JP3963126B2 - 液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機 - Google Patents

液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体原料を凍結させた状態で乾燥することにより粉粒体状あるいは薄膜状の固体材料を得る装置に関するものであって、特にコンタミネーションの発生を防止するとともに品質劣化を引き起こすことがなく、更に製造効率を向上することのできる液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機に係るものである。
【0002】
【発明の背景】
従来より、食品、医薬品、農薬、飼料、化学薬品等の粉粒体の加工において、液状原料を凍結させた状態で真空乾燥することにより粉粒体等を得る装置としては、凍結室と乾燥室とを組み合わせるとともに、この乾燥室内にコンベヤを具えた乾燥機(例えば特公昭42−9719号)等が用いられている。しかしながらこのタイプの乾燥機を用いて液状原料を乾燥処理するにあたっては、以下に示すような問題点があった。
【0003】
すなわち前記特公昭42−9719号に開示された装置は、図9に示すように、液体原料L噴霧用のノズル50″は凍結部5″内の下部に上向き状態で具えられているため、凍結物Gが付着しやすい。この結果噴霧される液滴の大きさが不揃いになってしまい、更に付着物が成長して乾燥室10″内に落ち込んだ場合には乾燥ムラを引き起こしてしまう。
また凍結部5″を、凍結凝縮コイルを用いた強制冷却を行うものとしたため、凍結部5″が複雑化、大型化してコスト上昇を招くとともに、設置スペースを広く取ってしまっている。
更にまた乾燥室10″内にバイブレーションコンベヤが位置するためサニタリー性も不充分であり、このため異なる種類の液体原料を続けて処理するのには不向きであった。
【0004】
また液状原料Lを凍結させた状態で真空乾燥することにより粉粒体を得る装置としては、図10に示すタイプのものもある。この装置は乾燥室10′内に、適宜の冷却手段によって冷却されるドラムを具え、このドラム表面に液体原料Lを噴霧して薄膜状に凍結させた後、この凍結物Gをスクレーパによって掻き取り、その後乾燥室10′内において真空乾燥するものである。
そしてこのタイプの装置にあっても、冷却手段を具える必要があるため、装置の大型化、コスト上昇を招いてしまうといった問題があり、更にはスクレーパ及びドラムの磨耗を避けることはできないため、磨耗粉によりコンタミネーションが発生してしまったり、保守点検及び部品交換を含めたランニングコストの上昇を招いてしまう。
【0005】
【解決を試みた技術課題】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、液体原料を凍結シート上において貯留させた状態で自己凍結させることにより、装置の大型化を招いてしまうことなく、乾燥ムラや、コンタミネーションの発生、及びコストの上昇を回避することのできる、新規な液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機の開発を技術課題としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の液体原料の付着防止機能を具えた真空乾燥機は、内部空間を乾燥室とした筐体を具え、この筐体に乾燥室内を減圧するための真空発生装置を連通状態に接続し、前記乾燥室内に投入された液体原料を自己凍結させて得られた凍結物を真空乾燥して粉粒体状あるいは薄膜状の固体材料を得る装置において、前記筐体には、液体原料を凍結させて凍結物を得るための凍結部を具えるものであり、この凍結部は、熱容量の小さな断熱材を素材とした凍結シートを展張状態に具えるとともに、この展張状態の凍結シートを伸縮あるいは変形させるための機構を具えて成り、前記凍結シートの上方に液体原料供給用のノズルを具え、このノズルから凍結シート上に供給された液体原料を自己凍結させ、その後、凍結シートを伸縮あるいは変形させて凍結物を剥離した後、この凍結物を真空乾燥できるように構成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、ノズルから凍結シートに向けて噴霧した液体原料を、この凍結シート上において貯留しながら自己凍結させることができるため、特に自己凍結時間が数秒かかるような液体原料であっても、噴霧液滴が凍結するために必要な飛散空間を設ける必要がない。また凍結部に強制冷却手段を具える必要がないため、装置の小型化を図ることができる。
【0007】
更にまた請求項2記載の液体原料の付着防止機能を具えた真空乾燥機は、前記要件に加え、前記凍結シートが展張状態に具えられるにあたっては、羽根を具えた回転軸を囲繞し、且つ羽根の先端が凍結シート内側面と接触した状態で具えられるものであり、隣接する二枚の羽根の間に液体原料の貯留部を形成することを特徴として成るものである。
この発明によれば、回転軸を回転させて羽根の移動を行うことにより、隣接する二枚の羽根の間に展張状態で形成される貯留部を変形することができるため、凍結シートの伸縮及び羽根の作用によって、凍結物を容易に凍結シートから剥離することができる。
【0008】
更にまた請求項3記載の液体原料の付着防止機能を具えた真空乾燥機は、前記請求項2記載の要件に加え、前記凍結部における回転軸は、連続的な回転を行うもの、あるいは一定角度の回転を間欠的に行うものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、凍結シートに形成される貯留部を確実に水平状態として、液体原料の流出を防止することができる。
【0009】
更にまた請求項4記載の液体原料の付着防止機能を具えた真空乾燥機は、前記要件に加え、前記凍結部を、乾燥室内に具えたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、ノズルから凍結シートに向けて噴霧した液体原料を、この凍結シート上において貯留しながら乾燥室内において自己凍結させることができるため、特に凍結のためだけに用いる空間を設ける必要がない。また凍結部に強制冷却手段を具える必要がない。このため、装置の小型化を図ることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の液体原料の凍結機能を具えた真空乾燥機について説明するものであり、まず真空乾燥機Dの構成について説明した後、この装置の作動態様について説明する。なお真空乾燥機Dについては、この実施の形態では一例として真空振動乾燥機を採用する。
図1、2中符号Dで示すものが本発明の真空乾燥機であり、このものは内部空間を乾燥室10とした筐体1を弾性体2を介在させて状態で基台Bに載置するとともに、筐体1に取り付けたマウントブラケット3に対してバイブレータユニット4を具えて成る。また真空乾燥機Dは、前記乾燥室10内に凍結機構たる凍結部5を具え、更に周辺機器として、コンデンサ、真空ポンプ等を具えて成る真空発生装置6及び熱媒循環機7を具えるものであり、前記乾燥室10内を真空にするとともに間接加熱するように構成される。
このように構成される真空乾燥機Dは、ノズル50から凍結部5に向けて噴霧した液体原料L(以下噴霧液滴Mと呼ぶ)を、この凍結部5における貯留部51aにおいて自己凍結させて薄膜状の凍結物Gとし、続いてこの凍結物Gを乾燥室10内に導き、前記バイブレータユニット4によって筐体1を加振することにより流動させながら凍結物Gの乾燥処理を行い、粉粒体状あるいは薄膜状の固体材料を得るものである。
【0011】
以下真空乾燥機Dを構成する諸部材について詳しく説明する。
まず前記基台Bについて説明すると、このものは一例として図1、2に示すように、鋼材を適宜組み合わせて構成したものであり、この基台Bに対して四本の支持柱Cが立設される。
また前記弾性体2は、バネ、防振ゴム等の弾性部材によって一例として柱状に形成された部材である。
【0012】
次に前記筐体1について説明すると、このものは内部空間を乾燥室10とした横置き円筒状の部材であり、筐体1の側周に固定脚11を四脚形成し、また円筒両開口部に側板12を開閉自在に具える。
またこれら筐体1及び側板12の内側にはジャケット内板13を設け、更に熱媒ノズル14を取り付けるとともに、この熱媒ノズル14に温水等の熱媒循環機7を接続する。
【0013】
更に前記筐体1の側周部には投入口15を形成し、その逆側に位置する側板12に排出口16を形成し、更に筐体1のほぼ中央に排気口17を形成するとともに、この排気口17にフレキシブルパイプF等を用いて真空発生装置6を接続する。また前記筐体1の適宜の個所に測定口18を形成するものであり、この測定口18には温度センサ、湿度センサ等が取り付けられ、図示しない適宜の制御盤に接続される。
【0014】
なお前記排出口16は蓋体16aによって開閉されるものであり、この蓋体16aはダクト16bに具えたハンドル16cの操作によって排出口16に接近離反するものである。もちろん蓋体16aの開閉を、適宜モータを用いる等して人手を要さないように構成することもできる。
また筐体1の下部にはドレン口19が形成される。なおこの実施の形態では、乾燥室10を、排出口16側を水平線に対して1〜2°下方に傾斜させて基台B上に設置した。
【0015】
そして筐体1における投入口15の下方、すなわち乾燥室10内に凍結部5を具えるものであり、この凍結部5は側板12に対して取り付けられる。
また前記凍結部5の上部には、一例としてスプレーノズル等を適用したノズル50を具えるものであり、この実施の形態では前記ノズル50を噴出口が下向きになるように乾燥室10内に設置した。なおノズル50には管路が接続されるものであり、この管路に対して原料タンク50a、ポンプ50b及びバルブ50cを具えることにより、原料タンク50aに投入された液体原料Lを凍結部5に向けて噴霧できるように構成した。更にノズル50の材質としてフッ素樹脂を用いた場合や、ノズル50にフッ素樹脂をコーティング等した場合には、液体原料Lの付着防止に効果的である。
【0016】
ここで前記凍結部5について詳しく説明すると、このものは図3に示すように側面視逆U字型に形成した支持枠53の両側端に側板52を接続するとともに、この側板52に具えた軸受52aに、軸方向に沿って羽根56を具えた回転軸55を軸支して成る。また回転軸55は、適宜電動機、ギヤボックス等を具えて成る駆動ユニット5Mによって回転駆動される。
そして前記支持枠53の外側面に対して凍結シート51を配するとともに、押え枠54によりこの凍結シート51を支持枠53に対して固定する。この凍結シート51は、熱容量の小さな断熱材を素材として成るものであり、この実施の形態では一例としてフッ素樹脂シートが採用するが、ビニール、ナイロン、シリコン、ポリエステル等のシートを採用することもできる。
なお前記支持枠53及び押え枠54にはそれぞれ開口部53a、開口部54aが形成されるものであり、前記凍結シート51の外側面は、乾燥室10内において露出した状態となる。
【0017】
上述したように前記凍結部5を構成することにより、前記凍結シート51は、羽根56を具えた回転軸55を囲繞し、且つ羽根56の先端が凍結シート51の内側面と接触した状態となるものである。
そして凍結シート51の一部は、隣接する二枚の羽根56によって展張された状態となるものであり、この個所の表面部分を貯留部51aとする。
なおこの実施の形態では、図3に示すように前記羽根56の数を四枚としたが、この数に関しては得ようとする凍結物Gの大きさに応じて適宜選択することが可能であって、図5には一例として羽根56を六枚とした実施の形態を示した。この場合には、貯留部51aの幅が羽根56を四枚とした場合よりも狭くなるため、得られる凍結物Gは小さなものとなる。
【0018】
また前記筐体1の外周下部には、図1に示すようにマウントブラケット3を固着するとともに、このマウントブラケット3に対して偏芯錘を具えたバイブレータユニット4を固定する。
【0019】
本発明の真空乾燥機Dは一例として上述のようにして構成されるものであって、以下この真空乾燥機Dの作動態様について説明する。
(1)装置のセッティング
まず真空乾燥機Dの運転操作に先立ち、側板12によって筐体1の両開口部を閉鎖するとともに、排出口16を蓋体16aによって閉鎖する。また乾燥室10内に供給される凍結物Gの形状、重量等に応じて、バイブレータユニット4の回転数を決定し、振動周期、振幅の設定を行う。この実施の形態では一例として回転数を1800rpmとした。
更に真空発生装置6によって調節される乾燥室10内の圧力を設定し、熱媒循環機7によって循環する熱媒の温度及び流量を設定する。
また凍結部5の状態を次のように設定しておくものであり、図3(a)に示すように、隣接する二枚の羽根56の先端を同一水平面内に位置させることにより、これら二枚の羽根56によって展張された状態となる凍結シート51の一部を水平状態にしておく。なお実際には、この凍結シート51の水平部分は自重によって撓むものであり、この個所の表面部分が貯留部51aとなる。
【0020】
(2)液状原料の自己凍結
そして前記真空発生装置6を起動して乾燥室10内を真空状態とし、また熱媒循環機7を起動して熱媒の循環供給を開始する。
続いてポンプ50bを起動するとともに、バルブ50cの開度を適宜調節して、所定量の液体原料Lをノズル50から凍結部5に向けて噴霧するものであり、霧状となった噴霧液滴Mは、図3(a)に示すように凍結シート51における貯留部51aに滞留し、やがて時間の経過(数秒間)とともに温度が低下して薄膜状の凍結物Gとなる。
【0021】
なお前記ノズル50として、フラットノズル等を用いることにより、凍結シート51の長手方向全域に狭い幅で均等に噴霧液滴Mを供給することが可能となるものであり、更には乾燥室10の内壁への噴霧液滴Mの付着を回避することができるものである。
【0022】
(3)凍結物の剥離
そして噴霧液滴Mが充分に凍結した時点で、このものを凍結シート51から剥離する。具体的には駆動ユニット5Mを起動して回転軸55を一定角度間欠的に、あるいは連続的に回転させるものであり、図3に示した四枚の羽根56を具えた回転軸55の場合には90°回転させ、図5に示した六枚の羽根56を具えた回転軸55の場合には60°回転させる。この際、凍結シート51の裏面における羽根56との接触個所は変移するものであり、図4(b)に示すように貯留部51aが変形するため、凍結部Gは凍結シート51から剥離されて落下し、乾燥室10内に供給されることとなる。
【0023】
(4)乾燥動作
乾燥室10内に至った凍結物Gは、バイブレーションユニット4からの振動力を受けて流動しながら乾燥室10の長手方向広域に分布し、この状態で熱媒からの熱を間接的に受けて昇華乾燥する。
またこの際に生じた水蒸気は排気口17から真空発生装置6に至り、適宜外部に放出される。
【0024】
(5)排出動作
やがて凍結物Gの水分値が所望のものとなったことを、温度センサ等によって検知した時点で、あるいはあらかじめ設定しておいた処理時間が経過した時点で、排出口16を開放し、所望の乾燥状態となった粉粒体状あるいは薄膜状の固体材料として外部に排出する。
【0025】
(6)洗浄作業
なお、異なる種類の液体原料Lを続けて処理する場合には、真空乾燥機Dの洗浄が必要となるが、この実施の形態で示した真空乾燥機Dは、乾燥室10の内部構造がシンプルであり水洗洗浄を行うことが可能であるため、またノズル50から凍結シート51に向けて洗浄水を噴出してこのものを水洗洗浄することができるため、異なる種類の液体原料Lを続けて処理することが容易に行えるものである。
【0026】
上述したように本発明の真空乾燥機Dによれば、ノズル50から噴霧された噴霧液滴Mは、凍結部5内における貯留部51aにおいて自己凍結し、厚さ0.5〜2mm程度の薄膜状の凍結物Gとなる。その後、この凍結物Gは乾燥室10内に確実に落ち込むため、乾燥ムラやコンタミネーションの発生等を回避することができる。
【0027】
【他の実施の形態】
本発明は上述した実施の形態を基本となる実施の形態とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示すような実施の形態を採ることもできる。
まず凍結部5における凍結シート51を伸縮あるいは変形させるための機構について他の実施の形態を説明する。
すなわち上述した基本となる実施の形態は、回転軸55に具えた羽根56によって凍結シート51の変形を行うようにしたものであり、凍結シート51の裏面における羽根56との接触個所が変移するため、凍結シート51から凍結物Gを確実に剥離することができるものであった。
しかしながら凍結シート51を適宜フッ素樹脂でコーティングする等して剥離性を高めた場合には、図6に示すようなシリンダ58や適宜のリンク機構等を用いて凍結シート51の変形を行うような簡素な構成であっても凍結物Gを剥離することが可能である。
【0028】
また本発明の真空乾燥機Dは、内部空間を乾燥室10とした筐体1を具え、この筐体1に乾燥室10内を減圧するための真空発生装置6を連通状態に接続し、前記乾燥室10内に投入された液体原料Lを自己凍結させて得られた凍結物Gを真空乾燥して粉粒体状の固体材料を得る装置であり、前記筐体1には、液体原料Lを凍結させて凍結物を得るための凍結部5を具えるものであり、この凍結部5は、熱容量の小さな断熱材を素材とした凍結シート51を具えるとともに、この凍結シート51を伸縮あるいは変形させるための機構を具えて成り、前記凍結シート51の上方に液体原料供給用のノズル50を具えて成るものである。
従って前記乾燥機の構成についてはいわゆる真空乾燥機のカテゴリーに属するものであれば、種々の形態のものを採ることができるものである。以下二種類の真空乾燥機を例に挙げて説明を行う。
【0029】
〔円錐型リボン真空乾燥機〕
まず図7に示すように、真空乾燥機Dをいわゆる円錐型リボン真空乾燥機タイプのものとすることができる。このものは筐体1の一部または全てを逆円錐状に形成し、更にこの筐体1の内側にジャケット内板13を具えるとともに、筐体1とジャケット内板13との間の空間に加熱媒体を通過させることにより、乾燥室10内に投入した被処理物の乾燥を図る装置である。
なお前記筐体1及びジャケット内板13の上部開口部を天板1bによって閉鎖することにより、筐体1の内部空間を乾燥室10とするものであり、この天板1bに乾燥室10内を減圧するための真空発生装置6を連通する。
【0030】
また前記筐体1内には回転軸100に取りつけた回転翼101を具備するものであり、この回転翼101によって被処理物をジャケット内板13の内壁に沿って上昇させ、この上昇された被処理物を再度乾燥室10下部に落下させることを繰り返し行いながら、被処理物の乾燥促進を図るものである。
更に前記天板1bに形成した投入口15に対して凍結塔57を連通状態に具えるとともに、この凍結塔57内に凍結部5を具え、更にこの凍結部5の上部にノズル50を具るものである。ここで前記凍結塔57は、乾燥室10と連通状態となり、真空発生装置6の作用によって真空となる個所であるため、実質的に乾燥室10の一部を構成するものとしてとらえることができるものである。
【0031】
このように本発明を円錐型リボン真空乾燥機タイプの真空乾燥機Dとして構成した場合にも、ノズル50から噴霧された噴霧液滴Mは、凍結シート51における貯留部51a上で自己凍結し、薄膜状の凍結物Gとなる。その後、この凍結物Gは投入口15を通じて乾燥室10内に落ち込むため、乾燥ムラや、凍結塔57と乾燥室10との連通部を閉鎖してしまうこと等を回避することができる。
【0032】
〔ベルト式連続真空乾燥機〕
更にまた図8に示すように、真空乾燥機Dをいわゆるベルト式連続真空乾燥機タイプのものとすることができる。このものは両端を閉鎖した円筒状の筐体1を横置きし、この筐体1内に実質的に構成される乾燥室10の長手方向に沿ってベルトコンベヤ103を具えて成るものであり、このベルトコンベヤ103による搬送過程に蒸気加熱工程、温水加熱工程及び冷却工程を具えて被処理物の乾燥を図るものである。
そして前記乾燥室10に対して内部を減圧するための真空発生装置6を連通するように接続し、前記乾燥室10における投入口15に対して凍結塔57を連通状態に具えるとともに、この凍結塔57内に凍結部5を具え、更にこの凍結部5の上部にノズル50を具るものである。ここで前記凍結塔57は、乾燥室10と連通状態となり、真空発生装置6の作用によって真空となる個所であるため、実質的に乾燥室10の一部を構成するものとしてとらえることができるものである。
【0033】
このように本発明をベルト式連続真空乾燥機タイプの真空乾燥機Dとして構成した場合にも、ノズル50から噴霧された噴霧液滴Mは、凍結シート51における貯留部51a上で自己凍結し、薄膜状の凍結物Gとなる。その後、この凍結物Gは投入口15を通じて乾燥室10内におけるベルトコンベヤ103上に落ち込むため、乾燥ムラや、凍結塔57と乾燥室10との連通部を閉鎖してしまうこと等を回避することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、液体原料Lを凍結シート51上において貯留させた状態で自己凍結させることにより、装置の大型化を招いてしまうことなく、乾燥ムラや、コンタミネーションが発生、及びコストの上昇を回避することができ、液体原料Lの乾燥、粉粒体の製造を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の真空乾燥機を一部破断して示す正面図である。
【図2】 同上右側面図及び左側面図である。
【図3】 液体原料を貯留させたときの凍結部を示す正面図及び縦断側面図である。
【図4】 凍結物を剥離するときの凍結部を示す正面図及び縦断側面図である。
【図5】 羽根を六枚具えた凍結部を示す縦断側面図である。
【図6】 凍結シートを変形させる機構としてシリンダを用いた実施の形態を示す縦断側面図である。
【図7】 他の実施の形態で示した円錐型リボン真空乾燥機タイプの真空乾燥機を示す正面図である。
【図8】 他の実施の形態で示したベルト式連続真空乾燥機タイプの真空乾燥機を示す正面図である。
【図9】 発明の背景で述べた真空乾燥機を示す正面図である。
【図10】 発明の背景で述べた真空乾燥機を示す正面図である。
【符号の説明】
1 筐体
10 乾燥室
11 固定脚
12 側板
13 ジャケット内板
14 熱媒ノズル
15 投入口
16 排出口
16a 蓋体
16b ダクト
16c ハンドル
17 排気口
18 測定口
19 ドレン口
100 回転軸
101 回転翼
102 攪拌翼
103 ベルトコンベヤ
104 シリンダ
104a アーム
105 加熱プレート
106 落下口
2 弾性体
3 マウントブラケット
4 バイブレータユニット
5 凍結部
5M 駆動ユニット
50 ノズル
50a 原料タンク
50b ポンプ
50c バルブ
51 凍結シート
51a 貯留部
52 側板
52a 軸受
53 支持枠
53a 開口部
54 押え枠
54a 開口部
55 回転軸
56 羽根
57 凍結塔
58 シリンダ
6 真空発生装置
7 熱媒循環機
8 マイクロ波発生装置
80 導波管
B 基台
C 支持柱
D 真空乾燥機
F フレキシブルパイプ
G 凍結物
L 液体原料
M 噴霧液滴

Claims (4)

  1. 内部空間を乾燥室とした筐体を具え、この筐体に乾燥室内を減圧するための真空発生装置を連通状態に接続し、前記乾燥室内に投入された液体原料を自己凍結させて得られた凍結物を真空乾燥して粉粒体状あるいは薄膜状の固体材料を得る装置において、前記筐体には、液体原料を凍結させて凍結物を得るための凍結部を具えるものであり、この凍結部は、熱容量の小さな断熱材を素材とした凍結シートを展張状態に具えるとともに、この展張状態の凍結シートを伸縮あるいは変形させるための機構を具えて成り、前記凍結シートの上方に液体原料供給用のノズルを具え、このノズルから凍結シート上に供給された液体原料を自己凍結させ、その後、凍結シートを伸縮あるいは変形させて凍結物を剥離した後、この凍結物を真空乾燥できるように構成されていることを特徴とする液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機。
  2. 前記凍結シートが展張状態に具えられるにあたっては、羽根を具えた回転軸を囲繞し、且つ羽根の先端が凍結シート内側面と接触した状態で具えられるものであり、隣接する二枚の羽根の間に液体原料の貯留部を形成することを特徴とする請求項1記載の液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機。
  3. 前記凍結部における回転軸は、連続的な回転を行うもの、あるいは一定角度の回転を間欠的に行うものであることを特徴とする請求項2記載の液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機。
  4. 前記凍結部を、乾燥室内に具えたことを特徴とする請求項1、2または3記載の液体原料の凍結機構を具えた真空乾燥機。
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