログラム素子3の位置h+nを記憶する。
【0103】
次に、ステップS301〜S307にて、ホログラム素子3の位置h+nから、TPP信号振幅の負成分が最大となるホログラム素子の位置h−nを、図9のステップS14からステップS20と同一方法にて求め、ステップS38にてホログラム素子の位置h−nを記憶する。
【0104】
引き続いて、ステップS309にて、ステップS208において求めたホログラム素子3の位置h+nと、ステップS308において求めたホログラム素子3の位置h−nとの中点位置hnを算出し、その中点位置hnをホログラム素子3の位置の最終位置と特定する。
【0105】
このように、ステップS201〜S208及びS301〜S308とを行うことによって、図9のフォーカスオフセットの調整例1よりも、より精密にフォーカスオフセットの調整を行うことができる。つまり、図11,図12のフォーカスオフセットの調整例2の方が、図9のフォーカスオフセットの調整例1よりも、より精密にフォーカスオフセットの調整を行うことができる。
【0106】
以下に、図14,図15を用いて、図8のステップS10のフォーカスオフセット調整の実施例3について説明する。
【0107】
この実施例3では、図15に示すように、TPP信号振幅の最大となるホログラム素子3の位置を最小2乗法等の近似法を利用して2次曲線となる放物線として算出し、さらにその放物線の頂点に対応するホログラム素子3の位置を設定することで、フォーカスオフセットの極値と特定する方法の一例である。
【0108】
まず、図14に示すように、ステップS401にて、ホログラム素子3の位置hnにおけるTPP信号振幅tnを測定し、サンプル情報として(hn,tn)を記憶する。
【0109】
次に、ステップS402にて、回折格子14を+α゜回転調整して位置hn+1として、再度ステップS401に戻る。このような繰り返しステップをr1回行った後、ステップS403に進む。
【0110】
次に、ステップS403にて、ホログラム素子3の初期位置h0より−α°回転調整して、ホログラム素子3の位置h−1とする。
【0111】
次に、ステップS404にて、ホログラム素子3の位置h−1におけるTPP信号振幅t−1を測定し、サンプル情報として(h−1,t−1)を記憶する。
【0112】
次に、ステップS405にて、ホログラム素子3をさらに−α゜回転調整して位置h−2として、再度ステップS404に戻る。このような繰り返しステップをr2回行った後、ステップS406に進む。
【0113】
次に、ステップS406にて、記憶しているサンプル情報(hr1,tr1)から(h−r2−1,t−r2−1)までの情報全てから、最小2乗法等の近似法により2次曲線に近似し、その2次曲線の頂点(ha,ta)を算出し、TPP信号振幅が最大となるホログラム素子3の位置haと設定される。
【0114】
以下に、図16,図17を用いて、図8のステップS10のフォーカスオフセット調整の実施例4について説明する。
【0115】
この実施例4は、図17に示すように、TPP信号振幅が最大になる点をTPP信号振幅の変化率が最小になる点として、ホログラム素子3の位置をサーチして、その位置で最適なフォーカスオフセットを得るという方法の一例である。
【0116】
まず、図16に示すように、ステップS501にて、ホログラム素子3の位置hnにおけるTPP信号振幅tnを測定し、サンプル情報として(hn,tn)と記憶する。
【0117】
引き続いて、ステップS502にて、ステップS501と同じように、ホログラム素子3の位置hn−1におけるTPP信号振幅を測定し、サンプル情報として(hn−1,tn−1)と記憶する。
【0118】
さらに、ステップS503にて、ステップS501と同じように、ホログラム素子3の位置hn+1におけるTPP信号振幅を測定し、サンプル情報として(hn+1,tn+1)と記憶する。
【0119】
次に、ステップS504にて、上記3点のサンプル情報が、|(tn+1)−(tn)|=|(tn)−(tn−1)|の条件を満たしているか否かを判定する。このステップS504で、上記条件を満たしていると、ステップS511に進む一方、上記条件を満たしていないとステップS505に進む。
【0120】
次に、ステップS505,S506にて、ホログラム素子3の位置hn−2,hn+2におけるPP信号振幅を測定し、サンプル情報(hn−2,tn−2),(hn+2,tn+2)を記憶する。
【0121】
次に、ステップS507にて、{|(tn+2)−(tn+1)|>|(tn+1)−(tn)|}且つ{|(tn−2)−(tn−1)|>|(tn−1)−(tn)|}の条件を満たしているか否かを判定する。このステップ507で、上記条件を満たしていると、ステップS511に進む一方、上記条件を満たしていないと、ステップS508に進む。
【0122】
次に、ステップS508にて、|(tn+2)−(tn+1)|<|(tn+1)−(tn)|の条件を満たしているか否かを判定する。このステップS508で、上記条件を満たしていると、ステップS509に進む一方、上記条件を満たしていないと、ステップS510に進む。ステップS509ではホログラム素子3の回転調整を+α°行った後、再度ステップS501に戻る。一方、ステップS510ではホログラム素子3の回転調整を−α゜行った後、再度ステップS501に戻る。
【0123】
このように、上記ホログラム素子3の回転調整のルーチンを繰り返して、最終的にステップS511に到達する。このステップS511にてTPP信号振幅tnは最大と判定されホログラム素子の位置hnが決定される。
【0124】
以下に、図18,図19を用いて、図8のステップS10のフォーカスオフセット調整の実施例5について説明する。
【0125】
この実施例5は、図19に示すように、所定のTPP信号振幅kを設定し、その設定された値に近く、且つ、TPP信号振幅の最大点を挟んだ2点のホログラム素子の位置hk1,hk2を検索し、このホログラム素子の位置hk1,hk2の平均値つまり中間値となる位置haを、最適なフォーカスオフセットとする方法の一例である。
【0126】
まず、ステップS601〜S605で、図14のステップS401〜S405と同一処理を行う。
【0127】
引き続いて、ステップS606にて、ステップS601〜S605で記憶されたサンプル情報から、設定した所定のTPP信号振幅kに最も近い2点を検索し、その2点をそれぞれ(hk1,tk1),(hk2,tk2)と特定する。
【0128】
次に、ステップS607にて、上記2点の平均値つまり中間値ha=(hk1+hk2)/2を算出し、TPP信号振幅が最大になるホログラム素子の位置haとして設定される。
【0129】
図20に、図7に示した回折格子の調整装置の変形例のブロック図を示す。また、図20において、図7に示した構成部と同一の構成部は、図7における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0130】
図20に示した回折格子の調整装置は、図7の実施例に第1の測定手段としてのジッター検出回路部39を追加したものである。つまり、上記回折格子の調整装置は、TPP信号振幅検出回路35a、制御回路35b、サンプル情報記憶回路35c及びジッター検出回路部39で構成されたフォーカスオフセット最小サーチ回路38を備えている。このフォーカスオフセット最小サーチ回路38は、TPP信号がPLL回路34に供給されて検出されたクロック信号のジッターにより、最適なフォーカスオフセットとなるホログラム素子の位置を求める。より詳しく説明すると、上記PLL回路34内の図示していないエッジ検出部が、TPP信号のゼロクロス点にてクロック信号を生成する。また、上記PLL回路34に供給されTPP信号は、PLL回路34内の図示していない分周回路を通過してフィードバックされる。このフィードバックされたTPP信号と、エッジ検出部で生成されたクロック信号とが、PLL回路34内の図示していない位置調整回路によって位置調整されて、同期クロック信号が生成される。この同期クロック信号とクロック信号とがジッター検出回路39に供給され、同期クロック信号に対するクロック信号のジッターが検出される。つまり、上記ジッター検出回路39は、同期クロック信号とクロック信号とに基づいて、同期クロック信号に対するクロック信号のジッターを検出する。
【0131】
以下に、図21,図22を用いて、図8のステップ10のフォーカスオフセット調整の実施例6について説明する。
【0132】
この実施例6は、クロック信号のジッターを使用し、図22に示すように、ジッターが最小になるホログラム素子の位置hnを特定し設定することで、フォーカスオフセットを最適化する方法の一例である。また、上記実施例6は、TPP信号振幅を使用した実施例1〜6と同じように、図8のステップS1〜ステップS9と同一処理をした後に行う。
【0133】
以下では、ホログラム素子3の初期位置h0にて測定したジッターをj0とし、ホログラム素子の初期位置h0からホログラム素子3を任意方向にn回だけα゜回転させた位置をhn、この位置でのジッターをjnとする。また、上記ホログラム素子3の回転量α°は、ジッターの変化量を十分観察できる値とする。
【0134】
まず、ステップS701にて、ホログラム素子3の位置hnにおけるジッターjnを測定し、サンプル情報として(hn,jn)と記憶する。
【0135】
次に、ステップS702にて、ホログラム素子3の位置hnからホログラム素子3を−α゜回転させた後、ホログラム素子3の位置hn−1におけるジッターjn−1を測定し、サンプル情報として(hn−1,jn−1)と記憶する。
【0136】
次に、ステップS703にて、ホログラム素子3の位置hn−1からホログラム素子3を+2α゜回転させた後、ホログラム素子3の位置hn+1におけるジッターjn+1を測定し、サンプル情報として(hn+1,jn+1)と記憶する。
【0137】
次に、ステップS704にて、上記3点のサンプル情報が、jn<jn−1且つjn<jn+1という条件を満たしているか否かを判定する。そのステップS704にて、上記条件を満たしていると判定するとステップS708に進む一方、上記条件を満たしていないと判定するとステップS705に進む。
【0138】
次に、ステップS705にて、上記3点のサンプル情報が、jn>jn+1という条件を満たしているか否かを判定する。このステップS705で、上記条件を満たしていると判定されるとステップS706に進む一方、上記条件を満たしていないと判定するとステップS707に進む。
【0139】
そして、ステップS706ではn=n+1とする一方、ステップS707ではn=n−1とする。その後、ステップS74に戻り、ステップS701以降の処理を再度行う。
【0140】
このように、上記ホログラム素子3の回転調整のルーチンを繰り返して最終的にステップS708に到達する。このステップS708にて、ジッターjnが最小と判定されて、ホログラム素子3の位置hnの位置が決定する。
【0141】
以上から判るように、上記実施例6は、クロック信号のジッターが最小になる点を、フォーカスオフセットが最適となる点として用いる。つまり、上記実施例6と実施例1との違いは、フォーカスオフセットが最適となる点を、クロック信号のジッターが最小になる点とするか、TPP信号振幅が最大になる点とするかである。したがって、クロック信号のジッターが最小となる点にてホログラム素子3の位置を調整する方法は、TPP信号振幅を使用してフォーカスオフセット調整をした図11〜19の実施例2〜5にも用いることができる。つまり、上記実施例2〜5において、クロック信号のジッターが最小になる点を、TPP信号振幅が最大になる点として用いる代わりに、クロック信号のジッターが最小になる点を、フォーカスオフセットが最適となる点として用いてもよい。
【0142】
図23に、図7に示した回折格子の調整装置の他の変形例のブロック図を示す。また、図23において、図7に示した構成部と同一の構成部は、図7における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0143】
図23に示した回折格子の調整装置は、図7の実施例に、FE信号にフォーカスバイアスを注入できるフォーカスバイアス装置39を追加したものである。つまり、上記回折格子の調整装置は、FE信号に印加するオフセット電圧としてのフォーカスバイアスが最小になるホログラム素子3の位置を求めるフォーカスオフセット最小サーチ回路35を備え、そのフォーカスバイアスが最小になるホログラム素子3の位置を特定し設定することで、フォーカスオフセットを最適化する。
【0144】
以下では、上記ホログラム素子3の初期位置h0にて測定したTPP信号振幅をt0とし、その点でフォーカスオフセットを0にするためにフォーカスバイアス装置にて印加したフォーカスバイアスf0とし、ホログラム素子3の初期位置h0からホログラム素子3を任意方向にn回だけα°回転させた位置をhn、この位置でのTPP信号振幅をtm、フォーカスオフセットを0にするためにフォーカスバイアス装置にて印加したフォーカスバイアスfmとする。ホログラム素子の回転量α°は、TPP信号振幅の変化量を十分観察できる値とする。
【0145】
より詳しく説明すると、上記回折格子の調整装置は、フォーカスバイアス装置がFE信号にフォーカスバイアスを注入して、発生したフォーカスオフセットをキャンセルする機構を備え、ホログラム素子の位置hnと、そのホログラム素子の位置hnで発生したフォーカスオフセットをキャンセルするために注入したフォーカスバイアスfmとをサンプル情報(hn,fm)として記憶し、フォーカスバイアスfmが最小となるホログラム素子3の位置を特定し設定する。発生したフォーカスオフセットをキャンセルする機構には、FE信号にフォーカスバイアスを注入し、TPP信号振幅、または、クロック信号のジッターをモニターし、そのTPP信号振幅が最大、または、クロック信号のジッターが最小となるようにフォーカスバイアスを可変する機能を搭載する。
【0146】
以下に、図24〜26を用いて、図8のステップ10のフォーカスオフセット調整の実施例7について説明する。この実施例7は、図26に示すように、ホログラム素子3の位置を任意に2点抽出し、その2点でTPP信号振幅が最大となるフォーカスバイアスをサーチし、このサーチ結果からフォーカスバイアスが最小となるホログラム素子3の位置を算出し、ホログラム素子3の位置をその最小点とすることで最適なフォーカスオフセットを得る方法の一例である。
【0147】
まず、ステップS801にて、m=m1,n=n1とする。つまり、上記ホログラム素子3の位置をhn1、フォーカスバイアスをfm1、TPP信号振幅をtm1とする。
【0148】
次に、ステップS802にて、ホログラム素子3の位置hn1において、TPP信号振幅tm1を測定し、サンプル情報として(hn1,fm1,tm1)と記憶する。
【0149】
次に、ステップS803にて、フォーカスバイアスfm1からβだけ減算したフォーカスバイアスfm1−1に変えて、TPP信号振幅tm1−1を測定し、サンプル情報として(hn1,fm1−1,tm1−1)と記憶する。
【0150】
さらに、ステップS804にて、フォーカスバイアスfm1からβだけ加算したフォーカスバイアスfm1+1に変えて、TPP信号振幅tm1+1を測定し、サンプル情報として(hn1,fm1+1,tm1+1)と記憶する。上記βは予め設定された変化量である。
【0151】
次に、ステップS805にて、上記3点のサンプル情報が、tm1>tm1−1且つtm1>tm1+1という条件を満たしているか否かを判定する。このステップS805で、上記条件を満たしていると判定すると、ステップS809に進む一方、上記条件を満たしていないと判定すると、ステップS806に進む。
【0152】
次に、ステップS806にて、tm1<tm1+1という条件を満たしているか否かを判定する。このステップS806で、上記条件を満たしていると判定すると、ステップS807に進む一方、上記条件を満たしていないと判定すると、ステップS808に進む。
【0153】
上記ステップS807では、m1=m1+1としてフォーカスバイアスをβだけ加算する一方、ステップS808では、m1=m1−1としてフォーカスバイアスをβだけ減算する。上記ステップS807またはステップS808の処理を行った後には、ステップS78に戻り、ステップS801以降の処理を再度行う。
【0154】
このようにホログラム素子3の回転調整のルーチンを繰り返して最終的にステップS809に到達する。このステップS809で、ホログラム素子の位置hn1でTPP信号振幅が最大となるフォーカスバイアスfm1が特定され、サンプル情報として(hn1,fm1)と記憶する。
【0155】
次に、図25に示すステップS810にて、m=m2,n=n2とする。つまり、上記ホログラム素子3の位置をhn2に回転調整し、フォーカスバイアスをfm2、TPP信号振幅をtm1とする。
【0156】
次に、ステップS811〜S818にて、ホログラム素子3の位置hn2でTPP信号振幅が最大となるフォーカスバイアスfm2を、ステップS801〜S809と同一処理で求め、サンプル情報として(hn2,fm2)と記憶する。
【0157】
最後に、ステップS819にて、ステップS809,S818で記憶されたサンプル情報(hn1,fm1),(hn2,fm2)を通る直線(hn,fm)を算出し、この直線(hn,fm)からフォーカスバイアスfm=0となるホログラム素子の位置hnを算出し特定することで、フォーカスバイアスが最小であるホログラム素子の位置hnを設定することができる。
【0158】
上記実施例7では、フォーカスバイアスを同じ変化量βで複数回変化させていたが、互いに異なる変化量で複数回変化させてもよい。
【0159】
図24〜26で示した実施例7はTPP信号振幅が最大となる点のフォーカスバイアスを求めるものであるが、クロック信号のジッターが最小となる点は例えば上記実施例6で求める。
【0160】
以下に、図27を用いて、図8のステップ10のフォーカスオフセット調整の実施例8について説明する。この実施例8は、ホログラム素子3の移動量を2段階以上に設定し、各段階で最適となるフォーカスオフセットとなるホログラム素子の位置を求めることで、ホログラム素子の位置を追い込んで求める方法の一例である。
【0161】
まず、図27に示すように、ステップS901にて、ホログラム素子3の移動量をα1,α2,…,αn(α1>α2>…>αn)と設定し、ホログラム素子3の移動量α1にて第1段階のフォーカスオフセット調整1を行い、ホログラム素子3の位置h1を決定する。
【0162】
次に、ステップS902にて、上記決定された回折格子の位置h1において、ホログラム素子3の移動量α2にて第2段階のフォーカスオフセット調整2を行い、ホログラム素子3の位置h2を決定する。引き続いて、ステップS90nまで、ステップS901,S902と同様の処理を行う。
【0163】
最後に、ステップS1000にて、フォーカスオフセットが最適になるホログラム素子3の位置hnを特定し、ホログラム素子3の位置をhnに設定する。
【0164】
このように、上記ステップS901,S902と同様の処理を繰り返し、予め設定した段階分のホログラム素子3の移動量でフォーカスオフセット調整を行うので、より最適なフォーカスオフセット調整を行うことができる。
【0165】
上記実施例8では、上記ホログラム素子3の位置の移動量α1,α2,…,αnを互いに異ならせていたが、移動量を同じにしてもよい。
【0166】
また、上記ホログラム素子3の移動量の段階数と、それぞれの段階でのホログラム素子3の移動量との組み合わせを考慮して、その段階数と移動量とを設定することにより、フォーカスオフセット調整に要する調整時間を短縮でき、且つ、より最適なフォーカスオフセットを得ることができる。
【0167】
また、上記実施例8は、上述したTPP信号振幅をモニターしてホログラム素子3の位置を可変してフォーカスオフセット調整を行う手法と、上述したクロック信号のジッターをモニターしてホログラム素子の位置を可変してフォーカスオフセット調整を行う手法との双方に用いることができる。
【0168】
また、上記実施例7においても、バイアス手段としてのフォーカスバイアス装置40にて注入するフォーカスバイアスの値を数段階に設定することで、上記実施例8と同じように、より最適なフォーカスオフセット調整を行うことが可能となり、フォーカスオフセット調整に要する調整時間を短縮でき、且つ、より最適なフォーカスオフセットを得ることができる。
【0169】
また、上記実施例1〜8のそれぞれを互いに組み合わせることも可能で、組み合わせる構成やホログラム素子の移動量等の設定値により、フォーカスオフセット調整に要する調整時間をより短くでき、且つ、より最適なフォーカスオフセットを得ることができる。
【0170】
また、上記実施例1〜8の全てにおいて、ある任意のトラック、例えばランドトラックを選択し、そのランドトラックのみでホログラム素子3の位置調整を行い、フォーカスオフセット調整を最適化したが、もう一方のトラック、つまりグルーブトラックにおいても同様にホログラム素子の位置調整を行い、フォーカスオフセット調整を最適化し、且つ、それぞれのサンプル情報に、測定したトラックを対応して記憶してもよい。この場合、上記ランドトラックでフォーカスオフセットを最適化したホログラム素子の位置と、グルーブトラックでフォーカスオフセットを最適化したホログラム素子の位置との中間位置となるホログラム素子の位置を算出し特定し、最終のホログラム素子の位置と設定することにより、ランドトラック及びグルーブトラックの双方に対して最適となるフォーカスオフセットを得ることができる。
【0171】
また、上述の光学系では全て1ビーム方式のものについて記載したが、半導体レーザ1と回折格子14との間にサブビーム生成用の回折格子を設置し、3ビーム方式またはそれ以上のマルチビーム方式に対応した構成にしてもよい。この場合でも、TPP信号を取得することにより、TPP信号振幅またはTPP信号により発生したクロック信号のジッターを使用してホログラム素子の位置を調整し、フォーカスオフセット調整を行うことができる。
【0172】
また、上記実施の形態では、半導体レーザ1、サーボ信号検出用の受光素子2及びホログラム素子3が一体となった光集積ユニットに本発明を適用したが、各部品をそれぞれバラバラに配置された光ピックアップ装置に対しても本発明を適用できる。
【0173】
また、本実施の形態の光磁気ディスク以外の、トラックの接線方向の前後の部分と比べて光の反射が異なるピットが形成されたクロック領域を持った追記型、相変化型等の光ディスクであっても、データ領域とクロック領域との構成や、クロック領域の構造に関わらず、データ領域,クロック領域に沿ったTPP信号情報を取り入れることで、その光ディスクにも本発明を適用できる。
【0174】
また、上記TPP信号情報は、データ領域に前後の部分と比べて光の反射が異なるピットが形成されていれば、データ領域からの反射光を用いて得てもよいし、クロック領域に前後の部分と比べて光の反射が異なるピットが形成されていれば、クロック領域からの反射光を用いて得てもよい。
【0175】
以上により、回折格子の形状や光ディスクの種類に関わらず、トラックの接線方向の前後の部分と比べて光の反射が異なるピットが形成された光ディスクからの光信号からTPP信号を取得すれば、または、TPP信号によりクロック信号が再生されれば、TPP信号またはクロック信号を利用して回折格子の位置調整を行って、光ディスク装置の最適なフォーカスオフセット調整を行うことができる。
【0176】
即ち、トラックの接線方向の前後の部分と比べて光の反射が異なるピットが形成されたクロック領域をもつ光ディスクであれば、ランド及びグルーブに記録されたデータに関わらず、クロック領域の構成、クロック領域内のエンボスピット形状,長さ,個数,幅,及び深さ,そして光ディスクの反射率に関係無く、TPP信号、または、TPP信号により再生されたクロック信号を検出することで、安定して光ディスク装置内の回折格子の位置調整を行うことが可能となり、安定してフォーカスオフセット調整を行うことができる。
【0177】
上記実施の形態では、回折格子14の形状は円状であったが、回折格子14の形状は楕円状であってもよい。
【0178】
また、図7、図20及び図23の回折格子の調整装置は、ホログラム素子3の位置、つまり回折格子14の位置に対応するフォーカスオフセットを測定するフォーカスオフセット測定手段としてのフォーカスオフセット測定装置を備えてもよい。このフォーカスオフセット測定装置は、図8のステップS11の処理を行うことができる。
【0179】
また、上記実施の形態では、ランド及びグルーブからなるトラックを有する光ディスクを用いていたが、グルーブのみからなるトラックを有する光ディスクを用いてもよい。
【0180】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の回折格子の調整方法は、TPP信号の情報を含むサンプル情報に基づいて回折格子の位置を調整するので、データ領域に記録されたデータに関係無く、フォーカスオフセットが最適となるように、回折格子の位置を精度よく簡単に調整できる。
【0181】
一実施形態の回折格子の調整方法は、光ディスクのクロック領域からの反射光に基づいてTPP信号を得るので、TPP信号の検出が容易である。
【0182】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記サンプル情報は、回折格子の位置で測定されるフォーカスオフセットの情報を含むので、このフォーカスオフセットの情報を用いて、設定した回折格子の位置でフォーカスオフセットが最適化されているか否かを確認することができる。
【0183】
一実施形態の回折格子の調整方法において、上記フォーカスオフセットは、上記受光素子が出力する電気信号から検出されるフォーカスエラー信号にオフセット信号を加えることで測定でき、オフセット信号の情報を用いることによりフォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0184】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記オフセット信号を同じ変化量で複数回変化させて、各オフセット信号に対応するTPP信号を検出するので、所望のTPP信号に対応するオフセット信号を容易に特定することができる。
【0185】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記オフセット信号を互いに異なる変化量で複数回変化させて、各オフセット信号に対応するTPP信号を検出するので、所望のTPP信号に対応するオフセット信号を正確に特定することができる。
【0186】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記回折格子を同じ変化量で複数回動かして、回折格子の各位置に対応するTPP信号を検出するので、所望のTPP信号に対応する回折格子の位置を容易に特定することができる。
【0187】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記回折格子を互いに異なる変化量で複数回動かして、回折格子の各位置に対応するTPP信号を検出するので、所望のTPP信号に対応するオフセット信号を正確に特定することができる。
【0188】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報に基づいて上記回折格子の位置を調整するので、最良のフォーカスオフセットを得ることができる。
【0189】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号が極値となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0190】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号の振幅の変化率が最小となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0191】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号が極値となる回折格子の位置を検出し、この回折格子の位置を挟み、且つ、予め設定されたTPP信号の振幅に近い2つのサンプル情報における回折格子の位置の平均値に、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットをより確実に最適化することができる。
【0192】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号の振幅が最大となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0193】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号の正成分の振幅が最大となる回折格子の位置と、TPP信号の負成分の振幅が最大となる回折格子の位置との中間位置に、回折格子の位置を合わせるので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0194】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号の正成分と、TPP信号の負成分との比率が所定の値となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0195】
一実施形態の回折格子の調整方法は、上記TPP信号からクロック信号を生成し、このクロック信号のジッターを検出し、このジッターが最小となるように、回折格子の位置を調整するので、フォーカスオフセットを確実に最適化することができる。
【0196】
また、本発明の回折格子の調整装置は、TPP信号に基づいて回折格子の位置を制御するので、フォーカスオフセットが最適となるように、回折格子の位置を精度よく簡単に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に使用する光ピックアップ装置の一例の構造図である。
【図2】 図2(a)は上記光ピックアップ装置の回折格子の形状を示す図であり、図2(b)は上記光ピックアップ装置の受光素子の回路図である。
【図3】 図3(a)は光磁気ディスクのトラック形状を示す図であり、図3(b)はTPP信号を示す図であり、図3(c)はクロック信号を示す図であり、図3(d)はクロック信号の時間軸方向の分布を示す図である。
【図4】 図4(a)は上記回折格子の状態1を示す図であり、図4(b)は上記状態1のTPP信号を示す図である。
【図5】 図5(a)は上記回折格子の状態2を示す図であり、図5(b)は上記状態2のTPP信号を示す図である。
【図6】 図6(a)は上記回折格子の状態3を示す図であり、図6(b)は上記状態3のTPP信号を示す図である。
【図7】 図7は本発明の実施の一形態の回折格子の調整装置のブロック図である。
【図8】 図8は本発明の実施の一形態の回折格子の調整方法のフローチャートを示す図である。
【図9】 図9は図8のステップS10のフォーカスオフセット調整の実施例1のフローチャートを示す図である。
【図10】 図10は図9のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図11】 図11は上記フォーカスオフセット調整の実施例2のフローチャートを示す図である。
【図12】 図12は上記フォーカスオフセット調整の実施例2のフローチャートを示す図である。
【図13】 図13は図11,12のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図14】 図14は上記フォーカスオフセット調整の実施例3のフローチャートを示す図である。
【図15】 図15は図14のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図16】 図16は上記フォーカスオフセット調整の実施例4のフローチャートを示す図である。
【図17】 図17は図16のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図18】 図18は上記フォーカスオフセット調整の実施例5のフローチャートを示す図である。
【図19】 図19は図18のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図20】 図20は上記回折格子の調整装置の変形例のブロック図である。
【図21】 図21は上記フォーカスオフセット調整の実施例6のフローチャートを示す図である。
【図22】 図22は図21のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図23】 図23は上記回折格子の調整装置の他の変形例のブロック図である。
【図24】 図24は上記フォーカスオフセット調整の実施例7のフローチャートを示す図である。
【図25】 図25は上記フォーカスオフセット調整の実施例7のフローチャートを示す図である。
【図26】 図26は図24,25のフローチャートの処理を説明するための図である。
【図27】 図27は上記フォーカスオフセット調整の実施例8のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 サーボ信号検出用の受光素子
5 対物レンズ
6,28 光磁気ディスク
14 回折格子
16 データ領域
17 クロック領域
18 ランド
19 グルーブ
21 TPP信号
32 サーボ信号生成回路
35a TPP信号振幅検出回路
35b 制御回路
35c サンプル情報記憶回路
37 ホログラム素子位置制御メカ
39 ジッター検出回路
Claims (18)
- トラックの接線方向に前後で光の反射が異なるピットからなるクロック領域と、データが記録されるデータ領域とを有した光ディスクの表面上に、半導体レーザのレーザ光を対物レンズにて集光し、
上記光ディスクからの反射光を回折格子で受光素子に向けて回折し、
上記反射光を受光した上記受光素子が出力する電気信号からタンジェンシャルプッシュプル信号を生成し、
上記レーザ光の光軸に垂直な面内において上記回折格子を回転させて、上記タンジェンシャルプッシュプル信号が得られた上記回折格子の回転方向の位置の情報を検出し、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅の情報、または、上記タンジェンシャルプッシュプル信号によるクロック信号のジッターの情報と、上記回折格子の回転方向の位置の情報とを含むサンプル情報に基づいて上記回折格子の回転方向の位置を調整することを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1に記載の回折格子の調整方法において、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号は、上記クロック領域からの上記反射光を受光した上記受光素子が出力する上記電気信号から得ることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1または2に記載の回折格子の調整方法において、
上記サンプル情報は、上記回折格子の回転方向の位置で測定されるフォーカスオフセットの情報を含むことを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項3に記載の回折格子の調整方法において、
上記フォーカスオフセットは、フォーカスエラー信号にオフセット信号を加えることで測定することを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項4に記載の回折格子の調整方法において、
上記オフセット信号を同じ変化量で複数回変化させて、上記オフセット信号のそれぞれにおいて上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得ることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項4に記載の回折格子の調整方法において、
上記オフセット信号を互いに異なる変化量で複数回変化させて、上記オフセット信号のそれぞれにおいて上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得ることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記回折格子を同じ変化量で複数回動かして、上記回折格子の各位置において上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得ることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記回折格子を互いに異なる変化量で複数回動かして、上記回折格子の各位置において上記タンジェンシャルプッシュプル信号を得ることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記トラックは、上記ランドおよびグルーブ、または、グルーブのみからなり、
上記サンプル情報は、上記ランドからなる上記トラックと、上記グルーブからなる上記トラックとの少なくとも一方を用いて得ることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報に基づいて上記回折格子の回転方向の位置を調整することを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報の中から、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が極値となる上記回折格子の回転方向の位置を数値演算処理にて算出し、この算出された位置に上記回折格子を合わせることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記サンプル情報を複数個取得し、この複数個のサンプル情報の中から、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅の変化率が最小となる上記回折格子の回転方向の位置を検出し、この位置に上記回折格子を合わせることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が極値となる上記回折格子の回転方向の位置を検出し、この回折格子の回転方向の位置を挟み、且つ、予め設定された上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅に近い2つの上記サンプル情報における上記回折格子の回転方向の位置の平均値に、上記回折格子の回転方向の位置を合わせることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅が最大となる上記回折格子の回転方向の位置を検出し、この位置に上記回折格子の回転方向の位置を合わせることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の正成分の振幅が最大となる上記回折格子の回転方向の位置と、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の負成分の振幅が最大となる上記回折格子の回転方向の位置との中間位置を算出し、この中間位置に上記回折格子の回転方向の位置を合わせることを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の正成分と、上記タンジェンシャルプッシュプル信号の負成分との比率が所定の値となるように、上記回折格子の回転方向の位置を調整することを特徴とする回折格子の調整方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の回折格子の調整方法において、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号からクロック信号を生成し、このクロック信号のジッターを検出し、このジッターが最小となるように、上記回折格子の回転方向の位置を調整することを特徴とする回折格子の調整方法。 - 光ディスクからの反射光を受光した受光素子が出力する電気信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成手段と、
上記電気信号に基づいてトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、
上記電気信号に基づいてタンジェンシャルプッシュプル信号を生成するタンジェンシャルプッシュプル信号生成手段と、
上記光ディスクからの反射光を上記受光素子に向けて回折する回折格子を、上記レーザ光の光軸に垂直な面内において回転させて、上記回折格子の回転方向の位置を調整する位置調整手段と、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号から調整値情報を算出する調整値情報算出手段と、
上記タンジェンシャルプッシュプル信号の振幅、または、上記タンジェンシャルプッシュプル信号によるクロック信号のジッターと、このタンジェンシャルプッシュプル信号が得られた上記回折格子の回転方向の位置とを含むサンプル情報を記憶するサンプル情報メモリ手段と、
上記サンプル情報メモリ手段に記憶された上記サンプル情報に基づいて上記回折格子の回転方向の位置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする回折格子の調整装置。
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