JP3964355B2 - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、本発明は気相成長装置および気相成長方法に関するものであり、特に、均一な膜を被処理基板上に形成することができる気相成長装置と、そのような気相成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来の横型MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着法)装置の構造を示す縦断面図である。図12に示すように、従来の横型MOCVD装置においては、直方体形状のチャンバー1を貫通する流路構成部材7が設置され、一端にガス供給口3が形成され、他端にはガス排出口4が形成されている。流路構成部材7の略中央部には、円形の開口部10が設けられており、開口部10には、被処理基板11を載置する基板保持部材12と基板保持部材12を保持するサセプタ13が位置している。流路構成部材7の底板部の表面と基板保持部材12の表面とは略同一平面を形成している。また、サセプタ13の下部には被処理基板11を加熱するための基板加熱ヒーター15が設置されている。
【0003】
被処理基板11の主表面に薄膜を形成するときは、原料ガス(以下単にガスと称する)をガス供給口3から流路構成部材7で形成された反応室2へ導入する。このときサセプタ13の下部に設けられた基板加熱ヒーター15により被処理基板11が加熱され、被処理基板11上での成膜化学反応が促進されることにより、被処理基板11上に薄膜が形成される。被処理基板11上を通過したガスは、ガス排出口4より排出される。
【0004】
このような横型MOCVD装置で品質の良い優れた結晶成長を実現させるためには、高温のサセプタ13上にある被処理基板11付近において、ガス供給口3から導入されて流路構成部材7を流れるガスの流速分布や温度が、空間的に均一でなければならない。そのため、流路構成部材7の内部におけるガスの流れにおいて渦や乱れが発生しないようにし、ガスが層流となるように、ガスの流し方や温度の制御および反応炉の工夫が必要である。
【0005】
基板保持部材12の表面と、流路構成部材7の底板部8の表面の相対位置関係によって、被処理基板11の近傍の材料ガスの流れが大きく変化し、薄膜形成に大きな影響を及ぼす。そのため相対位置関係の精度は0.1mm以下の精度が要求され、両者の位置決め精度が非常に重要である。
【0006】
この位置決め方法に関する第1の従来例として、基板保持部材12の表面と流路構成部材7の底板部の表面の相対位置関係、すなわち両者間の隙間、平行度を隙間ゲージ(ブロックゲージ)等を用いて測定する方法がある。
【0007】
また、第2の従来例として、特許文献1に記載されている位置決め方法がある。図13にその気相成長装置の構造を示す。特許文献1には、図13に示すような多数枚の半導体基板上に同時にエピタキシャル成長させることが可能なバレル型MOCVD装置が記載されている。このバレル型MOCVD装置は、ガス供給口3およびガス排出口4を備えた反応室2、被処理基板11を保持するサセプタ13、サセプタ13を支持するサセプタ支持部材27、および、サセプタを回転させる回転装置28からなり、サセプタ13の中心軸に対する回転軸の変位を測定する位置測定装置19、この位置測定装置19の信号に応じて位置を調整する位置調整装置18、および、位置調整装置18を制御する制御装置23を有している。
【0008】
このように位置測定装置19、位置調整装置18、および、制御装置23を設けたことにより、サセプタ13の回転軸と中心軸とのズレを検出し、調整して、加熱源と被処理基板11との距離を各被処理基板11で略等しくすることができる。それによって、不純物濃度等に起因する均一な電気的特性、および光学的特性を有するエピタキシャル層を再現性良く成長させることができる。
【0009】
また、一般に流路構成部材7および基板保持部材12は、次の理由から石英材料が用いられる。石英材料は、高純度化が容易で熱的にも化学的にも安定している。加工が容易で任意の形状に整形可能である。石英反応管の内面に付着した半導体材料のみを適当なエッチング液で洗浄が可能で、繰り返し使用することができる。等多くの利点がある。
【0010】
しかしながら、石英材料で構成した流路構成部材7の壁面や、基板保持部材12には、半導体薄膜結晶が付着して積層することが避けられない。付着した半導体薄膜結晶と石英とは、濡れ性および密着性が悪く、また、石英材料と半導体結晶材料との熱膨張率が異なることに起因して、被処理基板の昇温や降温に伴って石英管内面に付着した半導体薄膜が剥離するという現象が発生する。この剥離した半導体薄膜が、気相成長前もしくは気相成長中に成長基板面に付着した場合、要求される正常なエピタキシャル層は得られず、その後のデバイスプロセス等へ供することは不可能となってしまう。
【0011】
また、半導体薄膜結晶の積層状態によっては、ガスの流れが乱されるといった現象も発生する。このような問題を回避するため、従来このような剥離やガスの流れを乱す半導体薄膜結晶が発生する前に、流路構成部材や基板保持部材を取り出して洗浄する方法が一般的に用いられている。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−213329号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、相対位置関係の精度は0.1mm以下の精度が要求されている。第一の従来例においては、隙間ゲージ(ブロックゲージ)等を用いて人手により測定しているため、上記の精度を確保することが困難であり、測定者による個人差が発生するなどの問題があった。
【0014】
また、第二の従来例のような位置測定装置19と位置調整装置18からなる構成は、基本的にはバレル型MOCVD装置のみに適用できるものである。横型MOCVD装置においても、同様に回転する基板保持部材の回転軸と中心軸にずれが生じるため、回転する基板保持部材の回転位置の測定には適用可能である。しかし、横型MOCVD装置の場合、基板保持部材の実際の回転軸の位置と設計上の中心の位置のずれだけではなく、基板保持部材と流路構成部材の高さずれや、両者間の隙間を調整して、両者の相対位置関係を精度よく合わせこむ必要がある。そのため、第二の従来例に示す技術では、薄膜形成に大きな影響を及ぼす基板保持部材の表面と流路構成部材の底部の相対位置関係の測定を行うことができない。さらに、流路構成部材や基板保持部材が石英製の場合には、レーザ光を透過してしまうため、レーザ光を用いた位置測定は困難である。
【0015】
また、流路構成部材や基板保持部材に付着して積層する半導体薄膜結晶問題を回避するためには、頻繁な流路構成部材や基板保持部材の洗浄を実施する必要がある。このような洗浄を繰り返し行うと、石英製の流路構成部材や基板保持部材は、エッチング処理によって、徐々にその寸法が変化していく。そのため、当初位置決めされた状態からずれていくという問題が発生する。しかし、このような洗浄の度に、従来のように隙間ゲージ(ブロックゲージ)等を用いて位置決めを行う場合には、その位置決めに際し、反応部が一度大気にさらされることになるため、洗浄の直後では残留酸素や残留水分がかなり存在する。このため真空ベークアウトなどの方法により残留酸素、残留水分除去を行うが、成膜可能なレベルに達するまで数時間から数十時間を要し、時間的ロスが大きく、生産性が著しく低下する。
【0016】
一方、流路構成部材や基板保持部材を大気暴露することなく、自動搬送によって装置内外へ搬送および設置するようにすると、その設置位置精度は、自動搬送機構の位置決め精度に依存することとなる。そのため、このような方法では、位置決め精度を保証することができなかった。
【0017】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、一つの目的は、基板保持部材と流路構成部材底部の相対位置関係を精度よく合わせることで、被処理基板表面に均一性の膜を気相成長させる気相成長装置を提供することであり、他の目的は、そのような気相成長方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に基づいた気相成長装置に従えば、ガス供給口およびガス排出口に連通する反応室を構成し、そのいずれかの壁面に円形の開口部が形成された流路構成部材と、上記開口部に配設され被処理基板を保持する円形の基板保持部材と、上記基板保持部材を回転駆動させる回転装置とを備えた気相成長装置であって、上記被処理基板の主面に垂直な方向には、上記被処理基板との距離を測定するレーザ変位計を含む位置測定装置が配設され、流路構成部材および基板保持部材は石英により構成され、流路構成部材の開口部が形成された壁面および基板保持部材の表面の、上記位置測定装置による測定対象部位は、上記位置測定装置から出射するレーザ光を少なくとも測定に必要な程度に反射させるために失透状態に加工されており、上記流路構成部材と上記基板保持部材との位置関係を調整する位置調整装置および上記位置測定装置により得られたデータに基づいて上記位置調整装置を制御する制御装置を備えている。
【0019】
上記気相成長装置によれば、レーザ変位計を含む位置測定装置を備え、その位置測定装置から出射したレーザ光がそれぞれ石英により構成された流路構成部材および基板保持部材において照射される測定対象部位が失透状態に加工されていることで、レーザ光がその測定対象部位において反射されて、測定対象部位に接触することなく、直接流路構成部材や基板保持部材の位置を測定することが可能となる。この測定結果に基づき、位置調整装置を作動させることで、実際の測定値に基づく位置調整を行なうことができる。その結果、流路構成部材と基板保持部との位置ずれによりガスの流れが乱れることを防止し、均一な膜を被処理基板上に形成することが可能となる。
【0020】
上記気相成長装置において好ましくは、上記位置測定装置は上記流路構成部材を包囲し、気密状態を保持するチャンバーの外側に設けられている。この構成によると、チャンバーの気密性を害することなく、位置測定装置による測定を行なうことができる。
【0021】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記位置測定装置は、上記被処理基板に対向する平面内の直交する2軸に沿って移動可能であり、上記制御装置は、上記2軸上の各点における測定値から、流路構成部材の開口部の周縁と基板保持部材との間隔を算出し、この算出結果に基づいて位置調整装置を制御する。この構成によると、位置測定装置の測定結果に基づき、基板保持部材と流路構成部材との間隔を、適切な間隔に調整することができる。
【0022】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記位置測定装置は、流路構成部材および基板保持部材の測定対象部位の少なくとも3点について測定を行なうことが可能であり、上記制御装置は、上記少なくとも3点における測定値から、流路構成部材の開口部が形成された壁面と基板保持部材の表面との段差を算出し、この算出結果に基づいて位置調整装置を制御する。この構成によると、位置測定装置の測定結果に基づき、基板保持部材と流路構成部材の高さを、相互に適切な位置に調整することができる。
【0023】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記位置測定装置は、画像取得装置をさらに備え、上記制御装置は、上記画像取得装置で撮影した画像を処理して算出したデータに基づいて、流路構成部材の開口部と基板保持部材との被処理基板の主表面の面内方向における位置関係を調整するよう位置調整装置を制御する。この構成によると、位置測定装置の画像取得装置で取得した画像に基づき、基板保持部材と流路構成部材との位置関係を調整することができる。
【0024】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記画像取得装置により、上記基板保持部材の回転時の異なる位相における、少なくとも3つの画像データを取得し、上記各画像データから、各位相における基板保持部材の中心位置を算出し、上記算出した中心位置から、基板保持部材の回転時の、基板保持部材の中心の軌跡円を算出し、上記軌跡円の中心と上記開口部の中心位置とが一致するように位置調整装置を制御する。この構成によると、3枚の画像からなる画像データから、位置調整装置を制御するために必要なデータを取得することができる。
【0025】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記制御装置は、上記画像取得装置により、上記基板保持部材1回転する間の画像を連続的に撮影して画像データを取得し、上記画像データを処理して、直交する2軸上における基板保持部材の外周と流路構成部材の開口部周縁との間隔の最大値および最小値を算出し、上記最大値および最小値が、上記の直交する2軸上において等しくなるように位置調整装置を制御する。この構成によると、連続して撮影した画像データから、位置調整装置を制御するために必要なデータを取得することができる。
【0026】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記レーザ変位計の受光素子の前方に、上記レーザ変位計が出射するレーザ光を主に透過するバンドパスフィルタが配設されている。この構成によると、被処理基板が高温になり、被処理基板からレーザ光に干渉するような放射エネルギが放出されても、バンドパスフィルタによりそれらをカットすることができるので、その影響を回避しながら高温状態でも測定が可能である。
【0027】
上記気相成長装置においてさらに好ましくは、上記レーザ変位計の受光素子の前方には、上記レーザ変位計の受光素子への光の入射角度を制限するスリットが配設されている。この構成によると、被処理基板が高温になり、被処理基板からレーザ光に干渉するような放射エネルギが放出されても、スリットによりレーザ光と異なる方向からの光をカットすることができるので、その影響を回避しながら高温状態でも測定が可能である。
【0028】
この発明に基づいた気相成長方法に従えば、ガス供給口およびガス排出口に連通する反応室を構成し、そのいずれかの壁面に円形の開口部が形成された石英から構成された流路構成部材と、開口部に配設され被処理基板を保持して回転する円形の石英から構成された基板保持部材とを用いた気相成長方法であって、流路構成部材および基板保持部材において失透状態に加工された測定対象部位にレーザ光を照射して反射させることにより、流路構成部材と基板保持部材との位置関係を測定する工程と、測定された位置関係に基づいて、基板保持部材と流路構成部材との相対的な位置を調整する工程と、その相対的な位置を調整する工程の後、反応室内にガス供給口から所定のガスを供給して被処理基板の表面に所定の膜を成長させる工程とを備えている。
上記気相成長方法によれば、石英により構成された流路構成部材および基板保持部材において失透状態に加工された測定対象部位にレーザ光を照射することにより、レーザ光がその測定対象部位において反射されて、測定対象部位に接触することなく、直接流路構成部材や基板保持部材の位置を測定することが可能となる。そして、この測定結果に基づき、基板保持部材と流路構成部材との相対的な位置を調整することで、反応室内にガス供給口から供給される所定のガスの流れが乱れることが防止されて、被処理基板の表面に均一な膜を成長させることが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における気相成長装置の構造を示す平面図、図2は縦断面図、図3は被処理基板周辺の構造を示す拡大図、図4はレーザ変位計による計測状態を示す説明図、図5は基板保持部材と開口部の位置を示す平面図、図6はレーザ変位計の計測結果を示すグラフである。
【0031】
(気相成長装置の構造)
図1に示すように、この気相成長装置においては、内部を大気側と隔離し、気密状態を保持するチャンバー1の内部に筒状の流路構成部材7を配置しており、この流路構成部材7により直方体形状の反応室2を構成している。流路構成部材7の両端は、それぞれ上流側流路構成部材5および下流側流路構成部材6に連通している。上流側流路構成部材5の端部は、ガス供給口3を構成しており、下流側流路構成部材6の端部は、ガス排出口4を構成している。また、流路構成部材7は、反応室2の床を構成する平板状の底板部8と、側壁および天井を構成する天井部9の2つの部材によって構成されている。底板部8には、円形の開口部10が形成されており、その開口部10の内部には、被処理基板11を載置する基板保持部材12が設置されている。
【0032】
基板保持部材12は、適度な厚さを持った円盤状であり、表面には、被処理基板11が設置されるために、被処理基板11の寸法に適合した大きさで、被処理基板11の厚みと等しい深さの座ぐり12aが形成されている。基板保持部材12は、サセプタ13上に取り付けられるため、その裏面には、サセプタ13の外形寸法に適合した大きさの凹部12bが配設されている。
【0033】
サセプタ13は円筒状に構成され、サセプタ13は回転軸14に取り付けられて支持されている。回転軸14の他端は、モータ29に連結され、これらにより回転装置が構成されており、基板保持部材12および被処理基板11を回転駆動させることができる。サセプタ13の下部の回転軸14との間には被処理基板11を加熱するための基板加熱ヒーター15が設置されている。また回転軸14は、被処理基板11の自動搬送が可能なように、上下移動可能に構成されており、軸端は駆動装置のあるチャンバー外に導出されるが、この部分は磁気シール、その他の方法でシールされている。チャンバー1の略中央部、つまり被処理基板11の上方には、被処理基板11が視認できるよう、ビューポート16が設置されている。流路構成部材7は、保持台17によって支えられており、保持台17には、X、Y、Z軸方向に位置調整が可能となるよう、位置調整装置18が設置される。この位置調整装置18は、油圧シリンダーなどで構成されており、後述する位置測定装置の測定データに基づいて、流路構成部材7を水平方向および高さ方向に調整する。
【0034】
ビューポート16の上部には、変位測定機構としてのレーザ変位計24が、平面上を移動可能なように、XYステージ30に設置されている。レーザ変位計24のレーザ光は、測定対象に照射され、その測定対象部位で反射したレーザ光が受光部に入射する位置を検出して、測定対象の位置を検出するものである。ただしレーザ変位計は、これに限定されるものではなく、レーザ光の反射により位置を計測するものであれば、他の方式のものでも適用可能である。
【0035】
ビューポート16は、レーザ光を透過するガラスで構成される。ビューポート16のガラス面でのレーザ光の反射によって、誤測定を行わないように、レーザ変位計24の測定レンジ外にビューポート16のガラス面が位置している。また、ガラスの有無により、屈折率が変化し、レーザ変位計24の出力が変化する。そのため、レーザ変位計24の原点は、測定前にビューポート16のガラスを介した状態で調整する。
【0036】
流路構成部材7や基板保持部材12は、石英によって構成されているので、通常の状態では、光を透過してしまい、レーザ変位計24による測定は不可能である。そのため、レーザ変位計24で位置を測定する測定対象部位は、予めレーザ光が十分に測定を行なえる程度に反射可能なように、エッチング等の処理によって失透状態に加工されている。本実施の形態では、図3に示すように、基板保持部材12の被処理基板11の表面と同一平面を成すように構成された表面A、および、底板部8の反応室2内壁面が構成される表面Bに処理が施されている。この処理により、基板保持部材12および流路構成部材7の底板部8の測定対照部位は、レーザ光を十分に反射することが可能となる。この失透状態への加工は、エッチングに限定するものではなく、薄膜成長工程や洗浄工程に悪影響を及ぼさず、光透過しないような方法であれば、表面コーティング処理を行っても良い。
【0037】
基板保持部材12は、基板搬送装置20によって、下部ロードロック室21Lを介して、大気側から搬入出可能に構成されている。また、流路構成部材7も流路構成部材搬送装置22によって、大気側から搬入出可能に構成されている。
【0038】
(気相成長装置の動作)
次に、反応室2での位置決めの流れの一例を説明する。まず、流路構成部材7である、底板部8が流路構成部材搬送装置22によって、上部ロードロック室21Uを介して、真空中のチャンバー1の内部に搬入され、所定の位置へ載置される。このとき、チャンバー1の内部には、天井部9は無く、ビューポート16から底板部8が直接視認できる状態である。
【0039】
次に、大気側から被処理基板11を載置した基板保持部材12が、下部ロードロック室21Lを介して、基板搬送装置20によって、真空中のチャンバー1の内部に搬入される。その際、サセプタ13を支持する回転軸14は降下しており、サセプタ13上へ基板保持部材12を載置可能な状態となっている。
【0040】
その後、基板保持部材12は、基板搬送装置20からサセプタ13上へ受け渡され、回転軸14が再び上昇することで、反応室2まで移動する。この状態では、基板搬送装置20によって決められた位置へ配置されているだけで、その相対位置関係の調整はなされていない。
【0041】
図4および図5に基板保持部材12と底板部8の位置関係を示す。図4に示すように、基板保持部材12の表面Aは、底板部8の表面Bと、同一平面を構成する必要がある。図5に示すように、基板保持部材12の端部と底板部8の開口部10の周縁間の距離も等しく保たなければならない。このように構成することによりガスの流れを乱すことなく薄膜の形成が可能となる。そのためには被処理基板11の表面を基準平面として、これに対する流路構成部材7の位置ずれを算出する必要がある。そこで、図4に示すように、X軸またはY軸に沿ってレーザ変位計24を移動させ、X軸、Y軸上の各点における、表面A、表面BのそれぞれのZ軸座標を記録して、被処理基板11、基板保持部材12、および、流路構成部材7の底板部8の位置情報を得る。
【0042】
このようにして得られた位置情報を図6に示す。図6は、横軸にXYステージのX軸またはY軸に沿う移動量を、縦軸にレーザ変位計24により計測した測定対象部位との距離をプロットしたものである。したがって、横軸はX軸またはY軸上の座標を示し、縦軸はZ軸の座標を示している。底板部8のX軸またはY軸に沿う位置における、基準平面(被処理基板11の表面)に対する段差および傾きは、表面Bに対応する領域B1およびB2のZ軸座標と、表面Aに対応する領域AのZ軸座標を比較することにより求められる。
【0043】
基板保持部材12の外周と底板部8の開口部10の周縁との間隔は、領域A,B1,B2と比較して、大きくレーザ変位計24の出力が変化する個所であるS1、S2より求められる。このように基板保持部材12の外周と底板部8の開口部10のエッジの間には、空間が存在するため、レーザ光の反射位置が他と比較して大きく変化するため、この隙間部だけ大きく計測値が変化する。
【0044】
以上のようなXYステージ30の移動量の出力信号とレーザ変位計24の出力信号によって、位置決めに必要な情報が得られるため、位置調整装置18を制御する制御装置23を介して、位置調整装置18を駆動させ流路構成部材7の姿勢を微調整し、流路構成部材7の底板部8と基板保持部材12との相対位置関係を調整することで、精度良く確実に位置決めすることができる。
【0045】
最後に、天井部9が流路構成部材搬送装置22によって、上部ロードロック室21Uを介して、真空状態のチャンバー1の内部に搬入され、所定の位置へ載置される。ここでは、ビューポート16からのレーザ光を遮らないように、天井部9を外した状態で位置決めを行っているが、天井部9が、レーザ光を十分に透過するほど透明性を有している場合や、レーザ光が通過する個所へスリット等の隙間が設けてあるような場合であれば、天井部9が所定位置に載置された状態で位置決めを行うことも可能である。
【0046】
また、本実施の形態によれば、基板保持部材12や底板部8への半導体薄膜結晶の洗浄工程のエッチング処理によって、徐々にその寸法が変化していった場合でも、実際の相対位置関係を位置測定装置により測定して求め、位置決めを行うので、常に実際の寸法に基づいた確実な位置決めが可能である。また変位測定機構であるレーザ変位計24は、反応室2およびチャンバー1の外の大気側へ設置することができるため、基板保持部材12と底板部8の相対位置関係の位置決めにおいて、反応室2を大気暴露することがない。その結果、従来のように真空ベークアウトなどの方法により残留酸素、残留水分除去を行う必要も無くなり、時間的ロスを削減し、生産性を向上させることが可能となる。
【0047】
(実施の形態2)
次に本発明に基づく第2の実施の形態について、上記実施の形態と異なる構成のみを説明する。図7は本実施の形態の気相成長装置の構造を示す平面図、図8は画像取得装置により撮影した画像イメージ、図9は基板保持部材の回転状態を示す説明図、図10は部分拡大した画像取得装置の画像を用いた処理方法を示す説明図、図11は画像取得装置の画像を用いた処理方法を示す説明図である。本実施の形態においては、位置測定装置としてレーザ変位計24、および、画像取得装置としてのCCD(Charge Coupled Device)カメラ25が設置されている。画像取得装置としては、上記のCCDカメラの他、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)など他の方式の固体撮像素子を備えたカメラを用いてもよい。
【0048】
上記実施の形態1では、位置測定装置としてレーザ変位計24のみを用い、基板保持部材12と底板部8の傾き、および開口部10の周縁と基板保持部材12の端部の隙間を測定しているが、その中でも隙間の測定においては、レーザ光のスポット径が精度に大きく影響するため、必要な位置合わせ精度が得られない可能性がある。
【0049】
たとえば、底板部8の開口部10の周縁において、レーザ光のスポット径が0.3mmの場合、エッジ部分にレーザ光が当たっている状態から当たらなくなる状態まで、0.3mmのストロークが存在することになる。そのため最大0.3mmの誤差が含まれることになり、必要な精度0.1mmを得ることができない。そこで、本実施の形態では、基板保持部材12と底板部8のエッジ間の間隔を測定する方法として、CCDカメラ25による画像撮影を行い、撮影された画像を処理することによって、両者の間隔を測定する。
【0050】
図8にCCDカメラ25によって撮影される画像イメージを示す。CCDカメラ25の選択にあたっては、円形の開口部10の直径D1、位置決め精度の要求仕様を考慮して、適当な画素数のCCDカメラが選択される。たとえば、基板保持部材12の直径D2が80mm、開口部10の直径D1が82mmの場合、両者の隙間は、片側1.0mmとなり、その位置決めに要求される精度が0.1mmとした場合には、少なくとも1画素が0.1mm以下である必要がある。この場合、D1=82mm全てを画面内に収めるためには、最低820×820=672,400画素のCCDカメラが必要となる。
【0051】
次に、撮影されたCCDカメラ25の画像から、基板保持部材12の端部と底板部8の開口部10の周縁の間隔を求める方法について説明する。基板保持部材12が静止した状態ならば、X軸、Y軸上の間隔Lx1,Lx2,Ly1,Ly2を算出し、これらが等しくなるように位置調整すれば良い。
【0052】
基板保持部材12を回転させると、通常は装置作製時の誤差等のために、わずかに偏心しながら回転する。図9に誇張して示すように、基板保持部材12の外周は、図9に破線で示すような、ずれた位置に分布する。したがって基板保持部材12の外周を基準とした中心O1と、基板保持部材12を回転しさせたときの回転軸とは完全には一致しない。図9に示すように、基板保持部材12の回転時には、基板保持部材12の中心O1は、円形の軌跡を描きこの軌跡円の中心Oが実際の回転軸となる。このように、基板保持部材12の中心O1と、軌跡円の中心すなわち回転軸Oとが一致していない場合には、間隔Lx1,Lx2,Ly1,Ly2の値は、回転時の位相ごとに変化していく。したがって、最適な位置合わせを行うためには、底板部8の開口部10の中心O2と、基板保持部材12の実際の回転軸である、基板保持部材12の中心O1が描く軌跡円の中心Oとを一致させる必要がある。
【0053】
まず、回転の位相をずらした、少なくとも3枚のCCDカメラ画像を撮影する。開口部10の中心O2は、その開口部10の周縁の少なくとも任意の3点を検出することで算出できる。同様に、基板保持部材12の外周を基準とした中心O1は、基板保持部材12の外周の少なくとも任意の3点を検出することで算出できる。これにより位相の異なる画像データ3枚から、基板保持部材12の中心O1が描く軌跡円の中心Oを求めることができる。このようにして求めた軌跡円の中心Oと、開口部10の中心O2の座標データから、X−Y平面上での位置合わせ量を求めることができる。
【0054】
本実施の形態においては、開口部10の全体が入る画像データから変位量を求めているが、用いるCCDカメラの画素数が必要な位置合わせ精度に不充分な場合には、部分的に拡大した画像を用いて、同様の処理を行うことで、位置合わせ量を求めることができる。図10に部分拡大したCCDカメラ画像を用いた処理方法を示す。図10に示すような部分拡大した画像を順に撮影し、回転時の位相が異なる3枚の画像を取得する。これらの画像から上記と同様に、基板保持部材12の中心O1が描く軌跡円の中心Oおよび、開口部10の中心O2の座標を求めることができる。
【0055】
本実施の形態の変形例について、図11に基づき以下に説明する。図11は、CCDカメラ25によって撮影される画像イメージとその処理方法を示す概念図である。上述のように、基板保持部材12の回転時には、基板保持部材12の端部と底板部8の開口部10の周縁の隙間の間隔(図11に、Lx1,Lx2,Ly1,Ly2で示す)は変動している。この影響を最小限にするには、X軸、Y軸上の4箇所の隙間の間隔Lx1,Lx2,Ly1,Ly2が、等しい範囲で変動するように調整すれば良い。この方法について、以下に説明する。
【0056】
まず、CCDカメラ25により、基板保持部材12が1回転する間の画像を連続的に撮影する。これを画像処理して、図11に示す4箇所の間隔Lx1,Lx2,Ly1,Ly2のそれぞれの最大値および最小値を求める。次に、その最大値と最小値の差、すなわち変動幅ΔLx1,ΔLx2,ΔLy1,ΔLy2を求め、ΔLx1とΔLx2が等しくなる方向のX軸方向の移動量を求め、同様に、ΔLy1とΔLy2が等しくなる方向のY軸方向の移動量を求める。ここで求められたX軸、Y軸方向の移動量に基づき、制御装置23を介して位置調整装置18を駆動させ、流路構成部材7の位置決めを行う。
【0057】
次にレーザ変位計24による測定方法について説明する。上記実施の形態1においては、開口部10の周縁と、基板保持部材12の外周の間隔もレーザ変位計24で測定しているため、レーザ変位計24を移動させ、X軸およびY軸上の各点において測定する必要がある。本実施の形態のように、CCDカメラ25によって、上記の間隔を測定する場合は、実施の形態1のように、レーザ変位計24を移動させながら各点において計測する必要はない。
【0058】
基板保持部材12と流路構成部材7の底板部8の段差を求めるだけであれば、基板保持部材12および底板部8それぞれについて、任意の少なくとも3点のZ軸方向の高さを計測することで、それぞれの平面座標を決定することができ、位置合わせを行うことが可能となる。したがって、実施の形態1のようにレーザ変位計24の移動量と測定値を同期させて連続的に測定する必要は無く、ある3点におけるZ軸の値を測定すれば足りる。
【0059】
また、この場合、予め測定するポイントを決めておき、測定に必要な個数のレーザ変位計24を設置しておくことで、XYステージ30を省略することもできる。尚、本実施の形態でも、実施の形態1に記載されている測定方法を用いてもよいことは言うまでも無い。
【0060】
上記実施の形態1および2に記載したような気相成長装置においては、気相成長温度が1100℃の高温になることもあり、この場合基板保持部材12、サセプタ13、底板部8が熱膨張し、それぞれの部材に用いられている材料の熱膨張係数の差、温度差により、基板保持部材12と底板部8の相対位置関係がずれることがある。特に、底板部8は石英製であるのに対し、サセプタ13は耐熱性および耐薬品性に優れるカーボン材料やセラミック材料で構成されている。このように底板部8とサセプタ13とは材質が異なるため、その熱膨張率の差に起因してZ軸の高さにずれが発生する。そのため、高温状態での位置ずれを予め測定しておき、温度に応じて高さ調整を行うことが必要である。
【0061】
一般にレーザ変位計24に用いられるレーザ波長は、赤色もしくは赤外領域である。加熱対象物の温度が上昇するに従って、加熱対象物から放射される放射エネルギの波長は短波長側へシフトしていく。そのため、たとえばサセプタ13の温度が1100℃に達した場合には、レーザ光の波長と干渉して受光部において、反射したレーザ光の検出が不可能になる。
【0062】
そこで、上記の実施の形態に用いられる位置測定装置であるレーザ変位計24に、レーザ光の波長を主に透過するバンドパスフィルタを、レーザ反射光の受光素子の手前に設置する。このようなバンドパスフィルタを受光素子の手前に設置することにより、放射エネルギの干渉を低減させ、高温状態での測定が可能となる。
【0063】
また、レーザ反射光の受光素子に対する光の入射方向を制限するスリットを、受光素子の手前に設置してもよい。受光素子に上記のようなスリットを設置して、受光素子への反射したレーザ光が入射する方向以外からの不要な放射エネルギの入射を低減させることで、反射したレーザ光を主に検出することができるので、高温状態でも測定が可能となる。尚、バンドパスフィルタおよびスリットのいずれか一方を設置するようにしても良いし、両方を設置してもよい。
【0064】
以上のように放射エネルギの干渉を防止する対策を行うことで、高温状態での位置計測が可能となる。これにより、高温状態での位置ずれを予め測定しておき、高温状態の各温度で測定データに基づき高さ調整を行うことが可能となる。
【0065】
上記実施の形態では、流路構成部材7の床部に円形の開口部10を形成し、その開口部10に基板保持部材12を介して被処理基板11の主表面が上を向くようにしたが、開口部10を流路構成部材7の天井部9に形成し、天井部9の天井面に開口部10を形成し、被処理基板11の主表面が下向きになるようにしてもよい。
【0066】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によると、流路構成部材と基板保持部との位置ずれを修正することができて、この位置ずれによるガスの流れが乱れを防止でき、被処理基板上に均一な膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に基づいた実施の形態1における気相成長装置の構造を示す平面図である。
【図2】 この発明に基づいた実施の形態1における気相成長装置の構造を示す縦断面図である。
【図3】 この発明に基づいた実施の形態1における気相成長装置の被処理基板周辺の構造を示す拡大図である。
【図4】 この発明に基づいた実施の形態1における気相成長装置のレーザ変位計による計測状態を示す説明図である。
【図5】 この発明に基づいた実施の形態1における気相成長装置の基板保持部材と開口部の位置を示す平面図である。
【図6】 この発明に基づいた実施の形態1における気相成長装置のレーザ変位計の計測結果を示すグラフである。
【図7】 この発明に基づいた実施の形態2における気相成長装置の構造を示す平面図である。
【図8】 この発明に基づいた実施の形態2における画像取得装置により撮影した画像イメージである。
【図9】 この発明に基づいた実施の形態2における基板保持部材の回転状態を示す説明図である。
【図10】 この発明に基づいた実施の形態2における部分拡大した画像取得装置の画像を用いた処理方法を示す説明図である。
【図11】 この発明に基づいた実施の形態2における画像取得装置の画像を用いた処理方法を示す説明図である。
【図12】 従来の技術における気相成長装置の構造を示す縦断面図である。
【図13】 従来の技術における気相成長装置の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバー、2 反応室、3 ガス供給口、4 ガス排出口、7 流路構成部材、8 底板部、9 天井部、10 開口部、11 被処理基板、12 基板保持部材、18 位置調整装置、19 位置測定装置、20 基板搬送装置、23 制御装置、24 レーザ変位計、25 CCDカメラ(画像取得装置)。
Claims (10)
- ガス供給口およびガス排出口に連通する反応室を構成し、そのいずれかの壁面に円形の開口部が形成された流路構成部材と、前記開口部に配設され被処理基板を保持する円形の基板保持部材と、前記基板保持部材を回転駆動させる回転装置とを備えた気相成長装置であって、
前記被処理基板の主面に垂直な方向には、前記被処理基板との距離を測定するレーザ変位計を含む位置測定装置が配設され、
前記流路構成部材および前記基板保持部材は石英により構成され、
前記流路構成部材の開口部が形成された壁面および基板保持部材の表面の、前記位置測定装置による測定対象部位は、前記位置測定装置から出射するレーザ光を少なくとも測定に必要な程度に反射させるために失透状態に加工され、
前記流路構成部材と前記基板保持部材との位置関係を調整する位置調整装置、および、前記位置測定装置により得られたデータに基づいて前記位置調整装置を制御する制御装置を備えた、気相成長装置。 - 前記位置測定装置は、前記流路構成部材を包囲し、気密状態を保持するチャンバーの外側に設けられている、請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記位置測定装置は、前記被処理基板に対向する平面内の直交する2軸に沿って移動可能であり、
前記制御装置は、前記2軸上の各点における測定値から、流路構成部材の開口部の周縁と基板保持部材との間隔を算出し、この算出結果に基づいて位置調整装置を制御する、請求項1または2に記載の気相成長装置。 - 前記位置測定装置は、流路構成部材および基板保持部材の測定対象部位の少なくとも3点について測定を行なうことが可能であり、
前記制御装置は、前記少なくとも3点における測定値から、流路構成部材の開口部が形成された壁面と基板保持部材の表面との段差を算出し、この算出結果に基づいて位置調整装置を制御する、請求項1〜3のいずれかに記載の気相成長装置。 - 前記位置測定装置は、画像取得装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記画像取得装置で撮影した画像を処理して算出したデータに基づいて、流路構成部材の開口部と基板保持部材との被処理基板の主表面の面内方向における位置関係を調整するよう位置調整装置を制御する、請求項1〜4のいずれかに記載の気相成長装置。 - 前記制御装置は、前記画像取得装置により、前記基板保持部材の回転時の異なる位相における、少なくとも3つの画像データを取得し、
前記各画像データから、各位相における基板保持部材の中心位置を算出し、
前記算出した中心位置から、基板保持部材の回転時の、基板保持部材の中心の軌跡円を算出し、
前記軌跡円の中心と前記開口部の中心位置とが一致するように位置調整装置を制御する、請求項5に記載の気相成長装置。 - 前記制御装置は、前記画像取得装置により、前記基板保持部材が1回転する間の画像を連続的に撮影して画像データを取得し、
前記画像データを処理して、直交する2軸上における基板保持部材の外周と流路構成部材の開口部周縁との間隔の最大値および最小値を算出し、
上記最大値および最小値が、上記の直交する2軸上において等しくなるように位置調整装置を制御する請求項5に記載の気相成長装置。 - 前記レーザ変位計の受光素子の前方には、前記レーザ変位計が出射するレーザ光を主に透過するバンドパスフィルタが配設されている、請求項1〜7のいずれかに記載の気相成長装置。
- 前記レーザ変位計の受光素子の前方には、前記レーザ変位計の受光素子への光の入射角度を制限するスリットが配設されている、請求項1〜8のいずれかに記載の気相成長装置。
- ガス供給口およびガス排出口に連通する反応室を構成し、そのいずれかの壁面に円形の開口部が形成された石英から構成された流路構成部材と、前記開口部に配設され被処理基板を保持して回転する円形の石英から構成された基板保持部材とを用いた気相成長方法であって、
前記流路構成部材および前記基板保持部材において失透状態に加工された測定対象部位にレーザ光を照射して反射させることにより、前記流路構成部材と前記基板保持部材との位置関係を測定する工程と、
測定された前記位置関係に基づいて、前記基板保持部材と前記流路構成部材との相対的な位置を調整する工程と、
前記相対的な位置を調整する工程の後、前記反応室内に前記ガス供給口から所定のガスを供給して前記被処理基板の表面に所定の膜を成長させる工程と
を備えた、気相成長方法。
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