JP3964614B2 - 自動選択弁 - Google Patents
自動選択弁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3964614B2 JP3964614B2 JP2000315833A JP2000315833A JP3964614B2 JP 3964614 B2 JP3964614 B2 JP 3964614B2 JP 2000315833 A JP2000315833 A JP 2000315833A JP 2000315833 A JP2000315833 A JP 2000315833A JP 3964614 B2 JP3964614 B2 JP 3964614B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- main body
- piston
- chamber
- opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Multiple-Way Valves (AREA)
- Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)
- Fluid-Driven Valves (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、とくに道路用トンネルなどでの散水システムに用いられる自動弁に適する自動選択弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の散水システムについて、例えばトンネルに用いる場合、その長手方向を所定の距離ごと、25mや50mなどに区切って防火区画を設定し、火災発生時にその火点を含む防火区画を特定し、その防火区画の領域全体に散水する。図5にこの場合のシステムを概略的に示す。この散水システムは、貯水槽1の消火水を送水するポンプ2等の加圧水供給源と、この加圧水供給源に接続されてトンネル3内に延びてトンネル3内に加圧水を供給する主配管4と、トンネル3内でこの主配管4に接続された複数の分岐配管5とを備えている。
【0003】
主配管4は、トンネル3内ではいわゆる監査路6内に埋設されてトンネル3内に延びている。そして、各防火区画において、主配管4からトンネル3の側壁に沿って立ち上がり、それぞれの先端にはトンネル3内の所定領域内に加圧水を散水するための放水ヘッド7が接続されている。この放水ヘッド7は防火区画の大きさによって1個または複数の必要な個数が設けられる。分岐配管5には仕切弁8と、その二次側に設けられた自動弁10が設けられている。この自動弁10は、火災時等に開いて放水ヘッド7に加圧水を供給し、鎮火後に閉じて加圧水の供給を停止させるものである。
【0004】
このような自動弁10は、その一例として図6に示すように、弁体61、メンテ弁体62による弁開口63を本体65内に備えている。この図では、平常時の状態を示しており、弁体61が閉、メンテ弁体62が開である。
【0005】
弁体61は、開閉駆動されるシリンダ装置67に接続されていて、シリンダ装置67には、弁体61に連結されたピストン68と、これを摺動可能に収容してピストン68を押圧する加圧室Cを形成するシリンダ69とが備えられている。
【0006】
また、メンテ弁体62は、開閉駆動されるメンテシリンダ装置70に接続されていて、メンテシリンダ装置70には、メンテ弁体62に連結されたメンテピストン71と、このメンテピストン71を摺動可能に収容してメンテピストン71を押圧するメンテ加圧室Dを形成するメンテシリンダ72とが備えられている。このメンテ弁体62の閉止時には、弁開口63を介して二次側Bを遮断する。
【0007】
メンテシリンダ72内のメンテピストン71を加圧してメンテ弁体62を閉位置へ移動させるメンテ加圧流路76と、メンテ加圧室Dの圧力を排出させてメンテピストン71の加圧を停止してメンテピストン71を開位置に移動させるメンテ排圧流路77とが設けられ、メンテシリンダ装置70についても、本体65の一次側Aをメンテシリンダ装置70のメンテ加圧室Dに連通させている。そして、メンテピストン71の移動は、メンテ弁体62の弁開口63の閉止を行えるようになっている。
【0008】
また、弁体61に連動するピストン68の排圧を制限しながら排出するための二次側Bの圧力に応じた弁体61の開度調整を行う圧力調整装置75には、排圧流路を兼用する本体65からの入力配管79により接続され、この入力配管79は、本体65の二次側Bから自動選択弁66を介して接続されるとともに、メンテ弁体62の閉鎖時に、その内部を経由して流路が形成されるメンテ入力配管80が自動選択弁66の他方に接続されている。この自動選択弁66を介して、二次側Bへ流水する場合および排圧室Fに流水が発生する場合の双方とも、その流水が圧力調整装置75に導入される。
【0009】
この自動選択弁66について、その一例をさらに図7に示す。自動選択弁66は、中空円筒状の本体81と、この本体81の軸方向両端に所定距離をおいて設けられて、それぞれ軸方向内側に面する弁座82を有する第1および第2の弁開口83、84と、本体81内に摺動可能に設けられて、本体81内の空間を第1の一次室85と第2の一次室86とに区画するピストン87とを備えている。ピストン87によって区画された第1および第2の一次室85、86には、それぞれに連通するように本体81に設けられた第1および第2の入力開口88、89が形成されている。
【0010】
さらに、ピストン87の軸方向両側に連結され、第1および第2の弁開口83、84間に、両弁開口83、84の間の距離よりも小さい所定距離の間隔をおくとともに、第1および第2の弁開口83、84を軸方向内側から選択的に開閉する第1および第2の弁体91、92を備えている。また、第1および第2の弁開口83、84の下流側には、それぞれ第1および第2の二次室93、94が形成され、これらが結合されて単一の出力開口78に連通している。
【0011】
このような、自動選択弁66において、第1および第2の入力開口88、89から第1および第2の一次室85、86のいずれかに圧力水が導入され、第1の入力開口88に圧力水が導入されると、ピストン87はその圧力によって第1の弁体91を開位置とするとともに逆側の第2の弁体92を閉位置に移動させる。また、第2の入力開口89に圧力水が導入されると、ピストン87はその圧力によって第2の弁体92を開位置とするとともに逆側の第1の弁体91を閉位置に移動させる。
【0012】
その結果、自動選択弁66の出力開口78が図6の圧力調整装置75に接続され、第1入力配管79は二次室Bに、さらに、第2入力配管80は排圧室Fにそれぞれ接続されているので、第1弁体91が開位置にあって第2弁体92が閉位置にあるときには、圧力調整装置75を二次室Bに連通させ、また、第1弁体91が閉位置にあって第2弁体92が開位置にあるときには、圧力調整装置75を排圧室Fに、それぞれ連通させることができる。
【0013】
そして、図6の自動弁10の動作について簡単に説明すると、平常時は、自動弁10の弁体61は全閉、本弁リミットスイッチ110はオフ、メンテ弁体62は全開でメンテ弁リミットスイッチ111はオフ、遠隔起動弁112は閉、遠隔試験弁113は閉、本体65の二次側Bは無圧で圧力スイッチ114はオフ、そして、自動排水弁115は流水による所定圧以上の加圧を受けず開である。火災が発生したときに、遠隔により遠隔起動弁112が開き、加圧室Cが加圧されて弁体61が開き、本弁リミットスイッチ110がオンとなって自動弁10の開放が行われる。これによって流水が開始し、本体65の二次側Bが加圧されて圧力スイッチ114がオンとなり流水信号が発報される。このとき自動排水弁115は流水による加圧を受けて閉である。二次側Bは、圧力調整装置75の作用によって弁体61の開度が調整されて所定の圧力に調圧され、その調圧によって放水ヘッド7からの適正な散水が行われる。
【0014】
火災の鎮火によって復旧させる場合、遠隔により遠隔起動弁112を閉じる。それによって弁体61が閉じ、二次側Bが減圧されて圧力スイッチ114はオフとなり、自動排水弁115は開いて二次側Bの残水が排出され、完全に弁体61が閉じたときに本弁リミットスイッチ110がオフとなる。
【0015】
また、試験時には、遠隔により遠隔試験弁113を開き、メンテ弁体62のメンテ加圧室Dを加圧してメンテ弁体62を閉じる。メンテ弁リミットスイッチ111がオンしたことを確認して、放水試験準備を完了する。つぎに、遠隔により遠隔起動弁112を開き、上記の火災時と同様の動作を自動弁10に行わせる。このときの流水信号を確認した後、上記の復旧操作を行い、同様に、メンテ弁体62の復旧動作を遠隔試験弁113の閉止によって行わせ、元の状態に復旧させる。
【0016】
このような自動選択弁66は、第1の一次室85または第2の一次室86の圧力の高い方がピストン87を押して、低圧側の弁座82を閉止する構造となっているが、この弁座の位置を弁体91、92の逆側に配置することによって、高圧側の弁座を閉止することも簡単に行える。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このような自動弁10に用いられる自動選択弁66は、第1の弁体91および第2の弁体92と連動するピストン87が中空円筒状の本体81内面に対して、パッキン等のシール部材87aを介して接触することにより、ピストン87が摺動するには比較的大きな力が必要となり、そのため、両一次室85、86には高い圧力が必要となる。したがって、この発明は、このような自動選択弁の両一次室に導入される圧力が低くても、ピストンが容易に摺動させることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、中空筒状の本体と、該本体の軸方向両側に所定距離をおいて設けられて、それぞれ弁座を有する第1および第2の弁開口と、前記本体内に摺動可能に設けられて、前記本体内の空間を第1室および第2室とに区画するピストンと、該第1室に連通するように前記本体に設けられて、自動弁の本体の二次側からの入力配管が接続される第1入力開口と、前記第2室に連通するように前記本体に設けられて、前記自動弁の弁開口から前記二次側を遮断するメンテ弁体の閉鎖時に該メンテ弁体の内部を経由して流路が形成される前記自動弁の排圧室からのメンテ入力配管が接続される第2入力開口と、前記ピストンの軸方向両側に連結され、前記第1および第2の弁開口間に設けられるとともに、前記第1および第2の弁開口を選択的に開閉する第1および第2の弁体と、前記第1および第2の弁開口の両者に連通して、前記自動弁の弁体の開度調整を行う圧力調整装置に導入される出力開口と、を備える自動選択弁であって、前記ピストンは、前記本体内面に近接する外周を流水抵抗が大きくなるように、その外周が流水抵抗を発生させる幅を備える筒状に形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
第2の発明は、中空筒状の本体と、該本体の軸方向中央部に設けられて、自動弁の弁体の開度調整を行う圧力調整装置に導入される出力開口と、前記本体内に摺動可能に設けられて、前記本体内の空間を第1室および第2室とに区画するピストンと、該第1室に連通するように前記本体の軸方向に設けられて、前記自動弁の本体の二次側からの入力配管が接続されて弁座を有する第1の入力開口と、前記第2室に連通するように前記本体の軸方向に設けられて、前記自動弁の弁開口から前記二次側を遮断するメンテ弁体の閉鎖時に該メンテ弁体の内部を経由して流路が形成される前記自動弁の排圧室からのメンテ入力配管が接続されて弁座を有する第2入力開口と、前記ピストンの軸方向両側に、前記第1および第2の入力開口を選択的に開閉する第1および第2の弁体と、を備える自動選択弁であって、前記ピストンは、前記本体内面に近接する外周を流水抵抗が大きくなるように、その外周が流水抵抗を発生させる径を備える球体に形成されるとともに、該球体が前記第1および第2の弁体となっている、あるいは、その外周が流水抵抗を発生させる幅を備える円柱状に形成されるとともに、該円柱が前記第1および第2の弁体となっていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態としての自動選択弁を示す概略構成図である。
【0023】
図において、この自動選択弁56は、図7に示す従来の技術としての自動選択弁66と同様であり、共通の部材には同じ符号を付け、その機能等も同様であって詳細な説明は省略する。そして、自動選択弁56は、中空円筒状の本体81と、第1および第2の弁開口83、84と、本体81内の空間を第1の一次室85と第2の一次室86とに区画するピストン87とを備え、この第1および第2の一次室85、86には、それぞれに連通するように本体81に設けられた第1および第2の入力開口88、89が形成されている。さらに、ピストン87の軸方向両側に連結される第1および第2の弁体91、92を備え、第1および第2の弁開口83、84の下流側には、それぞれ第1および第2の二次室93、94が形成され、これらが結合されて単一の出力開口95に連通している。
【0024】
そして、この自動選択弁56においては、ピストン87の外周部分に、中空円筒状の本体内面81aに近接する筒状部87bが形成されている。この筒状部87bによって、ピストン87に水圧がかかるときに、ピストン87が本体81内を瞬時に移動することができるとともに、筒状部87bと本体内面81aとの間に大きな流水抵抗を発生させてシールすることができるので、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の弁開口を封じることができる。すなわち、この筒状部87bは、本体内面81aとの隙間に対して十分な幅を備えることによってシール効果を発生させている。
【0025】
したがって、このような、自動選択弁56において、第1および第2の入力開口88、89から第1および第2の一次室85、86のいずれかに圧力水が導入され、例えば、第1の入力開口88に圧力水が導入されると、ピストン87はその圧力によって即座に第1の弁体91を開位置とするとともに逆側の第2の弁体92を閉位置に移動させる。また、第2の入力開口89に圧力水が導入されると、ピストン87はその圧力によって第2の弁体92を開位置とするとともに逆側の第1の弁体91を閉位置に移動させる。
【0026】
その結果、出力開口78は、従来の技術と同様、図6の圧力調整装置75に接続されており、この自動選択弁56によって、圧力調整装置75が第1入力配管79を介して自動弁10の二次室Bに、また、第2入力配管80を介して排圧室Fに、選択的に接続される。そして、ピストン87の即座の摺動によって、例えば第1入力配管79からの流水が他方の第2の入力配管80に回り込むことはない。なお、この自動選択弁56は、自動弁10として従来の技術に示される図5のような散水システムに用いられる。
【0027】
つぎに、図2は、参考例としての自動選択弁を示す概略構成図である。
【0028】
この自動選択弁95は、図1に示す第1の実施形態としての自動選択弁56とほぼ同様の構造を有するが、おもな相違点として、ピストン98に連結した第1および第2の弁体99、100に対して、弁座82を備える第1および第2の弁開口96、97を、第1の実施形態の自動選択弁56の場合と逆側に配置している。そして、第1の実施形態の自動選択弁56が高圧側の流水を出力開口78に流出させるのに対し、第2の実施形態の自動選択弁95では、低圧側の流水を出力開口78に流出させることができる。
【0029】
そして、自動選択弁95は、中空円筒状の本体81と、この本体81の軸方向両側に所定距離をおいて設けられて、それぞれ軸方向外側に面する弁座82を有する第1および第2の弁開口96、97と、本体81内に摺動可能に設けられて、本体81内の空間を区画するピストン98とを備えている。ピストン98によって区画された第1および第2の一次室85、86には、それぞれに連通するように本体81に設けられた第1および第2の入力開口88、89が形成されている。
【0030】
そして、この自動選択弁95には、ピストン98の外周部分に、中空円筒状の本体内面81aに近接する筒状部98bが形成されている。この筒状部98bによって、ピストン98に水圧がかかるときに、ピストン98が本体81内を瞬時に移動することができるとともに、筒状部98bと本体内面81aとの間に大きな流水抵抗を発生させてシールすることができるので、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の弁開口を封じることができる。すなわち、この筒状部98bは、本体内面81aとの隙間に対して十分な幅を備えることでシール効果を発生させている。
【0031】
したがって、このような、自動選択弁95において、第1および第2の入力開口88、89から第1および第2の一次室85、86のいずれかに圧力水が導入され、例えば、第1の入力開口88に圧力水が導入されると、ピストン98はその圧力によって即座に第1の弁体99を閉位置とするとともに逆側の第2の弁体100を開位置に移動させる。また、第2の入力開口89に圧力水が導入されると、ピストン98はその圧力によって第2の弁体100を閉位置とするとともに逆側の第1の弁体99を開位置に移動させる。
【0032】
その結果、この自動選択弁95は、出力開口78へ第1および第2の入力配管79、80の流水のうち、低圧側を接続することとなり、上記第1の実施形態が高圧側に接続するのに対して逆側を選択する。
【0033】
つぎに、図3は、第2の実施形態としての自動選択弁を示す断面図である。
【0034】
この自動選択弁36は、中空円筒状の本体41と、この本体41の軸方向両端に設けられて、それぞれ軸方向内側に面する弁座42を有する第1および第2の入力開口48、49と、本体41内に摺動可能に設けられて、本体41内の空間を第1の一次室45と第2の一次室46とに区画するピストン47とを備えている。
【0035】
さらに、ピストン47は円柱状に形成され、その軸方向両側面は、第1および第2の入力開口48、49それぞれの弁座42に対して、軸方向内側から選択的に開閉する第1および第2の弁体となっている。そして、このピストン47の本体41内での摺動によって、二次室53に接続され、単一の出力開口38に連通する。
【0036】
このような、自動選択弁36において、第1および第2の入力開口48、49から第1および第2の一次室45、46のいずれかに圧力水が導入され、第1の入力開口48に圧力水が導入されると、ピストン47はその圧力によって第2の入力開口49を閉止するとするとともに第1の一次室45を二次室53に連通させる。また、第2の入力開口49に圧力水が導入されると、ピストン47はその圧力によって第1の入力開口48を閉止するとともに第2の一次室46を二次室53に連通させる。
【0037】
そして、この自動選択弁36は、円柱状のピストン47の外周部分を中空円筒状の本体内面41aに近接するように形成されている。これによって、ピストン47に水圧がかかるときに、ピストン47が本体41内を瞬時に移動することができるとともに、ピストン47外周面と本体内面41aとの間に大きな流水抵抗を発生させてシールすることができるので、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の開口を封じることができる。すなわち、このピストン47の円筒面は、本体内面41aとの隙間に対して十分な幅を備えることによってシール効果を発生させている。
【0038】
そして、この自動選択弁36では、ピストンおよび第1、第2の弁体を、円柱の部材を用いて構成しているので、構造的に簡易となり、部品点数も少なく、製造しやすい。
【0039】
したがって、このような、自動選択弁36において、第1および第2の入力開口48、49から第1および第2の一次室45、46のいずれかに圧力水が導入され、例えば、第1の入力開口48に圧力水が導入されると、ピストン47はその圧力によって即座に第2の入力開口49の閉位置に移動させられる。また、第2の入力開口49に圧力水が導入されると、ピストン47はその圧力によって第1の入力開口48の閉位置に移動させられる。
【0040】
その結果、出力開口38は、第1の実施形態と同様、図6の圧力調整装置75に接続され、この自動選択弁36によって、圧力調整装置75が第1の入力開口48を介して自動弁10の二次室Bに、また、第2の入力開口49を介して排圧室Fに、選択的に接続される。なお、この自動選択弁36は、自動弁10として従来の技術に示される図5のような散水システムに用いられる。
【0041】
つぎに、図4は、第3の実施形態としての自動選択弁を示す断面図である。
【0042】
この自動選択弁16は、中空円筒状の本体21と、この本体21の軸方向両端に設けられて、それぞれ軸方向内側に面する略円錐状の弁座22を有する第1および第2の入力開口28、29と、本体21内に摺動可能に設けられて、本体21内の空間を第1の一次室25と第2の一次室26とに区画するピストン27とを備えている。
【0043】
さらに、ピストン27は球体に形成され、その表面は、第1および第2の入力開口28、29それぞれの弁座22に対して、軸方向内側から選択的に開閉する第1および第2の弁体となっている。そして、このピストン27の本体21内での摺動によって、二次室33に接続され、単一の出力開口18に連通する。
【0044】
このような、自動選択弁16において、第1および第2の入力開口28、29から第1および第2の一次室25、26のいずれかに圧力水が導入され、第1の入力開口28に圧力水が導入されると、ピストン27はその圧力によって第2の入力開口29を閉止するとするとともに第1の一次室25を二次室33に連通させる。また、第2の入力開口29に圧力水が導入されると、ピストン27はその圧力によって第1の入力開口28を閉止するとともに第2の一次室26を二次室33に連通させる。
【0045】
そして、この自動選択弁16は、球体のピストン27の外周部分を中空円筒状の本体内面21aに近接するように形成されている。これによって、ピストン27に水圧がかかるときに、ピストン27が本体21内を瞬時に移動することができるとともに、ピストン27表面と本体内面21aとの間に大きな流水抵抗を発生させてシールすることができるので、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の開口を封じることができる。すなわち、このピストン27は、本体内面21aの内径に対して球面を利用して十分に流水抵抗を発生させる直径を備えている。そして、ピストン27は球体なので、上記その他の実施形態に比べてピストン27の移動は素早く行うことができる。
【0046】
そして、この自動選択弁16では、ピストンおよび第1、第2の弁体を、球体を用いて構成しているので、構造的に簡易となり、部品点数も少なく、製造しやすい。
【0047】
したがって、このような、自動選択弁16において、第1および第2の入力開口28、29から第1および第2の一次室25、26のいずれかに圧力水が導入され、例えば、第1の入力開口28に圧力水が導入されると、ピストン27はその圧力によって即座に第2の入力開口29の閉位置に移動させられる。また、第2の入力開口29に圧力水が導入されると、ピストン27はその圧力によって第1の入力開口28の閉位置に移動させられる。
【0048】
その結果、出力開口18は、第1の実施形態と同様、図6の圧力調整装置75に接続され、この自動選択弁16によって、圧力調整装置75が第1の入力開口28を介して自動弁10の二次室Bに、また、第2の入力開口29を介して排圧室Fに、選択的に接続される。なお、この自動選択弁16は、自動弁10として従来の技術に示される図5のような散水システムに用いられる。
【0049】
上記各実施形態において、自動選択弁の本体を円筒状に形成しているが、中空筒状であればよく、また、ピストンの形状についても、本体断面に合わせて外形を形成すればよい。
また、上記各実施形態のうち、高圧側を出力開口に流出する形態では、自動弁10と組み合わせたときに、圧力調整装置75への接続が迅速であり、かつ、流水を他方へ回り込ませず、他方の空配管状態を簡便に維持することができる。
【0050】
以上のような、各実施形態に基づいて、第1の発明は、中空筒状の本体と、該本体の軸方向両側に所定距離をおいて設けられてそれぞれ弁座を有する第1および第2の弁開口と、前記本体内に摺動可能に設けられて前記本体内の空間を第1室および第2室とに区画するピストンと、該第1室および第2室にそれぞれ連通するように前記本体に設けられた第1入力開口および第2入力開口と、前記ピストンの軸方向両側に連結され、前記第1および第2の弁開口間に設けられるとともに、前記第1および第2の弁開口を選択的に開閉する第1および第2の弁体と、前記第1および第2の弁開口の両者に連通した出力開口と、を備える自動選択弁において、前記ピストンは、前記本体内面に近接する外周を流水抵抗が大きくなるように形成されているものである。したがって、ピストンに水圧がかかるときに、ピストンが本体内を瞬時に移動することができるとともに、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の弁開口を封じることができる。
【0051】
そして、ピストンが、その外周が流水抵抗を発生させる幅を備える筒状に形成されていることにより、筒状部と本体の内面との間に大きな流水抵抗を発生させることができるので、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の弁開口を封じることができる。さらに、ピストンが、その外周が流水抵抗を発生させる径を備える円柱状に形成されるとともに、ピストンおよび第1、第2の弁体を、円柱の両端面を用いて構成することで、構造的に簡易となり、部品点数も少なく、製造しやすい。
【0052】
また、第2の発明は、中空筒状の本体と、該本体の軸方向中央部に設けられる出力開口と、前記本体内に摺動可能に設けられて前記本体内の空間を第1室および第2室とに区画するピストンと、該第1室および第2室にそれぞれ連通するように前記本体の軸方向両側に設けられてそれぞれ弁座を有する第1入力開口および第2入力開口と、前記ピストンの軸方向両側に、前記第1および第2の入力開口を選択的に開閉する第1および第2の弁体と、を備える自動選択弁において、前記ピストンは、前記本体内面に近接する外周を流水抵抗が大きくなるように形成されているものである。したがって、ピストンに水圧がかかるときに、ピストンが本体内を瞬時に移動することができるとともに、一方からの流水を他方にほとんど流出させることなく、他方の弁開口を封じることができる。
【0053】
そして、ピストンが、その外周が流水抵抗を発生させる径を備える球体に形成されることで、ピストンおよび第1、第2の弁体を、球体を用いて構成でき、構造的に簡易となり、部品点数も少なく、製造しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を利用した第1の実施形態の自動選択弁を示す概略構成図。
【図2】 参考例の自動選択弁を示す概略構成図。
【図3】 本発明を利用した第2の実施形態の自動選択弁を示す概略構成図。
【図4】 本発明を利用した第3の実施形態の自動選択弁を示す概略構成図。
【図5】 従来の散水システムを示す概略構成図。
【図6】 図5の自動弁を示す概略構成図。
【図7】 図6の自動選択弁を示す概略断面図。
Claims (2)
- 中空筒状の本体と、該本体の軸方向両側に所定距離をおいて設けられて、それぞれ弁座を有する第1および第2の弁開口と、前記本体内に摺動可能に設けられて、前記本体内の空間を第1室および第2室とに区画するピストンと、該第1室に連通するように前記本体に設けられて、自動弁の本体の二次側からの入力配管が接続される第1入力開口と、前記第2室に連通するように前記本体に設けられて、前記自動弁の弁開口から前記二次側を遮断するメンテ弁体の閉鎖時に該メンテ弁体の内部を経由して流路が形成される前記自動弁の排圧室からのメンテ入力配管が接続される第2入力開口と、前記ピストンの軸方向両側に連結され、前記第1および第2の弁開口間に設けられるとともに、前記第1および第2の弁開口を選択的に開閉する第1および第2の弁体と、前記第1および第2の弁開口の両者に連通して、前記自動弁の弁体の開度調整を行う圧力調整装置に導入される出力開口と、を備える自動選択弁であって、
前記ピストンは、前記本体内面に近接する外周を流水抵抗が大きくなるように、その外周が流水抵抗を発生させる幅を備える筒状に形成されていることを特徴とする自動選択弁。 - 中空筒状の本体と、該本体の軸方向中央部に設けられて、自動弁の弁体の開度調整を行う圧力調整装置に導入される出力開口と、前記本体内に摺動可能に設けられて、前記本体内の空間を第1室および第2室とに区画するピストンと、該第1室に連通するように前記本体の軸方向に設けられて、前記自動弁の本体の二次側からの入力配管が接続されて弁座を有する第1の入力開口と、前記第2室に連通するように前記本体の軸方向に設けられて、前記自動弁の弁開口から前記二次側を遮断するメンテ弁体の閉鎖時に該メンテ弁体の内部を経由して流路が形成される前記自動弁の排圧室からのメンテ入力配管が接続されて弁座を有する第2入力開口と、前記ピストンの軸方向両側に、前記第1および第2の入力開口を選択的に開閉する第1および第2の弁体と、を備える自動選択弁であって、
前記ピストンは、前記本体内面に近接する外周を流水抵抗が大きくなるように、その外周が流水抵抗を発生させる径を備える球体に形成されるとともに、該球体が前記第1および第2の弁体となっている、あるいは、その外周が流水抵抗を発生させる幅を備える円柱状に形成されるとともに、該円柱が前記第1および第2の弁体となっていることを特徴とする自動選択弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000315833A JP3964614B2 (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 自動選択弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000315833A JP3964614B2 (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 自動選択弁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002122268A JP2002122268A (ja) | 2002-04-26 |
JP3964614B2 true JP3964614B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=18794874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000315833A Expired - Fee Related JP3964614B2 (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 自動選択弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3964614B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106015636A (zh) * | 2016-08-01 | 2016-10-12 | 中国船舶重工集团公司第七〇九研究所 | 压差驱动的往复式三通阀 |
-
2000
- 2000-10-16 JP JP2000315833A patent/JP3964614B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106015636A (zh) * | 2016-08-01 | 2016-10-12 | 中国船舶重工集团公司第七〇九研究所 | 压差驱动的往复式三通阀 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002122268A (ja) | 2002-04-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5714704B2 (ja) | 圧力制御弁 | |
US3612479A (en) | Double seat valve | |
DE69202355T2 (de) | Druckgaspatrone. | |
US8590568B2 (en) | Female quick-connect coupling element, and a quick-connect coupling incorporating such an element | |
AU712761B2 (en) | Flow control valve with non-plugging multi-stage valve trim | |
EP3642518B1 (en) | A valve seal device | |
CN107314002B (zh) | 用于闭合的液压回路的冲洗回路的压力保持阀装置 | |
US4010770A (en) | Velocity flow control valve for fluid line | |
SK144396A3 (en) | Pressure reducing valve | |
US20110277872A1 (en) | Device for selectively blocking a fluid passage | |
JPS5944545B2 (ja) | 逆止め弁 | |
JP3964614B2 (ja) | 自動選択弁 | |
JP2004003649A (ja) | 流れ制御を備えた高圧ボールポペット制御弁 | |
JPH0141872B2 (ja) | ||
US3375844A (en) | Unloader valve | |
KR101011944B1 (ko) | 재생부 및 브레이크 밸브를 포함하는 유압식 제어 장치 | |
ITMI942286A1 (it) | Valvola azionata elettromagneticamente in particolare per impianti idraulici di frenatura a slittamento regolato in autoveicoli | |
KR20060030116A (ko) | 내연기관용 연료 분사 밸브 | |
US20060175379A1 (en) | Device for cooling welding caps | |
DE2948639C2 (de) | Absperr- und Regelventil | |
US6868772B2 (en) | Fluid control valve | |
JP4263334B2 (ja) | 散水システム | |
JP4654229B2 (ja) | 自動弁 | |
KR101429592B1 (ko) | 셀프 기밀 형성 압력 배출 유닛 | |
JP3894264B2 (ja) | 自動弁および自動選択弁 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060214 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060417 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060608 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060829 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061030 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070326 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070508 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070524 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |