JP3964293B2 - 電極板洗浄機能付き電気集塵機 - Google Patents

電極板洗浄機能付き電気集塵機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばダイキャスト成形作業等において発生するミストとダストが混在する粉塵を電気集塵機により集塵する際に、荷電部及び集塵部の各電極板に付着堆積する粉塵を、集塵運転を続けた状態のまま水洗浄することができるように工夫した電極板洗浄機能付き電気集塵機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
荷電部及び集塵部の各電極板に付着堆積する粉塵を水洗浄する機能を備えた電気集塵機に付いては、従来より、ノズルから電極洗浄液を噴霧することにより、集塵極や放電極に付着堆積した粉塵を洗い落して、電極における異常放電(火花発生)を防止するように構成したものが存在する。(例えば、特許文献1及び2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平3−26353号公報
【特許文献2】
特開平3−16663号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記各特許文献に記載されている従来の電気集塵機は、洗浄時の異常放電を防止するために、電極板洗浄時には電圧を低く制御して運転するように構成されている。その結果、電極板洗浄時には集塵性能の低下を招いてしまう問題があった。
加えて、電極板洗浄時に高圧電極を保持する碍子等の絶縁手段に水分を含んだ粉塵(水洗ミスト)が多く付着するため、絶縁性が低下して沿面放電を引き起こしたり、高圧電流を短絡させてしまう等の不具合が発生する問題もあった。
【0005】
また、従来の電気集塵機には、ゴミ等の異物の流入を防止するために入口部分にデミスターが設けられているが、このデミスターによって電極水洗用のミストのおおよそ70%近くが捕集されてしまうため、電極洗浄水をその分多く給水する必要があり、その結果、洗浄水の無駄が多く発生する問題があった。
【0006】
そこで本発明の技術的課題は、電極板洗浄の際の洗浄ミストが、電極板の異常放電や高圧電流の短絡を招かないように構成することによって、水洗浄を行いながら通常電圧にて通常の集塵を行うことができると共に、洗浄水の消費量を最小限に留めて洗浄効果を維持できるように工夫した電極板洗浄機能付き電気集塵機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明では前記請求項1に記載の如く、本体内部に、気流中に含まれている微粉塵やミスト等の粒子に高電圧を荷電させる高電圧荷電部と、これ等荷電された粒子を捕集する集塵部とを納め、上記高電圧荷電部の空気流入側に水洗浄用ノズルを設け、本体底部には排水受けタンクを備えた電極板洗浄機能付き電気集塵機であって、上記高電圧荷電部と集塵部のいずれか一方又は両方を、給電部材に支持された複数の荷電極板と、接地部材に支持された複数の接地電極板とを間隔をあけて交互に並設し、これ等給電部材と接地部材の間を碍子等の絶縁手段によって互いに保持せしめ、且つ、この絶縁手段を主気流から外れた位置に設けた構成にする一方、上記高電圧荷電部の空気流入側に整流板を設け、整流板の空気流入側には上記の水洗浄用ノズルを設けて、この水洗浄用ノズルを水と空気とを混合して整流板に向けて噴射する水噴射構造に構成すると共に、水洗浄用ノズルには、供給されてくる水と空気を混合しながら所定の粒径ミストに調整して噴射することができる水圧・水量調整手段および空気圧・空気量調整手段を具備せしめたことを特徴とする。
【0008】
(2) また、本発明では前記請求項2に記載の如く、前記水洗浄用ノズルの空気流入側に、デミスターを設けたことを特徴とする。
【0009】
(3) また、本発明では前記請求項3に記載の如く、前記集塵部の空気流出側に、整流板を設けたことを特徴とする。
【0010】
(4) また、本発明では前記請求項4に記載の如く、前記水洗浄用ノズルから噴射される水のミスト粒子が30〜40μmと成るように、前記水圧及び水量調整手段と空気圧及び空気量調整手段を自動又は手動にて調整することができる調整手段が具備されていることを特徴とする。
【0011】
(5) 更に本発明では、前記請求項5に記載の如く、前記荷電部及び集塵部の各電極に対する印加電圧を監視するための荷電極用電圧計と集塵極用電圧計が具備されていることを特徴とする。
【0012】
前記(1)で述べた手段によれば、噴射された洗浄水のミストが整流板を通過して高電圧荷電部と集塵部内に向けて導入可能なように、水と空気を混合して所定の大きさの粒径ミストに調整して噴射するため、整流板の手前で洗浄ミストが水滴に成って落下することを最小限に留めることができると共に、所定粒径の洗浄ミストは各電極板の面に対して効果的に水の膜を付着形成することに成るため、電極板に付着堆積した粉塵を効果的に洗い流したり、粉塵の付着堆積を防止することができる。
更に整流板は、各電極板に対して水の膜を一様に付着させることができると同時に、電極内に於ける洗浄ミストの乱流を最小限に抑制できるため、高圧電極を保持する碍子等の絶縁手段を主気流から外れた位置に於ける防汚機能と相俟って、絶縁板への洗浄ミストの付着を防止して、高圧電流の短絡を防止することを可能にする。
【0013】
前記(2)で述べた手段によれば、水洗浄用ノズルの上流にデミスターを設けたため、集塵機内部に大きなゴミが流入することがなく、また、この水洗浄用ノズルの下流には整流板が設けられている関係で、水洗浄用ノズルから噴射された洗浄ミストの流れが均一に分散されるため、洗浄効果が失われることなく電極板に対して一様に洗浄水の膜を形成することができるものであって、その結果、洗浄水の無駄を最小限に抑えることを可能にする。
【0014】
前記(3)で述べた手段によれば、整流板を流入側と流出側の両側に設けることに成るため、荷電部及び集塵部内での空気速度分布の状態をより安定させて、各電極に対して一様に洗浄水の膜を形成することができるものであって、優れた洗浄効果と粉塵の付着防止効果を発揮することを可能にする。
【0015】
前記(4)で述べた手段によれば、自動式又は手動式の調整手段を用いて、洗浄水のミストの粒子を30〜40μmに調整するため、電極に対して一様に洗浄水の膜を形成することができる。即ち、ミストのサイズがあまり大きいと整流板に衝突、落下して効果を失い、反対にあまり小さいと気流に乗って排出されてしまうが、上記30〜40μmの大きさに調整した洗浄水のミストは、電極に対して効果的に作用して、優れた洗浄効果と一様な洗浄水の膜の形成を可能にする。
【0016】
前記(5)で述べた手段によれば、荷電極用電圧計及び集塵極用電圧計を用いて、各電極への印加電圧が規定電圧より低くならないように監視しながら運転できるため、上記洗浄水のミストの粒子を30〜40μmの大きさに調整することを可能にする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、上述した本発明に係る電極板洗浄機能付き電気集塵機の実施の形態を図面と共に説明すると、図1(A)は本発明の内部構造を示した一部断面正面図、(B)はその左側から水洗浄用ノズルの配列を見た側面図を示す。
これ等の図面に於いて符号1で全体的に示したのは集塵機の本体、1R,1Rは本体1の前面に開閉又は取り外し自在に設けた扉体、2はこの本体1の一側に連設した粉塵を含んだ気流の吸引室、2Aはその上面部に設けた吸引口、3は本体1の上面部に設けたファン室、3Aはその上面部に設けた排気筒、4は本体1の底部に設けたドレンパン及びドレンパンに接続したドレン排出口(いずれも図示省略)を有する排水受けタンクであって、上記ファン室3内に設けたファン (図示省略)の回転による吸引作用によって、粉塵を含んだ気流が吸引口2Aより吸引室2の内部2Hを経て本体1内に吸引されて濾過され、濾過された後の清浄空気がファン室3を通って排気筒3Aより外部に排気される仕組に成っている。
【0018】
更に図中、5は上記吸引室2の内部2Hに設けたデミスター、6…は上記吸引室2の内部2Hに於けるデミスター5の下流部分に設けた水洗浄用ノズル、6Tはその取付材であって、これ等各ノズル6…からは図5に示した制御装置に制御されて水と空気が混合され、且つ、ミストの粒子が30〜40μmに調整された洗浄水が、この水洗浄用ノズル6…の下流、具体的には前記本体1内の入口部分に設けた前部の整流板7に向けて噴射(噴霧)される仕組に成っている。
【0019】
図4は上記の整流板7と、後述する後部整流板8の一例を示した平面図であって、図中、7P…,8P…は各整流板7,8に多数設けた整流穴で、実験ではこれ等整流穴7P,8Pの開口率が夫々29.3%のものが最適な整流効率を発揮することができたが、これは実施の一例であることは勿論である。
【0020】
また、図1に於いて10は上記本体1内に於ける前部整流板7の下流部分に設けた高電圧荷電部、20はこの高電圧荷電部10の下流部分に設けた集塵部、8は集塵部20の下流部分に設けた上記前部の整流板7と同じ構造の後部整流板、30は前記水洗浄用ノズル6…から噴射される洗浄ミストの水圧と水量及び空気圧と空気量を制御する制御部を示す。
【0021】
図5は、上記制御部30の構成を示したブロック図で、図示したように制御部30には水圧調整手段31と、水量調整手段32と、空気圧調整手段33と、空気量調整手段34が設けられていて、これ等各手段31〜34を制御部30で調整制御すると共に、上記荷電部10及び集塵部20の各電極への印加電圧が規定電圧より低くならないように、図1(A)に示した荷電極用電圧計41と集塵極用電圧計42を監視しながら運転することによって、各水洗浄用ノズル6…から噴射される洗浄水のミスト粒子が、30〜40μmに調整される仕組に成っている。
【0022】
上記デミスター5を通って吸引されて来る含塵気流は、前部の整流板7によって整流された後、高電圧荷電部10に入って含塵気流中に含まれている微粉塵やミスト等の粒子が荷電され、次いで集塵部20に入ってこれ等荷電された粒子が捕集されて清浄化された後、浄化空気が後部整流板8を経て上部のファン室3から排気筒3Aを通って外部に排出される。
【0023】
尚、上記図5で示した構成では、上記の各手段31〜34を制御部30が自動制御する仕組に成っているが、これを手動操作によってミストの粒子が30〜40μmと成るように調整するようにしてもよく、その選択は任意とする。
【0024】
図2は、上記本体1内に設けた高電圧荷電部10と集塵部20とから成る前後2段式電気集塵装置の構成を説明した平面図であって、高電圧荷電部10の構成は以下の如くである。
【0025】
図中、11と12は気流の流れる方向に間隔をあけて互いに組付けた前後の接地されたフレーム枠、13,13はその両外側の間隔を塞ぐように設けた左右の席板、14…は上下に設けた取付板(図示省略)を夫々上記前側のフレーム枠11の上下部分に取付けることにより、フレーム枠11,12のハウジング内部に間隔をあけて並設された複数枚の接地電極板(集塵板)を示す。
【0026】
15…は上下長手方向に多数設けたカシメ部に、多数本の針16…をカシメて取付けることによって構成した荷電極板で、この荷電極板15…は上記各接地電極板14…の各間隔内に1枚ずつ介在されている。更に図中、15Aは上記の荷電極板15…を取付けた荷電極用支持部材、17,17は上記左右の席板13,13の外側に突出した上記荷電極用支持部材15Aの両端部に取付けた給電板であって、この給電板17,17は碍子18…を用いて上記左右の席板13,13の外側に絶縁状態に固定保持されている。
【0027】
上記の給電板17,17は、上記左右の席板13,13との間に電界を生成できるように、これ等各席板13,13に近接した状態に設けられていて、本体1内を図面上左から右方向に流れる主気流(流路)から外れてこれ等給電板17,17と席板13,13との間の隙間に向けて流れ込んで来る気流中に含まれている微粉塵やミスト等の粒子を、各碍子18…に到達する前に接地された席板13,13に吸着して捕集する防汚機能を発揮する仕組に成っている。
【0028】
次に、上述した集塵部20の構成を同じく図2の記載に基づいて説明すると、図中、20Aは接地されたフレーム枠、20B,20Bはフレーム枠20Aの左右両側に取付けた席板、21…はこれ等フレーム枠20Aと左右の席板20B,20Bによって構成される集塵ハウジングの内部に間隔をあけて多数並設した接地電極板(集塵板)、22…は上記各接地電極板21…の各間隔内に平行に介在された荷電極板、23,23はこれ等各荷電極板22…を間隔的に取付けるスペーサ軸、24,24は上記の各接地電極板21…を間隔的に取付けるスペーサ軸、25…は各スペーサ軸23,23の両端部に取付けた高電圧給電板であって、このスペーサ軸23,23は実際には上記ハウジング内に計4本架設されており、また、上記の給電板25…は左右の席板20B,20Bの外側に合計4枚設けられていて、各荷電極板22…への給電と間隔保持を果たす仕組に成っている。
【0029】
26…は上記各給電板25…に設けた取付板と、各席板20Bに設けた取付枠との間に取付けた碍子であって、これ等の碍子26…は各給電板25…を接地された席板20B,20Bに対して絶縁状態に保持すると共に、各給電板25…と上記席板20B,20Bとの間に電界を生成できるように、該席板20B,20Bの外側面に近接した状態に支持して、図面上左側から右側の方向に流れる主気流から外れて、上記各席板20Bと各給電板25との流通空間に流れ込んで来る気流中に含まれている微粉塵やミスト等を、各碍子26…に到達する前にアース極、即ち、接地された席板20B側に捕集する防汚機能を発揮するように構成している。
【0030】
図2に示した2段式電集塵装置は以上述べた如き構成であるから、図面上右方向に流れる含塵空気の主気流は、先ず、高電圧荷電部10を通ることによって気流中に含まれている微粉塵やミスト等DSが荷電され、次いで、集塵部20の接地電極板21…にこれ等荷電された微粉塵やミスト等DSが吸着、捕集されて清浄化されるのであるが、本発明では特に、上記図面上の方向に流れる主気流から外れて高電圧荷電部10及び集塵部20の各流通空間の方向に流れ出す気流中に含まれている微粉塵やミスト等DSが、各碍子18…、並びに、26…に到達する前にアース極、即ち、接地された各席板13と20B側に捕集されるため、各碍子18…,26…に対する微粉塵等の付着を防止することができる。
【0031】
図3(A)と(B)は、本発明に於いて整流板7が果たす役割りを比較説明したものであって、(A)は整流板7Xによる整流が不充分である場合に於ける空気の流れを示し、(B)は前後の整流板7と8による整流が充分である場合の空気の流れを示したものである。
【0032】
上記(A)に示すように整流が不充分な場合は、両サイドの風速が速くなって各碍子18…,26…への気流の回り込み量が多くなるため、碍子18,26が汚れやすくなる。しかし、上記(B)に示すように整流が充分に行われる場合は、碍子18…,26…への気流の回り込み量が少くなり、合せて、各碍子18…,26…を主気流から外れた位置に設けた前記防汚機能の点と相俟って、各碍子18…,26…への微粉塵等DSの付着と、前記水洗浄用ノズル6…から噴射された洗浄水の付着を防止して、各碍子18…,26…を汚れにくくし、水付着等による電流の短絡をより一層抑えることができるものであって、本発明では上記(B)に示したように充分な整流を行うために、図4に示した如き構成の整流板7,8を用いるものである。
【0033】
図6と図7は、上記整流板7,8によって整流される気流の風速分布を測定する場合の構成したものである。図示した実施例では、本体1内に上述した高電圧荷電部10と集塵部20とから成る前後2段式の電気集塵装置が上下二層式に設けられていて、各上部と下部毎に入口側と出口側に上下3段で、且つ、各段毎に前記扉体11Rより背面側(奥側)に向けて夫々72mm,190mm,308mm,402mm,520mm,638mmの位置に測定ポイント(上部と下部で合計36箇所の測定ポイント)を設けて、各測定ポイント毎の風速を測定した。
【0034】
図8は、上記各測定ポイント毎の風速を表に示したものであって、図4に示した整流板7,8による整流の結果、装置内全体にほぼ均一な風速にて気流が流れていることが判明した。
【0035】
図9は、前記水洗浄用ノズル6…から洗浄水を噴射する本発明の装置を導入した後と、本発明の装置を導入する前に於ける前記各電極板14…,15…,21…,22…のメンテナンスサイクルを示したグラフであって、本発明導入前は1週間程度で各14…,15…,21…,22が粉塵の付着、堆積によって使用不可に成ったが、本発明の洗浄手段を導入後は、約6週間の運転使用が可能になった。
【0036】
本発明に係る電極板洗浄機能付き電気集塵機は以上述べた如き構成であるから、集塵機を運転しながら各電極板14…,15…,21…,22…を洗浄するために、各水洗浄用ノズル6…から洗浄水を噴射して、吸引した微粉塵やミスト等DSと水滴WT(図2参照)を混合する。混合された粒子は気流に乗って整流板7で気流を整流されて高電圧荷電部10で均一に荷電された後、集塵部20の接地電極板21…に吸着、捕集される。
【0037】
一般的に電気集塵機では、吸引ミスト等DSに水滴WTが混合すると、各電極板14,15,21,22の絶縁を維持する各碍子18…,26…に水滴WTが付着して絶縁が維持できなくなるが、本発明では各碍子18…,26…を主気流から少し外れた位置に設けた防汚機能により、各碍子18…,26…の絶縁が確保されているため、各電極板14,15,21,22を洗浄しながら集塵運転を続けることができる。また、各電極板14,15,21,22には噴射された水の膜が一様に付着形成されるため、微粉塵やミスト等DSの付着を最小限に抑えることができる。
【0038】
各電極板14,15,21,22に洗浄水を的確に行き渡らせるには、各電極板14,15,21,22に対して整流板7を用いて均一に気流を流す必要がある。しかし、整流板7の前段から水洗浄用ノズル6から洗浄水を噴射した場合、整流板7が障害になる。一方、気流の面からは整流板7は必要な部品であるため、整流板7を通しても水滴WTの通過ロスが少く、且つ、均一に各電極板14,15,21,22に水滴WTが当るように水滴径等を調整する必要がある。
【0039】
そこで本発明では、前記制御部30によって水圧と水量及び空気圧を調整して、供給水量1.93l/hr.m2で、水滴径を30μm〜40μmにすることで、整流板7によるロスを少くし、且つ、集塵部20の奥まで均一に水滴WTの噴霧を可能にした。
【0040】
【発明の効果】
以上述べた次第で、本発明に係る電極板洗浄機能付き電気集塵機によれば、集塵運転を続けながら水洗浄用ノズルから洗浄水を噴射して各電極板を洗浄するため、集塵機内の火災の原因となる着火源の消火と火災発生の防止が可能であり、また、各電極板のメンテナンスサイクルを大幅に延ばすことができるため、メンテナンスコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る電極板洗浄機能付き電気集塵機の内部構造を説明した一部断面正面図、(B)は水洗浄用ノズルの配置を明らかにした本発明の側面図。
【図2】本発明の要部の構成を説明した平面図。
【図3】(A)は整流が不充分な場合の気流の方向を説明した要部の平面図、(B)は整流が充分な場合に於ける気流の方向を説明した平面図。
【図4】本発明で用いる整流板の一例を示した正面図。
【図5】洗浄水用の制御部の構造を説明したブロック図。
【図6】気流の風速測定ポイントを明示した説明図。
【図7】気流の風速測定ポイントを明示した説明図。
【図8】整流板によって整流された気流の風速分布を表わした表図。
【図9】洗浄水噴射システム導入前後に於ける各電極板のメンテナンスサイクルを示したグラフ。
【符号の説明】
1 電気集塵機の本体
5 デミスター
6 水洗浄用ノズル
7,8 整流板
10 高電圧荷電部
14 接地電極板
15 荷電極板
18,26 碍子
20 集塵部
21 接地電極板
22 荷電極板
30 制御部
41 荷電極用電圧計
42 集塵極用電圧計

Claims (5)

  1. 本体内部に、気流中に含まれている微粉塵やミスト等の粒子に高電圧を荷電させる高電圧荷電部と、これ等荷電された粒子を捕集する集塵部とを納め、上記高電圧荷電部の空気流入側に水洗浄用ノズルを設け、本体底部には排水受けタンクを備えた電極板洗浄機能付き電気集塵機であって、
    上記高電圧荷電部と集塵部のいずれか一方又は両方を、給電部材に支持された複数の荷電極板と、接地部材に支持された複数の接地電極板とを間隔をあけて交互に並設し、これ等給電部材と接地部材の間を碍子等の絶縁手段によって互いに保持せしめ、且つ、この絶縁手段を主気流から外れた位置に設けた構成にする一方、上記高電圧荷電部の空気流入側に整流板を設け、整流板の空気流入側には上記の水洗浄用ノズルを設けて、この水洗浄用ノズルを水と空気とを混合して整流板に向けて噴射する水噴射構造に構成すると共に、水洗浄用ノズルには、供給されてくる水と空気を混合しながら所定の粒径ミストに調整して噴射することができる水圧・水量調整手段および空気圧・空気量調整手段を具備せしめたことを特徴とする電極板洗浄機能付き電気集塵機。
  2. 前記水洗浄用ノズルの空気流入側に、デミスターを設けたことを特徴とする請求項1に記載の電極板洗浄機能付き電気集塵機。
  3. 前記集塵部の空気流出側に、整流板を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電極板洗浄機能付き電気集塵機。
  4. 前記水洗浄用ノズルから噴射される水のミスト粒子が30〜40μmと成るように、前記水圧及び水量調整手段と空気圧及び空気量調整手段を自動又は手動にて調整することができる調整手段が具備されていることを特徴とする請求項1に記載の電極板洗浄機能付き電気集塵機。
  5. 前記荷電部及び集塵部の各電極に対する印加電圧を監視するための荷電極用電圧計と集塵極用電圧計が具備されていることを特徴とする請求項1又は4に記載の電極板洗浄機能付き電気集塵機。
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