JP3962299B2 - プローブ電流制御型外部電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブ電流制御型外部電源装置及びそれを備えたカソード防食遠隔監視・制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、埋設パイプラインのカソード防食管理は、通電電極を通じて外部電源装置から防食電流を供給し、照合電極を用いた管対地電位がカソード防食管理電位をクリアするように制御する方法が一般的に実施されている。
【0003】
ところで、この管対地電位は、直流の電気鉄道から流出する電流や他の電気防食装置から通電される電流の影響を受けて常に変動している。このため、一定の電位レベルを設定し、設定した電位と計測した電位を比較して、計測した電位が設定した電位を上回った場合には電位を下げ、下回った場合には電位を上げるように電圧を印加し、設定電位になるように制御する定電位自動制御型外部電源装置が使用されている。
【0004】
しかし、パイプラインの塗覆装は、近年、電気絶縁性に非常に優れ、塗膜抵抗値が非常に高くなっている。塗覆装に欠陥が存在しなければ、外部環境と接するパイプラインの金属面も存在せず、管対地電位を計測することは不可能であり、管対地電位による外部電源装置の出力制御は困難となる。
【0005】
そこで、従来の照合電極に換えて、塗覆装欠陥を模擬したプローブを設置し、このプローブに過不足のない適正な直流電流密度の電流が流入するように外部電源の出力制御を行うことが提案されている。
【0006】
しかし、このプローブ電流も、また、管対地電位と同様に外部要因によって変動するため、最適な防食電流を得るためには、プローブ流入電流を設定し、設定電流と計測したプローブ電流とを比較し、設定した電流値より下回った場合には防食電流を増加させ、上回った場合には防食電流を減少させるように制御する必要がある。
【0007】
例えば、直流電気鉄道レール横断部分近傍にカソード防食された塗覆装パイプラインが埋設されている場合において、レール横断部分近傍に塗覆装欠陥があると、回生制動車両の運行状況によって、塗覆装欠陥部と電解質(土壌)との間で直流電流の流出入が起こる。パイプラインにとって、プローブより直流電流が電解質方向に流出の場合腐食傾向、逆に流入の場合は防食傾向になる。プローブより直流電流の流出を防止することはもとより、過防食を避けカソード防食を適正な範囲に保持するためにプローブを直流電気鉄道レール横断部近傍に設置し、プローブに適切な直流電流密度の電流が流入するように外部電源を制御することが必要となる。
【0008】
また、直流電気鉄道の電車庫近傍は、下記(1)〜(4)の特徴を有している。
(1)電流電気鉄道は、回生制動車両を用いている。
(2)レール漏れ抵抗は、非常に高い。
(3)電車庫内にある車輪転削盤、台車抜き取り装置等は、A種接地工事が行われており、接地抵抗が10Ω以下と低い上に、電車庫内のレールと電気的に導通している。
(4)レール絶縁と帰線自動開閉装置が設置されている。
【0009】
このため、このような電車庫近傍に、電気絶縁性に非常に優れた塗覆装を有するパイプラインが埋設され、当該電車庫近傍に塗覆装欠陥がある場合、力行中の負荷者からのレール漏れ電流が該塗覆装欠陥部分から流入し、この電流が電車庫近傍の塗覆装欠陥部分から車輪転削盤、台車抜き取り装置等の接地抵抗の非常に低い方向に集中して流れ、パイプラインが腐食することとなる。このような腐食を防止する場合には、電車庫近傍の埋設パイプラインにプローブを電気的に接続し、プローブに適切な直流電流密度の電流が流入するように外部電源装置を設置し、制御することが必要となる。
【0010】
また、現実にパイプラインが埋設されている現場には、当該パイプラインに並行や交差するように、高圧送電線が架設されたり、新幹線等のような交流電気鉄道が走行している場合がある。このため、埋設パイプラインが交流誘導を受け、プローブに流入する電流には、直流分の数倍から数十倍の交流分が重畳することがある。ブロープ電流制御は直流の防食電流を制御するため、プローブを通じて計測される電流から直流分のみを分離して(交流分の影響を除去して)防食電流の制御に供する必要がある。
【0011】
しかし、交流分の影響を除去したプローブ電流による防食電流の制御を行うに当たっては、下記(1)〜(4)のような課題がある。
【0012】
(1)電流値を測定又は検出する場合には、分流器を使用して電圧を変換するのが通常の手段であるが、プローブ電流を検出する場合は、フィールドの電流密度の分布に対する影響を少なくするために、分流器の抵抗はできるだけ小さい方がよい。このため、通常は、プローブ電流の測定には1Ω程度の分流器が使用されている。
【0013】
しかし、プローブ電流は、例えば0.1〜40mAの範囲で管理されるため、1Ωの分流器では0.1〜40mVになり、これに見合った検出精度が必要になるが、オープンフィールドで測定するため、検出回路のシグナルグランドは変動しやすく、より高い検出精度が必要となる。
【0014】
(2)フィールドのプローブ電流には最大70mArmsの商用電源周波数(50Hz/60Hz)の交流成分が含まれる場合があり、プローブ電流の検出レンジの40mAより大きいため、さらに高い検出精度が要求される。
【0015】
(3)プローブ電流の検出回路には、制御対象外である交流成分を除去し、直流成分のみを通過させるフィルタの挿入が必須であるが、通常のローパスフィルタを挿入するだけでは、フィルタの時定数が大きくなるため、制御の応答速度が大幅に遅くなる懸念がある。
【0016】
(4)プローブ電流による防食効果の評価において、電気防食が効果的でない場合には逆に埋設パイプラインからプローブへ電流が流れ、プローブから地中へ流出する方向の電流となる。このような場合は、この流出電流を阻止し、ある電流値以上の電流が地中からプローブへ流入するように制御することが必要となる。プローブ電流による防食効果の評価において、電流値は秒単位の平均値で管理されるため、埋設パイプラインへ防食電流を供給する電源装置の出力電圧の立ち上り応答時間をできるだけ高速にする必要があり、これは上記(3)に関連して位相補償の課題となる。
【0017】
従って、本発明の目的は、プローブ電流に含まれる交流成分を効果的に減衰させて制御の安定化を図るとともに、カソード防食電流の制御応答の高速化を図ることができるプローブ電流制御型外部電源装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通電電極を通じて防食電流を供給する電力制御回路と、プローブを通じて検出されるプローブ電流の直流電流密度のみに基づいて前記防食電流を制御する電流制御回路とを備え、前記電流制御回路が、フィルタ回路と、該フィルタ回路からの出力の位相進み補償を行う位相補償回路とを有しているプローブ電流制御型外部電源装置であって、前記電流制御回路が、商用電源周波数に対応した帯域阻止型のノッチフィルタ回路を有し、商用電源に起因して前記プローブ電流に含まれる交流成分を減衰させるように設けられているプローブ電流制御型電源装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0019】
また、本発明は、前記本発明のプローブ電流制御型外部電源装置を有するカソード防食装置と、該カソード防食装置から監視データを収集するとともに収集した該監視データを所定の通信形態で送信する端末装置と、該端末装置から送信された前記監視データを受信して前記カソード防食装置の遠隔監視・制御を行う監視・制御装置とを備えているカソード防食遠隔監視・制御システムを提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明のカソード防食遠隔監視・制御システム(以下、単にシステムともいう。)の一実施形態を示すものである。図1において、符号1はシステム、10は防食対象物となる埋設パイプライン、11は通信ネットワーク(通信回線)、12は電車庫、13は転削盤を示している。
【0022】
システム1は、埋設パイプライン10に防食電流を供給するカソード防食装置2と、カソード防食装置2を制御するとともにカソード防食装置2から監視データを収集し、収集した該監視データを所定の通信形態で通信ネットワーク11を介して送信する端末装置3と、通信ネットワーク11を介して端末装置3に制御信号を送信するとともに端末装置3から通信ネットワーク11を介して送信される前記監視データを受信してカソード防食装置2の遠隔監視・制御を行う監視・制御装置4とを備えている。
【0023】
カソード防食装置2は、埋設パイプライン10の近傍の地中に配される通電電極(陽極端子)20と、埋設パイプライン10に電気的に接続された陰極端子21と、これら通電電極20及び陰極端子21に直流の通電電流を供給する電源装置(プローブ電流制御型外部電源装置)22と、電源装置22の電流制御回路230の分流器に接続されるとともに地中に配されるプローブ23と、プローブ23に分流器を介して短絡されるとともに埋設パイプライン10に電気的に接続されるターミナル24とを有している。
【0024】
通電電極20及び陰極端子21には、従来からこの種のカソード防食装置に用いられている通常のものを特に制限無く用いることができる。
【0025】
図2に示すように、電源装置22は、通電電極を通じて防食電流を供給する電力制御回路220と、プローブ23を通じて検出されるプローブ電流に基づいて前記防食電流を制御する電流制御回路と230とを備えている。
【0026】
電力制御回路220は、定格交流入力を整流して平滑化した後、所定の高周波に変換して変圧し、平滑化して通電電流として直流電流を出力するスイッチング電源回路である。
【0027】
電力制御回路220は、定格交流入力を整流する整流回路(整流ブリッジ)221と、整流回路221からの出力を平滑化する第1平滑化回路222と、第1平滑化回路222の出力を高周波に変換するスイッチング回路(FET)223と、交流変換された出力を変圧する高周波変圧回路224と、高周波変圧回路224の出力を整流する高周波整流回路225と、整流された出力を平滑化する第2平滑化回路(高周波平滑回路)226とを有する。
【0028】
電流制御回路230は、プローブ23で検出されるプローブ電流から交流成分を減衰させた後、設定電流と比較し、さらに位相進み補償を行って前記スイッチング回路223のゲートに出力し、電力制御回路220の出力電流(通電電流)を制御する回路である。
【0029】
電流制御回路230は、分流器231と、ローパスフィルタ回路232と、絶縁増幅回路233と、検出回路234と、ノッチフィルタ回路235と、電流設定回路236と、比較回路237と、位相補償回路238と、前記スイッチング回路223へのゲート出力回路239とを有している。
【0030】
ローパスフィルタ回路232の遮断周波数は、電源装置における出力制御の応答速度の遅れを最小限とし、かつ後述の絶縁増幅器233の入力レンジを有効に使用できるように所定の値に設定することが好ましい。本実施形態では、遮断周波数は約15Hzに設定されている。
【0031】
ローパスフィルタ回路232には、高周波のゲインの減衰を抑えつつ、後述の位相補償回路238による位相進み補償のために位相を進ませる観点から、微分要素232aを組み込むことが好ましい。本実施形態では、ローパスフィルタ回路232に150Hzの微分要素が組み込まれており、高周波のゲインの減衰を−20dBで抑えつつ、位相進み補償のために位相を進ませるように設けられている。
【0032】
絶縁増幅回路233は、検出回路234のシグナルコモンを電力制御回路220と切り離すために挿入されている。これにより、外部環境の電位変動や雑音の影響を受けずに、検出回路234で安定した電流検出ができるようになっている。検出回路234には、通常の電流検出回路を用いることができる。
【0033】
ノッチフィルタ回路235は、商用電源に起因してプローブ23に流入する交流成分を効果的に減衰させるフィルタ回路であり、商用電源周波数(50Hz又は60Hz)に対応した帯域阻止型とすることが好ましい。
【0034】
ノッチフィルタ回路235のフィルタ定数は、ゲイン及び位相の周波数特性の変化を緩慢にし、制御の安定が得られやすいように、Q値が高くならないように設定することが好ましい。本実施形態では、50Hz前後で緩やかに阻止し、後述の位相進み補償のため100Hz付近においても位相を進めるようになっている。
【0035】
前記位相補償回路238には、位相進み補償回路を用いることが好ましい。本実施形態では、位相進み補償回路として微分回路が付加されており、これにより、第2平滑化回路226の固有周波数(200Hz)付近で位相を進ませて位相余裕を確保し、制御の安定性を得ながら高周波領域におけるゲインの減衰を抑えつつ制御応答の遅れを小さくし、制御の安定と速応性の両立が確保されるようになっている。
【0036】
プローブ23、ターミナル24には、従来からこの種のカソード防食装置に用いられている通常のものを特に制限無く用いることができる。
【0037】
また、本実施形態のカソード防食装置2は、後述の端末装置3によって電源装置22の出力のON/OFF制御が行えるように、電力制御回路220にリレー回路(図示せず)を備えている。
【0038】
前記端末装置3は、通信ネットワーク11を介して監視・制御装置4と通信する通信装置30と、カソード防食装置22を制御するとともにカソード防食装置2から所望の監視データを収集する制御・収集手段31とを備えている。
【0039】
制御・収集手段31は、監視・制御装置4から通信ネットワーク11を介して送信される制御信号に基づいて、カソード防食装置2を制御するとともに、定期的に自動で及び監視・制御装置4の要求に応じ、通信装置30を通じて監視・制御装置4に前記監視データを送信する。
【0040】
制御・収集手段31が収集する監視データとしては、電力系統から整流器へのAC入力異常、電源装置22からの出力直流電圧(整流回路225の出力電圧:通電電圧)、電源装置22からの出力直流電流(整流回路225の出力電流:通電電流)、プローブ直流電流密度等が挙げられる。
【0041】
制御・収集手段31による電源装置22の制御項目は、本実施形態では、前記リレー回路による電源装置22の出力のON/OFFである。
【0042】
制御・収集手段31は、マイクロコンピュータユニットで構成されている。制御・収集手段31は、当該マイクロコンピュータを構成するハードウェア(演算処理装置、記憶装置(主記憶及び補助記憶装置)、入力装置、出力装置、クロック、バス等)と、該ハードウェアの記憶装置に保持された端末用ソフトウェアとを備えている。この端末用ソフトウェアは、該ハードウェアを、カソード防食装置22から前記監視データを収集し、該監視データを定期的に自動で又は監視・制御装置4の要求に応じ、通信装置30を通じて監視・制御装置4に送信するように機能させるとともに、前述のように通信装置30を通じて受信した監視・制御装置4から送信された制御信号に基づいてカソード防食装置2を制御するように機能させる。
【0043】
監視・制御装置4は、通信ネットワーク11を介して前記端末装置3の前記通信装置30と通信する通信装置40と、前記制御・収集手段31から通信装置30を通じて送信された前記監視データを受信し、記憶装置に保存した後、該監視データに基づいて埋設パイプライン10のカソード防食状況を遠隔で管理する管理手段(図示せず)と、通信装置40を通じて前記端末装置3に前記カソード防食装置2の制御信号を送信する制御信号送信手段(図示せず)とを備えている。
【0044】
監視・制御装置4の前記管理手段は、端末装置3から受信した監視データのうち、通電電圧、通電電流、プローブ電流密度の値(又はそれらの一定期間における各平均値)が予め設定された適正範囲内にあるか否かを比較し、該監視データが正常な範囲から逸脱している場合には、異常と判断し、その旨、日時及び各値をそれぞれ端末装置3に関連づけて前記記憶装置に保存するとともに、出力装置に出力する。
【0045】
前記監視データが正常か異常かの判断例としては、例えば、通電電圧については、その平均値が整流回路225の定格電圧の90%以上となったとき;通電電流については、その通電電流の平均値が、整流回路225の定格電流の90%以上になったとき;プローブ電流密度については、その平均値がカソード防食管理範囲を超えたとき等が挙げられる。
【0046】
監視・制御装置4の前記制御信号手段は、前記管理手段の判断に基づき自動的に又は監視・制御装置4のオペレータの操作に基づいて、前記制御項目に対応した制御信号を端末装置3の前記制御・収集手段31に送信する。
【0047】
監視・制御装置4は、具体的には、通信装置40を備えたコンピュータシステム41で構成され、当該コンピュータシステムを構成するハードウェア(演算処理装置、記憶装置(主記憶及び補助記憶装置)、入力装置、出力装置、クロック、バス等)と、該ハードウェアの記憶装置に保持された監視・制御用ソフトウェアとを備えている。この監視・制御用ソフトウェアは、該ハードウェアを前記管理手段及び前記制御信号送信手段として機能させる。
【0048】
前記構成の監視・制御装置4においては、定期的に自動で、若しくは監視・制御装置4のオペレータの操作に基づいて、端末装置3から送信される電源装置のAC入力異常の有無、埋設パイプライン10への通電電圧、通電電流、プローブ電流(又はプローブ電流密度)等の監視データが、端末装置3に関連づけられて記憶装置に適宜保存されるとともに、CRTやプリンターなどの出力装置に出力され、遠隔で集中管理される。そして、前記管理手段による前記監視データの判断結果に基づいて自動で、又は監視・制御装置4のオペレータの操作に応じて、端末装置3の制御・収集手段31に制御信号が送信され、カソード防食装置2における電源装置22の出力のON/OFFが制御される。
【0049】
端末装置3及び監視・制御装置4の各通信装置30、40は、それらの間の通信形態、データの伝送形態に応じて適宜のものを選択することができる。該通信装置としては、例えば、モデム、ターミナルアダプタ、各種ルータ等が挙げられる。各通信装置による前記制御信号や前記各種監視データの伝送形態は、通信ネットワーク11の伝送形態に応じてアナログ、デジタル(パケット通信を含む)いずれの伝送形態であってもよい。
【0050】
端末装置3の通信装置30と監視・制御装置4の通信装置40との通信を媒介する通信ネットワーク11の通信形態は、特に制限はない。該通信形態には、例えば、一般電話回線、専用回線、インターネットあるいはプロトコル変換を伴うこれらの組み合わせを介した通信形態を採用することができる。また、通信ネットワーク11の通信形態は、有線、無線の何れの通信形態でもよい。
【0051】
例えば、図1に示すように、端末装置3の通信装置30に無線パケット網111に接続可能な通信装置を搭載しておくとともに、監視・制御装置4をインターネット110上に構築しておき、さらに前記無線パケット網111を、ゲートウェー(図示せず)を介してインターネット110と接続可能に設けておく。これにより、埋設パイプライン10の防食状況を、端末装置3から得られる前記監視データに基づいて、遠隔操作によって一括して監視・制御することでができる。また、監視・制御装置4に集約される監視データを特定の者が閲覧可能なウェブページとして監視・制御装置4の補助記憶装置に登録することで、当該監視・制御装置4にアクセス可能な特定の者が任意の場所で監視データを閲覧できるようにすることもできる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のシステム1によれば、電源装置22の電流制御回路230に、ローパスフィルタ回路232に加えて、位相進み補償を行う位相補償回路238を組み込んだので、プローブ電流に含まれる交流成分を効果的に減衰させて電源装置22の制御の安定化を図るとともにカソード防食電流の制御応答の高速化を図ることができる。
【0053】
また、電流制御回路230に組み込んだ絶縁増幅回路233によって、検出回路234のシグナルコモンを電力制御回路220と切り離し、外部環境の電位変動や雑音の影響を受けないようにしたので、検出回路234で安定した電流検出ができ、電源装置22の制御の安定性をより高めることができる。
【0054】
また、本実施形態のシステム1によれば、カソード防食装置2によるパイプライン10の防食管理を遠隔地から一括して行うことができるため、保安レベルの向上及び点検費用の削減を図ることができる。
【0055】
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
【0056】
前記実施形態のシステムでは、監視・制御装置において、監視データが正常か異常かを判断するようにしたが、その判断を端末装置において行うようにし、該端末装置の記憶装置に保存するようにしてもよい。
【0057】
本発明が適用される防食対象物は、パイプラインに制限されるものではなく、それ以外の防食対象物にも適用することができる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
【0059】
図1に示すように、電車庫(転削庫)下に埋設されたパイプライン(ポリエチレン被覆鋼管)について、プローブ電流制御型外部電源装置(図2参照)を備えたカソード防食装置を用いてカソード防食を行った。該カソード防食装置には、電圧計を介してプローブに結線されたモニター用の照合電極(飽和硫酸銅電極)を備えている装置を用いた。その結果を図3(a)に示す。なお、比較例として、該外部電源装置に通電しなかった場合の測定結果を図3(b)に示す。
【0060】
また、上記外部電源装置について、その制御応答性を下記の測定条件で調べた。その結果を図4に示す。
【0061】
<制御応答の測定条件>
交流入力条件:200V、50Hz(定格)
直流出力条件:負荷2Ω(60V、30A定格)
【0062】
図3(b)に示すように、比較例の測定結果では、転削盤接地アースとレールとが接続して低接地状態となると、埋設パイプラインからプローブに電流が流出し、プローブ直流電流密度が負(−)となるが、図3(a)に示す実施例の測定結果のように、外部電源装置に通電した場合には、プローブ直流電流密度が常時0.099〜0.127mA/cm2(設定電流0.1mA/cm2)となり、カソード防食管理基準を満足する制御が可能であった。
【0063】
また、図4に示すように、ステップ応答では、実測した出力電圧応答波形で、遅れ時間(立ち上がり時間)は20msec程度であり、整定時間は150msec程度であった。この制御応答性は、埋設パイプラインのカソード防食における制御応答性として十分なものである。
【0064】
【発明の効果】
本発明のプローブ電流制御型外部電源装置によれば、プローブ電流に含まれる交流成分を効果的に減衰させて制御の安定化を図るとともに、防食電流の制御応答の高速化を図ることができる。
【0065】
また、本発明のカソード防食遠隔監視・制御システムによれば、カソード防食の管理を遠隔地から行うことができるため、保安レベルの向上及び点検費用の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカソード防食遠隔監視・制御システムの一実施形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明のプローブ電流制御型外部電源装置の一実施形態の概略ブロック図である。
【図3】本発明のプローブ電流制御型外部電源装置を用いたプローブ電流密度及びレール漏れ電流密度の測定結果を示す図であり(a)は外部電源装置に通電前の測定結果を示す図、(b)は外部電源装置に通電した後の測定結果を示す図である。
【図4】本発明のプローブ電流制御型外部電源装置を用いた出力電圧応答波形である。
【符号の説明】
1 カソード防食遠隔監視・制御システム
2 カソード防食装置
20 通電電極(陽極端子)
21 陰極端子
22 プローブ電流制御型外部電源装置
220 電力制御回路
230 電流制御回路
232 ローパスフィルタ回路(フィルタ回路)
23 プローブ
24 分流器
3 端末装置
30 通信装置
4 監視・制御装置
40 通信装置
10 埋設パイプライン
11 通信ネットワーク

Claims (4)

  1. 通電電極を通じて防食電流を供給する電力制御回路と、プローブを通じて検出されるプローブ電流の直流電流密度のみに基づいて前記防食電流を制御する電流制御回路とを備え、
    前記電流制御回路が、フィルタ回路と、該フィルタ回路からの出力の位相進み補償を行う位相補償回路とを有しているプローブ電流制御型外部電源装置であって、
    前記電流制御回路が、商用電源周波数に対応した帯域阻止型のノッチフィルタ回路を有し、商用電源に起因して前記プローブ電流に含まれる交流成分を減衰させるように設けられているプローブ電流制御型電源装置
  2. 前記フィルタ回路がローパスフィルタ回路である請求項1記載のプローブ電流制御型外部電源装置。
  3. 前記電流制御回路が、絶縁増幅回路を有している請求項1又は2記載のプローブ電流制御型外部電源装置。
  4. 請求項1〜の何れかに記載のプローブ電流制御型外部電源装置を有するカソード防食装置と、該カソード防食装置から監視データを収集するとともに収集した該監視データを所定の通信形態で送信する端末装置と、該端末装置から送信された前記監視データを受信して前記カソード防食装置の遠隔監視・制御を行う監視・制御装置とを備えているカソード防食遠隔監視・制御システム。
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